JP2008119850A - テープ印刷装置のテープ片排出機構およびこれを備えたテープ印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排出ローラに起因する印刷テープのジャミングを防止することができるテープ印刷装置のテープ片排出機構およびこれを備えたテープ印刷装置を提供すること。
【解決手段】テープ印刷装置1のテープ片排出機構17は、テープ排出口14に向かって送られる印刷テープAに臨み、切り離された印刷テープAのテープ片Aaに回転接触してテープ片Aaを装置外部に排出する排出ローラ70と、排出ローラ70を回転させるローラ軸71と、排出ローラ70とローラ軸70との間に介設され、ローラ軸71による排出ローラ70の排出方向への回転を伝達し、印刷テープAの送り力による排出ローラ70の排出方向への回転を許容する一方向クラッチ手段74と、を備える。
【選択図】図11
【解決手段】テープ印刷装置1のテープ片排出機構17は、テープ排出口14に向かって送られる印刷テープAに臨み、切り離された印刷テープAのテープ片Aaに回転接触してテープ片Aaを装置外部に排出する排出ローラ70と、排出ローラ70を回転させるローラ軸71と、排出ローラ70とローラ軸70との間に介設され、ローラ軸71による排出ローラ70の排出方向への回転を伝達し、印刷テープAの送り力による排出ローラ70の排出方向への回転を許容する一方向クラッチ手段74と、を備える。
【選択図】図11
Description
本発明は、切り離された印刷テープのテープ片を装置外部に排出するテープ印刷装置のテープ片排出機構およびこれを備えたテープ印刷装置に関するものである。
この種のテープ片排出機構として、テープ印刷装置に装着された下記特許文献1に記載のものが知られている。このテープ片排出機構は、切断後の印刷テープのテープ片に回転摺接してテープ排出口から装置外部に弾き出す排出ローラと、テープ片を挟んで対峙するフリーローラと、排出ローラを支持するローラ軸と、ローラ軸を介して排出ローラを回転させるモータと、排出ローラとモータとの間に介設したギヤ列とを備えている。このテープ印刷装置では、テープ片排出機構の手前に印刷機構が配設されており、テープ排出口に向かって印刷テープを印刷送りしながら印刷機構により印刷が行われる。印刷が完了し、印刷済み部分をカッタ位置まで送ったところで、カッタと排出ローラとが同時に駆動し、印刷テープを切断した瞬間に切り離されたテープ片を装置外部に弾き出すように排出する。
特開2002−167092号公報
ところで、上記従来のテープ片排出機構では、印刷テープをテープ排出口に向かって印刷送りするときには、排出ローラは停止状態にある。一方、排出ローラは、ローラ軸と直結され、かつ、ギヤ列を介してモータに連結されているため、排出ローラは回転不能状態で停止している。このため、印刷送りにより排出ローラに達した印刷テープは、その先端が停止状態の排出ローラとフリーローラとの間隙からそれて、排出ローラに突き当ると、その送りが阻止され装置内でジャミングするおそれがある。
本発明は、排出ローラに起因する印刷テープのジャミングを防止することができるテープ印刷装置のテープ片排出機構およびこれを備えたテープ印刷装置を提供することを目的とする。
本発明のテープ印刷装置のテープ片排出機構は、テープ排出口に向かって送られる印刷テープに臨み、切り離された印刷テープのテープ片に回転接触してテープ片を装置外部に排出する排出ローラと、排出ローラを回転させるローラ軸と、排出ローラとローラ軸との間に介設され、ローラ軸により排出ローラの排出方向への回転を伝達し、印刷テープの送り力による排出ローラの排出方向への回転を許容する一方向クラッチ手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、一方向クラッチ手段によりローラ軸の排出方向への回転が排出ローラに伝達されるため、排出ローラに回転接触したテープ片は装置外部に排出される。一方、一方向クラッチ手段は、印刷テープの送り力による排出ローラの排出方向への回転を許容する。このため、テープ排出口に送られてゆく印刷テープの先端が排出ローラに突き当った場合、この送り力を受けて排出ローラが排出方向に回転して印刷テープの通過を許容する。したがって、ローラ軸が停止状態にあっても、印刷テープの送りが許容され、排出ローラに起因する印刷テープのジャミングを防止することができる。
この場合、一方向クラッチ手段は、ローラ軸の外周面の周方向の一部に設けられた係合部と、排出ローラの内周面の周方向の一部に設けられた被係合部と、を有し、係合部と被係合部とは、排出ローラに対するローラ軸の排出方向への回転により係合し、ローラ軸に対する排出ローラの排出方向への回転により係合解除することが、好ましい。
この構成によれば、ローラ軸が排出方向に回転すると、係合部は被係合部と係合し、ローラ軸の排出方向への回転が排出ローラに伝達される。これにより、排出ローラは、テープ片に回転接触して、テープ片を装置外部に排出する。一方、印刷テープが排出ローラに突き当って排出ローラが回転すると、被係合部は係合部から離れ(係合解除)、排出ローラの排出方向への回転が許容される。これにより、排出ローラが排出方向に回転して印刷テープの通過を許容する。
この場合、ローラ軸と排出ローラとの間に介設され、ローラ軸の停止時に慣性により回転する排出ローラを制動する制動機構を、さらに備えたことが、好ましい。
この構成によれば、制動機構がローラ軸の停止時に慣性により回転する排出ローラを制動するため、被係合部が係合部に近接する位置で停止する。このため、ローラ軸の再駆動時に、係合部が被係合部に瞬時に係合し、効率的にローラ軸からの回転を排出ローラへ伝達することができる。
この場合、制動機構は、ローラ軸の外周面に設けられ、排出ローラに摺接するバネ片で構成され、ローラ軸とバネ片とは一体に成形されていることが、好ましい。
この構成によれば、バネ片とローラ軸とが一体に成形されるため、制動機構を単純な構成で簡単に形成することができる。
これらの場合、排出ローラは、ローラ本体と、ローラ本体から延び、回転により外方に広がる複数の摺接片と、から成ることが、好ましい。
この構成によれば、回転により広がる複数の摺接片が間欠的にテープ片に摺接するため、テープ片を効率良く弾き出すことができる。
本発明のテープ印刷装置は、テープ排出口に向かって印刷テープを送りながら、印刷テープに印刷を行う印刷機構と、印刷機構のテープ送り方向の下流側に配設された請求項1ないし5のいずれかに記載のテープ印刷装置のテープ片排出機構と、印刷機構とテープ片排出機構との間に配設され、印刷テープから印刷済み部分であるテープ片を切り離すテープ切断機構と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、印刷機構によりテープ送りされながら印刷テープは、テープ片排出機構により排出され、テープ切断機構により印刷テープからテープ片が切り離されて、装置外部に排出される。これにより、排出ローラに起因する印刷テープのジャミングを生じさせることなく、テープ片を装置外部に排出することができる。
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態に係るテープ片排出機構をテープ印刷装置に適用した場合について説明する。このテープ印刷装置は、印刷テープを送りながらこれに印刷を行うとともに、印刷テープの印刷済み部分を切断してテープ片を得、つまりラベルを作成し、このテープ片(ラベル)を装置外部に排出するものである。なお、本実施形態において、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は、テープ印刷装置を使用するユーザから見た方向に従う。
図1ないし図3に示すように、テープ印刷装置1は、外殻を上下2分割構造の装置ケース3で構成した装置本体2と、装置本体2に着脱自在に装着されたテープカートリッジ4とを備えている。
装置本体2の左後部上面には窓付きの開閉蓋6が配設され、開閉蓋6の内部に形成したカートリッジ装着部7に、テープカートリッジ4が着脱自在に装着されている。また、開閉蓋6の右隣には、開閉蓋6を開閉操作する操作ボタン8が配設されている。
カートリッジ装着部7には、テープカートリッジ4から繰り出される印刷テープAに熱転写を行う印刷ヘッド9と、後述するプラテンローラ10に嵌合してこれを回転駆動させるプラテン駆動軸11とが立設されている。テープカートリッジ4は、カートリッジケースにより外殻が形成され、カートリッジケースの内部には、ロール状に巻回した印刷テープAおよびインクリボンBが収容されると共に、印刷テープAを送るプラテンローラ10が配置されている。なお、印刷テープAは、いわゆる剥離紙付きの粘着テープである。
装置本体2の左側面後部には、印刷済みの印刷テープAを装置外部に繰り出すためのテープ排出口14が形成されている。また、このテープ排出口14とカートリッジ装着部7との間には、印刷テープAをフルカットするフルカット機構(切断機構)15、ハーフカットするハーフカット機構16およびテープ片排出機構17が内蔵されている。すなわち、カートリッジ装着部7、フルカット機構15、ハーフカット機構16、テープ片排出機構17およびテープ排出口14に至る直線部分には、印刷テープAの送り経路を兼ねるテープ排出経路18が構成されている。
装置本体2の前部には、表示部22が形成されており、この表示部22の表面には、電源ランプやカッタランプなどの各種表示ランプ23が配設されている。表示部22の後方には、キーボード24が配設されるとともに、このキーボード24の上側にはキーボードを覆う大型の上蓋25が配設されている。上蓋25は、開閉蓋6を逃げた右半部に内蔵したヒンジを中心に上側に開閉され、キーボード24を開放するとともに、上蓋25の内側に組み込まれた液晶ディスプレイ26を斜め上向きに開放する。すなわち、上蓋25を後方斜め姿勢に開放すると、手前にキーボード24が、このキーボード24の奥に液晶ディスプレイ26が位置し、入力作業が行える状態となる。
このテープ印刷装置1では、先ず、操作ボタン8を押下して開閉蓋6を開放し、カートリッジ装着部7にテープカートリッジ4を装着する。テープカートリッジ4をカートリッジ装着部7に装着すると、印刷テープAの繰出し端部とこの繰出し端部に添えたインクリボンBとが、装置本体2側の印刷ヘッド9とプラテンローラ10との間に挿入され、且つ駆動系の回転軸がプラテンローラ10およびインクリボンBの巻取り側のリールに係合する。そして、開閉蓋6の閉塞に伴って、印刷ヘッド9が回動し、印刷テープAおよびインクリボンBをプラテンローラ10に押し付けて、印刷待機状態となる。
次に、電源スイッチをONするとともに、これに相前後して上蓋25を開放して、入力準備を行う。ここで、液晶ディスプレイ26を参照しながら、キーボード24を操作して、所望の文字や図形などのキャラクタを入力するとともに編集を行った後、キーボード24上で印刷を指令する。印刷指令が為されると、プラテン駆動軸11の回転によりプラテンローラ10が回転すると共に、インクリボンBの巻取りが行われ、印刷ヘッド9部分に向かって印刷テープAとインクリボンBとが併走する。ここで、適宜印刷ヘッド9が駆動して印刷テープAにインクリボンBのインクが文字形に熱転写して印刷が行われる。すなわち、印刷ヘッド9およびプラテンローラ10により印刷機構12が構成され、この印刷ヘッド9による印刷駆動およびプラテンローラ10による回転送りにより、印刷テープAに印刷が行われる。印刷後のインクリボンBは巻き取られるが、印刷テープAはテープ排出口14から装置ケース3の外部に送り出されてゆく。
ユーザが予めハーフカットモードを選択しておくと、印刷途中でテープ送りが停止し、ハーフカット機構16により、印刷済み部分の前部にハーフカットが行われる。そして、印刷が完了すると、余白を含めた印刷済み部分の尾端がカッタに達したところでテープ送りが停止し、フルカット機構15とテープ片排出機構17とが同時に駆動して、印刷済み部分であるテープ片Aaを切り離すと同時に、このテープ片Aaをテープ排出口14から装置本体2の外部に弾き出す。なお、図1に示すように、テープ排出口14は、外部に向かって拡がるように形成されており、テープ片Aaを円滑に排出できるようになっている。
次に、図4ないし図9を参照して、テープ排出経路18廻りの構造について説明する。上述したように、テープ排出経路18には、印刷機構12から下流側に向かって、フルカット機構(テープ切断機構)15と、ハーフカット機構16と、テープ片排出機構17とが、順に配設されている。そして、これらフルカット機構15、ハーフカット機構16およびテープ片排出機構17は、カッタフレーム(装置フレーム)34に取り付けられている。テープカートリッジ4から繰り出された印刷テープAは、印刷機構12により印刷送りされながら、カートリッジ装着部7からフルカット機構15、ハーフカット機構16を通過し、テープ片排出機構17により、テープ排出口14から強制的に外部に排出される。
ハーフカット機構16は、スライドカッタ(ハーフカッタ)40を内蔵したカッタユニット41と、印刷テープAを挟んでスライドカッタ40に対峙するテープ受け板42と、スライドカッタを切断動作させるとともにカッタユニット41を進退させるハーフカッタ作動機構43と、駆動源となるハーフカットモータ44とで構成されている。カッタユニット41は、切断刃であるスライドカッタ40と、スライドカッタ40を上下方向に上下動自在に支持するカッタホルダ45を、カッタホルダ45の前端に設けたテープ押さえ46とを有している(図4および図5参照)。
ハーフカッタ作動機構43は、ハーフカットモータ44の動力を入力するカム/クランク円板47と、一端をカッタフレーム34に取り付けられた揺動アーム48と、カッタフレーム34を支点としてカッタユニット41に係止した揺動プレート49とを有している。そして、カム/クランク円板47の表側クランク部と揺動アーム48とにより(揺動クランク機構)、スライドカッタ40を印刷テープAに平行に上下動させ、且つカム/クランク円板47の裏側カム部と揺動プレート49とにより(端面カム機構)、カッタユニット41を印刷テープAに向かって進退させるようになっている。
ハーフカットモータ44が駆動すると、テープ押さえ46により、テープ受け板42に印刷テープAを押し付けるようにカッタユニット41が前進し、続いてスライドカッタ40が下から上に切断移動して印刷テープAをハーフカットする。ハーフカットが完了すると、カッタユニット41が後退し、続いてスライドカッタ40が上から下に移動して元の位置に戻る。すなわち、スライドカッタ40が縦長の長方形となる移動軌跡を描いて、一回の切断動作が行われる。
フルカット機構15は、ハサミ形式のカッタ50と、カッタ50を切断動作させるカッタ作動機構51と、駆動源となるカッタモータ52とで構成されている。カッタ50は、カッタフレーム34に固定された略「L」字状の固定刃53と、カッタ作動機構51に連結された略「V」字状の可動刃54と、固定刃53および可動刃54を回動自在に支持する支軸55と、カッタ作動機構51と可動刃54とを連結する連結部材56とで構成されている(図7参照)。
カッタ作動機構51は、カッタモータ52の主軸に固定されたウォームギヤ57と、ウォームギヤ57に噛み合うウォームホイール58と、同軸上においてウォームホイール58に固定した中間ギヤ59と、中間ギヤ59に噛み合うギヤ/クランク円板60とを有し、これらはカッタフレーム34に支持されている。ギヤ/クランク円板60は、一方の端面に端面ギヤ61を有し、他方の端面に連結部材56に形成した長孔に係合するクランクピン62を有している(図7および図8参照)。
カッタモータ52が駆動すると、回転動力がウォームギヤ57、ウォームホイール58および中間ギヤ59を介して、ギヤ/クランク円板60に伝達され、回転するギヤ/クランク円板60のクランクピン62と連結部材56の長孔とにより(揺動クランク機構)、支軸55を中心に可動刃54を回動させる。すなわち、カッタモータ52が駆動すると、可動刃54が固定刃53に対して往復回動をするようにして切断動作する。なお、可動刃54に装着した連結部材56の下端には、検出スイッチ(図示せず)が当接するようになっており、検出スイッチにより1回の切断動作(切断開始から切断終了まで)が正確に制御される。
また、カッタモータ52の回転動力は、ギヤ/クランク円板60から分岐して、後述するギヤ列からなる動力伝達機構72を介してテープ片排出機構17に伝達される。すなわち、テープ片排出機構17の動力源は、カッタモータ52が兼用しており、テープ片排出機構17の排出動作は、フルカット機構15の切断動作に同期して行われる。
次に、図7、図8、図10ないし図13を参照して、テープ片排出機構17について説明する。テープ片排出機構17は、排出ローラ70と、排出ローラ70を回転させるローラ軸71と、ローラ軸71に回転動力を伝達する動力伝達機構72と、印刷テープAを挟んで排出ローラ70と平行に対峙する排出補助ローラ73と、排出ローラ70とローラ軸71との間に介設した一方向クラッチ機構(一方向クラッチ手段)74と、排出ローラ70とローラ軸71との間に介設した制動機構75と、を備えている。
動力伝達機構72は、ギヤ/クランク円板60の端面ギヤ61に噛み合うねじギヤ80と、同軸上においてねじギヤ80に固定した大ギヤ81と、大ギヤ81に噛み合う第1中間ギヤ82と、第1中間ギヤ82に噛み合う第2中間ギヤ83とで構成されている。これらねじギヤ80、大ギヤ81、第1中間ギヤ82および第2中間ギヤ83は、いずれもカッタフレーム34に支持され、カッタモータ52の回転動力は、これらギヤを介して減速され、後述するローラ軸71のローラギヤ100に伝達される(図7および図8参照)。
排出補助ローラ73は、スライドカッタ40側に位置するローラホルダ85に、回転可能に軸支され(図4参照)、テープ片Aaを挟んで排出ローラ70と平行に対峙するように備えられている。この排出補助ローラ73は、上下の中間部分に形成したくびれ部86を挟んで上下に太径部87,87を有するとともに、両太径部87,87の上下に位置する軸部88,88を含めて、一体に形成されている。そして、このくびれ部86に、テープ片Aaを挟んで後述する摺接片97の摺接錘部99が対峙するようになっている(図8および図11参照)。カッタモータ52により排出ローラ70が回転すると、テープ片Aaは、排出ローラ70と排出補助ローラ73との間に挟み込まれた状態で、排出ローラ70の回転力を受けて先方に弾かれるようにして、装置外部に排出される。
排出ローラ70は、芯部ローラ90と、芯部ローラ90を被せるように設けた摺接ローラ91とで構成されている(図12参照)。芯部ローラ90は、ローラ軸71の先端部が挿入されるローラ軸挿入部92と、ローラ軸挿入部92の上側に連なり摺接ローラ91を固定するための固定軸部93と、ローラ軸挿入部92の下側に連なる円筒部94とで一体に形成されている。円筒部94の外周面には、後述する摺接片97をスカート状に外側にわずかに開いておくための複数の環状突部95が形成されている。ローラ軸71が駆動すると、芯部ローラ90は、摺接ローラ91と一体となってテープ片Aaを排出する方向に回転する(図10および図11参照)。
摺接ローラ91は、摩擦係数の高いゴムなどで形成され、ローラ本体96と、ローラ本体96から下垂した複数の摺接片97とを有している。複数の摺接片97は、周方向に相互に間隙を存して、ローラ本体96から斜め下方に向かって放射状に延びている。排出ローラ70が回転すると、複数の摺接片97が回転に伴う遠心力で外方に広がる(末広がり)ようになっている(図10参照)。
各摺接片97は、ローラ本体96から延びる薄手の可とう片部98と、可とう片部98の先端部に連なる膨出形状の摺接錘部99とで構成されている。また、摺接錘部99は、可とう片部98に対してテープ片Aa側に突出しており、摺接錘部99の先端部は楔状に傾斜している。さらに、摺接錘部99の外周端における回転方向の後方隅部99aは、大きく面取りされており、印刷送り時の印刷テープAの送りを阻害しないようになっている。排出ローラ70が回転すると、各摺接錘部99が錘となって遠心力により外側に振られ、これにしたがって各可とう片部98が適宜撓んで、摺接片97が「纏」のように末広がりとなる。そして、各摺接錘部99の先端が、テープ片Aaの剥離紙側の面を叩くようにこれに間欠的に摺接する(図11参照)。
ローラ軸71は、カッタフレーム34に立設した片持ちの軸であり、先端が芯部ローラ90のローラ軸挿入部92に遊嵌され、芯部ローラ90を回転自在に軸支している。そして、ローラ軸71の下端には、ローラギヤ100が一体に成形されている(図10および図11参照)。
一方向クラッチ機構74は、ローラ軸71の外周面の周方向の一部に設けられた係合突起(係合部)101と、芯部ローラ90の円筒部94の内周面の周方向の一部に設けられた被係合突起(被係合部)102とで構成されている。係合突起101は、断面逆台形に形成され、ローラ軸71の外周面から突出している。同様に、被係合突起102は、断面台形に形成され、芯部ローラ90の円筒部94の内周面から突出している(図11参照)。ローラ軸71が図15に示す矢印F方向(排出方向)に回転すると、係合突起101の側面が被係合突起102の側面に突き当たるように係合して、ローラ軸71の排出方向への回転が芯部ローラ90(排出ローラ70)に伝達される。一方、ローラ軸71が停止している状態において、印刷ヘッド9側から送られてゆく印刷テープAの先端が摺接ローラ91に突き当った場合、この印刷テープAの送り力を受けて、被係合突起102が係合突起101から離れ(係合解除)、排出ローラ70の排出方向への回転が許容される。すなわち、この一方向クラッチ機構74は、ローラ軸71による排出ローラ70の排出方向への回転を伝達するとともに、印刷テープAの送り力による排出ローラ70の排出方向への回転を許容する。言い換えれば、一方向クラッチ機構74は、ローラ軸71が回転駆動状態では、このローラ軸71と排出ローラ70とを一体的に回転させ、ローラ軸71が回転停止状態では、排出ローラ70のみを空転させる(図12および図13参照)。
制動機構75は、ローラ軸71の先端部と芯部ローラ90の円筒部94との間に介設したものであり、ローラ軸71の外周面に一体に設けられたバネ片103で構成されている。バネ片103は湾曲形状の樹脂製の板バネであり、ローラ軸71と一体に成形されている(図11参照)。バネ片103は、ローラ軸71の外周面の一部から周方向に延出するように湾曲し、その一部が芯部ローラ90の内周面に摺接するように形成されている。ローラ軸71が停止すると慣性により排出ローラ70が回転を続行するが、バネ片103が円筒部94の内周面に相対的に摺接して、排出ローラ70を制動する(図12および図13参照)。これにより、係合突起101と被係合突起102とは周方向に大きく離れることがない。
次に、図14および図15を参照して、印刷時および排出時のテープ片排出機構17の動作について説明する。
印刷指示により印刷が開始されると、プラテンローラ10が停止状態の印刷テープAを送りながら、印刷ヘッド9が印刷駆動して、印刷テープAに印刷が行われる。この印刷送りに伴って印刷テープAの先端は、切断機構15およびハーフカット機構16を越えて、回転停止状態にある排出ローラ70と排出補助ローラ73との間隙に向かって前進してゆく。このとき、印刷テープAの巻きぐせ等により印刷テープAの先端が、図14(a)に示すように排出ローラ70に突き当たると、印刷テープAの送り力により排出ローラ70は排出方向へ回転する。排出ローラ70が排出方向(矢印Eで示す)に回転すると、印刷テープAの先端は、排出ローラ70により方向を変えて、排出ローラ70と排出補助ローラ73との間隙に向かって進む。具体的には、印刷テープAが排出ローラ70の摺接ローラ91に接触すると、図14(b)に示すように印刷テープAの送り力を受けて被係合突起(被係合部)102は係合突起(係合部)101から離れ、つまり、被係合突起102と係合突起101との係合状態が解除される。これにより、排出ローラ70が排出方向への回転し、印刷テープAを排出ローラ70と排出補助ローラ73との間隙を通過させる。したがって、ローラ軸71が回転停止状態にあっても、印刷テープAの印刷送りが許容され、排出ローラ70に起因する印刷テープAのジャミングを防止することができる。
また、排出方向に回転した排出ローラ70は、係合状態が解除された被係合突起102が回転停止状態の係合突起101と再び係合することにより、ほぼ一回転した位置で停止する。なお、印刷テープAの先端が排出ローラ70と排出補助ローラ73との間隙を通過すれば、排出ローラ70が停止していても、排出補助ローラ73が自由回転するため、印刷テープAは送り出されてゆく。
印刷が終了し、印刷テープAの送りが停止すると、続いて、カッタモータ52が駆動して、停止状態の印刷テープAに対し、切断機構31が切断動作を行うと同時に、切断動作に連動して排出ローラ70が排出動作を行う。すなわち、図15に示すように動力伝達機構72からローラギヤ100を介して回転動力が伝達されたローラ軸71が排出方向(矢印Fで示す)に回転すると、係合突起101は被係合突起102と係合し、ローラ軸71の排出方向への回転が排出ローラ70の芯部ローラ90に伝達される。これにより、排出ローラ70は排出方向に回転し、印刷テープAから切り離されたテープ片Aaに接触して、テープ片Aaを装置外部に排出する。
排出ローラ70の排出動作が終了後、ローラ軸71が停止すると、バネ片103で構成された制動機構75がローラ軸71の停止時に慣性により回転する排出ローラ70の芯部ローラ90を制動するため、被係合突起102が係合突起101に近接する位置で停止する。このため、ローラ軸71の再駆動時に、係合突起101が被係合突起102に瞬時に係合し、効率的にローラ軸71からの回転を芯部ローラ90(排出ローラ70)に伝達することができる。
このように、一方向クラッチ機構74によりローラ軸71の排出方向への回転が排出ローラ70に伝達されるため、排出ローラ70に回転接触したテープ片Aaは装置外部に排出される。一方、一方向クラッチ機構74は、印刷テープAの送り力による排出ローラの排出方向への回転を許容する。このため、テープ排出口14に送られてゆく印刷テープAの先端が排出ローラ70に突き当たることがあっても、印刷テープAのジャミングを有効に防止することができる。
なお、本実施形態では、一方向クラッチ機構74が係合突起101および被係合突起102で構成された場合を例に説明したが、この構成に限定されるものではなく、例えば、ローラ軸71の外周面に設けられた湾曲ヒレ片と、排出ローラ70の芯部ローラ90の内周面に設けられ、湾曲ヒレ片の先端が係合する凹部とで構成してもよい。すなわち、一方向クラッチ機構74は、ローラ軸71が回転する場合には、排出ローラ70に対して排出方向への回転を伝達し、ローラ軸71が回転停止状態の場合には、印刷テープAの送り力による排出ローラ70の排出方向への回転を許容するものであれば、本発明を適用することが可能である。また、一方向クラッチ機構74は、複数の係合部および被係合部で構成してもよい。
また、本実施形態では、排出ローラ70が芯部ローラ90と摺接ローラ91とで構成された場合を例に説明したが、この構成に限定されるものではなく、例えば、偏心ローラ等で構成してもよい。
1…テープ印刷装置 2…装置本体 4…テープカートリッジ 7…カートリッジ装着部 9…印刷ヘッド 10…プラテンローラ 12…印刷機構 14…テープ排出口 15…フルカット機構(切断機構) 16…ハーフカット機構 17…テープ片排出機構 70…排出ローラ 71…ローラ軸 72…動力伝達機構 74…一方向クラッチ機構(一方向クラッチ手段) 75…制動機構 90…芯部ローラ 91…摺接ローラ 92…ローラ軸挿入部 93…固定軸部 94…円筒部 96…ローラ本体 97…摺接片97 100…ローラギヤ 101…係合突起(係合部) 102…被係合突起(被係合部) 103…バネ片
Claims (6)
- テープ排出口に向かって送られる印刷テープに臨み、切り離された前記印刷テープのテープ片に回転接触して当該テープ片を装置外部に排出する排出ローラと、
前記排出ローラを回転させるローラ軸と、
前記排出ローラと前記ローラ軸との間に介設され、前記ローラ軸による前記排出ローラの排出方向への回転を伝達し、前記印刷テープの送り力による前記排出ローラの前記排出方向への回転を許容する一方向クラッチ手段と、を備えたことを特徴とするテープ印刷装置のテープ片排出機構。 - 前記一方向クラッチ手段は、
前記ローラ軸の外周面の周方向の一部に設けられた係合部と、
前記排出ローラの内周面の周方向の一部に設けられた被係合部と、を有し、
前記係合部と前記被係合部とは、前記排出ローラに対する前記ローラ軸の前記排出方向への回転により係合し、前記ローラ軸に対する前記排出ローラの前記排出方向への回転により係合解除することを特徴とする請求項1に記載のテープ印刷装置のテープ片排出機構。 - 前記ローラ軸と前記排出ローラとの間に介設され、前記ローラ軸の停止時に慣性により回転する前記排出ローラを制動する制動機構を、さらに備えたことを特徴とする請求項2に記載のテープ印刷装置のテープ片排出機構。
- 前記制動機構は、前記ローラ軸の外周面に設けられ、前記排出ローラに摺接するバネ片で構成され、前記ローラ軸と前記バネ片とは一体に成形されていることを特徴とする請求項3に記載のテープ印刷装置のテープ片排出機構。
- 前記排出ローラは、ローラ本体と、前記ローラ本体から延び、回転により外方に広がる複数の摺接片と、から成ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のテープ印刷装置のテープ片排出機構。
- 前記テープ排出口に向かって前記印刷テープを送りながら、当該印刷テープに印刷を行う印刷機構と、
前記印刷機構のテープ送り方向の下流側に配設された請求項1ないし5のいずれかに記載のテープ印刷装置のテープ片排出機構と、
前記印刷機構と前記テープ片排出機構との間に配設され、前記印刷テープから印刷済み部分である前記テープ片を切り離すテープ切断機構と、を備えたことを特徴とするテープ印刷装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006303213A JP2008119850A (ja) | 2006-11-08 | 2006-11-08 | テープ印刷装置のテープ片排出機構およびこれを備えたテープ印刷装置 |
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JP2006303213A JP2008119850A (ja) | 2006-11-08 | 2006-11-08 | テープ印刷装置のテープ片排出機構およびこれを備えたテープ印刷装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021094736A (ja) * | 2019-12-16 | 2021-06-24 | カシオ計算機株式会社 | 印刷装置、制御方法、及び、プログラム |
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2006
- 2006-11-08 JP JP2006303213A patent/JP2008119850A/ja active Pending
Cited By (2)
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JP2021094736A (ja) * | 2019-12-16 | 2021-06-24 | カシオ計算機株式会社 | 印刷装置、制御方法、及び、プログラム |
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