JP2008119022A - 医療器具およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】医療器具およびその製造方法において、長時間にわたって摩擦力を受けても、挿入部表面における潤滑性能を良好に保つことができるようにする。
【解決手段】体内へ挿入して用いるために挿入部52の表面に親水性潤滑層4を有する医療器具の製造方法であって、挿入部52の基材1の外表面に、この外表面の接着性を向上する表面改質処理を施す表面改質工程と、この表面改質工程によって表面改質処理が施された表面改質部2に接着層3を形成する接着層形成工程と、この接着層形成工程によって形成された接着層3表面に、親水性潤滑層4を接着して形成する親水性潤滑層形成工程とを備える方法により製造する。
【選択図】図2

Description

本発明は、体内へ挿入する医療器具およびその製造方法に関する。
気管、消化管、尿道、その他の体腔あるいは組織中に挿入される医療器具は、組織を損傷せずに、また目的部位までに確実に挿入することを可能とする挿人性、滑らかさが要求される。さらには、組織内に留置している間に摩擦によって組織の損傷、炎症を引き起こすことを避けるために優れた潤滑性が要求される。
このため、例えば、このような医療器具の一例である内視鏡では、従来、挿入部の外表面に、シリコーンオイル、オリーブオイル、グリセリン等を塗布することによりその潤滑性を向上させる試みがなされている。しかし、これらは、潤滑効果の持続性がなく、塗布液が流出する欠点がある。
これらの欠点を解消するものとして、例えば、特許文献1には、親水基と親油基を有する乳化剤を用いた親水性潤滑剤を使用する提案がなされている。
特許第3469770号公報
しかしながら、上記のような従来の医療器具およびその製造方法には以下の問題があった。
特許文献1に記載の技術では、内視鏡の挿入部の外表面の樹脂が、親水性潤滑剤の親油基や親油性のある高分子鎖とイオン結合により吸着されて、親水性潤滑剤の付着性を改善しているが、一般的に、イオン結合の結合力は、共有結合などと比べて非常に弱い。そのため、内視鏡の挿人中の摩擦力によっては、親水性潤滑剤が剥がれ落ちてしまい、潤滑性を持続させることができない場合があるという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、長時間にわたって摩擦力を受けても、挿入部表面における潤滑性能を良好に保つことができる医療器具およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、体内へ挿入して用いるために挿入部の表面に親水性潤滑層を有する医療器具の製造方法であって、前記挿入部の基材の外表面に、該外表面の接着性を向上する表面改質処理を施す表面改質工程と、該表面改質工程によって表面改質処理が施された前記外表面に接着層を形成する接着層形成工程と、該接着層形成工程によって形成された前記接着層の表面に、前記親水性潤滑層を接着して形成する親水性潤滑層形成工程とを備える方法とする。
この発明によれば、表面改質工程によって、挿入部の表面の外表面の接着性が向上し、接着層形成工程で形成される接着層との密着性が良好となる。さらに、その接着層の表面に、親水性潤滑層形成工程によって親水性潤滑層が接着して形成されるため、親水性潤滑層が、接着層と強固に結合され、接着層と親水性潤滑層とが密着される。そして、この親水性潤滑層によって湿潤時に挿入部の外表面に潤滑性が付与される。
ここで、外表面の接着性を向上する表面改質処理としては、外表面に極性を有する官能基を形成して親水性、ぬれ性を向上したり、表面を粗面化してアンカー効果により接着力を向上したりするための表面改質処理が挙げられる。例えば、プラズマ、オゾン、エキシマレーザー、または電子線などを用いた表面改質処理が挙げられる。
請求項2に記載の発明では、請求項1記載の医療器具の製造方法において、前記接着層形成工程が、前記挿入部を形成する基材の外表面を第1の極性溶媒に浸漬する浸漬工程と、前記接着層を形成する溶質を、前記基材を膨潤させるまたは前記基材に含浸する第2の極性溶媒に溶解して接着層溶液を形成し、該接着層溶液を、前記浸漬工程によって浸漬処理された前記基材の外表面に塗布して層状に付着せしめる接着層溶液塗布工程と、該接着層溶液塗布工程によって前記基材の外表面に層状に塗布された前記接着層溶液を乾燥して接着層を形成する接着層乾燥工程からなる方法とする。
この発明によれば、浸漬工程により第1の極性溶媒に挿入部を形成する基材の外表面を浸漬することによって、基材の表面の形状を凹凸構造とし、アンカー効果により基材の外表面と接着層との密着性を向上できるようにする。次いで、接着層溶液塗布工程では、接着層を形成する溶質を、基材を膨潤させるまたは基材に含浸する第2の極性溶媒に溶解して接着層溶液を形成し、この接着層溶液を基材の外表面上に塗布して層状に付着させる。例えば、接着層溶液に基材を浸漬したり、接着層溶液をスプレーして塗布したりする。これにより、基材内部へ接着層を形成する物質が膨潤、侵入し、基材と接着層とが複合構造を形成する。次いで、接着層乾燥工程を行い、この接着層溶液を乾燥硬化する。このような工程で作製された基材と接着層との複合構造は、密着性が優れ、長時間の摩擦を受けても良好な耐久性を得ることができる。
なお、第1、第2の極性溶媒は、同一種類の極性溶媒でもよいし、異なる種類の極性溶媒でもよい。
請求項3に記載の発明では、請求項1または2記載の医療器具の製造方法において、前記親水性潤滑層形成工程が、前記親水性潤滑層を形成する溶質を、前記接着層を膨潤させるまたは前記接着層に含浸する第3の極性溶媒に溶解して親水性潤滑層溶液を形成し、該親水性潤滑層溶液を、前記接着層の表面に、前記親水性潤滑層溶液を塗布して層状に付着せしめる親水性潤滑層溶液塗布工程と、該親水性潤滑層溶液塗布工程によって前記接着層の表面に塗布された親水性潤滑層溶液を乾燥して親水性潤滑層を接着せしめる親水性潤滑層乾燥工程と、該親水性潤滑層乾燥工程によって固着された親水性潤滑層に、加温状態で水分を供給する水分供給工程とを備える方法とする。
この発明によれば、親水性潤滑層溶液塗布工程によって、親水性潤滑層を形成する溶質を、接着層を膨潤させるまたは接着層に含浸する第3の極性溶媒に溶解して親水性潤滑層溶液を形成し、その親水性潤滑層溶液を接着層の表面に塗布して層状に付着させる。それにより、接着層の内部へ親水性潤滑層が膨潤、侵入し、接着層の表面のみではなく、この接着層の内部においても共有結合を形成するので、接着層と親水性潤滑層との密着性が向上する。
次いで、親水性潤滑層乾燥工程によって、親水性潤滑層溶液を乾燥させ、親水性潤滑層を接着層上に接着させることができる。そして、水分供給工程により、加温状態で親水性潤滑層に水分を供給する。
これらの親水性潤滑層乾燥工程、および水分供給工程における加熱、加湿処理により、接着層と親水性潤滑層との共有結合の未反応結合部分で、共有結合がさらに促進され、接着層と親水性潤滑層とをより強固な結合状態にすることができる。
請求項4に記載の発明では、請求項2に従属する請求項3記載の医療器具の製造方法において、前記接着層を形成する溶質は、イソシアネート基、アミン基、カルボキシル基、アルデヒド基、および、ポリオール基またはヒドロキシル基のいずれかを含有し、かつ、前記親水性潤滑層を形成する溶質は、セルロース系高分子物質、ポリエチレンオキサイド系高分子物質、水溶性ナイロン、酸無水物基を有する高分子物質、ポリビニルピロリドン系高分子物質のいずれかから選択された高分子物質、または、その誘導体あるいは共重合体からなり、前記親水性潤滑層乾燥工程、および前記水分供給工程の少なくともいずれかの工程において、前記接着層を形成する溶質の官能基と、前記親水性潤滑層を形成する溶質の官能基との間に共有結合を形成するようにした方法とする。
この発明によれば、親水性潤滑層乾燥工程、および水分供給工程の少なくともいずれかの工程において、接着層を形成する溶質の官能基と、親水性潤滑層を形成する溶質の官能基との間に共有結合が形成されるので、接着層と親水性潤滑層とが強固に接着される。
上記の溶質の組合せによる共有結合の種類としては、例えば、ウレタン結合、エステル結合、アミド結合などを挙げることができる。
請求項5に記載の発明では、体内へ挿入する挿入部を有する医療器具であって、前記挿入部の外表面側の基材上に、接着層と、該接着層によって接着された親水性潤滑層とを備えることにより、前記挿入部の外表面が覆われた構成とする。
この発明によれば、親水性潤滑層が、挿入部の外表面の基材上に接着されることで、良好に結合されるので、体内への挿入時に親水性潤滑層が摩擦を受けても、親水性潤滑層がはがれにくくなり、潤滑性を持続することができる。
請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の医療器具において、前記接着層が、イソシアネート基、アミン基、カルボキシル基、アルデヒド基、および、ポリオール基またはヒドロキシル基のいずれかを含有する物質から形成されたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明では、請求項5または6記載の医療器具において、前記親水性潤滑層が、セルロース系高分子物質、ポリエチレンオキサイド系高分子物質、水溶性ナイロン、酸無水物基を有する高分子物質、ポリビニルピロリドン系高分子物質のいずれかから選択された高分子物質、または、その誘導体あるいは共重合体からなることを特徴とする。
本発明の医療器具およびその製造方法によれば、挿入部の基材に接着層によって接着された親水性潤滑層が形成されるので、挿入部の外表面が長時間の摩擦を受けても、親水性潤滑層がはがれにくくなり、挿入部の表面の潤滑性能を良好に保つことができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施形態に係る医療器具について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る医療器具の一例を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係る医療器具の挿入部における外表面近傍の模式的な断面図である。
本実施形態の内視鏡装置50(医療器具)は、被検者の体内に挿入して用いるものである。その概略構成は、図1に示すように、先端から照明光を照射し体内からの反射光を受光する先端部51、先端部51で受光した光を伝送する光ファイバを収納するとともに先端側が湾曲動作可能とされた可撓管状の挿入部52、挿入部52の湾曲量の操作等を行う操作部53、および挿入部52、操作部53に接続された光ファイバや信号線等を不図示の制御部に接続する接続部54からなる。
ここで、少なくとも挿入部52は、被検者の体内に挿入される際、例えば、気管、消化管、尿道、その他の体腔あるいは組織と接触しつつ挿入されるため、体内の組織の損傷、炎症を引き起こさないように挿入部52の外表面に潤滑性を持たせる必要がある。
このため、本実施形態では、図2に示すように、挿入部52の外表面は、その内部側から順に、基材1、表面改質部2、接着層3、および親水性潤滑層4が積層して形成された層状構造を備えている。ここで、親水性潤滑層4は、挿入部52の最外面をなしている。
基材1は、管状に形成され、可撓性を有する合成樹脂からなる。基材1の材質としては、例えば、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィンなどの樹脂およびその混合物などを採用することができる。
表面改質部2は、基材1の外表面の接着性を向上するために、表面改質処理が施された基材1の表面部分である。
表面改質処理の種類としては、接着層3を形成するための溶液が基材1の表面に層状に付着できる接着性が得られれば、例えば、ぬれ性を向上するものでも表面を粗面化するものでも、あるいはそれらの両方を実現するものであってもよく、特に限定されない。例えば、プラズマ、オゾン、エキシマレーザー、または電子線(コロナ放電)などを用いた周知の表面改質処理を、例えば、基材1の材質などの必要に応じて採用することができる。
接着層3は、親水性潤滑層4を基材1の外表面に接着するもので、親水性潤滑層4の官能基と化学反応して共有結合を形成する官能基、例えば、イソシアネート基、アミン基、カルボキシル基、アルデヒド基、および、ポリオール基またはヒドロキシル基などを備える物質から構成される。
イソシアネート基を有する物質としては、例えば、エチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリイソシアネートなどが挙げられる。
アミン基を有する物質としては、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミンなどが挙げられる。
アルデヒド基を有する物質としては、例えば、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、イソフタルアルデヒドなどが挙げられる。
ポリオール基またはヒドロキシル基を有する物質としては、例えば、プロピレンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
親水性潤滑層4は、被検者の体内における湿潤状態で体内の組織に対して低摩擦係数が得られるとともに、接着層3が備える官能基と化学反応して共有結合を形成する官能基を備える物質から構成される。
このような親水性潤滑層4に好適な物質としては、例えば、セルロース系高分子物質、ポリエチレンオキサイド系高分子物質、水溶性ナイロン、酸無水物基を有する高分子物質、およびポリビニルピロリドン系高分子物質などを採用することができる。
セルロース系高分子物質としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
ポリエチレンオキサイド系高分子物質としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
酸無水物基を有する高分子物質としては、例えば、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体のエステル誘導体などが挙げられる。
ポリビニルピロリドン系高分子物質としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルポリピロリドンなどが挙げられる。
また、親水性潤滑層4を構成する物質としては、これら物質の基本構造を有していれば、特に制限は無く、例えば、架橋反応により共重合体を形成させ不溶化処理された物質であっても良い。
親水性潤滑層4を形成する高分子物質の平均分子量も、特に制限はないが、例えば、5〜500万程度が好適である。
次に、内視鏡装置50の製造方法について、挿入部52に親水性潤滑層4を設ける製造工程を中心に説明する。
本実施形態の製造方法は、表面改質工程、接着層形成工程、および親水性潤滑層形成工程をこの順に行うものである。
表面改質工程では、基材1の外表面に対して、例えば、プラズマ、オゾン、エキシマレーザー、または電子線などを用いた周知の表面改質処理を施し、表面改質部2を形成する。
次に、接着層形成工程では、表面改質部2上に接着層3を形成する。
そのために、本実施形態では、まず、表面改質部2の部分を第1の極性溶媒に浸漬する浸漬工程を行う。
第1の極性溶媒としては、表面改質部2に侵入して膨潤させるものであれば、適宜の極性溶媒を採用することができる。また、第1の極性溶媒は、接着層3を形成する物質も良好に溶解できるものであることが好ましい。
例えば、ケトン系、エステル系、エーテル系、芳香族系、アルコール系などの極性溶媒を採用することができる。
ケトン系のものとしては、例えば、エチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサンなど、エステル系のものとしては、例えば、酢酸ブチル、酢酸エチルなど、エーテル系のものとしては、例えば、テトラヒドロフランなど、芳香族系のものとしては、例えば、トルエン、キシレンなど、アルコール系のものとしては、例えば、エタノールなどが好適である。
本浸漬工程において、第1の極性溶媒の侵入を促進するため、第1の極性溶媒を室温から60℃ぐらいの間の温度で加熱しても良い。浸漬時間は、例えば、30秒〜1時間程度の範囲で設定すれば良い。
このような浸漬工程によれば、表面の接着性が向上された表面改質部2から、第1の極性溶媒が浸透して、表面改質部2を膨潤させる。そのため、表面改質部2に第1の極性溶媒が含有された状態で、表面に微細な凹凸部が形成される。
次に、接着層溶液塗布工程によって、表面改質部2上に液状の接着層3を塗布し、層状に付着せしめる。そのために、予め、接着層3を形成する溶質を第2の極性溶媒に溶解して接着層溶液を用意しておく。
この第2の極性溶媒としては、接着層3を形成する溶質の溶解特性と、基材1を膨潤させるまたは基材1に含浸する特性との必要に応じて、第1の極性溶媒として挙げたものの中から選択することができる。第2の極性溶媒は、第1の極性溶媒と異なっていてもよいが、同一種類の極性溶媒であることが好ましい。
ここで、接着層溶液の塗布方法は、表面改質部2の全面にわたって層状に付着させることができれば、どのような塗布方法を用いてもよい。例えば、表面改質部2を接着層溶液に浸漬したり、接着層溶液をスプレーして塗布したりするなどの方法を用いることができる。
浸漬工程によって、表面改質部2の表面には微細な凹凸部が形成され、接着性が良好となっているので、接着層溶液は容易に塗布される。そして、表面改質部2の内部に第1の極性溶媒が浸透しているので、溶質が表面改質部2を通して基材1に容易に侵入することができる。
接着層溶液塗布工程の終了後、付着された接着層溶液を乾燥する接着層乾燥工程を行う。乾燥温度は、基材1に用いる樹脂が劣化しない温度範囲において、第2の極性溶媒が十分乾燥されて、硬化した接着層3が形成されるような温度で行う。例えば、室温〜150℃の温度範囲で、適宜設定し、硬化時間は、必要に応じて、5分〜48時間程度の範囲で行う。
ここで、接着層3の溶質は、表面改質部2を通して基材1に浸透しているため、硬化後は、アンカー効果により、接着層3が基材1に対して強固に密着されてゆき、基材1と接着層3とが複合構造を形成するものである。
このようにして、表面改質部2上に、硬化した接着層3を形成することができる。以上で、接着層形成工程を終了する。
次に、親水性潤滑層形成工程では、まず、親水性潤滑層溶液塗布工程によって、接着層3上に液状の親水性潤滑層4を塗布し、層状に付着せしめる。そのために、予め、親水性潤滑層4を形成する溶質を第3の極性溶媒に溶解して親水性潤滑層溶液を用意しておく。
この第3の極性溶媒としては、親水性潤滑層4を形成する溶質の溶解特性、接着層3を膨潤させるまたは接着層3に含浸する特性との必要に応じて、第1の極性溶媒として挙げたものの中から選択することができる。
ここで、親水性潤滑層溶液の塗布方法は、接着層3の全面にわたって層状に付着させることができれば、どのような塗布方法を用いてもよい。例えば、接着層3を親水性潤滑層溶液に浸漬したり、親水性潤滑層溶液をスプレーして塗布したりするなどの方法を用いることができる。
親水性潤滑層溶液塗布工程の終了後、付着された親水性潤滑層溶液を乾燥する親水性潤滑層乾燥工程を行う。乾燥温度は、基材1に用いる樹脂が劣化しない温度範囲において、親水性潤滑層溶液内の溶質と、接着層3との化学反応が促進されるとともに、第3の極性溶媒が十分乾燥されて、硬化した親水性潤滑層4が形成されるような温度で行う。例えば、室温〜150℃の温度範囲で、適宜設定し、硬化時間は、必要に応じて、5分〜48時間程度の範囲で行う。
この親水性潤滑層乾燥工程において、親水性潤滑層溶液と接着層3との接触部で、化学反応が進行し、接着層3が有する官能基と親水性潤滑層溶液の溶質が有する官能基との間に、それぞれの物質の組合せに対応する共有結合が形成される。
例えば、接着層3の官能基としてイソシアネート基を、そして親水性潤滑層4の官能基として、酸無水物の加水分解後のカルボキシル基または、セルロール系物質のヒドロキシル基を用いた場合、縮合反応によりウレタン結合が形成される。
また、接着層3の官能基としてポリオール基またはヒドロキシル基を、そして、親水性潤滑層4の官能基として、酸無水物の加水分解後のカルボキシル基を用いた場合、縮合反応によりエステル結合が形成される。
また、接着層3の官能基としてアルデヒド基を、そして、親水性潤滑層4の官能基として、水溶性ナイロン系物質のアミン基を用いた場合、アミド結合が形成される。
また、接着層3の官能基としてアミン基を、そして、親水性潤滑層4の官能基として、酸無水物の加水分解後のカルボキシル基を用いた場合、アミド結合が形成される。
また、接着層3の官能基としてカルボキシル基を、そして、親水性潤滑層の官能基として、セルロースのヒドロキシル基を用いた場合、エステル結合が形成される。
親水性潤滑層4の硬化後、親水性潤滑層4に潤滑性を付与するため、加温状態で親水性潤滑層4に水分を供給する水分供給工程を行う。
例えば、温度を、40℃〜80℃程度の範囲とした温水を親水性潤滑層4に供給する。または、同様の温度雰囲気で加湿を行う。加温時間は、親水性潤滑層4が十分な潤滑特性が得られる状態まで、例えば、5分〜48時間程度行う。
その後、余剰の水分を除去するための乾燥工程を行う。乾燥温度は樹脂の劣化しない温度、例えば、室温〜150℃、時間は、5分〜48時間の範囲で行う。
なお、この水分供給工程は、親水性潤滑層4、接着層3を加温するので、それらの接触部分における未反応の官能基の化学反応を促進する機能も有している。そのため、親水性潤滑層4がより強固に接着層3に接着される。
このようにして、図2に示すような層状構造が、内視鏡装置50の挿入部52の外表面側に形成される。接着層3は、基材1に対して強固に接着された状態で硬化されており、その接着層3上に親水性潤滑層4が形成され、接着層3と共有結合を形成することで、接着層3と親水性潤滑層4との間は、良好に密着性を有した状態で接着される。また、親水性潤滑層4は水分を含むことで、良好な潤滑性が付与される。
そのため、挿入部52は、その表面が親水性潤滑層4で覆われ、被検者の体内に挿入した状態で体内の組織に対して低摩擦で摺動できる。その際、親水性潤滑層4に摩擦力などの外力を受けるが、接着層3を介して、基材1に強固に接着されているため、はがれにくくなり、挿入部52の表面の潤滑性能を良好に保つことができる。
なお、上記の説明では、医療器具の製造方法として、余剰の水分を除去するための乾燥工程を実施する場合を例に挙げたが、この乾燥工程は必須ではなく、実施しない場合でも本実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、上記の説明では、医療器具として、内視鏡装置50の例を挙げ、その挿入部52に親水性潤滑層4を形成する例で説明したが、本発明の医療器具の挿入部は、内視鏡の挿入部には限定されず、体内に挿入される他の部分も含む。例えば、内視鏡装置50の先端部51の外表面を親水性潤滑層4で覆うようにしてもよい。
また、被検者の体内に挿入する挿入部を有する医療器具であれば、例えば体内に挿入するチューブ器具などの他の医療器具にも適用できる。
また、上記の説明では、接着層3、親水性潤滑層4を構成する物質の具体例を挙げているが、これらは一例であって、同様の官能基を備える他の物質を採用してもよい。また、官能基の種類もこれらの例に限定されず、互いに共有結合を形成することができる適宜の官能基を含むものを採用することができる。
また、上記の説明では、挿入部の基材として、合成樹脂を用いる場合の例で説明したが、表面改質工程により、例えば微細な凹凸部を形成するなどして、接着層を強固に接着できれば、金属からなっていてもよい。
本発明の実施例1について説明する。
医療器具の挿入部を構成するポリウレタン製の基材の外表面に、電力100Wのコロナ放電を30秒間行って表面改質処理した後、このポリウレタン製の基材を60℃に加熱したエタノール中に1分間浸漬した。その後これを、ジフェニルメタン−4−4’−ジイソシアネート(日本ポリウレタン社製)をメチルエチルケトン(和光純薬社製)溶媒に溶解した1wt%溶液中に1分間浸漬した。次いで、60℃、1時間乾燥を行った。その後、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体(VEMA)(ISP社製)とヒドロキシプロピルセルロース(HPC)(日本曹達社製)の混合物(混合比20:1)をメチルエチルケトン(和光純薬社製)溶媒に溶解した1wt%溶液中に1分間浸漬した後、60℃、1時間乾燥を行った。その後、60℃の温水に30分浸漬した後、60℃、24時間乾燥した。これにより、親水性潤滑層を表面に有する医療器具を作製した。
なお、コロナ放電は、本実施例では、tantec社製のコロナ放電装置を用いて行った(以下、他の実施例、比較例のコロナ放電も同じ。)
本発明の実施例2について説明する。
医療器具の挿入部を構成するポリウレタン製の基材の外表面に、電力100Wのコロナ放電を30秒間行って表面改質処理した後、このポリウレタン製の基材を60℃に加熱したエタノール中に1分間浸漬した。その後これを、ジフェニルメタン−4−4’−ジイソシアネート(日本ポリウレタン社製)をメチルエチルケトン(和光純薬社製)溶媒に溶解した1wt%溶液中に1分間浸漬した。次いで、60℃、1時間乾燥を行った。その後、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体(VEMA)(ISP社製)をメチルエチルケトン(和光純薬社製)溶媒に溶解した1wt%溶液中に1分間浸漬した後、60℃、1時間乾燥を行った。その後、60℃の温水に30分浸漬した後、60℃、24時間乾燥した。これにより、親水性潤滑層を表面に有する医療器具を作製した。
本発明の実施例3について説明する。
医療器具の挿入部を構成するポリオレフィン系樹脂製の基材の外表面に、電力100Wのコロナ放電を30秒間行って表面改質処理した後、このポリオレフィン系樹脂製の基材を60℃に加熱したエタノール中に1分間浸漬した。その後これを、ヒドロキシル基含有のビニル樹脂VAGH(商品名;Dow Chemical社製)をメチルエチルケトン(和光純薬社製)溶媒に溶解した5wt%溶液中に1分間浸漬した。次いで、60℃、1時間乾燥を行った。その後、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体(VEMA)(ISP社製)とヒドロキシプロピルセルロース(HPC)(日本曹達社製)の混合物(混合比20:1)をメチルエチルケトン(和光純薬社製)溶媒に溶解した1wt%溶液中に1分間浸漬した後、60℃、1時間乾燥を行った。その後、60℃の温水に30分浸漬した後、60℃、24時間乾燥した。これにより、親水性潤滑層を表面に有する医療器具を作製した。
本発明の実施例4について説明する。
医療器具の挿入部を構成するポリオレフィン系樹脂製の基材の外表面に、電力100Wのコロナ放電を30秒間行って表面改質処理した後、このポリオレフィン系樹脂製の基材を60℃に加熱したエタノール中に1分間浸漬した。その後これを、ヒドロキシル基含有のビニル樹脂VAGH(商品名;Dow Chemical社製)をメチルエチルケトン(和光純薬社製)溶媒に溶解した5wt%溶液中に1分間浸漬した。次いで、60℃、1時間乾燥を行った。その後、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体(VEMA)(ISP社製)をメチルエチルケトン(和光純薬社製)溶媒に溶解した1wt%溶液中に1分間浸漬した後、60℃、1時間乾燥を行った。その後、60℃の温水に30分浸漬した後、60℃、24時間乾燥した。これにより、親水性潤滑層を表面に有する医療器具を作製した。
次に、これら実施例1〜4と性能比較するため、従来技術を用いた比較例について説明する。
比較例1では、医療器具の挿入部を構成するポリオレフィン系樹脂の基材の外表面を、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体(VEMA)(ISP社製)をメチルエチルケトン(和光純薬社製)溶媒に溶解した1wt%溶液中に1分間浸漬した後、60℃、1時間乾燥を行った。その後、60℃の温水に30分浸漬した後、60℃、24時間乾燥した。これにより、親水性潤滑層を表面に有する医療器具を作製した。
比較例2では、医療器具の挿入部を構成するポリオレフィン系樹脂の基材の外表面を、60℃に加熱したエタノール中に1分間浸漬した後、ヒドロキシル基含有のビニル樹脂VAGH(商品名;Dow Chemical社製)をメチルエチルケトン(和光純薬社製)溶媒に溶解した5wt%溶液中に1分間浸漬した。次いで、60℃、1時間乾燥を行った。次いで、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体(VEMA)(ISP社製)をメチルエチルケトン(和光純薬社製)溶媒に溶解した1wt%溶液中に1分間浸漬した後、60℃、1時間乾燥を行った。その後、60℃の温水に30分浸漬した後、60℃、24時間乾燥した。これにより、親水性潤滑層を表面に有する医療器具を作製した。
比較例3では、医療器具の挿入部を構成するポリオレフィン系樹脂の基材の外表面に、電力100Wのコロナ放電を30秒間行って表面改質処理した後、このポリオレフィン系樹脂の基材を、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体(VEMA)(ISP社製)をメチルエチルケトン(和光純薬社製)溶媒に溶解した1wt%溶液中に1分間浸漬した。そして60℃、1時間乾燥を行った。その後、60℃の温水に30分浸漬した後、60℃、24時間乾燥した。これにより、親水性潤滑層を表面に有する医療器具を作製した。
すなわち、比較例1は、実施例2、4から表面改質工程と接着層形成工程を省いた例となっている。また、比較例2は、実施例4から表面改質工程を省いた例となっている。また、比較例3は、実施例2、4から接着層形成工程を省いた例となっている。
これら実施例1〜4、比較例1〜3の評価方法について図3を用いて説明する。
図3は、評価に用いた摩擦係数測定器による測定の様子を示す模式図である。本評価では、摩擦係数測定器として、HEIDON表面性測定器type14FW(商品名;新東科学社製)を用いた。
サンプル5は、上記のようにして作成した医療器具の挿入部であり、水平方向に移動する移動台8上に設置されている。サンプル5の上側には、摩擦係数を測定するための相手部材6が当接されている。相手部材6には、おもり7によって垂直荷重が与えられる。この状態で、移動台8を移動する。荷重変換器9は、この時の摩擦力を計測し、摩擦係数(μ)に変換する。
相手部材6としては、PTFE(四フッ化エチレン樹脂)を用いている。
また、この摩擦係数(μ)の測定はサンプル5を水中に浸漬した状態で行い、初期の摩擦係数(μ)と、潤滑性の持続性評価を行うため、移動台8が300回の往復運動した後の摩擦係数(μ)とを測定した。
サンプル5として、実施例1〜4および比較例1〜3で作製した医療器具の挿入部を用い、それぞれの摩擦係数(μ)の測定を行った。その結果について、次の表1にそれぞれの作製工程とともに示す。
Figure 2008119022
表1に示すように、実施例1〜4の初期状態の摩擦係数(μ)は、それぞれ、0.12、0.13、0.13、0.16であり、全ての実施例で低摩擦となっていて、良好な潤滑性を有することを示している。
また、300往復後の持続性評価においては、実施例1〜4の摩擦係数(μ)は、それぞれ、0.11、0.15、0.13、0.14であった。これらの結果は、初期の摩擦係数(μ)とほぼ同じ値であり、300往復後も全ての実施例で良好な潤滑性が保たれていることを示している。
一方で、比較例1〜3の初期状態の摩擦係数(μ)は、それぞれ、0.12、0.15、0.14であり、また、300往復後の摩擦係数(μ)は、それぞれ、0.46、0.35、0.37であった。
このように、比較例1〜3では、いずれも初期状態では良好な潤滑性を示すものの、300往復後の摩擦係数(μ)は大きな増加が見られる。この原因は、医療器具の挿入部が長時間の摩擦されることにより親水性潤滑層が剥離したためであった。
したがって、比較例1〜3の医療器具は、長時間の使用には耐性がないことを示している。
以上の結果から、本発明の医療器具の製造方法によって製造された実施例1〜4に係る医療器具の挿入部は、従来技術に係る比較例1〜3のものに比べて、長時間の摩擦に対する十分な耐性があり、外表面の潤滑性に持続性を有することが確認された。
本発明の実施形態に係る医療器具の一例を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る医療器具の挿入部における外表面近傍の模式的な断面図である。 評価に用いた摩擦係数測定器による測定の様子を示す模式図である。
符号の説明
1 基材
2 表面改質部
3 接着層
4 親水性潤滑層
5 サンプル
6 相手部材
50 内視鏡装置(医療器具)
51 先端部
52 挿入部

Claims (7)

  1. 体内へ挿入して用いるために挿入部の表面に親水性潤滑層を有する医療器具の製造方法であって、
    前記挿入部の基材の外表面に、該外表面の接着性を向上する表面改質処理を施す表面改質工程と、
    該表面改質工程によって表面改質処理が施された前記外表面に接着層を形成する接着層形成工程と、
    該接着層形成工程によって形成された前記接着層の表面に、前記親水性潤滑層を接着して形成する親水性潤滑層形成工程とを備えることを特徴とする医療器具の製造方法。
  2. 前記接着層形成工程が、
    前記挿入部を形成する基材の外表面を第1の極性溶媒に浸漬する浸漬工程と、
    前記接着層を形成する溶質を、前記基材を膨潤させるまたは前記基材に含浸する第2の極性溶媒に溶解して接着層溶液を形成し、該接着層溶液を、前記浸漬工程によって浸漬処理された前記基材の外表面に塗布して層状に付着せしめる接着層溶液塗布工程と、
    該接着層溶液塗布工程によって前記基材の外表面に層状に塗布された前記接着層溶液を乾燥して接着層を形成する接着層乾燥工程からなることを特徴とする請求項1記載の医療器具の製造方法。
  3. 前記親水性潤滑層形成工程が、
    前記親水性潤滑層を形成する溶質を、前記接着層を膨潤させるまたは前記接着層に含浸する第3の極性溶媒に溶解して親水性潤滑層溶液を形成し、該親水性潤滑層溶液を、前記接着層の表面に、前記親水性潤滑層溶液を塗布して層状に付着せしめる親水性潤滑層溶液塗布工程と、
    該親水性潤滑層溶液塗布工程によって前記接着層の表面に塗布された親水性潤滑層溶液を乾燥して親水性潤滑層を接着せしめる親水性潤滑層乾燥工程と、
    該親水性潤滑層乾燥工程によって固着された親水性潤滑層に、加温状態で水分を供給する水分供給工程とを備えることを特徴とする請求項1または2記載の医療器具の製造方法。
  4. 前記接着層を形成する溶質は、
    イソシアネート基、アミン基、カルボキシル基、アルデヒド基、および、ポリオール基またはヒドロキシル基のいずれかを含有し、
    かつ、前記親水性潤滑層を形成する溶質は、
    セルロース系高分子物質、ポリエチレンオキサイド系高分子物質、水溶性ナイロン、酸無水物基を有する高分子物質、ポリビニルピロリドン系高分子物質のいずれかから選択された高分子物質、または、その誘導体あるいは共重合体からなり、
    前記親水性潤滑層乾燥工程、および前記水分供給工程の少なくともいずれかの工程において、前記接着層を形成する溶質の官能基と、前記親水性潤滑層を形成する溶質の官能基との間に共有結合を形成するようにしたことを特徴とする請求項2に従属する請求項3記載の医療器具の製造方法。
  5. 体内へ挿入する挿入部を有する医療器具であって、
    前記挿入部の外表面側の基材上に、接着層と、該接着層によって接着された親水性潤滑層とを備えることにより、前記挿入部の外表面が覆われた構成とすることを特徴とする医療器具。
  6. 前記接着層が、
    イソシアネート基、アミン基、カルボキシル基、アルデヒド基、および、ポリオール基またはヒドロキシル基のいずれかを含有する物質から形成されたことを特徴とする請求項5に記載の医療器具。
  7. 前記親水性潤滑層が、
    セルロース系高分子物質、ポリエチレンオキサイド系高分子物質、水溶性ナイロン、酸無水物基を有する高分子物質、ポリビニルピロリドン系高分子物質のいずれかから選択された高分子物質、または、その誘導体あるいは共重合体からなることを特徴とする請求項5または6記載の医療器具。
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