JP2008117831A - 基板薬液処理装置及びそれを用いた基板薬液処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数種類の薬液を互いに混合することを防止しつつ分別回収でき、且つ回収された複数種類の薬液を再利用して基板に良好な処理を行える基板薬液処理装置を提供する。
【解決手段】
基板薬液処理装置は、ウエハWを保持しながら回転させるスピンチャック13と、ウエハWの表面に複数種類の薬液を吐出するノズル14A〜14Cと、スピンチャック13を取り囲み且つウエハWから飛散した薬液を回収する処理カップ12とを備えている。処理カップ12は、廃液槽16A及び16B並びに薬液回収槽16C及び16Dと、ウエハWに所望の薬液回収槽又は廃液槽の開口部を位置合わせするための動作機構18とを有する。各薬液回収槽又は廃液槽の開口部は、ウエハWに対する複数種類の薬液を用いた処理に対応してそれぞれ独立して開閉するフタ19を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板薬液処理装置及びそれを用いた基板薬液処理方法に関し、特に、半導体素子等が搭載された半導体基板に対して薬液処理及び洗浄処理を連続して行う際に、処理済の薬液及び洗浄液を分別回収することが可能な基板薬液処理装置及びそれを用いた基板薬液処理方法に関する。
従来、半導体素子等を基板に形成する各種製造プロセスにおいて、ウェットエッチングやウェット洗浄等の薬液処理を基板1枚ずつ行う枚葉式の基板薬液処理装置が用いられることが多い。この基板薬液処理装置は、中心が位置固定された基板を回転させながら各種薬液を基板表面に供給して当該基板に各種ウェット処理を行うものであり、基板処理後に回転の遠心力により基板から飛散する薬液を、基板側方に設けた回収槽に回収して排出処理する機構を備えている。
このような基板薬液処理装置の中には、薬液の消費量の低減を図るために、基板の処理に用いた後の薬液を回収して、その回収した薬液(回収液)を以降の処理に再利用できるように構成されたものがある。
以下に、そのような薬液回収を可能とした従来の基板薬液処理装置の一例を挙げて、薬液の回収方法について説明する(例えば特許文献1参照)。
図13は、従来例の基板薬液処理装置の概略断面図を示している。図13に示すように、被処理対象であるウエハWを水平に保持するスピンチャック52は、ウエハWを鉛直方向に沿う回転軸線のまわりに回転させる。スピンチャック52に保持されたウエハWの上方には、各種薬液を供給する薬液供給ノズル51が設けられている。スピンチャック52は、外側から順に同心円状に配置された3つの処理カップ53A、53B及び53Cに収容されている。また、スピンチャック52は、処理カップ53A、53B及び53Cに対して昇降可能に構成されている。また、処理カップ53A及び53Bの底面にはそれぞれ第1及び第2の回収液処理設備(図示省略)へつながる回収ライン54A及び54Bが接続され、処理カップ53Cの底面には廃液処理設備(図示省略)へつながる廃液ライン54Cが接続されている。
このような従来例に示す基板薬液処理装置では、ウエハWの表面に複数種類の薬液を順次供給して、そのウエハWの表面に対してこれら複数種類の薬液による処理を順次に施すことができ、さらに処理に用いた複数種類の薬液を分別して回収することができる。
例えば第1の薬液をウエハWの表面に供給する場合、スピンチャック52を処理カップ53Aの上端と処理カップ53Bの上端との間に上昇させて、この状態でスピンチャック52によりウエハWを回転させながら、ウエハWの表面に第1の薬液を供給する。処理に用いられた第1の薬液は、ウエハWの周縁部からその側方へ飛散する。飛散した第1の薬液は処理カップ53Aと処理カップ53Bとの間を通って、処理カップ53Aに接続された回収ライン54Aに集められ、第1の回収液処理設備(図示省略)に回収される。
次に、スピンチャック52を処理カップ53Bの上端と処理カップ53Cの上端との間に下降させて、この状態でスピンチャック52によりウエハWを回転させながら、ウエハWの表面に第2の薬液を供給する。処理に用いられた第2の薬液は、ウエハWの周縁部からその側方へ飛散する。飛散した第2の薬液は処理カップ53Bと処理カップ53Cとの間を通って、処理カップ53Bに接続された回収ライン54Bに集められ、第2の回収液処理設備(図示省略)に回収される。
特開平05−283395号公報
しかしながら、上記のような構成の従来の基板薬液処理装置では、各処理カップの上端同士の間(開口部)が開いた状態で薬液回収を行うために、以下のような問題が発生する。例えばスピンチャック52を処理カップ53Aの上端と処理カップ53Bの上端との間に移動させて第1の薬液による処理を行う時に、飛散した第1の薬液の一部が処理カップ53Bと処理カップ53Cとの間を流れて第2の回収液処理設備に混入してしまう。また、例えばスピンチャック52を処理カップ53Bの上端と処理カップ53Cの上端との間に移動させて第2の薬液による処理を行う時に、飛散した第2の薬液の一部が処理カップ53Aと処理カップ53Bとの間を流れて第1の回収液処理設備に混入してしまう。さらに、例えばスピンチャック52を処理カップ53Cの上端よりも下側に移動させてリンス液(純水)による水洗処理時を行う時に、飛散したリンス液の一部が処理カップ53Bと処理カップ53Cとの間を流れて第2の回収液処理設備に混入してしまう。このように他種の薬液が混入した回収液においては、薬液組成や薬液濃度が所定値から変動してしまうため、当該回収液を用いて基板処理を行った場合にはエッチングレートの変動等が生じ、予期した処理能力が得られない。すなわち、他種の薬液が混入した回収液を再利用すると、処理不足等の処理不良が生じるという問題がある。
前記に鑑み、本発明は、複数種類の薬液を互いに混合することを防止しつつ分別回収することができ、その結果、回収された複数種類の薬液を再利用して基板に良好な処理を施すことができる、基板薬液処理装置及びそれを用いた基板薬液処理方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係る第1の基板薬液処理装置は、複数種類の薬液を用いて基板を処理する基板薬液処理装置であって、前記基板を保持しながら回転させる基板保持機構と、前記基板の表面に前記各薬液を吐出する複数の薬液供給機構と、前記基板保持機構を取り囲み且つ前記基板から飛散した前記各薬液を回収する薬液回収機構とを備え、前記薬液回収機構は、複数の開口部と、当該各開口部と個別につながる複数の薬液回収槽又は廃液槽と、前記基板保持機構に保持された前記基板と対応する位置に前記複数の開口部のうちの所望の開口部を位置合わせするための動作機構とを有し、前記各開口部は、前記基板に対する前記各薬液を用いた処理に対応してそれぞれ独立して開閉するフタを有する。
本発明の第1の基板薬液処理装置において、前記複数の開口部のうちの前記所望の開口部のフタのみを開くことによって、前記基板から飛散した所定の薬液を前記所望の開口部につながる薬液回収槽又は廃液槽に回収する一方、前記所望の開口部以外の他の開口部につながる薬液回収槽又は廃液槽に前記基板から飛散した前記所定の薬液が回収されることを防止することが好ましい。
本発明に係る第2の基板薬液処理装置は、複数種類の薬液を用いて基板を処理する基板薬液処理装置であって、前記基板を保持しながら回転させる基板保持機構と、前記基板の表面に前記各薬液を吐出する複数の薬液供給機構と、前記基板保持機構を取り囲み且つ前記基板から飛散した前記各薬液を回収する薬液回収機構とを備え、前記薬液回収機構は、複数の開口部と、当該各開口部と個別につながる複数の薬液回収槽又は廃液槽と、前記基板保持機構に保持された前記基板と対応する位置に前記複数の開口部のうちの所望の開口部を位置合わせするための動作機構とを有し、前記各開口部は、前記基板に対する前記各薬液を用いた処理に対応してそれぞれ独立してエアーカーテンとなるガスを吐出するガス吐出機構を有する。
本発明の第2の基板薬液処理装置において、前記ガス吐出機構は、前記各開口部における前記基板保持機構の周囲に等間隔に複数個設置され、前記複数の開口部のうち前記所望の開口部を除く他の開口部に設置されたガス吐出機構がガスを吐出することによって、前記基板から飛散した所定の薬液を前記所望の開口部につながる薬液回収槽又は廃液槽に回収する一方、前記他の開口部につながる薬液回収槽又は廃液槽に前記基板から飛散した前記所定の薬液が回収されることを防止することが好ましい。
本発明に係る第3の基板薬液処理装置は、複数種類の薬液を用いて基板を処理する基板薬液処理装置であって、前記基板を保持しながら回転させる基板保持機構と、前記基板の表面に前記各薬液を吐出する複数の薬液供給機構と、前記基板保持機構を取り囲み且つ前記基板から飛散した前記各薬液を回収する薬液回収機構とを備え、前記薬液回収機構は、複数の開口部と、当該各開口部と個別につながる複数の薬液回収槽又は廃液槽と、前記基板保持機構に保持された前記基板と対応する位置に前記複数の開口部のうちの所望の開口部を位置合わせするための動作機構とを有し、前記基板保持機構と前記薬液回収機構との間において前記基板保持機構を取り囲み且つ前記基板から飛散した所定の薬液を前記所望の開口部に放出させるための隙間を有する円筒状部材をさらに備えている。
本発明の第3の基板薬液処理装置において、前記基板保持機構における前記基板の周囲に、前記薬液回収機構が移動する際に前記円筒状部材の前記隙間を通して前記各開口部に前記各薬液が進入することを防止する上下可動式の円筒状ガードが設けられていることが好ましい。
本発明の第3の基板薬液処理装置において、前記円筒状部材の前記隙間の幅は、前記各開口部の幅と対応するように設定されており、前記基板から飛散した前記所定の薬液を前記円筒状部材の前記隙間を通して前記所望の開口部に対してのみ放出させることによって、前記基板から飛散した前記所定の薬液を前記所望の開口部につながる薬液回収槽又は廃液槽に回収する一方、前記所望の開口部以外の他の開口部につながる薬液回収槽又は廃液槽に前記基板から飛散した前記所定の薬液が回収されることを防止することが好ましい。
本発明に係る第4の基板薬液処理装置は、複数種類の薬液を用いて基板を処理する基板薬液処理装置であって、前記基板を水平に保持しながら回転させる基板保持機構と、前記基板の表面に前記各薬液を吐出する複数の薬液供給機構と、前記基板保持機構を取り囲み且つ前記基板から飛散した前記各薬液を回収する薬液回収機構とを備え、前記薬液回収機構は、複数の開口部と、当該各開口部と個別につながる複数の薬液回収槽又は廃液槽と、前記基板保持機構に保持された前記基板と対応する位置に前記複数の開口部のうちの所望の開口部を位置合わせするための動作機構とを有し、前記各開口部は、薬液回収槽と廃液槽とに交互につながるように配置され、前記複数の開口部のうち廃液槽につながる開口部の幅は、前記複数の開口部のうち薬液回収槽につながる開口部の幅よりも大きい。
本発明の第4の基板薬液処理装置において、前記所望の開口部には薬液回収槽がつながれており且つ当該薬液回収槽に前記基板から飛散した所定の薬液を回収する場合には、前記複数の開口部のうち廃液槽につながる相対的に幅広の開口部が前記所望の開口部に隣接することにより、前記所望の開口部以外の他の開口部につながる薬液回収槽に前記基板から飛散した薬液が回収されることを防止し、前記所望の開口部には廃液槽がつながれており且つ当該廃液槽に前記基板から飛散した所定の薬液を回収する際には、相対的に幅広の開口部である前記所望の開口部の中央部を、前記基板保持機構に保持された前記基板と対応する位置に位置合わせすることにより、前記所望の開口部以外の他の開口部につながる薬液回収槽に前記基板から飛散した薬液が回収されることを防止することが好ましい。
本発明の第4の基板薬液処理装置において、前記複数の開口部のうち廃液槽につながる開口部の幅は、前記複数の開口部のうち薬液回収槽につながる開口部の幅の5倍以上であることが好ましい。
本発明に係る第1の基板薬液処理方法は、本発明の第1の基板薬液処理装置を用いた基板薬液処理方法であって、前記基板保持機構に保持された前記基板と対応する位置に前記所望の開口部を位置合わせする工程と、前記基板を前記位置において回転させながら、前記基板に向けて所定の薬液を吐出する工程とを備え、前記所定の薬液を吐出する工程において、前記複数の開口部のうちの前記所望の開口部のフタのみを開くことによって、前記基板から飛散した前記所定の薬液を前記所望の開口部につながる薬液回収槽又は廃液槽に回収する一方、前記所望の開口部以外の他の開口部につながる薬液回収槽又は廃液槽に前記基板から飛散した前記所定の薬液が回収されることを防止する。
本発明に係る第2の基板薬液処理方法は、本発明の第2の基板薬液処理装置を用いた基板薬液処理方法であって、前記基板保持機構に保持された前記基板と対応する位置に前記所望の開口部を位置合わせする工程と、前記基板を前記位置において回転させながら、前記基板に向けて所定の薬液を吐出する工程とを備え、前記所定の薬液を吐出する工程において、前記複数の開口部のうち前記所望の開口部を除く他の開口部に設置されたガス吐出機構がガスを吐出することによって、前記基板から飛散した所定の薬液を前記所望の開口部につながる薬液回収槽又は廃液槽に回収する一方、前記他の開口部につながる薬液回収槽又は廃液槽に前記基板から飛散した前記所定の薬液が回収されることを防止する。
本発明に係る第3の基板薬液処理方法は、本発明の第3の基板薬液処理装置を用いた基板薬液処理方法であって、前記基板保持機構に保持された前記基板及び前記円筒状部材の前記隙間と対応する位置に前記所望の開口部を位置合わせする工程と、前記基板を前記位置において回転させながら、前記基板に向けて前記所定の薬液を吐出する工程とを備え、前記所定の薬液を吐出する工程において、前記基板から飛散した前記所定の薬液を前記円筒状部材の前記隙間を通して前記所望の開口部に対してのみ放出させることによって、前記基板から飛散した前記所定の薬液を前記所望の開口部につながる薬液回収槽又は廃液槽に回収する一方、前記所望の開口部以外の他の開口部につながる薬液回収槽又は廃液槽に前記基板から飛散した前記所定の薬液が回収されることを防止する。
本発明に係る第4の基板薬液処理方法は、本発明の第4の基板薬液処理装置を用いた基板薬液処理方法であって、前記基板保持機構に保持された前記基板に前記所望の開口部を位置合わせする工程と、前記基板を前記位置において回転させながら、前記基板に向けて所定の薬液を吐出する工程とを備え、前記所定の薬液を吐出する工程において、前記所望の開口部には薬液回収槽がつながれており且つ当該薬液回収槽に前記基板から飛散した前記所定の薬液を回収する場合には、前記複数の開口部のうち廃液槽につながる相対的に幅広の開口部が前記所望の開口部に隣接することにより、前記所望の開口部以外の他の開口部につながる薬液回収槽に前記基板から飛散した薬液が回収されることを防止し、前記所定の薬液を吐出する工程において、前記所望の開口部には廃液槽がつながれており且つ当該廃液槽に前記基板から飛散した前記所定の薬液を回収する際には、相対的に幅広の開口部である前記所望の開口部の中央部を、前記基板保持機構に保持された前記基板と対応する位置に位置合わせすることにより、前記所望の開口部以外の他の開口部につながる薬液回収槽に前記基板から飛散した薬液が回収されることを防止する。
本発明の基板薬液処理装置及びそれを用いた基板薬液処理方法によれば、複数種類の薬液を互いに混合することを防止しつつ分別回収することができ、その結果、回収された複数種類の薬液を再利用して再び基板に処理を施すことができる。そのため、他種の薬液混入による薬液組成や薬液濃度等の変動によって発生する処理不足や処理不良等の問題を防止できると共に薬液使用量を低減することができる。これにより、例えば半導体チップに代表される電子デバイスの信頼性及び歩留りの向上を図ることができ、製品を安価に供給することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る基板薬液処理装置及びそれを用いた基板薬液処理方法について図面を参照しながら説明する。
図1(a)は本実施形態に係る基板薬液処理装置の構成の概略を示す断面図である。図1(a)に示すように、本実施形態の基板薬液処理装置は、被処理対象の基板となるウエハWが設置され且つウエハWの表面に各種薬液による処理を行うための基板処理部11と、使用済みの各種薬液を選択的に分別回収する処理カップ12とを備えている。
基板処理部11は、ウエハWを水平に保持すると共にウエハWの中心を回転軸として回転させるスピンチャック13と、ウエハWの表面に第1の薬液を供給するための第1薬液ノズル14Aと、ウエハWの表面に第2の薬液を供給するための第2薬液ノズル14Bと、ウエハWの表面にリンス液を供給するためのリンス液ノズル14Cとから構成されている。
スピンチャック13を収容する処理カップ12は円筒状仕切壁15A、15B、15C及び15Dから構成されている。円筒状仕切壁15A〜15Dはスピンチャック13(ウエハW)の回転軸線を中心とする同心円状にスピンチャック13を取り囲むように設けられている(スピンチャック13に近い順に円筒状仕切壁15A、15B、15C及び15Dが配置されている)。円筒状仕切壁15Aに囲まれた空間は廃液槽16Aを構成し、円筒状仕切壁15Aと円筒状仕切壁15Bとによって囲まれた空間は廃液槽16Bを構成し、円筒状仕切壁15Bと円筒状仕切壁15Cとによって囲まれた空間は第2薬液回収槽16Cを構成し、円筒状仕切壁15Cと円筒状仕切壁15Dとによって囲まれた空間は第1薬液回収槽16Dを構成する。廃液槽16A及び廃液槽16Bにはそれぞれ廃液処理設備(図示省略)につながる廃液ライン17A及び17Bが接続されている。また、第2薬液回収槽16Cには第2回収液処理設備(図示省略)につながる第2回収ライン17Cが接続され、第1薬液回収槽16Dには、第1回収液処理設備(図示省略)につながる第1回収ライン17Dが接続されている。
円筒状仕切壁15A〜15Dつまり処理カップ12の下部は各仕切壁を上下に移動させるための昇降機構18に取り付けられている。廃液槽15B、第2薬液回収槽16C及び第1薬液回収槽16Dのそれぞれの開口部には、それぞれ独立して開閉することができる円筒形状のフタ19が設けられている。尚、各開口部に設けられたフタ19は閉じている状態において全体として円筒形状であるが、フタ19は複数の部分に分割されており、各部分が持ち上がることによって各部分が互いに干渉することなく開いた状態に移行する。
次に、上記の廃液槽15B、第2薬液回収槽16C及び第1薬液回収槽16Dのそれぞれの開口部に設けられたフタ19について詳述する。
図1(b)は本実施形態の基板薬液処理装置におけるフタ19が開閉する様子を示した概略断面図である。図1(b)に示すように、フタ19は、閉じた状態で廃液槽又は薬液回収槽の内側に面する側面19A及び側面19Bと、閉じた状態で廃液槽又は薬液回収槽の外側に面する側面19Cとを有している。側面19Cは廃液槽又は薬液回収槽の内側に凹むように湾曲しており、側面19Aと側面19Cとによって鋭角部19Dが形成される。このように構成されたフタ19は、取り付け箇所である開口部上端を支点として、廃液槽又は薬液回収槽の外側に向けてスピンチャック13の回転軸方向に対して例えば約80度の角度で開く。
本実施形態においては、各種薬液処理中にウエハWから飛散した液滴がフタ19の側面19Cに付着したとしても、側面19Cは湾曲形状を有するため、側面19Cに付着した液滴は鋭角部19Dまで滑り落ちて鋭角部19Dに集まる。そして、鋭角部19Dに集まった液滴は、フタ19の開閉による振動によって鋭角部19Dから離散し、円筒状仕切壁15Aの内側に形成される廃液槽16Aの底面で受けられて、廃液ライン17Aを通って廃液処理設備へ廃液される。
また、鋭角部19Dに集まった液滴が鋭角部19Dから離散せずに付着したままであったとしても、各円筒状仕切壁は廃液槽又は薬液回収槽の外側に向けて約80度の角度で開くため、鋭角部19Dに集まった液滴が側面19Aにまで回り込むことはなく、従って、円筒状仕切壁同士によって囲まれた空間(つまり廃液槽15B、第2薬液回収槽16C及び第1薬液回収槽16D)内部に進入することもない。
尚、本実施形態の基板薬液処理装置は、リンス液ノズル14C以外の第1薬液ノズル14A及び第2薬液ノズル14Bの2種類の薬液ノズルと、廃液槽16A、廃液槽16B、第2薬液回収槽16C及び第1薬液回収槽16Dの4槽とによって構成された例であるが、薬液ノズル及び円筒状仕切壁を増設することによって、3種類以上の薬液ノズルと5槽以上の廃液槽及び薬液回収槽とによって基板薬液処理装置を構成してもよいことは言うまでもない。このようにすると、多種多様な薬液を用いて基板に各種処理を施すことが可能になる。
次に、本実施形態の基板薬液処理装置を用いた基板薬液処理方法について、第1の薬液による処理、リンス液による処理、及び第2の薬液による処理が順次行われる場合を例として説明する。
図2(a)は、ウエハWに対して第1の薬液を用いた処理が行われる場合の概略断面図である。図2(a)に示すように、ウエハWをスピンチャック13に設置した後、第1薬液ノズル14Aから第1の薬液を供給する前に、第1薬液回収槽16Dの開口部、具体的には第1薬液回収槽16Dを形成する下側の円筒状仕切壁である円筒状仕切壁15Cの上端が、スピンチャック13に保持されたウエハWの表面と同程度の高さに位置するように、処理カップ12を昇降機構18によって移動させる。このとき、第1薬液回収槽16Dの先端(開口部S)に設けられているフタ19を開けておく。一方、このとき、廃液槽16B及び第2薬液回収槽16Cのそれぞれの先端(開口部)に設けられているフタ19を閉じておく。
この図2(a)に示す状態において、スピンチャック13により保持されたウエハWを回転させながら、第1薬液ノズル14Aから第1の薬液を供給してウエハWを処理する。ウエハWの処理に用いられた第1の薬液は、スピンチャック13の回転による遠心力を受けてウエハWの表面上に拡がり、その後、ウエハWの側方へと飛散する。そして、飛散した第1の薬液は、円筒状仕切壁15Cと円筒状仕切壁15Dとの間の開口部Sに進入して第1薬液回収槽16Dに回収される。第1薬液回収槽16Dに回収された第1の薬液は第1回収ライン17Dを通って第1回収液処理設備(図示省略)に回収され、第1の薬液による処理に再利用される。ここで、第2薬液回収槽16Cの先端(開口部)に設けられているフタ19は閉じられているため、飛散した第1の薬液の一部が第2薬液回収槽16Cに混入することはない。また、開口部Sに進入できずに円筒状仕切壁15Aの内側に留まった第1の薬液は廃液槽16Aの底面で受けられて、廃液ライン17Aを通って廃液処理設備(図示省略)へ廃液される。
続いて、図2(b)は、ウエハWに対してリンス液を用いた処理が行われる場合の概略断面図である。図2(b)に示すように、リンス液ノズル14Cからリンス液を供給する前に、廃液槽16Bの開口部、具体的には廃液槽16Bを形成する下側の円筒状仕切壁である円筒状仕切壁15Aの上端が、スピンチャック13に保持されたウエハWの表面と同程度の高さに位置するように、処理カップ12を昇降機構18によって移動させる。このとき、廃液槽16Bの先端(開口部S)に設けられているフタ19を開けておく。一方、このとき、第1薬液回収槽16D及び第2薬液回収槽16Cのそれぞれの先端(開口部)に設けられているフタ19を閉じておく。
この図2(b)に示す状態において、スピンチャック13により保持されたウエハWを回転させながら、リンス液ノズル14Cからリンス液を供給してウエハWを処理する。ウエハWの処理に用いられたリンス液は、スピンチャック13の回転による遠心力を受けてウエハWの表面上に拡がり、その後、ウエハWの側方へと飛散する。そして、飛散したリンス液は、円筒状仕切壁15Aと円筒状仕切壁15Bとの間の開口部Sに進入して廃液槽16Bに回収される。廃液槽16Bに回収されたリンス液は廃液ライン17Bを通って廃液処理設備(図示省略)に回収されて廃液される。ここで、第1薬液回収槽16D及び第2薬液回収槽16Cのそれぞれの先端(開口部)に設けられているフタ19は閉じられているため、飛散したリンス液の一部が第1薬液回収槽16D及び第2薬液回収槽16Cに混入することはない。また、開口部Sに進入できずに円筒状仕切壁15Aの内側に留まったリンス液は廃液槽16Aの底面で受けられて、廃液ライン17Aを通って廃液処理設備(図示省略)へ廃液される。
続いて、図2(c)は、ウエハWに対して第2の薬液を用いた処理が行われる場合の概略断面図である。図2(c)に示すように、ウエハWをスピンチャック13に設置した後、第2薬液ノズル14Bから第2の薬液を供給する前に、第2薬液回収槽16Cの開口部、具体的には第2薬液回収槽16Cを形成する下側の円筒状仕切壁である円筒状仕切壁15Bの上端が、スピンチャック13に保持されたウエハWの表面と同程度の高さに位置するように、処理カップ12を昇降機構18によって移動させる。このとき、第2薬液回収槽16Cの先端(開口部S)に設けられているフタ19を開けておく。一方、このとき、廃液槽16B及び第1薬液回収槽16Dのそれぞれの先端(開口部)に設けられているフタ19を閉じておく。
この図2(c)に示す状態において、スピンチャック13により保持されたウエハWを回転させながら、第2薬液ノズル14Bから第2の薬液を供給してウエハWを処理する。ウエハWの処理に用いられた第2の薬液は、スピンチャック13の回転による遠心力を受けてウエハWの表面上に拡がり、その後、ウエハWの側方へと飛散する。そして、飛散した第2の薬液は、円筒状仕切壁15Bと円筒状仕切壁15Cとの間の開口部Sに進入して第2薬液回収槽16Cに回収される。第2薬液回収槽16Cに回収された第2の薬液は第2回収ライン17Cを通って第2回収液処理設備(図示省略)に回収され、第2の薬液による処理に再利用される。ここで、第1薬液回収槽16Dの先端(開口部)にあるフタ19は閉じられているため、飛散した第2の薬液の一部が第1薬液回収槽16Dに混入することはない。また、開口部Sに進入できずに円筒状仕切壁15Aの内側に留まった第2の薬液は廃液槽16Aの底面で受けられて、廃液ライン17Aを通って廃液処理設備(図示省略)へ廃液される。
以下に、本実施形態での具体的な実施例とその結果及び効果とを示す。一例として、第1の薬液としてフッ化水素(HF:H2 O=1:4(体積比))、第2の薬液としてフッ硝酸(HF(フッ化水素)とHNO3 (硝酸)との混合液(HF:HNO3 =1:25(体積比)))を使用し、Poly Silicon膜(PS膜:上層)/th−SiO2 膜(熱酸化膜:下層)が形成されたウエハWの表面上のPS膜を除去する場合について説明する。
PS膜(膜厚30nm)/th−SiO2 膜(膜厚20nm)が形成されたウエハWの表面上のPS膜(膜厚30nm)を除去するために、ウエハWを保持したスピンチャック13が毎分800回転で回転を開始した後、第1の薬液としてフッ化水素(HF:H2 O=1:4(体積比))を毎分2000mLの流量で20秒間供給しながら基板処理を行う。次に、リンス液として純水を毎分2000mLの流量で30秒間供給しながら基板処理を行う。次に、第2の薬液としてフッ硝酸(HF(フッ化水素)とHNO3 (硝酸)との混合液(HF:HNO3 =1:25(体積比)))を毎分1500mlの流量で10秒間供給しながら基板処理を行う。その後、毎分2500回転でウエハWを回転させることによる振り切り乾燥を行い、ウエハWの洗浄処理が完了する。
以上の処理をPS膜(膜厚30nm)/th−SiO2 膜(膜厚20nm)の積層構造を持つ250枚のウエハWに対して実施した場合における、フッ硝酸薬液中のフッ化水素濃度をプロットした結果を、従来の基板薬液処理装置を用いた場合と比較して図3に示す。図3から明らかなように、従来の基板薬液処理装置を用いて250枚のウエハWに対して処理を行うと、フッ硝酸薬液中のフッ化水素濃度が3.8(vol%)から4.5(vol%)まで上昇する。一方、本実施形態の基板薬液処理装置を用いた基板薬液処理方法によると、250枚のウエハWに対して処理を行っても、フッ硝酸薬液中のフッ化水素濃度が3.8(vol%)から変化しない。
以上に説明したように、本実施形態の基板薬液処理装置及びそれを用いた基板薬液処理方法によれば、複数種類の薬液を互いに混合することを防止しつつ分別回収することができ、その回収された複数種類の薬液を再利用して再び基板に処理を施すことができる。そのため、他種の薬液混入による薬液組成や薬液濃度等の変動によって発生する処理不足や処理不良等の問題を防止できると共に薬液使用量を低減することができる。これにより、例えば半導体チップに代表される電子デバイスの信頼性及び歩留りの向上を図ることができ、製品を安価に供給することができる。
尚、本実施形態において、複数の薬液回収槽又は廃液槽の開口部のうち所望の開口部を、スピンチャック13に保持されたウエハWと対応する位置に位置合わせするために、処理カップ12を昇降機構18によって移動させたが、これに代えて、スピンチャック13を上下に移動させてもよい。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る基板薬液処理装置及びそれを用いた基板薬液処理方法について図面を参照しながら説明する。
図4(a)は本実施形態に係る基板薬液処理装置の構成の概略を示す断面図である。図4(a)に示すように、本実施形態の基板薬液処理装置は、被処理対象の基板となるウエハWが設置され且つウエハWの表面に各種薬液による処理を行うための基板処理部21と、使用済みの各種薬液を選択的に分別回収する処理カップ22とを備えている。
基板処理部21は、ウエハWを水平に保持すると共にウエハWの中心を回転軸として回転させるスピンチャック23と、ウエハWの表面に第1の薬液を供給するための第1薬液ノズル24Aと、ウエハWの表面に第2の薬液を供給するための第2薬液ノズル24Bと、ウエハWの表面にリンス液を供給するためのリンス液ノズル24Cとから構成されている。
スピンチャック23を収容する処理カップ22は円筒状仕切壁25A、25B、25C及び25Dから構成されている。円筒状仕切壁25A〜25Dはスピンチャック23(ウエハW)の回転軸線を中心とする同心円状にスピンチャック23を取り囲むように設けられている(スピンチャック23に近い順に円筒状仕切壁25A、25B、25C及び25Dが配置されている)。円筒状仕切壁25Aに囲まれた空間は廃液槽26Aを構成し、円筒状仕切壁25Aと円筒状仕切壁25Bとによって囲まれた空間は廃液槽26Bを構成し、円筒状仕切壁25Bと円筒状仕切壁25Cとによって囲まれた空間は第2薬液回収槽26Cを構成し、円筒状仕切壁25Cと円筒状仕切壁25Dとによって囲まれた空間は第1薬液回収槽26Dを構成する。廃液槽26A及び廃液槽26Bにはそれぞれ廃液処理設備(図示省略)につながる廃液ライン27A及び27Bが接続されている。また、第2薬液回収槽26Cには第2回収液処理設備(図示省略)につながる第2回収ライン27Cが接続され、第1薬液回収槽26Dには、第1回収液処理設備(図示省略)につながる第1回収ライン27Dが接続されている。
円筒状仕切壁25A〜25Dつまり処理カップ22の下部は各仕切壁を上下に移動させるための昇降機構28に取り付けられている。廃液槽25B、第2薬液回収槽26C及び第1薬液回収槽26Dのそれぞれの開口部には、スピンチャック23を囲む円周上に例えば5cm間隔で等間隔に複数個のエアー吹き出し口29が設置されている。複数個のエアー吹き出し口29はそれぞれ槽毎に独立してスピンチャック23の方向に向けてエアーカーテンとなる例えばN2 ガスを吐出することができる。尚、各エアー吹き出し口29はエアー吐出機構(図示省略)に接続されている。
次に、上記の廃液槽25B、第2薬液回収槽26C及び第1薬液回収槽26Dのそれぞれの開口部に設置されたエアー吹き出し口29について詳述する。
図4(b)は本実施形態の基板薬液処理装置におけるエアー吹き出し口29がN2 ガスを吐出する様子を示した概略断面図である。図4(b)に示すように、エアー吹き出し口29は、廃液槽又は薬液回収槽の外側に向けてスピンチャック23の回転軸方向に対して例えば約10度の角度で下向きに(つまり水平面に対して約80度の角度で下向きに)N2 ガスを例えば毎分2000mLの流量で吐出する。ここで、N2 ガスをスピンチャック23の回転軸方向に対して約80度の角度で下向きに吐出することによって、各種薬液処理中にウエハWから飛散した液滴は廃液槽26Aの底面方向に飛ばされた後、廃液ライン27Aを通って廃液処理設備(図示省略)へ廃液される。このため、飛散した液滴は円筒状仕切壁同士によって囲まれた空間(つまり廃液槽25B、第2薬液回収槽26C及び第1薬液回収槽26D)内部に進入することはない。また、エアー吹き出し口29には飛散した各種薬液が付着することもないので、第2薬液回収槽26C及び第1薬液回収槽26Dへの薬液混入を確実に防ぐことができる。
また、一般に、疎水性のウエハを処理する場合、ウエハ表面の乾燥が不十分であると、乾燥不良が発生しやすい。特に薬液処理又はリンス液処理の後でウエハ上の薬液又はリンス液を振りきる際に乾燥不十分に起因してウエハ表面に乾燥不良が発生しやすい。しかし、本実施形態では、薬液処理又はリンス液処理の後でウエハ上の薬液又はリンス液を振りきる際に、エアー吹き出し口29からN2 ガスを吐出することによって、ウエハ表面を十分に乾燥させて乾燥不良の発生をほぼ確実に防止することができる。
尚、本実施形態の基板薬液処理装置は、リンス液ノズル24C以外の第1薬液ノズル24A及び第2薬液ノズル24Bの2種類の薬液ノズルと、廃液槽26A、廃液槽26B、第2薬液回収槽26C及び第1薬液回収槽26Dの4槽とによって構成された例であるが、薬液ノズル及び円筒状仕切壁を増設することによって、3種類以上の薬液ノズルと5槽以上の廃液槽及び薬液回収槽とによって基板薬液処理装置を構成してもよいことは言うまでもない。このようにすると、多種多様な薬液を用いて基板に各種処理を施すことが可能になる。
次に、本実施形態の基板薬液処理装置を用いた基板処理方法について、第1の薬液による処理、リンス液による処理、及び第2の薬液による処理が順次行われる場合を例として説明する。
図5(a)は、ウエハWに対して第1の薬液を用いた処理が行われる場合の概略断面図である。図5(a)に示すように、ウエハWをスピンチャック23に設置した後、第1薬液ノズル24Aから第1の薬液を供給する前に、第1薬液回収槽26Dの開口部、具体的には第1薬液回収槽26Dを形成する下側の円筒状仕切壁である円筒状仕切壁25Cの上端が、スピンチャック23に保持されたウエハWの表面と同程度の高さに位置するように、処理カップ22を昇降機構28によって移動させる。このとき、第1薬液回収槽26Dの先端(開口部)の上部に設置されたエアー吹き出し口29からはエアーを吐出しない。一方、このとき、廃液槽26B及び第2薬液回収槽26Cのそれぞれの先端(開口部)の上部に設置されたエアー吹き出し口29からはエアーを吐出する。
この図5(a)に示す状態において、スピンチャック23により保持されたウエハWを回転させながら、第1薬液ノズル24Aから第1の薬液を供給してウエハWを処理する。ウエハWの処理に用いられた第1の薬液は、スピンチャック23の回転による遠心力を受けてウエハWの表面上に拡がり、その後、ウエハWの側方へと飛散する。そして、飛散した第1の薬液は、円筒状仕切壁25Cと円筒状仕切壁25Dとの間の開口部に進入して第1薬液回収槽26Dに回収される。第1薬液回収槽26Dに回収された第1の薬液は第1回収ライン27Dを通って第1回収液処理設備(図示省略)に回収され、第1の薬液による処理に再利用される。ここで、第2薬液回収槽26Cの先端(開口部)に設けられているエアー吹き出し口29から、スピンチャック23の回転軸に対して約80度の角度で下向きにN2 ガスを吐出しているため、飛散した第1の薬液はN2 ガスの圧力によって廃液槽26Aの底面方向に飛ばされて、廃液ライン27Aを通って廃液処理設備(図示省略)に廃液される。このため、飛散した第1の薬液の一部が第2薬液回収槽26Cに混入することはない。
続いて、図5(b)は、ウエハWに対してリンス液を用いた処理が行われる場合の概略断面図である。図5(b)に示すように、リンス液ノズル24Cからリンス液を供給する前に、廃液槽26Bの開口部、具体的には廃液槽26Bを形成する下側の円筒状仕切壁である円筒状仕切壁25Aの上端が、スピンチャック23に保持されたウエハWの表面と同程度の高さに位置するように、処理カップ22を昇降機構28によって移動させる。このとき、廃液槽26Bの先端(開口部)の上部に設置されたエアー吹き出し口29からはエアーを吐出しない。一方、このとき、第1薬液回収槽26D及び第2薬液回収槽26Cのそれぞれの先端(開口部)の上部に設置されたエアー吹き出し口29からはエアーを吐出する。
この図5(b)に示す状態において、スピンチャック23により保持されたウエハWを回転させながら、リンス液ノズル24Cからリンス液を供給してウエハWを処理する。ウエハWの処理に用いられたリンス液は、スピンチャック23の回転による遠心力を受けてウエハWの表面上に拡がり、その後、ウエハWの側方へと飛散する。そして、飛散したリンス液は、円筒状仕切壁25Aと円筒状仕切壁25Bとの間の開口部に進入して廃液槽26Bに回収される。廃液槽26Bに回収されたリンス液は廃液ライン27Bを通って廃液処理設備(図示省略)に回収されて廃液される。ここで、第1薬液回収槽26D及び第2薬液回収槽26Cのそれぞれの先端(開口部)に設けられているエアー吹き出し口29から、スピンチャック23の回転軸に対して約80度の角度で下向きにN2 ガスを吐出しているため、飛散したリンス液はN2 ガスの圧力によって廃液槽26Aの底面方向に飛ばされて、廃液ライン27Aを通って廃液処理設備(図示省略)に廃液される。このため、飛散したリンス液の一部が第1薬液回収槽26D及び第2薬液回収槽26Cに混入することはない。
続いて、図5(c)は、ウエハWに対して第2の薬液を用いた処理が行われる場合の概略断面図である。図5(c)に示すように、ウエハWをスピンチャック23に設置した後、第2薬液ノズル24Bから第2の薬液を供給する前に、第2薬液回収槽26Cの開口部、具体的には第2薬液回収槽26Cを形成する下側の円筒状仕切壁である円筒状仕切壁25Bの上端が、スピンチャック23に保持されたウエハWの表面と同程度の高さに位置するように、処理カップ22を昇降機構28によって移動させる。このとき、第2薬液回収槽26Cの先端(開口部)の上部に設置されたエアー吹き出し口29からはエアーを吐出しない。一方、このとき、廃液槽26B及び第1薬液回収槽26Dのそれぞれの先端(開口部)の上部に設置されたエアー吹き出し口29からはエアーを吐出する。
この図5(c)に示す状態において、スピンチャック23により保持されたウエハWを回転させながら、第2薬液ノズル24Bから第2の薬液を供給してウエハWを処理する。ウエハWの処理に用いられた第2の薬液は、スピンチャック23の回転による遠心力を受けてウエハWの表面上に拡がり、その後、ウエハWの側方へと飛散する。そして、飛散した第2の薬液は、円筒状仕切壁25Bと円筒状仕切壁25Cとの間の開口部に進入して第2薬液回収槽26Cに回収される。第2薬液回収槽26Cに回収された第2の薬液は第2回収ライン27Cを通って第2回収液処理設備(図示省略)に回収され、第2の薬液による処理に再利用される。ここで、第1薬液回収槽26Dの先端(開口部)に設けられているエアー吹き出し口29から、スピンチャック23の回転軸に対して約80度の角度で下向きにN2 ガスを吐出しているため、飛散した第2の薬液はN2 ガスの圧力によって廃液槽26Aの底面方向に飛ばされて、廃液ライン27Aを通って廃液処理設備(図示省略)に廃液される。このため、飛散した第2の薬液の一部が第1薬液回収槽26Dに混入することはない。
以下に、本実施形態での具体的な実施例とその結果及び効果とを示す。一例として、第1の薬液としてフッ化水素(HF:H2 O=1:4(体積比))、第2の薬液としてフッ硝酸(HF(フッ化水素)とHNO3 (硝酸)との混合液(HF:HNO3 =1:25(体積比)))を使用し、Poly Silicon膜(PS膜:上層)/th−SiO2 膜(熱酸化膜:下層)が形成されたウエハWの表面上のPS膜を除去する場合について説明する。
PS膜(膜厚30nm)/th−SiO2 膜(膜厚20nm)が形成されたウエハWの表面上のPS膜(膜厚30nm)を除去するために、ウエハWを保持したスピンチャック23が毎分800回転で回転を開始した後、第1の薬液としてフッ化水素(HF:H2 O=1:4(体積比))を毎分2000mLの流量で20秒間供給しながら基板処理を行う。次に、リンス液として純水を毎分2000mLの流量で30秒間供給しながら基板処理を行う。次に、第2の薬液としてフッ硝酸(HF(フッ化水素)とHNO3 (硝酸)との混合液(HF:HNO3 =1:25(体積比)))を毎分1500mlの流量で10秒間供給しながら基板処理を行う。その後、毎分2500回転でウエハWを回転させることによる振り切り乾燥を行い、ウエハWの洗浄処理が完了する。
以上の処理をPS膜(膜厚30nm)/th−SiO2 膜(膜厚20nm)の積層構造を持つ250枚のウエハWに対して実施した場合における、フッ硝酸薬液中のフッ化水素濃度をプロットした結果を、従来の基板薬液処理装置を用いた場合と比較して図6に示す。図6から明らかなように、従来の基板薬液処理装置を用いて250枚のウエハWに対して処理を行うと、フッ硝酸薬液中のフッ化水素濃度が3.8(vol%)から4.5(vol%)まで上昇する。一方、本実施形態の基板薬液処理装置を用いた基板薬液処理方法によると、250枚のウエハWに対して処理を行っても、フッ硝酸薬液中のフッ化水素濃度が3.8(vol%)から変化しない。
以上に説明したように、本実施形態の基板薬液処理装置及びそれを用いた基板薬液処理方法によれば、複数種類の薬液を互いに混合することを防止しつつ分別回収することができ、その回収された複数種類の薬液を再利用して再び基板に処理を施すことができる。そのため、他種の薬液混入による薬液組成や薬液濃度等の変動によって発生する処理不足や処理不良等の問題を防止できると共に薬液使用量を低減することができる。これにより、例えば半導体チップに代表される電子デバイスの信頼性及び歩留りの向上を図ることができ、製品を安価に供給することができる。
尚、本実施形態において、複数の薬液回収槽又は廃液槽の開口部のうち所望の開口部を、スピンチャック23に保持されたウエハWと対応する位置に位置合わせするために、処理カップ22を昇降機構28によって移動させたが、これに代えて、スピンチャック23を上下に移動させてもよい。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係る基板薬液処理装置及びそれを用いた基板薬液処理方法について図面を参照しながら説明する。
図7(a)は本実施形態に係る基板薬液処理装置の構成の概略を示す断面図である。図7(a)に示すように、本実施形態の基板薬液処理装置は、被処理対象の基板となるウエハWが設置され且つウエハWの表面に各種薬液による処理を行うための基板処理部31と、使用済みの各種薬液を選択的に分別回収する処理カップ32とを備えている。
基板処理部31は、ウエハWを水平に保持すると共にウエハWの中心を回転軸として回転させるスピンチャック33と、ウエハWの表面に第1の薬液を供給するための第1薬液ノズル34Aと、ウエハWの表面に第2の薬液を供給するための第2薬液ノズル34Bと、ウエハWの表面にリンス液を供給するためのリンス液ノズル34Cとから構成されている。
スピンチャック33を収容する処理カップ32は円筒状仕切壁35A、35B、35C及び35Dから構成されている。円筒状仕切壁35A〜35Dはスピンチャック33(ウエハW)の回転軸線を中心とする同心円状にスピンチャック33を取り囲むように設けられている(スピンチャック33に近い順に円筒状仕切壁35A、35B、35C及び35Dが配置されている)。円筒状仕切壁35Aに囲まれた空間は廃液槽36Aを構成し、円筒状仕切壁35Aと円筒状仕切壁35Bとによって囲まれた空間は廃液槽36Bを構成し、円筒状仕切壁35Bと円筒状仕切壁35Cとによって囲まれた空間は第2薬液回収槽36Cを構成し、円筒状仕切壁35Cと円筒状仕切壁35Dとによって囲まれた空間は第1薬液回収槽36Dを構成する。廃液槽36A及び廃液槽36Bにはそれぞれ廃液処理設備(図示省略)につながる廃液ライン37A及び37Bが接続されている。また、第2薬液回収槽36Cには第2回収液処理設備(図示省略)につながる第2回収ライン37Cが接続され、第1薬液回収槽36Dには、第1回収液処理設備(図示省略)につながる第1回収ライン37Dが接続されている。
処理カップ32のうち円筒状仕切壁35B〜35Dの下部は当該各仕切壁を上下に移動させるための昇降機構38に取り付けられている。また、円筒状仕切壁35Aの上方には当該円筒状仕切壁35Aと同じ内径を有する円筒状仕切壁35Eがスピンチャック33を取り囲むように設けられている。尚、円筒状仕切壁35A及び円筒状仕切壁35Eはスピンチャック33に対して固定配置されている。また、円筒状仕切壁35Eは、円筒状仕切壁35Aの上端縁と円筒状仕切壁35Eの下端縁との間に所定の隙間Sが生じるように配置されている。ここで、隙間Sの下端(円筒状仕切壁35Aの上端縁)はスピンチャック33の基板載置面の高さに位置しており、隙間Sの上端(円筒状仕切壁35Eの下端縁)は、スピンチャック33上のウエハWの表面よりも上方に位置している。また、隙間Sの幅(上下幅)は、各薬液回収槽又は廃液槽の開口部の幅(上下幅)と対応するように(つまり同等又はほぼ同等に)設定されている。
スピンチャック33におけるウエハWの周囲には、スピンチャック33上でウエハWに対して上下動できる円筒状ガード39が設けられている。
次に、ウエハWを取り囲むようにスピンチャック33上に配置された上記の円筒状ガード39について詳述する。
図7(b)は本実施形態の基板薬液処理装置における円筒状ガード39がスピンチャック33上で上下動する様子を示した概略断面図である。図7(b)に示すように、円筒状ガード39がスピンチャック33上でウエハWに対して上方へ移動した状態では、円筒状ガード39の高さは、円筒状仕切壁35Aと円筒状仕切壁35Eとの隙間Sの幅よりも少し大きくなり、円筒状ガード39の上端縁が円筒状仕切壁35Eの下端縁よりも上方に位置する。また、円筒状ガード39がスピンチャック33上でウエハWに対して下方へ移動した状態では、円筒状ガード39の上端縁がウエハWの表面よりも下方に位置する。
尚、本実施形態の基板薬液処理装置は、リンス液ノズル34C以外の第1薬液ノズル34A及び第2薬液ノズル34Bの2種類の薬液ノズルと、廃液槽36A、廃液槽36B、第2薬液回収槽36C及び第1薬液回収槽36Dの4槽とによって構成された例であるが、薬液ノズル及び円筒状仕切壁を増設することによって、3種類以上の薬液ノズルと5槽以上の廃液槽及び薬液回収槽とによって基板薬液処理装置を構成してもよいことは言うまでもない。このようにすると、多種多様な薬液を用いて基板に各種処理を施すことが可能になる。
次に、本実施形態の基板薬液処理装置を用いた基板処理方法について、第1の薬液による処理、リンス液による処理、及び第2の薬液による処理が順次行われる場合を例として説明する。
図8(a)は、ウエハWに対して第1の薬液を用いた処理が行われる場合の概略断面図である。図8(a)に示すように、ウエハWをスピンチャック33に設置した後、第1薬液ノズル34Aから第1の薬液を供給する前に、第1薬液回収槽36Dの開口部、具体的には第1薬液回収槽36Dを形成する下側の円筒状仕切壁である円筒状仕切壁35Cの上端が、スピンチャック33に保持されたウエハWの表面と同程度の高さ、つまり隙間Sの下端(円筒状仕切壁35Aの上端)と同程度の高さに位置するように、処理カップ32を昇降機構38によって移動させる。このとき、円筒状ガード39はスピンチャック33上でウエハWに対して下方に移動した状態にある。
この図8(a)に示す状態において、スピンチャック33により保持されたウエハWを回転させながら、第1薬液ノズル34Aから第1の薬液を供給してウエハWを処理する。ウエハWの処理に用いられた第1の薬液は、スピンチャック33の回転による遠心力を受けてウエハWの表面上に拡がり、その後、ウエハWの側方へと飛散する。そして、飛散した第1の薬液は、隙間Sを通って、円筒状仕切壁35Cと円筒状仕切壁35Dとの間の開口部に進入して第1薬液回収槽36Dに回収される。第1薬液回収槽36Dに回収された第1の薬液は第1回収ライン37Dを通って第1回収液処理設備(図示省略)に回収され、第1の薬液による処理に再利用される。ここで、第2薬液回収槽36Cの先端にある開口部は円筒状仕切壁35Aによって塞がれているため、飛散した第1の薬液の一部が第2薬液回収槽36Cに混入することはない。また、隙間Sを通過できずに円筒状仕切壁35Aの内側に留まった第1の薬液は廃液槽36Aの底面で受けられて、廃液ライン37Aを通って廃液処理設備(図示省略)へ廃液される。
続いて、図8(b)は、ウエハWに対してリンス液を用いた処理が行われる場合の概略断面図である。図8(b)に示すように、リンス液ノズル34Cからリンス液を供給する前に、廃液槽36Bを形成する上側の円筒状仕切壁35Bの上端が、スピンチャック33に保持されたウエハWの表面つまり隙間Sの下端(円筒状仕切壁35Aの上端)よりも上方に位置するように、円筒状仕切壁35Aを除く処理カップ32を昇降機構38によって移動させる。このとき、円筒状ガード39はスピンチャック33上でウエハWに対して下方に移動した状態にある。
この図8(b)に示す状態において、スピンチャック33により保持されたウエハWを回転させながら、リンス液ノズル34Cからリンス液を供給してウエハWを処理する。ウエハWの処理に用いられたリンス液は、スピンチャック33の回転による遠心力を受けてウエハWの表面上に拡がり、その後、ウエハWの側方へと飛散する。そして、飛散したリンス液は、隙間Sを通って、円筒状仕切壁35Aと円筒状仕切壁35Bとの間の開口部に進入して廃液槽36Bに回収される。廃液槽36Bに回収されたリンス液は廃液ライン37Bを通って廃液処理設備(図示省略)に回収されて廃液される。ここで、第1薬液回収槽36D及び第2薬液回収槽36Cのそれぞれの先端にある開口部は円筒状仕切壁35Eによって塞がれているため、飛散したリンス液の一部が第1薬液回収槽36D及び第2薬液回収槽36Cに混入することはない。また、隙間Sを通過できずに円筒状仕切壁35Aの内側に留まったリンス液は廃液槽36Aの底面で受けられて、廃液ライン37Aを通って廃液処理設備(図示省略)へ廃液される。
ところで、第1の薬液として疎水性を示す薬液を使用する場合、第1の薬液による処理直後にウエハWの表面上で乾燥不良が発生しやすいので、当該乾燥不良の防止のために、第1の薬液による処理直後に連続してリンス液による水洗処理を行う場合がある。この場合、第1薬液回収槽36Dを形成する下側の円筒状仕切壁である円筒状仕切壁35Cの上端が、ウエハWの表面と同程度の高さに位置する状態から、円筒状仕切壁35Aを除く処理カップ32を昇降機構38により上方に駆動させることによって、廃液槽36Bを形成する上側の円筒状仕切壁35Bの上端が、スピンチャック33に保持されたウエハWの表面よりも上方に位置する状態へと移行させる。
このとき、円筒状仕切壁35Aの上端縁と円筒状仕切壁35Eの下端縁との間に隙間Sが存在する状態で、円筒状仕切壁35Bと円筒状仕切壁35Cとの間の開口部がウエハWの側方を通過すると、ウエハWの側方に飛散した処理済みの第1の薬液又はリンス液の一部が隙間Sを通過して、円筒状仕切壁35Bと円筒状仕切壁35Cとの間の開口部に進入して第2薬液回収槽36Cに混入するという問題が発生する。
しかし、本実施形態においては、円筒状仕切壁35Bと円筒状仕切壁35Cとの間の開口部がウエハWの側方を通過する際に、円筒状ガード39をスピンチャック33上でウエハWに対して上方に移動した状態にすることにより、円筒状仕切壁35Bと円筒状仕切壁35Cとの間の開口部を円筒状ガード39によって塞ぐ。これによって、処理済みの第1の薬液又はリンス液は、ウエハWを囲む円筒状ガード39の内側の空間に溜まるので、隙間Sを通過することも、円筒状仕切壁35Bと円筒状仕切壁35Cとの間の開口部に進入することもなく、従って、処理済みの第1の薬液又はリンス液が第2薬液回収槽36Cに混入することがない。すなわち、隙間Sが存在している状態で第1の薬液による処理の直後に連続してリンス液による水洗処理を行う場合に発生する可能性がある第2薬液回収槽36Cへの他種薬液混入の問題に対しては、円筒状ガード39をウエハWよりも上方に移動した状態にすることによって解決することができる。
そして、廃液槽36Bを形成する上側の円筒状仕切壁35Bの上端が、スピンチャック33に保持されたウエハWの表面よりも上方に位置するように、円筒状仕切壁35Aを除く処理カップ32を昇降機構38により移動させ終わった時点で、円筒状ガード39をウエハWに対して下方に移動した状態にする。これによって、円筒状ガード39の内側の空間に溜まっている第1の薬液又はリンス液の一部が、ウエハWの側方へと飛散する。飛散した第1の薬液又はリンス液の一部は隙間Sを通って円筒状仕切壁35Aと円筒状仕切壁35Bとの間の開口部に進入して廃液槽37Bに回収される。
続いて、図8(c)は、ウエハWに対して第2の薬液を用いた処理が行われる場合の概略断面図である。図8(c)に示すように、ウエハWをスピンチャック33に設置した後、第2薬液ノズル34Bから第2の薬液を供給する前に、第2薬液回収槽36Cの開口部、具体的には第2薬液回収槽36Cを形成する下側の円筒状仕切壁である円筒状仕切壁35Bの上端が、スピンチャック33に保持されたウエハWの表面と同程度の高さ、つまり隙間Sの下端(円筒状仕切壁35Aの上端)と同程度の高さに位置するように、処理カップ32を昇降機構38によって移動させる。このとき、円筒状ガード39はスピンチャック33上でウエハWに対して下方に移動した状態にある。
この図8(c)に示す状態において、スピンチャック33により保持されたウエハWを回転させながら、第2薬液ノズル34Bから第2の薬液を供給してウエハWを処理する。ウエハWの処理に用いられた第2の薬液は、スピンチャック33の回転による遠心力を受けてウエハWの表面上に拡がり、その後、ウエハWの側方へと飛散する。そして、飛散した第2の薬液は、隙間Sを通って円筒状仕切壁35Bと円筒状仕切壁35Cとの間の開口部に進入して第2薬液回収槽36Cに回収される。第2薬液回収槽36Cに回収された第2の薬液は第2回収ライン37Cを通って第2回収液処理設備(図示省略)に回収され、第2の薬液による処理に再利用される。ここで、第1薬液回収槽36Dの先端にある開口部は円筒状仕切壁35Eによって塞がれているため、飛散した第2の薬液の一部が第1薬液回収槽36Dに混入することはない。また、隙間Sを通過できずに円筒状仕切壁35Aの内側に留まった第2の薬液は廃液槽36Aの底面で受けられて、廃液ライン37Aを通って廃液処理設備(図示省略)へ廃液される。
以下に、本実施形態での具体的な実施例とその結果及び効果とを示す。一例として、第1の薬液としてフッ化水素(HF:H2 O=1:4(体積比))、第2の薬液としてフッ硝酸(HF(フッ化水素)とHNO3 (硝酸)との混合液(HF:HNO3 =1:25(体積比)))を使用し、Poly Silicon膜(PS膜:上層)/th−SiO2 膜(熱酸化膜:下層)が形成されたウエハWの表面上のPS膜を除去する場合について説明する。
PS膜(膜厚30nm)/th−SiO2 膜(膜厚20nm)が形成されたウエハWの表面上のPS膜(膜厚30nm)を除去するために、ウエハWを保持したスピンチャック33が毎分800回転で回転を開始した後、第1の薬液としてフッ化水素(HF:H2 O=1:4(体積比))を毎分2000mLの流量で20秒間供給しながら基板処理を行う。次に、リンス液として純水を毎分2000mLの流量で30秒間供給しながら基板処理を行う。次に、第2の薬液としてフッ硝酸(HF(フッ化水素)とHNO3 (硝酸)との混合液(HF:HNO3 =1:25(体積比)))を毎分1500mlの流量で10秒間供給しながら基板処理を行う。その後、毎分2500回転でウエハWを回転させることによる振り切り乾燥を行い、ウエハWの洗浄処理が完了する。
以上の処理をPS膜(膜厚30nm)/th−SiO2 膜(膜厚20nm)の積層構造を持つ250枚のウエハWに対して実施した場合における、フッ硝酸薬液中のフッ化水素濃度をプロットした結果を、従来の基板薬液処理装置を用いた場合と比較して図9に示す。図9から明らかなように、従来の基板薬液処理装置を用いて250枚のウエハWに対して処理を行うと、フッ硝酸薬液中のフッ化水素濃度が3.8(vol%)から4.5(vol%)まで上昇する。一方、本実施形態の基板薬液処理装置を用いた基板薬液処理方法によると、250枚のウエハWに対して処理を行っても、フッ硝酸薬液中のフッ化水素濃度が3.8(vol%)から変化しない。
以上に説明したように、本実施形態の基板薬液処理装置及びそれを用いた基板薬液処理方法によれば、複数種類の薬液を互いに混合することを防止しつつ分別回収することができ、その回収された複数種類の薬液を再利用して再び基板に処理を施すことができる。そのため、他種の薬液混入による薬液組成や薬液濃度等の変動によって発生する処理不足や処理不良等の問題を防止できると共に薬液使用量を低減することができる。これにより、例えば半導体チップに代表される電子デバイスの信頼性及び歩留りの向上を図ることができ、製品を安価に供給することができる。
尚、本実施形態において、複数の薬液回収槽又は廃液槽の開口部のうち所望の開口部を、スピンチャック33に保持されたウエハWと対応する位置に位置合わせするために、処理カップ32を昇降機構38によって移動させたが、これに代えて、スピンチャック33を上下に移動させてもよい。
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態に係る基板薬液処理装置及びそれを用いた基板薬液処理方法について図面を参照しながら説明する。
図10は本実施形態に係る基板薬液処理装置の構成の概略を示す断面図である。図10に示すように、本実施形態の基板薬液処理装置は、被処理対象の基板となるウエハWが設置され且つウエハWの表面に各種薬液による処理を行うための基板処理部41と、使用済みの各種薬液を選択的に分別回収する処理カップ42とを備えている。
基板処理部41は、ウエハWを水平に保持すると共にウエハWの中心を回転軸として回転させるスピンチャック43と、ウエハWの表面に第1の薬液を供給するための第1薬液ノズル44Aと、ウエハWの表面に第2の薬液を供給するための第2薬液ノズル44Bと、ウエハWの表面にリンス液を供給するためのリンス液ノズル44Cとから構成されている。
スピンチャック43を収容する処理カップ42は円筒状仕切壁45A、45B、45C及び45Dから構成されている。円筒状仕切壁45A〜45Dはスピンチャック43(ウエハW)の回転軸線を中心とする同心円状にスピンチャック43を取り囲むように設けられている(スピンチャック43に近い順に円筒状仕切壁45A、45B、45C及び45Dが配置されている)。円筒状仕切壁45Aに囲まれた空間は廃液槽46Aを構成し、円筒状仕切壁45Aと円筒状仕切壁45Bとによって囲まれた空間は第2薬液回収槽46Bを構成し、円筒状仕切壁45Bと円筒状仕切壁45Cとによって囲まれた空間は廃液槽46Cを構成し、円筒状仕切壁45Cと円筒状仕切壁45Dとによって囲まれた空間は第1薬液回収槽46Dを構成する。廃液槽46A及び廃液槽46Cにはそれぞれ廃液処理設備(図示省略)につながる廃液ライン47A及び47Cが接続されている。また、第2薬液回収槽46Bには第2回収液処理設備(図示省略)につながる第2回収ライン47Bが接続され、第1薬液回収槽46Dには、第1回収液処理設備(図示省略)につながる第1回収ライン47Dが接続されている。
円筒状仕切壁45A〜45Dつまり処理カップ42の下部は各仕切壁を上下に移動させるための昇降機構48に取り付けられている。また、薬液回収槽と廃液槽とは交互に配置されており、薬液回収槽を形成する円筒状仕切壁同士の間隔(つまり薬液回収槽の開口部の幅(上下幅))は例えば3cm以上であり、廃液槽を形成する円筒状仕切壁同士の間隔(つまり廃液槽の開口部の幅(上下幅))は薬液回収槽の開口部の幅よりも大きく、例えば薬液回収槽の開口部の幅の5倍以上に設定されている。
上記の条件で廃液槽及び薬液回収槽を形成する円筒状仕切壁を配置し、ウエハWに対して、薬液回収槽の開口部、具体的には薬液回収槽を形成する下側の円筒状仕切壁の上端を位置合わせして薬液による処理を行うと、ウエハWから飛散した薬液のほとんどは当該薬液回収槽に進入し、当該薬液回収槽に回収されずに飛散した薬液については当該薬液回収槽の上下に位置する廃液槽に進入するので、ウエハWから飛散した薬液が当該薬液回収槽以外の他の薬液回収槽に進入することはない。
また、ウエハWに対して、廃液槽の開口部、具体的には廃液槽を形成する下側の円筒状仕切壁の中心部を位置合わせしてリンス液による処理を行うと、ウエハWから飛散したリンス液は当該廃液槽のみに進入し、薬液回収槽に進入することはない。
以上のように、本実施形態では、各薬液回収槽に他種薬液の混入を防止するための特別な機構を取り付ける必要はなく、薬液回収槽と廃液槽とが交互に配置されるように、言い換えると、薬液回収槽間に廃液槽が介在するように複数の円筒状仕切壁を設置するだけで、他種薬液の混入を防止することができるため、基板薬液処理装置の構造を簡素化でき、それによって設備コストの削減が可能である。
尚、本実施形態の基板薬液処理装置は、リンス液ノズル44C以外の第1薬液ノズル44A及び第2薬液ノズル44Bの2種類の薬液ノズルと、廃液槽46A、廃液槽46C、第2薬液回収槽46B及び第1薬液回収槽46Dの4槽とによって構成された例であるが、薬液ノズル及び円筒状仕切壁を増設することによって、3種類以上の薬液ノズルと5槽以上の廃液槽及び薬液回収槽とによって基板薬液処理装置を構成してもよいことは言うまでもない。このようにすると、多種多様な薬液を用いて基板に各種処理を施すことが可能になる。
次に、本実施形態の基板薬液処理装置を用いた基板処理方法について、第1の薬液による処理、リンス液による処理、及び第2の薬液による処理が順次行われる場合を例として説明する。
図11(a)は、ウエハWに対して第1の薬液を用いた処理が行われる場合の概略断面図である。図11(a)に示すように、ウエハWをスピンチャック43に設置した後、第1薬液ノズル44Aから第1の薬液を供給する前に、第1薬液回収槽46Dの開口部、具体的には第1薬液回収槽46Dを形成する下側の円筒状仕切壁である円筒状仕切壁45Cの上端が、スピンチャック43に保持されたウエハWの表面と同程度の高さに位置するように、処理カップ42を昇降機構48によって移動させる。
この図11(a)に示す状態において、スピンチャック43により保持されたウエハWを回転させながら、第1薬液ノズル44Aから第1の薬液を供給してウエハWを処理する。ウエハWの処理に用いられた第1の薬液は、スピンチャック43の回転による遠心力を受けてウエハWの表面上に拡がり、その後、ウエハWの側方へと飛散する。そして、飛散した第1の薬液は円筒状仕切壁45Cと円筒状仕切壁45Dとの間の開口部に進入して第1薬液回収槽46Dに回収される。第1薬液回収槽46Dに回収された第1の薬液は第1回収ライン47Dを通って第1回収液処理設備(図示省略)に回収され、第1の薬液による処理に再利用される。ここで、ウエハWから飛散した第1の薬液のほとんどは第1薬液回収槽46Dに進入する。また、第1薬液回収槽46D(円筒状仕切壁45Cと円筒状仕切壁45Dとから構成される)の開口部の下側には、第1薬液回収槽46Dの開口部の幅の5倍以上の幅を持つ廃液槽46C(円筒状仕切壁45Bと円筒状仕切壁45Cとから構成される)の開口部が設置されているため、第1薬液回収槽46Dに回収されずに飛散した第1の薬液は第1薬液回収槽46Dの下側にある廃液槽46Cに進入するので、当該第1の薬液が第2薬液回収槽46B又は廃液槽46Aに進入することはない。
続いて、図11(b)は、ウエハWに対してリンス液を用いた処理が行われる場合の概略断面図である。図11(b)に示すように、リンス液ノズル44Cからリンス液を供給する前に、廃液槽46Cの開口部の中央部、つまり廃液槽46Cを形成する円筒状仕切壁45B及び円筒状仕切壁45Cのそれぞれの上端の間の中間点が、スピンチャック43に保持されたウエハWの表面と同程度の高さに位置するように、処理カップ42を昇降機構48によって移動させる。
この図11(b)に示す状態において、スピンチャック43により保持されたウエハWを回転させながら、リンス液ノズル44Cからリンス液を供給してウエハWを処理する。ウエハWの処理に用いられたリンス液は、スピンチャック43の回転による遠心力を受けてウエハWの表面上に拡がり、その後、ウエハWの側方へと飛散する。そして、飛散したリンス液は、幅広の開口部を持つ廃液槽46Cのみに進入し、廃液槽46Cの上下にある第1薬液回収槽46D及び第2薬液回収槽46Bに進入することはない。廃液槽46Cに回収されたリンス液は廃液ライン47Cを通って廃液処理設備(図示省略)に回収されて廃液される。
続いて、図11(c)は、ウエハWに対して第2の薬液を用いた処理が行われる場合の概略断面図である。図11(c)に示すように、ウエハWをスピンチャック43に設置した後、第2薬液ノズル44Bから第2の薬液を供給する前に、第2薬液回収槽46Bの開口部、具体的には第2薬液回収槽46Bを形成する下側の円筒状仕切壁である円筒状仕切壁45Aの上端が、スピンチャック43に保持されたウエハWの表面と同程度の高さに位置するように、処理カップ42を昇降機構48によって移動させる。
この図11(c)に示す状態において、スピンチャック43により保持されたウエハWを回転させながら、第2薬液ノズル44Bから第2の薬液を供給してウエハWを処理する。ウエハWの処理に用いられた第2の薬液は、スピンチャック43の回転による遠心力を受けてウエハWの表面上に拡がり、その後、ウエハWの側方へと飛散する。そして、飛散した第2の薬液は円筒状仕切壁45Aと円筒状仕切壁45Bとの間の開口部に進入して第2薬液回収槽46Bに回収される。第2薬液回収槽46Bに回収された第2の薬液は第2回収ライン47Bを通って第2回収液処理設備(図示省略)に回収され、第2の薬液による処理に再利用される。ここで、ウエハWから飛散した第2の薬液のほとんどは第2薬液回収槽46Bに進入する。また、第2薬液回収槽46B(円筒状仕切壁45Aと円筒状仕切壁45Bとから構成される)の開口部の上側には、第2薬液回収槽46Bの開口部の幅の5倍以上の幅を持つ廃液槽46C(円筒状仕切壁45Bと円筒状仕切壁45Cとから構成される)の開口部が設置されているため、第2薬液回収槽46Bに回収されずに飛散した第2の薬液は、第2薬液回収槽46Bの上側にある廃液槽46C、又は廃液槽46Aに進入するので、当該第2の薬液が第1薬液回収槽46Dに進入することはない。
以下に、本実施形態での具体的な実施例とその結果及び効果とを示す。一例として、第1の薬液としてフッ化水素(HF:H2 O=1:4(体積比))、第2の薬液としてフッ硝酸(HF(フッ化水素)とHNO3 (硝酸)との混合液(HF:HNO3 =1:25(体積比)))を使用し、Poly Silicon膜(PS膜:上層)/th−SiO2 膜(熱酸化膜:下層)が形成されたウエハWの表面上のPS膜を除去する場合について説明する。
PS膜(膜厚30nm)/th−SiO2 膜(膜厚20nm)が形成されたウエハWの表面上のPS膜(膜厚30nm)を除去するために、ウエハWを保持したスピンチャック43が毎分800回転で回転を開始した後、第1の薬液としてフッ化水素(HF:H2 O=1:4(体積比))を毎分2000mLの流量で20秒間供給しながら基板処理を行う。次に、リンス液として純水を毎分2000mLの流量で30秒間供給しながら基板処理を行う。次に、第2の薬液としてフッ硝酸(HF(フッ化水素)とHNO3 (硝酸)との混合液(HF:HNO3 =1:25(体積比)))を毎分1500mlの流量で10秒間供給しながら基板処理を行う。その後、毎分2500回転でウエハWを回転させることによる振り切り乾燥を行い、ウエハWの洗浄処理が完了する。
以上の処理をPS膜(膜厚30nm)/th−SiO2 膜(膜厚20nm)の積層構造を持つ250枚のウエハWに対して実施した場合における、フッ硝酸薬液中のフッ化水素濃度をプロットした結果を、従来の基板薬液処理装置を用いた場合と比較して図12に示す。図12から明らかなように、従来の基板薬液処理装置を用いて250枚のウエハWに対して処理を行うと、フッ硝酸薬液中のフッ化水素濃度が3.8(vol%)から4.5(vol%)まで上昇する。一方、本実施形態の基板薬液処理装置を用いた基板薬液処理方法によると、250枚のウエハWに対して処理を行っても、フッ硝酸薬液中のフッ化水素濃度が3.8(vol%)から変化しない。
以上に説明したように、本実施形態の基板薬液処理装置及びそれを用いた基板薬液処理方法によれば、複数種類の薬液を互いに混合することを防止しつつ分別回収することができ、その回収された複数種類の薬液を再利用して再び基板に処理を施すことができる。そのため、他種の薬液混入による薬液組成や薬液濃度等の変動によって発生する処理不足や処理不良等の問題を防止できると共に薬液使用量を低減することができる。これにより、例えば半導体チップに代表される電子デバイスの信頼性及び歩留りの向上を図ることができ、製品を安価に供給することができる。
尚、本実施形態において、複数の薬液回収槽又は廃液槽の開口部のうち所望の開口部を、スピンチャック43に保持されたウエハWと対応する位置に位置合わせするために、処理カップ42を昇降機構48によって移動させたが、これに代えて、スピンチャック43を上下に移動させてもよい。
以上に説明したように、本発明の基板薬液処理装置及びそれを用いた基板薬液処理方法は、複数種類の薬液を互いに混合することを防止しつつ分別回収することができ、その結果、回収された複数種類の薬液を再利用して基板に良好な処理を施すことができるものであり、特に、半導体素子等が搭載された半導体基板に対して薬液処理及び洗浄処理を連続して行なう際に、処理済の薬液及び洗浄液を分別回収することが可能な基板薬液処理装置及びそれを用いた基板薬液処理方法として有用である。
図1(a)は本発明の第1の実施形態に係る基板薬液処理装置の構成の概略を示す断面図であり、図1(b)は本発明の第1の実施形態に係る基板薬液処理装置におけるフタが開閉する様子を示した概略断面図である。 図2(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係る基板薬液処理方法の各処理を説明するための図である。 図3は本発明の第1の実施形態に係る基板薬液処理装置を用いて複数枚のウエハを処理した場合のフッ硝酸薬液中のフッ化水素濃度を、従来の基板薬液処理装置を用いた場合と比較して示した図である。 図4(a)は本発明の第2の実施形態に係る基板薬液処理装置の構成の概略を示す断面図であり、図4(b)は本発明の第2の実施形態に係る基板薬液処理装置におけるエアー吹き出し口からガスを吐出する様子を示した概略断面図である。 図5(a)〜(c)は本発明の第2の実施形態に係る基板薬液処理方法の各処理を説明するための図である。 図6は本発明の第2の実施形態に係る基板薬液処理装置を用いて複数枚のウエハを処理した場合のフッ硝酸薬液中のフッ化水素濃度を、従来の基板薬液処理装置を用いた場合と比較して示した図である。 図7(a)は本発明の第3の実施形態に係る基板薬液処理装置の構成の概略を示す断面図であり、図7(b)は本発明の第3の実施形態に係る基板薬液処理装置における円筒状ガードが上下動する様子を示した概略断面図である。 図8(a)〜(c)は本発明の第3の実施形態に係る基板薬液処理方法の各処理を説明するための図である。 図9は本発明の第3の実施形態に係る基板薬液処理装置を用いて複数枚のウエハを処理した場合のフッ硝酸薬液中のフッ化水素濃度を、従来の基板薬液処理装置を用いた場合と比較して示した図である。 図10は本発明の第4の実施形態に係る基板薬液処理装置の構成の概略を示す断面図である。 図11(a)〜(c)は本発明の第4の実施形態に係る基板薬液処理方法の各処理を説明するための図である。 図12は本発明の第4の実施形態に係る基板薬液処理装置を用いて複数枚のウエハを処理した場合のフッ硝酸薬液中のフッ化水素濃度を、従来の基板薬液処理装置を用いた場合と比較して示した図である。 図13は従来の基板薬液処理装置の構成の概略を示す断面図である。
符号の説明
W ウエハ
11 基板処理部
12 処理カップ
13 スピンチャック
14A 第1薬液ノズル
14B 第2薬液ノズル
14C リンス液ノズル
15A 円筒状仕切壁
15B 円筒状仕切壁
15C 円筒状仕切壁
15D 円筒状仕切壁
16A 廃液槽
16B 廃液槽
16C 第2薬液回収槽
16D 第1薬液回収槽
17A 廃液ライン
17B 廃液ライン
17C 第2回収ライン
17D 第1回収ライン
18 昇降機構
19 フタ
19A フタの側面
19B フタの側面
19C フタの側面
19D フタの鋭角部
21 基板処理部
22 処理カップ
23 スピンチャック
24A 第1薬液ノズル
24B 第2薬液ノズル
24C リンス液ノズル
25A 円筒状仕切壁
25B 円筒状仕切壁
25C 円筒状仕切壁
25D 円筒状仕切壁
26A 廃液槽
26B 廃液槽
26C 第2薬液回収槽
26D 第1薬液回収槽
27A 廃液ライン
27B 廃液ライン
27C 第2回収ライン
27D 第1回収ライン
28 昇降機構
29 エアー吹き出し口
31 基板処理部
32 処理カップ
33 スピンチャック
34A 第1薬液ノズル
34B 第2薬液ノズル
34C リンス液ノズル
35A 円筒状仕切壁
35B 円筒状仕切壁
35C 円筒状仕切壁
35D 円筒状仕切壁
35E 円筒状仕切壁
36A 廃液槽
36B 廃液槽
36C 第2薬液回収槽
36D 第1薬液回収槽
37A 廃液ライン
37B 廃液ライン
37C 第2回収ライン
37D 第1回収ライン
38 昇降機構
39 円筒状ガード
S 円筒状仕切壁35Aと円筒状仕切壁35Eとの間の隙間
41 基板処理部
42 処理カップ
43 スピンチャック
44A 第1薬液ノズル
44B 第2薬液ノズル
44C リンス液ノズル
45A 円筒状仕切壁
45B 円筒状仕切壁
45C 円筒状仕切壁
45D 円筒状仕切壁
46A 廃液槽
46B 第2薬液回収槽
46C 廃液槽
46D 第1薬液回収槽
47A 廃液ライン
47B 第2回収ライン
47C 廃液ライン
47D 第1回収ライン
48 昇降機構

Claims (14)

  1. 複数種類の薬液を用いて基板を処理する基板薬液処理装置であって、
    前記基板を保持しながら回転させる基板保持機構と、
    前記基板の表面に前記各薬液を吐出する複数の薬液供給機構と、
    前記基板保持機構を取り囲み且つ前記基板から飛散した前記各薬液を回収する薬液回収機構とを備え、
    前記薬液回収機構は、複数の開口部と、当該各開口部と個別につながる複数の薬液回収槽又は廃液槽と、前記基板保持機構に保持された前記基板と対応する位置に前記複数の開口部のうちの所望の開口部を位置合わせするための動作機構とを有し、
    前記各開口部は、前記基板に対する前記各薬液を用いた処理に対応してそれぞれ独立して開閉するフタを有することを特徴とする基板薬液処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板薬液処理装置において、
    前記複数の開口部のうちの前記所望の開口部のフタのみを開くことによって、前記基板から飛散した所定の薬液を前記所望の開口部につながる薬液回収槽又は廃液槽に回収する一方、前記所望の開口部以外の他の開口部につながる薬液回収槽又は廃液槽に前記基板から飛散した前記所定の薬液が回収されることを防止することを特徴とする基板薬液処理装置。
  3. 複数種類の薬液を用いて基板を処理する基板薬液処理装置であって、
    前記基板を保持しながら回転させる基板保持機構と、
    前記基板の表面に前記各薬液を吐出する複数の薬液供給機構と、
    前記基板保持機構を取り囲み且つ前記基板から飛散した前記各薬液を回収する薬液回収機構とを備え、
    前記薬液回収機構は、複数の開口部と、当該各開口部と個別につながる複数の薬液回収槽又は廃液槽と、前記基板保持機構に保持された前記基板と対応する位置に前記複数の開口部のうちの所望の開口部を位置合わせするための動作機構とを有し、
    前記各開口部は、前記基板に対する前記各薬液を用いた処理に対応してそれぞれ独立してエアーカーテンとなるガスを吐出するガス吐出機構を有することを特徴とする基板薬液処理装置。
  4. 請求項3に記載の基板薬液処理装置において、
    前記ガス吐出機構は、前記各開口部における前記基板保持機構の周囲に等間隔に複数個設置され、
    前記複数の開口部のうち前記所望の開口部を除く他の開口部に設置されたガス吐出機構がガスを吐出することによって、前記基板から飛散した所定の薬液を前記所望の開口部につながる薬液回収槽又は廃液槽に回収する一方、前記他の開口部につながる薬液回収槽又は廃液槽に前記基板から飛散した前記所定の薬液が回収されることを防止することを特徴とする基板薬液処理装置。
  5. 複数種類の薬液を用いて基板を処理する基板薬液処理装置であって、
    前記基板を保持しながら回転させる基板保持機構と、
    前記基板の表面に前記各薬液を吐出する複数の薬液供給機構と、
    前記基板保持機構を取り囲み且つ前記基板から飛散した前記各薬液を回収する薬液回収機構とを備え、
    前記薬液回収機構は、複数の開口部と、当該各開口部と個別につながる複数の薬液回収槽又は廃液槽と、前記基板保持機構に保持された前記基板と対応する位置に前記複数の開口部のうちの所望の開口部を位置合わせするための動作機構とを有し、
    前記基板保持機構と前記薬液回収機構との間において前記基板保持機構を取り囲み且つ前記基板から飛散した所定の薬液を前記所望の開口部に放出させるための隙間を有する円筒状部材をさらに備えていることを特徴とする基板薬液処理装置。
  6. 請求項5に記載の基板薬液処理装置において、
    前記基板保持機構における前記基板の周囲に、前記薬液回収機構が移動する際に前記円筒状部材の前記隙間を通して前記各開口部に前記各薬液が進入することを防止する上下可動式の円筒状ガードが設けられていることを特徴とする基板薬液処理装置。
  7. 請求項5又は6に記載の基板薬液処理装置において、
    前記円筒状部材の前記隙間の幅は、前記各開口部の幅と対応するように設定されており、
    前記基板から飛散した前記所定の薬液を前記円筒状部材の前記隙間を通して前記所望の開口部に対してのみ放出させることによって、前記基板から飛散した前記所定の薬液を前記所望の開口部につながる薬液回収槽又は廃液槽に回収する一方、前記所望の開口部以外の他の開口部につながる薬液回収槽又は廃液槽に前記基板から飛散した前記所定の薬液が回収されることを防止することを特徴とする基板薬液処理装置。
  8. 複数種類の薬液を用いて基板を処理する基板薬液処理装置であって、
    前記基板を水平に保持しながら回転させる基板保持機構と、
    前記基板の表面に前記各薬液を吐出する複数の薬液供給機構と、
    前記基板保持機構を取り囲み且つ前記基板から飛散した前記各薬液を回収する薬液回収機構とを備え、
    前記薬液回収機構は、複数の開口部と、当該各開口部と個別につながる複数の薬液回収槽又は廃液槽と、前記基板保持機構に保持された前記基板と対応する位置に前記複数の開口部のうちの所望の開口部を位置合わせするための動作機構とを有し、
    前記各開口部は、薬液回収槽と廃液槽とに交互につながるように配置され、
    前記複数の開口部のうち廃液槽につながる開口部の幅は、前記複数の開口部のうち薬液回収槽につながる開口部の幅よりも大きいことを特徴とする基板薬液処理装置。
  9. 請求項8に記載の基板薬液処理装置において、
    前記所望の開口部には薬液回収槽がつながれており且つ当該薬液回収槽に前記基板から飛散した所定の薬液を回収する場合には、前記複数の開口部のうち廃液槽につながる相対的に幅広の開口部が前記所望の開口部に隣接することにより、前記所望の開口部以外の他の開口部につながる薬液回収槽に前記基板から飛散した薬液が回収されることを防止し、
    前記所望の開口部には廃液槽がつながれており且つ当該廃液槽に前記基板から飛散した所定の薬液を回収する際には、相対的に幅広の開口部である前記所望の開口部の中央部を、前記基板保持機構に保持された前記基板と対応する位置に位置合わせすることにより、前記所望の開口部以外の他の開口部につながる薬液回収槽に前記基板から飛散した薬液が回収されることを防止することを特徴とする基板薬液処理装置。
  10. 請求項8又は9に記載の基板薬液処理装置において、
    前記複数の開口部のうち廃液槽につながる開口部の幅は、前記複数の開口部のうち薬液回収槽につながる開口部の幅の5倍以上であることを特徴とする基板薬液処理装置。
  11. 請求項1に記載の基板薬液処理装置を用いた基板薬液処理方法であって、
    前記基板保持機構に保持された前記基板と対応する位置に前記所望の開口部を位置合わせする工程と、
    前記基板を前記位置において回転させながら、前記基板に向けて所定の薬液を吐出する工程とを備え、
    前記所定の薬液を吐出する工程において、前記複数の開口部のうちの前記所望の開口部のフタのみを開くことによって、前記基板から飛散した前記所定の薬液を前記所望の開口部につながる薬液回収槽又は廃液槽に回収する一方、前記所望の開口部以外の他の開口部につながる薬液回収槽又は廃液槽に前記基板から飛散した前記所定の薬液が回収されることを防止することを特徴とする基板薬液処理方法。
  12. 請求項3に記載の基板薬液処理装置を用いた基板薬液処理方法であって、
    前記基板保持機構に保持された前記基板と対応する位置に前記所望の開口部を位置合わせする工程と、
    前記基板を前記位置において回転させながら、前記基板に向けて所定の薬液を吐出する工程とを備え、
    前記所定の薬液を吐出する工程において、前記複数の開口部のうち前記所望の開口部を除く他の開口部に設置されたガス吐出機構がガスを吐出することによって、前記基板から飛散した所定の薬液を前記所望の開口部につながる薬液回収槽又は廃液槽に回収する一方、前記他の開口部につながる薬液回収槽又は廃液槽に前記基板から飛散した前記所定の薬液が回収されることを防止することを特徴とする基板薬液処理方法。
  13. 請求項5に記載の基板薬液処理装置を用いた基板薬液処理方法であって、
    前記基板保持機構に保持された前記基板及び前記円筒状部材の前記隙間と対応する位置に前記所望の開口部を位置合わせする工程と、
    前記基板を前記位置において回転させながら、前記基板に向けて前記所定の薬液を吐出する工程とを備え、
    前記所定の薬液を吐出する工程において、前記基板から飛散した前記所定の薬液を前記円筒状部材の前記隙間を通して前記所望の開口部に対してのみ放出させることによって、前記基板から飛散した前記所定の薬液を前記所望の開口部につながる薬液回収槽又は廃液槽に回収する一方、前記所望の開口部以外の他の開口部につながる薬液回収槽又は廃液槽に前記基板から飛散した前記所定の薬液が回収されることを防止することを特徴とする基板薬液処理方法。
  14. 請求項8に記載の基板薬液処理装置を用いた基板薬液処理方法であって、
    前記基板保持機構に保持された前記基板に前記所望の開口部を位置合わせする工程と、
    前記基板を前記位置において回転させながら、前記基板に向けて所定の薬液を吐出する工程とを備え、
    前記所定の薬液を吐出する工程において、前記所望の開口部には薬液回収槽がつながれており且つ当該薬液回収槽に前記基板から飛散した前記所定の薬液を回収する場合には、前記複数の開口部のうち廃液槽につながる相対的に幅広の開口部が前記所望の開口部に隣接することにより、前記所望の開口部以外の他の開口部につながる薬液回収槽に前記基板から飛散した薬液が回収されることを防止し、
    前記所定の薬液を吐出する工程において、前記所望の開口部には廃液槽がつながれており且つ当該廃液槽に前記基板から飛散した前記所定の薬液を回収する際には、相対的に幅広の開口部である前記所望の開口部の中央部を、前記基板保持機構に保持された前記基板と対応する位置に位置合わせすることにより、前記所望の開口部以外の他の開口部につながる薬液回収槽に前記基板から飛散した薬液が回収されることを防止することを特徴とする基板薬液処理方法。
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