JP2008119078A - ミシンの下糸張力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザの望むタイミングで下糸に適切な大きさの張力を与えること。
【解決手段】ミシンの下糸張力制御装置1は、下糸Tが巻き付けられたボビンを保持する中釜5に形成されて下糸を案内する下糸案内部53に対して進退可能に設けられ、当該下糸案内部に案内された下糸への張力の付与又は解放が可能な磁性体6と、下糸案内部を挟んで磁性体に対向する位置に設けられ、通電により周囲に磁界を発生させて磁性体を下糸案内部に進退させる電磁石8と、下糸に付与すべき張力に応じて電磁石に通電する電流の流れる方向及び電流の大きさを変える通電制御手段9と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、ミシンの下糸張力制御装置に関する。
従来から、縫い針に通された上糸と釜に保持されたボビンの下糸を絡めて縫い目を形成するミシンが知られている。このようなミシンにおいて、縫製速度の変化に応じて下糸に付与する張力を変えるため、図7に示すような下糸制御装置100が提案されている。
図7に示すように、下糸制御装置100には、中釜101に保持されるボビン102のボビンケース103内に永久磁石104が設けられ、この永久磁石104に対向する位置に当該永久磁石104から離間させて電磁石105が設けられている。そして、電磁石105に通電することにより電磁石105の周囲に磁界を発生させると、永久磁石104は電磁石105の磁界の影響を受けて、電磁石105に対して離間又は接近するように移動する。永久磁石104が電磁石105から離間すると、永久磁石104は皿ばね106を介して下糸が巻き付けられたボビン102を中釜101の底部に向けて押さえつけるのでボビン102は中釜101との摩擦により回転速度が落ち、下糸に張力がかかる。一方、永久磁石104が電磁石105に接近すると、永久磁石104は皿ばね106を押すことがないので、下糸が巻き付けられたボビン102は中釜101の底部に向けて押さえつけられることがなく、ボビン102は中釜101との摩擦の影響を受けることなく回転速度を維持し、下糸に張力はかからない。
このような原理を利用して、電磁石105に通電する電流の大きさや電流の流れる方向を適宜調節することにより、下糸に付与する張力を制御することができる(例えば、特許文献1参照。)。
特開平5−68764号公報
しかし、上記の下糸制御装置においては、ボビンを中釜の底部に押さえつけてボビンの回転を減速することにより下糸に張力を与えているが、下糸はある程度の弾性を有していることから、ボビンを中釜に押さえつけても下糸が伸びるだけでユーザが望む張力を下糸に与えることができないという問題があった。
また、下糸が伸びてしまうことにより、下糸に張力を与えるタイミングが、下糸が伸びた分だけ時間的に遅れてしまうことから、ユーザが望むタイミングで下糸に張力を与えることができないという問題があった。
また、ボビンを中釜の底部に押さえつけた状態で下糸が引っ張られると、ボビンに巻き付けられた下糸がボビンに締め付けられてしまい、下糸を繰り出すのに通常よりも大きな力が必要となることから、それ以降の下糸の張力が増加してしまうという問題があった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ユーザの望むタイミングで下糸に適切な大きさの張力を与えることができるミシンの下糸張力制御装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、ミシンの下糸張力制御装置において、下糸が巻き付けられたボビンを保持する中釜に形成されて下糸を案内する下糸案内部に対して進退可能に設けられ、当該下糸案内部に案内された下糸への張力の付与又は解放が可能な磁性体と、
前記下糸案内部を挟んで前記磁性体に対向する位置に設けられ、通電により周囲に磁界を発生させて前記磁性体を前記下糸案内部に進退させる電磁石と、
前記下糸に付与すべき張力に応じて前記電磁石に通電する電流の流れる方向及び電流の大きさを変える通電制御手段と、を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、電磁石に通電することにより、周囲に磁界を発生させると、磁性体はその磁界の影響を受けて下糸案内部に進出したり、下糸案内部から退避したりする。このとき、通電制御手段が電磁石に通電する電流の流れる方向及び電流の大きさを変えることで、磁性体の下糸案内部への進出量を制御することができ、下糸に付与すべき張力を調節することができる。
よって、ユーザが事前に通電制御手段の制御に関する設定をしておけば、ユーザの望むタイミングで下糸に適切な大きさの張力を与えることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のミシンの下糸張力制御装置において、前記磁性体は、前記中釜の針受け部における前記ボビンの回転軸線方向に沿った方向に延びて前記下糸案内部に連通するように形成された設置孔に設けられ、前記電磁石が発生させる磁界により移動する前記磁性体の前記設置孔から前記下糸案内部への突出量により前記下糸に付与する張力が調節されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、電磁石に通電することにより、周囲に磁界を発生させると、磁性体はその磁界の影響を受けて下糸案内部に連通する設置孔から下糸案内部に進出したり、下糸案内部から退避したりするが、電磁石への通電量を大きくして磁性体に作用する磁力を大きくすることで磁性体の下糸案内部への突出量が多くなると、下糸は磁性体に押される力も大きくなり、その分下糸には大きな張力が付与される。一方、電磁石への通電量を小さくして磁性体に作用する磁力を小さくすることで磁性体の下糸案内部への突出量が少なくなると、下糸は磁性体に押される力も小さくなり、その分下糸には小さな張力が付与される。
よって、電磁石の磁力、すなわち、電磁石への通電量を制御するだけで下糸に付与する張力を容易に調節することができる。
請求項3に記載の発明は、ミシンの下糸張力制御装置において、下糸が巻き付けられたボビンを保持する中釜に一端が自由端となるように設けられ、弾性変形により下糸への張力の付与又は解放が可能な磁性体と、前記磁性体に対向する位置に設けられ、通電により周囲に磁界を発生させて前記磁性体を前記下糸に向けて撓ませる電磁石と、前記下糸に付与すべき張力に応じて前記電磁石に通電する電流の大きさを変える通電制御手段と、を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、電磁石に通電することにより、周囲に磁界を発生させると、磁性体はその磁界の影響を受けて下糸に向けて撓むように弾性変形する。このとき、通電制御手段が電磁石に通電する電流の大きさを変えることで、磁性体の下糸案内部への撓み量を制御することができ、この撓み量の変化により下糸に付与すべき張力を調節することができる。また、電磁石への通電を停止することで、撓んだ状態の磁性体は自身の弾性力により元の状態に戻るので、下糸への張力が解放される。
よって、ユーザが事前に通電制御手段の制御に関する設定をしておけば、ユーザの望むタイミングで下糸に適切な大きさの張力を与えることができる。
請求項1に記載の発明によれば、電磁石に通電することにより、周囲に磁界を発生させると、磁性体はその磁界の影響を受けて下糸案内部に進出したり、下糸案内部から退避したりする。このとき、通電制御手段が電磁石に通電する電流の流れる方向及び電流の大きさを変えることで、磁性体の下糸案内部への進出量を制御することができ、下糸に付与すべき張力を調節することができる。
よって、ユーザが事前に通電制御手段の制御に関する設定をしておけば、ユーザの望むタイミングで下糸に適切な大きさの張力を与えることができる。
請求項2に記載の発明によれば、電磁石に通電することにより、周囲に磁界を発生させると、磁性体はその磁界の影響を受けて下糸案内部に連通する設置孔から下糸案内部に進出したり、下糸案内部から退避したりするが、電磁石への通電量を大きくして磁性体に作用する磁力を大きくすることで磁性体の下糸案内部への突出量が多くなると、下糸は磁性体に押される力も大きくなり、その分下糸には大きな張力が付与される。一方、電磁石への通電量を小さくして磁性体に作用する磁力を小さくすることで磁性体の下糸案内部への突出量が少なくなると、下糸は磁性体に押される力も小さくなり、その分下糸には小さな張力が付与される。
よって、電磁石の磁力、すなわち、電磁石への通電量を制御するだけで下糸に付与する張力を容易に調節することができる。
請求項3に記載の発明によれば、電磁石に通電することにより、周囲に磁界を発生させると、磁性体はその磁界の影響を受けて下糸に向けて撓むように弾性変形する。このとき、通電制御手段が電磁石に通電する電流の大きさを変えることで、磁性体の下糸案内部への撓み量を制御することができ、この撓み量の変化により下糸に付与すべき張力を調節することができる。また、電磁石への通電を停止することで、撓んだ状態の磁性体は自身の弾性力により元の状態に戻るので、下糸への張力が解放される。
よって、ユーザが事前に通電制御手段の制御に関する設定をしておけば、ユーザの望むタイミングで下糸に適切な大きさの張力を与えることができる。
以下、本発明に係るミシンの下糸張力制御装置の実施形態について説明する。
(ミシンの下糸張力制御装置の全体構成)
図1〜図3に示すように、ミシンの下糸張力制御装置1(以下、下糸張力制御装置1という)は、ミシンの縫い針に通された上糸にボビンに巻き付けられた下糸を絡ませる釜2の一部及びその近傍に設けられている。
最初に、釜2について説明すると、釜2は、ミシンテーブル内における縫い針の下方に設けられ、縫い針を上下動させる駆動源となるミシンモータにより回転駆動する下軸に固定されている。すなわち、縫い針の上下動作と釜2の回転が同期して動作し、縫い針が下降した際に、釜2が縫い針に通された上糸を捕捉して釜2に保持されたボビンの下糸を絡ませる。
釜2は、縫い針に通された上糸により形成される上糸ループを捕捉する剣先4aを有するとともに、回転可能な釜軸(下軸)3に固定された外釜4と、ボビンが収納されたボビンケースBを内方で保持すると共に、外釜4の内方で回転可能に保持される中釜5と、が設けられている。
中釜5には、ミシンフレームに固定された突起に嵌め込まれる凹部51が形成され、この凹部51が突起に嵌め込まれるとともに、釜軸3が回転することにより外釜4が釜軸3の軸線回りに回転する。
中釜5は、後述する電磁石が形成する磁界の影響を受けないような非磁性体、例えば、アルミニウム等の材料により形成されている。
中釜5には、縫い針の針落ち時に縫い針の側方をガイドする針受け部52が形成されている。針受け部52の一部には、中釜5の外周方向に沿うように、かつ、凹部51に連通するように溝が形成されており、この溝に下糸Tが通される。すなわち、この溝部分が下糸Tを案内する下糸案内部となる53となる。下糸案内部53を中釜5の本体とで挟み込むように中釜5の外周から当該外周に沿って突出するように係止部54が形成されている。
針受け部52のうち、下糸案内部53及び係止部54に対向する位置には、釜2の前後方向、言い換えると、釜軸3の軸線方向に沿って後述する磁性体を設置する設置孔55が針受け部52に貫通するように形成されている。
設置孔55は、例えば、孔径φ2mm程度に形成され、ボビンの回転軸、すなわち、釜軸3の軸線方向に沿った方向に延びて下糸案内部53に連通するように形成されている。
設置孔55内には、磁性体としての磁石6が当該設置孔55内を釜軸3の軸線方向に沿った方向に移動可能に設けられている。磁石6は、設置孔55を移動することで下糸案内部53に対して進退可能とされ、磁石6が下糸案内部53に進出することで下糸案内部53に案内された下糸Tに張力を付与することができ、磁石6が下糸案内部53から退避することで下糸案内部53に案内された下糸Tの張力を解放することができる。
磁石6は、設置孔55を釜軸3の軸線方向に沿った方向に移動可能とするためにすきまばめの公差を考慮し、設置孔55より僅かに小さい外径を有するように形成され、永久磁石で構成されている。
針受け部52には、設置孔55のうち、下糸案内部53に連通する端部とは反対側の端部に設置孔55を覆う蓋7が設けられている。この蓋7は、磁石6が下糸案内部53とは反対側の端部から落下しないようにするために設けられている。蓋7は、例えば、他の部品に干渉しないよう厚さ0.2mm程度に形成され、後述する電磁石が形成する磁界の影響を受けないような非磁性体、例えば、オーステナイト系ステンレス等の材料により形成されている。
下糸案内部53を挟んで磁石6に対向する位置、言い換えると、中釜5の係止部54に対向する位置には、通電により周囲に磁界を発生させる電磁石8が設けられている。電磁石8は、係止部54から1mm程度の隙間をあけて設けられている。
電磁石8は、ミシンの制御装置9に接続され、制御装置9が電磁石8に通電する電流の流れる方向及び電流の大きさを制御することにより、必要な距離だけ磁石6を下糸案内部53に進退させる。従って、制御装置9は、通電制御手段として機能する。
具体的に、制御装置9は、各部の制御に必要な演算処理を行うCPU91と、電磁石8に通電すべき電流の流れ方向及び電流の大きさを縫製データに対応させてテーブル化した通電データ、CPU91に電磁石8への通電制御を行わせる通電制御プログラム、CPU91に縫製データに従って被縫製物に縫製を行わせる縫製プログラム等が記憶されたメモリ92とを備えている。
従って、縫製をする際には、CPU91が縫製プログラムを実行して縫製を行うとともに、CPU91が通電制御プログラムを実行して縫製データに対応した通電量や通電方向を通電データから読み取って電磁石8に通電データに基づく大きさ及び向きの電流を通電する。
よって、中釜5に設けられた磁石6と、中釜5に対向するように設けられた電磁石8と、電磁石8の制御装置9と、を備えることにより下糸張力制御装置1が構成される。
(実施形態の作用効果)
以上のような下糸張力制御装置1によれば、電磁石8に通電することにより、周囲に磁界を発生させると、磁石6はその磁界の影響を受けて下糸案内部53に進出したり、下糸案内部53から退避したりする。このとき、制御装置9が電磁石8に通電する電流の流れる方向及び電流の大きさを変えることで、磁石6の下糸案内部53への進出量を制御することができ、下糸Tに付与すべき張力を調節することができる。
例えば、下糸Tに張力を付与する際には、電磁石8に大きな電流を流せば流すほど、電磁石8が発生する磁界が大きくなり、磁石6が電磁石8に引き寄せられる力が大きくなる。これにより、磁石6は下糸案内部53から大きく突出し、その移動方向に下糸Tが存在することから、磁石6が電磁石8に引き寄せられる力が大きくなるほど下糸Tは磁石6により強く押さえつけられ、中釜5と下糸Tとの摺動抵抗も大きくなって、下糸Tに付与される張力が大きくなる。
逆に、電磁石8に通電する電流を小さくすることにより、電磁石8が発生する磁界が小さくなり、磁石6が電磁石8に引き寄せられる力が小さくなる。これにより、磁石6は下糸案内部53からそれほど突出することがなく、磁石6が下糸Tを押さえつける力も小さくなることから中釜5と下糸Tとの摺動抵抗も小さくなって、下糸Tに付与される張力が小さくなる。
一方、下糸Tにかかる張力を弱めたい場合には、制御装置9により電磁石8に通電する電流の流れ方向を逆に切り替えるとよい。これにより、磁界の向きも逆となるので、磁石6には電磁石8から引き離される方向に磁力が作用する。これによって、下糸Tにかかる張力を弱めることができる。
これにより、下糸張力制御装置1は、下糸Tにかかる力を直接的に制御できる構成なので、ユーザが望む張力を下糸Tに与えることができないという問題を解決することができる。
また、下糸Tの張力変化がでるのに時間的に遅れが生じるという問題については、下糸Tを直接制御することができるようになったので、時間的な遅れが生じることはない。また、電磁石8を用いることによりリアルタイムで下糸Tへの張力の調節が可能となる。
また、ボビンに巻き付けられている下糸Tに対して直接的に張力の調節を行わなくなったので、ボビンに巻き付けられている下糸Tが締め付けられることがない。
また、電磁石8が形成する磁界を利用して磁石6により下糸Tの張力を調節するようにしたので、下糸Tに張力を付与する磁石6とこの磁石6に力を与える電磁石8を接触させることもなく、機械的又は電気的に接続する必要もないので、構造を簡易化することができる。
また、電磁石8を用いることにより、張力を調節しない場合には通電しないので、鉄粉等が付着することもなく、メンテナンスが容易である。
また、制御装置9のメモリ92内に予め張力制御に関する情報を設定しておくことにより、人為的な操作がほとんどないことから下糸Tの張力を比較的安定した状態で制御できる。
以上のことから、下糸張力制御装置1を設けることで、ユーザの望むタイミングで下糸Tに適切な大きさの張力を与えることができる。
また、電磁石8による磁力、すなわち、電磁石8への通電量を制御するだけで下糸Tに付与する張力を容易に調節することができる。
(変形例)
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば、図6に示すように、中釜15に係止部を設けるのに代えて、中釜15における電磁石18に対向する位置に、一端を自由端とし、撓むことにより中釜15とで下糸Tを挟み込むとともに、弾性変形により下糸Tへの張力の付与又は解放が可能な磁性体としての板ばね11を設けてもよい。
図6に示すように、板ばね11は、一端が自由端とされ、他端が中釜15に固定された固定端とされている。この板ばね11と中釜15とにより挟まれて形成される空間が下糸案内部19となり、下糸Tが通される部分となる。
このような構成の下糸張力制御装置10によれば、電磁石18に通電することにより、周囲に磁界を発生させると、板ばね11はその磁界の影響を受けて下糸Tに向けて撓むように弾性変形する。このとき、制御装置が電磁石18に通電する電流の大きさを変えることで、板ばね11の下糸Tへの撓み量を制御することができ、この撓み量の変化により下糸Tに付与すべき張力を調節することができる。また、電磁石18への通電を停止することで、撓んだ状態の板ばね11は自身の弾性力により元の状態に戻るので、下糸Tへの張力が解放される。そのため、上記実施形態のように(図4参照)、下糸案内部53に突出した磁石6を戻す工程が不要となり、下糸Tの張力制御を容易にすることができる。
よって、ユーザの望むタイミングで下糸Tに適切な大きさの張力を与えることができる。
なお、この変形例においては、板ばね11が電磁石18の磁界の影響を受けていない場合には下糸Tを解放し、電磁石18による磁界の影響を受けることにより下糸T側に撓んで下糸Tに張力を付与するようになっているが、これとは逆に、板ばね11が電磁石18の磁界の影響を受けていない場合には下糸Tに張力を付与した状態とし、電磁石18による磁界の影響を受けることにより電磁石18側に撓んで下糸Tを解放するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、電磁石8への通電により形成される磁界によって磁石6を移動させていたが、電磁石8に代えて永久磁石を設け、この永久磁石を磁石6に対して接離することにより、両磁石の距離に基づいて磁石6を移動させる磁力を変えるようにしてもよい。ただし、磁石6の移動方向を切り替える際には永久磁石も反転させて磁石6に対向する極を変える必要がある。
ミシンの下糸張力制御装置が設けられた釜の平面図。 ミシンの下糸張力制御装置が設けられた釜の側面図。 ミシンの下糸張力制御装置の拡大図。 磁石による下糸への張力付与の原理を説明する模式図。 磁石による下糸への張力付与の原理を説明する斜視図。 ミシンの下糸張力制御装置の他の例における下糸への張力付与の原理を説明する模式図。 従来技術におけるミシンの下糸張力制御装置の断面図。
符号の説明
1 ミシンの下糸張力制御装置
2 釜
5 中釜
6 磁石(磁性体)
8 電磁石
9 制御装置(通電制御手段)
10 ミシンの下糸張力制御装置
11 板ばね(磁性体)
15 中釜
18 電磁石
19 下糸案内部
53 下糸案内部
55 設置孔
B ボビンケース
T 下糸

Claims (3)

  1. 下糸が巻き付けられたボビンを保持する中釜に形成されて下糸を案内する下糸案内部に対して進退可能に設けられ、当該下糸案内部に案内された下糸への張力の付与又は解放が可能な磁性体と、
    前記下糸案内部を挟んで前記磁性体に対向する位置に設けられ、通電により周囲に磁界を発生させて前記磁性体を前記下糸案内部に進退させる電磁石と、
    前記下糸に付与すべき張力に応じて前記電磁石に通電する電流の流れる方向及び電流の大きさを変える通電制御手段と、
    を備えることを特徴とするミシンの下糸張力制御装置。
  2. 前記磁性体は、前記中釜の針受け部における前記ボビンの回転軸線方向に沿った方向に延びて前記下糸案内部に連通するように形成された設置孔に設けられ、
    前記電磁石が発生させる磁界により移動する前記磁性体の前記設置孔から前記下糸案内部への突出量により前記下糸に付与する張力が調節されることを特徴とする請求項1に記載のミシンの下糸張力制御装置。
  3. 下糸が巻き付けられたボビンを保持する中釜に一端が自由端となるように設けられ、弾性変形により下糸への張力の付与又は解放が可能な磁性体と、
    前記磁性体に対向する位置に設けられ、通電により周囲に磁界を発生させて前記磁性体を前記下糸に向けて撓ませる電磁石と、
    前記下糸に付与すべき張力に応じて前記電磁石に通電する電流の大きさを変える通電制御手段と、
    を備えることを特徴とするミシンの下糸張力制御装置。
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