JP2008117646A - 空間電荷バランス制御システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】イオナイザにより発生させた正負のイオンを作業領域において捕捉し、正負イオン濃度を検出するアンテナ21及びイオンセンサ22と、これらのセンサ部により検出した正負イオン濃度をバランスさせるように、過剰なイオンの極性とは逆の極性の制御電圧を生成するコントロールユニット23と、前記制御電圧が印加されて前記作業領域における過剰なイオンを吸収し正負イオン濃度をバランスさせるための吸収電極24とを備え、アンテナ21及び吸収電極24を、作業領域30を包囲するように同心円状に配置する。
【選択図】図1
Description
図10はこの種のイオナイザの従来技術を示すブロック図であり、後述の特許文献1に記載されているものである。
このイオナイザは、被制御空間の絶対湿度が高いほど正イオンが過剰になり易く、絶対湿度が低いほど負イオンが過剰になり易いことに着目したものであり、絶対湿度センサ104により検出した被制御空間の絶対湿度が高い場合には正イオンに対する負イオンの相対的発生量を増加させ、逆に被制御空間の絶対湿度が低い場合には負イオンに対する正イオンの相対的発生量を増加させるようにコントローラ101によりパワーアンプ102を制御し、エミッタ103から発生する正負イオン濃度を制御してイオンバランスを保っている。
このため、特許文献1の段落[0011],[0017]等に記載されているように、予め室内に1個または複数個のイオンセンサを配置してイオンバランスがとれるようにイオナイザをセットしておき、次いで絶対湿度センサをセットすると共に、絶対湿度とイオンバランスのずれとの関係に応じてフィードバック条件を設定し、以後は絶対湿度の検出値に応じたフィードバック制御によりイオンバランスを保つものであり、定常時には前記イオンセンサを取り外すか設置したままとするものである。
そこで、本発明の解決課題は、センサを単一化して構成の簡略化を図り、低コストにて正負のイオン濃度をバランスさせることができる空間電荷バランス制御システムを提供することにある。
このため、除電対象物を低電位に抑え、一方の極性に帯電するのを防止することができる。
また、回路構成上、従来技術のように複数のセンサを用いる必要がないので、構成の簡略化及びコストの低減が可能である。
まず、図1は、本実施形態に係る空間電荷バランス制御システムの概略的な構成図である。
この制御システム20は、作業領域30に配置されてエミッタ12の周囲から除電対象物31方向に送られる正イオン、負イオンを捕捉する導電性のアンテナ21と、捕捉した正負イオン濃度に応じてアンテナ21から出力される過剰イオン電流iISを電圧VICに変換するイオンセンサ22と、その電圧VICに応じた制御電圧VOCを出力するコントロールユニット23と、作業領域30に配置されて前記制御電圧VOCが印加される吸収電極24とから構成されている。
上記構成において、アンテナ21及びイオンセンサ22は、請求項に記載したセンサ部を構成している。
これにより、過剰な正イオンは逆極性の電圧が印加された吸収電極24によって吸収されるため、作業領域30は全体として正負イオン濃度がバランスするようになり、その電位は低電位に保たれることになる。
作業領域30の負イオン濃度が正イオン濃度より高い場合の動作は、上述した動作において極性を逆転させれば良く、容易に推測可能であるため詳述を省略する。
この第1実施例は、作業領域30を取り囲むように円環状のアンテナ21及び吸収電極24を同心円状に配置した例である。なお、作業領域30のほぼ中心には、ソケット32が配置されており、このソケット32にLSI等の除電対象物を装着して除電性能の試験を行うように構成されている。
この実施例によれば、作業領域30のイオンバランスを均等かつ高精度に検出し、過剰な極性のイオンを均等に吸収することが可能である。
この第2実施例は、アンテナ21と吸収電極24との間の空間に円環状の接地電極25を同心円状に配置した例である。
この実施例によれば、吸収電極24に制御電圧VOCを印加した場合に電界が吸収電極24と接地電極25との間だけに作用するようになり、上記電界によるアンテナ21への悪影響を防止することができる。
図4において、アンテナ21に接続されたイオンセンサ22は、MOSFET221,222、抵抗223及びコンデンサ224により構成されている。また、コントロールユニット23は、直流電源231と、ブリッジ回路を構成する抵抗232a〜232dと、反転増幅器を構成するオペアンプ234,237及び帰還抵抗235,238、並びに抵抗233,236とによって構成されている。なお、239は吸収電極24に接続される出力端子である。
また、帰還抵抗238を可変として増幅率を変化させることにより制御電圧VOCを調整すれば、吸収電極24に吸収されるイオンの量を調整することが可能である。
ここで、イオンセンサ22及びコントロールユニット23の回路構成は、図4の例に何ら限定されるものではない。
まず、プローブ41を±1100〔V〕に充電し、その後、イオナイザ10によってプローブ41が除電される様子をCPM40により測定した。
図6は、プローブ電位VP〔V〕と除電時間tN〔s〕との関係を示す図である。この試験装置では、プローブ41の静電容量CPが45〔pF〕程度であるため、図6ではプローブ電位VPがほぼ0〔V〕になるまでの除電時間tN〔s〕が約50〔s〕となっているが、例えばLSIを除電する場合にはその静電容量が約1〔pF〕であるため、プローブ電位VPがほぼ0〔V〕になるまでの除電時間tN〔s〕は1〔s〕程度と考えられる。
この図7において、プローブ電位VPが−10〔V〕〜+10〔V〕の範囲では制御電圧VOCがほぼ直線状に変化しており、正負イオンのアンバランスに起因するプローブ電位VPに応じたセンサ部の検出出力により、所定の制御電圧VOCが吸収電極24に印加されていることが判る。なお、プローブ電位VPの絶対値が10〔V〕以上になると、センサ部の特性の飽和によって制御電圧VOCは一定値となる。
この図8によれば、制御電圧VOCを変化させて吸収電極24による正イオンまたは負イオンの吸収量を制御し、正負のイオンバランスを制御することができ、結果としてプローブ電位VPを制御できることが判る。
図9によれば、プローブ電位VPが±5〔V〕以内になるまでの時間(応答時間)はほぼ10〜20〔s〕程度であり、一般にイオナイザが生成する正負イオンのバランスが短時間で急激に変化することはないので、上記の応答時間は実用上、十分な値であると考えられる。
11:高電圧ユニット
12:エミッタ
20:空間電荷バランス制御システム
21:アンテナ
22:イオンセンサ
23:コントロールユニット
24:吸収電極
25:接地電極
26:ユニット
30:作業領域
31:除電対象物
32:ソケット
40:チャージプレートモニタ
41:プローブ
Claims (6)
- イオナイザにより発生させた正負のイオンを作業領域において捕捉し、正負イオン濃度を検出するセンサ部と、
このセンサ部により検出した正負イオン濃度をバランスさせるように、過剰なイオンの極性とは逆の極性の制御電圧を生成するコントロールユニットと、
前記制御電圧が印加されて前記作業領域における過剰なイオンを吸収し正負イオン濃度をバランスさせるための吸収電極と、
を備えたことを特徴とする空間電荷バランス制御システム。 - 請求項1に記載した空間電荷バランス制御システムにおいて、
前記センサ部は、前記作業領域に配置されたアンテナと、このアンテナに接続されて正負イオン濃度に応じた電圧を前記コントロールユニットに出力するイオンセンサと、からなることを特徴とする空間電荷バランス制御システム。 - 請求項2に記載した空間電荷バランス制御システムにおいて、
前記アンテナ及び前記吸収電極を、前記作業領域を取り囲むように配置したことを特徴とする空間電荷バランス制御システム。 - 請求項3に記載した空間電荷バランス制御システムにおいて、
前記アンテナと前記吸収電極との間に、接地電極を配置したことを特徴とする空間電荷バランス制御システム。 - 請求項3に記載した空間電荷バランス制御システムにおいて、
前記アンテナ及び前記吸収電極を同心円状に配置したことを特徴とする空間電荷バランス制御システム。 - 請求項4に記載した空間電荷バランス制御システムにおいて、
前記アンテナ、前記吸収電極及び前記接地電極を同心円状に配置したことを特徴とする空間電荷バランス制御システム。
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