JP2006011119A - 光部品、波長合分波器および光部品の製造方法 - Google Patents

光部品、波長合分波器および光部品の製造方法 Download PDF

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賢治 西脇
Yoshikiyo Noguchi
善清 野口
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弘範 田中
Terutake Kobayashi
照武 小林
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Abstract

【課題】 耐久性に優れ、且つ低コスト化が可能な光部品と波長合分波器および光部品の製造方法の提供。
【解決手段】 誘電体多層膜フィルタ11と、該誘電体多層膜フィルタに接続されたコリメートレンズ12A,12Bと、該コリメートレンズに接続された光ファイバ13A,13B,13Cとを備えた光部品であって、前記コリメートレンズが、接着剤からなる接着部14を介して誘電体多層膜フィルタに接続され、前記誘電体多層膜フィルタと前記コリメートレンズと前記接着部がほぼ同じ屈折率を有し、前記コリメートレンズの端面のうち少なくとも誘電体多層膜フィルタ側の端面の平均面粗さが0.1μm〜1.6μmの範囲内であることを特徴とする光部品10。
【選択図】 図2

Description

本発明は、コリメートレンズと誘電体多層膜フィルタとを備えた光部品、波長合分波器および光部品の製造方法に関する。
コリメートレンズと誘電体多層膜フィルタ(以下、単に、フィルタということがある)とを備えたマイクロオプティクス型光部品は、外力の影響を受け易いため、コリメートレンズを筐体内に収容し、この筐体でコリメートレンズを固定する構造が一般的である。コリメートレンズ端面には反射防止膜を形成する場合もある(例えば、特許文献1参照。)。
この構造の光部品は、耐久性に優れているという利点があるものの、構成部材の点数が多く製造工程数が多くなるため、小型化、低コスト化が難しい。
レンズ固定構造を簡素化できる光部品としては、特許文献2に記載されたものが提案されている。この光部品はコリメートレンズであるロッドレンズ、フィルタ、光ファイバなどの構成部材を接着剤により互いに接合し、それを筐体内に収納している。レンズは反射防止のため、端面が軸方向に対し斜めに形成される。
前記光部品のコリメートレンズの製造方法について説明する。
図1は、従来のコリメートレンズの作製方法を示す図である。従来法では、石英ガラスからなる長尺円柱状のレンズ母材1を、レンズの最適長+研磨シロ長の長さで切断してレンズ原材2を切り出し、このレンズ原材2の端面を鏡面研磨することによって、両端に研磨端面4を持つ適当な長さのコリメートレンズ3を作製している。
米国特許第6396980号明細書 特開2002−182060号公報
しかし、一般に研磨工程は、レンズの研磨冶具へのセット、研磨機へのセット、研磨シートの段替えなど、非常に手間が掛かるため、コスト高の主要因とされる。また特許文献1のように、反射の影響を無くすためにレンズの片端を斜めに研磨する場合には、さらにコスト高になる。そのため、出来る限り研磨工程を短縮することが望まれる。
また、各部品を接着剤にて固定しているため、外部からの衝撃により接着部界面にて剥離し、要求特性を満たさなくなる恐れがある。そのため、出来る限り接着強度を高くすることが望まれる。
本発明は前記事情に鑑みてなされ、耐久性に優れ、且つ低コスト化が可能な光部品と波長合分波器および光部品の製造方法の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、誘電体多層膜フィルタと、該誘電体多層膜フィルタに接続されたコリメートレンズと、該コリメートレンズに接続された光ファイバとを備えた光部品であって、前記コリメートレンズが、接着剤からなる接着部を介して誘電体多層膜フィルタに接続され、前記誘電体多層膜フィルタと前記コリメートレンズと前記接着部がほぼ同じ屈折率を有し、前記コリメートレンズの端面のうち少なくとも誘電体多層膜フィルタ側の端面の平均面粗さが0.1μm〜1.6μmの範囲内であることを特徴とする光部品を提供する。
本発明の光部品において、前記光ファイバの先端部に、光ファイバ固定部材が設けられ、この光ファイバ固定部材が、前記接着剤からなる接着部を介して前記コリメートレンズに接続され、かつ少なくともコリメートレンズ側の端面の平均面粗さが0.1μm〜1.6μmの範囲内であることが好ましい。
また本発明は、誘電体多層膜フィルタと、該誘電体多層膜フィルタの両面にそれぞれ接続された第1および第2コリメートレンズと、第1コリメートレンズに接続された第1および第2ポート用光ファイバと、第2コリメートレンズに接続された第3ポート用光ファイバとを備え、第1ないし第3ポート用光ファイバが、第1ポート用光ファイバから誘電体多層膜フィルタに反射されて第2ポート用光ファイバに至る第1の光路と、第1ポート用光ファイバから誘電体多層膜フィルタを通過して第3ポート用光ファイバに至る第2の光路とを形成する波長合分波器であって、前記第1および第2コリメートレンズが、接着剤からなる接着部を介して誘電体多層膜フィルタに接続され、前記誘電体多層膜フィルタと前記第1および第2コリメートレンズと前記接着部がほぼ同じ屈折率を有し、前記第1および第2コリメートレンズの少なくとも誘電体多層膜フィルタ側の平均面粗さが0.1μm〜1.6μmの範囲内であることを特徴とする波長合分波器を提供する。
また本発明は、レンズ母材を0.1μm〜1.6μmの平均面粗さで切断して得られた所定長さのレンズ原材を、前記レンズ原材と屈折率が互いにほぼ等しい接着剤を用いてコリメートレンズとして誘電体多層膜フィルタに接着し、該コリメートレンズに光ファイバを接続し、光部品を得ることを特徴とする光部品の製造方法を提供する。
本発明は、次に示す効果を奏する。
(1)本発明の光部品は、コリメートレンズの端面のうち少なくとも誘電体多層膜フィルタ側の端面の平均面粗さが0.1μm〜1.6μmの範囲内であるので、端面の表面積を大きくすることができる。
このため、接着部とコリメートレンズの接触面積が大きくなり、接合強度が高められ、耐久性に優れた光部品を得ることができる。
(2)本発明の光部品は、レンズ、フィルタおよび接着剤の屈折率がほとんど同じであるので、各界面で反射ロスが生じず、レンズ母材を切断して得たレンズ原材を、鏡面化加工を施さずにコリメートレンズとして用いることができる。
このため、レンズ原材の研磨加工を不要または簡略化することができる。
従って、製造に要する手間を削減するとともに、製造コストを抑えることができる。
(3)本発明の光部品では、研磨加工を不要または簡略化することができるため、レンズ母材の使用量を削減することができ、原材料のコストの点で有利である。
(4)本発明の光部品では、研磨加工を不要または簡略化することができるため、研磨量のバラツキを原因としてコリメートレンズの長さが不均一になるのを防止することができ、光部品の信頼性を高めることができる。
(5)本発明の製造方法では、レンズ部材から切り出したレンズ原材を、鏡面化加工を施すことなくコリメートレンズとして用いるので、レンズ原材の研磨加工を不要または簡略化することができ、コリメートレンズの長さが不均一になるのを防ぎ、光部品の信頼性を高めることができる。
また、誘電体多層膜フィルタに対するコリメートレンズの接合強度を高め、耐久性に優れた光部品を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図2は、本発明の第1実施形態を示す光部品の概略構成図である。本実施形態の光部品10は、誘電体多層膜フィルタ11(以下、フィルタと記す。)と、該フィルタ11に接続された第1および第2コリメートレンズ(以下、レンズと記す。)12A,12Bと、これらのレンズ12A,12Bに接続された光ファイバ13A,13B,13Cと、これら光ファイバ13A,13B,13Cの先端部に設けられた第1および第2キャピラリ17A,17B(光ファイバ固定部材)とから構成されている。
フィルタ11は、屈折率の異なる複数(数層〜数100層)の層が積み重なって構成されている。これらの層は、SiO,Taなどの誘電体材料からなり、厚さはそれぞれ数μm〜数10μmとすることができる。
フィルタ11の屈折率は、レンズ12A,12Bの軸上屈折率にほぼ等しいことが好ましい。
このレンズ12A,12Bとしては、例えば、グレーテッドインデックス型屈折率分布を有するファイバ型レンズなどからなる円柱状のレンズが挙げられる。
レンズ12A,12Bの屈折率は、光ファイバ13A,13B,13Cのコアの屈折率とほぼ等しいことが好ましい。例えば、光ファイバ13A,13B,13Cのコアの屈折率が1.46である場合には、レンズ12A,12Bの軸上屈折率も1.46であることが好ましい。
第1レンズ12Aの先端面および第2レンズ12Bの先端面は、それぞれ接着部14を介してフィルタ11に接合されている。この光部品10は、フィルタ11と2つのレンズ12A,12Bとが接着部11を介して接合されているため、フィルタ11と2つのレンズ12A,12Bとの接続界面において、反射による損失が抑えられるようになっている。
第1および第2レンズ12A,12Bの端面のうち、少なくともフィルタ11側の端面(先端面)は、未研磨端面15となっており、この未研磨端面15は平均面粗さが0.1μm〜1.6μmの範囲内になっている。第1および第2レンズ12A,12Bの先端面の平均面粗さを前記範囲とすることによって、光学特性を劣化させることなく、フィルタ11と2つのレンズ12A,12Bとの接着強度を高めることができる。
なお、ここで言う「平均面粗さ」は、ソニー社製の非接触形状測定機YP21にて測定した算術平均面粗さである。
第1および第2レンズ12A,12Bは、キャピラリ17A,17B側の端面である基端面も未研磨端面15とし、その平均面粗さを前記範囲とすることもできる。
第1および第2レンズ12A,12Bの先端面の平均面粗さが前記範囲未満であると、フィルタ11またはキャピラリ17A,17Bに対する接着強度が低下し、平均破断強度などの機械強度が不十分になりやすい。一方、平均面粗さが前記範囲を超えると、レンズ端面で欠けが発生し易くなり、レンズとして機能しなくなったり、PDLなどの光学特性が劣化するなどの問題を生じる。
キャピラリ17A,17Bは、ガラスなどからなる円柱状の部材である。なお、キャピラリ17A,17Bは、光ファイバ13A,13B,13Cを収容するV溝などを有するファイバアレイであってもよい。
キャピラリ17A,17Bには、長手方向に貫通孔が設けられている。第1キャピラリ17Aはその貫通孔内に2本の光ファイバ13A,13Bの先端部である裸線部が挿通され、接着剤などで固定されている。また第2キャピラリ17Bはその貫通孔内に1本の光ファイバ13Cの先端部である裸線部が挿通され、接着剤などで固定されている。
第1キャピラリ17Aは、接着部14を介して第1レンズ12Aの基端面に接合され、第2キャピラリ17Bは、接着部14を介して第2レンズ12Bの基端面に接合されている。これらキャピラリ17A,17Bに固定した光ファイバ13A,13B,13Cの端面も、接着部14を介して第1および第2のレンズ12A,12Bの基端面に接合されている。
接着部14に用いられる接着剤としては、エポキシ系およびアクリル系のUV硬化型接着剤や熱硬化型接着剤などの接着剤が挙げられ、これらを適宜選択して用いることができる。
接着部14の屈折率は、レンズ12A,12Bの屈折率とほぼ等しい屈折率であることが好ましい。
接着部11の透過率は、波長帯域1200〜1700nmの光を用いた場合に、99%以上であることが好ましい。透過率が99%以上であると、入射光の出力が高い場合でも接着部14が劣化しにくい。
この光部品10は、通常、−40〜85℃の温度範囲で用いられるため、接着部14は、ガラス転移点が85℃を超える値を持つ材料からなることが好ましい。ガラス転移点がこの範囲を下回ると、接着部14が軟化しやすくなり、耐久性が低下する。
光ファイバ13A,13B,13Cとしては、シングルモードファイバ、偏波保持ファイバなどが用いられる。
次に、光部品1を製造する方法について説明する。
前記レンズ12A,12Bは、石英ガラスからなる長尺円柱状のレンズ母材を切断し、所定長さのレンズ原材を得る。このレンズ原材は、端面の平均面粗さが0.1μm〜1.6μmの範囲内であれば、そのまま使用可能であり、その場合、レンズ原材は、そのまま、エポキシ系などの接着剤を用いてフィルタ11の両面にレンズ12A,12Bとして接着することができる。
次いで、これらレンズ12A,12Bに、エポキシ系などの接着剤を用いてキャピラリ17A,17Bを接着する。これによって、図2に示す構成の光部品10を得る。
本実施形態の光部品10は、次の効果を奏する。
(1)本実施形態の光部品10は、レンズ12A,12Bの端面のうち少なくともフィルタ11側の端面の平均面粗さが0.1μm〜1.6μmの範囲内であるので、端面の表面積を大きくすることができる。
このため、接着部14とレンズ12A,12Bの接触面積が大きくなり、接合強度が高められ、耐久性に優れた光部品10を得ることができる。
(2)この光部品10は、レンズ12A,12B、フィルタ11および接着部14の屈折率がほとんど同じであるので、各界面で反射ロスが生じず、レンズ母材を切断して得たレンズ原材を、鏡面化加工を施さずにレンズ12A,12Bとして用いることができる。
このため、レンズ原材の研磨加工を不要または簡略化することができる。
従って、製造に要する手間を削減するとともに、製造コストを抑えることができる。
(3)この光部品10では、研磨加工を不要または簡略化することができるため、レンズ母材の使用量を削減することができ、原材料のコストの点で有利である。
(4)この光部品10では、研磨加工を不要または簡略化することができるため、研磨量のバラツキを原因としてレンズ12A,12Bの長さが不均一になるのを防止することができ、光部品10の信頼性を高めることができる。
(5)また、前記製造方法では、レンズ母材から切り出したレンズ原材を、鏡面化加工を施すことなくレンズ12A,12Bとして用いるので、レンズ原材の研磨加工を不要または簡略化することができ、レンズ12A,12Bの長さが不均一になるのを防ぎ、光部品10の信頼性を高めることができる。
また、フィルタ11に対するレンズ12A,12Bの接合強度を高め、耐久性に優れた光部品10を得ることができる。
前記第1実施形態の光部品10において、仮に屈折率の整合が取れていない接着剤を用いた場合や、レンズ12A,12Bと光ファイバ13A,13B,13Cの屈折率の整合がとれていない場合には、屈折率の異なる境界面で反射が生じ、光部品10に求められる要求特性を満たせなくなってしまう。
この点について、3波(1.31,1.49,1.55μm)光合分波器を例にとり説明する。
放送通信融合1芯3波多重FTTHソリューションは、ITU−T G983.3に規定されているように1.31,1.49,1.55μmの3つの波長を用いて、1本の光ファイバで映像と通信の情報をやり取りする技術である。
図3に示すように1.31μm帯を通信の上りとして、1.49μm帯を通信の下りとして、1.55μm帯を映像用として使用する。そのため、1.31,1.49μm帯と1.55μm帯とに波長を分ける波長合分波器が必要となる。
図4は、本発明の波長合分波器の一例を示すものである。
この波長合分波器20は、フィルタ21と、フィルタ21の両面に各々接続された第1および第2レンズ22A,22Bと、第1レンズ22Aに接続された入射ポート用光ファイバ23Aおよび反射ポート用光ファイバ23Bと、第2レンズ22Bに接続された透過ポート用光ファイバ23Cと、光ファイバ23A,23B,23Cの先端部に設けられた第1および第2キャピラリ27A,27Bとを備えている。
レンズ22A,22Bのキャピラリ側の端面(基端面)は、レンズ長手方向に対し斜めに形成されている。レンズ22A,22Bのフィルタ側の端面(先端面)は、それぞれ接着剤からなる接着部24を介してフィルタ21の一方および他方の面に接合されている。
キャピラリ27A,27Bは、それぞれ接着剤からなる接着部24を介してレンズ22A,22Bの基端面に接合されている。
レンズ22A,22Bのそれぞれの先端面および基端面は、平均面粗さが0.1μm〜1.6μmの範囲内となっている。
フィルタ21としては、1.31μmおよび1.49μm帯の光を透過し、かつ1.55μm帯の光を反射する特性を持つものを用いることができる。
この場合、光ファイバ23A,23B,23Cは、次に示す光路を形成する。
入射ポート用光ファイバ23Aに入射した1.55μm帯の光は、フィルタ21で反射し、反射ポート用光ファイバ23Bから出射する(第1の光路)。
入射ポート用光ファイバ23Aに入射した1.49μm帯の光は、フィルタ21を透過し、透過ポート用光ファイバ23Cから出射する(第2の光路)。
透過ポート用光ファイバ23Cに入射した1.31μm帯の光は、フィルタ21を透過し、入射ポート用光ファイバ23Aから出射する(第3の光路)。
このときの波長特性は図5のようになり、フィルタ21の特性にもよるが、一般的なフィルタの反射帯域のアイソレーションは32dB程度、透過帯域のアイソレーションは16dB程度である。
1芯3波多重FTTHソリューションでは映像と通信の情報を同じファイバで伝送するため、できるだけ高いアイソレーション(遮断率)が要求される。
反射帯域のアイソレーションは30dB以上であり、透過帯域のアイソレーションに比べ十分な遮断率を持っているが、透過帯域のアイソレーションの高アイソレーション化が望まれる。
アイソレーションは、フィルタの蒸着方法を最適化し、透過損失を改善することによって高めることが可能であるが、この方策をとった場合でも、透過帯域のアイソレーションは20dB程度にまで高めるのが限界である。例えばフィルタの透過損失を0.05dBとした場合にはアイソレーションは約19.4dBとなり、透過損失を0.04dBとした場合でもアイソレーションは約20.3dBとなる。
例えば、フィルタとレンズの屈折率が互いにほぼ等しい場合(いずれも屈折率1.46)に、アイソレーションが20dBであるとする。フィルタの屈折率を1.52に変えると、フィルタとレンズの界面で発生するフレネル損失は33.9dBであり、アイソレーションは19.8dBに低下し、規格を満たせなくなってしまう。ここで、フレネル損失=−10log(R)、R=〔(n−n)/(n+n)〕(但し、屈折率n=1.46、n=1.52)である。
このように1芯3波多重用の3波(1.31,1.49,1.55μm)波長合分波器20では、アイソレーションは各構成部材の界面で発生する損失に大きな影響を受ける。
従って、各構成部材(フィルタ21、レンズ22A,22B、光ファイバ23A,23B,23Cおよび接着部24)の屈折率を互いにほぼ等しくさせることは、アイソレーション向上の点で有効である。
図6は、本発明の光部品の第2実施形態を示す概略構成図である。本実施形態の光部品は、前述した第1実施形態の光部品10とほぼ同様の構成要素を備えて構成され、同一構成要素には同一符号を付してある。
本実施形態の光部品は、レンズ12A,12Bに光ファイバ13A,13B,13Cを接合するためにキャピラリを用いず、レンズ12A,12Bの基端面に光ファイバ13A,13B,13Cを融着接続し、その融着部16‥によって光ファイバ13A,13B,13Cをレンズ12A,12Bに直接接続したことを特徴としている。
レンズ12A,12Bと光ファイバ13A,13B,13Cは、それぞれ石英ガラスから作製されている。このようにレンズ12A,12Bと光ファイバ13A,13B,13Cが同じ材料からなっている場合、両者を直接融着接続することが可能となる。融着部16では、融着によってレンズ12A,12Bと光ファイバ13A,13B,13Cの界面がなくなり、その部分での反射の影響は無視できるほど小さくなる。
本実施形態の光部品は、前述した第1実施形態の光部品10とほぼ同様の効果が得られ、さらに、次のような効果を得ることができる。
(a)接着剤を用いた接着部14が少なくなるので、光部品の信頼性が向上する。
(b)光ファイバ固定部材としてのキャピラリを省略できるので部品点数がより少なくなり、更に低コスト化できる。
(c)レンズと光ファイバの界面がなくなり、その部分での反射の影響を抑えることができ、光部品の性能を向上できる。
図7は、本発明の光部品の第3実施形態を示す図であり、図7(a)はキャピラリ20の先端面を示す図、(b)はキャピラリ20の側面図である。
本実施形態では、図2に示す光部品10において、平均面粗さ0.1μm〜1.6μmの範囲内の未研磨端面22を有するキャピラリ20を用いたことを特徴としている。
このキャピラリ20は長手方向に沿って細い孔21を有し、その孔21内に2本の光ファイバ13A,13Bの裸線部を挿通し、接着剤で固定した構成になっている。
このキャピラリ20の孔21の直径Aは、光ファイバ13A,13Bが挿通可能な大きさとされ、例えば、クラッド径125μmの光ファイバを用いる場合には直径Aは250μm〜270μm程度が好ましい。また、キャピラリ20の外径Bは、レンズ12A,12Bの外径に合わせて設定することが望ましく、通常は1mm〜3mm程度とされる。
本実施形態では、光ファイバ固定部材としてのキャピラリ20の端面を平均面粗さ0.1μm〜1.6μmである未研磨端面22としたことで、レンズ12A,12Bとキャピラリ20との接着部の表面積が広がり、接着強度が向上する。
従来は、反射の影響を無くすためにファイバ端面を斜め研磨していたが、屈折率の整合の取れた部品及び接着剤を用いることで、その必要も無くなる。また、従来は鏡面化されるまで研磨していたものが、ある程度の面粗さまで研磨すればよいので、研磨工程の時間短縮につながる。
なお、前述した各実施形態においては、光ファイバを3本用いた光部品を示してきたが、もちろん光ファイバが2本の光部品に本発明を適用しても構わない。例えば、フィルタとしてバンドパスフィルタや、利得等化フィルタを用いた光部品がそれに当たる。
接着部の引張強度を確認するため、図8のような構造の光部品を用いて、レンズ端面を研磨した従来型のものから、レンズ端面を研磨しない提案構造において引張強度試験を行った。その際、レンズ端面の平均面粗さを変えた多数のサンプルを用いて実験した。
レンズ12A,12Bの大きさは、それぞれφ0.4mm×L1.7mmとし、フィルタ11の大きさは□0.6mm×1mmtとした。また、レンズ12A,12Bの基端面には、それぞれ2本の光ファイバ13…を直接融着接続した。それぞれのレンズ12A,12Bとそれに融着接続した2本の光ファイバ13との間の引張破断強度は2000gf程度であった。
レンズ端面の平均面粗さを変えた多数のサンプルを用い、図8に示すように、片端2本の光ファイバを同時に引っ張り、各サンプルの破断強度を求めた(各面粗さについてn=5×10)。その結果を図9に示す。
図9から、レンズ端面を鏡面研磨し平均面粗さの小さいレンズを用いたサンプルでは、平均破断強度が800gf以下であったが、母材から切り出したままの未研磨端面を持つレンズを用いたサンプルは、明らかに平均破断強度が向上している。特に、平均面粗さが0.1μm以上のレンズを用いたサンプルでは、引張強度が900gf以上であり、Telcordia規格(光部品の状態で、ファイバ1本を引っ張って450gf以上の引張強度が必要)を十分に満足することが分かった。
一方、レンズの平均面粗さが1.6μmを超えるサンプルは、平均破断強度が低下する傾向が見られた。
従来法によるレンズの作製手順を示す斜視図である。 本発明の光部品の第1実施形態を示す概略構成図である。 放送通信融合1芯3波多重FTTHソリューションに用いられる光の波長を示す図である。 本発明の波長合分波器の一例を示す概略構成図である。 3波波長合分波器の波長特性を表すグラフである。 本発明の光部品の第2実施形態を示す概略構成図である。 本発明の第3実施形態を示し、(a)はキャピラリの端面を示す図、(b)はキャピラリの側面図である。 引張試験充当サンプルの構造図である。 平均面粗さに対する引張強度を表すグラフである。
符号の説明
10…光部品、11…フィルタ(誘電体多層膜フィルタ)、12A,12B,22A,22B…レンズ(コリメートレンズ)、13A,13B,13C,23A,23B,23C…光ファイバ、14,24…接着部、15,22…未研磨端面、16…融着部、17A,17B,20…キャピラリ(光ファイバ固定部材)、21…孔。

Claims (4)

  1. 誘電体多層膜フィルタと、該誘電体多層膜フィルタに接続されたコリメートレンズと、該コリメートレンズに接続された光ファイバとを備えた光部品であって、前記コリメートレンズが、接着剤からなる接着部を介して誘電体多層膜フィルタに接続され、前記誘電体多層膜フィルタと前記コリメートレンズと前記接着部がほぼ同じ屈折率を有し、前記コリメートレンズの端面のうち少なくとも誘電体多層膜フィルタ側の端面の平均面粗さが0.1μm〜1.6μmの範囲内であることを特徴とする光部品。
  2. 前記光ファイバの先端部に、光ファイバ固定部材が設けられ、この光ファイバ固定部材が、前記接着剤からなる接着部を介して前記コリメートレンズに接続され、かつ少なくともコリメートレンズ側の端面の平均面粗さが0.1μm〜1.6μmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の光部品。
  3. 誘電体多層膜フィルタと、該誘電体多層膜フィルタの両面にそれぞれ接続された第1および第2コリメートレンズと、第1コリメートレンズに接続された第1および第2ポート用光ファイバと、第2コリメートレンズに接続された第3ポート用光ファイバとを備え、第1ないし第3ポート用光ファイバが、第1ポート用光ファイバから誘電体多層膜フィルタに反射されて第2ポート用光ファイバに至る第1の光路と、第1ポート用光ファイバから誘電体多層膜フィルタを通過して第3ポート用光ファイバに至る第2の光路とを形成する波長合分波器であって、前記第1および第2コリメートレンズが、接着剤からなる接着部を介して誘電体多層膜フィルタに接続され、前記誘電体多層膜フィルタと前記第1および第2コリメートレンズと前記接着部がほぼ同じ屈折率を有し、前記第1および第2コリメートレンズの少なくとも誘電体多層膜フィルタ側の平均面粗さが0.1μm〜1.6μmの範囲内であることを特徴とする波長合分波器。
  4. レンズ母材を0.1μm〜1.6μmの平均面粗さで切断して得られた所定長さのレンズ原材を、前記レンズ原材と屈折率が互いにほぼ等しい接着剤を用いてコリメートレンズとして誘電体多層膜フィルタに接着し、該コリメートレンズに光ファイバを接続し、光部品を得ることを特徴とする光部品の製造方法。
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