JP2006019650A - イオンバランスセンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】正イオンまたは負イオンにより帯電するアンテナ20と、アンテナ20がゲート電極Gに接続され、接地されたソース電極Sとゲート電極Gとの間にイオンバランス検出用抵抗Rが接続されると共に、ソース電極Sとドレイン電極Dとの間に直流電源VDSと負荷抵抗RLとが直列に接続されたノーマリーオン形のMOSFET11とを備える。帯電したアンテナ20接地間をイオンバランス検出用抵抗Rを介して流れる電流による電圧降下によってゲート電極Gの電圧を変化させ、この電圧によるドレイン電流の変化を検出してアンテナ20を帯電させたイオンの正負のバランスを検出する。
【選択図】図1
Description
この従来技術は、イオンバランス測定器内に二つの静電位センサを設けると共に、除電対象物の静電位を測定する静電位センサを静電位測定対象物に向け、自己(イオンバランス測定器)の周囲の静電位を測定する静電位センサを静電位測定対象物に向けないように配置し、二つの静電位センサの測定値の差を演算し、自己の周囲のイオンの影響による対象物の静電位測定値に含まれる誤差を軽減して除電対象物の静電位を測定するものである。
また、特許文献2に記載された発明では、イオナイザの吹き出し口付近におけるイオンバランスを制御しているに過ぎず、実際の除電対象物の表面におけるイオンバランスを正確に制御できないという問題があった。
このアンテナがゲート電極に接続され、接地されたソース電極とゲート電極との間にイオンバランス検出用抵抗が接続されると共に、ソース電極とドレイン電極との間に直流電源と負荷抵抗とが直列に接続されたノーマリーオン形のMOSFETと、を備え、
帯電したアンテナと接地との間を前記イオンバランス検出用抵抗を介して流れる電流による電圧降下によってゲート電極の電圧を変化させ、このゲート電極の電圧によるドレイン電流の変化を検出することにより、前記アンテナを帯電させたイオンの正負のバランスを検出するものである。
このアンテナが各ゲート電極に接続され、接地された各ソース電極と各ゲート電極との間にイオンバランス検出用抵抗がそれぞれ接続されると共に、各ソース電極と各ドレイン電極との間に直流電源と発光ダイオードとがそれぞれ直列に接続されたノーマリーオフ形のnチャンネルMOSFET及びノーマリーオフ形のpチャンネルMOSFETと、を備え、
帯電したアンテナと接地との間を前記イオンバランス検出用抵抗を介して流れる電流による電圧降下によってゲート電極の電圧を変化させ、このゲート電極の電圧により何れかのMOSFETのドレイン電流を増加させて当該MOSFET側の発光ダイオードを発光させることにより、前記アンテナを帯電させたイオンの正負のバランスを検出するものである。
前記イオンバランス検出用抵抗を、個々の抵抗値が異なる複数の抵抗により構成し、これらの抵抗のうちの一つを選択してソース電極とゲート電極との間に接続するものである。
前記アンテナを構成するプローブにより中空の空間を形成し、ゲート電極を含むMOSFET及び前記イオンバランス検出用抵抗を前記空間に内蔵したものである。
上記の本発明では、回路構成が極めて簡単であるため、小形化及び製造コストの低減が可能である。また、アンテナを除電対象物の近傍において使用できるから、正負イオンの到達位置におけるイオンバランスを正確に検出でき、半導体デバイス等の製造プロセスに適用した際に極めて有用である。
図1において、11はノーマリーオン形(ディプレッション形)のnチャンネルMOSFETであり、そのゲート電極Gには導電性のアンテナ20が接続されている。このアンテナ20には、図示されていないイオナイザにより発生した正負イオンが吹き付けられるようになっている。すなわち、半導体デバイス等の除電対象物の表面近傍にアンテナ20を配置することにより、アンテナ20が正負イオンを捕捉するように構成されている。
更に、DGSは、MOSFET11の静電破壊を防止するためにその製造プロセスで予め作り込まれた保護用ダイオードであり、図示する極性でゲート電極Gとソース電極Sとの間に接続されている。
MOSFET11はノーマリーオン形であるため、周知の図2(a)のような特性を持ち、ゲート電圧(VGS)が0[V]の状態でソース電極S、ドレイン電極間にチャンネル(図1の例ではnチャンネル)が形成され、直流電源VDSによってドレイン電流IDが流れている。ここで、ゲート電圧が0[V]の状態とは、アンテナ20が正負何れにも帯電していない状態であり、イオナイザから吹き付けられる正負イオンのイオンバランスがとれている状態に相当する。
このときの出力端子Outの電圧Voutを、図2(b)に示す如くV1(負の値)とする。
特に、温度変化の影響を受けやすく、個々のMOSFETによってばらつきがある保護用ダイオードDGSの逆方向抵抗値として所望の値を得るのは難しいことから、抵抗値が既知である抵抗Rを用いることは、イオンバランスに応じたMOSFET11の動作を確実にするものである。
従って、検出したアンバランス状態に応じてフィードバック制御によりイオナイザのエミッタに印加する正または負の電圧を調整することにより、正負のイオンバランスを適正に制御することも可能になる。
この実施形態においても、イオンバランスがとれているVGS=0の状態から出力電圧Voutが正負どちらに変化したかによって正負イオンのアンバランス状態を検出することが可能である。
前述した第1、第2実施形態において、正負イオンのアンバランスが大きいと、イオンバランス検出用抵抗Rの電圧降下によってゲート電極Gに印加される電圧VGSが大きくなり、ドレイン電流IDが飽和してこのIDによる出力電圧Voutの変化の様子が検出不可能になってしまう。
そこで、この第3実施形態では、イオンバランス検出用抵抗として抵抗値(何れの抵抗値も保護用ダイオードDGSの逆方向抵抗値より十分に低い値とする)が異なる複数の抵抗を並列的に設け、対象とする除電システムに最適な抵抗値のイオンバランス検出用抵抗を選択できるようにしたものである。
その動作としては、切替スイッチ13により抵抗値の異なるイオンバランス検出用抵抗R1,R2,R3,……のうち何れかを選択可能である点以外は図1の実施形態と同様である。例えば、ある抵抗R1をゲート電極Gとソース電極Sとの間に接続した状態で正負イオンのアンバランスによりドレイン電流IDが飽和し、出力電圧Voutに変化が見られない場合には、ドレイン電流IDが非飽和領域になる電圧VGSを発生させる他の抵抗R2,R3,……を選択するように切替スイッチ13を切り替えればよい。
上述した第1〜第3実施形態において、アンテナ20が帯電している極性に関わらず、アンテナ20とゲート電極Gとの間のリード線に周囲からノイズが混入すると、このノイズによってMOSFETがオンしてしまい、ドレイン電流IDが増加するおそれがある。この第4実施形態は、上記の不都合を解消するためのものである。
なお、ソース電極S及びドレイン電極にはリード線31が接続され、これらのリード線31はシールドカバー32により包囲されて管状部21b内を通り、外部に導出されている。リード線31には、図示されていない直流電源及び負荷抵抗が接続されている。また、図5では、MOSFET11の静電破壊を防止する保護用ダイオードは図示を省略してある。
また、前記球状部21aには、図4に示したようにMOSFET11と複数のイオンバランス検出用抵抗R1,R2,R3,……とからなる構成部品を内蔵しても良く、また、pチャンネルのMOSFET12を用いても良いのは勿論である。
なお、この実施形態において、図5に示したように球状部21a及び管状部21bを一体化して導電性部材により形成するだけでなく、球状部21aを導電性部材により形成してアンテナとして動作させ、管状部21bを絶縁体により形成しても良い。また、球状部21a及び管状部21bを導電性部材により形成すると共に両者を絶縁体により電気的に分離し、球状部21aをアンテナとして動作させる一方で、管状部21bを接地しても良い。この場合には、接地された管状部21bの周辺のイオンは検出されることなく管状部21bから大地へ吸収されることになる。
図6において、nチャンネルのMOSFET11’及びpチャンネルのMOSFET12’は何れもノーマリーオフ形(エンハンスメント形)であり、これらのゲート電極Gは何れもアンテナ20に接続されている。また、各MOSFET11’,12’のゲート電極Gとソース電極Sとの間には前記同様にイオンバランス検出用抵抗Rがそれぞれ接続されている。なお、この図でも、保護用ダイオードの図示を省略してある。
図示されていないが、この実施形態においても、イオンバランス検出用抵抗を複数設けて切替可能としたり、アンテナ20を図5のプローブ21のように形成してその球状部に発光ダイオードLED1,LED2及び直流電源VDS1,VDS2以外の構成部品を内蔵しても良い。
なお、上記各実施形態では、単体のMOSFETを用いる場合について説明したが、いわゆるFET入力オペアンプと呼ばれるオペアンプの入力段に形成されたMOSFETに対しても、本発明を適用することが可能である。
12,12’:MOSFET(pチャンネル)
13:切替スイッチ
20:アンテナ
21:プローブ
21a:球状部
21b:管状部
31:リード線
32:シールドカバー
G:ゲート電極
S:ソース電極
D:ドレイン電極
VDS,VDS1,VDS2:直流電源
RL:負荷抵抗
R,R1,R2,R3:イオンバランス検出用抵抗
DGS:保護用ダイオード
LED1,LED2:発光ダイオード
Out:出力端子
Claims (5)
- 正イオンまたは負イオンにより帯電するアンテナと、
このアンテナがゲート電極に接続され、接地されたソース電極とゲート電極との間にイオンバランス検出用抵抗が接続されると共に、ソース電極とドレイン電極との間に直流電源と負荷抵抗とが直列に接続されたノーマリーオン形のMOSFETと、を備え、
帯電したアンテナと接地との間を前記イオンバランス検出用抵抗を介して流れる電流による電圧降下によってゲート電極の電圧を変化させ、このゲート電極の電圧によるドレイン電流の変化を検出することにより、前記アンテナを帯電させたイオンの正負のバランスを検出することを特徴とするイオンバランスセンサ。 - 正イオンまたは負イオンにより帯電するアンテナと、
このアンテナが各ゲート電極に接続され、接地された各ソース電極と各ゲート電極との間にイオンバランス検出用抵抗がそれぞれ接続されると共に、各ソース電極と各ドレイン電極との間に直流電源と発光ダイオードとがそれぞれ直列に接続されたノーマリーオフ形のnチャンネルMOSFET及びノーマリーオフ形のpチャンネルMOSFETと、を備え、
帯電したアンテナと接地との間を前記イオンバランス検出用抵抗を介して流れる電流による電圧降下によってゲート電極の電圧を変化させ、このゲート電極の電圧により何れかのMOSFETのドレイン電流を増加させて当該MOSFET側の発光ダイオードを発光させることにより、前記アンテナを帯電させたイオンの正負のバランスを検出することを特徴とするイオンバランスセンサ。 - 請求項1または2に記載したイオンバランスセンサにおいて、
前記イオンバランス検出用抵抗を、個々の抵抗値が異なる複数の抵抗により構成し、これらの抵抗のうちの一つを選択してソース電極とゲート電極との間に接続することを特徴とするイオンバランスセンサ。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載したイオンバランスセンサにおいて、
前記アンテナを構成するプローブにより中空の空間を形成し、ゲート電極を含むMOSFET及び前記イオンバランス検出用抵抗を前記空間に内蔵したことを特徴とするイオンバランスセンサ。 - 請求項1〜4の何れか1項に記載したイオンバランスセンサにおいて、
前記イオンバランス検出用抵抗の抵抗値を、MOSFETのソース電極とゲート電極との間に接続されて静電破壊を防止する保護用ダイオードの逆方向抵抗値よりも小さくしたことを特徴とするイオンバランスセンサ。
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