JP2008116787A - 光ファイバコリメータおよびその製造方法 - Google Patents

光ファイバコリメータおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多芯型の光ファイバコリメータの製造工程における光ファイバのずれによる光学特性の低下の問題を解決する。
【解決手段】コリメータレンズ103に光ファイバ101と102を放電による融着により接続する構造において、光ファイバ101と102の端部を斜めカットし、斜面101aと102aを有した構造とする。そして、斜面101aの向きと斜面102aの向きが逆向きとなるように、一方の光ファイバを他方の光ファイバに対して180度その光軸回りに回転させた状態とする。これにより、融着時における光ファイバの位置のずれが発生しても一方の光ファイバ→コリメータレンズ103→反射面104→コリメータレンズ103→他方の光ファイバと伝送する光信号の損失の低下を少なくすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光通信や光情報処理等に用いられる光ファイバコリメータおよびその製造方法に関する。
光通信の分野においては、光スイッチ、光アイソレータ、光サーキュレータ、光アッテネータ、光分波器等の様々な光機能素子が必要となる。これら光機能素子には、光ファイバが直接あるいはコリメータレンズと呼ばれる光学部材を介して接続される。コリメータレンズに光ファイバが接続された構造は、光ファイバコリメータと呼ばれている。光ファイバコリメータは、光ファイバ端面から出射される光束をコリメータレンズによって平行光束とし、光学部材内に導く機能、或いは逆に光学部材を透過した平行光束をコリメータレンズによって収束して光ファイバに導く機能を有する。
光ファイバコリメータは、各種の光学部材と光ファイバとを接続する際に欠かせない重要な構成部品である。一方、光ファイバを用いた通信網は、長距離通信からビル内やオフィス内における通信ネットワークにまで広く利用され、その利用は今後さらに増えてゆく傾向にある。そのような背景において、光ファイバコリメータには、大幅な低価格化が望まれている。光ファイバコリメータを低価格化するには、部品点数を削減するのが有効となる。光ファイバコリメータの部品点数を削減する技術として、コリメータレンズに光ファイバを溶着により直接接合する技術が提案されている(例えば、特許文献1および2を参照)。
ところで、上述したコリメータレンズに光ファイバを溶着により直接接合する技術では、コリメータレンズの光軸に対して光ファイバの光軸が合致するように位置合わせを行った後に、放電等の手段によりコリメータレンズに対して光ファイバを融着する。このコリメータレンズに溶着させる光ファイバは、光ファイバの端面を斜めにカットし、光ファイバの射出端面における反射光が本来の光信号に混入しないようにしている。
しかしながら、この端面を斜めにカットした光ファイバをコリメータレンズの端面に接触させた状態で光軸合わせのための位置調整を行い、その後に放電により融着を行う場合、光軸を合わせた位置から光ファイバがずれた状態で融着が行われる場合がある。これは、放電時にコリメータレンズ側が膨張および熔融し、その膨張および熔融した材料により光ファイバの端面が押されるが、その際に光ファイバの端部が斜めカットされていると、横方向に光ファイバを押す力が発生するからである。
図8には、放電により、コリメータレンズに光ファイバを融着する状態が概念的に示されている。図8に示すように、まず先端が符号14で示されるように斜めカットされた光ファイバ12をコリメータレンズ11に対して位置合わせし、次いで電極13aおよび13b間で放電を行うことで、より低融点のコリメータレンズ11の表面が膨張されるとともに溶融され、毛細管現象により光ファイバ12とコリメータレンズ11との楔形の隙間を埋める形になって、融着が行われる。
この放電の際、光ファイバ12に対し若干横方向に力がかかり、光ファイバ12がその本来の設定光軸15から動く可能性がある。すなわち、光ファイバ12先端の符号14で示される斜めカットされた部分が、コリメータレンズ11側から盛り上がるコリメータレンズの構成材料(膨張し熔融したコリメータレンズの構成材料)によって押されるが、その押される面が斜面であるので、光軸に垂直な方向への力の成分が発生し、光ファイバ12がその本来の設定光軸15から横方向に働く可能性が高い。設定光軸15の方向から見た場合、この光ファイバ12が動く可能性が高い方向は、斜めカット面の面方向16(斜面の法線方向ベクトル)の設定光軸15に対する正弦成分のベクトル16a(図の場合でいうと矢印16で示されるベクトルのsinθ方向のベクトル成分)の方向と逆方向となる。つまり、図1の場合でいうと、ベクトル16で示されるように少し上に向いた方向に面が現れるように斜めカット14がされている場合、光ファイバ12の先端位置は、本来の設定光軸15に対してベクトル16aの逆方向(図の下方向)にずれる可能性が高い。
コリメータレンズに一つの光ファイバを接続した構造の光ファイバコリメータの場合、上記のコリメータレンズに対する光軸のずれが発生しても、対向する光ファイバコリメータを相互に偏芯調整することで、結合効率に影響が出ないように調整することが可能である。
特開2005−234441号 特開2006−209585号
しかしながら、コリメータレンズに複数の光ファイバを接続し、一方の光ファイバから入射させた光信号をコリメータレンズの前方にある反射部材や素子で反射させ、それを他方の光ファイバから出力させるような所謂多芯型の光ファイバコリメータの場合には、上述した放電融着時の位置ずれを融着工程の後に調整する手法が困難となる。そのため、この種の多芯型の光ファイバコリメータにおいては、放電融着の際における光ファイバのずれの許容範囲は極めて小さく、製造歩留まりの点で不利であった。またそのために、定コスト化が困難であった。
本発明は、上述した多芯型の光ファイバコリメータの製造工程における光ファイバのずれによる光学特性の低下の問題を解決することを目的とする。
ところで、2本の光ファイバをコリメータレンズに接続し、コリメータレンズの前方で一方の光ファイバからの入射光を反射させて、他方の光ファイバに導き、そこから出力させる場合、光ファイバの接続時に2本の光ファイバのそれぞれが、互いに離れる方向に動くか、あるいは互いに近付く方向に動くと、光軸のずれに起因する光学的な影響がキャンセルされ、光学特性への悪影響が抑えられることが分かっている。
そこで本発明は、上述したコリメータレンズに対する光ファイバの接続時における光軸のずれが傾斜面の方向に関係する現象と、2つの光ファイバ間のずれの方向が所定の関係にあれば、ずれの光学的な影響がキャンセルされる現象とを組み合わせ、2本の光ファイバの傾斜面の方向の関係を特定の関係に設定する。これにより、接続工程時に光ファイバの位置にずれが発生しても、その影響が光ファイバコリメータの性能に現れることを抑えることができる。
すなわち、本発明では、コリメータレンズに接続され、先端が斜めカットされて斜面とされた2つの光ファイバの一方を、他方に対して略180度その光軸回りに回転させた状態とする。こうすることで、コリメータレンズに対する2本の光ファイバの接続時に、斜面の存在に起因して、光ファイバの先端の位置が位置調整で設定した位置からずれたとしても、そのずれに起因する2本の光ファイバ間における光学特性への悪影響がキャンセルされる。このため、2本の光ファイバをコリメータレンズに接続した光ファイバコリメータの性能低下を抑えることができる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、屈折面と該屈折面に対向した透過平面とを備えたコリメータレンズと、透過平面に融着された少なくとも2本の光ファイバとを備え、2本の光ファイバの融着される端面は、当該光ファイバの光軸に対して傾斜した傾斜面を有し、2本の光ファイバの一方は、他方の光ファイバに対してその光軸を軸として略180度回転させた状態にあることを特徴とする光ファイバコリメータである。
略180度には、許容される範囲がある。具体的には、一方の光ファイバに対する他方の光ファイバの相対回転角を、160度〜200度、好ましくは170〜190°の範囲内とすることが望ましい。ここで相対的な回転角は、180°超える範囲で捉えても良いし、180°に至らない範囲で捉えるのでもよい。
また、この角度範囲の限定において、2本の光ファイバは、その配列方向を基準とした角度だけ光軸を軸として回転させた状態にあり、この角度が、略(45度+90度×n)(n=0,1,2,3)である構成とすることが望ましい。ここで、2本の光ファイバの配列方向というのは、2本の光ファイバを結ぶ線の延在方向として定義される。
この態様によれば、光ファイバの光軸に垂直な面内における斜面に起因するずれの方向が、光ファイバの配列方向およびそれに垂直な方向の成分を同じ大きさで含むので、ずれが生じたとしても2本の光ファイバが、前記の両成分で互いに逆方向に移動することになり、その光学特性への悪影響を少なくすることができる。
本発明は、上述した光ファイバコリメータの製造方法として把握することもできる。すなわち、本発明の光ファイバコリメータの製造方法は、屈折面と該屈折面に対向した透過平面とを備えたコリメータレンズの前記透過平面に少なくとも2本の光ファイバを近接または接触させる工程と、放電により前記光ファイバを前記透過平面に融着させる工程とを備え、前記2本の光ファイバの融着される端面は、当該光ファイバの光軸に対して傾斜した傾斜面を有し、前記2本の光ファイバの一方は、他方の光ファイバに対してその光軸を軸として略180度回転させた状態にあることを特徴とする。
この光ファイバコリメータの製造方法において、回転の角度は、160度〜200度であることが望ましい。また、2本の光ファイバは、その配列方向を基準とした位置から所定の角度だけ光軸を軸として回転させた状態にあり、この角度が、略(45度+90度×n)(n=0,1,2,3)であることが望ましい。
また上述した光ファイバコリメータの製造方法において、2本の光ファイバを、2つの穴を有する位置決め用補助具の2つの穴に挿入した状態で、前記回転の角度の調整を行うステップをさらに備えることが望ましい。この斜面の向きを調整するステップは、2本の光ファイバをコリメータレンズに近接(または接触)させる前の段階、あるいはその後の放電による融着を行う前の段階で実施することができる。
本発明によれば、コリメータレンズの融着された少なくとも2本の光ファイバが、その溶着時に位置ずれを起こしても、そのずれの影響が光ファイバコリメータの光学特性に悪影響を与えがたいものとすることができる。
(1) 第1の実施形態
(構成および製造方法)
図1は、本発明を利用した光ファイバコリメータおよびその製造方法の一例を示す概念図である。図1(A)には、側面図が示され、図1(B)には、その正面図((A)をX軸方向から見た正面図)が示されている。
図1には、石英を主成分として構成された2本の光ファイバ101および102が示されている。光ファイバ101と102とは同じものである。光ファイバ101の先端の端面は、斜面101aとされ、光ファイバ102の先端の端面も斜面101bとされている。この斜面は、光ファイバを切断する際に、斜めにカット(切断)を行うことで形成される。端面をこのような斜面とするのは、光ファイバから出射する光線の反射成分の光軸を光ファイバの光軸からずらし、光ファイバに戻る反射成分を低減するためである。
図2は、図1に示す光ファイバ101および102の先端の斜めカットされた部分の断面構造を示す概念図である。光ファイバ102は、光ファイバ101に対して、その光軸回りに180度回転させた状態とされている。こうすることで、斜面101aと斜面101bの向きが互いに逆方向に設定されたものとされている。
斜面の向きは、以下のようにして定義される。まず斜面101aの斜面の向きは、斜面101aの面方向(法線方向)(ベクトルA1で表示)の光ファイバ101の光軸101b方向への正弦方向(ベクトルB1の方向)として定義される。図2の例示の場合、斜面101aの法線方向のベクトルA1(大きさは任意)は、X−Y平面内にあり、光ファイバ101の光軸101bに対して、角度θだけ方向がずれている。すなわち、ベクトルA1は、X成分ベクトルとY成分ベクトルに分解でき、そのX成分ベクトル(余弦方向)の向きが光軸101bに一致する関係にあり、そのY成分ベクトルB1(正弦方向)の向きが斜面101aの向きとして定義される。なお、角度θは、1〜10度程度の範囲から選択することができる。
また、斜面102aの斜面の向きは、斜面102aの面方向(法線方向)(ベクトルA2で表示)の光ファイバ102の光軸102b方向への正弦方向(ベクトルB2の方向)として定義される。当然のことであるが、光ファイバ101は、光ファイバ102に対してその光軸回りに180度回転させた状態にあるので、斜面101aの方向と斜面102aの方向とは、逆方向(180度異なる方向)になっている。すなわち、ベクトルB1とベクトルB2とは逆方向を向いている。
なお、一方の光ファイバに対する他方の光ファイバの回転角度は、180度が理想的であるが、その値には許容範囲がある。この許容範囲は、160度〜200度、好ましくは170度〜190度である。換言ずれば、この角度範囲の許容範囲は、180度±20度、好ましくは180度±10度の範囲である。
図1に戻り、図1には、多成分ガラス(例えばホウ珪酸系の多成分ガラス)を主成分としたコリメータレンズ103が示されている。コリメータレンズ103は、屈折面103aとそこに対向した透過平面103bとを備えている。なお、符号104は、コリメータレンズ103に対する光ファイバ101および102の光軸合わせを行う際に利用される反射面である。
以下、光ファイバコリメータの製造方法の一例を説明する。まず、図1に示す状態において、斜面101aと101bの向きを逆向きに設定する調整を行う。この調整には、専用の補助具を利用する。図3は、斜面の向きを調整するための補助具およびその利用方法を示す概念図である。図3には、補助具301の側断面図(A)、正面図(B)および利用状態を示す概念図(C)が示されている。補助具301は、略円筒形状であり、その軸方向に平行な2つの穴301aと301bが形成されている。
斜面101aと101bの向きを逆向きに設定するには、まず先端を斜めカットした光ファイバ101と102とを用意する。次にそれらを図3(C)に示すように補助具301に通し、斜面側の先端を補助具301の外側に出す。また、各光ファイバには、光ファイバを光軸回りに回転させる回転装置302と303を取り付ける。そして、光ファイバ101と102を平行に近接して並べ、その斜めカットされた端面(斜面)部分をCCDカメラで撮像し、その拡大画像を見ながら、回転装置302と303を動かし、図2に示す状態に調整する。すなわち、斜面101aと斜面102aの向きが互いに逆方向になるように光ファイバ101と102を回転させる調整を行う。
斜面の向きの調整が終了したら、光ファイバ101と102が相対的に動かないように接着剤等による仮固定を行う。この後、補助具301を取り外してもよいし、そのまま装着したままとしてもよい。なお、回転装置302と303は取り外す。
次に図1(A)に示すように、仮固定された光ファイバ101と102の斜面側をコリメータレンズ103に近接(または軽く接触)させる。そして、光ファイバ101と102の他端側を試験装置(図示省略)に接続し、この試験装置から試験光を光ファイバ101に入力する。そして仮固定された光ファイバ101と102を、コリメータレンズ103に対して図1中のX軸に垂直な面内で動かす。この際、コリメータレンズ103から反射面104に出射され、そこで反射されて再びコリメータレンズ103に入り、光ファイバ102に戻る反射光の強度が最大になるように調整を行う。
この調整が終了したら、光ファイバ101、102とコリメータレンズ103との相対位置を固定し、両者の近接位置(または接触位置)に電極105aと105bとを近づけ、アーク放電を行う。この放電により、より低融点であるコリメータレンズ103の透過平面103bの表面が膨張されるとともに溶融され、毛細管現象により光ファイバ101、102とコリメータレンズ103との楔形の隙間がこの膨張および熔融された材料によって埋められる形となる。これにより、融着が行われて接続が完了する。図4は、上述した接続工程の概要を示す概念図であり、(A)は側面から見た状態を示し、(B)はコリメータレンズの光軸方向(X軸方向)から見た状態を示す。図4には、完成したコリメータレンズ108が示されている。
この接続工程において、光ファイバ101の先端(斜面101aが形成されている端部)は、Y軸の−方向(矢印106の方向)に少し動く可能性が高く、また、光ファイバ102の先端(斜面102aが形成されている端部)は、Y軸の+方向(矢印107の方向)に少し動く可能性が高い。これは、膨張および熔融状態にある多成分ガラスが楔形の隙間を埋める際に、斜面の向き(図2のベクトルB1やB2の方向)と逆の方向への力が光ファイバに加わる可能性が高いからである。
本実施形態では、後述する理由により、この光ファイバ先端位置の移動が発生してもそれが光ファイバコリメータ108の性能に与える悪影響を少なくすることができる。なお、以上の実施形態の説明において、光ファイバ101と102は同じものでなくてもよい。また、光ファイバは、2本以上の複数であってもよい。これは、他の実施形態においても同じである。
(光ファイバコリメータの利用例)
図4に示す光ファイバコリメータ108の利用例を説明する。図5は、光ファイバコリメータ108を利用した光機能素子の例を示す概念図である。図5(A)には第1の例が示され、図5(B)には第2の例が示されている。
図5(A)には、一つめの光学機能素子110が示されている。光学機能素子110には、図4に示す光ファイバコリメータ108が接続されている。光学機能素子110は、機能素子として光アッテネータ112を備え、また反射面113を備えている。光ファイバ101から光学機能素子110に入射した光信号は、光アッテネータ112で所定の減衰を受け、反射面113で反射され、さらに光アッテネータ112で所定の減衰を受けた後に光ファイバ102に戻り、素子外に出力される。つまり、光学機能素子110は、光ファイバ101を伝送される光信号を減衰させ、減衰後の光信号を光ファイバ102に出力する光アッテネータ素子として機能する。なお、符号112の部分を光アッテネータではなく、光スイッチ等にすることで、他の機能を有する光学機能素子とすることができる。
図5(B)には、二つめの光学機能素子120が示されている。光学機能素子120には、図4に示す光ファイバコリメータ108と光ファイバコリメータ122が接続されている。光ファイバコリメータ122は、一本の光ファイバ123が接続された通常の光ファイバコリメータである。光学機能素子120は、機能素子として波長選択反射ミラー121を備えている。この波長選択反射ミラー121は、第1の波長の光を透過し、第2の波長の光を反射する性質を備えている。
この構成によれば、光ファイバ101から光学機能素子120に入る光信号の内、第1の波長の光信号は、波長選択反射ミラー121を透過し、光信号125として光ファイバ123から出力される。一方、光ファイバ101から光学機能素子120に入る光信号の内、第2の波長を有する光信号126は、波長選択反射ミラー121で反射され、光信号127として光ファイバ102から出力される。こうして、光学機能素子は、異なる波長を有する光信号を分離する光信号分離装置として機能する。
(作用および優位性)
以下、本発明を利用した光ファイバコリメータの製造過程において、図4に示すように、斜めカットされた光ファイバの先端位置にずれが発生しても、それが光ファイバコリメータの性能に与える悪影響を少なくすることができる理由について説明する。図6は、光ファイバ先端の位置ずれの影響を説明する概念図である。
図6には、レンズ131と反射面132が示されている。ここで、図6(A)は、入射光の光軸にずれが発生しない場合の状態を示し、図6(B)は、入射光の光軸にずれが発生した場合の状態を示す。なお、レンズ131は、凸レンズのような集光する光学機能のあるレンズであるとする。また、このレンズ131の焦点に光軸に対して垂直に反射面132が位置しているものとする。
図6(A)には、レンズ131の光軸中心からオフセットした位置に入射した光線133がレンズ131で屈折し、入射光134として反射面132に入射する様子が示されている。また、入射光134が反射面132で反射され、反射光135としてレンズ131に再入射し、それがレンズ131で屈折して光線133と平行で向きが逆の光線136となる様子が示されている。
ここで、入射光133の光軸がレンズの光軸側(図のY軸の−側)に平行に動いた場合を想定する。この状況は、図4の光ファイバ101の動きに対応する。この場合、図6(B)に示すように、光線133がΔYだけ−Y軸方向に動き光線137となる。そしてこれに伴い、反射光136は、ΔYだけ+Y軸方向に動き光線138となる。また逆に、光線133の光軸を+Y方向に平行に動かすと、光線136の光軸は−Y方向に平行移動する。つまり、図6に示すような光学系においては、入射光の光軸をレンズの光軸中心によせれば、反射光もレンズの光軸中心により、入射光の光軸をレンズの光軸中心から離せば、反射光もレンズの光軸中心により離れる。
図1、図2および図4に示す構成を採用した場合、その製造時において、光ファイバ101と102がコリメータレンズ103の光軸に対して、それぞれ近寄る方向に動く。この際、図6(B)に示す場合の原理により、2つの光ファイバの移動が生じても、光ファイバ101に入射した光の反射光の戻ってくる位置の変化に、光ファイバ102の端部の位置の変化が追従することになる。そのため、光軸のずれに起因する損失の発生を抑えることができる。この作用は、図4に示す場合と逆の方向に2つの光ファイバが動いた場合でも同様に働く。
このように、コリメータレンズに接続される2本の光ファイバの端部の斜面の向きを逆方向に設定することで、コリメータレンズへの接続時における当該端部部分の動きが、逆方向に動くこととなる。そして、この動きに伴うコリメータレンズの透過面における入/反射光の光軸位置の動きは、光ファイバ端部の動きに略一致する。このため、一方の光ファイバからコリメータレンズに入射した光線を他方の光ファイバに効率良く導くことができ、光ファイバコリメータで扱う光信号の損失を少なくすることができる。
(2) 第2の実施形態
コリメータレンズに接続される2本の光ファイバの斜面の向きのバリエーションは、第1の実施形態に例示した内容に限定されない。以下、他の態様について説明する。図7は、2本の光ファイバの斜面の向きの組み合わせの例を示す概念図である。図7は、先端を斜めカットし、斜面とした光ファイバをコリメータレンズに接続した状態を、コリメータレンズの透過面側(図4の例でいうとX軸の−方向側)から見た状態が概念的に示されている。図7において、矢印の方向が、斜面の方向を示している。また、以下の説明において、斜面の方向は、図2を用いて説明した内容で定義されている。
図7(A)には、コリメータレンズ703に光ファイバ701と702を接続した状態が示されている。この例では、光ファイバ701の斜面の方向がX軸の−方向に設定され、光ファイバ702の斜面の方向がX軸の+方向に設定されている。この例は、第1の実施形態の場合と逆に、2つの斜面が2本の光ファイバの配列方向704において互いに外側の方向を向くようにした例である。
図7(B)には、光ファイバ701の斜面の方向がY軸の−方向に設定され、光ファイバ702の斜面の方向がY軸の+方向に設定されている。この例は、2つの斜面が2本の光ファイバの配列方向704に対して直交し、且つ互いに逆の方向となるようにした例である。
図7(C)には、光ファイバ701の斜面の方向が2本の光ファイバの配列方向704に対して反時計回りに180度+45度の方向、光ファイバ702の斜面の方向が2本の光ファイバの配列方向704に対して反時計回りに45度の方向である例が示されている。
図7(D)には、光ファイバ701の斜面の方向が2本の光ファイバの配列方向704に対して反時計回りに90度+45度の方向、光ファイバ702の斜面の方向が2本の光ファイバの配列方向704に対して反時計回りに270度+45度の方向である例が示されている。
図7(A)〜(D)に示す例の全てにおいて、一方の光ファイバの斜面の向きは、その光ファイバを光軸回りに180度回転させることで、他方の光ファイバの斜面の向きに一致する関係とされている。
また、図7(C)および(D)に示す例では、斜面の向きが光ファイバの配列方向704に対して45度の角度をなしている。こうすることで、放電による融着時における斜面に起因する光ファイバのずれが、2本の光ファイバにおいて同じX成分およびY成分を持つことになる。このため、光ファイバがずれたとしても、X成分及びY成分で互いに逆方向に移動することになり、発生する結合効率の低下を少なくすることができる。
すなわち、図7(A)の場合に、何らかの要因によりY軸方向へのずれが発生し、しかもそれが2本の光ファイバにおいて同方向であるとすると、2本の光ファイバが同時に上下(Y軸方向)に移動することになる。すると、結合効率の低下、つまり損失の増大が発生する。これに対して、図7(C)や(D)の構成を採用した場合、斜面があることで光ファイバが強制的にXおよびY成分を持った方向に移動する。またこの移動の方向が互いに逆方向となる。このため、上述した2本の光ファイバが同一方向に移動することによる影響を相対的に低減することができ、結合効率の低下(損失増大)を少なくすることができる。
図7(C)や(D)の構成を上位の概念で表現すると、2本の光ファイバは、斜面の向きが略180度相違しており、且つその配列方向を基準とした位置から所定の角度だけ光軸を軸として回転させた状態にあり、この角度が、略(45度+90度×n)(n=0,1,2,3)である構成ということができる。例えば、図7(C)の場合、光ファイバ701の斜面の向きは、角度を逆時計回りに考えるとして、上記式でn=2の場合であり、光ファイバ702の斜面の向きは、上記式でn=0の場合である。また、図7(D)の場合、光ファイバ701の斜面の向きは、上記式でn=1の場合であり、光ファイバ702の斜面の向きは、上記式でn=3の場合である。
また、上記の角度設定範囲にも許容範囲がある。この許容範囲は、規定される角度から±20度の範囲、より好ましくは規定される角度から±10度の範囲である。なお、前記実施例では、光ファイバをコリメータレンズに近接、或いは、接触させた状態で放電融着をさせ、光ファイバの表面が膨張されるとともに溶融され毛細管現象により光ファイバとコリメータレンズとの楔形の隙間を埋める形になって、融着が行われる例を示したが、それに限らず、コリメータレンズだけを溶融させた状態で、光ファイバをコリメータレンズに対し押し入れて融着する方法、或いは、押し入れた後、光ファイバを引っ張り戻して融着する方法においても、本発明は適用することができる。
本発明は、光ファイバコリメータおよびその製造技術に利用することができる。
発明を利用した光ファイバコリメータの製造工程を示す概念図である。 光ファイバ端部の斜面の向きの状態を示す概念図である。 光ファイバ端部の斜面の向きを調整する補助具およびその利用状態を示す概念図である。 発明を利用した光ファイバコリメータの概要を示す概念図である。 発明を利用した光学機能素子の例を示す概念図である。 発明の原理を説明する概念図である。 発明の他の実施形態を説明する概念図である。 従来技術を説明する概念図である。
符号の説明
101…光ファイバ、101a…斜面、101b…光軸、102…光ファイバ、102a…斜面、102b…光軸、103…コリメータレンズ、103a…屈折面、103b…透過平面、104…反射面、105a…電極、105b…電極、108…光ファイバコリメータ、110…光学機能素子、120…光学機能素子。

Claims (7)

  1. 屈折面と該屈折面に対向した透過平面とを備えたコリメータレンズと、
    前記透過平面に融着された少なくとも2本の光ファイバと
    を備え、
    前記2本の光ファイバの融着される端面は、当該光ファイバの光軸に対して傾斜した傾斜面を有し、
    前記2本の光ファイバの一方は、他方の光ファイバに対してその光軸を軸として略180度回転させた状態にあることを特徴とする光ファイバコリメータ。
  2. 前記回転の角度は、160度〜200度であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバコリメータ。
  3. 前記2本の光ファイバは、その配列方向を基準とした位置から所定の角度だけ光軸を軸として回転させた状態にあり、
    この角度が、略(45度+90度×n)(n=0,1,2,3)であることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバコリメータ。
  4. 屈折面と該屈折面に対向した透過平面とを備えたコリメータレンズの前記透過平面に少なくとも2本の光ファイバを近接または接触させる工程と、
    放電により前記光ファイバを前記透過平面に融着させる工程と
    を備え、
    前記2本の光ファイバの融着される端面は、当該光ファイバの光軸に対して傾斜した傾斜面を有し、
    前記2本の光ファイバの一方は、他方の光ファイバに対してその光軸を軸として略180度回転させた状態にあることを特徴とする光ファイバコリメータの製造方法。
  5. 前記回転の角度は、160度〜200度であることを特徴とする請求項4に記載の光ファイバコリメータの製造方法。
  6. 前記2本の光ファイバは、その配列方向を基準とした位置から所定の角度だけ光軸を軸として回転させた状態にあり、
    この角度が、略(45度+90度×n)(n=0,1,2,3)であることを特徴とする請求項4または5に記載の光ファイバコリメータの製造方法。
  7. 前記2本の光ファイバを、2つの穴を有する位置決め用補助具の前記2つの穴に挿入した状態で前記回転の角度の調整を行うステップをさらに備えることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の光ファイバコリメータの製造方法。
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