JP2006145598A - レンズと光ファイバとの融着接続方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 レーザの照射方向の制御などが容易であり、安定して良好な光学特性が得られるレンズと光ファイバとの融着接続方法を提供する。
【解決手段】 1本または2本の光ファイバ3の端面4をレンズ1の端面2に当接または近接させ、2本のレーザ光12a,12bが前記レンズ1の端面2上で一部重なり合うようにCO2レーザを照射してレンズ1と光ファイバ3とを融着接続する。
【選択図】 図1
【解決手段】 1本または2本の光ファイバ3の端面4をレンズ1の端面2に当接または近接させ、2本のレーザ光12a,12bが前記レンズ1の端面2上で一部重なり合うようにCO2レーザを照射してレンズ1と光ファイバ3とを融着接続する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、レンズと光ファイバとを融着接続する方法に関する。
例えば光通信分野において、誘電体多層膜フィルタの両側にそれぞれ光ファイバコリメータを配置し、これら一対の光ファイバコリメータのビーム出射面を誘電体多層膜フィルタに向かい合わせることにより構成した光機能部品が知られている。この種の光機能部品では、光ファイバを伝播してきた光を誘電体多層膜フィルタ等の光機能素子に入射させるときに光ファイバからの出射光のビーム径を拡大させたり、逆に、光機能素子からの出射光を光ファイバに入射させるときに光機能素子からの出射光を光ファイバに集光させたりするため、光ファイバをコリメートレンズと接続してなる光ファイバコリメータが用いられている。
従来、レンズと光ファイバとを接続する場合には、光ファイバをキャピラリに挿入し、このキャピラリとレンズとを円筒状の筐体内に収容して接着剤で固定する方法がとられることが多い。このとき、光ファイバとレンズとの間で生じた反射光が光ファイバに再入射すると、戻り光として光ファイバを伝播し、光通信システムに悪影響を及ぼすおそれがある。それを踏まえて、レンズの光ファイバが接続される側の端面(これを後端面という場合がある。)を光軸に対して斜めに形成したり、光ファイバの中心をレンズの中心からずらして(オフセットさせて)接続し、コリメートレンズの後端面における反射光が光ファイバに再入射しない構成とすることが多い。
しかし、光ファイバの端面とレンズの後端面との間に空間が介在する場合には、空気との屈折率差によって反射が生じ、この反射光が漏光として損失となるので、損失を抑制するためには、光ファイバの端面およびレンズの後端面に反射防止のためのAR(Anti−Reflection)コートを施す必要がある。このように、キャピラリを用いて光ファイバを固定した場合には、キャピラリやレンズの後端面を斜めに形成するための研磨工程や、反射防止のためのAR工程が必要となり、工数の増加という問題がある。また、接着剤の劣化等に伴い、長期信頼性が低下するおそれがある。
上述の問題に対して、長期信頼性と工数削減を目的として、光ファイバとレンズとを直接融着接続する方法の提案がある(例えば特許文献1参照)。光ファイバとレンズとを融着接続することにより、光ファイバとレンズとの界面における反射を防止し、レンズ後端面等の研磨工程やAR工程を省略することが可能となる。
米国特許第6758935号明細書
光ファイバとレンズの融着に使用される加熱源としてはアーク放電やCO2レーザなどが考えられる。アーク放電による融着は、一般的に制御が難しく、所望の位置にアークを発生させることが困難である。レンズの熱容量は光ファイバ先端部の熱容量よりもかなり大きいので、融着に際して両者を略同等に溶融させるためには、レンズを選択的に多く加熱する必要がある。しかし、アーク放電ではレンズを選択的に溶融させることが難しいため、安定して良好な光学特性を得ることは難しい。
一方、CO2レーザは直進性が高いため、レンズを選択的に多く加熱することが可能である。しかし、特許文献1の記載の融着接続方法は、当該明細書の第2図および第4図に図示されているように、1本または2本の光ファイバを反射鏡に設けた穴に挿通し、前記光ファイバをこれと接続しようとする光学要素(例えばレンズ)に向かい合わせ、前記反射鏡に環状(annular)のレーザ光を照射して反射したビームを前記光学要素に集光する方法であり、レーザ光の照射方向の制御などが困難であるなど、多くの課題を残しているものである。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、レーザ光の照射方向の制御などが容易であり、安定して良好な光学特性が得られるレンズと光ファイバとの融着接続方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、1本または2本の光ファイバの端面をレンズの端面に当接または近接するように向かい合わせ、2本のレーザ光が前記レンズの端面上で一部重なり合うようにCO2レーザを照射して、前記レンズと前記光ファイバとを融着接続することを特徴とするレンズと光ファイバとの融着接続方法を提供する。
前記レンズの端面上において、前記光ファイバの中心を前記レンズの中心からずれた位置に位置させ、前記2本のレーザ光の照射中心同士を結ぶ線が、前記レンズの中心と前記光ファイバの中心とを結ぶ線と直交するように前記CO2レーザを照射することは、好ましい態様である。
前記レンズの端面上において、前記光ファイバの中心を前記レンズの中心からずれた位置に位置させ、前記2本のレーザ光の照射中心同士を結ぶ線が、前記レンズの中心と前記光ファイバの中心とを結ぶ線と直交するように前記CO2レーザを照射することは、好ましい態様である。
本発明のレンズと光ファイバとの融着接続方法によれば、2本のレーザ光をレンズの端面上で一部重なり合うようにCO2レーザを照射するので、光ファイバの周囲を均一に近い状態で加熱することができ、安定して良好な光学特性および機械的強度が得られるとともに歩留まりの向上が期待できる。2本のレーザ光の照射方向は、それぞれ独立に制御することも可能であり、制御が容易となる。
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1(a)に、本発明のレンズと光ファイバとの融着接続方法を行う融着接続装置の一例を示す概略構成図を示す。
この融着接続装置10は、CO2レーザ出力装置11と、CO2レーザ出力装置11から出力されたレーザ光12を1:1のパワー比によって2方向に分岐するハーフミラー13と、ハーフミラー13によって分岐された2本のレーザ光12a,12bの照射方向をレンズ1の端面2に向けて調整する第1および第2の照射方向調整機構14a,14bと、第2のレーザ光12bの光路を変更する光路変更機構15を備える。
レンズ1は図示しない固定台などにより所定の位置に固定されている。また、この融着接続装置10は、レンズ1に対する光ファイバ3の位置を調心できるように、光ファイバ3の端面4の位置を長手方向(図1(a)の左右方向)および長手方向に垂直な二方向(図1(c)において、右上〜左下の方向および左上〜右下の2方向)に調整するための調整機構(図示せず)を備える。
図1(a)に、本発明のレンズと光ファイバとの融着接続方法を行う融着接続装置の一例を示す概略構成図を示す。
この融着接続装置10は、CO2レーザ出力装置11と、CO2レーザ出力装置11から出力されたレーザ光12を1:1のパワー比によって2方向に分岐するハーフミラー13と、ハーフミラー13によって分岐された2本のレーザ光12a,12bの照射方向をレンズ1の端面2に向けて調整する第1および第2の照射方向調整機構14a,14bと、第2のレーザ光12bの光路を変更する光路変更機構15を備える。
レンズ1は図示しない固定台などにより所定の位置に固定されている。また、この融着接続装置10は、レンズ1に対する光ファイバ3の位置を調心できるように、光ファイバ3の端面4の位置を長手方向(図1(a)の左右方向)および長手方向に垂直な二方向(図1(c)において、右上〜左下の方向および左上〜右下の2方向)に調整するための調整機構(図示せず)を備える。
レンズ1としては、円柱状のロッドレンズ(GRINレンズともいう)を用いることが望ましい。この種のGRINレンズは、その屈折率が、レンズの光軸に近いほど大きく、光軸から離れて外周に近づくほど小さくなるようにラジアル方向に屈折率分布を有する屈折率分布型レンズである。
この種のGRINレンズの中を伝搬される光線は、正弦波状の光路をとって進み、この正弦波状の光路の周期を1ピッチという。GRINレンズをコリメートレンズとして用いる場合、該レンズの長さは、好ましくは約0.25ピッチ、約0.75ピッチなど、(2n−1)/4ピッチで表される長さ(ただしnを自然数とする)が好ましい。
光ファイバ3としては、例えば光ファイバ素線や光ファイバ心線などの先端部から樹脂被覆3aを除去することにより露出された石英系光ファイバを用いることができる。
レンズ1を構成する材質は、光ファイバ3を構成する材質と融点がほぼ等しいものを用いることが好ましい。例えば、光ファイバ3が石英系光ファイバである場合、レンズ1としては石英系ガラスからなるものを用いることが望ましい。この場合、光ファイバ3とレンズ1の融点がほぼ等しいため、融着接続後に発生する応力が小さく、安定した融着接続が可能になる。
この種のGRINレンズの中を伝搬される光線は、正弦波状の光路をとって進み、この正弦波状の光路の周期を1ピッチという。GRINレンズをコリメートレンズとして用いる場合、該レンズの長さは、好ましくは約0.25ピッチ、約0.75ピッチなど、(2n−1)/4ピッチで表される長さ(ただしnを自然数とする)が好ましい。
光ファイバ3としては、例えば光ファイバ素線や光ファイバ心線などの先端部から樹脂被覆3aを除去することにより露出された石英系光ファイバを用いることができる。
レンズ1を構成する材質は、光ファイバ3を構成する材質と融点がほぼ等しいものを用いることが好ましい。例えば、光ファイバ3が石英系光ファイバである場合、レンズ1としては石英系ガラスからなるものを用いることが望ましい。この場合、光ファイバ3とレンズ1の融点がほぼ等しいため、融着接続後に発生する応力が小さく、安定した融着接続が可能になる。
CO2レーザ出力装置11は、波長10.6μmのCO2レーザを出力する装置である。CO2レーザ出力装置11から出力されたレーザ光12は、CO2レーザ出力装置11の出口部11aにおいて、例えば直径3.5mm程度、出力1.5〜2.5W程度である。
CO2レーザ出力装置11の出口部11aにはシャッター(図示せず)が内蔵されており、例えばコンピュータ等の制御手段(図示せず)の制御によって自由に開閉が可能である。
CO2レーザ出力装置11の出口部11aにはシャッター(図示せず)が内蔵されており、例えばコンピュータ等の制御手段(図示せず)の制御によって自由に開閉が可能である。
図1(a)に示すように、第1および第2の照射方向調整機構14a,14bは、それぞれ全反射ミラー16a,16bと集光レンズ17a,17bとを備える。
ハーフミラー13の反射光である第1のレーザ光12aは、第1の照射方向調整機構14aの全反射ミラー16aによって光路が変更され、さらに第1の集光レンズ17aによって集光されてレンズ1の端面2に照射されるようになっている。
ハーフミラー13の透過光である第2のレーザ光12bは、全反射ミラーからなる光路変更機構15によって第2の照射方向調整機構14bの全反射ミラー16bへと光路が変更され、この全反射ミラー16bによって再度光路が変更された後、さらに第2の集光レンズ17bによって集光されてレンズ1の端面2に照射されるようになっている。
ハーフミラー13の反射光である第1のレーザ光12aは、第1の照射方向調整機構14aの全反射ミラー16aによって光路が変更され、さらに第1の集光レンズ17aによって集光されてレンズ1の端面2に照射されるようになっている。
ハーフミラー13の透過光である第2のレーザ光12bは、全反射ミラーからなる光路変更機構15によって第2の照射方向調整機構14bの全反射ミラー16bへと光路が変更され、この全反射ミラー16bによって再度光路が変更された後、さらに第2の集光レンズ17bによって集光されてレンズ1の端面2に照射されるようになっている。
照射方向調整機構14a,14bの全反射ミラー16a,16bおよび集光レンズ17a,17bは、レンズ1の端面2におけるレーザ光12a,12bの照射中心18a,18bの位置および照射範囲19a,19bの広さを調整するため、図1(a)の左右方向および紙面に垂直な方向の傾きを変更できるようになっている。このため、第1および第2のレーザ光12a,12bの照射中心18a,18bの位置は、レンズ1の光軸5に垂直な二方向(図1(c)の上下方向および左右方向)に移動させて任意の位置に調整することが可能である。
図1(c)に示すように、レンズ1の端面2における第1,第2のレーザ光12a,12bの照射中心18a,18bの位置は、レンズ1の中心6の位置に対して対称とされている。ここで、端面2におけるレンズ1の中心6とは、レンズ1の光軸5が端面2と交差する点の位置をいう。
これにより、レンズ1の端面2を加熱溶融する際、熱量をより均一に近い状態で与えることができる。また、レンズ1の端面2の位置を基準にして照射方向調整機構14a,14bによるレーザ光12a,12bの光軸調整を行うことも可能になり、精度の良い光軸調整が実現できる。
なお、図1(b),図1(c)に示す矢印20a,20bは、それぞれ第1のレーザ光12aおよび第2のレーザ光12bの照射方向を示す。
これにより、レンズ1の端面2を加熱溶融する際、熱量をより均一に近い状態で与えることができる。また、レンズ1の端面2の位置を基準にして照射方向調整機構14a,14bによるレーザ光12a,12bの光軸調整を行うことも可能になり、精度の良い光軸調整が実現できる。
なお、図1(b),図1(c)に示す矢印20a,20bは、それぞれ第1のレーザ光12aおよび第2のレーザ光12bの照射方向を示す。
第1および第2のレーザ光12a,12bの照射範囲19a,19bの広さは、レンズ1や光ファイバ3の直径などの条件にもよるが、例えば直径400μmのレンズ1と直径(クラッド径)125μmの光ファイバ3を融着する場合、1/e2の強度におけるビームの直径が300μm〜1mm程度という条件を採用することができる。なお、レーザ光12a,12bの強度はビームの中心部で最も強くなっており、中心部から離れるにつれてガウシアン分布に従って強度が弱くなっている。
次に、図1(a)に示す融着接続装置10を用いてレンズ1と光ファイバ3とを融着接続する方法について説明する。なお、図2〜図6は、レンズ1の端面2に1本または2本の光ファイバ3が接続された状態を示し、いずれの図も、レンズ1の端面2を図1(c)と同じ方向から見たものとして図示している。
(1)まず、レンズ1の端面2と光ファイバ3の端面4とを突き合わせ、その位置から所定の距離だけ離して配置する。
(2)次に、CO2レーザ出力装置11の出力をONにし、数秒後にシャッターを開いてレーザ光12を出力する。ここで、レーザ出力開始から数秒間シャッターを閉じておくのは、レーザ出力開始後、数秒間はレーザの出力が安定しないので、その間、融着接続に使用しないようにするためである。
CO2レーザ出力装置11から出力されたレーザ光12は、ハーフミラー13によって2方向に分岐され、上述したように全反射ミラー15,16a,16bによって光路変更されたのち、集光レンズ17a,17bによってレンズ1の端面2に照射される。まずは図1(b)に示すように、レンズ1の端面2のみにレーザ光12a,12bを2〜10秒間ほど照射する(照射時間はレンズ1の長さや材質等の条件により異なる)。
(3) 次に、レーザ光12a,12bを照射した状態のままで光ファイバ3をレンズ1に向かって移動させ、レンズ1に接続する。
(4) 接続後、レーザ光12a,12bの照射を3〜7秒ほど継続する(照射の継続時間はレンズ1の長さや材質等の条件により異なる)。その後、CO2レーザ出力装置11のシャッターを閉じ、レーザ光12a,12bの照射を停止する。これにより、レンズ1と光ファイバ3とが完全に融着される。
(2)次に、CO2レーザ出力装置11の出力をONにし、数秒後にシャッターを開いてレーザ光12を出力する。ここで、レーザ出力開始から数秒間シャッターを閉じておくのは、レーザ出力開始後、数秒間はレーザの出力が安定しないので、その間、融着接続に使用しないようにするためである。
CO2レーザ出力装置11から出力されたレーザ光12は、ハーフミラー13によって2方向に分岐され、上述したように全反射ミラー15,16a,16bによって光路変更されたのち、集光レンズ17a,17bによってレンズ1の端面2に照射される。まずは図1(b)に示すように、レンズ1の端面2のみにレーザ光12a,12bを2〜10秒間ほど照射する(照射時間はレンズ1の長さや材質等の条件により異なる)。
(3) 次に、レーザ光12a,12bを照射した状態のままで光ファイバ3をレンズ1に向かって移動させ、レンズ1に接続する。
(4) 接続後、レーザ光12a,12bの照射を3〜7秒ほど継続する(照射の継続時間はレンズ1の長さや材質等の条件により異なる)。その後、CO2レーザ出力装置11のシャッターを閉じ、レーザ光12a,12bの照射を停止する。これにより、レンズ1と光ファイバ3とが完全に融着される。
本形態例においては、図1(b)に示すように、レンズ1の端面2に対してレーザ光12a,12bは2方向から照射し、しかもレンズ1の端面2上で一部重なり合うようにしている。これは、一方向からのレーザ照射では、光ファイバ3の影となった部分に充分な熱量を与えられず、熱応力に差ができることで融着の安定性が損なわれることを避けるためである。
レーザ光によって光ファイバを加熱したとき、光ファイバのコア中のドーパントがクラッド側に熱拡散し、コアがTEC状(Thermally expanded core)に拡大する場合がある。光ファイバ3の周囲に与えられる熱量が不均一であると、ドーパントの拡散状態にばらつきが生じ、コアの非円化やそれに起因するPDL特性(Polarization Dependent Loss)に悪影響が生じるおそれがあるため、好ましくない。
図2に示すように、レーザ光12a,12bを二方向から照射することにより、第1のレーザ光12aからは影21aになる部分には、第2のレーザ光12bにより充分な熱量を与えることができるし、第2のレーザ光12bからは影21bになる部分には、第1のレーザ光12aにより充分な熱量を与えることができる。このため、光ファイバ3の周囲を均一に近い状態で加熱することにより、融着接続の機械的強度が安定するとともに、PDL特性への悪影響を抑制することができる。
なお、レーザ光を3方向以上の方向から照射することも考えられるが、レーザ光の光軸の調整が難しくなり、また、融着条件がシビアに(厳しく)なることが予想されるため、好ましくない。
図2に示すように、レーザ光12a,12bを二方向から照射することにより、第1のレーザ光12aからは影21aになる部分には、第2のレーザ光12bにより充分な熱量を与えることができるし、第2のレーザ光12bからは影21bになる部分には、第1のレーザ光12aにより充分な熱量を与えることができる。このため、光ファイバ3の周囲を均一に近い状態で加熱することにより、融着接続の機械的強度が安定するとともに、PDL特性への悪影響を抑制することができる。
なお、レーザ光を3方向以上の方向から照射することも考えられるが、レーザ光の光軸の調整が難しくなり、また、融着条件がシビアに(厳しく)なることが予想されるため、好ましくない。
次に、1本の光ファイバ3をレンズ1の中心6からオフセットされた位置に接続する場合の好ましい態様について説明する。
図3に示すように、レンズ1の端面2上において、2本のレーザ光12a,12bの照射中心18a,18b同士を結ぶ線22と、レンズ1の中心6と光ファイバ3の中心7とを結ぶ線8とのなす角度θが約90°(90°付近である程度の範囲を許容することができ、90°に等しくてもよい)となるようにレーザ光12a,12bを照射した場合、すなわち、照射中心18a,18b同士を結ぶ線22が、レンズ1および光ファイバ3の中心6,7同士を結ぶ線8とほぼ直交する場合、レーザ光12a,12bの照射中心18a,18bの位置が光ファイバ3の位置から外れるので、レーザ光12a,12bの照射中心18a,18b付近の照射強度の強い部分が光ファイバ3の側面に直接照射されることが避けられる。これにより、光ファイバ3がシビアな状態で加熱されることを避けることができ、安定して良好な光学特性を得ることができる。
ここで、図3では光ファイバ3の中心7の位置が図3中の上側にずらされている場合を図示したが、図3中の下側にずらされている場合も同様である。
なお、照射中心18a,18b同士を結ぶ線22と、レンズ1および光ファイバ3の中心6,7同士を結ぶ線8とがなす角度θを定義する場合、第1のレーザ光12aと第2のレーザ光12bとを区別する必要はなく、角度の符号も考慮する必要もないので、本発明において前記角度θは、0°以上90°以下の範囲で定義するものとする。
図3に示すように、レンズ1の端面2上において、2本のレーザ光12a,12bの照射中心18a,18b同士を結ぶ線22と、レンズ1の中心6と光ファイバ3の中心7とを結ぶ線8とのなす角度θが約90°(90°付近である程度の範囲を許容することができ、90°に等しくてもよい)となるようにレーザ光12a,12bを照射した場合、すなわち、照射中心18a,18b同士を結ぶ線22が、レンズ1および光ファイバ3の中心6,7同士を結ぶ線8とほぼ直交する場合、レーザ光12a,12bの照射中心18a,18bの位置が光ファイバ3の位置から外れるので、レーザ光12a,12bの照射中心18a,18b付近の照射強度の強い部分が光ファイバ3の側面に直接照射されることが避けられる。これにより、光ファイバ3がシビアな状態で加熱されることを避けることができ、安定して良好な光学特性を得ることができる。
ここで、図3では光ファイバ3の中心7の位置が図3中の上側にずらされている場合を図示したが、図3中の下側にずらされている場合も同様である。
なお、照射中心18a,18b同士を結ぶ線22と、レンズ1および光ファイバ3の中心6,7同士を結ぶ線8とがなす角度θを定義する場合、第1のレーザ光12aと第2のレーザ光12bとを区別する必要はなく、角度の符号も考慮する必要もないので、本発明において前記角度θは、0°以上90°以下の範囲で定義するものとする。
図4に示すように、レンズ1の端面2上において、2本のレーザ光12a,12bの照射中心18a,18b同士を結ぶ線22が、レンズ1の中心6と光ファイバ3の中心7とを結ぶ線8と重なり合うようにレーザ光12a,12bを照射した場合、すなわち、照射中心18a,18b同士を結ぶ線22と、レンズ1および光ファイバ3の中心6,7同士を結ぶ線8とがなす角度θがほぼ0°である場合、第1のレーザ光12aの照射中心18aが光ファイバ3の位置と重なり合うので、照射中心18aを光ファイバ3からずらしたときよりも多くの熱量を与えることになる。この場合、例えば、第2のレーザ光12bとして第1のレーザ光12aよりも出力が強いものを用いたり、第1のレーザ光12aのビーム強度を部分的に減衰させるなどして、光ファイバ3が第1のレーザ光12aから受ける熱量と第2のレーザ光12bから受ける熱量とを釣り合わせるなどの工夫も可能であるが、融着接続装置10の構成を複雑にするおそれがある。
なお、図4では光ファイバ3の中心7の位置が第1のレーザ光12aの照射方向20aの上流側にずらされている場合を図示したが、第2のレーザ光12bの照射方向20bの上流側にずらされている場合でも同様である。ただし、上記説明において第1のレーザ光12aと第2のレーザ光12bとを読み替えるものとする。
なお、図4では光ファイバ3の中心7の位置が第1のレーザ光12aの照射方向20aの上流側にずらされている場合を図示したが、第2のレーザ光12bの照射方向20bの上流側にずらされている場合でも同様である。ただし、上記説明において第1のレーザ光12aと第2のレーザ光12bとを読み替えるものとする。
次に、2本の光ファイバ3,3をレンズ1の中心6からオフセットされた位置に接続する場合の好ましい態様について説明する。
図5に示すように、レンズ1の端面2上において、2本のレーザ光12a,12bの照射中心18a,18b同士を結ぶ線22と、レンズ1の中心6と光ファイバ3の中心7とを結ぶ線8とのなす角度θが約90°約90°(90°付近である程度の範囲を許容することができ、90°に等しくてもよい)となるようにレーザ光12a,12bを照射した場合、つまり、照射中心18a,18b同士を結ぶ線22が、レンズ1および光ファイバ3の中心6,7同士を結ぶ線8とほぼ直交する場合、レーザ光12a,12bの照射中心18a,18bの位置が光ファイバ3の位置から外れるので、レーザ光12a,12bの照射中心18a,18b付近の照射強度の強い部分が光ファイバ3の側面に直接照射されることが避けられる。これにより、光ファイバ3がシビアな状態で加熱されることを避けることができ、安定して良好な光学特性を得ることができる。
図5に示すように、レンズ1の端面2上において、2本のレーザ光12a,12bの照射中心18a,18b同士を結ぶ線22と、レンズ1の中心6と光ファイバ3の中心7とを結ぶ線8とのなす角度θが約90°約90°(90°付近である程度の範囲を許容することができ、90°に等しくてもよい)となるようにレーザ光12a,12bを照射した場合、つまり、照射中心18a,18b同士を結ぶ線22が、レンズ1および光ファイバ3の中心6,7同士を結ぶ線8とほぼ直交する場合、レーザ光12a,12bの照射中心18a,18bの位置が光ファイバ3の位置から外れるので、レーザ光12a,12bの照射中心18a,18b付近の照射強度の強い部分が光ファイバ3の側面に直接照射されることが避けられる。これにより、光ファイバ3がシビアな状態で加熱されることを避けることができ、安定して良好な光学特性を得ることができる。
図6に示すように、レンズ1の端面2上において、2本のレーザ光12a,12bの照射中心18a,18b同士を結ぶ線22が、レンズ1の中心6と光ファイバ3の中心7とを結ぶ線8と重なり合うようにレーザ光12a,12bを照射した場合、2本の光ファイバ3,3の影21a,21bが重なる部分でレーザ光12a,12bの受ける熱量がやや弱くなるおそれがある。しかし、上述の手順(2)で述べたように、光ファイバ3を接続する前にレンズ1の端面2のみにレーザ光12a,12bを照射しておけば、レンズ1の端面2を充分に溶融させることができるし、レーザ光12a,12bを二方向から照射しているので、影21a,21bが重なる部分でもレーザ光12a,12bの熱を全く受けないというわけではなく、両方のレーザ光12a,12bから受ける熱量の和により光ファイバ3の融着接続が可能であり、充分に使用可能な光学特性を得ることができる。
以上説明したように、本形態例のレンズと光ファイバとの融着接続方法によれば、2本のレーザ光12a,12bをレンズ1の端面2上で一部重なり合うようにCO2レーザを照射するので、光ファイバ3の周囲を均一に近い状態で加熱することができ、安定して良好な光学特性および機械的強度が得られるとともに歩留まりの向上が期待できる。2本のレーザ光12a,12bの照射方向20a,20bは、それぞれ独立に制御することも可能であり、制御が容易となる。
レンズ1の端面2上において、光ファイバ3の中心7をレンズ1の中心6からずれた位置に位置させ、2本のレーザ光12a,12bの照射中心18a,18b同士を結ぶ線22が、レンズ1の中心6と光ファイバ3の中心7とを結ぶ線8と直交するようにCO2レーザを照射した場合、レーザ光12a,12bの照射中心18a,18b付近の照射強度の強い部分が光ファイバ3の側面に直接照射されることが避けられる。これにより、光ファイバ3がシビアな状態で加熱されることを避けることができ、安定して良好な光学特性を得ることができる。
なお、レンズ1に2本の光ファイバ3,3を融着接続する場合、レンズ1と2本の光ファイバ3,3とを一工程で融着接続することも可能である。この場合、光ファイバを1本ずつ融着接続する場合に比べて、工数を削減できるとともに、2本の光ファイバの融着接続の状態のばらつきを抑制することができる。
なお、レンズ1に2本の光ファイバ3,3を融着接続する場合、レンズ1と2本の光ファイバ3,3とを一工程で融着接続することも可能である。この場合、光ファイバを1本ずつ融着接続する場合に比べて、工数を削減できるとともに、2本の光ファイバの融着接続の状態のばらつきを抑制することができる。
本形態例のレンズと光ファイバとの融着接続方法は、コリメートレンズと光ファイバとの融着接続による光ファイバコリメータの製造に用いることができる。
ここで、光ファイバコリメータは、1本または2本の光ファイバをレンズの端面に接続してなるものである。コリメートレンズとしては、レンズの光軸に沿う長さが、約0.25ピッチ、約0.75ピッチなど、(2n−1)/4ピッチで表される長さ(ただしnを自然数とする)であるGRINレンズを用いることができる。
ここで、光ファイバコリメータは、1本または2本の光ファイバをレンズの端面に接続してなるものである。コリメートレンズとしては、レンズの光軸に沿う長さが、約0.25ピッチ、約0.75ピッチなど、(2n−1)/4ピッチで表される長さ(ただしnを自然数とする)であるGRINレンズを用いることができる。
次に、光ファイバコリメータを有する光機能部品の一例を説明する。これらの光機能部品は、本形態例のレンズと光ファイバとの融着接続方法を利用することで、特性の優れたものを製造することができる。
これらの光機能部品は、いずれも、一対のコリメータレンズの間に配置された誘電体多層膜フィルタを備えている。誘電体多層膜フィルタは、一般に、SiO2、TiO2、ZrO2、Ta2O5、Nb2O5等の誘電体から、高屈折率成分と低屈折率成分と(あるいは3種類以上の誘電体)を適宜選択して用い、所定の膜厚および所定の順序にて多層に積層(例えば数層〜数百層)したものである。誘電体多層膜フィルタは、誘電体の種類や膜厚、順序などに応じて、種々の光学的特性を実現することができる。
これらの光機能部品は、いずれも、一対のコリメータレンズの間に配置された誘電体多層膜フィルタを備えている。誘電体多層膜フィルタは、一般に、SiO2、TiO2、ZrO2、Ta2O5、Nb2O5等の誘電体から、高屈折率成分と低屈折率成分と(あるいは3種類以上の誘電体)を適宜選択して用い、所定の膜厚および所定の順序にて多層に積層(例えば数層〜数百層)したものである。誘電体多層膜フィルタは、誘電体の種類や膜厚、順序などに応じて、種々の光学的特性を実現することができる。
図7に示す光機能部品30の概略構成は、先端面31a,32a同士が向かい合うように配置された2個のコリメートレンズ31,32と、これら第1及び第2のコリメートレンズ31,32の先端面31a,32a間に配置された光機能素子33と、端面34aが第1のコリメートレンズ31の後端面31bに対向するように配置された第1の光ファイバ34と、端面35aが第2のコリメートレンズ32の後端面32bに対向するように配置された第2の光ファイバ35とを備えるものである。符号31c,32cに示す一点鎖線は、それぞれ、コリメートレンズ31,32の光軸を表す。
光ファイバ34,35は、コリメートレンズ31,32の後端面31b,32bの中心からずれた位置に接続されている。
第1のコリメートレンズ31およびこれに接続された第1の光ファイバ34により、第1の光ファイバコリメータ30aが構成されている。また、第2のコリメートレンズ32およびこれに接続された第2の光ファイバ35により、第2の光ファイバコリメータ30bが構成されている。
光機能素子33としては、ガラス基板33aの片面に誘電体多層膜フィルタ33bを備える素子が用いられている。光機能部品30の機能は、誘電体多層膜フィルタ33bの構成を適宜選択することにより、種々の光機能部品への適用が可能である。この種の1ポート対1ポート型の光機能部品30に適用可能な誘電体多層膜フィルタ33bの具体例としては、利得平坦化フィルタ(GFF:Gain Flattening Filter)やアイソレータ用フィルタなどが挙げられる。
この種の光機能部品30において、第1の光ファイバ34から出射して発散した光は、第1のコリメートレンズ31により平行化されて光機能素子33に入射され、光機能素子33からの出射光は、第2のコリメートレンズ32により収束されて第2の光ファイバ35に入射するようになっている。
光ファイバ34,35は、コリメートレンズ31,32の後端面31b,32bの中心からずれた位置に接続されている。
第1のコリメートレンズ31およびこれに接続された第1の光ファイバ34により、第1の光ファイバコリメータ30aが構成されている。また、第2のコリメートレンズ32およびこれに接続された第2の光ファイバ35により、第2の光ファイバコリメータ30bが構成されている。
光機能素子33としては、ガラス基板33aの片面に誘電体多層膜フィルタ33bを備える素子が用いられている。光機能部品30の機能は、誘電体多層膜フィルタ33bの構成を適宜選択することにより、種々の光機能部品への適用が可能である。この種の1ポート対1ポート型の光機能部品30に適用可能な誘電体多層膜フィルタ33bの具体例としては、利得平坦化フィルタ(GFF:Gain Flattening Filter)やアイソレータ用フィルタなどが挙げられる。
この種の光機能部品30において、第1の光ファイバ34から出射して発散した光は、第1のコリメートレンズ31により平行化されて光機能素子33に入射され、光機能素子33からの出射光は、第2のコリメートレンズ32により収束されて第2の光ファイバ35に入射するようになっている。
図8に示す光機能部品40の概略構成は、先端面41a,42a同士が向かい合うように配置された2個のコリメートレンズ41,42と、これら第1及び第2のコリメートレンズ41,42の先端面41a,42a間に配置された光機能素子43と、端面44a,45aが第1のコリメートレンズ41の後端面41bに対向するように配置された第1および第2の光ファイバ44,45と、端面46aが第2のコリメートレンズ42の後端面42bに対向するように配置された第3の光ファイバ46とを備えるものである。符号41c,42cに示す一点鎖線は、それぞれ、コリメートレンズ41,42の光軸を表す。
光ファイバ44〜46は、いずれもコリメートレンズ41,42の後端面41b,42bの中心からずれた位置に接続されている。
第1のコリメートレンズ41ならびにこれに接続された第1および第2の光ファイバ44,45により、第1の光ファイバコリメータ40aが構成されている。また、第2のコリメートレンズ42およびこれに接続された第3の光ファイバ46により、第2の光ファイバコリメータ40bが構成されている。
光機能素子43としては、ガラス基板43aの片面に誘電体多層膜フィルタ43bを備える素子が用いられている。光機能部品40の機能は、誘電体多層膜フィルタ43bの構成を適宜選択することにより、種々の光機能部品への適用が可能である。この種の2ポート対1ポート型の光機能部品40に適用可能な誘電体多層膜フィルタ43bの具体例としては、WDMフィルタ(WDM:Wavelength Division Multiplexer)などが挙げられる。
この種の光機能部品40において、第1および第2の光ファイバ44,45は、第1の光ファイバ44から出射されて光機能素子43に反射された光が第2の光ファイバ45に入射されるような位置に配置されている。また、第3の光ファイバ46は、第1の光ファイバ44から出射されて光機能素子43を通過した光が第3の光ファイバ46に入射されるような位置に配置されている。つまり、この光機能素子43において、第1の光ファイバ44が共通ポート(Cポート)となり、第2の光ファイバ45が反射ポート(Rポート)となり、第3の光ファイバ46が透過ポート(Tポート)となっている。
光ファイバ44〜46は、いずれもコリメートレンズ41,42の後端面41b,42bの中心からずれた位置に接続されている。
第1のコリメートレンズ41ならびにこれに接続された第1および第2の光ファイバ44,45により、第1の光ファイバコリメータ40aが構成されている。また、第2のコリメートレンズ42およびこれに接続された第3の光ファイバ46により、第2の光ファイバコリメータ40bが構成されている。
光機能素子43としては、ガラス基板43aの片面に誘電体多層膜フィルタ43bを備える素子が用いられている。光機能部品40の機能は、誘電体多層膜フィルタ43bの構成を適宜選択することにより、種々の光機能部品への適用が可能である。この種の2ポート対1ポート型の光機能部品40に適用可能な誘電体多層膜フィルタ43bの具体例としては、WDMフィルタ(WDM:Wavelength Division Multiplexer)などが挙げられる。
この種の光機能部品40において、第1および第2の光ファイバ44,45は、第1の光ファイバ44から出射されて光機能素子43に反射された光が第2の光ファイバ45に入射されるような位置に配置されている。また、第3の光ファイバ46は、第1の光ファイバ44から出射されて光機能素子43を通過した光が第3の光ファイバ46に入射されるような位置に配置されている。つまり、この光機能素子43において、第1の光ファイバ44が共通ポート(Cポート)となり、第2の光ファイバ45が反射ポート(Rポート)となり、第3の光ファイバ46が透過ポート(Tポート)となっている。
図9に示す光機能部品50の概略構成は、先端面51a,52a同士が向かい合うように配置された2個のコリメートレンズ51,52と、これら第1及び第2のコリメートレンズ51,52の先端面51a,52a間に配置された光機能素子53と、端面54a,55aが第1のコリメートレンズ51の後端面51bに対向するように配置された第1および第2の光ファイバ54,55と、端面56a,57aが第2のコリメートレンズ52の後端面52bに対向するように配置された第3および第4の光ファイバ56,57とを備えるものである。符号51c,52cに示す一点鎖線は、それぞれ、コリメートレンズ51,52の光軸を表す。
光ファイバ54〜57は、いずれもコリメートレンズ51,52の後端面51b,52bの中心からずれた位置に接続されている。
第1のコリメートレンズ51ならびにこれに接続された第1および第2の光ファイバ54,55により、第1の光ファイバコリメータ50aが構成されている。また、第2のコリメートレンズ52ならびにこれに接続された第3および第4の光ファイバ56,57により、第2の光ファイバコリメータ50bが構成されている。
光機能素子53としては、ガラス基板53aの両面にそれぞれ誘電体多層膜フィルタ53b,53cを備える素子が用いられている。光機能部品50の機能は、誘電体多層膜フィルタ53b,53cの構成を適宜選択することにより、種々の光機能部品への適用が可能である。この種の2ポート対2ポート型の光機能部品50に適用可能な誘電体多層膜フィルタ53b,53cの具体例としては、WDMフィルタ(WDM:Wavelength Division Multiplexer)などが挙げられる。
この種の光機能部品50において、第1および第2の光ファイバ54,55は、第2の光ファイバ55から出射されて第1の誘電体多層膜フィルタ53bに反射された光が第1の光ファイバ54に入射されるような位置に配置されている。第3および第4の光ファイバ56,57は、第4の光ファイバ57から出射されて第2の誘電体多層膜フィルタ53cに反射された光が第3の光ファイバ56に入射されるような位置に配置されている。また、第3の光ファイバ56は、第1の光ファイバ54から出射されて第1および第2の誘電体多層膜フィルタ53b,53cを通過した光が第3の光ファイバ56に入射されるような位置に配置されている。
光ファイバ54〜57は、いずれもコリメートレンズ51,52の後端面51b,52bの中心からずれた位置に接続されている。
第1のコリメートレンズ51ならびにこれに接続された第1および第2の光ファイバ54,55により、第1の光ファイバコリメータ50aが構成されている。また、第2のコリメートレンズ52ならびにこれに接続された第3および第4の光ファイバ56,57により、第2の光ファイバコリメータ50bが構成されている。
光機能素子53としては、ガラス基板53aの両面にそれぞれ誘電体多層膜フィルタ53b,53cを備える素子が用いられている。光機能部品50の機能は、誘電体多層膜フィルタ53b,53cの構成を適宜選択することにより、種々の光機能部品への適用が可能である。この種の2ポート対2ポート型の光機能部品50に適用可能な誘電体多層膜フィルタ53b,53cの具体例としては、WDMフィルタ(WDM:Wavelength Division Multiplexer)などが挙げられる。
この種の光機能部品50において、第1および第2の光ファイバ54,55は、第2の光ファイバ55から出射されて第1の誘電体多層膜フィルタ53bに反射された光が第1の光ファイバ54に入射されるような位置に配置されている。第3および第4の光ファイバ56,57は、第4の光ファイバ57から出射されて第2の誘電体多層膜フィルタ53cに反射された光が第3の光ファイバ56に入射されるような位置に配置されている。また、第3の光ファイバ56は、第1の光ファイバ54から出射されて第1および第2の誘電体多層膜フィルタ53b,53cを通過した光が第3の光ファイバ56に入射されるような位置に配置されている。
以上例示した光機能部品30,40,50において、光ファイバコリメータ30a,30b,40a,40b,50a,50bは、本発明のレンズと光ファイバとの融着接続方法を利用して、コリメートレンズの端面に1本または2本の光ファイバを融着接続することにより製造されたものである。
このような光機能部品30,40,50および光ファイバコリメータ30a,30b,40a,40b,50a,50bによれば、コリメートレンズと光ファイバとの融着接続が安定しているので、機械的強度や長期信頼性等の特性が優れたものとすることができる。
このような光機能部品30,40,50および光ファイバコリメータ30a,30b,40a,40b,50a,50bによれば、コリメートレンズと光ファイバとの融着接続が安定しているので、機械的強度や長期信頼性等の特性が優れたものとすることができる。
図1に示す融着接続装置10を用いて、2本のレーザ光12a,12bがレンズ1の端面2上で一部重なり合うようにCO2レーザを照射して、レンズ1と光ファイバ3とを融着接続した。ここで、レンズ1としては石英系ガラスからなる直径400μmのGRINレンズを用いた。光ファイバ3としては、直径(クラッド径)125μmの石英系光ファイバを用いた。CO2レーザ出力装置11の出口部11aにおけるレーザ光12のビーム直径は約3.5mm、出力は1.5〜2.5Wとした。レンズ1の端面2上でのレーザ光12a,12bのビーム直径は、1/e2の強度で300μm〜1mm程度まで集光した。
まず、レンズ1の端面2と光ファイバ3の端面4とを突き合わせ、その位置から所定の距離だけ離して配置した。次に、CO2レーザ出力装置11の出力をONにし、数秒後にシャッターを開いてレーザ光12を出力し、まずはレンズ1の端面2のみにレーザ光12a,12bを2〜10秒間ほど照射した。次に、レーザ光12a,12bを照射した状態のままで光ファイバ3をレンズ1に向かって移動させ、レンズ1に接続した後、レーザ光12a,12bの照射を3〜7秒ほど継続した。その後、CO2レーザ出力装置11のシャッターを閉じて、レーザ光12a,12bの照射を停止した。これにより、レンズ1と光ファイバ3とが完全に融着接続され、レンズ1と光ファイバ3の接続部の機械的強度は十分なものであった。
2本のレーザ光12a,12bの照射中心18a,18b同士を結ぶ線22と、レンズ1の中心6と光ファイバ3の中心7とを結ぶ線8とのなす角度θが約90°である場合と、前記角度θが約0°である場合について、それぞれ40ペアの光ファイバコリメータを製造した。このとき、前記角度θの違いのほかは、融着接続の条件は揃えてある。
このときのPDL特性の測定結果を、図10のヒストグラムに示す。このヒストグラムにおいて、横軸の数値は、各階級の最大値を示すものとする。
前記角度θが約90°である場合、PDL特性の最大値は0.028dB、最小値は、0.008dB、平均値は0.016dBであった。
前記角度θが約0°である場合、PDL特性の最大値は0.047dB、最小値は、0.022dB、平均値は0.032dBであった。
この結果より、2本のレーザ光12a,12bの照射中心18a,18b同士を結ぶ線22と、レンズ1の中心6と光ファイバ3の中心7とを結ぶ線8とのなす角度θを約90°とする方が、PDL特性がより優れた光ファイバコリメータを製造できることがわかる。
このときのPDL特性の測定結果を、図10のヒストグラムに示す。このヒストグラムにおいて、横軸の数値は、各階級の最大値を示すものとする。
前記角度θが約90°である場合、PDL特性の最大値は0.028dB、最小値は、0.008dB、平均値は0.016dBであった。
前記角度θが約0°である場合、PDL特性の最大値は0.047dB、最小値は、0.022dB、平均値は0.032dBであった。
この結果より、2本のレーザ光12a,12bの照射中心18a,18b同士を結ぶ線22と、レンズ1の中心6と光ファイバ3の中心7とを結ぶ線8とのなす角度θを約90°とする方が、PDL特性がより優れた光ファイバコリメータを製造できることがわかる。
比較例として、図1に示す融着接続装置10を用いて、2本のレーザ光12a,12bの照射中心18a,18bが一致し、レーザ光12a,12bの照射範囲19a,19bがレンズ1の端面2上で完全に重なり合うようにCO2レーザを照射して、レンズ1と光ファイバ3とを融着接続した。この場合、光ファイバ3が溶断してしまい、うまく融着接続することができなかった。
他の比較例として、1本のCO2レーザ光をレンズの端面に照射してレンズと光ファイバとを融着接続したところ、光ファイバの影となる部分でレーザ光から受ける熱量が少ないためか、融着接続が安定せず、光ファイバとレンズを接続した部分の機械的強度が不十分なものとなった。
本発明は、例えば光ファイバコリメータや各種光機能部品の製造に利用することができる。
1…レンズ、2…レンズの端面、3…光ファイバ、4…光ファイバの端面、6…レンズの中心、7…光ファイバの中心、8…レンズの中心と光ファイバの中心とを結ぶ線、11…CO2レーザ出力装置、12a,12b…レーザ光、18a,18b…レーザ光の照射中心、22…2本のレーザ照射の中心同士を結ぶ線。
Claims (2)
- 1本または2本の光ファイバの端面をレンズの端面と当接または近接するように向かい合わせ、2本のレーザ光が前記レンズの端面上で一部重なり合うようにCO2レーザを照射して、前記レンズと前記光ファイバとを融着接続することを特徴とするレンズと光ファイバとの融着接続方法。
- 前記レンズの端面上において、前記光ファイバの中心を前記レンズの中心からずれた位置に位置させ、前記2本のレーザ光の照射中心同士を結ぶ線が、前記レンズの中心と前記光ファイバの中心とを結ぶ線と直交するように前記CO2レーザを照射することを特徴とする請求項1に記載のレンズと光ファイバとの融着接続方法。
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