以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、縦長な方形状に枠組み形成される外枠2と、外枠2の一側に開閉自在に軸支されてパチンコ遊技機1の主要構成が集約して設けられる前面枠3とから構成されている。前面枠3の前面上部には、前面扉枠4が開閉自在に設けられ、前面枠3の前面下部には、上皿開閉枠11が開閉自在に設けられている。前面扉枠4や上皿開閉枠11の他にも、前面枠3には、遊技盤40、下皿27、灰皿ユニット29、操作ハンドル30などが設けられている。パチンコ遊技機1の側方には、遊技者に遊技球を貸し出す(球貸しする)ためのカードユニット装置128(図5)が付設されてもよい。
前面扉枠4には、遊技盤40の遊技領域41をほぼ透視できる遊技開口としての円形透視窓5が開設されている。前面扉枠4の前面側には、円形透視窓5の外周に沿って、上部に装飾部材としての上部装飾ユニット22が設けられ、左側方に被覆部材としての左装飾ユニット23が設けられ、右側方に被覆部材としての右装飾ユニット24が設けられ、下部に前面構成部材としての下部装飾ユニット25が設けられている。上部装飾ユニット22の内部には、前面扉枠4の前面側に臨むように、発光部材としての遊技効果LED(Light Emitting Diode)13、14a、14cと遊技効果ランプ14b、14dとが設けられている。左装飾ユニット23の内部には、前面扉枠4の前面側に臨むように、発光部材としての遊技効果ランプ16a、16bが設けられている。右装飾ユニット24の内部には、前面扉枠4の前面側に臨むように、発光部材としての遊技効果ランプ17a、17bが設けられている。遊技効果LED13、14a、14cや遊技効果ランプ14b、14d、16a、16b、17a、17bは、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて点灯または点滅される。
前面扉枠4の前面下部に設けられた上皿開閉枠11には、例えば複数の合成樹脂製部材を組み合わせた皿部材を固着することにより構成された上皿19が形成されている。上皿19の上流側には、賞球払出口20が形成されている。上皿19の下流側には、球抜き操作部21が設けられている。加えて、上皿19の上縁部や外縁部には、パチンコ遊技機1に隣接して設置されたカードユニット装置128を介して遊技球を借り受ける際に操作する球貸操作部や、カードユニット装置128に挿入されたカードの返却を指示する際に操作する返却操作部、カードユニット装置128に挿入されたカードの残高等を表示する残高表示部などが設けられていてもよい。球貸操作部や返却操作部、残高表示部は、残高表示基板104(図5)に実装されていればよい。上皿19には、賞球払出口20から払い出された遊技球が貯留される。上皿19に貯留された遊技球は、遊技領域41内への発射位置に供給される。また、球抜き操作部21が押圧操作された場合には、上皿19に貯留された遊技球が、所定の球抜き通路や球抜き穴を通じて下皿27に誘導される。上皿19の右側方には、シリンダー錠26が臨んでいる。
前面枠3の下部に設けられた下皿27には、上皿19から溢れた余剰球が貯留される。下皿27の下方には、球抜き操作レバー28がスライド可能に取り付けられている。下皿27の左側には灰皿ユニット29が設けられ、下皿27の右側には操作ハンドル30が設けられている。操作ハンドル30は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調節するものである。操作ハンドル30には、打球発射装置130(図5)が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられている。
前面扉枠4における上部装飾ユニット22の左右には、遊技の進行に応じた効果音(音声を含む)などを発生するスピーカ12a、12bが設けられている。左装飾ユニット23の上部右側方には、賞球LED10が前面扉枠4の前面から視認可能に設けられ、右装飾ユニット24の上部左側方には、球切れLED9が前面扉枠4の前面から視認可能に設けられている。賞球LED10及び球切れLED9は、パチンコ遊技機1にて行われる遊技演出とは別に遊技に関する情報を報知するために発光する遊技関連情報発光部材であり、入賞球の発生に基づいて所定個数の賞球が払い出されたことを賞球LED10により報知し、払い出すべき賞球が不足したことを球切れLED9により報知する。また、下部装飾ユニット25の側方には、遊技盤40に貼付される証紙を視認するための透視窓18が設けられている。
遊技盤40は、ほぼ正方形状の合板により形成され、前面枠3の裏面側に一体的に形成された遊技盤収納枠部に収容固定される。遊技盤40の表面には、ステンレス鋼板を円弧状に形成した誘導レール42a、42bが取り付けられている。そして、打球発射装置130から発射された遊技球は、誘導レール42a、42bにより形成される円形状の遊技領域41内に導かれるように打ち込まれる。
遊技領域41には、第1特別可変入賞球装置66、第2特別可変入賞球装置47、普通可変入賞球装置58、始動入賞装置58b、普通図柄表示装置63などが設けられている。その他にも、遊技領域41には、遊技球を入賞あるいは通過させる各種の入賞口あるいは通過領域、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域41の最下方には、いずれの入賞領域にも入賞しない遊技球が取り込まれるアウト口69が設けられている。
第1特別可変入賞球装置66の左側方には、ゲートスイッチ62を内蔵する通過ゲート61が設けられている。第2特別可変入賞球装置47の左側方には、普通図柄始動記憶LED64が設けられている。例えば、普通図柄始動記憶LED64は、4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート61を通過した有効通過球数としての保留記憶数(普通図保留記憶数)を表示する。
第1特別可変入賞球装置66の下方には、普通可変入賞球装置58と、始動入賞装置58bとが設けられている。普通可変入賞球装置58は、普通電動役物用ソレノイド59によって開閉駆動される一対の可動翼片を有する電動チューリップ型の可変入賞球装置であり、始動領域としての始動口58aを形成している。普通可変入賞球装置58は、始動口58aに進入した遊技球を検出する始動口スイッチ60を備えている。普通可変入賞球装置58では、可動翼片が垂直位置にあるときに始動口58aを通常開放して、普通電動役物用ソレノイド59によって可動翼片を傾動位置に移動させることで始動口58aを拡大開放する。なお、始動口58aは、通常開放されているときでも、遊技球を受け入れることができる構造になっている。
始動入賞装置58bは、例えば所定の球受部材によって構成され、常に一定の開放状態に保たれて遊技球を受け入れることができる構造になっている。始動入賞装置58bに進入した遊技球は、始動口スイッチ56によって検出される。
第2特別可変入賞球装置47の右側方には、普通図柄表示装置63が設けられている。普通図柄表示装置63は、例えば2個のLEDを含んで構成され、通過ゲート61を通過した遊技球がゲートスイッチ62によって検出されたことを実行条件とする普通図ゲームにおいて、点灯、点滅、発色などが制御される。具体的な一例として、普通図柄表示装置63は、普通図ゲームにおいて、上下2カ所で「○」と「×」を交互に点灯させることにより普通図柄を変動させ、所定時間が経過した後に上下2カ所でそれぞれ「○」と「×」のいずれか一方を点灯させることにより表示結果を導出する。このとき、「×」が点灯した場合には、普通図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果として「ハズレ」が導出されたことになる。これに対して、「○」が点灯した場合には、普通図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果として「当り」が導出されたことになる。普通図柄表示装置63による普通図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「当り」となった場合には、普通可変入賞球装置58にて普通電動役物用ソレノイド59の駆動力によって始動口58aが拡大開放され、所定時間が経過すると通常開放に戻される。
第1特別可変入賞球装置66は、特別図柄表示装置44aと、特別図柄始動記憶LED46とを含んでいる。特別図柄表示装置44aは、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、可変表示ゲームとしての特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄を変動可能に表示(可変表示)する。一例として、特別図柄表示装置44aは、「00」〜「99」を示す数字や「−−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。特図ゲームでは、例えば始動口58aや始動入賞装置58bといった、始動領域のいずれかに遊技球が入賞することにより、特別図柄を可変表示するための実行条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームが終了したことや大当り遊技状態が終了したことといった、特別図柄を可変表示するための開始条件が成立したことに基づいて、特別図柄表示装置44aによる特別図柄の可変表示が開始される。この実施の形態では、特別図柄表示装置44aが「左」及び「右」の特別図柄可変表示部を備え、各特別図柄可変表示部において、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される特別図柄の可変表示を行う。各特別図柄可変表示部において可変表示される複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。例えば、「0」〜「9」を示す数値のそれぞれに対して、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号に対して、「10」の図柄番号が付されている。
特別図柄始動記憶LED46は、始動口58aと始動入賞装置58bのいずれかに入賞した有効入賞球数としての保留記憶数(特図保留記憶数)を表示する。例えば、特別図柄始動記憶LED46は、4個のLEDを含んで構成されている。
図2(A)及び図3(A)は、第1特別可変入賞球装置66を拡大して示す斜視図である。第1特別可変入賞球装置66の左方には、開閉片(開閉部材)81と、大入賞口(第1大入賞口)となる開口部82とが設けられている。開閉片81は、開口部82を第1の状態である開放状態と第2の状態である閉鎖状態とで変化させるように、回動可能に軸支され、所定のリンク機構などを介して開閉片用ソレノイド105と連結されている。開口部82は、第1特別可変入賞球装置66の内部と外部とを連通させ、開閉片81により開放状態となったときに、遊技球を第1特別可変入賞球装置66の内部に進入させることができる。
開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球は、第1カウントスイッチ106によって検出される。第1カウントスイッチ106を通過した遊技球は、進入球誘導通路110により誘導される。進入球誘導通路110の下流側には、振分部材83が設けられている。振分部材83は、所定のリンク機構などを介して振分用ソレノイド108と連結され、進入球誘導通路110により誘導された遊技球の経路を振り分ける。
例えば、振分用ソレノイド108の駆動が停止しているときには、振分部材83がパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に移動する。このとき、進入球誘導通路110により誘導されてきた遊技球は、第1誘導通路124を通じて第1領域85に振り分けられる。他方、振分用ソレノイド108が駆動したときには、振分部材83がパチンコ遊技機1の奥行き方向における奥側に移動する。このとき、進入球誘導通路110により誘導されてきた遊技球は、第2誘導通路117を通じて第2領域88に振り分けられる。第2誘導通路117を通過する遊技球は、進入球検出器109によって検出される。このように、振分部材83は、第1領域85に遊技球を振り分ける第1の振分状態と、第2領域88に遊技球を振り分ける第2の振分状態とに変化する。
第1領域85には、遊技球が転動する転動板上にて遊技球の転道方向を変化させる部材が設けられている。この転動板上をパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に転動した遊技球は、転動板上から落下して、第1特定進入口89、第1通常入賞口94a、94bのいずれかに進入する。例えば、第1領域85に振り分けられた遊技球は、1/10の確率で特定領域としての第1特定進入口89に進入する。
図2(B)及び(C)は、第1特定進入口89、第1通常入賞口94a、94bの付近における第1領域85を拡大して示す図である。図2(B)及び(C)に示すように、第1特定進入口89の上部には、遊技球を貯留するための貯留板118bが進退可能に設けられている。貯留板118bは、貯留駆動部材118aといった所定のリンク機構などを介して貯留用ソレノイド118に連結されている。
第1特定進入口89に進入した遊技球は、第1特定球検出器121aによって検出される。第1特定球検出器121aを通過した遊技球は、排出誘導領域123を通じて第1特別可変入賞球装置66の外部へと誘導される。第1通常入賞口94a、94bに進入した遊技球は、第1特定球検出器121aによって検出されずに、排出誘導領域123を通じて第1特別可変入賞球装置66の外部へと誘導される。
第2領域88には、第2特定進入口91と第2通常入賞口94cを形成する回転円盤(「2穴クルーン」ともいう。)が設けられている。図3(B)は、図3(A)に示すA−B間における回転円盤等の断面図である。回転円盤は、例えばパチンコ遊技機1の電源が入っているときに、回転円盤を回転させるためのモータ127から伝達される駆動力により、常時回転した状態となる。振分部材83により第2領域88に振分けられた遊技球は、回転円盤の周りを円運動したのち、回転円盤に形成されている第2特定進入口91または第2通常入賞口94cに進入する。例えば、第2領域88に振分けられた遊技球は、1/2の確率で特定領域としての第2特定進入口91に進入する。
第2特定進入口91に進入した遊技球は、第2特定球検出器121bによって検出される。第2特定球検出器121bを通過した遊技球は、排出誘導領域123を通じて第1特別可変入賞球装置66の外部へと誘導される。第2通常入賞口94cに進入した遊技球は、第2特定球検出器121bによって検出されずに、排出誘導領域123を通じて第1特別可変入賞球装置66の外部へと誘導される。図3(A)示すように、排出誘導領域123により誘導される遊技球は、すべて排出球検出器122によって検出された後に、第1特別可変入賞球装置66の外部に排出される。
第1特別可変入賞球装置66の内部において、第2誘導通路117の右上方には、演出表示装置44bが設けられている。演出表示装置44bは、例えば液晶表示器(LCD;Liquid Crystal Display)といった、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画面表示を行うものであればよい。演出表示装置44bには、演出画像を表示する表示領域80が形成されている。表示領域80では、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して、例えば2つに分割された飾り図柄可変表示部にて、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄を可変表示する。この飾り図柄の可変表示も、開始条件が成立したことに基づいて行われる可変表示ゲームに含まれる。
例えば、表示領域80には、「左」及び「右」の飾り図柄可変表示部が配置され、特別図柄表示装置44aにより特図ゲームが実行されることに対応して、各飾り図柄可変表示部にて飾り図柄が可変表示される。すなわち、特別図柄表示装置44aにおける特別図柄の可変表示が開始されるときには、表示領域80における「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部にて飾り図柄の可変表示(例えば切換表示やスクロール表示)を開始させ、その後、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、表示領域80における「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部にて飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示(導出表示)される。また、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部は、表示領域80内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。
図4は、表示領域80における「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部に表示される飾り図柄の一例を示す図である。この実施の形態では、各飾り図柄可変表示部において、青色の英数字「1」〜「8」(以下では、「青1」〜「青8」とも称する)を示す図柄や、赤色の英数字「1」、「3」、「5」、「7」(以下では、「赤1」、「赤3」、「赤5」、「赤7」とも称する)を示す図柄が、飾り図柄として変動可能に表示される。飾り図柄のそれぞれには、個別の図柄番号が付されている。例えば、「青1」〜「青8」を示す飾り図柄のそれぞれに対しては、「00H」〜「07H」の図柄番号が付されている一方で、「赤1」、「赤3」、「赤5」、「赤7」を示す飾り図柄のそれぞれに対しては、「08H」、「0AH」、「0CH」、「0EH」の図柄番号が付されている。各飾り図柄可変表示部では、英数字を示す図柄以外にも、例えば漢数字や英文字、所定のモチーフに関連するキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどが、飾り図柄として変動可能に表示されてもよい。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す演出画像である。
演出表示装置44bの表示領域80において飾り図柄の可変表示が開始されると、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部では、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと切換表示やスクロール表示が行われ、図柄番号が最大の飾り図柄が表示されると、次に図柄番号が最小の飾り図柄が表示されればよい。あるいは、図柄番号が大きいものから小さいものへと切換表示やスクロール表示を行って、図柄番号が最小の飾り図柄が表示されると、次に図柄番号が最大の飾り図柄が表示されてもよい。さらには、図柄番号の大小によらず、予め定められた順序で飾り図柄の切換表示やスクロール表示を行うようにしてもよい。飾り図柄の可変表示中には、例えば可変表示結果が「大当り」となることを予告する大当り予告演出画像や、可変表示結果が「小当り」となることを予告する小当り予告演出画像などが、表示領域80において表示されるようにしてもよい。
また、演出表示装置44bの表示領域80には、始動口58aや始動入賞装置58bに入賞した有効入賞球数としての特図保留記憶数を表示する特別図柄始動記憶表示エリアが設けられていてもよい。具体的な一例として、特図保留記憶数が1加算されたときには、通常青色であった表示部位のうちの1つ(例えば青色となっている表示部位のうち左端の表示部位)を赤色表示に変化させる。これに対して、特図保留記憶数が1減算されたときには、赤色表示されている表示部位のうちの1つ(例えば赤色となっている表示部位のうち右端の表示部位)を青色表示に戻す。あるいは、特別図柄始動記憶表示エリアでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。
第1特別可変入賞球装置66の上端から右側端にわたる部分には、演出表示装置44bの設置位置に遊技球が進入することを防止する規制フランジ部75が延設されている。規制フランジ部75と遊技領域41の右上端から右側端を区画形成する誘導レール42aとの間には、誘導通路76が形成されている。遊技領域41の右上部分には、例えばゴム等を用いて構成された緩衝部材70が設けられている。
普通可変入賞球装置58の下方には、第2特別可変入賞球装置47が設けられている。第2特別可変入賞球装置47は、第2大入賞口扉用ソレノイド65によって開閉駆動される開閉板49を有し、その開閉板49によって、大入賞口(第2大入賞口)となる開口部48を第1の状態となる開放状態と第2の状態となる閉鎖状態とで変化させる。開放状態となった開口部48から第2特別可変入賞球装置47の内部に進入した遊技球は、第2カウントスイッチ52によって検出される。また、第2特別可変入賞球装置47の内部には、遊技球の検出(V入賞検出)に伴って大当りの継続権を成立させるための検出器である第3特定球検出器51が設けられている。第3特定球検出器51の上部には、一旦V入賞検出があると次に開閉板49により開口部48を開放状態とするまでは遊技球が第3特定球検出器51を通過しないようにするVシャッターが設けられている。Vシャッターは、所定のリンク機構などを介して第2Vシャッター用ソレノイド50と連結されている。なお、第2特別可変入賞球装置47の内部には、第3特定球検出器51やVシャッターなどを設けることなく、開閉板49により第2大入賞口となる開口部48を開放状態とする場合には、第2特別可変入賞球装置47に遊技球が進入したか否かに関わりなく、大当りの継続権を成立させるようにしてもよい。
第1特別可変入賞球装置66の左下方には、入賞球検出器55aを内蔵した通常入賞口53aが設けられている。また、普通可変入賞球装置58及び第2特別可変入賞球装置47の右側には、入賞球検出器55bを内蔵した通常入賞口53bが設けられている。入賞球検出器55a、55bからの検出信号に基づいて、所定個数の賞球が払い出される。
普通図柄表示装置63による普通図ゲームにて、普通図柄の可変表示を行った表示結果として「当り」が導出された場合には、普通可変入賞球装置58における始動口58aが通常開放から拡大開放に変化し、その後に所定時間が経過すると通常開放に戻る。
特別図柄表示装置44aによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後に所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となり、大当り図柄及び小当り図柄以外の特別図柄(ハズレ図柄)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になると、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になると、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、具体的な一例として、「56」、「55」、「78」、「77」を示す特別図柄を大当り図柄とし、「12」、「11」、「34」、「33」を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−−」を示す特別図柄をハズレ図柄としている。
特別図柄表示装置44aによる特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄「56」、「55」、「78」、「77」のいずれかとなる場合には、演出表示装置44bの表示領域80における飾り図柄の可変表示結果として、例えば「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部にて所定の大当り組合せを構成する確定飾り図柄が停止表示される。例えば、特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄「56」となる場合には、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部にて同一の「青5」を示す飾り図柄が、確定飾り図柄として揃って停止表示される。特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄「55」となる場合には、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部にて同一の「赤5」を示す飾り図柄が、確定飾り図柄として揃って停止表示される。特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄「78」となる場合には、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部にて同一の「青7」を示す飾り図柄が、確定飾り図柄として揃って停止表示される。特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄「77」となる場合には、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部にて同一の「赤7」を示す飾り図柄が、確定飾り図柄として揃って停止表示される。このような大当り組合せの確定飾り図柄は、大当り遊技状態に制御されることに対応した特定表示結果に含まれる。大当り遊技状態に制御される場合には、演出表示装置44bの表示領域80において、大当り発生時用の演出画像が表示される。その後、大当り遊技状態では、大当り中用の演出画像が表示される。大当り遊技状態が終了するときには、大当り終了時用の演出画像が表示される。
特別図柄表示装置44aによる特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄「12」、「11」、「34」、「33」のいずれかとなる場合には、演出表示装置44bの表示領域80における飾り図柄の可変表示結果として、例えば「左」及び「右」の各可変表示部にて所定の小当り組合せを構成する確定飾り図柄が停止表示される。例えば、特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄「12」となる場合には、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部にて同一の「青1」を示す飾り図柄が、確定飾り図柄として揃って停止表示される。特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄「11」となる場合には、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部にて同一の「赤1」を示す飾り図柄が、確定飾り図柄として揃って停止表示される。特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄「34」となる場合には、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部にて同一の「青3」を示す飾り図柄が、確定飾り図柄として揃って停止表示される。特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄「33」となる場合には、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部にて同一の「赤3」を示す飾り図柄が、確定飾り図柄として揃って停止表示される。このような小当り組合せの確定飾り図柄は、小当り遊技状態に制御されることに対応した所定表示結果に含まれる。小当り遊技状態に制御される場合には、演出表示装置44bの表示領域80において、小当り発生時用の演出画像が表示される。このときには、小当り種別に応じて異なる演出画像が表示されるようにしてもよい。さらに、小当り遊技状態にて進入球検出器109によって遊技球が検出されたときには、遊技球が第2領域88へと誘導されたことを報知する演出画像が表示されるようにしてもよい。
あるいは、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄のいずれかとなる場合に、演出表示装置44bの表示領域80では、飾り図柄の可変表示を行わずに、第1特別可変入賞球装置66において開閉片81により開口部82を開放状態とする始動動作が行われることを報知する演出画像や、その始動動作にて開口部82を開放状態とする回数を報知する演出画像などを、表示するようにしてもよい。このときでも、特別図柄表示装置44bによる特図ゲームでの特別図柄の可変表示については、実行されるようにする。
特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄となった後には、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて開口部82を、所定の始動態様で閉鎖状態から開放状態に変化させ、所定時間が経過した後に閉鎖状態に戻す動作を、所定回数に達するまで繰返し可能に実行する。このような小当り遊技状態で行われる開口部82の開閉動作を始動動作という。この始動動作では、例えば特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄「12」、「11」、「34」、「33」のいずれであるかに対応した回数に達するまで、開口部82を開閉する始動動作を行い、第1特別可変入賞球装置66を遊技者にとって有利な第1の状態としての開放状態に変化させる。一例として、特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄「12」及び「11」のいずれかである場合には、開口部82を1回開閉する始動動作を行う。これに対して、特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄「34」及び「33」のいずれかである場合には、開口部82を3回開閉する始動動作を行う。また、始動動作では、開口部82を開放状態とした後、例えば特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄「12」、「11」、「34」、「33」のいずれであるかに対応した時間が経過するまで、開口部82を継続して開放状態とする。一例として、特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄「12」及び「34」のいずれかである場合には、開口部82が閉鎖状態から開放状態に変化した後、1秒が経過するまで継続して開口部82を開放状態としてから、閉鎖状態に戻る。これに対して、特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄「11」及び「33」のいずれかである場合には、開口部82が閉鎖状態から開放状態に変化した後、2秒が経過するまで継続して開口部82を開放状態としてから、閉鎖状態に戻る。このように、始動動作では、始動口58aや始動入賞装置58bといった始動領域に進入した遊技球が始動口スイッチ56、60によって検出されたことに基づき、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームや演出表示装置44bの表示領域80における飾り図柄の可変表示結果が「小当り」となったことに応じて、第1特別可変入賞球装置66の開口部82を、遊技者にとって不利な第2の状態である閉鎖状態から遊技者にとって有利な第1の状態である開放状態とした後に再び第2の状態である閉鎖状態へと変化させる。また、始動動作にて第1大入賞口としての開口部82が開放状態となる開放回数(始動開放回数)や開放時間といった始動動作態様(始動動作パターン)は、特図ゲームにて確定特別図柄として停止表示された小当り図柄に応じて異なるものとなる。
始動動作にて開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定領域としての第1特定進入口89と第2特定進入口91のいずれかに進入した場合には、大当り遊技状態となる。ここで、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が振分部材83によって第1領域85に振り分けられた場合には、1/10の確率で第1特定進入口89に進入して第1特定球検出器121aによって検出される。これに対して、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が振分部材83によって第2領域88に振り分けられた場合には、1/2の確率で第2特定進入口91に進入して第2特定球検出器121bによって検出される。この点において、第1領域85に比べて、第2領域88の方が、小当り遊技状態となった後に大当り遊技状態となる確率が高く、遊技者にとって有利な領域である。また、振分部材83の振分状態は、第1領域85に遊技球を振り分ける第1の振分状態に比べて、第2領域88に遊技球を振り分ける第2の振分状態の方が、遊技者にとって有利な状態となる。
特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄となった後には、大当り遊技状態への制御が行われ、小当り遊技状態となる場合のような始動動作は行われない。すなわち、特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄となった後には、第1特定進入口89に進入した遊技球が第1特定球検出器121aによって検出されたか否かや、第2特定進入口91に進入した遊技球が第2特定球検出器121bによって検出されたか否かに関わりなく、大当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態では、始動態様よりも遊技者にとって有利な特定態様で、第1特別可変入賞球装置66や第2特別可変入賞球装置47を第1の状態である開放状態とする。この実施の形態では、大当り遊技状態において、ラウンド遊技として予め定められた動作単位の遊技が実行可能となる。例えば、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81が、第1大入賞口となる開口部82を閉鎖状態から開放状態へと変化させることにより、第1特別可変入賞球装置66を第1の状態とした後、所定時間(例えば26秒)が経過したこと、あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生したことに応じて、開口部82を開放状態から閉鎖状態へと変化させるまでの動作単位が、1回のラウンド遊技として定められていればよい。また、第2特別可変入賞球装置47の開閉板49が、第2大入賞口となる開口部48を閉鎖状態から開放状態へと変化させることにより、第2特別可変入賞球装置47を第1の状態とした後、所定時間(例えば29秒)が経過したこと、あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生したことに応じて、開口部48を開放状態から閉鎖状態へと変化させるまでの動作単位が、1回のラウンド遊技として定められていればよい。大当り遊技状態では、複数回のラウンド遊技を実行可能であり、特図ゲームでの確定特別図柄などに応じて、上記2つの動作単位のいずれかが、1回のラウンド遊技として定められていてもよい。また、大当り遊技状態が開始されてから終了するまでの間におけるラウンド遊技の実行回数に応じて、上記2つの動作単位のいずれかが、1回のラウンド遊技として定められてもよい。さらに、1回のラウンド遊技として、上記2つの動作単位の両方が行われるようにしてもよい。
この実施の形態では、特図ゲームでの確定特別図柄として停止表示された小当り図柄や大当り図柄などに応じて、大当り遊技状態にてラウンド遊技が継続可能な最大継続回数(上限回数)を、「2ラウンド」あるいは「15ラウンド」に設定することができる。最大継続回数に達した最終のラウンド遊技以外の各ラウンド遊技では、第1特定球検出器121aや第2特定球検出器121bによって遊技球が検出されたこと、あるいは、第3特定球検出器51によって遊技球が検出されたことを、次のラウンド遊技が実行可能となるための条件としてもよい。例えば、ラウンド遊技にて第1特別可変入賞球装置66における第1大入賞口となる開口部82を開閉片81により開放状態とする場合には、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1特定進入口89と第2特定進入口91のいずれかに進入して第1特定球検出器121aや第2特定球検出器121bによって検出されることにより、次のラウンド遊技に移行するための継続権が成立してラウンド遊技を繰返し継続することができればよい。また、ラウンド遊技にて第2特別可変入賞球装置47における第2大入賞口となる開口部48を開閉板49により開放状態とする場合には、第2特別可変入賞球装置47の内部に進入した遊技球が第3特定球検出器51によって検出されることにより、次のラウンド遊技に移行するための継続権が成立してラウンド遊技を繰返し継続することができればよい。なお、第1特別可変入賞球装置66の開口部82を開閉片81により開放状態とするラウンド遊技では、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入したか否かに関わりなく、最大継続回数に達するまで次のラウンド遊技に移行するための継続権が成立してラウンド遊技を繰り返すことができるようにしてもよい。また、第2特別可変入賞球装置47の開口部48を開閉板49により開放状態とするラウンド遊技では、第2特別可変入賞球装置47の内部に遊技球が進入したか否かに関わりなく、最大継続回数に達するまで次のラウンド遊技に移行するための継続権が成立してラウンド遊技を繰り返すことができるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図5に示すような主基板120や演出制御基板90、音声枠ランプ基板92、ランプドライバ基板93、電源基板97、払出制御基板98、残高表示基板104といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、周辺電源中継基板147、周辺コマンド中継基板57、図柄中継基板84及びスイッチ中継基板95といった中継基板や、特別図柄基板850、普通図柄基板86及び普通図柄記憶基板87なども搭載されている。
主基板120には、遊技盤40に設けられた各検出器51、55a、55b、109、121a、121b、122や各スイッチ52、62、l06からの信号が、スイッチ中継基板95を介して入力される。また、主基板120には、始動口スイッチ56、60からの信号も入力される。主基板120には、乱数発生回路60aが接続されており、始動口スイッチ56、60からの検出信号がオン状態になると、その時点におけるカウント値が主基板120に入力される。
主基板120からは、遊技盤40に設けられた各ソレノイド50、59、65、105、108、118及びモータ127を駆動制御するための駆動制御信号が出力され、スイッチ中継基板95によって各部位へと中継される。また、主基板120からは、遊技状態に応じた電飾信号及び効果音信号等の情報信号が出力され、周辺コマンド中継基板57や演出制御基板90を介して音声枠ランプ基板92へと伝送される。さらに、主基板120からは、演出表示装置44bの表示状態を制御するための演出制御コマンドが出力され、周辺コマンド中継基板57を介して演出制御基板90へと伝送される。加えて、主基板120からは、特別図柄表示装置44a等の表示状態を制御するための表示制御信号が出力され、図柄中継基板84を介して特別図柄基板850や普通図柄基板86、普通図柄記憶基板87などへと伝送される。主基板120には盤用外部端子板96が接続され、各種の遊技情報が伝送される。
主基板120には、周辺コマンド中継基板57及び演出制御基板90や音声枠ランプ基板92及びランプドライバ基板93を介して、各種装飾LED・ランプ32が接続されている。遊技効果LED13、14a、14c、遊技効果ランプ14b、14c、16a、16b、17a、17bは、それぞれプリント配線基板等に実装され、スピーカ12a、12bとともに、周辺コマンド中継基板57及び演出制御基板90や音声枠ランプ基板92を介して、主基板120に接続されている。周辺コマンド中継基板57は、主基板120から演出制御基板90へと出力される情報信号を中継する。
主基板120には、電源基板97からの電力が供給され、各種遊技効果LED・ランプ13、14a〜14d、16a、16b、17a、17b、各種装飾LED・ランプ32及びスピーカ12a、12b等を駆動させるための電力を、周辺電源中継基板147を介して音声枠ランプ基板92に供給する。電源基板97は、一次電源となるAC24Vの交流電源を、電源コードを介して受け、二次電源としての電力を、主基板120と払出制御基板98とに供給する。電源基板97には、パチンコ遊技機1における全ての動作をクリアするためのクリアスイッチ97aも搭載されている。周辺電源中継基板147は、主基板120からの電力を音声枠ランプ基板92へと中継する。また、主基板120からは、各検出器51、55a、55bや各スイッチ52、56、60、106からの検出信号に基づいて賞球個数信号が出力され、払出制御基板98へと伝送される。
主基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ99が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ99は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)100と、ワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)111と、プログラムに従って遊技の進行を制御するCPU(Central Processing Unit)112と、演出制御基板90等に制御信号となるコマンドを送信するI/O114とを含んでいる。遊技制御用マイクロコンピュータ99では、CPU112がROM100から読み出したプログラムを実行し、RAM111をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
主基板120では、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために、各種の乱数値が用いられる。図6は、主基板120の側において用いられる乱数値の一例を示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、主基板120の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、小当り種別決定用の乱数値MR3、ラウンド数決定用の乱数値MR4が用いられ、これらの乱数値を示す数値データがカウント可能となる制御や処理が行われる。なお、遊技効果を高めるために、主基板120の側でこれら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1〜MR4の全部または一部を示す数値データを示す数値データは、乱数発生回路60aから入力されるカウント値に基づいて生成される。また、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データは、CPU112が乱数発生回路60aとは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける可変表示結果を、「大当り」や「小当り」とするか「ハズレ」とするかの判定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「300」の範囲の値をとる。すなわち、特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける可変表示結果に基づきパチンコ遊技機1が大当り遊技状態や小当り遊技状態となるか否かの判定を行うために用いられる。具体的な一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数発生回路60aにより、遊技制御用マイクロコンピュータ99のクロック制御とは異なるクロック制御に基づいて加算更新される2バイトの数値データである。乱数発生回路60aでは、始動口スイッチ56、60からの入力信号がオン状態となったときに、内蔵カウンタにおけるカウント値が記憶バッファにラッチされ、このラッチされたカウント値が乱数値MR1を示す数値データとして主基板120の遊技制御用マイクロコンピュータ99に入力される。遊技制御用マイクロコンピュータ99では、乱数値MR1が所定の範囲内にあるか否かを、例えばCPU112によって判定することにより、可変表示結果を「大当り」とするか否かの判定や、「小当り」とするか否かの判定が行われる。
大当り種別決定用の乱数値MR2は、特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」とする場合に、複数種類ある大当り種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「100」の範囲の値をとる。この実施の形態では、複数種類の大当り種別として、第1大当りから第4大当りまでが予め用意され、いずれの大当りであるかに応じて、確定特別図柄及び確定飾り図柄、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数や、ラウンド遊技にて第1大入賞口(開口部82)と第2大入賞口(開口部48)のいずれが開放状態となるかの設定、特別図柄及び飾り図柄の可変表示時間などを、異ならせる。
小当り種別決定用の乱数値MR3は、特図ゲームにおける可変表示結果を「小当り」とする場合に、複数種類ある小当り種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「100」の範囲の値をとる。この実施の形態では、複数種類の小当り種別として、第1小当りから第4小当りまでが予め用意され、いずれの小当りであるかに応じて、確定特別図柄及び確定飾り図柄、始動動作による第1大入賞口(開口部82)の開放回数(始動開放回数)や開放時間、遊技球が第2特定進入口91に進入して大当り遊技状態となった場合にラウンド遊技にて第1大入賞口(開口部82)と第2大入賞口(開口部48)のいずれが開放状態となるかの設定、特別図柄及び飾り図柄の可変表示時間などを、異ならせる。
ラウンド数決定用の乱数値MR4は、始動動作にて開閉片81により開放状態とされた開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1特定進入口89に進入した場合に、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が継続可能となる最大継続回数(上限回数)を、複数種類のうちから決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「200」の範囲の値をとる。この実施の形態では、始動動作にて第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1特定進入口89に進入して第1特定球検出器121aによって検出された場合に、ラウンド数決定用の乱数値MR4を用いて、「2ラウンド」及び「15ラウンド」のいずれかに決定する。これに対して、始動動作にて第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第2特定進入口91に進入して第2特定球検出器121bによって検出された場合には、ラウンド数決定用の乱数値MR4に関わりなく、「15ラウンド」に決定する。この点において、振分部材83の振分状態は、第1領域85に遊技球を振り分ける第1の振分状態に比べて、第2領域88に遊技球を振り分ける第2の振分状態の方が、遊技者にとって有利な状態となる。また、第1領域85に比べて、第2領域88の方が、遊技者にとって有利な領域である。
図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ99が備えるROM100には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM100には、CPU112が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM100には、CPU112が主基板120から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄及び飾り図柄の可変表示における表示態様となる可変表示パターンを複数種類格納する可変表示パターンテーブルなどが記憶されている。
ROM100が記憶する判定テーブルには、特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かを判定するために参照されるテーブルとして、例えば図7に示すような特図表示結果判定テーブル200が含まれている。図7に示す特図表示結果判定テーブル200は、特図表示結果判定用の乱数値MR1を、ハズレ判定値データ、小当り判定値データ及び大当り判定値データのいずれかに対応付ける(割り当てる)設定データ(判定用データ)などから構成されている。
ROM100が記憶する決定テーブルには、例えば図8(A)に示すような大当り種別決定テーブル210と、図8(B)に示すような小当り種別決定テーブル211と、図9に示すようなラウンド数決定テーブル220とが含まれている。
図8(A)に示す大当り種別決定テーブル210は、特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を決定するために参照されるテーブルである。例えば、大当り種別決定テーブル210は、大当り種別決定用の乱数値MR2を、「第1大当り」から「第4大当り」といった大当り種別、大当り図柄、さらにはラウンド制御パターンの種類と対応付ける設定データ(決定用データ)などから構成されている。この大当り種別決定テーブル210を参照することにより、大当り種別が「第1大当り」である場合には大当り図柄が「56」に決定され、大当り種別が「第2大当り」である場合には大当り図柄が「55」に決定され、大当り種別が「第3大当り」である場合には大当り図柄が「78」に決定され、大当り種別が「第4大当り」である場合には大当り図柄が「77」に決定される。
図8(B)に示す小当り種別決定テーブル211は、特図ゲームにおける可変表示結果を「小当り」とする場合に、小当り種別を決定するために参照されるテーブルである。例えば、小当り種別決定テーブル211は、小当り種別決定用の乱数値MR3を、「第1小当り」から「第4小当り」といった小当り種別、小当り図柄、さらには第2特定進入口91への進入時におけるラウンド制御パターンの種類と対応付ける設定データ(決定用データ)などから構成されている。この小当り種別決定テーブル211を参照することにより、小当り種別が「第1小当り」である場合には小当り図柄「12」に決定され、小当り種別が「第2小当り」である場合には小当り図柄「11」に決定され、小当り種別が「第3小当り」である場合には小当り図柄「34」に決定され、小当り種別が「第4小当り」である場合には小当り図柄「33」に決定される。
図9に示すラウンド数決定テーブル220は、始動動作により開放状態となった第1大入賞口としての開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1特定進入口89に進入した場合に、大当り遊技状態にて実行されるラウンド遊技の最大継続回数を決定するために参照されるテーブルである。例えば、ラウンド数決定テーブル220は、ラウンド数決定用の乱数値MR4を、「2」、「15」といったラウンド最大値や、ラウンド制御パターンの種類と対応付ける設定データ(決定用データ)などから構成されている。
ROM100が記憶する制御パターンテーブルには、例えば図10に示すような小当り制御パターンテーブル230が含まれている。この小当り制御パターンテーブル230には、パチンコ遊技機1における遊技状態が小当り遊技状態に制御されている期間における、CPU112による遊技制御用マイクロコンピュータ99での設定内容や、各ソレノイド105、108、118による駆動動作の内容を示すデータが、複数種類の小当り種別に対応した小当り制御パターンとして複数種類格納されていればよい。例えば、小当り制御パターンテーブル230には、「第1小当り」から「第4小当り」までの4種類の小当り種別に対応して、4種類の小当り制御パターンKP1〜KP4が格納されている。小当り制御パターンテーブル230に格納される複数種類の小当り制御パターンはそれぞれ、例えば図11に示すように、各種の判定値と対応付けられた設定データや制御データから構成され、時系列的に、CPU112による遊技制御用マイクロコンピュータ99での設定内容や、各ソレノイド105、108、118による駆動動作の内容といった、始動動作における各種の設定や制御の内容、実行タイミング等を示している。なお、小当り制御パターンは、CPU112による設定や制御の内容と実行タイミング等を、時系列的に示すものに限定されず、時系列に関わりなく列記したものであってもよい。例えば、小当り制御パターンは、ソレノイド105、108、118のそれぞれについて、駆動制御信号を生成するタイミングを示すデータや、駆動制御信号の出力を停止するタイミングを示すデータと、駆動制御信号の生成パターンや停止指令を示す制御データとを、個別に対応付けたものであってもよい。
図11に示す小当り制御パターンに示された各判定値(例えば特定入賞有効判定値、大入賞口開放開始判定値、振分駆動判定値#1、貯留駆動開始判定値、振分停止判定値#1、大入賞口開放終了判定値、貯留解除判定値など)は、CPU112によって、遊技制御用データ保持エリア300の遊技制御タイマ設定部163(図16)に設けられた遊技制御プロセスタイマにおけるタイマ値である遊技制御プロセスタイマ値と、比較される。このとき、判定値のいずれかと遊技制御プロセスタイマ値とが合致した場合には、その合致した判定値と対応付けられた設定データや制御データに応じた設定や制御が実行される。
こうした小当り制御パターンKP1〜KP4の設定に基づき、小当り遊技状態では、第1大入賞口となる開口部82を始動動作で開放状態とする回数(始動開放回数)や開放時間が、特図ゲームにて確定特別図柄として停止表示された小当り図柄などに応じて異なるものとなる。例えば図12に示すように、小当り制御パターンKP1では、始動動作で開口部82を開放状態とする回数である始動開放回数が「1」に設定され、開放時間が「1秒」に設定される。小当り制御パターンKP2では、始動開放回数が「1」に設定され、開放時間が「2秒」に設定される。小当り制御パターンKP3では、始動開放回数が「3」に設定され、開放時間が「1秒」に設定される。小当り制御パターンKP4では、始動開放回数が「3」に設定され、開放時間が「2秒」に設定される。
また、ROM100が記憶する制御パターンテーブルには、例えば図13に示すようなラウンド制御パターンテーブル240も含まれている。このラウンド制御パターンテーブル240には、パチンコ遊技機1における遊技状態が大当り遊技状態に制御される期間における、CPU112による遊技制御用マイクロコンピュータ99での設定内容や、各ソレノイド50、59、65、105、108、118による駆動動作の内容を示すデータが、ラウンド制御パターンとして複数種類格納されていればよい。例えば、ラウンド制御パターンテーブル240には、特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」である場合に決定可能となる「第1大当り」から「第4大当り」のそれぞれに対応して、2ラウンド用のラウンド制御パターンRP1−1、RP1−2と、15ラウンド用のラウンド制御パターンRP1−3、RP1−4とが格納されている。また、ラウンド制御パターンテーブル240には、特図ゲームにおける可変表示結果が「小当り」となった後、小当り遊技状態にて遊技球が第2特定進入口91に進入したことに基づいて制御される大当り遊技状態におけるラウンド制御パターンとして、15ラウンド用のラウンド制御パターンRP2−1、RP2−2が格納されている。さらに、ラウンド制御パターンテーブル240には、特図ゲームにおける可変表示結果が「小当り」となった後、小当り遊技状態にて遊技球が第1特定進入口89に進入したことに基づいて制御される大当り遊技状態におけるラウンド制御パターンとして、2ラウンド用のラウンド制御パターンRP3−1と、15ラウンド用のラウンド制御パターンRP3−2とが格納されている。
ラウンド制御パターンテーブル240に格納される複数種類のラウンド制御パターンはそれぞれ、遊技制御用データ保持エリア300の遊技制御カウンタ設定部164に設けられたラウンド数カウンタにおけるカウント値であるラウンド数カウント値を、大入賞口の最大開放時間である大入賞口開放時間や、開放する大入賞口(第1及び第2大入賞口のいずれか)と対応付ける設定データや制御データなどから構成されている。また、各ラウンド制御パターンは、各種の判定値と対応付けられた設定データや制御データを含み、各ラウンド遊技における時系列に沿って、CPU112による遊技制御用マイクロコンピュータ99での設定内容や、各ソレノイド50、59、65、105、108、118による駆動動作の内容といった、CPU112による設定や制御の内容と実行タイミング等を示していてもよい。あるいは、各ラウンド制御パターンは、CPU112による設定や制御の内容と実行タイミング等を、時系列に関わりなく列記したものであってもよい。例えば、ラウンド制御パターンは、ソレノイド50、59、65、105、108、118のそれぞれについて、駆動制御信号を生成するタイミングを示すデータや、駆動制御信号の出力を停止するタイミングを示すデータと、駆動制御信号の生成パターンや停止指令を示す制御データとを、個別に対応付けたものであってもよい。
例えば、ラウンド制御パターンRP1−1では、図14(A)に示すように、大入賞口開放時間が「26秒」に設定され、開放する大入賞口が第1大入賞口に対応した「第1」に設定される。ラウンド制御パターンRP1−2では、図14(B)に示すように、大入賞口開放時間が「29秒」に設定され、開放する大入賞口が第2大入賞口に対応した「第2」に設定される。ラウンド制御パターンRP1−3では、図14(C)に示すように、大入賞口開放時間が「26秒」に設定され、開放する大入賞口が第1大入賞口に対応した「第1」に設定される。ラウンド制御パターンRP1−4では、図14(D)に示すように、大入賞口下方時間が「29秒」に設定され、開放する大入賞口が第2大入賞口に対応した「第2」に設定される。ラウンド制御パターンRP2−1は、図14(C)に示すラウンド制御パターンRP1−3と同様の設定を示すものであればよい。ラウンド制御パターンRP2−2は、図14(D)に示すラウンド制御パターンRP1−4と同様の設定を示すものであればよい。ラウンド制御パターンRP3−1は、図14(A)に示すラウンド制御パターンRP1−1と同様の設定を示すものであればよい。ラウンド制御パターンRP3−2は、図14(C)に示すラウンド制御パターンRP1−3と同様の設定を示すものであればよい。あるいは、ラウンド制御パターンRP2−1、RP2−2、RP3−1、RP3−2は、ラウンド制御パターンRP1−1、RP1−3、RP1−4とは異なる個別の設定を示すものであってもよい。
ROM100が記憶する可変表示パターンテーブルの一例として、この実施の形態では、図15に示すような可変表示パターンテーブル250が用意されている。可変表示パターンテーブル250は、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄に対応して選択される可変表示パターンを、各可変表示パターンにおいて特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示するまでの時間である可変表示時間と対応付ける設定データなどから構成されている。
この実施の形態では、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における表示結果を「大当り」や「小当り」とする場合に、例えば飾り図柄の可変表示を開始した後、確定飾り図柄が停止表示されるより前に、発展演出表示となる所定の演出表示が実行されることがある。この発展演出表示では、飾り図柄の可変表示中に、一旦確定飾り図柄と同一または異なる所定の飾り図柄を停止表示してから、再び飾り図柄の変動表示が行われ、その後に確定飾り図柄が停止表示されることで、飾り図柄の可変表示が終了する。特図ゲームや飾り図柄の可変表示における表示結果を「大当り」とする場合には、大当り種別が「第1大当り」から「第4大当り」のいずれであるかに対応して、「発展演出なしA(大当り)」、「発展演出ありA(大当り)」、「発展演出なしB(大当り)」、「発展演出ありB(大当り)」という、大当りパターンのいずれかに決定される。こうした大当りパターンとなる4つの可変表示パターンのうちでは、可変表示時間が互いに異なるように設定されている。特図ゲームや飾り図柄の可変表示における表示結果を「小当り」とする場合には、小当り種別が「第1小当り」から「第4小当り」のいずれであるかに対応して、「発展演出なしC(小当り)」、「発展演出ありC(小当り)」、「発展演出なしD(小当り)」、「発展演出ありD(小当り)」という、小当りパターンのいずれかに決定される。こうした小当りパターンとなる4つの可変表示パターンのうちでは、可変表示時間が互いに異なるように設定されている。特図ゲームや飾り図柄の可変表示における表示結果を「ハズレ」とする場合には、ハズレパターンに決定される。
図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ99が備えるRAM111には、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図16に示すような遊技制御用データ保持エリア300が設けられている。図16に示す遊技制御用データ保持エリア300は、特図保留記憶部161と、遊技制御フラグ設定部162と、遊技制御タイマ設定部163と、遊技制御カウンタ設定部164と、遊技制御バッファ設定部165とを備えている。
特図保留記憶部161は、始動口58aや始動入賞装置58bといった始動領域のいずれかに遊技球が進入して特別図柄表示装置44aによる特図ゲームを実行するための実行条件が成立したものの、従前の特図ゲームを実行中であるなどの理由により可変表示を開始するための開始条件が成立していない特図ゲームに関する保留情報を記憶する。例えば、特図保留記憶部161は、始動口58aや始動入賞装置58bへの入賞順に保留番号と対応付けて、その入賞による実行条件の成立に基づいてCPU112により乱数発生回路60aからのカウント値などに基づき抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データや、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データ、小当り種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを、保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部162には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するためにセットあるいはクリアされる複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部162は、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータを記憶する。この実施の形態において、遊技制御フラグ設定部162には、特別図柄プロセスフラグ、大当りフラグ、小当りフラグ、第1及び第2特定球検出フラグ、大入賞口開放中フラグ、第1大入賞口開放後フラグ、第1及び第2エラー判定実行フラグが設けられている。
特別図柄プロセスフラグは、特別図柄表示装置44aにおける特図ゲームの進行等を制御するために実行される特別図柄プロセス処理(図24のステップS16及び図27)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。大当りフラグは、特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」とする判定結果に対応してオン状態にセットされる一方で、特図ゲームにおける可変表示結果として大当り図柄が導出表示されたことなどに対応してクリアされてオフ状態となる。小当りフラグは、特図ゲームにおける可変表示結果を「小当り」とする判定結果に対応してオン状態にセットされる一方で、特図ゲームにおける可変表示結果として小当り図柄が導出表示されたことなどに対応してクリアされてオフ状態となる。
第1特定球検出フラグは、小当り遊技状態や大当り遊技状態にて開閉片81により開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が、第1特定進入口89に進入して第1特定球検出器121aによって検出されたときに、オン状態にセットされる。第2特定球検出フラグは、小当り遊技状態や大当り遊技状態にて開閉片81により開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が、第2特定進入口91に進入して第2特定球検出器121bによって検出されたときに、オン状態にセットされる。なお、第1特定球検出フラグや第2特定球検出フラグは、小当り遊技状態や大当り遊技状態とは異なる遊技状態であっても、第1特定球検出器121aや第2特定球検出器121bによって遊技球が検出されたことに対応して、オン状態にセットされてもよい。そして、小当り遊技状態や大当り遊技状態とは異なる遊技状態にて第1特定球検出フラグや第2特定球検出フラグがオンであるか否かに対応して、エラーの有無を判定する。
大入賞口開放中フラグは、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技で、第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口(開口部82)と第2特別可変入賞球装置47に対応した第2大入賞口(開口部48)のいずれかが開放状態に制御されているときに、オン状態にセットされる。第1大入賞口開放後フラグは、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技で、第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口(開口部82)を開放状態とした後に閉鎖状態とする制御が行われたことに対応して、オン状態にセットされる。
第1エラー判定実行フラグは、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入したことを第1カウントスイッチ106により検出したか否かに対応して異常の有無を判定する第1エラー判定処理を実行する場合に、オン状態にセットされる。その一方で、第1エラー判定処理を実行しない場合には、第1エラー判定実行フラグがクリアされてオフ状態となる。第2エラー判定実行フラグは、第2特別可変入賞球装置47の内部に遊技球が進入したことを第2カウントスイッチ52により検出したか否かに対応して異常の有無を判定する第2エラー判定処理を実行する場合に、オン状態にセットされる。その一方で、第2エラー判定処理を実行しない場合には、第2エラー判定実行フラグがクリアされてオフ状態となる。
遊技制御タイマ設定部163には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部163は、各タイマにおけるタイマ値を示すデータを記憶する。この実施の形態において、遊技制御タイマ設定部163には、遊技制御プロセスタイマが設けられている。
遊技制御プロセスタイマは、例えば特図ゲームの実行時間である特別図柄の可変表示時間といった特図ゲームの進行を制御するための時間や、大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態の進行を制御するための時間などを、主基板120の側にて計測するためのものである。例えば、遊技制御プロセスタイマは、特図ゲームの進行や大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、遊技制御プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、遊技制御プロセスタイマは、特図ゲームや大当り遊技状態もしくは小当り遊技状態の開始時点といった、所定時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部164には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部164は、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータを記憶する。この実施の形態において、遊技制御カウンタ設定部164には、ラウンド数カウンタ、第1及び第2大入賞口カウンタ、残存球数カウンタ、特図保留記憶数カウンタが設けられている。
ラウンド数カウンタは、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数をカウントするためのものである。例えば、ラウンド数カウンタには、大当り遊技状態の開始時にカウント初期値「1」を示すデータが、ラウンド数カウント値として設定される。そして、1回のラウンド遊技が終了して次回のラウンド遊技が開始されるときに、ラウンド数カウント値が1加算されて更新される。
第1大入賞口カウンタは、第1特別可変入賞球装置66に設けられた第1大入賞口としての開口部82に入賞した遊技球の個数をカウントするためのものである。例えば、第1大入賞口カウンタには、第1カウントスイッチ106によって遊技球が検出されるごとに1加算されるデータが、第1大入賞口カウント値としてセットされる。そして、小当り遊技状態の終了時や、大当り遊技状態にて第1大入賞口を開放状態とした後に閉鎖状態とするラウンド遊技の終了時には、第1大入賞口カウント値がクリアされてカウント初期値「0」を示すデータがセットされる。
第2大入賞口カウンタは、第2特別可変入賞球装置47に設けられた第2大入賞口としての開口部48に入賞した遊技球の個数をカウントするためのものである。例えば、第2大入賞口カウンタには、第2カウントスイッチ52によって遊技球が検出されるごとに1加算されるデータが、第2大入賞口カウント値としてセットされる。そして、大当り遊技状態にて第2大入賞口を開放状態とした後に閉鎖状態とするラウンド遊技の終了時には、第2大入賞口カウント値がクリアされてカウント初期値「0」を示すデータがセットされる。
残存球数カウンタは、第1特別可変入賞球装置66の内部に残存している遊技球の個数をカウントするためのものである。例えば、残存球数カウンタには、第1カウントスイッチ106によって遊技球が検出されるごとに1加算されるデータが、残存球数カウント値としてセットされる。そして、排出球検出器122によって遊技球が検出されるごとに、残存球数カウント値が1減算されて更新される。
特図保留記憶数カウンタは、特図保留記憶部161における保留データの数である特図保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、特図保留記憶数カウンタには、特図保留記憶数に対応したカウント値データが、特図保留記憶数カウント値として記憶され、特図保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。
遊技制御バッファ設定部165には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。
図5に示す演出制御基板90は、主基板120とは独立したサブ側の制御基板であり、演出表示装置44bの表示動作を主基板120からの演出制御コマンドに応じて制御するとともに、音声枠ランプ基板92との情報信号のやり取りを行う。例えば、演出制御基板90には、図17に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ170と、表示制御部171とが搭載されている。
図17に示す演出制御用マイクロコンピュータ170は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、プログラムに従って制御動作を行うCPU181と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM182と、CPU181のワークエリアを提供するRAM183と、CPU181とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路184と、入出力ポート185とを備えている。演出制御用マイクロコンピュータ170では、CPU181がROM182から読み出したプログラムを実行し、RAM183をワークエリアとして用いることで、演出表示装置44bなどによる演出動作を制御するための処理が実行される。
演出制御基板90では、乱数回路184によって、パチンコ遊技機1における演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値の全てまたは一部が生成される。例えば、演出制御基板90の側では、図18に示すような演出制御パターン決定用の乱数値SR1が用いられ、この乱数値を示す数値データがカウント可能となるように制御される。なお、演出効果を高めるために、演出制御基板90の側でこれ以外の乱数値が用いられてもよい。乱数値SR1を示す数値データは、乱数回路184にてカウントされればよい。また、乱数値SR1を示す数値データは、CPU181が乱数回路184とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよい。
演出制御パターン決定用の乱数値SR1は、主基板120から通知された可変表示パターンに対応して、演出制御パターンを複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「100」の範囲の値をとる。
図17に示す演出制御用マイクロコンピュータ170のROM182には、CPU181による制御動作において各種の決定や判定、設定を行うために読出可能なデータとして、例えば複数種類の飾り図柄決定テーブルや演出実行決定テーブル、演出制御パターンテーブルといった、各種のテーブルを構成するデータが記憶されている。飾り図柄決定テーブルは、演出表示装置44bの表示領域80における飾り図柄の可変表示結果として導出表示される確定飾り図柄などを決定するために用いられるテーブルである。演出実行決定テーブルは、演出制御基板90の側において、所定の演出動作を実行するか否かや、実行する場合における演出動作の態様を示す演出パターンなどを決定するために用いられるテーブルである。演出制御パターンテーブルは、例えば演出表示装置44bの表示領域80における表示動作といった、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されたテーブルである。各演出制御パターンは、各種の演出動作について設定や制御を行うための設定データや制御データから構成され、時系列的に各種の演出制御の内容や演出制御の切換タイミング等を示すものであればよい。
ROM182が記憶する演出制御パターンテーブルの一例として、この実施の形態では、図19に示すような演出制御パターンテーブル350が用意されている。演出制御パターンテーブル350には、飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果となる確定飾り図柄が停止表示されるまでの期間における、CPU181による演出制御用マイクロコンピュータ170での設定内容や、表示制御部171に対して送信する表示制御指令、スピーカ12a、12b等の音声出力制御の内容、各遊技効果ランプ13、14a〜14d、16a、16b、17a、17b等による演出内容といった、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。各演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、終了コードといった、演出動作を制御するための各種データから構成され、時系列的に、表示制御部171に対して送信する表示制御指令や、スピーカ12a、12bからの音声出力内容、各遊技効果ランプ13、14a〜14d、16a、16b、17a、17bによる演出内容といった、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されている。
この実施の形態では、主基板120からの可変表示開始コマンドなどにより通知された可変表示パターンがハズレパターンであるときに、演出制御パターン決定用の乱数値SR1に基づき、演出制御パターンを「ハズレA」と「ハズレB」のいずれかに決定することができる。また、可変表示パターンが大当りパターンのうち「発展演出なしA(大当り)」の可変表示パターンであるときには、演出制御パターン決定用の乱数値SR1に基づき、演出制御パターンを「発展演出なしA−1(大当り)」と「発展演出なしA−2(大当り)」のいずれかに決定することができる。例えば、「発展演出なしA−1(大当り)」の演出制御パターンでは、図20(A)に示すように、演出表示装置44bの表示領域80における「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて飾り図柄の変動表示を開始した後、図20(B)に示すように、大当り種別が「第1大当り」であることに対応した「青5」を示す飾り図柄を、可変表示結果となる確定飾り図柄として、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rに揃って停止表示する。また、例えば「発展演出なしA−2(大当り)」の演出制御パターンでは、飾り図柄の変動表示を開始した後、「発展演出なしA−1(大当り)」の演出制御パターンである場合とは異なる所定の演出表示(例えば表示領域80に所定のキャラクタ画像を表示することなど)を行った後、大当り種別が「第1大当り」であることに対応した「青5」を示す飾り図柄を、可変表示結果となる確定飾り図柄として停止表示する。
可変表示パターンが大当りパターンのうち「発展演出ありA(大当り)」の可変表示パターンであるときには、演出制御パターン決定用の乱数値SR1に基づき、演出制御パターンを「発展演出ありA−1(大当り)」から「発展演出ありA−4(大当り)」のいずれかに決定することができる。例えば、「発展演出ありA−1(大当り)」の演出制御パターンでは、図20(C)に示すように、演出表示装置44bの表示領域80における「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて飾り図柄の変動表示を開始した後、図20(D)に示すように、「赤1」を示す飾り図柄を、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rに一旦停止表示する。このとき停止表示される飾り図柄については、各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて確定せずに揺れている揺れ変動状態となる仮停止表示が行われてもよい。この後、各飾り図柄可変表示部80L、8Rでは、発展演出表示として、一旦停止表示した飾り図柄を再び変動表示させる再可変表示が行われ、大当り種別が「第2大当り」であることに対応した「赤5」を示す飾り図柄を、可変表示結果となる確定飾り図柄として、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rに揃って停止表示する。また、例えば「発展演出ありA−2(大当り)」の演出制御パターンでは、飾り図柄の変動表示を開始した後、「赤3」を示す飾り図柄を一旦停止表示してから再可変表示させる発展演出表示が行われる。そして、大当り種別が「第2大当り」であることに対応した「赤5」を示す飾り図柄を、可変表示結果となる確定飾り図柄として停止表示する。また、例えば「発展演出ありA−3(大当り)」の演出制御パターンでは、飾り図柄の変動表示を開始した後、「赤1」を示す飾り図柄を一旦停止表示してから再可変表示させ、さらに「赤3」を示す飾り図柄を一旦停止表示してから再可変表示させる発展演出表示が行われる。そして、大当り種別が「第2大当り」であることに対応した「赤5」を示す飾り図柄を、可変表示結果となる確定飾り図柄として停止表示する。このように、発展演出表示では、飾り図柄の一旦停止表示が複数回行われるようにしてもよい。また、例えば「発展演出ありA−4(大当り)」の演出制御パターンでは、飾り図柄の変動表示を開始した後、「赤5」を示す飾り図柄を一旦停止表示してから再可変表示させる発展演出表示が行われる。そして、大当り種別が「第2大当り」であることに対応した「赤5」を示す飾り図柄を、可変表示結果となる確定飾り図柄として停止表示する。このように、発展演出表示では、確定飾り図柄として停止表示される飾り図柄と同一の飾り図柄を一旦停止表示して再可変表示することで、一旦停止表示された飾り図柄よりも遊技者にとって有利な大当り遊技状態に対応した飾り図柄が確定飾り図柄として停止表示される発展がなかったこと(発展失敗)を示す演出表示が行われてもよい。
可変表示パターンが大当りパターンのうち「発展演出なしB(大当り)」の可変表示パターンであるときには、演出制御パターン決定用の乱数値SR1に基づき、演出制御パターンを「発展演出なしB−1(大当り)」と「発展演出なしB−2(大当り)」のいずれかに決定することができる。例えば、「発展演出なしB−1(大当り)」の演出制御パターンでは、図21(A)に示すように、演出表示装置44bの表示領域80における「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて飾り図柄の変動表示を開始した後、図21(B)に示すように、大当り種別が「第3大当り」であることに対応した「青7」を示す飾り図柄を、可変表示結果となる確定飾り図柄として、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rに揃って停止表示する。また、例えば「発展演出なしB−2(大当り)」の演出制御パターンでは、飾り図柄の変動表示を開始した後、「発展演出なしB−1(大当り)」の演出制御パターンである場合とは異なる所定の演出表示を行った後、大当り種別が「第3大当り」であることに対応した「青7」を示す飾り図柄を、可変表示結果となる確定飾り図柄として停止表示する。
可変表示パターンが大当りパターンのうち「発展演出ありB(大当り)」の可変表示パターンであるときには、演出制御パターン決定用の乱数値SR1に基づき、演出制御パターンを「発展演出ありB−1(大当り)」から「発展演出ありB−4(大当り)」のいずれかに決定することができる。例えば、「発展演出ありB−1(大当り)」の演出制御パターンでは、図21(C)に示すように、演出表示装置44bの表示領域80における「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて飾り図柄の変動表示を開始した後、図21(D)に示すように、「赤1」を示す飾り図柄を、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rに一旦停止表示(例えば仮停止表示など)する。この後、各飾り図柄可変表示部80L、80Rでは、発展演出表示として、一旦停止表示した飾り図柄を再び変動表示させる再可変表示が行われ、大当り種別が「第4大当り」であることに対応した「赤7」を示す飾り図柄を、可変表示結果となる確定飾り図柄として、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rに揃って停止表示する。また、例えば「発展演出ありB−2(大当り)」の演出制御パターンでは、飾り図柄の変動表示を開始した後、「赤3」を示す飾り図柄を一旦停止表示してから再可変表示させる発展演出表示が行われる。そして、大当り種別が「第4大当り」であることに対応した「赤7」を示す飾り図柄を、可変表示結果となる確定飾り図柄として停止表示する。また、例えば「発展演出ありB−3(大当り)」の演出制御パターンでは、飾り図柄の変動表示を開始した後、「赤5」を示す飾り図柄を一旦停止表示してから再可変表示させる発展演出表示が行われる。そして、大当り種別が「第4大当り」であることに対応した「赤7」を示す飾り図柄を、可変表示結果となる確定飾り図柄として停止表示する。また、「発展演出ありB−4(大当り)」の演出制御パターンでは、飾り図柄の変動表示を開始した後、「赤1」を示す飾り図柄を一旦停止表示してから再可変表示させ、さらに「赤3」を示す飾り図柄を一旦停止表示してから再可変表示させる発展演出表示が行われる。そして、大当り種別が「第4大当り」であることに対応した「赤7」を示す飾り図柄を、可変表示結果となる確定飾り図柄として停止表示する。
可変表示パターンが小当りパターンのうち「発展演出なしC(小当り)」の可変表示パターンであるときには、演出制御パターン決定用の乱数値SR1に基づき、演出制御パターンを「発展演出なしC−1(小当り)」と「発展演出なしC−2(小当り)」のいずれかに決定することができる。例えば、「発展演出なしC−1(小当り)」の演出制御パターンでは、図22(A)に示すように、演出表示装置44bの表示領域80における「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて飾り図柄の変動表示を開始した後、図22(B)に示すように、小当り種別が「第1小当り」であることに対応した「青1」を示す飾り図柄を、可変表示結果となる確定飾り図柄として、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rに揃って停止表示する。また、例えば「発展演出なしC−2(小当り)」の演出制御パターンでは、飾り図柄の変動表示を開始した後、「発展演出なしC−1(小当り)」の演出制御パターンである場合とは異なる所定の演出表示を行った後、小当り種別が「第1小当り」であることに対応した「青1」を示す飾り図柄を、可変表示結果となる確定飾り図柄として停止表示する。
可変表示パターンが小当りパターンのうち「発展演出ありC(小当り)」の可変表示パターンであるときには、演出制御パターンを「発展演出ありC−1(小当り)」に決定する。例えば、「発展演出ありC−1(小当り)」の演出制御パターンでは、図22(C)に示すように、演出表示装置44bの表示領域80における「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて飾り図柄の変動表示を開始した後、図22(D)に示すように、「赤1」を示す飾り図柄を、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rに一旦停止表示(例えば仮停止表示など)する。このとき停止表示される飾り図柄は、例えば「青1」や「青3」といった、発展演出表示が実行されない「第1小当り」や「第3小当り」といった小当り種別に対応して可変表示結果となる確定飾り図柄に決定される飾り図柄とは、異なる図柄となるように設定されていればよい。この設定は、例えば「発展演出ありC−1(小当り)」の演出制御パターンといった、発展演出表示を実行する際に決定される演出制御パターンに含まれる制御データに示されていてもよいし、発展演出表示を実行する以前に、演出制御用マイクロコンピュータ170のCPU181が所定の決定処理を実行することなどにより行われてもよい。こうして飾り図柄を一旦停止表示した後、各飾り図柄可変表示部80L、80Rでは、発展演出表示として、一旦停止表示した飾り図柄を再び変動表示させる再可変表示が行われ、小当り種別が「第2小当り」であることに対応した「赤1」を示す飾り図柄を、可変表示結果となる確定飾り図柄として、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rに揃って停止表示する。
可変表示パターンが小当りパターンのうち「発展演出なしD(小当り)」の可変表示パターンであるときには、演出制御パターン決定用の乱数値SR1に基づき、演出制御パターンを「発展演出なしD−1(小当り)」と「発展演出なしD−2(小当り)」のいずれかに決定することができる。例えば、「発展演出なしD−1(小当り)」の演出制御パターンでは、図23(A)に示すように、演出表示装置44bの表示領域80における「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて飾り図柄の変動表示を開始した後、図23(B)に示すように、小当り種別が「第3小当り」であることに対応した「青3」を示す飾り図柄を、可変表示結果となる確定飾り図柄として、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rに揃って停止表示する。また、例えば「発展演出なしD−2(小当り)」の演出制御パターンでは、飾り図柄の変動表示を開始した後、「発展演出なしD−1(小当り)」の演出制御パターンである場合とは異なる所定の演出表示を行った後、小当り種別が「第3小当り」であることに対応した「青3」を示す飾り図柄を、可変表示結果となる確定飾り図柄として停止表示する。
可変表示パターンが小当りパターンのうち「発展演出ありD(小当り)」の可変表示パターンであるときには、演出制御パターン決定用の乱数値SR1に基づき、演出制御パターンを「発展演出ありD−1(小当り)」と「発展演出ありD−2(小当り)」のいずれかに決定することができる。例えば、「発展演出ありD−1(小当り)」の演出制御パターンでは、図23(C)に示すように、演出表示装置44bの表示領域80における「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて飾り図柄の変動表示を開始した後、図23(D)に示すように、「赤1」を示す飾り図柄を、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rに一旦停止表示(例えば仮停止表示など)する。このとき停止表示される飾り図柄は、例えば「青1」や「青3」といった、発展演出表示が実行されない「第1小当り」や「第3小当り」といった小当り種別に対応して可変表示結果となる確定飾り図柄に決定される飾り図柄とは、異なる図柄となるように設定されていればよい。この後、各飾り図柄可変表示部80L、80Rでは、発展演出表示として、一旦停止表示した飾り図柄を再び変動表示させる再可変表示が行われ、小当り種別が「第4小当り」であることに対応した「赤3」を示す飾り図柄を、可変表示結果となる確定飾り図柄として、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rに揃って停止表示する。
図17に示す演出制御用マイクロコンピュータ170のRAM183には、演出動作を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。例えば、RAM183には、演出動作状態や演出制御コマンド等に応じて各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのデータが記憶される演出制御フラグ設定部や、演出制御に用いられる各種のタイマ値を示すデータが記憶される演出制御タイマ設定部、演出制御に用いられる各種のカウント値を示すデータが記憶される演出制御カウンタ設定部、演出制御に用いられる各種のデータが一時的に記憶される演出制御バッファ設定部といった、各種のデータ設定部となる領域が設けられていればよい。
乱数回路184は、演出制御基板90の側において用いられる各種の乱数値の全てまたは一部を生成する回路である。入出力ポート185は、演出制御用マイクロコンピュータ170に伝送された演出制御コマンド等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御用マイクロコンピュータ170の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、入出力ポート185の出力ポートからは、表示制御部171へと伝送される表示制御信号や、音声枠ランプ基板92へと伝送される情報信号などが出力される。
演出制御基板90に搭載された表示制御部171は、演出制御用マイクロコンピュータ170からの表示制御信号などに基づき、演出表示装置44bの表示領域80における表示動作の制御を行うためのものである。例えば、表示制御部171では、演出表示装置44bの表示領域80にて演出画像の切換表示を行わせることなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。表示制御部171には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。
音声枠ランプ基板92では、主基板120から入力される電飾信号に応じて、遊技効果LED13、14a、14cや遊技効果ランプ14b、14d、16a、16b、17a、17bの点灯制御が行われる。また、音声枠ランプ制御基板92では、主基板120から入力される効果音信号に応じて、スピーカ12a、12bによる音声出力動作の制御が行われる。さらに、音声枠ランプ制御基板92では、主基板120から入力される電飾信号に応じて、ランプドライバ基板93を介して各種装飾LED・ランプ32の点灯制御が行われる。ランプドライバ基板93は、音声枠ランプ基板92から各種装飾LED・ランプ32への接続を中継する。
払出制御基板98は、主基板120とは独立したサブ側の制御基板であり、遊技球の払出動作を主基板120からの賞球個数信号などに応じて制御するとともに、遊技球の発射動作や各種の表示動作を制御する。例えば、払出制御基板98では、満タンスイッチ158からの満タン信号に応じて払出停止信号を玉払出装置154に出力し、払出モータの駆動を停止させる制御が行われる。また、払出制御基板98は、主基板120からの賞球個数信号に応じて払出モータを駆動し、所定個数の賞球を払い出させる。このとき、払出制御基板98では、賞球個数信号に応じて賞球LED10を表示駆動する制御が行われる。
加えて、払出制御基板98では、球切れスイッチ157からの球切れスイッチ信号に応じて払出停止信号を玉払出装置154に出力し、払出モータの駆動を停止させる制御が行われる。このとき、払出制御基板98では、球切れLED9を表示駆動する制御も行われる。
払出制御基板98には、玉払出装置154に搭載されたモータ位置センサや払出個数カウントスイッチからの信号も入力される。払出制御基板98では、モータ位置センサからの入力信号に応じて、遊技球の払出動作における払出モータの停止位置を制御するとともに、玉払出部材が正常に動作しているか否かを検出する。また、払出制御基板98では、払出個数カウントスイッチからの入力信号に応じた払出モータの駆動制御により遊技球の払出制御が行われる。
払出制御基板98は、カードユニット装置128や残高表示基板104からの信号を中継する遊技球等貸出装置接続端子板103と接続されて、カードユニット装置128からの各種の情報や、残高表示基板104に搭載された球貸操作部や返却操作部からの信号が入力される。払出制御基板98では、カードユニット装置128からの球貸要求信号に応じた払出モータの駆動制御により遊技球の払出制御が行われる。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板120では、電源基板97からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ99が起動し、CPU112によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU112は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えば、電源基板97に搭載されたクリアスイッチ97aが押圧操作されたか否かの判定を行い、押圧操作された場合には、RAM111をクリアした後に所定の作業領域に初期値を設定するなどの初期設定処理が実行される。これに対して、クリアスイッチ97aが押圧操作されていない場合には、RAM111のバックアップ領域における記憶内容などに基づき、主基板120の内部状態をパチンコ遊技機1にて電源断が生じる前の状態に戻すための復旧処理が実行される。加えて、遊技制御メイン処理における初期設定では、第1エラー判定実行フラグや第2エラー判定実行フラグをオン状態にセットする。これにより、パチンコ遊技機1の電源が投入されたことに対応して、第1エラー判定処理や第2エラー判定処理を実行可能とする。
また、遊技制御メイン処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ99に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU112へと送出され、CPU112は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定や復旧処理が終了すると、割込みを許可した後に、ループ処理に入る。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU112は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図24のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図24に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU112は、まず、所定の電源断処理を実行する(ステップS11)。この電源断処理では、所定の電源確認信号における信号状態をチェックして、電源断判定中以外であればバックアップ監視タイマをクリアする。これに対して、電源断判定中であればバックアップ監視タイマの更新や判定を行い、電源断が発生したか否かを判定する。このとき、電源断が発生すれば、チェックサムバッファの設定や、RAM111をアクセス禁止とする設定、電源確認信号の監視などといった、所定の設定や処理を実行する。
電源断処理に続いて、所定のスイッチ処理を実行する(ステップS12)。このスイッチ処理では、ゲートスイッチ62、始動口スイッチ56、60、第1カウントスイッチ106及び第2カウントスイッチ52といった各スイッチや、入賞球検出器55a、55b、第1特定球検出器121a、第2特定球検出器121b、第3特定球検出器51、進入球検出器109及び排出球検出器122といった各検出器の状態を示す検出信号を取り込み、各スイッチや各検出器における検出状態の判定が行われる。例えば、スイッチ処理では、図25のフローチャートに示すような大入賞口エラー判定処理が実行される。
図25に示す大入賞口エラー判定処理を開始すると、CPU112は、まず、遊技制御フラグ設定部162に設けられた第1エラー判定実行フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS51)。このとき、第1エラー判定実行フラグがオンであれば(ステップS51;Yes)、第1特別可変入賞球装置66に進入した遊技球を異常な入賞球として検出するための第1エラー判定処理を実行する。すなわち、CPU112は、第1カウントスイッチ106からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定し(ステップS52)、オフ状態であれば(ステップS52;No)、第1及び第2特定球検出器121a、121bからの検出信号のうちいずれかがオン状態となっているか否かを判定する(ステップS53、S54)。
ステップS52にて第1カウントスイッチ106からの検出信号がオン状態である場合や(ステップS52;Yes)、ステップS53にて第1特定球検出器121aからの検出信号がオン状態である場合(ステップS53;Yes)、あるいはステップS54にて第2特定球検出器121bからの検出信号がオン状態である場合には(ステップS54;Yes)、第1特別可変入賞球装置66に形成された第1大入賞口としての開口部82が閉鎖状態となってから所定の有効入賞検出期間が経過した後、不適切に第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が検出されたことになる。そこで、これらの場合には、賞球の払出しを禁止するための設定を行う(ステップS55)。例えば、ステップS55の処理において、CPU112は、I/O114に含まれる出力ポートのうち払出制御基板98に対して賞球個数信号を送信するための出力ポートをクリアすることにより、賞球個数信号の送信を停止させる。また、CPU112は、遊技制御バッファ設定部165に設けられた賞球個数設定バッファや、I/O114にて賞球個数信号を送信するための出力ポートにつき、制御データの書込みを禁止することにより、賞球数の設定が行われないようにする。さらに、CPU112は、払出制御基板98に対して所定の異常報知信号を送信することにより、不適切に検出された遊技球に対する賞球の払出しを停止させるようにしてもよい。
ステップS55の処理を実行した後には、所定の第1異常報知処理を実行するループ処理に入り(ステップS56)、以後の処理には進まないように制御を行う。これにより、遊技の進行を停止することができ、異常状態を発生させて行われる不正行為を防止することができる。ステップS56の第1異常報知処理では、例えば図26(A)に示すような第1異常報知画面といった所定の報知画面を演出表示装置44bに表示させることや、上部装飾ユニット22を全て点灯させること、スピーカ12a、12bから所定の警報音を出力させること、あるいは、これらを組み合わせることにより、異常を報知できるようにすればよい。
ステップS54にて第2特定球検出器121bからの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS54;No)、遊技制御フラグ設定部162に設けられた第2エラー判定実行フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS57)。このとき、第2エラー判定実行フラグがオンであれば(ステップS57;Yes)、第2特別可変入賞球装置47に進入した遊技球を異常な入賞球として検出するための第2エラー判定処理を実行する。ここでは、第2カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS58)。ステップS58にて第2カウントスイッチ52からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS58;No)、大入賞口エラー判定処理を終了する。
ステップS58にて第2カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態である場合には(ステップS58;Yes)、第2特別可変入賞球装置47に形成された第2大入賞口としての開口部48が閉鎖状態となった後、不適切に第2特別可変入賞球装置47の内部に進入した遊技球が検出されたことになる。そこで、この場合には、ステップS55の処理と同様にして、賞球の払出しを禁止するための設定を行う(ステップS59)。続いて、所定の第2異常報知処理を実行するループ処理に入り(ステップS60)、以後の処理には進まないように制御を行う。これにより、遊技の進行を停止することができ、異常状態を発生させて行われる不正行為を防止することができる。ステップS60の第2異常報知処理では、例えば図26(B)に示すような第2異常報知画面といった所定の報知画面を演出表示装置44bに表示させることや、上部装飾ユニット22を全て点灯させること、スピーカ12a、12bから所定の警報音を出力させること、あるいは、これらを組み合わせることにより、異常を報知できるようにすればよい。
ステップS56にて実行される第1異常報知処理やステップS60にて実行される第2異常報知処理は、電源基板97からの電力供給停止時、すなわち電源断が行われるまで、繰返し行われるようにすればよい。この場合、電源断が行われたときには、電源の再投入時にクリアスイッチ97aの押圧操作が行われることにより、RAM111がクリアされた後に初期設定処理が実行されて、異常状態がクリア(解除)されればよい。これに対して、電源断が行われたときには、電源の再投入時にクリアスイッチ97aの押圧操作が行われなくても、異常の報知を終了させるようにしてもよい。これにより、異常状態をクリア(解除)するために特別な信号を主基板120に入力させる必要がないので、不正な信号が入力される可能性を低減することができる。
また、ステップS56にて実行される第1異常報知処理やステップS60にて実行される第2異常報知処理は、所定時間(例えば30秒)が経過するまで繰返し行われるようにして、その所定時間が経過した後には、自動的に異常状態から復旧できるようにしてもよい。これにより、異常状態が発生したことを遊技場の店員等に対して確実に報知することができる一方で、クリアスイッチ97aの押圧操作や電源の再投入などによりRAM111をクリアしなくても異常状態から復旧させられるので、ノイズ等の原因で異常状態と判定された場合などに、遊技者に与える不利益を軽減することができる。あるいは、ステップS56にて実行される第1異常報知処理やステップS60にて実行される第2異常報知処理では、例えば演出制御基板90に対してエラーコマンドとなる演出制御コマンドを送信してエラーの発生を報知させた後、ループ処理には入らずに大入賞口エラー判定処理を終了するようにしてもよい。
図24に示すステップS12にてスイッチ処理を実行した後には、表示制御処理が実行される(ステップS13)。この表示制御処理では、特別図柄表示装置44aや普通図柄表示装置63における表示動作を制御するための駆動信号、特別図柄始動記憶LED46や普通図柄始動記憶LED64における点灯動作を制御するための駆動信号などが、各表示装置やLEDへと出力される。表示制御処理が終了すると、乱数更新処理が実行される(ステップS14)。この乱数更新処理では、例えば大当り種別決定用の乱数値MR2や小当り種別決定用の乱数値MR3、ラウンド数決定用の乱数値MR4といった、各種の乱数値を生成するための数値データを、CPU112がソフトウェアにより更新する。
乱数更新処理の後には、初期値決定用乱数更新処理が実行される(ステップS15)。この初期値決定用乱数更新処理では、例えば大当り種別決定用の乱数値MR2や小当り種別決定用の乱数値MR3、ラウンド数決定用の乱数値MR4といった、各種の乱数値における初期値を決定するために用いられる乱数値を更新する。初期値決定用乱数更新処理が終了すると、特別図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。この特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部162に設けられた特別図柄プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置44aにおける表示動作の制御や第1及び第2特別可変入賞球装置66、47における大入賞口開閉動作の設定などを所定の手順でおこなうために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS17)。この普通図柄プロセス処理では、普通図柄の可変表示を行うための表示制御や、普通可変入賞球装置58における可動翼片の位置制御などが行われる。
普通図柄プロセス処理が終了すると、表示コマンド制御処理が実行される(ステップS18)。この表示コマンド制御処理では、演出表示装置44bの表示領域80における演出画像の表示動作といった各種の演出動作を制御するために、演出制御コマンドが演出制御基板90に対して送信される。表示コマンド制御処理に続いて、情報出力処理が実行される(ステップS19)。この情報出力処理では、パチンコ遊技機1における各種の遊技情報が、盤用外部端子板96などを介して遊技場に設置されたホール用管理コンピュータへと出力される。情報出力処理の後には、賞球処理が実行される(ステップS20)。この賞球処理では、各スイッチからの検出信号に応じて賞球個数信号を払出制御基板98に対して出力することなどにより、賞球数の設定が行われる。例えば、ステップS20の賞球処理では、第1カウントスイッチ106からの検出信号と第2カウントスイッチ52からの検出信号のいずれかがオン状態である場合に、賞球数を同一の「10」とする設定が行われればよい。あるいは、第1カウントスイッチ106からの検出信号がオン状態である場合には賞球数を「5」とする設定が行われる一方で、第2カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態である場合には、第1カウントスイッチ106からの検出信号がオン状態である場合とは異なる賞球数として「10」が設定されるようにしてもよい。
賞球処理に続いて、試験端子処理が実行される(ステップS21)。この試験端子処理では、例えば特別図柄可変表示中の設定や特別図柄当り、第1特別可変入賞球装置66の作動中設定、第2特別可変入賞球装置47の作動中設定、普通可変入賞球装置58の作動中設定、普通図柄可変表示中の設定といった、各種の信号が出力される。試験端子処理の後には、出力処理が実行される(ステップS22)。この出力処理では、各ソレノイドやモータを駆動あるいは停止させるための各種の設定に基づき、駆動制御信号の出力開始や出力停止の制御が行われる。出力処理が終了すると、記憶処理が実行される(ステップS23)。この記憶処理では、特別図柄始動記憶LED46や普通図柄始動記憶LED64における点灯動作を制御するための駆動信号が設定される。
記憶処理の後には、特別図柄表示制御処理が実行される(ステップS24)。この特別図柄表示制御処理では、特別図柄表示装置44aにおける表示動作を制御するための駆動信号が設定される。特別図柄表示制御処理が終了すると、普通図柄表示制御処理が実行される(ステップS25)。この普通図柄表示制御処理では、普通図柄表示装置63における表示動作を制御するための駆動信号が設定される。普通図柄表示制御処理に続いて、状態表示灯制御処理が実行される(ステップS26)。この状態表示灯制御処理では、所定の状態表示灯における表示動作の制御が行われる。状態表示灯制御処理が終了すると、割込み許可状態に設定してから(ステップS27)、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図27は、特別図柄プロセス処理として、図24に示すステップS16にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す特別図柄プロセス処理を開始すると、CPU112は、まず、始動口スイッチ56、60からの検出信号がオン状態となったか否かをチェックすることにより、始動口58aや始動入賞装置58bといった始動領域のいずれかに遊技球が進入したか否かを判定する(ステップS101)。遊技球が始動領域に進入して始動口スイッチ56、60からの検出信号のいずれかがオン状態となった場合には(ステップS101;Yes)、始動入賞処理を実行する(ステップS102)。他方、始動口スイッチ56、60からの検出信号がいずれもオフ状態である場合には(ステップS101;No)、ステップS102の処理をスキップする。
ステップS102にて実行される始動入賞処理では、まず、特図保留記憶部161に記憶されている保留データの個数である特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、特図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の始動検出は無効として、そのまま始動入賞処理を終了する。これに対して、特図保留記憶数が上限値未満であるときには、各種の乱数値を示す数値データを抽出する。例えば、CPU112は、乱数発生回路60aから入力されるカウント値に基づいて生成される特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データ、小当り種別判定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する。そして、抽出した各乱数値を示す数値データを、特図保留記憶部161における空きエントリの先頭にセットする。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部164に設けられた特図保留記憶数カウンタにおけるカウント値である特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してもよい。また、演出制御基板90に対して特図保留記憶数通知コマンドとなる所定の演出制御コマンドを送信するための設定を行い、演出表示装置44bの表示領域80に設けられた特別図柄始動記憶表示エリアにて、特図保留記憶数を特定可能とする演出画像を表示させるようにしてもよい。
以上のような始動入賞処理を実行した後や、ステップS101にて始動口スイッチ56、60からの検出信号がいずれもオフ状態であると判定された後には、遊技制御フラグ設定部162に設けられた特別図柄プロセスフラグの値に応じて、図27に示すようなステップS110〜S117の各処理を実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特図保留記憶部161に格納された保留データの有無などに基づいて、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの判定が行われる。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける可変表示結果に対応して、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームにおける停止図柄(大当り図柄、小当り図柄及びハズレ図柄のいずれか)が決定される。そして、特別図柄通常処理では、特別図柄表示装置44aにて特別図柄の可変表示を開始することに対応して、可変表示の開始を指示する演出制御コマンドである可変表示開始コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる。
ステップS111の特別図柄可変表示処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この特別図柄可変表示処理では、特別図柄の可変表示を開始してからの経過時間が計測され、その経過時間が特別図柄の可変表示時間に達したか否かの判定が行われる。そして、特別図柄の可変表示時間に達したときには、特別図柄表示装置44aにて確定特別図柄を停止表示させる制御を行う。このときには、特別図柄表示装置44aにて特別図柄の可変表示が終了することに対応して、可変表示の終了を指示する演出制御コマンドである可変表示終了コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定を行うことにより、演出表示装置44bの表示領域80にて行われている飾り図柄の可変表示を停止させるようにしてもよい。あるいは、演出制御基板90の側では、可変表示開始コマンドに示された可変表示パターンなどに対応する可変表示時間を特定し、飾り図柄の可変表示を開始してからの経過時間が特定された可変表示時間に達したときに、主基板120からの演出制御コマンドを受信しなくても、確定飾り図柄を導出表示して飾り図柄の可変表示を停止させるようにしてもよい。このような制御が行われた後、特別図柄プロセスフラグの値を“2”に更新する。
ステップS112の特別図柄停止処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄停止処理では、遊技制御フラグ設定部162に設けられた大当りフラグや小当りフラグがオンとなっているか否かの判定が行われ、大当りフラグがオンである場合には特別図柄プロセスフラグの値を“4”に更新し、小当りフラグがオンである場合には特別図柄プロセスフラグの値を“3”に更新し、大当りフラグと小当りフラグがいずれもオフである場合には特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS113の小当り開放時処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この小当り開放時処理では、特図ゲームにおける可変表示結果が「小当り」となったことに対応して、第1特別可変入賞球装置66に形成された第1大入賞口となる開口部82を、所定の始動態様で開放状態とする始動動作を実行するための制御が行われる。また、小当り開放時処理では、小当り制御パターンに従って、各種の設定や制御が実行される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理では、特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となったことに対応して、大当り遊技状態におけるラウンド遊技を開始するための設定が行われる。
ステップS115の大当り開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理では、大当り遊技状態におけるラウンド遊技で、第1特別可変入賞球装置66に形成された第1大入賞口となる開口部82と第2特別可変入賞球装置47に形成された第2大入賞口となる開口部48のいずれかを、開放状態とするための制御が行われる。また、大当り開放中処理では、第1大入賞口と第2大入賞口のいずれかを開放状態としてからの経過時間が計測され、その経過時間が大入賞口開放終了判定値に対応した開放終了時間に達したか否かの判定が行われる。さらに、大当り開放中処理では、遊技制御カウンタ設定部164に設けられた第1大入賞口カウンタや第2大入賞口カウンタにおけるカウント値が開放終了判定値に達したか否かの判定なども行われる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理では、大当り遊技状態にて次のラウンド遊技に移行するための継続権が成立したか否かの判定を行い、成立した場合には次のラウンド遊技に移行するための設定が行われる。また、大当り開放後処理では、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が最大継続回数に達した場合や、継続権が成立しなかった場合に、次のラウンド遊技には移行せずに、特別図柄プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理では、大当り遊技状態が終了した旨の報知動作を指示する演出制御コマンドである大当り終了コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる。その他にも、大当り終了処理では、大当り遊技状態の終了時における各種の設定や制御が行われる。
図28は、図27のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す特別図柄通常処理において、CPU112は、まず、例えば遊技制御カウンタ設定部164における特図保留記憶数カウント値を読み取ることなどにより、特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、特図保留記憶数が「0」であれば(ステップS201;Yes)、そのまま特別図柄通常処理を終了する。
ステップS201にて特図保留記憶数が「0」以外である場合には(ステップS201;No)、特図保留記憶部161にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データと、小当り種別決定用の乱数値MR3を示す数値データとを、それぞれ読み出す(ステップS202)。このときには、例えば特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、特図保留記憶数を1減少させるように更新するとともに、特図保留記憶部161にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS203)。
ステップS203の処理に続いて、ステップS202にて読み出した特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが、図7に示す特図表示結果判定テーブル200にて設定された大当り判定値データと合致するか否かの判定を行う(ステップS204)。これにより、特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」とするか否かの判定が行われる。このとき、大当り判定値データと合致すれば(ステップS204;Yes)、遊技制御フラグ設定部162に設けられた大当りフラグをオン状態にセットするとともに(ステップS205)、大当り種別や大当り図柄の決定を行う(ステップS206)。ステップS206の処理では、ステップS202にて読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づき、図8(A)に示す大当り種別決定テーブル210を参照することにより、大当り種別を「第1大当り」から「第4大当り」のいずれかに決定する。このときには、大当り種別と対応して、大当り図柄「56」、「55」、「78」、「77」のいずれかが、特図ゲームにおける予定停止図柄となる確定特別図柄に決定される。このように、ステップS206の処理では、ステップS204にて乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致して可変表示結果を特定表示結果としての「大当り」とする旨の判定がなされたことに基づいて、その特定表示結果となる特図ゲームでの可変表示結果を、予め定められた複数種類の大当り図柄のうちから決定することができる。
ステップS204にて大当り判定値データと合致しない場合には(ステップS204;No)、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが、図7に示す特図表示結果判定テーブル200にて設定された小当り判定値データと合致するか否かの判定を行う(ステップS207)。これにより、特図ゲームにおける可変表示結果を「小当り」とするか否かの判定が行われる。このとき、小当り判定値データと合致すれば(ステップS207;Yes)、遊技制御フラグ設定部162に設けられた小当りフラグをオン状態にセットするとともに(ステップS208)、小当り種別や小当り図柄の決定を行う(ステップS209)。ステップS209の処理では、ステップS202にて読み出した小当り種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づき、図8(B)に示す小当り種別決定テーブル211を参照することにより、小当り種別を「第1小当り」から「第4小当り」のいずれかに決定する。このときには、小当り種別と対応して、小当り図柄「12」、「11」、「34」、「33」のいずれかが、特図ゲームにおける予定停止図柄となる確定特別図柄に決定される。このように、ステップS209の処理では、ステップS207にて乱数値MR1を示す数値データが小当り判定値データと合致して可変表示結果を所定表示結果としての「小当り」とする旨の判定がなされたことに基づいて、その所定表示結果となる特図ゲームでの可変表示結果を、予め定められた複数種類の小当り図柄のうちから決定することができる。
ステップS207にて小当り判定値データと合致しない場合には(ステップS207;No)、ハズレ図柄「−−」を、特図ゲームにおける予定停止図柄となる確定特別図柄に決定する(ステップS210)。ステップS206、S209、S210の処理のいずれかを実行した後には、可変表示パターンを決定する(ステップS211)。例えば、ステップS211の処理において、CPU112は、図29(A)に示すように、可変表示結果がハズレとなるか、大当りのうち「第1大当り」から「第4大当り」のいずれとなるか、小当りのうち「第1小当り」から「第4小当り」のいずれとなるかに対応して、可変表示パターンを図15に示す可変表示パターンテーブル250にて設定された複数種類のいずれかに決定する。
続いて、CPU112は、開放前インターバル時間の決定を行う(ステップS212)。ここで、開放前インターバル時間は、始動口58aや始動入賞装置58bといった始動領域に進入した遊技球が始動口スイッチ56、60により検出されたことに基づき、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームを開始してから、可変表示結果が「小当り」となったことに対応する小当り遊技状態における始動動作にて第1大入賞口となる開口部82を開放状態とするまでの時間、あるいは、可変表示結果が「大当り」となったことに対応する大当り遊技状態における最初のラウンド遊技にて第1大入賞口となる開口部82や第2大入賞口となる開口部48のいずれかを開放状態とするまでの時間である。例えば、ステップS212の処理において、CPU112は、図29(B)に示すように、ステップS211にて決定された可変表示パターンと予め対応付けられた開放前インターバル時間を決定する。
ステップS212の処理に続いて、例えばRAM111の所定領域に確定特別図柄を示すデータを記憶させることなどにより、予定停止図柄をセットする(ステップS213)。その後、主基板120から演出制御基板90に対して可変表示開始用の各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS214)。例えば、ステップS214の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された可変表示開始用コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、RAM111の所定領域などに設けられた送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS214での設定を行った場合には、特別図柄通常処理が終了してから図24に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されるごとに、主基板120から演出制御基板90に対して、可変表示開始コマンドや表示結果通知コマンド、特図保留記憶数通知コマンドなどが、順次に送信されることになる。なお、表示結果通知コマンドは、特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となるか「小当り」となるか「ハズレ」となるかを通知するための演出制御コマンドである。また、可変表示開始コマンドが、可変表示パターンとともに特図ゲームにおける可変表示結果を示すデータを含むように構成されてもよい。この場合には、主基板120から演出制御基板90に対して可変表示開始コマンドとは別に表示結果通知コマンドを送信する必要はなく、主基板120から演出制御基板90に対して送信する演出制御コマンドの数を削減して、主基板120における制御負担や記憶データの容量を低減することができる。
ステップS214の処理を実行した後には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄可変表示処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS215)、特別図柄通常処理を終了する。
図30は、図27のステップS112にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す特別図柄停止処理において、CPU112は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS221)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS221;Yes)、大当り種別に対応したラウンド制御パターンをセットする(ステップS222)。ステップS222の処理では、図28に示すステップS206の処理にて図8(A)に示す大当り種別決定テーブル210を参照することにより決定された大当り種別に対応して、ラウンド制御パターンRP1−1〜RP1−4のいずれかがセットされる。これにより、例えば特図ゲームにおける確定特別図柄が大当り図柄「56」に決定されたことに対応してラウンド制御パターンRP1−1がセットされる。また、特図ゲームにおける確定特別図柄が大当り図柄「55」に決定されたことに対応してラウンド制御パターンRP1−2がセットされる。特図ゲームにおける確定特別図柄が大当り図柄「78」に決定されたことに対応してラウンド制御パターンRP1−3がセットされる。特図ゲームにおける確定特別図柄が大当り図柄「77」に決定されたことに対応してラウンド制御パターンRP1−4がセットされる。
ステップS222の処理に続いて、主基板120から演出制御基板90に対して大当り開始コマンドを送信するための設定が行われる(ステップS223)。例えば、ステップS223の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された大当り開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS223での設定を行った場合には、特別図柄停止処理が終了してから図24に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板120から演出制御基板90に対して大当り開始コマンドが送信されることになる。
ステップS223における設定に続いて、大当り遊技開始待ち時間の設定を行う(ステップS224)。例えば、ステップS224の処理ではCPU112が、大当り遊技開始待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値を、遊技制御タイマ設定部163に設けられた遊技制御プロセスタイマへセットする。あるいは、ステップS224の処理では、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値を「0」に設定するとともに、大当り遊技開始待ち時間に対応して予め定められた大当り遊技開始基準値を、遊技制御プロセスタイマ値との比較対象としてセットしてもよい。このときセットされた大当り遊技開始基準値は、図27のステップS114にて実行される大当り開放前処理において、遊技制御プロセスタイマ値と比較されることになる。その後、大当りフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS225)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS226)、特別図柄停止処理を終了する。
また、ステップS221にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS221;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS227)。このとき、小当りフラグがオンであれば(ステップS227;Yes)、小当り種別に対応した小当り制御パターンをセットする(ステップS228)。ステップS228の処理では、図28に示すステップS209の処理にて図8(B)に示す小当り種別決定テーブル211を参照することにより決定された小当り種別に対応して、小当り制御パターンKP1〜KP4のいずれかがセットされる。これにより、特図ゲームにおける確定特別図柄が複数種類の小当り図柄のいずれに決定されたか対応して、小当り制御パターンKP1〜KP4のいずれかがセットされることになる。
ステップS228の処理に続いて、小当り遊技制御時間の設定を行う(ステップS229)。例えば、ステップS229の処理ではCPU112が、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値を「0」に設定するとともに、小当り遊技制御時間に対応して予め定められた小当り遊技終了基準値を、遊技制御プロセスタイマ値との比較対象としてセットする。このときセットされた小当り遊技終了基準値は、図27のステップS113にて実行される小当り開放時処理において、遊技制御プロセスタイマ値と比較されることになる。例えば、小当り遊技終了基準値は、小当り遊技状態を開始してから、始動動作により開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1カウントスイッチ106により検出されるまでに十分な時間に対応するタイマ基準値であればよい。すなわち、小当り遊技終了基準値は、小当り遊技状態において始動動作により開口部82を開放状態とした後に閉鎖状態としても第1カウントスイッチ106による遊技球の検出がない場合に、その小当り遊技状態を開始してから終了するまでの期間の上限を示している。加えて、ステップS229の処理では、遊技を停止させるまでの期間に対応した遊技停止判定値の初期設定を行うようにしてもよい。
また、CPU112は、小当りフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS230)、第1エラー判定実行フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS231)。このとき、第1エラー判定実行フラグをオフ状態とすることで、図25に示すステップS52〜S56の処理が実行されないことになり、小当り遊技状態における始動動作が開始されて第1特別可変入賞球装置66に形成された第1大入賞口となる開口部82を開放状態とすることに対応して、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入する遊技球を異常な入賞球として検出することがないように設定する。その後、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放時処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS232)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS227にて小当りフラグがオフである場合には(ステップS227;No)、特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS233)、特別図柄停止処理を終了する。
図31及び図32は、図27のステップS113にて実行される小当り開放時処理の一例を示すフローチャートである。この小当り開放時処理において、CPU112は、まず、遊技制御プロセスタイマ値を、例えば1加算することなどにより更新する(図31のステップS241)。これにより、遊技制御プロセスタイマ値は、例えば図30のステップS229にて「0」に設定された後、ステップS241の処理が実行される毎に更新されることで、小当り遊技状態における経過時間に対応した値を示すことができる。
ステップS241の処理を実行した後には、更新後の遊技制御プロセスタイマ値に対応した各種の設定が行われる。このときには、図30のステップS228にてセットした小当り制御パターンに従って、各種設定の内容が決定されることになる。
例えば、CPU112は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される大入賞口開放開始判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS242)。大入賞口開放開始判定値は、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間を含めて、始動領域に遊技球が進入してから始動動作で開口部82が開放状態となるまでの時間を、図28のステップS212にて決定した開放前インターバル時間とするように設定されている。また、小当り遊技状態にて開口部82を複数回開閉する始動動作が行われる場合には、小当り制御パターンにて異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の大入賞口開放開始判定値が設定されている。この場合、ステップS242の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の大入賞口開放開始判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、大入賞口開放開始判定値と合致するとの判定がなされる。そして、大入賞口開放開始判定値と合致すれば(ステップS242;Yes)、第1特別可変入賞球装置66に形成された第1大入賞口となる開口部82を開閉片81により開閉させる動作の開始設定を行う(ステップS243)。ステップS243の処理では、小当り制御パターンに含まれる大入賞口開放開始制御データが示す駆動パターンで開閉片用ソレノイド105を駆動させることにより、開口部82を開放状態とする方向へ開閉片81を回動させる動作を開始させるように、駆動制御信号の生成などが行われる。
ステップS243の処理を実行したときには、始動動作により第1大入賞口が開放状態となる旨を報知する演出動作の開始を指示する演出制御コマンドである第1演出開始コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる(ステップS244)。例えば、ステップS244の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された第1演出開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS244での設定を行った場合には、小当り開放時処理が終了してから図24に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板120から演出制御基板90に対して第1演出開始コマンドが送信されることになる。
ステップS242にて遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放開始判定値と合致しない場合には(ステップS242;No)、ステップS243、S244の処理をスキップする。この後、CPU112は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される振分駆動判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS245)。ここで、小当り遊技状態にて振分部材83を第1の振分状態と第2の振分状態とに複数回変化させる場合には、小当り制御パターンにて異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の振分駆動判定値が設定されている。この場合、ステップS245の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の振分駆動判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、振分駆動判定値と合致するとの判定がなされる。例えば、小当り遊技状態にて振分用ソレノイド108を最初に駆動して振分部材83を最初に第2の振分状態とするための振分駆動判定値は、ステップS242にて最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値と同じ遊技制御プロセスタイマ値を示していてもよい。この場合には、小当り遊技状態における始動動作で開口部82を開放状態とするタイミングにて、振分用ソレノイド108の駆動を開始して第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を第2領域88へと振り分けることができる。あるいは、小当り遊技状態にて振分用ソレノイド108を最初に駆動して振分部材83を最初に第2の振分状態とするための振分駆動判定値は、ステップS242にて最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示していてもよい。この場合には、小当り遊技状態における始動動作で開口部82を開放状態とするタイミングよりも後のタイミングにて、振分用ソレノイド108の駆動を開始する。
ステップS245にて振分駆動判定値と合致すれば(ステップS245;Yes)、振分部材83を振分用ソレノイド108の駆動力によりパチンコ遊技機1の奥行き方向における奥側に移動させるための設定を行う(ステップS246)。ステップS246の処理では、小当り制御パターンに含まれる振分駆動制御データを読み出し、その読出データに応じた駆動制御信号の生成などを行うことにより、振分用ソレノイド108を駆動させる。
ステップS245にて遊技制御プロセスタイマ値が振分駆動判定値と合致しない場合には(ステップS245;No)、ステップS246の処理をスキップする。この後、CPU112は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される貯留駆動開始判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS247)。例えば、貯留駆動開始判定値は、ステップS242にて最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値と同じ遊技制御プロセスタイマ値を示していてもよい。この場合には、小当り遊技状態における始動動作で開口部82を開放状態とするタイミングにて、貯留用ソレノイド118の駆動を開始して貯留板118bを貯留状態とすることができる。あるいは、貯留駆動開始判定値は、ステップS242にて最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示すものであっても、始動動作で開放状態となった開口部82に進入した遊技球が貯留板118bの設置位置に到達するまでに要する最短の所要時間よりも短い時間に対応した遊技制御プロセスタイマ値を示すものであればよい。
ステップS247にて貯留駆動開始判定値と合致すれば(ステップS247;Yes)、貯留板118bを貯留用ソレノイド118の駆動力によりパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に移動(進出)させて貯留状態とするための設定を行う(ステップS248)。ステップS248の処理では、小当り制御パターンに含まれる貯留駆動開始制御データを読み出し、その読出データに応じた駆動制御信号の生成などを行うことにより、貯留用ソレノイド118を駆動させる。
ステップS248の処理を実行したときには、貯留用ソレノイド118を駆動させてから停止させるまでの駆動時間が経過したか否かを判定するために用いる貯留解除判定値をセットする(ステップS249)。例えば、このときセットされる貯留解除判定値としては、現在の遊技制御プロセスタイマ値に基づき、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が振分部材83により第2領域88に振り分けられるとした場合に、進入球誘導通路110や振分部材83、第2誘導通路117を通過して進入球検出器109により検出されるまでに十分な時間に対応するタイマ判定値が設定されればよい。そして、ステップS249にて設定された貯留解除判定値は、進入球検出器109が遊技球を検出したことに基づいて、後述するステップS507(図33)の処理が実行されたときに、再び設定(更新)される。これにより、特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に複数の遊技球が進入したときには最初に進入した遊技球に対応してラウンド制御パターンが決定される場合に、第1特定進入口89に比べて遊技者にとって有利な第2特定進入口91に遊技球が進入したことに対応するラウンド制御パターンを、優先的に決定することができる。ステップS249での設定を行った後に遊技制御プロセスタイマ値の更新が進み、ステップS249にてセットされた貯留解除判定値と遊技制御プロセスタイマ値とが合致することになれば、たとえ第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入したとしても、その遊技球は振分部材83により第2領域88の側には振り分けられなかったと判断することができる。なお、ステップS249の処理による貯留解除判定値のセットは行わずに、小当り制御パターンに示される貯留解除判定値を用いるようにしてもよい。
ステップS247にて遊技制御プロセスタイマ値が貯留駆動開始判定値と合致しない場合には(ステップS247;No)、ステップS248、S249の処理をスキップする。この後、第1大入賞口進入時処理を実行することにより、第1大入賞口となる開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入した場合における各種の設定や制御が行われる(ステップS250)。
ステップS250にて第1大入賞口進入時処理を実行した後には、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される振分停止判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS251)。ここで、小当り遊技状態にて振分部材83を第1の振分状態と第2の振分状態とに複数回変化させる場合には、小当り制御パターンにて異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の振分停止判定値が設定されている。この場合、ステップS251の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の振分停止判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、振分停止判定値と合致するとの判定がなされる。例えば、小当り遊技状態にて振分用ソレノイド108を駆動して振分部材83を第2の振分状態とした後に振分用ソレノイド108の駆動を停止して振分部材83を第1の振分状態に戻すための振分停止判定値は、ステップS245の処理にて振分部材83を第2の振分状態とするための振分駆動判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示していればよい。この場合、振分停止判定値は、ステップS242にて最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示すことになる。
ステップS251にて振分停止判定値と合致すれば(ステップS251;Yes)、振分用ソレノイド108の駆動を停止させて振分部材83をパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に移動させるための設定を行う(ステップS252)。ステップS252の処理では、小当り制御パターンに含まれる振分停止制御データを読み出し、その読出データに応じて駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、振分用ソレノイド108の駆動を停止させる。
ステップS251にて遊技制御プロセスタイマ値が振分停止判定値と合致しない場合には(ステップS251;No)、ステップS252の処理をスキップする。この後、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される大入賞口開放終了判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS253)。ここで、小当り遊技状態にて開口部82を複数回開閉する始動動作が行われる場合には、小当り制御パターンにて異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の大入賞口開放終了判定値が設定されている。この場合、ステップS253の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の大入賞口開放終了判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、大入賞口開放終了判定値と合致するとの判定がなされる。例えば、小当り遊技状態にて開閉片用ソレノイド105を最初に駆動して開口部82を最初に開放状態とした後に開閉片用ソレノイド105の駆動を停止して開口部82を閉鎖状態に戻すための大入賞口開放終了判定値は、ステップS242にて最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示していればよい。また、小当り遊技状態にて開閉片用ソレノイド105を2回目に駆動して開口部82を2回目に開放状態とした後に開閉片用ソレノイド105の駆動を停止して開口部82を閉鎖状態に戻すための大入賞口開放終了判定値は、ステップS242にて2回目に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示していればよい。
ステップS253にて大入賞口開放終了判定値と合致すれば(ステップS253;Yes)、開閉片用ソレノイド105の駆動を停止させて開閉片81による第1大入賞口の開閉動作としての始動動作を終了するための設定を行う(ステップS254)。ステップS254の処理では、小当り制御パターンに含まれる大入賞口開放終了制御データを読み出し、その読出データに応じて駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、開閉片用ソレノイド105の駆動を停止させる。
ステップS253にて遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値と合致しない場合には(ステップS253;No)、ステップS254の処理をスキップする。この後、遊技制御プロセスタイマ値が貯留解除判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS255)。このとき用いられる貯留解除判定値は、小当り制御パターンに示されるものであってもよいし、ステップS249の処理あるいは後述するステップS507の処理により設定されるものであってもよい。どの貯留解除判定値を用いるかについて、小当り制御パターンにて指定するようにしてもよい。いずれの貯留解除判定値を用いる場合であっても、その貯留解除判定値は、ステップS242にて最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示していればよい。
ステップS255にて貯留解除判定値と合致すれば(ステップS255;Yes)、貯留用ソレノイド118の駆動を停止させて貯留板118bをパチンコ遊技機1の奥行き方向における奥側に移動(退避)させて貯留解除状態とするための設定を行う(ステップS256)。ステップS256の処理では、小当り制御パターンに含まれる貯留解除制御データを読み出し、その読出データに応じて駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、貯留用ソレノイド118の駆動を停止させる。
ステップS255にて遊技制御プロセスタイマ値が貯留解除判定値と合致しない場合には(ステップS255;No)、ステップS256の処理をスキップする。この後、遊技制御プロセスタイマ値を小当り遊技終了基準値と比較することにより、そのタイマ値が小当り遊技終了基準値に達したか否かを判定する(図32のステップS257)。このとき、遊技制御プロセスタイマ値が小当り遊技終了基準値に達していなければ(ステップS257;No)、小当り開放時処理を終了する。
これに対して、ステップS257にて遊技制御プロセスタイマ値が小当り遊技終了基準値に達している場合には(ステップS257;Yes)、残存球数カウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS258)。なお、残存球数カウント値は、図31に示すステップS250の第1大入賞口進入時処理にて、後述するステップS503、S513(図33)の処理が実行されることにより、更新される。
ステップS258にて残存球数カウント値が「0」である場合には(ステップS258;Yes)、特定入賞判定処理を実行することにより、第1特定進入口89や第2特定進入口91に遊技球が進入したか否かの判定が行われる(ステップS259)。続いて、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値をクリアするとともに(ステップS260)、第1大入賞口カウンタを初期化して第1大入賞口カウント値をクリアする(ステップS261)。その後、第1エラー判定実行フラグをオン状態にセットしてから(ステップS262)、小当り開放時処理を終了する。このように、ステップS258にて残存球数カウント値が「0」である場合にステップS262の処理を実行することにより、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないとの判定に対応して、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出する処理(図25に示すステップS52〜S56の処理)を開始させることができる。
ステップS258にて残存球数カウント値が「0」ではない場合には(ステップS258;No)、遊技制御プロセスタイマ値が遊技停止判定値に達したか否かを判定する(ステップS263)。このとき、遊技停止判定値に達していなければ(ステップS263;No)、小当り開放時処理を終了する。これに対して、ステップS263にて遊技停止判定値に達している場合には(ステップS263;Yes)、始動動作時に異常が発生した旨を報知する始動時異常報知処理を繰返し実行する(ステップS264)。これにより、遊技の進行を停止することができ、異常状態を発生させて行われる不正行為を防止することができる。ステップS264の始動時異常報知処理では、演出表示装置44bの表示領域80に所定の報知画像を表示させることや、上部装飾ユニット22を全て点灯させること、スピーカ12a、12bから所定の警報音を出力させること、あるいは、これらを組み合わせることにより、異常を報知できるようにすればよい。
ステップS264にて実行される始動時異常報知処理は、電源基板97からの電力供給停止時、すなわち電源断が行われるまで、繰返し行われるようにすればよい。この場合、電源断が行われたときには、電源の再投入時にクリアスイッチ97aの押圧操作が行われることにより、RAM111がクリアされた後に初期設定処理が実行されて、異常状態がクリア(解除)されればよい。これに対して、電源断が行われたときには、電源の再投入時にクリアスイッチ97aの押圧操作が行われなくても、異常の報知を終了させるようにしてもよい。これにより、異常状態をクリア(解除)するために特別な信号を主基板120に入力させる必要がないので、不正な信号が入力される可能性を低減することができる。
また、ステップS264にて実行される始動時異常報知処理は、所定時間(例えば30秒)が経過するまで繰返し行われるようにして、その所定時間が経過した後には、自動的に異常状態から復旧できるようにしてもよい。これにより、異常状態が発生したことを遊技場の店員等に対して確実に報知することができる一方で、クリアスイッチ97aの押圧操作や電源の再投入などによりRAM111をクリアしなくても異常状態から復旧させられるので、ノイズ等の原因で異常状態と判定された場合などに、遊技者に与える不利益を軽減することができる。
図33は、図31のステップS250にて実行される第1大入賞口進入時処理の一例を示すフローチャートである。図33に示す第1大入賞口進入時処理において、CPU112は、まず、第1カウントスイッチ106からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS501)。このとき、第1カウントスイッチ106からの検出信号がオン状態であれば(ステップS501;Yes)、第1大入賞口カウント値を1加算するとともに(ステップS502)、残存球数カウント値を1加算する(ステップS503)。また、遊技停止判定値の設定(更新)を行う(ステップS504)。
ステップS501にて第1カウントスイッチ106からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS501;No)、ステップS502〜S504の処理をスキップする。この後、進入球検出器109からの検出信号がオン状態となっているか否かの判定を行う(ステップS505)。このとき、進入球検出器109からの検出信号がオン状態であれば(ステップS505;Yes)、遊技球が第2領域88に誘導された旨を報知する演出動作の開始を指示する演出制御コマンドである第2演出開始コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる(ステップS506)。例えば、ステップS506の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された第2演出開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS506での設定を行った場合には、第1大入賞口進入時処理や小当り開放時処理が終了してから図24に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板120から演出制御基板90に対して第2演出開始コマンドが送信されることになる。ステップS506の処理を実行したときには、貯留解除判定値の設定(更新)を行う(ステップS507)。
例えば、ステップS507の処理では、遊技制御プロセスタイマ値に基づき、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が進入球検出器109により検出されてから、第2領域88に設けられている第2特定進入口91に進入し第2特定球検出器121bにより検出されるまでに十分な時間に対応するタイマ判定値を設定する。これにより、進入球検出器109により検出された遊技球が第2特定進入口91に進入したか否かを判断できるタイミングまでは貯留用ソレノイド118を駆動させて貯留状態を維持し、遊技者にとって有利な第2領域88に設けられた第2特定進入口91に遊技球が進入するタイミングよりも後に貯留板118bを貯留開放状態に制御することで、第1特定進入口89と第2特定進入口91に遊技球が同時に進入することを防止できるとともに、第2特定進入口91に進入した遊技球の検出を第1特定進入口89に進入した遊技球の検出よりも優先的に行わせることができ、特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に複数の遊技球が進入したときには最初に進入した遊技球に対応してラウンド制御パターンが決定される場合に、第1特定進入口89に比べて遊技者にとって有利な第2特定進入口91に遊技球が進入したことに対応するラウンド制御パターンを、優先的に決定することができる。
ステップS505にて進入球検出器109からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS505;No)、ステップS506、S507の処理をスキップする。この後、第1特定球検出器121aからの検出信号がオン状態であるか否かの判定を行う(ステップS508)。このとき、第1特定球検出器121aからの検出信号がオン状態であれば(ステップS508;Yes)、第1特定球検出フラグをオン状態にセットする(ステップS509)。
ステップS508にて第1特定球検出器121aからの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS508;No)、ステップS509の処理をスキップする。この後、第2特定球検出器121bからの検出信号がオン状態となっているか否かの判定を行う(ステップS510)。このとき、第2特定球検出器121bからの検出信号がオン状態であれば(ステップS510;Yes)、第2特定球検出フラグをオン状態にセットする(ステップS511)。なお、ステップS511の処理を実行する際に第1特定球検出フラグがオンとなっている場合には、第1特定球検出フラグをクリアしてオフ状態とするようにしてもよい。これにより、第2特定進入口91に進入した遊技球の検出を第1特定進入口89に進入した遊技球の検出よりも優先的に行わせることができ、特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に複数の遊技球が進入した場合に、第1特定進入口89に比べて遊技者にとって有利な第2特定進入口91に遊技球が進入したことに対応するラウンド制御パターンを、優先的に決定することができる。
ステップS510にて第2特定球検出器121bからの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS510;No)、ステップS511の処理をスキップする。この後、排出球検出器122からの検出信号がオン状態であるか否かの判定を行う(ステップS512)。このとき、排出球検出器122からの検出信号がオフ状態であれば(ステップS512;No)、第1大入賞口進入時処理を終了する。これに対して、排出球検出器122からの検出信号がオン状態であれば(ステップS512;Yes)、残存球数カウント値を1減算してから(ステップS513)、第1大入賞口進入時処理を終了する。
図34は、図32のステップS259にて実行される特定入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。図34に示す特定入賞判定処理において、CPU112は、まず、第1特定球検出フラグがオンであるか否かを判定することにより、第1特定球検出器121aによって第1特定進入口89に進入した遊技球が検出されたか否かの判定を行う(ステップS521)。このとき、第1特定球検出フラグがオンであれば(ステップS521;Yes)、第1特定球検出フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS522)、ラウンド数決定用の乱数値MR4を示す数値データを抽出する(ステップS523)。なお、図27に示すステップS102の始動入賞処理にて、乱数値MR1〜MR3とともに乱数値MR4を示す数値データを抽出して特図保留記憶部161に記憶させるようにしてもよい。この場合には、図28のステップS202にて乱数値MR1〜MR3とともに乱数値MR4を読み出して所定のバッファにセットしておき、ステップS523では、そのバッファから乱数値MR4を示す数値データを読み出すようにすればよい。ステップS523の処理を実行した後には、抽出された乱数値MR4に基づき、図9に示すようなラウンド数決定テーブル220を参照することなどにより、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数となるラウンド数を決定する(ステップS524)。ステップS524の処理に続いて、ラウンド数に対応したラウンド制御パターンをセットする(ステップS525)。ステップS525の処理では、ステップS524の処理にて決定されたラウンド数が「2ラウンド」であるか「15ラウンド」であるかに対応して、ラウンド制御パターンRP3−1、RP3−2のいずれかがセットされる。すなわち、ラウンド数が「2ラウンド」に決定されたことに対応してラウンド制御パターンRP3−1がセットされ、ラウンド数が「15ラウンド」に決定されたことに対応してラウンド制御パターンRP3−2がセットされる。
また、ステップS521にて第1特定球検出フラグがオフである場合には(ステップS521;No)、第2特定球検出フラグがオンであるか否かを判定することにより、第2特定球検出器121bによって第2特定進入口91に進入した遊技球が検出されたか否かの判定を行う(ステップS526)。このとき、第2特定球検出フラグがオンであれば(ステップS526;Yes)、第2特定球検出フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS527)、小当り種別に対応するラウンド制御パターンをセットする(ステップS528)。ステップS528の処理では、図28に示すステップS209の処理にて図8(B)に示す小当り種別決定テーブル211を参照することにより決定された小当り種別に対応して、ラウンド制御パターンRP2−1、RP2−2のいずれかがセットされる。これにより、特図ゲームにおける確定特別図柄が複数種類の小当り図柄のいずれに決定されたかに対応して、ラウンド制御パターンRP2−1、RP2−2のいずれかがセットされることになる。
ステップS525、S528の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態が開始される旨の報知動作を指示する演出制御コマンドである大当り開始コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる(ステップS529)。例えば、ステップS529の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された大当り開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS529での設定を行った場合には、特定入賞判定処理や小当り開放時処理が終了してから図24に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板120から演出制御基板90に対して大当り開始コマンドが送信されることになる。
ステップS529の処理に続いて、大当り遊技開始待ち時間の設定を行う(ステップS530)。例えば、ステップS530の処理ではCPU112が、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値を「0」に設定するとともに、大当り遊技開始待ち時間に対応して予め定められた大当り遊技開始基準値を、遊技制御プロセスタイマ値との比較対象としてセットする。このときセットされた大当り遊技開始基準値は、図27のステップS114にて実行される大当り開放前処理において、遊技制御プロセスタイマ値と比較されることになる。ステップS530の処理を実行した後には、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS531)、特定入賞判定処理を終了する。
ステップS526にて第2特定球検出フラグがオフである場合には(ステップS526;No)、小当り遊技状態が終了した旨の報知動作を指示する演出制御コマンドである小当り終了演出コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる(ステップS532)。その後、特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS533)、特定入賞判定処理を終了する。
図35は、図27のステップS114にて実行される大当り開放前処理の一例を示すフローチャートである。図35に示す大当り開放前処理において、CPU112は、まず、例えば遊技制御プロセスタイマ値を更新するとともに、更新後のタイマ値を図30に示すステップS224の処理や図34に示すステップS530の処理にてセットした大当り遊技開始基準値と比較することなどにより、大当り遊技開始待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS281)。このとき、大当り遊技開始待ち時間が経過していなければ(ステップS281;No)、そのまま大当り開放前処理を終了する。
ステップS281にて大当り遊技開始待ち時間が経過した場合には(ステップS281;Yes)、ラウンド数カウンタにカウント初期値となる「1」をセットする(ステップS282)。続いて、例えば図30に示すステップS222の処理や図34に示すステップS525、S528の処理のいずれかにてセットされたラウンド制御パターンを参照することなどにより、開放する大入賞口を特定する(ステップS283)。そして、ステップS283での処理結果に基づき第1大入賞口となる開口部82を開放するか否かの判定を行う(ステップS284)。このとき、第1大入賞口となる開口部82を開放するのであれば(ステップS284;Yes)、第1エラー判定実行フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS285)。こうして第1エラー判定実行フラグをオフ状態とすることで、図25に示すステップS52〜S56の処理が実行されないことになり、大当り遊技状態におけるラウンド遊技で第1特別可変入賞球装置66に形成された第1大入賞口となる開口部82を開放状態とすることに対応して、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入する遊技球を異常な入賞球として検出することがないように設定する。
ステップS284にて第1大入賞口ではなく第2大入賞口となる開口部48を開放すると判定された場合には(ステップS284;No)、第2エラー判定実行フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS286)。こうして第2エラー判定実行フラグをオフ状態とすることで、図25に示すステップS58〜S60の処理が実行されないことになり、大当り遊技状態におけるラウンド遊技で第2特別可変入賞球装置47に形成された第2大入賞口となる開口部48を開放状態とすることに対応して、第2特別可変入賞球装置47の内部に進入する遊技球を異常な入賞球として検出することがないように設定する。
ステップS285、S286の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放中処理に対応した値である“5”に更新してから(ステップS287)、大当り開放前処理を終了する。
図36は、図27のステップS115にて実行される大当り開放中処理の一例を示すフローチャートである。図36に示す大当り開放中処理において、CPU112は、まず、大入賞口開放中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。ここで、大入賞口開放中フラグは、後述するステップS299の処理が実行されたときにオン状態にセットされる。ステップS291にて大入賞口開放中フラグがオフである場合には(ステップS291;No)、例えば図30に示すステップS222の処理や図34に示すステップS525、S528の処理のいずれかにてセットされたラウンド制御パターンを参照することなどにより、開放する大入賞口を特定する(ステップS292)。このときには、各ラウンド遊技で大入賞口を開放状態に制御可能な時間の上限である大入賞口開放時間も特定する(ステップS293)。ステップS293の処理では、特定された大入賞口開放時間に対応して、大入賞口開放終了判定値の設定などを行うようにしてもよい。
ステップS293の処理を実行した後には、ステップS292での処理結果に基づき第1大入賞口を開放するか否かの判定を行う(ステップS294)。このとき、第1大入賞口を開放するのであれば(ステップS294;Yes)、第1大入賞口となる開口部82を開放するための設定を行う(ステップS295)。ステップS295の処理では、例えばラウンド制御パターンなどに含まれる第1大入賞口開放制御データが示す駆動パターンで開閉片用ソレノイド105を駆動させることにより、開口部82を開放状態とする方向へ開閉片81を回動させる動作を始動動作よりも有利な特定態様で実行させるように、駆動制御信号の生成などが行われる。こうして大当り遊技状態におけるラウンド遊技にて第1大入賞口となる開口部82を開放状態とする特定動作が開始される。ステップS295の処理を実行したときには、ラウンド遊技にて第1大入賞口が開放される旨の報知動作を指示する演出制御コマンドである第1大入賞口開放演出コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる(ステップS296)。
ステップS294にて第1大入賞口ではなく第2大入賞口を開放すると判定された場合には(ステップS294;No)、第2大入賞口となる開口部48を開放するための設定を行う(ステップS297)。ステップS297の処理では、例えばラウンド制御パターンなどに含まれる第2大入賞口開放制御データが示す駆動パターンで第2大入賞口扉用ソレノイド65を駆動させることにより、開口部48を開放状態とする方向へ開閉板49を回動させる動作を特定態様で実行させるように、駆動制御信号の生成などが行われる。こうして大当り遊技状態におけるラウンド遊技にて第2大入賞口となる開口部48を開放状態とする特定動作が開始される。ステップS297の処理を実行したときには、ラウンド遊技にて第2大入賞口が開放される旨の報知動作を指示する演出制御コマンドである第2大入賞口開放演出コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる(ステップS298)。
ステップS296、S298の処理のいずれかを実行した後には、大入賞口開放中フラグをオン状態にセットする(ステップS299)。ステップS291にて大入賞口開放中フラグがオンである場合や(ステップS291;Yes)、ステップS299の処理を実行した後には、遊技制御プロセスタイマ値を、例えば1加算することなどにより更新する(ステップS300)。続いて、第1大入賞口を開放中であるか否かの判定を行う(ステップS301)。このとき、第1大入賞口を開放中であれば(ステップS301;Yes)、第1大入賞口開放時処理を実行してから(ステップS302)、大当り開放中処理を終了する。これに対して、第2大入賞口を開放中であれば(ステップS301;No)、第2大入賞口開放時処理を実行してから(ステップS303)、大当り開放中処理を終了する。
図37は、図36のステップS302にて実行される第1大入賞口開放時処理の一例を示すフローチャートである。図37に示す第1大入賞口開放時処理において、CPU112は、まず、遊技制御プロセスタイマ値がラウンド制御パターンなどに示される振分駆動判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS541)。この判定処理は、例えばラウンド制御パターンにて設定された振分駆動判定値を用いて、図31に示すステップS245で実行される処理と同様の判定を行う処理であればよい。このとき、振分駆動判定値と合致すれば(ステップS541;Yes)、振分部材83を振分用ソレノイド108の駆動力によりパチンコ遊技機1の奥行き方向における奥側に移動させるための設定を行う(ステップS542)。ステップS542の処理では、ラウンド制御パターンなどに含まれる振分駆動制御データを読み出し、その読出データに応じた駆動制御信号の生成などを行うことにより、振分用ソレノイド108を駆動させる。
ステップS541にて遊技制御プロセスタイマ値が振分駆動判定値と合致しない場合には(ステップS541;No)、ステップS542の処理をスキップする。この後、CPU112は、遊技制御プロセスタイマ値がラウンド制御パターンなどに示される貯留駆動開始判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS543)。このとき、貯留駆動開始判定値と合致すれば(ステップS543;Yes)、貯留板118bを貯留用ソレノイド118の駆動力によりパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に移動(進出)させて貯留状態とするための設定を行う(ステップS544)。ステップS544の処理では、ラウンド制御パターンなどに含まれる貯留駆動開始制御データを読み出し、その読出データに応じた駆動制御信号の生成などを行うことにより、貯留用ソレノイド118を駆動させる。
ステップS544の処理を実行したときには、貯留用ソレノイド118を駆動させてから停止させるまでの駆動時間が経過したか否かを判定するために用いる貯留解除判定値をセットする(ステップS545)。なお、ステップS545の処理による貯留解除判定値のセットは行わずに、ラウンド制御パターンなどに示される貯留解除判定値を用いるようにしてもよい。
ステップS543にて遊技制御プロセスタイマ値が貯留駆動開始判定値と合致しない場合には(ステップS543;No)、ステップS544、S545の処理をスキップする。この後、図33のフローチャートに示す第1大入賞口進入時処理を実行することにより、第1大入賞口となる開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入した場合における各種の設定や制御が行われる(ステップS546)。
ステップS546にて第1大入賞口進入時処理を実行した後には、遊技制御プロセスタイマ値がラウンド制御パターンなどに示される振分停止判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS547)。この判定処理は、例えばラウンド制御パターンにて設定された振分停止判定値を用いて、図31に示すステップS251で実行される処理と同様の判定を行う処理であればよい。このとき、振分停止判定値と合致すれば(ステップS547;Yes)、振分用ソレノイド108の駆動を停止させて振分部材83をパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に移動させるための設定を行う(ステップS548)。ステップS548の処理では、ラウンド制御パターンなどに含まれる振分停止制御データを読み出し、その読出データに応じて駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、振分用ソレノイド108の駆動を停止させる。
ステップS547にて遊技制御プロセスタイマ値が振分停止判定値と合致しない場合には(ステップS547;No)、ステップS548の処理をスキップする。この後、遊技制御プロセスタイマ値が貯留解除判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS549)。このとき用いられる貯留解除判定値は、ラウンド制御パターンなどに示されるものであってもよいし、ステップS545の処理あるいは図33に示すステップS507の処理により設定されるものであってもよい。どの貯留解除判定値を用いるかについて、小当り制御パターンにて指定するようにしてもよい。そして、貯留解除判定値と合致すれば(ステップS549;Yes)、貯留用ソレノイド118の駆動を停止させて貯留板118bをパチンコ遊技機1の奥行き方向における奥側に移動(退避)させて貯留解除状態とするための設定を行う(ステップS550)。ステップS550の処理では、ラウンド制御パターンなどに含まれる貯留解除制御データを読み出し、その読出データに応じて駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、貯留用ソレノイド118の駆動を停止させる。
ステップS549にて遊技制御プロセスタイマ値が貯留解除判定値と合致しない場合には(ステップS549;No)、ステップS550の処理をスキップする。この後、第1大入賞口カウント値が所定の開放終了判定値(例えば「10」)に達したか否かの判定を行う(ステップS551)。そして、開放終了判定値に達していない場合には(ステップS551;No)、遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値に達したか否かの判定が行われる(ステップS552)。このとき、大入賞口開放終了判定値に達していなければ(ステップS552;No)、第1大入賞口開放時処理を終了する。
ステップS551にて第1大入賞口カウント値が開放終了判定値に達している場合や(ステップS551;Yes)、ステップS552にて遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値に達している場合には(ステップS552;Yes)、第1大入賞口の開放状態を終了して閉鎖状態とするための設定が行われる(ステップS553)。ステップS553の処理では、例えばラウンド制御パターンなどに含まれる第1大入賞口開放終了制御データを読み出し、その読出データに応じて駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、開閉片用ソレノイド105の駆動を停止させることで、第1大入賞口を閉鎖状態に変化させる。
ステップS553の処理に続いて、大入賞口開放中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS554)、大入賞口開放後待ち時間の設定を行う(ステップS555)。例えば、ステップS555の処理ではCPU112が、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値を「0」に設定するとともに、大入賞口開放後待ち時間に対応して予め定められた大入賞口開放後基準値を、遊技制御プロセスタイマ値との比較対象としてセットする。このときセットされた大入賞口開放後基準値は、図27のステップS116にて実行される大当り開放後処理において、遊技制御プロセスタイマ値と比較されることになる。こうしてステップS555の処理にて設定される大入賞口開放後待ち時間は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技にて開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が、排出誘導領域123を通じて第1特別可変入賞球装置66の外部へと誘導されるまでに十分な時間であればよい。すなわち、大入賞口開放後基準値は、大当り遊技状態においてラウンド遊技で開口部82を開放状態とした後に閉鎖状態としてから、第1特別可変入賞球装置66の内部に存在する全ての遊技球が第1特別可変入賞球装置66の外部へと排出されるまでの猶予期間を示している。その後、第1大入賞口開放後フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS556)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放後処理に対応した値である“6”に更新してから(ステップS557)、第1大入賞口開放時処理を終了する。
図38は、図36のステップS303にて実行される第2大入賞口開放時処理の一例を示すフローチャートである。図38に示す第2大入賞口開放時処理において、CPU112は、まず、第2カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS571)。このとき、第2カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態であれば(ステップS571;Yes)、第2大入賞口カウント値を1加算する(ステップS572)。
ステップS571にて第2カウントスイッチ52からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS571;No)、ステップS572の処理をスキップする。この後、第2大入賞口カウント値が所定の開放終了判定値(例えば「10」)に達したか否かの判定を行う(ステップS573)。そして、開放終了判定値に達していない場合には(ステップS573;No)、遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値に達したか否かの判定が行われる(ステップS574)。このとき、大入賞口開放終了判定値に達していなければ(ステップS574;No)、第2大入賞口開放時処理を終了する。
ステップS573にて第2大入賞口カウント値が開放終了判定値に達している場合や(ステップS573;Yes)、ステップS574にて遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値に達している場合には(ステップS574;Yes)、第2大入賞口の開放状態を終了して閉鎖状態とするための設定が行われる(ステップS575)。ステップS575の処理では、例えばラウンド制御パターンなどに含まれる第2大入賞口開放終了制御データを読み出し、その制御データに応じて駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、第2大入賞口扉用ソレノイド65の駆動を停止させることで、第2大入賞口を閉鎖状態に変化させる。続いて、大入賞口開放中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS576)、大入賞口開放後待ち時間の設定を行う(ステップS577)。その後、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放後処理に対応した値である“6”に更新してから(ステップS578)、第2大入賞口開放時処理を終了する。
図39は、図27のステップS116にて実行される大当り開放後処理の一例を示すフローチャートである。図39に示す大当り開放後処理において、CPU112は、まず、例えば遊技制御プロセスタイマ値を更新するとともに、更新後のタイマ値を図37に示すステップS555の処理や図38に示すステップS577の処理等にてセットした大入賞口開放後基準値と比較することなどにより、大入賞口開放後待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS591)。このとき、大入賞口開放後待ち時間が経過していなければ(ステップS591;No)、そのまま大当り開放後処理を終了する。
ステップS591にて大入賞口開放後待ち時間が経過した場合には(ステップS591;Yes)、ラウンド数カウント値がラウンド遊技の最大継続回数に対応したラウンド最大値に達しているか否かの判定を行う(ステップS592)。このとき、ラウンド最大値に達していない場合には(ステップS592;No)、ラウンド継続条件判定処理を実行してから(ステップS593)、大当り開放後処理を終了する。
ステップS592にてラウンド最大値に達している場合には(ステップS592;Yes)、第1大入賞口開放後フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS594)。このとき、第1大入賞口開放後フラグがオンであれば(ステップS594;Yes)、第1大入賞口開放後フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS595)、第1エラー判定実行フラグをオン状態にセットする(ステップS596)。こうしてステップS596の処理にて第1エラー判定実行フラグをオン状態とすることで、ラウンド遊技にて第1大入賞口となる開口部82を開放状態とする大当り遊技状態の終了に対応して、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出する処理(図25に示すステップS52〜S56の処理)を開始させることができる。ステップS596の処理に続いて、第1大入賞口カウント値をクリアする(ステップS597)。
ステップS594にて第1大入賞口開放後フラグがオフである場合には(ステップS594;No)、第2エラー判定実行フラグをオン状態にセットする(ステップS598)。こうしてステップS598の処理にて第2エラー判定実行フラグをオン状態とすることで、ラウンド遊技にて第2大入賞口となる開口部48を開放状態とする大当り遊技状態の終了に対応して、第2特別可変入賞球装置47の内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出する処理(図25に示すステップS58〜S60の処理)を開始させることができる。ステップS598の処理に続いて、第2大入賞口カウント値をクリアする(ステップS599)。
ステップS597、S599の処理のいずれかを実行した後には、ラウンド数カウンタを初期化してラウンド数カウント値をクリアするとともに(ステップS600)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値である“7”に更新してから(ステップS601)、大当り開放後処理を終了する。
図40は、図39のステップS593にて実行されるラウンド継続条件判定処理の一例を示すフローチャートである。図40に示すラウンド継続条件判定処理において、CPU112は、まず、第1大入賞口開放後フラグがオンであるか否かの判定を行う(ステップS611)。このとき、第1大入賞口開放後フラグがオンであれば(ステップS611;Yes)、第1大入賞口開放後フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS612)、第1大入賞口カウンタを初期化して第1大入賞口カウント値をクリアする(ステップS613)。
ステップS613の処理に続いて、第1特定球検出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS614)。このとき、第1特定球検出フラグがオフであれば(ステップS614;No)、第2特定球検出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS615)。そして、ステップS614にて第1特定球検出フラグがオンである場合や(ステップS614;Yes)、ステップS615にて第2特定球検出フラグがオンである場合には(ステップS615;Yes)、第1及び第2特定球検出フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS616)、ラウンド数カウント値を1加算するとともに(ステップS617)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放中処理に対応した値である“5”に更新してから(ステップS618)、ラウンド継続条件判定処理を終了する。これにより、第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入した遊技球があった場合には、次のラウンド遊技に移行することができる。
ステップS611にて第1大入賞口開放後フラグがオフである場合には(ステップS611;No)、第2大入賞口カウント値が「0」より大きな値となっているか否かを判定する(ステップS619)。このとき、第2大入賞口カウント値が「0」より大きな値であれば(ステップS619;Yes)、第2大入賞口に進入した遊技球があったと判断して、第2大入賞口カウンタを初期化して第2大入賞口カウント値をクリアした後(ステップS620)、ステップS617の処理に進むことで、次のラウンド遊技に移行できるようにする。なお、ステップS619の処理では、第3特定球検出器51による遊技球の検出があったか否かを判定することにより、第2大入賞口に進入した遊技球があったか否かを判断するようにしてもよい。
ステップS615にて第2特定球検出フラグがオフである場合には(ステップS615;No)、第1大入賞口となる開口部82を開放状態とするラウンド遊技にて特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入した遊技球がなかったと判断して、次のラウンドには移行せずに、大当り遊技状態を終了させる。このときには、第1エラー判定実行フラグをオン状態にセットすることで(ステップS621)、ラウンド遊技にて第1大入賞口となる開口部82を開放状態とする大当り遊技状態の終了に対応して、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出する処理(図25に示すステップS52〜S56の処理)を開始させる。
ステップS619にて第2大入賞口カウント値が「0」である場合には(ステップS619;No)、第2大入賞口となる第2特別可変入賞球装置47の開口部48を開放状態とするラウンド遊技にて開放状態となった第2大入賞口に進入した遊技球がなかったと判断して、次のラウンドには移行させずに、大当り遊技状態を終了させる。このときには、第2エラー判定実行フラグをオン状態にセットすることで(ステップS622)、ラウンド遊技にて第2大入賞口となる開口部48を開放状態とする大当り遊技状態の終了に対応して、第2特別可変入賞球装置47の内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出する処理(図25に示すステップS58〜S60)の処理を開始させる。
ステップS621、S622の処理のいずれかを実行した後には、ラウンド数カウンタを初期化してラウンド数カウント値をクリアするとともに(ステップS623)、特別図柄プロセスフラグを大当り終了処理に対応した値である“7”に更新してから(ステップS624)、ラウンド継続条件判定処理を終了する。
次に、演出制御基板90における動作を説明する。演出制御基板90では、電源基板97等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ170が起動し、CPU181が図41のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図41に示す演出制御メイン処理を開始すると、CPU181は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS401)、RAM183のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板90に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、乱数更新処理が実行され(ステップS402)、例えば演出制御パターン決定用の乱数値SR1といった、演出制御に用いる各種の乱数値を示す数値データの更新が行われる。続いて、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS403)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過する毎にオン状態にセットされる。ステップS403にてタイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS403;No)、ステップS402の処理に戻る。他方、ステップS403にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS403;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS404)、コマンド解析処理を実行する(ステップS405)。ステップS405にて実行されるコマンド解析処理では、主基板120の遊技制御用マイクロコンピュータ99から送信された各種の演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS405にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS406)。この演出制御プロセス処理では、例えば演出表示装置44bの表示領域における演出画像の表示動作といった、各種の演出動作について、主基板120から送信された演出制御コマンド等に応じた設定や制御が行われる。例えば、可変表示開始コマンドを受信したときには、飾り図柄の可変表示に対応した演出画像を表示領域80に表示させるための設定や制御が行われる。また、大当り開始コマンドを受信したときには、大当り遊技状態が開始される旨の報知情報を示す演出画像を表示領域80に表示させるための設定や制御が行われる。
ステップS406にて演出制御プロセス処理を実行した後には、音・ランプ制御コマンド処理を実行してから(ステップS407)、ステップS402の処理に戻る。ステップS407にて実行される音・ランプ制御コマンド処理では、主基板120の演出制御用マイクロコンピュータ99から送信された各種の演出制御コマンドや、ステップS406における演出制御プロセス処理の実行結果などに対応して、スピーカ12a、12bによる音声の出力動作を制御する音声制御データ、あるいは各種遊技効果LED・ランプ13、14a〜14d、16a、16b、17a、17bや各種装飾LED・ランプ32の点灯動作を制御する点灯制御データといった、各種の演出動作を制御する制御データとなる制御コマンドの設定が行われる。
図42は、図41のステップS406にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図42に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用マイクロコンピュータ170のRAM183が備える演出制御フラグ設定部に設けられた演出制御プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS160〜S166の各処理が実行される。
ステップS160の可変表示開始コマンド受信待ち処理は、演出制御プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始コマンド受信待ち処理は、主基板120からの可変表示開始コマンドを受信したか否かに基づき、演出表示装置44bにおける飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS161の飾り図柄可変表示設定処理は、演出制御プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この飾り図柄可変表示設定処理は、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームの開始に対応して演出表示装置44bにおける飾り図柄の可変表示を含めた各種の演出動作を行うために、可変表示パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
例えば、ステップS161の処理では、図43(A)に示すように、大当り種別が「第1大当り」から「第4大当り」のいずれであるかや、小当り種別が「第1小当り」から「第4小当り」のいずれであるかに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄を決定する。ここで、大当り種別や小当り種別は、主基板120から送信される可変表示開始コマンドで示される可変表示パターンや、表示結果通知コマンドに含まれる指示データなどから特定すればよい。こうして、ステップS161の処理では、主基板120の側において可変表示結果を特定表示結果としての「大当り」とする旨の判定がなされたことに基づいて、その特定表示結果に含まれる大当り組合せの確定飾り図柄を、予め定められた複数種類のうちから決定することができる。また、ステップS161の処理では、主基板120の側において可変表示結果を所定表示結果としての「小当り」とする旨の判定がなされたことに基づいて、その所定表示結果に含まれる小当り組合せの確定飾り図柄を、予め定められた複数種類のうちから決定することができる。
加えて、ステップS161の処理では、例えば図43(B)に示すように、可変表示パターンに対応する演出制御パターンの決定が行われる。このときには、例えば演出制御用マイクロコンピュータ170のCPU181が乱数回路184などから抽出した演出制御パターン決定用の乱数値SR1に基づき、ROM182などに予め格納された演出制御パターン決定テーブルを参照することなどにより、可変表示パターンに対応した演出制御パターンを、複数種類のいずれかに決定すればよい。こうしてステップS161の処理にて演出制御パターンの決定が行われることにより、主基板120から送信される可変表示開始コマンドに示される可変表示パターンが発展演出表示を実行しないものである場合には、発展演出表示を実行せずに飾り図柄の可変表示結果を停止表示させる設定が行われる。その一方で、主基板120から送信される可変表示開始コマンドに示される可変表示パターンが発展演出表示を実行するものである場合には、飾り図柄の可変表示を開始した後に発展演出表示を実行してから可変表示結果を停止表示させる設定が行われる。
ステップS162の飾り図柄可変表示中処理は、演出制御プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この飾り図柄可変表示中処理において、CPU181は、RAM183が備える演出制御タイマ設定部に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データといった演出制御データを読み出す。このとき読み出された演出制御データに従って、例えば表示制御部171に対して送信する表示制御指令の決定や、音声枠ランプ基板92に対して送信する音声ランプ制御指令の決定などといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御が行われる。そして、演出制御パターンから飾り図柄の可変表示の終了を示す終了コードが読み出されると、所定の表示制御指令を表示制御部171に対して送信することなどにより、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄を表示させる。
ここで、演出制御パターンから終了コードが読み出されたときには、演出表示装置44bの表示領域80における「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて確定飾り図柄が確定せずに揺れている揺れ変動状態とする仮停止表示を行い、主基板120からの可変表示終了コマンドを受信したことに応じて、確定飾り図柄の表示を確定させればよい。あるいは、演出制御パターンから終了コードが読み出されたときには、主基板120からの可変表示終了コマンドを受信しなくても、演出表示装置44bの表示領域80における「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにおける確定飾り図柄の表示を確定させてもよい。この場合には、可変表示開始コマンドに示された可変表示パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板120からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板90の側で自律的に確定飾り図柄を可変表示結果として導出表示させることができる。このときには、大当り開始コマンド受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマにセットする。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り開始待ち処理に対応した値である“3”に更新する。
ステップS163の大当り開始待ち処理は、演出制御プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この大当り開始待ち処理において、CPU181は、主基板120から送信された大当り開始コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り開始コマンドを受信したきには、飾り図柄の可変表示結果が「大当り」であると判断して、演出制御プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、主基板120からの大当り開始コマンドを受信することなく、小当り開始コマンドを受信したときには、飾り図柄の可変表示結果が「小当り」であると判断して、演出制御プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。また、大当り開始コマンド及び小当り開始コマンドのいずれも受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、飾り図柄の可変表示結果が「ハズレ」であると判断して、演出制御プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS164の大当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、CPU181は、例えば表示制御部171に対する表示制御指令の送信により大当り遊技状態に応じた所定の演出画像を演出表示装置44bの表示領域80に表示させたり、音声枠ランプ基板92に対する音声ランプ制御指令の送信によりスピーカ12a、12bにおける音声出力動作を制御して大当り遊技状態に応じた音声を出力させたり、各種遊技効果LED・ランプ13、14a〜14d、16a、16b、17a、17bや各種装飾LED・ランプ32の点灯動作を制御して大当り遊技状態に応じた点灯・消灯・点滅の動作をさせたりするといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を行う。そして、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が最終ラウンド(例えば第15ラウンドや第2ラウンドなど)になると、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS165のエンディング演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理は、例えば表示制御部171に対する表示制御指令の送信により演出表示装置44bの表示領域80に所定の演出画像を表示させたり、音声枠ランプ基板92に対する音声ランプ制御指令の送信によりスピーカ12a、12bにおける音声出力動作を制御して大当り遊技状態に応じた音声を出力させたり、各種遊技効果LED・ランプ13、14a〜14d、16a、16b、17a、17bや各種装飾LED・ランプ32の点灯動作を制御して大当り遊技状態に応じた点灯・消灯・点滅の動作をさせたりすることで、大当り遊技状態の終了を報知するための演出動作を制御する処理を含んでいる。
ステップS166の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理は、例えば表示制御部171に対する表示制御指令の送信により演出表示装置44bの表示領域80に所定の演出画像を表示させることや、音声枠ランプ基板92に対する音声ランプ制御指令の送信によりスピーカ12a、12bにおける音声出力動作を制御して小当り遊技状態に応じた音声を出力させること、各種遊技効果LED・ランプ13、14a〜14d、16a、16b、17a、17bや各種装飾LED・ランプ32の点灯動作を制御して小当り遊技状態に応じた点灯・消灯・点滅の動作をさせることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を行う。
次に、特図ゲームや飾り図柄の可変表示結果が「小当り」となることに対応して小当り遊技状態に制御される場合における具体的な制御例について説明する。図44は、小当り種別が「第1小当り」と「第2小当り」のそれぞれに決定される場合において、始動口スイッチ56、60の動作タイミングや、特別図柄表示装置44a及び開閉片用ソレノイド105の制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。図44(A)〜(E)では、横軸が時間の経過を示している。
パチンコ遊技機1では、図44(A)に示すように始動口スイッチ56、60のいずれかにより出力される検出信号がオン状態となったことに基づいて、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームが開始され、特別図柄の可変表示が行われる。このとき、例えば図28に示すステップS202の処理にて特図保留記憶部161から読み出した特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データとは合致せずに小当り判定値データと合致し(ステップS204;No及びステップS207;Yes)、小当り種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて図8(B)に示す小当り種別決定テーブル211を参照することで、小当り種別を「第1小当り」とすること及び小当り図柄を「12」とすることが決定されたとする(ステップS209)。この場合、「第1小当り」に対応する可変表示パターンとして「発展演出なしC(小当り)」の可変表示パターンが決定される(ステップS211、図29(A)参照)。「発展演出なしC(小当り)」の可変表示パターンでは、図15に示すように、可変表示時間が「3.5秒」となる。また、「発展演出なしC(小当り)」の可変表示パターンが決定されたことに対応して、開放前インターバル時間が「4秒」に設定される(図28のステップS212、図29(B)参照)。
これらの決定結果や設定内容に基づき、特別図柄表示装置44aでは、例えば図44(B)に示すように、特別図柄の変動を開始してから3.5秒が経過したときに、可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示して特図ゲームを終了する。このときには、特図ゲームにおける可変表示結果が「第1小当り」に対応した小当り図柄「12」となる。また、演出表示装置44bの表示領域80では、特図ゲームにおける特別図柄の変動が開始されることに対応して、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて飾り図柄の変動が開始され、特別図柄表示装置44aに確定特別図柄が停止表示されて特図ゲームが終了することに対応して、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて「青1」を示す同一の飾り図柄が揃って停止表示されることで、小当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される。
こうして確定特別図柄及び確定飾り図柄が導出表示されて特図ゲームや飾り図柄の可変表示が停止してから、例えば0.5秒といった所定の待機時間が経過したときに開放前インターバル時間「4秒」が経過したことに対応して、図44(C)に示すように、開閉片用ソレノイド105の駆動が開始され、第1大入賞口となる開口部82を閉鎖状態から開放状態に変化させる始動動作が行われる。このときには、第1小当り時用の小当り制御パターンKP1で定められた駆動パターンに従って、開閉片用ソレノイド105が駆動される。第1小当り時用の小当り制御パターンKP1は、図30に示すステップS228の処理にて小当り種別が「第1小当り」であること、すなわち、小当り図柄が「12」であることに対応して決定され、小当り遊技状態における始動動作等を制御するためにセットされる。これにより、第1大入賞口となる開口部82は、始動開放回数が「1回」で開放時間が「1秒」となる始動動作パターンで、閉鎖状態から開放状態に変化した後、閉鎖状態に戻る。
また、図28に示すステップS209の処理にて小当り種別を「第2小当り」とすること及び小当り図柄を「11」とすることが決定されると、「第2小当り」に対応する可変表示パターンとして「発展演出ありC(小当り)」の可変表示パターンが決定される(ステップS211、図29(A)参照)。この「発展演出ありC(小当り)」の可変表示パターンでは、図15に示すように、可変表示時間が「7.5秒」となる。また、「発展演出ありC(小当り)」の可変表示パターンが決定されたことに対応して、開放前インターバル時間が「8秒」に設定される(図28のステップS212、図29(B)参照)。
これらの決定結果や設定内容に基づき、特別図柄表示装置44aでは、例えば図44(D)に示すように、特別図柄の変動を開始してから7.5秒が経過したときに、可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示して特図ゲームを終了する。このときには、特図ゲームにおける可変表示結果が「第2小当り」に対応した小当り図柄「11」となる。また、演出表示装置44bの表示領域80では、特図ゲームにおける特別図柄の変動が開始されることに対応して、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて飾り図柄の変動が開始される。このときには、「発展演出ありC(小当り)」の可変表示パターンに対応して図42に示すステップS161の飾り図柄可変表示設定処理にて決定される「発展演出ありC−1(小当り)」の演出制御パターン(図43(B)参照)における設定などに基づき、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて飾り図柄を一旦停止表示した後に、再び変動表示させてから確定飾り図柄を停止表示する発展演出表示が実行される。そして、特別図柄表示装置44aに確定特別図柄が停止表示されて特図ゲームが終了することに対応して、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて「赤1」を示す同一の飾り図柄が揃って停止表示されることで、小当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される。
こうして確定特別図柄及び確定飾り図柄が導出表示されて特図ゲームや飾り図柄の可変表示が停止してから、例えば0.5秒といった所定の待機時間が経過したときに開放前インターバル時間「8秒」が経過したことに対応して、図44(E)に示すように、開閉片用ソレノイド105の駆動が開始され、第1大入賞口となる開口部82を閉鎖状態から開放状態に変化させる始動動作が行われる。このときには、第2小当り時用の小当り制御パターンKP2で定められた駆動パターンに従って、開閉片用ソレノイド105が駆動される。第2小当り時用の小当り制御パターンKP2は、図30に示すステップS228の処理にて、小当り種別が「第2小当り」であること、すなわち、小当り図柄が「11」であることに対応して決定され、小当り遊技状態における始動動作等を制御するためにセットされる。これにより、第1大入賞口となる開口部82は、「第1小当り」のときとは異なる始動動作パターンとして、始動開放回数が「1回」で開放時間が「2秒」となる始動動作パターンで、閉鎖状態から開放状態に変化した後、閉鎖状態に戻る。
図45は、小当り種別が「第3小当り」と「第4小当り」のそれぞれに決定される場合において、始動口スイッチ56、60の動作タイミングや、特別図柄表示装置44a及び開閉片用ソレノイド105の制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。図45(A)〜(E)でも、横軸が時間の経過を示している。
図45(A)に示すように始動口スイッチ56、60のいずれかが遊技球を検出したことに基づき、図28に示すステップS209の処理にて小当り種別を「第3小当り」とすること及び小当り図柄を「34」とすることが決定されると、「第3小当り」に対応する可変表示パターンとして「発展演出なしD(小当り)」の可変表示パターンが決定される(ステップS211、図29(A)参照)。この「発展演出なしD(小当り)」の可変表示パターンでは、図15に示すように、可変表示時間が「5.5秒」となる。また、「発展演出なしD(小当り)」の可変表示パターンが決定されたことに対応して、開放前インターバル時間が「6秒」に設定される(図28のステップS212、図29(B)参照)。
これらの決定結果や設定内容に基づき、特別図柄表示装置44aでは、例えば図45(B)に示すように、特別図柄の変動を開始してから5.5秒が経過したときに、可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示して特図ゲームを終了する。このときには、特図ゲームにおける可変表示結果が「第3小当り」に対応した小当り図柄「34」となる。また、演出表示装置44bの表示領域80では、特図ゲームにおける特別図柄の変動が開始されることに対応して、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて飾り図柄の変動が開始され、特別図柄表示装置44aに確定特別図柄が停止表示されて特図ゲームが終了することに対応して、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて「青3」を示す同一の飾り図柄が揃って停止表示されることで、小当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される。
こうして確定特別図柄及び確定飾り図柄が導出表示されて特図ゲームや飾り図柄の可変表示が停止してから、例えば0.5秒といった所定の待機時間が経過したときに開放前インターバル時間「6秒」が経過したことに対応して、図45(C)に示すように、開閉片用ソレノイド105の駆動が開始され、第1大入賞口となる開口部82を閉鎖状態から開放状態に変化させる始動動作が行われる。このときには、第3小当り時用の小当り制御パターンKP3で定められた駆動パターンに従って、開閉片用ソレノイド105が駆動される。第3小当り時用の小当り制御パターンKP3は、図30に示すステップS228の処理にて、小当り種別が「第3小当り」であること、すなわち、小当り図柄が「34」であることに対応して決定され、小当り遊技状態における始動動作等を制御するためにセットされる。これにより、第1大入賞口となる開口部82は、「第1小当り」や「第2小当り」のときとは異なる始動動作パターンとして、始動開放回数が「3回」で開放時間が「1秒」となる始動動作パターンで、閉鎖状態から開放状態に変化した後、閉鎖状態に戻る。
また、図28に示すステップS209の処理にて小当り種別を「第4小当り」とすること及び小当り図柄を「33」とすることが決定されると、「第4小当り」に対応する可変表示パターンとして「発展演出ありD(小当り)」の可変表示パターンが決定される(ステップS211、図29(A)参照)。この「発展演出ありC(小当り)」の可変表示パターンでは、図15に示すように、可変表示時間が「11.5秒」となる。また、「発展演出ありD(小当り)」の可変表示パターンが決定されたことに対応して、開放前インターバル時間が「12秒」に設定される(図28のステップS212、図29(B)参照)。
これらの決定結果や設定内容に基づき、特別図柄表示装置44aでは、例えば図45(D)に示すように、特別図柄の変動を開始してから11.5秒が経過したときに、可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示して特図ゲームを終了する。このときには、特図ゲームにおける可変表示結果が「第4小当り」に対応した小当り図柄「33」となる。また、演出表示装置44bの表示領域80では、特図ゲームにおける特別図柄の変動が開始されることに対応して、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて飾り図柄の変動が開始される。このときには、「発展演出ありD(小当り)」の可変表示パターンに対応して図42に示すステップS161の飾り図柄可変表示設定処理にて決定される「発展演出ありD−1(小当り)」あるいは「発展演出ありD−2(小当り)」の演出制御パターンにおける設定などに基づき、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて飾り図柄を一旦停止表示した後に、再び変動表示させてから確定飾り図柄を停止表示する発展演出表示が実行される。そして、特別図柄表示装置44aに確定特別図柄が停止表示されて特図ゲームが終了することに対応して、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて「赤3」を示す同一の飾り図柄が揃って停止表示されることで、小当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される。
こうして確定特別図柄及び確定飾り図柄が導出表示されて特図ゲームや飾り図柄の可変表示が停止してから、例えば0.5秒といった所定の待機時間が経過したときに開放前インターバル時間「12秒」が経過したことに対応して、図45(E)に示すように、開閉片用ソレノイド105の駆動が開始され、第1大入賞口となる開口部82を閉鎖状態から開放状態に変化させる始動動作が行われる。このときには、第4小当り時用の小当り制御パターンKP4で定められた駆動パターンに従って、開閉片用ソレノイド105が駆動される。第4小当り時用の小当り制御パターンKP4は、図30に示すステップS228の処理にて、小当り種別が「第4小当り」であること、すなわち、小当り図柄が「33」であることに対応して決定され、小当り遊技状態における始動動作等を制御するためにセットされる。これにより、第1大入賞口となる開口部82は、「第1小当り」から「第3小当り」のときとは異なる始動動作パターンとして、始動開放回数が「3回」で開放時間が「2秒」となる始動動作パターンで、閉鎖状態から開放状態に変化した後、閉鎖状態に戻る。
このように、小当り遊技状態にて行われる始動動作での始動開放回数や開放時間は、小当り種別が「第1小当り」から「第4小当り」のいずれであるか、すなわち、小当り図柄が「12」、「11」、「34」、「33」のいずれであるかに応じて、異なるものとなる。また、始動領域となる始動口58aや始動入賞装置58bに進入した遊技球が始動口スイッチ56、60によって検出されてから始動動作にて第1大入賞口となる開口部82が開放状態に変化するまでの開放前インターバル時間は、小当り種別が「第1小当り」から「第4小当り」のいずれであるか、すなわち、小当り図柄が「12」、「11」、「34」、「33」のいずれであるかに応じて、異なるものとなる。さらに、小当り種別が「第1小当り」のときと「第3小当り」のときには、発展演出表示を実行しない可変表示パターンに決定される。これに対して、小当り種別が「第2小当り」のときと「第4小当り」のときには、発展演出表示を実行する可変表示パターンに決定される。したがって、開放前インターバル時間は、発展演出表示を実行するか否かの決定結果に応じて、異なるものとなる。なお、小当り遊技状態における振分用ソレノイド108の駆動制御により、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を第1領域85と第2領域88とに振り分ける動作パターンは、小当り種別や小当り図柄に関わりなく、同一の動作パターンであってもよいし、小当り種別や小当り図柄に応じて、異なる動作パターンであってもよい。振分用ソレノイド108の駆動制御に関する設定は、各小当り制御パターンKP1〜KP4に示されていればよい。
パチンコ遊技機1が小当り遊技状態となるときには、図30に示すステップS231の処理にて、第1エラー判定実行フラグがクリアされてオフ状態となる。例えば、図46(C)に示すように始動口スイッチ56、60が遊技球を検出したことに対応するタイミングTi01にて、図28に示すステップS209の処理における小当り種別を「第1小当り」とすること及び小当り図柄を「12」とすることの決定や、ステップS211の処理における可変表示パターンを「発展演出なしC(小当り)」の可変表示パターンとすることの決定などに基づき、図46(D)に示すように特別図柄表示装置44aにて特別図柄の変動が開始される。その後、タイミングTi01から「発展演出なしC(小当り)」の可変表示パターンにおける可変表示時間である「3.5秒」が経過したタイミングTi02にて、可変表示結果となる確定特別図柄としての小当り図柄「12」が停止表示されて特図ゲームが終了する。このとき、図30に示すステップS231の処理が実行されることで、図46(A)に示すように、第1エラー判定実行フラグがクリアされてオフ状態となる。
こうして第1エラー判定実行フラグをオフ状態とすることで、図25に示すステップS52〜S56の処理が実行されないことになり、小当り遊技状態における始動動作で開放状態となった第1大入賞口としての開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入する遊技球は、異常な入賞球として検出されなくなる。これに対して、第2エラー判定実行フラグは、図46(B)に示すように、オン状態のまま維持される。そのため、図25に示すステップS58〜S60の処理は実行可能である。したがって、第2特別可変入賞球装置47の内部に進入した遊技球が第2カウントスイッチ52により検出されたときには(ステップS58;Yes)、賞球の払出しが禁止されるとともに(ステップS59)、例えば図26(B)に示すような第2異常報知画面を演出表示装置44bに表示させることといった、異常な入賞球が発生した旨の報知が行われる。
図46(E)に示すように、タイミングTi01から小当り種別が「第1小当り」であることに対応した開放前インターバル時間である「4秒」が経過したタイミングTi03では、小当り種別が「第1小当り」であることに対応した第1小当り時用の小当り制御パターンKP1における設定に基づき、開閉片用ソレノイド105の駆動が開始されることにより、第1大入賞口となる開口部82が閉鎖状態から開放状態へと変化し、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入可能となる。そして、図46(F)に示すように、タイミングTi04にて第1カウントスイッチ106により第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が検出されるときには、第1エラー判定実行フラグがオフ状態であることから、図25に示すステップS52の処理が行われないので、この遊技球を異常な入賞球として検出することはない。
その後、例えば図46(G)に示すように、排出球検出器122により遊技球が検出されたことに対応するタイミングTi05では、図33に示すステップS513の処理にて更新された残存球数カウント値が、図32に示すステップS258の処理にて「0」であると判定されたことに対応して、ステップS262の処理を実行する。これにより、例えば図46(A)に示すように、第1エラー判定実行フラグがオン状態にセットされる。こうして、始動動作にて開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1カウントスイッチ106によって検出された後には、第1カウントスイッチ106や排出球検出器122による遊技球の検出に応じて更新される残存球数カウント値が「0」となったときに第1エラー判定実行フラグをオン状態とすることで、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないと判定されてから、図25に示すステップS52〜S56の処理を実行可能とし、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出する動作を開始する。
例えばタイミングTi05より後に第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1カウントスイッチ106により検出されたときには(図25のステップS52;Yes)、賞球の払出しが禁止されるとともに(ステップS55)、例えば図26(A)に示すような第1異常報知画面を演出表示装置44bに表示させることといった、異常な入賞球が発生した旨の報知が行われる。また、タイミングTi05より後に特定領域となる第1特定進入口89あるいは第2特定進入口91に進入した遊技球が第1特定球検出器121aあるいは第2特定球検出器121bにより検出されたときにも(図25のステップS53;YesまたはステップS54;Yes)、賞球の払出しを禁止して、例えば図26(A)に示すような第1異常報知画面を表示させるといった、異常な入賞球が発生した旨の報知が行われる。
次に、特図ゲームや飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となることに対応して大当り遊技状態に制御される場合における具体的な制御例について説明する。図47は、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のそれぞれに決定される場合において、始動口スイッチ56、60の動作タイミングや、特別図柄表示装置44a、開閉片用ソレノイド105、第2大入賞口扉用ソレノイド65の制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。図47(A)〜(E)では、横軸が時間の経過を示している。
図28に示すステップS202の処理にて特図保留記憶部161から読み出した特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致したときに(ステップS204;Yes)、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて図8(A)に示す大当り大当り種別決定テーブル210を参照することで、大当り種別を「第1大当り」とすること及び大当り図柄を「56」とすることが決定されたとする(ステップS206)。この場合、「第1大当り」に対応する可変表示パターンとして「発展演出なしA(大当り)」の可変表示パターンが決定される(ステップS211、図29(A)参照)。「発展演出なしA(大当り)」の可変表示パターンでは、図15に示すように、可変表示時間が「4.5秒」となる。また、「発展演出なしA(大当り)」の可変表示パターンが決定されたことに対応して、開放前インターバル時間が「5秒」に設定される(ステップS212、図29(B)参照)。
これらの決定結果や設定内容に基づき、特別図柄表示装置44aでは、例えば図47(B)に示すように、特別図柄の変動を開始してから4.5秒が経過したときに、可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示して特図ゲームを終了する。このときには、特図ゲームにおける可変表示結果が「第1大当り」に対応した大当り図柄「56」となる。また、演出表示装置44bの表示領域80では、特図ゲームにおける特別図柄の変動が開始されることに対応して、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて飾り図柄の変動が開始され、特別図柄表示装置44aに確定特別図柄が停止表示されて特図ゲームが終了することに対応して、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて「青5」を示す同一の飾り図柄が揃って停止表示されることで、大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される。
こうして確定特別図柄及び確定飾り図柄が導出表示されて特図ゲームや飾り図柄の可変表示が停止してから、例えば0.5秒といった所定の待機時間が経過したときに開放前インターバル時間「5秒」が経過したことに対応して、図47(C)に示すように、開閉片用ソレノイド105の駆動が開始され、第1大入賞口となる開口部82を閉鎖状態から開放状態に変化させるラウンド遊技が行われる。このときには、2ラウンド用のラウンド制御パターンRP1−1で定められた駆動パターンに従って開閉片用ソレノイド105が駆動されることで、始動動作とは異なる動作パターンで第1大入賞口となる開口部82を閉鎖状態から開放状態とした後に閉鎖状態に戻す特定動作が行われる。2ラウンド用のラウンド制御パターンRP1−1は、図30に示すステップS222の処理にて、大当り種別が「第1大当り」であること、すなわち、大当り図柄が「56」であることに対応して決定され、大当り遊技状態における特定動作等を制御するためにセットされる。これにより、大当り種別が「第1大当り」であるときの大当り遊技状態では、第1大入賞口となる開口部82を、開放回数(最大継続回数)が「2回」となり最大開放時間が「26秒」となる特定動作パターンで、閉鎖状態から開放状態に変化させた後に閉鎖状態へと戻すラウンド遊技が行われる。なお、各ラウンド遊技では、最大開放時間が経過する前であっても、第1カウントスイッチ106により検出された遊技球が所定の個数(例えば「10」)に達したときには(図37のステップS551;Yes)、第1大入賞口となる開口部82を閉鎖状態へと戻して1回のラウンド遊技が終了する。
また、図28に示すステップS206の処理にて大当り種別を「第2大当り」とすること及び大当り図柄を「55」とすることが決定されると、「第2大当り」に対応する可変表示パターンとして「発展演出ありA(大当り)」の可変表示パターンが決定される(ステップS211、図29(A)参照)。この「発展演出ありA(大当り)」の可変表示パターンでは、図15に示すように、可変表示時間が「9.5秒」となる。また、「発展演出ありA(大当り)」の可変表示パターンが決定されたことに対応して、開放前インターバル時間が「10秒」に設定される(図28のステップS212、図29(B)参照)。
これらの決定結果や設定内容に基づき、特別図柄表示装置44aでは、例えば図47(D)に示すように、特別図柄の変動を開始してから9.5秒が経過したときに、可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示して特図ゲームを終了する。このときには、特図ゲームにおける可変表示結果が「第2大当り」に対応した大当り図柄「55」となる。また、演出表示装置44bの表示領域80では、特図ゲームにおける特別図柄の変動が開始されることに対応して、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて飾り図柄の変動が開始される。このときには、「発展演出ありA(大当り)」の可変表示パターンに対応して図42に示すステップS161の飾り図柄可変表示設定処理にて決定される「発展演出ありA−1(大当り)」から「発展演出ありA−4(大当り)」のいずれかの演出制御パターン(図43(B)参照)における設定などに基づき、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて飾り図柄を一旦停止表示した後に、再び変動表示させてから確定飾り図柄を停止表示する発展演出表示が実行される。そして、特別図柄表示装置44aに確定特別図柄が停止表示されて特図ゲームが終了することに対応して、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて「赤5」を示す同一の飾り図柄が揃って停止表示されることで、大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される。
こうして確定特別図柄及び確定飾り図柄が導出表示されて特図ゲームや飾り図柄の可変表示が停止してから、例えば0.5秒といった所定の待機時間が経過したときに開放前インターバル時間「10秒」が経過したことに対応して、図47(E)に示すように、第2大入賞口扉用ソレノイド65の駆動が開始され、第2大入賞口となる開口部48を閉鎖状態から開放状態に変化させるラウンド遊技が開始される。このときには、2ラウンド用のラウンド制御パターンRP1−2で定められた駆動パターンに従って第2大入賞口扉用ソレノイド65が駆動されることで、第2大入賞口となる開口部48を閉鎖状態から開放状態とした後に閉鎖状態に戻す特定動作が行われる。2ラウンド用のラウンド制御パターンRP1−2は、図30に示すステップS222の処理にて大当り種別が「第2大当り」であること、すなわち、大当り図柄が「55」であることに対応して決定され、大当り遊技状態における特定動作等を制御するためにセットされる。これにより、大当り種別が「第2大当り」であるときの大当り遊技状態では、第2大入賞口となる開口部48を、開放回数(最大継続回数)が「2回」となり最大開放時間が「29秒」となる特定動作パターンで、閉鎖状態から開放状態に変化させた後に閉鎖状態へと戻すラウンド遊技が行われる。なお、各ラウンド遊技では、最大開放時間が経過する前であっても、第2カウントスイッチ52により検出された遊技球が所定の個数(例えば「10」)に達したときには(図38のステップS573;Yes)、第2大入賞口となる開口部48を閉鎖状態へと戻して1回のラウンド遊技が終了する。
図48は、大当り種別が「第3大当り」と「第4大当り」のそれぞれに決定される場合において、始動口スイッチ56、60の動作タイミングや、特別図柄表示装置44a、開閉片用ソレノイド105、第2大入賞口扉用ソレノイド65の制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。図48(A)〜(E)でも、横軸が時間の経過を示している。
図48(A)に示すように始動口スイッチ56、60のいずれかが遊技球を検出したことに基づき、図28に示すステップS206の処理にて大当り種別を「第3大当り」とすること及び大当り図柄を「78」とすることが決定されると、「第3大当り」に対応する可変表示パターンとして「発展演出なしB(大当り)」の可変表示パターンが決定される(ステップS211、図29(A)参照)。この「発展演出なしB(大当り)」の可変表示パターンでは、図15に示すように、可変表示時間が「6.5秒」となる。また、「発展演出なしB(大当り)」の可変表示パターンが決定されたことに対応して、開放前インターバル時間が「7秒」に設定される(図28のステップS212、図29(B)参照)。
これらの決定結果や設定内容に基づき、特別図柄表示装置44aでは、例えば図48(B)に示すように、特別図柄の変動を開始してから6.5秒が経過したときに、可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示して特図ゲームを終了する。このときには、特図ゲームにおける可変表示結果が「第3大当り」に対応した大当り図柄「78」となる。また、演出表示装置44bの表示領域80では、特図ゲームにおける特別図柄の変動が開始されることに対応して、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて飾り図柄の変動が開始され、特別図柄表示装置44aに確定特別図柄が停止表示されて特図ゲームが終了することに対応して、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて「青7」を示す同一の飾り図柄が揃って停止表示されることで、大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される。
こうして確定特別図柄及び確定飾り図柄が導出表示されて特図ゲームや飾り図柄の可変表示が停止してから、例えば0.5秒といった所定の待機時間が経過したときに開放前インターバル時間「7秒」が経過したことに対応して、図48(C)に示すように、開閉片用ソレノイド105の駆動が開始され、第1大入賞口となる開口部82を閉鎖状態から開放状態に変化させるラウンド遊技が開始される。このときには、15ラウンド用のラウンド制御パターンRP1−3で定められた駆動パターンに従って開閉片用ソレノイド105が駆動されることで、始動動作とは異なる動作パターンで第1大入賞口となる開口部82を閉鎖状態から開放状態とした後に閉鎖状態に戻す特定動作が行われる。15ラウンド用のラウンド制御パターンRP1−3は、図30に示すステップS222の処理にて大当り種別が「第3大当り」であること、すなわち、大当り図柄が「78」であることに対応して決定され、大当り遊技状態における特定動作等を制御するためにセットされる。これにより、大当り種別が「第3大当り」であるときの大当り遊技状態では、第1大入賞口となる開口部82を、開放回数(最大継続回数)が「15回」となり最大開放時間が「26秒」となる特定動作パターンで、閉鎖状態から開放状態に変化させた後に閉鎖状態へと戻すラウンド遊技が行われる。
また、図28に示すステップS206の処理にて大当り種別を「第4大当り」とすること及び大当り図柄を「77」とすることが決定されると、「第4大当り」に対応する可変表示パターンとして「発展演出ありB(大当り)」の可変表示パターンが決定される(ステップS211、図29(A)参照)。この「発展演出ありB(大当り)」の可変表示パターンでは、図15に示すように、可変表示時間が「14.5秒」となる。また、「発展演出ありB(大当り)」の可変表示パターンが決定されたことに対応して、開放前インターバル時間が「15秒」に設定される(図28のステップS212、図29(B)参照)。
これらの決定結果や設定内容に基づき、特別図柄表示装置44aでは、例えば図48(D)に示すように、特別図柄の変動を開始してから14.5秒が経過したときに、可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示して特図ゲームを終了する。このときには、特図ゲームにおける可変表示結果が「第4大当り」に対応した大当り図柄「77」となる。また、演出表示装置44bの表示領域80では、特図ゲームにおける特別図柄の変動が開始されることに対応して、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて飾り図柄の変動が開始される。このときには、「発展演出ありB(大当り)」の可変表示パターンに対応して図42に示すステップS161の飾り図柄可変表示設定処理にて決定される「発展演出ありB−1(大当り)」から「発展演出ありB−4(大当り)」のいずれかの演出制御パターン(図43(B)参照)における設定などに基づき、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて飾り図柄を一旦停止表示した後に、再び変動表示させてから確定飾り図柄を停止表示する発展演出表示が実行される。そして、特別図柄表示装置44aに確定特別図柄が停止表示されて特図ゲームが終了することに対応して、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部80L、80Rにて「赤7」を示す同一の飾り図柄が揃って停止表示されることで、大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される。
こうして確定特別図柄及び確定飾り図柄が導出表示されて特図ゲームや飾り図柄の可変表示が停止してから、例えば0.5秒といった所定の待機時間が経過したときに開放前インターバル時間「15秒」が経過したことに対応して、図48(E)に示すように、第2大入賞口扉用ソレノイド65の駆動が開始され、第2大入賞口となる開口部48を閉鎖状態から開放状態に変化させるラウンド遊技が開始される。このときには、15ラウンド用のラウンド制御パターンRP1−4で定められた駆動パターンに従って第2大入賞口扉用ソレノイド65が駆動されることで、第2大入賞口となる開口部48を閉鎖状態から開放状態とした後に閉鎖状態に戻す特定動作が行われる。15ラウンド用のラウンド制御パターンRP1−4は、図30に示すステップS222の処理にて大当り種別が「第4大当り」であること、すなわち、大当り図柄が「77」であることに対応して決定され、大当り遊技状態における特定動作等を制御するためにセットされる。これにより、大当り種別が「第4大当り」であるときの大当り遊技状態では、第2大入賞口となる開口部48を、開放回数(最大継続回数)が「15回」となり最大開放時間が「29秒」となる特定動作パターンで、閉鎖状態から開放状態に変化させた後に閉鎖状態へと戻すラウンド遊技が行われる。
このように、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数や開放時間、あるいは、第1大入賞口となる開口部82と第2大入賞口となる開口部48のいずれを開放状態とするかの設定などは、大当り種別が「第1大当り」から「第4大当り」のいずれであるか、すなわち、大当り図柄が「56」、「55」、「78」、「77」のいずれであるかに応じて、異なるものとなる。また、始動領域となる始動口58aや始動入賞装置58bに進入した遊技球が始動口スイッチ56、60によって検出されてから大当り遊技状態における最初のラウンド遊技にて第1大入賞口となる開口部82あるいは第2大入賞口となる開口部48が開放状態に変化するまでの開放前インターバル時間は、大当り種別が「第1大当り」から「第4大当り」のいずれであるか、すなわち、大当り図柄が「56」、「55」、「78」、「77」のいずれであるかに応じて、異なるものとなる。さらに、大当り種別が「第1大当り」のときと「第3大当り」のときには、発展演出表示を実行しない可変表示パターンに決定される。これに対して、大当り種別が「第2大当り」のときと「第4大当り」のときには、発展演出表示を実行する可変表示パターンに決定される。したがって、開放前インターバル時間は、発展演出表示を実行するか否かの決定結果に応じて、異なるものとなる。なお、大当り遊技状態における振分用ソレノイド108の駆動制御により、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を第1領域85と第2領域88とに振り分ける動作パターンは、大当り種別や大当り図柄に関わりなく、同一の動作パターンであってもよいし、大当り種別や大当り図柄に応じて、異なる動作パターンであってもよい。振分用ソレノイド108の駆動制御に関する設定は、開放する大入賞口を第1大入賞口とするラウンド制御パターンRP1−1、RP1−3に示されていればよい。
パチンコ遊技機1が大当り遊技状態となるときには、図35に示すステップS283の処理にて開放する大入賞口を特定し、特定された大入賞口が第1大入賞口となる開口部82である場合には、ステップS285の処理にて第1エラー判定実行フラグがクリアされてオフ状態となる一方で、特定された大入賞口が第2大入賞口となる開口部48である場合には、ステップS286の処理にて第2エラー判定実行フラグがクリアされてオフ状態となる。一例として、図49(C)に示すように始動口スイッチ56、60が遊技球を検出したことに対応するタイミングTi11にて、図28に示すステップS206の処理における大当り種別を「第1大当り」とすること及び大当り図柄を「56」とすることの決定や、ステップS211における可変表示パターンを「発展演出なしA(大当り)」の可変表示パターンとすることの決定などに基づき、図49(D)に示すように特別図柄表示装置44aにて特別図柄の変動が開始される。その後、タイミングTi11から「発展演出なしA(大当り)」の可変表示パターンにおける可変表示時間である「4.5秒」が経過したタイミングTi12にて、可変表示結果となる確定特別図柄としての大当り図柄「56」が停止表示されて特図ゲームが終了する。このときには、例えば図30に示すステップS222にて大当り種別が「第1大当り」であることに対応してセットした2ラウンド用のラウンド制御パターンRP1−1の設定などに基づき、図35に示すステップS283にて特定した大入賞口が第1大入賞口となる開口部82であることから(ステップS284;Yes)、ステップS285の処理が実行されることで、図49(A)に示すように、第1エラー判定実行フラグがクリアされてオフ状態となる。
こうして第1エラー判定実行フラグをオフ状態とすることで、図25に示すステップS52〜S56の処理が実行されないことになり、大当り遊技状態におけるラウンド遊技で開放状態となった第1大入賞口としての開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入する遊技球は、異常な入賞球として検出されなくなる。これに対して、第2エラー判定実行フラグは、図49(B)に示すように、オン状態のまま維持される。そのため、図25に示すステップS58〜S60の処理は実行可能である。したがって、第2特別可変入賞球装置47の内部に進入した遊技球が第2カウントスイッチ52により検出されたときには(ステップS58;Yes)、賞球の払出しが禁止されるとともに(ステップS59)、例えば図26(B)に示すような第2異常報知画面を演出表示装置44bに表示させることといった、異常な入賞球が発生した旨の報知が行われる。
図49(E)に示すように、タイミングTi11から大当り種別が「第1大当り」であることに対応した開放前インターバル時間である「5秒」が経過したタイミングTi13では、大当り種別が「第1大当り」であることに対応したラウンド制御パターンRP1−1における設定に基づき、開閉片用ソレノイド105の駆動が開始されることにより、第1大入賞口となる開口部82が閉鎖状態から開放状態へと変化し、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入可能となる。こうして、第1大入賞口となる開口部82を開放状態とするラウンド遊技が行われる大当り遊技状態では、第1エラー判定実行フラグがオフ状態であることから、第1カウントスイッチ106により第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が検出されたときに、図25に示すステップS52の処理が行われず、この遊技球を異常な入賞球として検出することがない。
その後、例えば図49(E)に示すように、最大継続回数「2回」に対応するラウンド遊技が終了し、大入賞口開放後待ち時間が経過すると(図39のステップS591;Yes)、図39に示すステップS592の処理にてラウンド数カウント値がラウンド最大値に達したこと(ステップS592;Yes)、及び、ステップS594の処理にて第1大入賞口開放後フラグがオンであることから(ステップS594;Yes)、ステップS596の処理を実行する。これにより、例えば図49(A)に示すように、タイミングTi14にて第1エラー判定実行フラグがオン状態にセットされる。こうして、第1大入賞口となる開口部82を開放状態とするラウンド遊技が行われる大当り遊技状態が終了するときには、第1エラー判定実行フラグをオン状態とすることで、図25に示すステップS52〜S56の処理を実行可能とし、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出する動作を開始する。
例えばタイミングTi14より後に第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1カウントスイッチ106により検出されたときには(図25のステップS52;Yes)、賞球の払出しが禁止されるとともに(ステップS55)、例えば図26(A)に示すような第1異常報知画面を演出表示装置44bに表示させることといった、異常な入賞球が発生した旨の報知が行われる。また、タイミングTi14より後に特定領域となる第1特定進入口89あるいは第2特定進入口91に進入した遊技球が第1特定球検出器121aあるいは第2特定球検出器121bにより検出されたときにも(図25のステップS53;YesまたはステップS54;Yes)、賞球の払出しを禁止して、例えば図26(A)に示すような第1異常報知画面を表示させるといった、異常な入賞球が発生した旨の報知が行われる。
他の一例として、図50(C)に示すように始動口スイッチ56、60が遊技球を検出したことに対応するタイミングTi21にて、図28に示すステップS206の処理における大当り種別を「第2大当り」とすること及び大当り図柄を「55」とすることの決定や、ステップS211における可変表示パターンを「発展演出ありA(大当り)」の可変表示パターンとすることの決定などに基づき、図50(D)に示すように特別図柄表示装置44aにて特別図柄の変動が開始される。その後、タイミングTi21から「発展演出ありA(大当り)」の可変表示パターンにおける可変表示時間である「9.5秒」が経過したタイミングTi22にて、可変表示結果となる確定特別図柄としての大当り図柄「55」が停止表示されて特図ゲームが終了する。このときには、例えば図30に示すステップS222にて大当り種別が「第2大当り」であることに対応してセットした2ラウンド用のラウンド制御パターンRP1−2の設定などに基づき、図35に示すステップS283にて特定した大入賞口が第2大入賞口となる開口部48であることから(ステップS284;No)、ステップS286の処理が実行されることで、図50(B)に示すように、第2エラー判定実行フラグがクリアされてオフ状態となる。
こうして第2エラー判定実行フラグをオフ状態とすることで、図25に示すステップS58〜S60の処理が実行されないことになり、大当り遊技状態におけるラウンド遊技で開放状態となった第2大入賞口としての開口部48から第2特別可変入賞球装置47の内部に進入する遊技球は、異常な入賞球として検出されなくなる。これに対して、第1エラー判定実行フラグは、図50(A)に示すように、オン状態のまま維持される。そのため、図25に示すステップS52〜S56の処理は実行可能である。したがって、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1カウントスイッチ106により検出されたときや(ステップS52;Yes)、第1特定進入口89に進入した遊技球が第1特定球検出器121aにより検出されたとき(ステップS53;Yes)、あるいは、第2特定進入口91に進入した遊技球が第2特定球検出器121bにより検出されたときには(ステップS54;Yes)、賞球の払出しが禁止されるとともに(ステップS55)、例えば図26(A)に示すような第1異常報知画面を演出表示装置44bに表示させるといった、異常な入賞球が発生した旨の報知が行われる。
図50(E)に示すように、タイミングTi21から大当り種別が「第2大当り」であることに対応した開放前インターバル時間である「10秒」が経過したタイミングTi23では、大当り種別が「第2大当り」であることに対応したラウンド制御パターンRP1−2における設定に基づき、第2大入賞口扉用ソレノイド65の駆動が開始されることにより、第2大入賞口となる開口部48が閉鎖状態から開放状態へと変化し、第2特別可変入賞球装置47の内部に遊技球が進入可能となる。こうして、第2大入賞口となる開口部48を開放状態とするラウンド遊技が行われる大当り遊技状態では、第2エラー判定実行フラグがオフ状態であることから、第2カウントスイッチ52により第2特別可変入賞球装置47の内部に進入した遊技球が検出されたときに、図25に示すステップS52の処理が行われず、この遊技球を異常な入賞球として検出することがない。
その後、例えば図50(E)に示すように、最大継続回数「2回」に対応するラウンド遊技が終了し、大入賞口開放後待ち時間が経過すると(図39のステップS591;Yes)、図39に示すステップS592の処理にてラウンド数カウント値がラウンド最大値に達したこと(ステップS592;Yes)、及び、ステップS594の処理にて第1大入賞口開放後フラグがオフであることから(ステップS594;No)、ステップS598の処理を実行する。これにより、例えば図50(A)に示すように、タイミングTi24にて第2エラー判定実行フラグがオン状態にセットされる。こうして、第2大入賞口となる開口部48を開放状態とするラウンド遊技が行われる大当り遊技状態が終了するときには、第2エラー判定実行フラグをオン状態とすることで、図25に示すステップS52〜S56の処理を実行可能とし、第2特別可変入賞球装置47の内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出する動作を開始する。
例えばタイミングTi24より後に第2特別可変入賞球装置47の内部に進入した遊技球が第2カウントスイッチ52により検出されたときには(図25のステップS58;Yes)、賞球の払出しが禁止されるとともに(ステップS59)、例えば図26(B)に示すような第2異常報知画面を演出表示装置44bに表示させることといった、異常な入賞球が発生した旨の報知が行われる。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、小当り遊技状態における始動動作にて第1特別可変入賞球装置66の開口部82が開放状態に変化したことに対応して第1カウントスイッチ106によって第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が検出された後、図32に示すステップS258の処理にて残存球数カウント値が「0」となって第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないと判定されてから、ステップS262の処理により第1エラー判定実行フラグをオン状態にセットすることで、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出する動作を開始する。これにより、始動動作にて開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した場合でも、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しなくなってから異常な入賞球の検出を行うことができ、例えば始動動作にて開口部82が開放状態から閉鎖状態となる間際に遊技球が第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した場合でも、その遊技球は異常な入賞球として検出されることがなく、第1特別可変入賞球装置66への異常な進入であるか否かを適切に判断することができる。
また、大当り遊技状態におけるラウンド遊技にて第1大入賞口となる開口部82を開放状態とする場合には、大当り遊技状態が開始されることに対応して図35に示すステップS285の処理により第1エラー判定実行フラグをクリアしてオフ状態とすることで、第1大入賞口となる開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球は、異常な遊技球として検出されることがない。そして、この大当り遊技状態が終了するときには、図39に示すステップS596の処理や図40に示すステップS621の処理により第1エラー判定実行フラグをオン状態にセットすることで、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出する動作を開始する。これにより、第1大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が行われる大当り遊技状態では、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が異常な入賞球として検出されることがなく、第1特別可変入賞球装置66への異常な進入であるか否かを適切に判断することができる。
他方、大当り遊技状態におけるラウンド遊技にて第2大入賞口となる開口部48を開放状態とする場合には、大当り遊技状態が開始されるときでも第1エラー判定実行フラグをオン状態のまま維持することで、第1大入賞口となる開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技機などは、異常な入賞球として検出される。これにより、第2大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が行われる大当り遊技状態では、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出し、第1特別可変入賞球装置66への異常な進入であるか否かを適切に判断することができる。
加えて、大当り遊技状態におけるラウンド遊技にて第2大入賞口となる開口部48を開放状態とする場合には、大当り遊技状態が開始されることに対応して図35に示すステップS286の処理により第2エラー判定実行フラグをクリアしてオフ状態とすることで、第2大入賞口となる開口部48から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球は、異常な遊技球として検出されることがない。そして、この大当り遊技状態が終了するときには、図39に示すステップS598の処理や図40に示すステップS622の処理により第2エラー判定実行フラグをオン状態にセットすることで、第2特別可変入賞球装置47の内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出する動作を開始する。これにより、第2大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が行われる大当り遊技状態以外の期間では、第2特別可変入賞球装置47の内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出することができ、第2特別可変入賞球装置47への異常な進入であるか否かを適切に判断することができる。
第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出した場合には、図25に示すステップS56の処理にて図26(A)に示すような第1異常報知画面を演出表示装置44bに表示させることなどにより、異常な入賞球が検出された旨を報知する。これに対して、第2特別可変入賞球装置47の内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出した場合には、図25に示すステップS60の処理にて図26(B)に示すような第2異常報知画面を演出表示装置44bに表示させることなどにより、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した異常な入賞球が検出されたときとは異なる報知態様で、異常な入賞球が検出された旨を報知する。これにより、第1特別可変入賞球装置66と第2特別可変入賞球装置47のいずれに対する異常な進入が検出されたかを、容易に認識可能とする報知を行うことができる。
第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出した場合や、第2特別可変入賞球装置47の内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出した場合には、図25に示すステップS55やステップS59の処理を実行することで、賞球の払出しを禁止する。これにより、遊技球の異常な進入に基づいて、賞球が不正に払い出されることを防止できる。
始動領域となる始動口58aや始動入賞装置58bに進入した遊技球が始動口スイッチ56、60によって検出されてから始動動作にて第1大入賞口となる開口部82が開放状態に変化するまでの開放前インターバル時間は、発展演出表示を実行するか否かの決定結果に応じて異なるように決定される。そして、発展演出表示では、例えば「青1」や「青3」といった、発展演出表示が実行されない「第1小当り」や「第3小当り」といった小当り種別に対応して可変表示結果となる確定飾り図柄に決定される飾り図柄とは異なる図柄が、一旦停止表示される。これにより、始動動作が開始されるまでの所要時間や停止表示された飾り図柄から、発展演出表示が実行されるか否かを認識することができ、発展演出表示が実行されることに対する遊技者の期待感を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
また、始動領域となる始動口58aや始動入賞装置58bに進入した遊技球が始動口スイッチ56、60によって検出されてから大当り遊技状態における最初のラウンド遊技にて第1大入賞口となる開口部82あるいは第2大入賞口となる開口部48が開放状態に変化するまでの開放前インターバル時間は、発展演出表示を実行するか否かの決定結果に応じて異なるように決定される。これにより、大当り遊技状態にて最初のラウンド遊技が開始されるまでの所要時間に応じて発展演出表示が実行されて可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感を変化させることができ、大当り遊技状態となることに対する遊技者の期待感を高め、遊技の興趣を向上することができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上記実施の形態では、発展演出表示にて一旦停止表示される飾り図柄が「小当り」あるいは「大当り」の可変表示結果に対応した飾り図柄であるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、発展演出表示において「ハズレ」の可変表示結果に対応した飾り図柄を一旦停止表示してから、再び変動表示させる再可変表示を行うようにしてもよい。
上記実施の形態では、第1特定進入口89に遊技球が進入した場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数を「2ラウンド」と「15ラウンド」のいずれかに決定するのに対して、第2特定進入口91に遊技球が進入した場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数を「15ラウンド」に決定することで、第1特定進入口89に比べて第2特定進入口91の方が遊技者にとってより有利な大当り遊技状態となりやすいものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1特定進入口89に遊技球が進入した場合でも、上記実施の形態にて第2特定進入口91に遊技球が進入した場合と同様に、ラウンド遊技の最大継続回数を一定の回数に決定できるものとしてもよい。また、第2特定進入口91に遊技球が進入した場合でも、上記実施の形態にて第1特定進入口89に遊技球が進入した場合と同様に、例えばラウンド数決定用の乱数値MR4を示す数値データなどに基づき、ラウンド遊技の最大継続回数を複数種類のいずれかに決定するラウンド抽選を行うようにしてもよい。この場合、遊技球が第1特定進入口89に進入した場合と第2特定進入口91に進入した場合とで、決定されるラウンド遊技の最大継続回数を異ならせるようにしてもよいし、決定可能なラウンド遊技の最大継続回数は同じとして、各最大継続回数に決定される割合を異ならせるようにしてもよい。
例えば、遊技球が第1特定進入口89に進入した場合には、ラウンド数決定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数を「1ラウンド」、「3ラウンド」及び「5ラウンド」のいずれかに決定するのに対して、遊技球が第2特定進入口89に進入した場合には、ラウンド数決定用の乱数値MR4を示す数値データあるいは乱数値MR4とは異なる乱数値を示す数値データに基づき、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数を「7ラウンド」及び「15ラウンド」のいずれかに決定するようにしてもよい。この場合、遊技球が第1特定進入口89に進入した場合に比べて、第2特定進入口91に進入した場合の方が、遊技者にとって有利なラウンドとなる割合が高くなる。
上記実施の形態では、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて第1大入賞口となる開口部82を開放状態とする始動動作を行い、また、大当り遊技状態にて行われるラウンド遊技では、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて第1大入賞口となる開口部82を始動動作よりも遊技者に有利な特定動作で開放状態としたり、第2特別可変入賞球装置47の開閉板49により第2大入賞口となる開口部48を遊技者に有利な特定動作で開放状態としたりするものとして説明した。すなわち、遊技領域41に遊技球を打ち込むことにより遊技が行われ、遊技球を受け入れやすく遊技者にとって有利な第1の状態である開放状態と遊技球を受け入れにくく遊技者にとって不利な第2の状態である閉鎖状態とに変化する第1特別可変入賞球装置66と第2特別可変入賞球装置47を備え、遊技領域41に設けられた始動領域となる始動口58aや始動入賞装置58bに遊技球が進入したことに基づいて、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて開口部82を開放状態とする始動動作を行い、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入したことに基づいて、遊技者に有利な大当り遊技状態におけるラウンド遊技では第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて第1大入賞口となる開口部82を始動動作よりも遊技者に有利な特定動作で開放状態としたり、第2特別可変入賞球装置47の開閉板49により第2大入賞口となる開口部48を遊技者に有利な特定動作で開放状態としたりするパチンコ遊技機1について説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、2つの大入賞口を開放状態とすることが可能に構成されていなくても、1つの大入賞口を始動動作や特定動作で開放状態とすることが可能に構成されたものであってもよい。
例えば、遊技領域41に遊技球を打ち込むことにより遊技が行われ、遊技球を受け入れやすく遊技者にとって有利な第1の状態である開放状態と遊技球を受け入れにくく遊技者にとって不利な第2の状態である閉鎖状態とに変化する第1特別可変入賞球装置66を備え、遊技領域41に設けられた始動領域となる始動口58aや始動入賞装置58bに遊技球が進入したことに基づいて、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて開口部82を開放状態とする始動動作を行い、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入したことに基づく大当り遊技状態では、最大継続回数に達するまで継続可能となる複数回のラウンド遊技のいずれにおいても、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて第1大入賞口となる開口部82を始動動作よりも遊技者に有利な特定動作で開放状態とする遊技機であってもよい。ここで、ラウンド遊技の実行回数が最大継続回数に達するまでは、ラウンド遊技中に第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1特定進入口89や第2特定進入口91を含めた特定領域に進入したことに基づいて、次のラウンド遊技に移行可能としてもよい。あるいは、ラウンド遊技の実行回数が最大継続回数に達するまでは、遊技球が第1特定進入口89や第2特定進入口91を含めた特定領域に進入したか否かに関わりなく、各ラウンド遊技が終了すると次のラウンド遊技に移行可能としてもよい。この場合、始動動作では開口部82を第1の時間にわたり開放状態とする制御を第1の回数に達するまで行う一方で、特定動作では開口部82を第1の時間よりも長い第2の時間にわたり開放状態とする制御を行うものでもよく、また、特定動作では開口部82を第1の回数よりも多い第2の回数に達するまで開放状態とする制御を行うものでもよく、さらに、この両者を組み合わせた特定動作で大入賞口となる開口部82を開放状態に変化させるものであってもよい。
あるいは、遊技領域41に遊技球を打ち込むことにより遊技が行われ、遊技球を受け入れやすく遊技者にとって有利な第1の状態である開放状態と遊技球を受け入れにくく遊技者にとって不利な第2の状態である閉鎖状態とに変化する第1特別可変入賞球装置66と、第1特別可変入賞球装置66とは異なる第2特別可変入賞球装置47とを備え、遊技領域41に設けられた始動領域となる始動口58aや始動入賞装置58bに遊技球が進入したことに基づいて、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて開口部82を開放状態とする始動動作を行い、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入したことに基づく大当り遊技状態では、最大継続回数に達するまで継続可能となる複数回のラウンド遊技のいずれにおいても、第2特別可変入賞球装置47の開閉板49を回動させて第2大入賞口となる開口部48を遊技者に有利な特定動作で開放状態とする遊技機であってもよい。この場合、始動動作では開口部82を第1の時間にわたり開放状態とする制御を第1の回数に達するまで行う一方で、特定動作では開口部48を第1の時間よりも長い第2の時間にわたり開放状態とする制御を行うものでもよく、また、特定動作では開口部48を第1の回数よりも多い第2の回数に達するまで開放状態とする制御を行うものでもよく、さらに、この両者を組み合わせた特定動作で第2大入賞口となる開口部48を開放状態に変化させるものであってもよい。
また、大当り遊技状態にて行われるラウンド遊技にて、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて第1大入賞口となる開口部82を開放状態とするか、第2特別可変入賞球装置47の開閉板49により第2大入賞口となる開口部48を開放状態とするかを、大当り遊技状態が発生するまでの過程に応じて、異ならせるようにしてもよい。例えば、特図ゲームにおける可変表示結果が特定表示結果としての「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態では、最大継続回数に達するまで継続可能となる複数回のラウンド遊技のいずれにおいても、第2特別可変入賞球装置47の開閉板49により第2大入賞口となる開口部48を開放状態とする特定動作を行うようにしてもよい。このときには、第2大入賞口となる開口部48から第2特別可変入賞球装置47の内部に遊技球が進入したか否かに関わりなく、最大継続回数に達するまで次のラウンド遊技に移行できるようにしてもよい。あるいは、ラウンド遊技中に第3特定球検出器51や第2カウントスイッチ52が遊技球を検出したことに基づいて、次のラウンド遊技に移行することができるようにしてもよい。これに対して、特図ゲームにおける可変表示結果が所定表示結果としての「小当り」となった後、始動動作で開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞装置66の内部に進入した遊技球が特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入したことに基づく大当り遊技状態では、最大継続回数に達するまで継続可能となる複数回のラウンド遊技のいずれにおいても、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて開口部82を開放状態とする特定動作を行うようにしてもよい。このときには、最大継続回数に達するまでの各ラウンド遊技中にて第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1特定進入口89や第2特定進入口91を含めた特定領域に進入したことに基づき、次のラウンド遊技に移行することができればよい。あるいは、第1大入賞口となる開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入したか否かに関わりなく、最大継続回数に達するまで次のラウンド遊技に移行できるようにしてもよい。
上記実施の形態では、図28に示すステップS204にて乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致して可変表示結果を特定表示結果としての「大当り」とする旨の判定がなされたことに基づいて、ステップS206にて複数種類の大当り図柄のうちから特定表示結果を決定するものとして説明した。また、図28に示すステップS207にて乱数値MR1を示す数値データが小当り判定値データと合致して可変表示結果を所定表示結果としての「小当り」とする旨の判定がなされたことに基づいて、ステップS209にて複数種類の小当り図柄のうちから所定表示結果を決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの判定と、特定表示結果や所定表示結果の決定とが、同時に行われるものであってもよい。具体的な一例として、「第1大当り」から「第4大当り」といった各大当り種別とともに、「第1小当り」から「第4小当り」といった各小当り種別に対しても、1種類の乱数値(表示結果決定用の乱数値)を割り当てた設定データ(決定用データ)などから構成される表示結果決定テーブルを用意する。そして、図27に示すステップS102の始動入賞処理では、表示結果決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、特図保留記憶部161に記憶させる。この場合、図28のステップ202では、特図保留記憶部161から表示結果決定用の乱数値を示す数値データを読み出し、ステップS204〜S209の処理に代えて、表示結果決定テーブルを参照することで、特図ゲームでの可変表示結果を複数種類の大当り図柄と小当り図柄のいずれかに決定することができる。
上記実施の形態では、大当り遊技状態における各ラウンド遊技が終了するときに、図40に示すステップS614にて第1特定球検出フラグがオンであること、または、ステップS615にて第2特定球検出フラグがオンであること、あるいは、ステップS619にて第2大入賞口カウント値が「0」より大きな値であることを条件に、ステップS617、S618の処理を実行して、次のラウンド遊技に移行できるものとして説明した。すなわち、大当り遊技状態では、ラウンド遊技の実行回数に関わりなく、ラウンド遊技にて第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入したこと、あるいは、第2特別可変入賞球装置47の開口部48に遊技球が進入したことを条件に、次のラウンド遊技に移行することができる。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば大当り遊技状態における1回目のラウンド遊技では、第1特定進入口89や第2特定進入口91に遊技球が進入したか否か、あるいは、第2特別可変入賞球装置47の開口部48に遊技球が進入したか否かに関わりなく、次のラウンド遊技に移行することができるようにしてもよい。これに対して、大当り遊技状態における2回目以降のラウンド遊技では、第1特定進入口89や第2特定進入口91に遊技球が進入したこと、あるいは、第2特別可変入賞球装置47の開口部48に遊技球が進入したことを条件に、次のラウンド遊技に移行することができるようにしてもよい。このように、大当り遊技状態では、ラウンド遊技の実行回数に応じて、次のラウンド遊技に移行できる条件を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1特定球検出器121aや第2特定球検出器121b、あるいは、第3特定球検出器51などによる遊技球の検出は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数に応じて、無効または有効に切り換えられることになる。
上記実施の形態では、第1エラー判定実行フラグと第2エラー判定実行フラグを設け、図25に示すステップS51にて第1エラー判定実行フラグがオンである場合には、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出する処理としてステップS52〜S56の処理を実行し、ステップS57にて第2エラー判定実行フラグがオンである場合には、第2特別可変入賞球装置47の内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出する処理としてステップS58〜S60の処理を実行するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば特別図柄プロセスフラグの値に基づいて遊技状態が小当り遊技状態や大当り遊技状態となっているか否かを判定し、小当り遊技状態や大当り遊技状態以外の遊技状態であるときには、第1カウントスイッチ106や第2カウントスイッチ52などによって遊技球が検出されたか否かに対応してエラーの有無を判定するようにしてもよい。この場合、例えば図25のステップS51の処理に代えて、特別図柄プロセスフラグの値が“3”以上となっているか否かを判定する。このとき、特別図柄プロセスフラグの値が“3”未満であれば、ステップS52の処理に進み、第1カウントスイッチ106からの検出信号がオン状態となっているか否かの判定を行う。その後、ステップS54にて第2特定球検出器121bからの検出信号がオフ状態であれば、ステップS57の処理に進み、第2カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態となっているか否かの判定を行うようにすればよい。
このような処理を実行すれば、例えば第1エラー判定実行フラグや第2エラー判定実行フラグといった、エラー判定処理を実行するための特別なフラグなどを設ける必要がなくなり、遊技制御用マイクロコンピュータ99における記憶データの容量を削減することや、判定処理の負担を軽減することができる。これに対して、上記実施の形態のように第1エラー判定実行フラグや第2エラー判定実行フラグに基づいて異常な入賞球を検出する処理を実行すれば、小当り遊技状態や大当り遊技状態にて第1大入賞口と第2大入賞口のいずれか一方が開放状態に制御される場合でも、閉鎖状態に保持される他方の大入賞口に対応して、異常な入賞球を検出する処理が実行されることになる。これにより、第1大入賞口と第2大入賞口のいずれか一方を開放状態としている期間中に、閉鎖状態としている他方の大入賞口に遊技球を進入させることにより賞球を獲得するという不正行為を、確実に防止することができる。
上記実施の形態では、第1大入賞口カウンタと第2大入賞口カウンタを別個に設け、第1カウントスイッチ106によって検出された遊技球の個数を第1大入賞口カウンタによりカウントする一方で、第2カウントスイッチ52によって検出された遊技球の個数を第2大入賞口カウンタによりカウントするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1カウントスイッチ106によって検出された遊技球の個数と、第2カウントスイッチ52によって検出された遊技球の個数を、共通の大入賞口カウンタによりカウントするようにしてもよい。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ99における記憶データの容量を削減することができる。
上記実施の形態では、残存球数カウンタにより第1特別可変入賞球装置66の内部に残存している遊技球の個数をカウントするものとして説明した。この残存球数カウンタに代えて、排出球検出器122によって検出された遊技球の個数をカウントする排出球カウンタを設け、第1大入賞口に進入した遊技球の個数との差分が「0」となったか否かにより、第1特別可変入賞球装置66の内部に残存している遊技球の有無を判定するようにしてもよい。この場合、例えば図33に示すステップS503の処理は実行せず、ステップS512にて排出球検出器122からの検出信号がオン状態である場合に、ステップS513の処理に代えて、排出球カウンタにおけるカウント値である排出球カウント値を1加算する。そして、図32に示すステップS258の処理に代えて、第1大入賞口カウント値と排出球カウント値との差分が「0」となったか否かの判定を行う。このとき、差分が「0」であればステップS259の処理に進み、差分が「0」以外であれば、ステップS263の処理に進めばよい。そして、図32に示すステップS262の処理を実行したときや、図39に示すステップS597の処理を実行したとき、あるいは、図40に示すステップS613の処理を実行したときには、排出球カウンタを初期化して排出球カウント値をクリアするとよい。
また、小当り遊技状態では、残存球数カウント値の更新を行う一方で、第1大入賞口カウント値の更新は行わないようにしてもよい。例えば、図31に示すステップS250にて実行される第1大入賞口進入時処理では、図33に示すステップS502の処理を実行しないようにするとともに、図32に示すステップS261の処理も実行しないようにしてもよい。これにより、小当り遊技状態にて遊技制御用マイクロコンピュータ99のCPU112が実行する処理の負担を軽減することができる。
さらに、大当り遊技状態では、第1大入賞口カウント値の更新を行う一方で、残存球数カウント値の更新は行わないようにしてもよい。例えば、図37に示すステップS546にて実行される第1大入賞口進入時処理では、図33に示すステップS503、S512及びS513の処理を実行しないようにしてもよい。これにより、大当り遊技状態にて遊技制御用マイクロコンピュータ99のCPU112が実行する処理の負担を軽減することができる。
あるいは、第1大入賞口カウンタと第2大入賞口カウンタ、残存球数カウンタに代えて、共通の遊技球カウンタを設けるようにしてもよい。この場合、例えば小当り遊技状態であるときに図31に示すステップS250にて実行される第1大入賞口進入時処理では、図33に示すステップS502、S503の処理に代えて、遊技球カウンタにおけるカウント値である遊技球カウント値を1加算する処理が実行される。また、図33に示すステップS513の処理に代えて、遊技球カウンタにおけるカウント値を1減算する処理が実行される。そして、図32に示すステップS258の処理に代えて、遊技球カウント値が「0」であるか否かを判定する処理が実行され、遊技球カウント値が「0」であればステップS259の処理に進み、「0」以外であればステップS263の処理に進む。加えて、図37に示すステップS546にて実行される第1大入賞口進入時処理でも、図33に示すステップS502、S503の処理に代えて、遊技球カウント値を1加算する処理が実行される。このときには、ステップS512、S513の処理を実行しないようにすればよい。そして、図37に示すステップS551の処理に代えて、遊技球カウント値が開放終了判定値に達したか否かを判定する処理が実行され、開放終了判定値に達していなければステップS552の処理に進み、達していればステップS553の処理に進む。さらに、図38に示すステップS572の処理に代えて、遊技球カウント値を1加算する処理が実行されるとともに、ステップS573の処理に代えて、遊技球カウント値が開放終了判定値に達したか否かを判定する処理が実行される。このとき、開放終了判定値に達していなければステップS574の処理に進み、達していればステップS575の処理に進むようにすればよい。このように、第1大入賞口カウンタや第2大入賞口カウンタ、残存球数カウンタといった3つのカウンタに代えて、共通する1つのカウンタを用いることで、遊技制御用マイクロコンピュータ99における記憶データの容量を削減することができるとともに、小当り遊技状態や大当り遊技状態にて遊技制御用マイクロコンピュータ99のCPU112が実行する処理の負担を軽減することができる。
上記実施の形態では、大当り遊技状態において、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81が第1大入賞口となる開口部82を閉鎖状態から開放状態とした後に再び閉鎖状態へと変化させるまでの動作単位や、第2特別可変入賞球装置47の開閉板49が第2大入賞口となる開口部48を閉鎖状態から開放状態とした後に再び閉鎖状態へと変化させるまでの動作単位を、1回のラウンド遊技として、図35に示すステップS282にてカウント初期値「1」にセットされたラウンド数カウント値を、図40に示すステップS617の処理が実行されるごとに1ずつ加算するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、小当り遊技状態において第1特別可変入賞球装置66の開閉片81が第1大入賞口となる開口部82を開放状態とする始動動作が実行されることに対応して、ラウンド数カウント値が1加算されるようにしてもよい。例えば、図30に示すステップS227にて小当りフラグがオンである場合には、ラウンド数カウンタにカウント初期値「1」をセットした後、図34に示すステップS521にて第1特定球検出フラグがオンであることや、ステップS526にて第2特定球検出フラグがオンであることに対応して、ラウンド数カウント値を1加算すればよい。こうして小当り遊技状態となった後に遊技球が特定領域に進入したことに基づいて大当り遊技状態に制御されるときには、図35に示すステップS282の処理は実行しないようにすればよい。そして、小当り遊技状態となった後に大当り遊技状態に制御される場合には、上記実施の形態での大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数(上限回数)に1加算したものが、実際の制御におけるラウンド遊技の最大継続回数として取り扱われることになる。
このように、小当り遊技状態において始動動作が行われることに対応してラウンド数カウント値が1加算されるために、大当り遊技状態にて継続可能となるラウンド遊技の実行回数は、最大継続回数として決定された回数よりも1回少なくなる。例えば、最大継続回数が「10ラウンド」に決定された場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が「9回」に達したことに対応して、ラウンド数カウント値が「10」となることから、9回目のラウンド遊技が終了したときに、図39に示すステップS592の処理にてラウンド数カウント値がラウンド最大値に達したとの判定がなされ、次のラウンド遊技には移行できずに大当り遊技状態が終了することになる。
また、上記実施の形態では、図32に示すステップS258の処理にて残存球数カウント値が「0」であると判定された後に、ステップS259にて特定入賞判定処理を実行することにより、特定領域となる第1特定進入口89と第2特定進入口91のいずれかに遊技球が進入した場合に大当り遊技状態に制御することができるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、小当り遊技状態にて特定領域に進入した遊技球が検出された時点で、大当り遊技状態に制御することができるようにしてもよい。例えば、図32に示すステップS259の処理に代えて、図31に示すステップS255にて遊技制御プロセスタイマ値が貯留解除判定値と合致しない場合や、ステップS256の処理を実行した後に、特定入賞判定処理を実行するようにしてもよい。この場合、例えば図34に示すステップS531の処理を実行した後に、図32に示すステップS260〜S262の処理を実行すればよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、演出表示装置44bの表示領域80における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。