JP2004271894A - 光モジュール、光軸調整装置、及び光通信システム - Google Patents
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Abstract
【課題】光ファイバとレンズとの間で光軸調整が可能であって、光ファイバ端面を斜めに形成しなくても戻り光を防ぐことが可能な光モジュール、光軸調整装置、及び光通信システムを提供する。
【解決手段】合分波モジュール1は、スリーブ3a、ブッシュ5a、及びベース部材7aを備える。スリーブ3aは、光ファイバ13bを保持している。また、ブッシュ5aは、屈折率分布型のレンズ19aを保持している。光ファイバ13bの端面11bとレンズ19bの入出射面21aとはPC接合により接触している。また、スリーブ3aとブッシュ5aとの相対位置が調整されることにより、光ファイバ13bから出射される光L2の光軸が調整されている。
【選択図】 図2
【解決手段】合分波モジュール1は、スリーブ3a、ブッシュ5a、及びベース部材7aを備える。スリーブ3aは、光ファイバ13bを保持している。また、ブッシュ5aは、屈折率分布型のレンズ19aを保持している。光ファイバ13bの端面11bとレンズ19bの入出射面21aとはPC接合により接触している。また、スリーブ3aとブッシュ5aとの相対位置が調整されることにより、光ファイバ13bから出射される光L2の光軸が調整されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光モジュール、光軸調整装置、及び光通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバコリメータは、光ファイバの端面において入出射される光をレンズによってコリメートまたは集光する。この光ファイバコリメータにおいては、光ファイバ端面での戻り光を防ぐために、光軸に垂直な面に対して斜めに光ファイバ端面が形成されている。しかし、レンズに入出射される光は斜めに形成された光ファイバ端面において屈折するので、レンズ中心からのずれが発生する。
【0003】
引用文献1には、レンズ中心からのずれをなくすため図7に示されるような光ファイバコリメータ200が開示されている。光ファイバコリメータ200は、筒状部材204の内部にロッドレンズ201、光ファイバ205、及び光ファイバ205を保持する光ファイバチップ203を備えている。そして、ロッドレンズ201の端面と光ファイバ205の端面とが斜め加工されており、それぞれの端面が間隔をあけて配置されている。ロッドレンズ201の中心に対して光ファイバ205の光軸を偏心させ、ロッドレンズ201の中心とロッドレンズ201に入射する光L4の光軸とがほぼ一致するように構成されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−196180号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような光ファイバコリメータにおいては、光ファイバとレンズとの相対位置を予め計算した上で組み立てられる。しかしながら、各部材の寸法誤差やレンズの光学中心と形状中心とのずれなどが存在するので、光ファイバとレンズとの相対位置が所定の位置からずれてしまう。従って、光ファイバとレンズとの間で光軸がずれ、所望の光学特性を得ることができない。
【0006】
また、上記したような光ファイバコリメータにおいては、光ファイバ端面が光軸に垂直な面に対して斜めに形成されている。光ファイバ端面をこのように形成するためには、光ファイバ端面を研磨する工程及びAR(Anti Refrective)コーティング膜を形成する工程という2つの工程が必要となるので、製造工程が増える一因となっている。
【0007】
本発明はこれらの問題点を鑑みてなされたものであり、光ファイバとレンズとの間で光軸調整が可能であって、光ファイバ端面を斜めに形成しなくても戻り光を防ぐことが可能な光モジュール、光軸調整装置、及び光通信システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による光モジュールは、光ファイバと、光ファイバを保持する第1の部材と、互いに対向する第1の入出射面及び第2の入出射面を有する屈折率分布型のレンズと、レンズを保持する第2の部材とを備え、レンズの第1の入出射面と光ファイバの端面とが互いに接触していることを特徴とする。
【0009】
本発明による光モジュールでは、レンズの第1の入出射面と光ファイバの端面とが接触しているので、光ファイバ端面を斜めに形成しなくても光ファイバの端面における戻り光を低減することができる。また、この光モジュールでは、第1の部材と第2の部材とをレンズの第1の入出射面に平行な方向に相対的に移動することによって、光ファイバとレンズとの相対位置を互いに接触させたまま変化させることができる。従って、この光モジュールによれば、光ファイバとレンズとの間で光軸調整が可能となる。
【0010】
また、光モジュールは、第1の部材と第2の部材とが、レーザ溶接、接着剤による接合、及びはんだによる接合のいずれかによって互いに固定されていることを特徴としてもよい。これによって、第1の部材と第2の部材とを好適に固定することができる。
【0011】
また、光モジュールは、第1の部材と第2の部材との相対位置が調整されることにより光軸調整がなされていることを特徴としてもよい。これによって、所望の光学特性を有する光モジュールを提供することができる。
【0012】
また、光モジュールは、レンズの第2の入出射面において入出射される光を通過させるための開口部を有しており、第2の部材に接する第3の部材をさらに備えることを特徴としてもよい。これによって、第1の部材及び第2の部材と第3の部材との相対位置を変化させることにより、第3の部材の開口部を介してレンズの第2の入出射面に光学的に結合される他の光学部品とレンズ及び光ファイバとの間で光軸調整が可能となる。
【0013】
また、光モジュールは、第1の部材及び第2の部材と第3の部材との相対位置が調整されることにより光軸調整がなされていることを特徴としてもよい。これによって、所望の光学特性を有する光モジュールを提供することができる。
【0014】
また、本発明による光軸調整装置は、上記した光モジュールの光軸を調整する光軸調整装置であって、第1の部材を把持する把持部と、レンズの第1の入出射面に平行な方向に把持部を移動する位置調整部とを備えることを特徴とする。この光軸調整装置によれば、第1の部材と第2の部材との相対位置を変化させることで容易に光軸調整することができる。また、光モジュールが第3の部材を備える場合には、第1の部材及び第2の部材と第3の部材との相対位置を変化させることで容易に光軸調整することができる。
【0015】
また、本発明による光通信システムは、上記した光モジュールを備えることを特徴とする。これにより、光ファイバとレンズとの間で光軸調整が可能であって、戻り光を防ぐために光ファイバ端面を斜めに形成する必要がない光通信システムを提供することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明による光モジュールの第1実施形態としての合分波モジュールを示す斜視図である。また、図2は、図1に示された合分波モジュールのI−I断面を示す断面図である。この合分波モジュール1は、複数の波長成分を含む光を光ファイバ13aから受けて、所定波長の光を光ファイバ13bへ取り出し、残りの波長成分を含む光を光ファイバ13cへ出射する機能を有する。または、合分波モジュール1は、光ファイバ13bから所定波長の光を受けるとともに、光ファイバ13cから所定波長とは異なる波長の光を受け、これらの光を合波して光ファイバ13aへ出射する機能を有する。
【0018】
図1及び図2を参照すると、合分波モジュール1は、第1の部材としてスリーブ3aを、第2の部材としてブッシュ5aを、第3の部材としてベース部材7aを、それぞれ備えている。スリーブ3aは所定の軸方向に延びた円柱状を呈しており、スリーブ3aの端面20aの中心付近には凹状部22bが形成されている。また、スリーブ3a内部には所定の軸方向に延びて凹状部22bに達する貫通孔が形成されており、該貫通孔内に光ファイバ13bが挿通されている。光ファイバ13bの端部はスリーブ3aの凹状部22bに埋設されたフェルール15bによって保持されている。光ファイバ13bの端面11b及びフェルール15bの端面は球面状に研磨されており、フェルール15bがスリーブ3aから加圧されることにより光ファイバ13bと次に述べるレンズ19aとがPC(Physical Contact)結合されて互いに接触している。このとき、光ファイバ13bとレンズ19aとの間の結合損失は0.3dB以下であることが好ましい。
【0019】
ブッシュ5aは所定の軸方向に延びた円柱状を呈しており、互いに対向する第1の面24a及び第2の面26aを有している。ブッシュ5aには、第1の面24a及び第2の面26aを貫通する貫通孔が形成されている。そして、ブッシュ5aは、該貫通孔内にレンズ19aを保持している。ブッシュ5aの第1の面24aとスリーブ3aの端面20aとは、例えばYAGレーザ光をスポット的に照射してレーザ溶接され、互いに接合されている。あるいは、ブッシュ5aの第1の面24aとスリーブ3aの端面20aとは、紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂などの接着剤やはんだによって互いに接合されてもよい。
【0020】
レンズ19aはいわゆる屈折率分布型のレンズである。すなわち、レンズ19aは所定の軸方向に延びた円柱状を呈しており、第1の入出射面として入出射面21aを、第2の入出射面として入出射面23aを、それぞれ有している。入出射面21a及び23aそれぞれは、所定の軸方向と交差する方向に延びており、互いに対向している。そして、レンズ19aは、所定の軸に垂直な断面において、中心軸からの距離の2乗に比例して小さくなる屈折率分布を有している。レンズ19aは、入出射面21aがブッシュ5aの第1の面24aと同一面内に位置するとともに、入出射面23aがブッシュ5aの第2の面26aと同一面内に位置するようにブッシュ5a内に保持されている。レンズ19aの入出射面21aは、光ファイバ13bの端面11bに接触している。
【0021】
ベース部材7aは、所定の軸方向と交差する方向に延びた板状を呈しており、その一面28aがブッシュ5aの第2の面26aに接している。ベース部材7aの面28aとブッシュ5aの第2の面26aとが接する部分は、例えばYAGレーザ光をスポット的に照射してレーザ溶接され、接合されている。あるいは、ベース部材7aの面28aとブッシュ5aの第2の面26aとが接する部分は、接着剤やはんだによって互いに接合されてもよい。また、ベース部材7aは、ベース部材7aを所定の軸方向に貫通する開口部25aを有している。開口部25aは、レンズ19aの入出射面23aにおいて入出射される光L2を通過させるために設けられる。
【0022】
また、合分波モジュール1は、第1の部材としてスリーブ3bを、第2の部材としてブッシュ5bを、第3の部材としてベース部材7bを、さらに備えている。スリーブ3bは所定の軸方向に延びた円柱状を呈しており、スリーブ3bの端面20bにおける中心を挟む2つの領域のそれぞれには凹状部22a及び22cそれぞれが形成されている。また、スリーブ3b内部には所定の軸方向に延びて凹状部22a及び22cそれぞれに達する2本の貫通孔が形成されており、該2本の貫通孔それぞれに光ファイバ13a及び13cそれぞれが挿通されている。光ファイバ13aの端部はスリーブ3bの凹状部22aに埋設されたフェルール15aによって保持されている。また、光ファイバ13cの端部はスリーブ3bの凹状部22cに埋設されたフェルール15cによって保持されている。光ファイバ13aの端面11a及びフェルール15aの端面、及び光ファイバ13cの端面11c及びフェルール15cの端面は球面状に研磨されており、フェルール15a及び15cがスリーブ3bから加圧されることにより光ファイバ13aの端面11a及び光ファイバ13cの端面11cとレンズ19bの入出射面21bとがPC結合されて互いに接触している。
【0023】
ブッシュ5bは前述したブッシュ5aと同様の形状を有しており、互いに対向する第1の面24b及び第2の面26bを有するとともに、レンズ19bを保持している。また、ブッシュ5bの第1の面24bとスリーブ3bの端面20bとは、レーザ溶接、接着剤、またははんだなどによって互いに接合されている。
【0024】
レンズ19bは前述したレンズ19aと同様の形態を有している。レンズ19bは、第1の入出射面として入出射面21bを、第2の入出射面として入出射面23bを、それぞれ有している。レンズ19bは、入出射面21bがブッシュ5bの第1の面24bと同一面内に位置するとともに、入出射面23bがブッシュ5bの第2の面26bと同一面内に位置するようにブッシュ5b内に保持されている。レンズ19bの入出射面21bは、光ファイバ13aの端面11a及び光ファイバ13cの端面11cに接触している。
【0025】
ベース部材7bは、前述したベース部材7aと同様の形態を有する。ベース部材7bは、面28bにおいてブッシュ5bの第2の面26bに接している。ベース部材7bの面28bとブッシュ5bの第2の面26bとが接する部分は、レーザ溶接、接着剤、またははんだ等によって互いに接合されている。また、ベース部材7bは、レンズ19bの入出射面23bにおいて入出射される光L1及びL3を通過させるための開口部25bを有している。
【0026】
ベース部材7a及び7bは、ベース部材7aの面28aとは反対側の面とベース部材7bの面28bとは反対側の面とが互いに対向するように固定されている。ベース部材7bの面28bとは反対側の面には、開口部25bを塞ぐようにフィルタ17が設けられている。フィルタ17は、所定波長の光を選択的に透過させ、他の波長の光を反射する性質をもつ。
【0027】
ここで、スリーブ3a及び3b、ブッシュ5a及び5b、並びにベース部材7a及び7bの相対位置は、光ファイバ13a〜13cが光学的に互いに結合されるように調整されている。すなわち、光ファイバ13aから出射される光L2がレンズ19aの入出射面23aから出射される角度は、スリーブ3aとブッシュ5aとの相対位置がレンズ19aの入出射面21aと平行な方向に調整されることにより調整されている。また、光ファイバ13cから出射される光L3がレンズ19bの入出射面23bから出射される角度、及び、光L3がフィルタ17において反射して光L1となり、レンズ19bの入出射面23bに入射される角度は、スリーブ3bとブッシュ5bとの相対位置がレンズ19bの入出射面21bと平行な方向に調整されることにより調整されている。また、レンズ19aから出射された光L2がフィルタ17を透過して光L1と同軸の光となるように、ブッシュ5aとベース部材7aとの相対位置及びブッシュ5bとベース部材7bとの相対位置が調整されている。以上のように、合分波モジュール1は各構成部品間で光軸調整されている。なお、以上の説明は光ファイバ13b及び13cから出射された光が光ファイバ13aに入射される構成に関するが、光ファイバ13aから出射された光が光ファイバ13b及び13cに入射されるような構成においても同様の光軸調整がなされている。
【0028】
以上に構成を説明した合分波モジュール1は、次のような動作を行う。すなわち、複数の波長成分を含む光を光ファイバ13aから受けると、光ファイバ13aの端面11aから光L1が出射される。光L1はレンズ19bにより偏向するとともにコリメートされ、ベース部材7bの開口部25bを通ってフィルタ17に達する。ここで、所定波長の光L2はフィルタ17を透過し、他の波長成分を含む光L3はフィルタ17において反射する。反射した光L3は再び開口部25bを通ってレンズ19bに達する。光L3は、レンズ19bによって再び偏向するとともに集光され、光ファイバ13cの端面11cに入射される。
【0029】
一方、フィルタ17を透過した所定波長の光L2は、ベース部材7aの開口部25aを通ってレンズ19aに達する。そして、光L2はレンズ19aにより偏向するとともに集光され、光ファイバ13bの端面11bに入射する。こうして、複数の波長成分を含む光L1から所定波長の光L2が分波される。
【0030】
また、合分波モジュール1は、次のような動作を行う場合もある。すなわち、所定波長の光L2を光ファイバ13bから受けるとともに、所定波長以外の波長成分を含む光L3を光ファイバ13cから受ける。光L2は、光ファイバ13bの端面11bから出射され、レンズ19aにより偏向するとともにコリメートされて、ベース部材7aの開口部25aを通ってフィルタ17に達し、フィルタ17を透過する。
【0031】
一方、光L3は、光ファイバ13cの端面11cから出射され、レンズ19bにより偏向するとともにコリメートされて、ベース部材7bの開口部25bを通ってフィルタ17に達する。そして、光L3はフィルタ17において反射する。このとき、光L3と光L2とが合波されて光L1となる。光L1は、開口部25bを通ってレンズ19bに達する。光L1は、レンズ19bにより偏向するとともに集光され、光ファイバ13aの端面11aに入射される。
【0032】
図3は、合分波モジュール1の製造方法として、光軸調整装置を用いて合分波モジュール1の光軸を調整する方法を説明するための図である。合分波モジュール1では、スリーブ3aとブッシュ5aとの相対位置、及びブッシュ5aとベース部材7aとの相対位置を調整することにより、光軸の調整が行われる。なお、図3において、レンズ19aの入出射面21aに平行な平面をXY平面とする直交座標系XYZが規定されている。
【0033】
図3を参照すると、光軸調整装置33は、第1の位置調整部39、第2の位置調整部41、及び把持部43を備えている。把持部43は、合分波モジュール1のスリーブ3aを把持している。第1の位置調整部39は、板状部材39a及び39bを互いに重ね合わせることによって構成されている。板状部材39aの板状部材39bとの接触面とは反対側の面には、把持部43が固定されている。そして、板状部材39a及び39bをX軸方向に互いに摺動させることにより、把持部43を介してスリーブ3aとブッシュ5aとの相対位置がX軸方向に変化する。または、スリーブ3aとブッシュ5aが固定されている場合には、板状部材39a及び39bをX軸方向に互いに摺動させることにより、ブッシュ5aとベース部材7aとの相対位置がX軸方向に変化する。
【0034】
第2の位置調整部41は、板状部材41a及び41bを互いに重ね合わせることによって構成されている。板状部材41aの板状部材41bとの接触面とは反対側の面には、第1の位置調整部39の板状部材39bが固定されている。そして、板状部材41a及び41bをY軸方向に互いに摺動させることにより、把持部43及び第1の位置調整部39を介してスリーブ3aとブッシュ5aとの相対位置がY軸方向に変化する。または、スリーブ3aとブッシュ5aが固定されている場合には、板状部材41a及び41bをY軸方向に互いに摺動させることにより、ブッシュ5aとベース部材7aとの相対位置がY軸方向に変化する。
【0035】
上記した光軸調整装置33を用いた合分波モジュール1の光軸調整方法は、次のとおりである。まず、光ファイバ13aに光源45を接続し、光ファイバ13bに輝度計47を接続する。次に、光源45から発光される光の強度を一定とし、光ファイバ13bを伝搬する光の輝度を輝度計47により測定する。そして、輝度計47において測定される輝度が最大となるように、第1の位置調整部39、及び第2の位置調整部41を摺動させることによって、スリーブ3aとブッシュ5aとの相対位置、並びにブッシュ5aとベース部材7aとの相対位置が調整され、光軸調整が完了する。こうして、光軸調整が完了した後、スリーブ3aとブッシュ5aとの接合部分、及びブッシュ5aとベース部材7aとの接合部分をレーザ溶接などにより固着することで、スリーブ3a、ブッシュ5a、及びベース部材7aを互いに固定する。
【0036】
なお、スリーブ3b、ブッシュ5b、及びベース部材7bについても、スリーブ3a、ブッシュ5a、及びベース部材7aと同様の方法により光軸調整が行われる。
【0037】
本実施形態による合分波モジュール1は、次の効果を有する。すなわち、合分波モジュール1においては、レンズ19aの入出射面21aと光ファイバ13bの端面11bとが互いに接触しているので、光ファイバ端面を斜めに形成しなくても光ファイバ13bの端面11bにおける戻り光を低減することができる。また、合分波モジュール1では、光ファイバ13bの端面11bがレンズ19aの平らな入出射面21aに接触している。従って、スリーブ3aとブッシュ5aとをレンズ19aの入出射面21aに平行な方向に相対的に移動させることによって、端面11bと入出射面21aとを互いに接触させたまま光ファイバ13bとレンズ19aとの相対位置を変化させることができる。従って、この合分波モジュール1によれば、光ファイバ13bとレンズ19aとの間で光軸調整が可能となる。
【0038】
また、本実施形態による合分波モジュール1では、スリーブ3aとブッシュ5aとが、レーザ溶接、接着剤による接合、及びはんだによる接合のいずれかによって互いに固定されている。これによって、スリーブ3aとブッシュ5aとを好適に固定することができる。
【0039】
また、本実施形態による合分波モジュール1では、スリーブ3aとブッシュ5aとの相対位置が調整されることにより光軸調整がなされている。これによって、光ファイバ13a〜13cの互いの光学的結合関係が好適に実現されるので、所望の光学特性を有する合分波モジュール1を提供することができる。
【0040】
また、本実施形態による合分波モジュール1では、ブッシュ5aとベース部材7aとの相対位置を変化させることにより、ベース部材7aの開口部25aを介してレンズ19aの入出射面23aに光学的に結合されるレンズ19b及び光ファイバ13aとレンズ19a及び光ファイバ13bとの間で光軸調整が可能となる。
【0041】
また、本実施形態による合分波モジュール1では、ブッシュ5aとベース部材7aとの相対位置が調整されることにより光軸調整がなされている。これによって、光ファイバ13a〜13cの互いの光学的結合関係がさらに好適に実現されるので、所望の光学特性を有する合分波モジュール1を提供することができる。
【0042】
また、本実施形態による光軸調整装置33によれば、把持部43、第1の位置調整部39、及び第2の位置調整部41により、スリーブ3aとブッシュ5aとの相対位置及びブッシュ5aとベース部材7aとの相対位置を変化させることで容易に光軸調整することができる。
【0043】
なお、上記した本実施形態による合分波モジュール1では、スリーブ3b、ブッシュ5b、及びベース部材7bにおいてもスリーブ3a、ブッシュ5a、及びベース部材7aと同様の効果が得られる。
【0044】
(第2の実施の形態)
図4は、本発明による合分波モジュールの第2実施形態を示す断面図である。図4に示された合分波モジュール2は、第1の部材としてスリーブ3a及び3bを、第2の部材としてベース部材29a及び29bを、それぞれ備えている。スリーブ3a及び3bの構造は、上記した第1実施形態と同様なので、詳細な説明を省略する。
【0045】
ベース部材29aは角柱状の部材であり、面32aを有している。また、ベース部材29aは、面32aと面32aの反対側の面とを貫通する貫通孔34aを有している。貫通孔34aの内部には、レンズ19aが保持されている。ベース部材29aの面32aは、スリーブ3aの端面20aに接している。ベース部材29aとスリーブ3aとの相対位置は、光ファイバ13aと光ファイバ13bとが光学的に結合される位置に調整されている。ベース部材29aとスリーブ3aとの接合部分は、レーザ溶接、接着剤、またははんだ等によって固着されている。また、ベース部材29bもベース部材29aと同様の形態を有している。ベース部材29bの面32bとは反対側の面には、貫通孔34bを塞ぐようにフィルタ17が設けられている。
【0046】
ベース部材29a及び29bは、面32aの反対側の面と面32bの反対側の面とが対向するように互いに固定されている。このとき、ベース部材29aの貫通孔34a及びベース部材29bの貫通孔34bは、レンズ19aの入出射面23aとレンズ19bの入出射面23bとが光学的に結合可能な位置に設けられる。
【0047】
なお、本実施形態による合分波モジュール2の動作は、前述した第1実施形態による合分波モジュール1の動作と同様なので、その説明を省略する。
【0048】
次に、合分波モジュール2の製造方法として、光軸調整装置を用いて合分波モジュール2の光軸を調整する方法を説明する。合分波モジュール2では、スリーブ3aとベース部材29aとの相対位置を調整することにより、光軸の調整が行われる。
【0049】
図3に示された光軸調整装置33において、合分波モジュール2の光ファイバ13aに光源45を接続し、光ファイバ13bに輝度計47を接続する。次に、光源45から発光される光の強度を一定とし、光ファイバ13bを伝搬する光の輝度を輝度計47により測定する。そして、輝度計47において測定される輝度が最大となるように、第1の位置調整部39及び第2の位置調整部41を摺動させることによって、スリーブ3aとベース部材29aとの相対位置が調整され、光軸調整が完了する。こうして、光軸調整が完了した後、スリーブ3aとベース部材29aとの接合部分をレーザ溶接などにより固着することで、スリーブ3a及びベース部材29aが互いに固定される。なお、スリーブ3b及びベース部材29bについても、スリーブ3a及びベース部材29aと同様の方法により光軸調整が行われる。
【0050】
本実施形態による合分波モジュール2は、次の効果を有する。すなわち、合分波モジュール2においては、レンズ19aの入出射面21aと光ファイバ13bの端面11bとが互いに接触しているので、光ファイバ13bの端面11bにおける戻り光を低減することができる。また、合分波モジュール2においては、スリーブ3aとベース部材29aとをレンズ19aの入出射面21aに平行な方向に相対的に移動することによって、光ファイバ13bとレンズ19aとの間で光軸調整が可能となる。なお、スリーブ3b及びベース部材29bにおいても同様の効果が得られる。
【0051】
(第3の実施の形態)
図5は、本発明による光通信システムの第3実施形態を示す構成図である。図5を参照すると、本実施形態の光通信システム100は、光送信器101と光受信器103とを備えている。光送信器101と光受信器103とは、光ファイバ13によって互いに接続されている。
【0052】
光送信器101は、光送信モジュール109a〜109d及び光合波器105を備えている。光送信モジュール109a〜109dそれぞれは、波長λa〜λdそれぞれの信号光を生成し、光送信器101内部の光ファイバを介して光合波器105に送る。光合波器105は、波長λa〜λdそれぞれの信号光を合波して光ファイバ13へ出力する。
【0053】
光受信器103は、光分波器107及び光受信モジュール111a〜111dを備えている。光分波器107は、光ファイバ13から入力した光を波長λa〜λdそれぞれの信号光成分に分波して、光受信モジュール111a〜111dそれぞれに送る。光受信モジュール111a〜111dは、波長λa〜λdそれぞれの信号光成分を受信する。
【0054】
図6は、光分波器107の内部構成を示す図である。光分波器107は、合分波モジュール1a〜1c、及び光ファイバ13a〜13gを備えている。合分波モジュール1aには、光ファイバ13、13b、及び13cが接続されている。合分波モジュール1aは、光ファイバ13から入力した信号光を波長λaの信号光成分とその他の波長(λb、λc、λd)を含む信号光とに分波して、波長λaの信号光成分を光ファイバ13bから出力するとともに、他の波長(λb、λc、λd)の信号光成分を光ファイバ13cを介して合分波モジュール1bに送る。合分波モジュール1bも合分波モジュール1aと同様に、波長λbの信号光成分を光ファイバ13dから出力するとともに、他の波長(λc、λd)の信号光成分を光ファイバ13eを介して合分波モジュール1cに送る。合分波モジュール1cも合分波モジュール1a、1bと同様に、波長λcの信号光成分を光ファイバ13fから出力するとともに、他の波長(λd)の信号光成分を光ファイバ13gから出力する。
【0055】
合分波モジュール1a〜1cとしては、上記した第1実施形態の合分波モジュール1または第2実施形態の合分波モジュール2が用いられる。また、光分波器107と同様に、光合波器105においても、第1実施形態の合分波モジュール1または第2実施形態の合分波モジュール2を用いることができる。すなわち、図6に示された構成において、光ファイバ13b、13d、13f、及び13gそれぞれに波長λa〜λdそれぞれの信号光を入力すれば、これらの信号光は合波されて光ファイバ13へ出力されるので、光合波器105を構成することができる。
【0056】
本実施形態による光通信システム100は、上記した第1実施形態の合分波モジュール1または第2実施形態の合分波モジュール2を備えている。これにより、光ファイバ13bとレンズ19aとの間で光軸調整が可能であって、戻り光を防ぐために光ファイバ端面を斜めに形成する必要がない光通信システム100を提供することができる。
【0057】
本発明は、上記した各実施形態に限らず、様々な変形が可能である。例えば、第1実施形態及び第2実施形態では光モジュールとして合分波モジュールを説明したが、これ以外にも、例えばレーザダイオードを内蔵した発光モジュールや、フォトダイオードを内蔵した受光モジュールなどにおいても、本発明を適用することが可能である。すなわち、光ファイバからの光を集光またはコリメートする必要のある光モジュールであれば、本発明を適用することができる。
【0058】
また、第1実施形態及び第2実施形態では光ファイバとレンズとをPC結合により接触させている。光ファイバとレンズとの接触形態はこれに限らず、例えば光ファイバとレンズとの間に整合剤を塗布して結合してもよい。
【0059】
【発明の効果】
本発明による光モジュール、光軸調整装置、及び光通信システムによれば、光ファイバとレンズとの間で光軸調整が可能となるとともに、光ファイバ端面を斜めに形成しなくても戻り光を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光モジュールの第1実施形態としての合分波モジュールを示す斜視図である。
【図2】図1に示された合分波モジュールのI−I断面を示す断面図である。
【図3】合分波モジュールの製造方法として、光軸調整装置を用いて合分波モジュールの光軸を調整する方法を説明するための図である。
【図4】本発明による合分波モジュールの第2実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明による光通信システムの第3実施形態を示す構成図である。
【図6】光分波器の内部構成を示す図である。
【図7】従来の光ファイバコリメータを示す断面図である。
【符号の説明】
1、1a〜1c、2…合分波モジュール、3a、3b…スリーブ、5a、5b…ブッシュ、7a、7b…ベース部材、11a〜11c…端面、13、13a〜13g…光ファイバ、15a〜15c…フェルール、17…フィルタ、19a、19b…レンズ、20a、20b…端面、21a、21b、23a、23b…入出射面、22a〜22c…凹状部、24a、24b…第1の面、26a、26b…第2の面、25a、25b…開口部、28a、28b、32a、32b…面、29a、29b…ベース部材、33…光軸調整装置、34a、34b…貫通孔、39…第1の位置調整部、39a、39b…板状部材、41…第2の位置調整部、41a、41b…板状部材、43…把持部、45…光源、47…輝度計、100…光通信システム、101…光送信器、103…光受信器、105…光合波器、107…光分波器、109a…光送信モジュール、111a…光受信モジュール。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光モジュール、光軸調整装置、及び光通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバコリメータは、光ファイバの端面において入出射される光をレンズによってコリメートまたは集光する。この光ファイバコリメータにおいては、光ファイバ端面での戻り光を防ぐために、光軸に垂直な面に対して斜めに光ファイバ端面が形成されている。しかし、レンズに入出射される光は斜めに形成された光ファイバ端面において屈折するので、レンズ中心からのずれが発生する。
【0003】
引用文献1には、レンズ中心からのずれをなくすため図7に示されるような光ファイバコリメータ200が開示されている。光ファイバコリメータ200は、筒状部材204の内部にロッドレンズ201、光ファイバ205、及び光ファイバ205を保持する光ファイバチップ203を備えている。そして、ロッドレンズ201の端面と光ファイバ205の端面とが斜め加工されており、それぞれの端面が間隔をあけて配置されている。ロッドレンズ201の中心に対して光ファイバ205の光軸を偏心させ、ロッドレンズ201の中心とロッドレンズ201に入射する光L4の光軸とがほぼ一致するように構成されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−196180号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような光ファイバコリメータにおいては、光ファイバとレンズとの相対位置を予め計算した上で組み立てられる。しかしながら、各部材の寸法誤差やレンズの光学中心と形状中心とのずれなどが存在するので、光ファイバとレンズとの相対位置が所定の位置からずれてしまう。従って、光ファイバとレンズとの間で光軸がずれ、所望の光学特性を得ることができない。
【0006】
また、上記したような光ファイバコリメータにおいては、光ファイバ端面が光軸に垂直な面に対して斜めに形成されている。光ファイバ端面をこのように形成するためには、光ファイバ端面を研磨する工程及びAR(Anti Refrective)コーティング膜を形成する工程という2つの工程が必要となるので、製造工程が増える一因となっている。
【0007】
本発明はこれらの問題点を鑑みてなされたものであり、光ファイバとレンズとの間で光軸調整が可能であって、光ファイバ端面を斜めに形成しなくても戻り光を防ぐことが可能な光モジュール、光軸調整装置、及び光通信システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による光モジュールは、光ファイバと、光ファイバを保持する第1の部材と、互いに対向する第1の入出射面及び第2の入出射面を有する屈折率分布型のレンズと、レンズを保持する第2の部材とを備え、レンズの第1の入出射面と光ファイバの端面とが互いに接触していることを特徴とする。
【0009】
本発明による光モジュールでは、レンズの第1の入出射面と光ファイバの端面とが接触しているので、光ファイバ端面を斜めに形成しなくても光ファイバの端面における戻り光を低減することができる。また、この光モジュールでは、第1の部材と第2の部材とをレンズの第1の入出射面に平行な方向に相対的に移動することによって、光ファイバとレンズとの相対位置を互いに接触させたまま変化させることができる。従って、この光モジュールによれば、光ファイバとレンズとの間で光軸調整が可能となる。
【0010】
また、光モジュールは、第1の部材と第2の部材とが、レーザ溶接、接着剤による接合、及びはんだによる接合のいずれかによって互いに固定されていることを特徴としてもよい。これによって、第1の部材と第2の部材とを好適に固定することができる。
【0011】
また、光モジュールは、第1の部材と第2の部材との相対位置が調整されることにより光軸調整がなされていることを特徴としてもよい。これによって、所望の光学特性を有する光モジュールを提供することができる。
【0012】
また、光モジュールは、レンズの第2の入出射面において入出射される光を通過させるための開口部を有しており、第2の部材に接する第3の部材をさらに備えることを特徴としてもよい。これによって、第1の部材及び第2の部材と第3の部材との相対位置を変化させることにより、第3の部材の開口部を介してレンズの第2の入出射面に光学的に結合される他の光学部品とレンズ及び光ファイバとの間で光軸調整が可能となる。
【0013】
また、光モジュールは、第1の部材及び第2の部材と第3の部材との相対位置が調整されることにより光軸調整がなされていることを特徴としてもよい。これによって、所望の光学特性を有する光モジュールを提供することができる。
【0014】
また、本発明による光軸調整装置は、上記した光モジュールの光軸を調整する光軸調整装置であって、第1の部材を把持する把持部と、レンズの第1の入出射面に平行な方向に把持部を移動する位置調整部とを備えることを特徴とする。この光軸調整装置によれば、第1の部材と第2の部材との相対位置を変化させることで容易に光軸調整することができる。また、光モジュールが第3の部材を備える場合には、第1の部材及び第2の部材と第3の部材との相対位置を変化させることで容易に光軸調整することができる。
【0015】
また、本発明による光通信システムは、上記した光モジュールを備えることを特徴とする。これにより、光ファイバとレンズとの間で光軸調整が可能であって、戻り光を防ぐために光ファイバ端面を斜めに形成する必要がない光通信システムを提供することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明による光モジュールの第1実施形態としての合分波モジュールを示す斜視図である。また、図2は、図1に示された合分波モジュールのI−I断面を示す断面図である。この合分波モジュール1は、複数の波長成分を含む光を光ファイバ13aから受けて、所定波長の光を光ファイバ13bへ取り出し、残りの波長成分を含む光を光ファイバ13cへ出射する機能を有する。または、合分波モジュール1は、光ファイバ13bから所定波長の光を受けるとともに、光ファイバ13cから所定波長とは異なる波長の光を受け、これらの光を合波して光ファイバ13aへ出射する機能を有する。
【0018】
図1及び図2を参照すると、合分波モジュール1は、第1の部材としてスリーブ3aを、第2の部材としてブッシュ5aを、第3の部材としてベース部材7aを、それぞれ備えている。スリーブ3aは所定の軸方向に延びた円柱状を呈しており、スリーブ3aの端面20aの中心付近には凹状部22bが形成されている。また、スリーブ3a内部には所定の軸方向に延びて凹状部22bに達する貫通孔が形成されており、該貫通孔内に光ファイバ13bが挿通されている。光ファイバ13bの端部はスリーブ3aの凹状部22bに埋設されたフェルール15bによって保持されている。光ファイバ13bの端面11b及びフェルール15bの端面は球面状に研磨されており、フェルール15bがスリーブ3aから加圧されることにより光ファイバ13bと次に述べるレンズ19aとがPC(Physical Contact)結合されて互いに接触している。このとき、光ファイバ13bとレンズ19aとの間の結合損失は0.3dB以下であることが好ましい。
【0019】
ブッシュ5aは所定の軸方向に延びた円柱状を呈しており、互いに対向する第1の面24a及び第2の面26aを有している。ブッシュ5aには、第1の面24a及び第2の面26aを貫通する貫通孔が形成されている。そして、ブッシュ5aは、該貫通孔内にレンズ19aを保持している。ブッシュ5aの第1の面24aとスリーブ3aの端面20aとは、例えばYAGレーザ光をスポット的に照射してレーザ溶接され、互いに接合されている。あるいは、ブッシュ5aの第1の面24aとスリーブ3aの端面20aとは、紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂などの接着剤やはんだによって互いに接合されてもよい。
【0020】
レンズ19aはいわゆる屈折率分布型のレンズである。すなわち、レンズ19aは所定の軸方向に延びた円柱状を呈しており、第1の入出射面として入出射面21aを、第2の入出射面として入出射面23aを、それぞれ有している。入出射面21a及び23aそれぞれは、所定の軸方向と交差する方向に延びており、互いに対向している。そして、レンズ19aは、所定の軸に垂直な断面において、中心軸からの距離の2乗に比例して小さくなる屈折率分布を有している。レンズ19aは、入出射面21aがブッシュ5aの第1の面24aと同一面内に位置するとともに、入出射面23aがブッシュ5aの第2の面26aと同一面内に位置するようにブッシュ5a内に保持されている。レンズ19aの入出射面21aは、光ファイバ13bの端面11bに接触している。
【0021】
ベース部材7aは、所定の軸方向と交差する方向に延びた板状を呈しており、その一面28aがブッシュ5aの第2の面26aに接している。ベース部材7aの面28aとブッシュ5aの第2の面26aとが接する部分は、例えばYAGレーザ光をスポット的に照射してレーザ溶接され、接合されている。あるいは、ベース部材7aの面28aとブッシュ5aの第2の面26aとが接する部分は、接着剤やはんだによって互いに接合されてもよい。また、ベース部材7aは、ベース部材7aを所定の軸方向に貫通する開口部25aを有している。開口部25aは、レンズ19aの入出射面23aにおいて入出射される光L2を通過させるために設けられる。
【0022】
また、合分波モジュール1は、第1の部材としてスリーブ3bを、第2の部材としてブッシュ5bを、第3の部材としてベース部材7bを、さらに備えている。スリーブ3bは所定の軸方向に延びた円柱状を呈しており、スリーブ3bの端面20bにおける中心を挟む2つの領域のそれぞれには凹状部22a及び22cそれぞれが形成されている。また、スリーブ3b内部には所定の軸方向に延びて凹状部22a及び22cそれぞれに達する2本の貫通孔が形成されており、該2本の貫通孔それぞれに光ファイバ13a及び13cそれぞれが挿通されている。光ファイバ13aの端部はスリーブ3bの凹状部22aに埋設されたフェルール15aによって保持されている。また、光ファイバ13cの端部はスリーブ3bの凹状部22cに埋設されたフェルール15cによって保持されている。光ファイバ13aの端面11a及びフェルール15aの端面、及び光ファイバ13cの端面11c及びフェルール15cの端面は球面状に研磨されており、フェルール15a及び15cがスリーブ3bから加圧されることにより光ファイバ13aの端面11a及び光ファイバ13cの端面11cとレンズ19bの入出射面21bとがPC結合されて互いに接触している。
【0023】
ブッシュ5bは前述したブッシュ5aと同様の形状を有しており、互いに対向する第1の面24b及び第2の面26bを有するとともに、レンズ19bを保持している。また、ブッシュ5bの第1の面24bとスリーブ3bの端面20bとは、レーザ溶接、接着剤、またははんだなどによって互いに接合されている。
【0024】
レンズ19bは前述したレンズ19aと同様の形態を有している。レンズ19bは、第1の入出射面として入出射面21bを、第2の入出射面として入出射面23bを、それぞれ有している。レンズ19bは、入出射面21bがブッシュ5bの第1の面24bと同一面内に位置するとともに、入出射面23bがブッシュ5bの第2の面26bと同一面内に位置するようにブッシュ5b内に保持されている。レンズ19bの入出射面21bは、光ファイバ13aの端面11a及び光ファイバ13cの端面11cに接触している。
【0025】
ベース部材7bは、前述したベース部材7aと同様の形態を有する。ベース部材7bは、面28bにおいてブッシュ5bの第2の面26bに接している。ベース部材7bの面28bとブッシュ5bの第2の面26bとが接する部分は、レーザ溶接、接着剤、またははんだ等によって互いに接合されている。また、ベース部材7bは、レンズ19bの入出射面23bにおいて入出射される光L1及びL3を通過させるための開口部25bを有している。
【0026】
ベース部材7a及び7bは、ベース部材7aの面28aとは反対側の面とベース部材7bの面28bとは反対側の面とが互いに対向するように固定されている。ベース部材7bの面28bとは反対側の面には、開口部25bを塞ぐようにフィルタ17が設けられている。フィルタ17は、所定波長の光を選択的に透過させ、他の波長の光を反射する性質をもつ。
【0027】
ここで、スリーブ3a及び3b、ブッシュ5a及び5b、並びにベース部材7a及び7bの相対位置は、光ファイバ13a〜13cが光学的に互いに結合されるように調整されている。すなわち、光ファイバ13aから出射される光L2がレンズ19aの入出射面23aから出射される角度は、スリーブ3aとブッシュ5aとの相対位置がレンズ19aの入出射面21aと平行な方向に調整されることにより調整されている。また、光ファイバ13cから出射される光L3がレンズ19bの入出射面23bから出射される角度、及び、光L3がフィルタ17において反射して光L1となり、レンズ19bの入出射面23bに入射される角度は、スリーブ3bとブッシュ5bとの相対位置がレンズ19bの入出射面21bと平行な方向に調整されることにより調整されている。また、レンズ19aから出射された光L2がフィルタ17を透過して光L1と同軸の光となるように、ブッシュ5aとベース部材7aとの相対位置及びブッシュ5bとベース部材7bとの相対位置が調整されている。以上のように、合分波モジュール1は各構成部品間で光軸調整されている。なお、以上の説明は光ファイバ13b及び13cから出射された光が光ファイバ13aに入射される構成に関するが、光ファイバ13aから出射された光が光ファイバ13b及び13cに入射されるような構成においても同様の光軸調整がなされている。
【0028】
以上に構成を説明した合分波モジュール1は、次のような動作を行う。すなわち、複数の波長成分を含む光を光ファイバ13aから受けると、光ファイバ13aの端面11aから光L1が出射される。光L1はレンズ19bにより偏向するとともにコリメートされ、ベース部材7bの開口部25bを通ってフィルタ17に達する。ここで、所定波長の光L2はフィルタ17を透過し、他の波長成分を含む光L3はフィルタ17において反射する。反射した光L3は再び開口部25bを通ってレンズ19bに達する。光L3は、レンズ19bによって再び偏向するとともに集光され、光ファイバ13cの端面11cに入射される。
【0029】
一方、フィルタ17を透過した所定波長の光L2は、ベース部材7aの開口部25aを通ってレンズ19aに達する。そして、光L2はレンズ19aにより偏向するとともに集光され、光ファイバ13bの端面11bに入射する。こうして、複数の波長成分を含む光L1から所定波長の光L2が分波される。
【0030】
また、合分波モジュール1は、次のような動作を行う場合もある。すなわち、所定波長の光L2を光ファイバ13bから受けるとともに、所定波長以外の波長成分を含む光L3を光ファイバ13cから受ける。光L2は、光ファイバ13bの端面11bから出射され、レンズ19aにより偏向するとともにコリメートされて、ベース部材7aの開口部25aを通ってフィルタ17に達し、フィルタ17を透過する。
【0031】
一方、光L3は、光ファイバ13cの端面11cから出射され、レンズ19bにより偏向するとともにコリメートされて、ベース部材7bの開口部25bを通ってフィルタ17に達する。そして、光L3はフィルタ17において反射する。このとき、光L3と光L2とが合波されて光L1となる。光L1は、開口部25bを通ってレンズ19bに達する。光L1は、レンズ19bにより偏向するとともに集光され、光ファイバ13aの端面11aに入射される。
【0032】
図3は、合分波モジュール1の製造方法として、光軸調整装置を用いて合分波モジュール1の光軸を調整する方法を説明するための図である。合分波モジュール1では、スリーブ3aとブッシュ5aとの相対位置、及びブッシュ5aとベース部材7aとの相対位置を調整することにより、光軸の調整が行われる。なお、図3において、レンズ19aの入出射面21aに平行な平面をXY平面とする直交座標系XYZが規定されている。
【0033】
図3を参照すると、光軸調整装置33は、第1の位置調整部39、第2の位置調整部41、及び把持部43を備えている。把持部43は、合分波モジュール1のスリーブ3aを把持している。第1の位置調整部39は、板状部材39a及び39bを互いに重ね合わせることによって構成されている。板状部材39aの板状部材39bとの接触面とは反対側の面には、把持部43が固定されている。そして、板状部材39a及び39bをX軸方向に互いに摺動させることにより、把持部43を介してスリーブ3aとブッシュ5aとの相対位置がX軸方向に変化する。または、スリーブ3aとブッシュ5aが固定されている場合には、板状部材39a及び39bをX軸方向に互いに摺動させることにより、ブッシュ5aとベース部材7aとの相対位置がX軸方向に変化する。
【0034】
第2の位置調整部41は、板状部材41a及び41bを互いに重ね合わせることによって構成されている。板状部材41aの板状部材41bとの接触面とは反対側の面には、第1の位置調整部39の板状部材39bが固定されている。そして、板状部材41a及び41bをY軸方向に互いに摺動させることにより、把持部43及び第1の位置調整部39を介してスリーブ3aとブッシュ5aとの相対位置がY軸方向に変化する。または、スリーブ3aとブッシュ5aが固定されている場合には、板状部材41a及び41bをY軸方向に互いに摺動させることにより、ブッシュ5aとベース部材7aとの相対位置がY軸方向に変化する。
【0035】
上記した光軸調整装置33を用いた合分波モジュール1の光軸調整方法は、次のとおりである。まず、光ファイバ13aに光源45を接続し、光ファイバ13bに輝度計47を接続する。次に、光源45から発光される光の強度を一定とし、光ファイバ13bを伝搬する光の輝度を輝度計47により測定する。そして、輝度計47において測定される輝度が最大となるように、第1の位置調整部39、及び第2の位置調整部41を摺動させることによって、スリーブ3aとブッシュ5aとの相対位置、並びにブッシュ5aとベース部材7aとの相対位置が調整され、光軸調整が完了する。こうして、光軸調整が完了した後、スリーブ3aとブッシュ5aとの接合部分、及びブッシュ5aとベース部材7aとの接合部分をレーザ溶接などにより固着することで、スリーブ3a、ブッシュ5a、及びベース部材7aを互いに固定する。
【0036】
なお、スリーブ3b、ブッシュ5b、及びベース部材7bについても、スリーブ3a、ブッシュ5a、及びベース部材7aと同様の方法により光軸調整が行われる。
【0037】
本実施形態による合分波モジュール1は、次の効果を有する。すなわち、合分波モジュール1においては、レンズ19aの入出射面21aと光ファイバ13bの端面11bとが互いに接触しているので、光ファイバ端面を斜めに形成しなくても光ファイバ13bの端面11bにおける戻り光を低減することができる。また、合分波モジュール1では、光ファイバ13bの端面11bがレンズ19aの平らな入出射面21aに接触している。従って、スリーブ3aとブッシュ5aとをレンズ19aの入出射面21aに平行な方向に相対的に移動させることによって、端面11bと入出射面21aとを互いに接触させたまま光ファイバ13bとレンズ19aとの相対位置を変化させることができる。従って、この合分波モジュール1によれば、光ファイバ13bとレンズ19aとの間で光軸調整が可能となる。
【0038】
また、本実施形態による合分波モジュール1では、スリーブ3aとブッシュ5aとが、レーザ溶接、接着剤による接合、及びはんだによる接合のいずれかによって互いに固定されている。これによって、スリーブ3aとブッシュ5aとを好適に固定することができる。
【0039】
また、本実施形態による合分波モジュール1では、スリーブ3aとブッシュ5aとの相対位置が調整されることにより光軸調整がなされている。これによって、光ファイバ13a〜13cの互いの光学的結合関係が好適に実現されるので、所望の光学特性を有する合分波モジュール1を提供することができる。
【0040】
また、本実施形態による合分波モジュール1では、ブッシュ5aとベース部材7aとの相対位置を変化させることにより、ベース部材7aの開口部25aを介してレンズ19aの入出射面23aに光学的に結合されるレンズ19b及び光ファイバ13aとレンズ19a及び光ファイバ13bとの間で光軸調整が可能となる。
【0041】
また、本実施形態による合分波モジュール1では、ブッシュ5aとベース部材7aとの相対位置が調整されることにより光軸調整がなされている。これによって、光ファイバ13a〜13cの互いの光学的結合関係がさらに好適に実現されるので、所望の光学特性を有する合分波モジュール1を提供することができる。
【0042】
また、本実施形態による光軸調整装置33によれば、把持部43、第1の位置調整部39、及び第2の位置調整部41により、スリーブ3aとブッシュ5aとの相対位置及びブッシュ5aとベース部材7aとの相対位置を変化させることで容易に光軸調整することができる。
【0043】
なお、上記した本実施形態による合分波モジュール1では、スリーブ3b、ブッシュ5b、及びベース部材7bにおいてもスリーブ3a、ブッシュ5a、及びベース部材7aと同様の効果が得られる。
【0044】
(第2の実施の形態)
図4は、本発明による合分波モジュールの第2実施形態を示す断面図である。図4に示された合分波モジュール2は、第1の部材としてスリーブ3a及び3bを、第2の部材としてベース部材29a及び29bを、それぞれ備えている。スリーブ3a及び3bの構造は、上記した第1実施形態と同様なので、詳細な説明を省略する。
【0045】
ベース部材29aは角柱状の部材であり、面32aを有している。また、ベース部材29aは、面32aと面32aの反対側の面とを貫通する貫通孔34aを有している。貫通孔34aの内部には、レンズ19aが保持されている。ベース部材29aの面32aは、スリーブ3aの端面20aに接している。ベース部材29aとスリーブ3aとの相対位置は、光ファイバ13aと光ファイバ13bとが光学的に結合される位置に調整されている。ベース部材29aとスリーブ3aとの接合部分は、レーザ溶接、接着剤、またははんだ等によって固着されている。また、ベース部材29bもベース部材29aと同様の形態を有している。ベース部材29bの面32bとは反対側の面には、貫通孔34bを塞ぐようにフィルタ17が設けられている。
【0046】
ベース部材29a及び29bは、面32aの反対側の面と面32bの反対側の面とが対向するように互いに固定されている。このとき、ベース部材29aの貫通孔34a及びベース部材29bの貫通孔34bは、レンズ19aの入出射面23aとレンズ19bの入出射面23bとが光学的に結合可能な位置に設けられる。
【0047】
なお、本実施形態による合分波モジュール2の動作は、前述した第1実施形態による合分波モジュール1の動作と同様なので、その説明を省略する。
【0048】
次に、合分波モジュール2の製造方法として、光軸調整装置を用いて合分波モジュール2の光軸を調整する方法を説明する。合分波モジュール2では、スリーブ3aとベース部材29aとの相対位置を調整することにより、光軸の調整が行われる。
【0049】
図3に示された光軸調整装置33において、合分波モジュール2の光ファイバ13aに光源45を接続し、光ファイバ13bに輝度計47を接続する。次に、光源45から発光される光の強度を一定とし、光ファイバ13bを伝搬する光の輝度を輝度計47により測定する。そして、輝度計47において測定される輝度が最大となるように、第1の位置調整部39及び第2の位置調整部41を摺動させることによって、スリーブ3aとベース部材29aとの相対位置が調整され、光軸調整が完了する。こうして、光軸調整が完了した後、スリーブ3aとベース部材29aとの接合部分をレーザ溶接などにより固着することで、スリーブ3a及びベース部材29aが互いに固定される。なお、スリーブ3b及びベース部材29bについても、スリーブ3a及びベース部材29aと同様の方法により光軸調整が行われる。
【0050】
本実施形態による合分波モジュール2は、次の効果を有する。すなわち、合分波モジュール2においては、レンズ19aの入出射面21aと光ファイバ13bの端面11bとが互いに接触しているので、光ファイバ13bの端面11bにおける戻り光を低減することができる。また、合分波モジュール2においては、スリーブ3aとベース部材29aとをレンズ19aの入出射面21aに平行な方向に相対的に移動することによって、光ファイバ13bとレンズ19aとの間で光軸調整が可能となる。なお、スリーブ3b及びベース部材29bにおいても同様の効果が得られる。
【0051】
(第3の実施の形態)
図5は、本発明による光通信システムの第3実施形態を示す構成図である。図5を参照すると、本実施形態の光通信システム100は、光送信器101と光受信器103とを備えている。光送信器101と光受信器103とは、光ファイバ13によって互いに接続されている。
【0052】
光送信器101は、光送信モジュール109a〜109d及び光合波器105を備えている。光送信モジュール109a〜109dそれぞれは、波長λa〜λdそれぞれの信号光を生成し、光送信器101内部の光ファイバを介して光合波器105に送る。光合波器105は、波長λa〜λdそれぞれの信号光を合波して光ファイバ13へ出力する。
【0053】
光受信器103は、光分波器107及び光受信モジュール111a〜111dを備えている。光分波器107は、光ファイバ13から入力した光を波長λa〜λdそれぞれの信号光成分に分波して、光受信モジュール111a〜111dそれぞれに送る。光受信モジュール111a〜111dは、波長λa〜λdそれぞれの信号光成分を受信する。
【0054】
図6は、光分波器107の内部構成を示す図である。光分波器107は、合分波モジュール1a〜1c、及び光ファイバ13a〜13gを備えている。合分波モジュール1aには、光ファイバ13、13b、及び13cが接続されている。合分波モジュール1aは、光ファイバ13から入力した信号光を波長λaの信号光成分とその他の波長(λb、λc、λd)を含む信号光とに分波して、波長λaの信号光成分を光ファイバ13bから出力するとともに、他の波長(λb、λc、λd)の信号光成分を光ファイバ13cを介して合分波モジュール1bに送る。合分波モジュール1bも合分波モジュール1aと同様に、波長λbの信号光成分を光ファイバ13dから出力するとともに、他の波長(λc、λd)の信号光成分を光ファイバ13eを介して合分波モジュール1cに送る。合分波モジュール1cも合分波モジュール1a、1bと同様に、波長λcの信号光成分を光ファイバ13fから出力するとともに、他の波長(λd)の信号光成分を光ファイバ13gから出力する。
【0055】
合分波モジュール1a〜1cとしては、上記した第1実施形態の合分波モジュール1または第2実施形態の合分波モジュール2が用いられる。また、光分波器107と同様に、光合波器105においても、第1実施形態の合分波モジュール1または第2実施形態の合分波モジュール2を用いることができる。すなわち、図6に示された構成において、光ファイバ13b、13d、13f、及び13gそれぞれに波長λa〜λdそれぞれの信号光を入力すれば、これらの信号光は合波されて光ファイバ13へ出力されるので、光合波器105を構成することができる。
【0056】
本実施形態による光通信システム100は、上記した第1実施形態の合分波モジュール1または第2実施形態の合分波モジュール2を備えている。これにより、光ファイバ13bとレンズ19aとの間で光軸調整が可能であって、戻り光を防ぐために光ファイバ端面を斜めに形成する必要がない光通信システム100を提供することができる。
【0057】
本発明は、上記した各実施形態に限らず、様々な変形が可能である。例えば、第1実施形態及び第2実施形態では光モジュールとして合分波モジュールを説明したが、これ以外にも、例えばレーザダイオードを内蔵した発光モジュールや、フォトダイオードを内蔵した受光モジュールなどにおいても、本発明を適用することが可能である。すなわち、光ファイバからの光を集光またはコリメートする必要のある光モジュールであれば、本発明を適用することができる。
【0058】
また、第1実施形態及び第2実施形態では光ファイバとレンズとをPC結合により接触させている。光ファイバとレンズとの接触形態はこれに限らず、例えば光ファイバとレンズとの間に整合剤を塗布して結合してもよい。
【0059】
【発明の効果】
本発明による光モジュール、光軸調整装置、及び光通信システムによれば、光ファイバとレンズとの間で光軸調整が可能となるとともに、光ファイバ端面を斜めに形成しなくても戻り光を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光モジュールの第1実施形態としての合分波モジュールを示す斜視図である。
【図2】図1に示された合分波モジュールのI−I断面を示す断面図である。
【図3】合分波モジュールの製造方法として、光軸調整装置を用いて合分波モジュールの光軸を調整する方法を説明するための図である。
【図4】本発明による合分波モジュールの第2実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明による光通信システムの第3実施形態を示す構成図である。
【図6】光分波器の内部構成を示す図である。
【図7】従来の光ファイバコリメータを示す断面図である。
【符号の説明】
1、1a〜1c、2…合分波モジュール、3a、3b…スリーブ、5a、5b…ブッシュ、7a、7b…ベース部材、11a〜11c…端面、13、13a〜13g…光ファイバ、15a〜15c…フェルール、17…フィルタ、19a、19b…レンズ、20a、20b…端面、21a、21b、23a、23b…入出射面、22a〜22c…凹状部、24a、24b…第1の面、26a、26b…第2の面、25a、25b…開口部、28a、28b、32a、32b…面、29a、29b…ベース部材、33…光軸調整装置、34a、34b…貫通孔、39…第1の位置調整部、39a、39b…板状部材、41…第2の位置調整部、41a、41b…板状部材、43…把持部、45…光源、47…輝度計、100…光通信システム、101…光送信器、103…光受信器、105…光合波器、107…光分波器、109a…光送信モジュール、111a…光受信モジュール。
Claims (7)
- 光ファイバと、
前記光ファイバを保持する第1の部材と、
互いに対向する第1の入出射面及び第2の入出射面を有する屈折率分布型のレンズと、
前記レンズを保持する第2の部材と
を備え、
前記レンズの前記第1の入出射面と前記光ファイバの端面とが互いに接触していることを特徴とする光モジュール。 - 前記第1の部材と前記第2の部材とが、レーザ溶接、接着剤による接合、及びはんだによる接合のいずれかによって互いに固定されていることを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
- 前記第1の部材と前記第2の部材との相対位置が調整されることにより光軸調整がなされていることを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
- 前記レンズの前記第2の入出射面において入出射される光を通過させるための開口部を有しており、前記第2の部材に接する第3の部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
- 前記第2の部材と前記第3の部材との相対位置が調整されることにより光軸調整がなされていることを特徴とする請求項4に記載の光モジュール。
- 請求項3または請求項5に記載の光モジュールの光軸を調整する光軸調整装置であって、
前記第1の部材を把持する把持部と、
前記レンズの前記第1の入出射面に平行な方向に前記把持部を移動する位置調整部と
を備えることを特徴とする光軸調整装置。 - 請求項1に記載の光モジュールを備えることを特徴とする光通信システム。
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-
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- 2003-03-07 JP JP2003062328A patent/JP2004271894A/ja active Pending
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