JP2008116593A - フォーカスレンズのトラッキング制御装置及び監視用途ズームカメラ装置 - Google Patents

フォーカスレンズのトラッキング制御装置及び監視用途ズームカメラ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】監視用途カメラでは、任意のズーム・フォーカス位置への移動機能が備わっており、この機能において、従来技術では環境温度によるレンズの膨張収縮に対応するのにバリエータレンズ群の位置による温度補正だけであったために焦点距離の長い高倍率ズームレンズにおいてフォーカスの合焦ずれが発生し、更に、レンズ個別のばらつきが大きく温度補正だけでは補正しきれない問題が発生した。
【解決手段】レンズ群近傍に環境温度を検出する温度検出器を備え、バリエータレンズ群の位置情報とフォーカスレンズ群の位置情報と環境温度検出器の情報から求めた温度補正量による所定のレンズ位置におけるフォーカスレンズ群の位置情報と、オートフォーカス制御により取得したフォーカス合焦時のフォーカスレンズ群の位置情報とからレンズ個別のばらつきに対応するための温度補正量を求め、記憶しているズームトレースカーブから求めた温度補正量をさらに補正する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、監視用途ズームカメラ装置等におけるフォーカスレンズのトラッキング制御装置に係り、特にインナーフォーカス方式レンズにおける焦点距離の長い高倍率ズームレンズを用いた構成であって、その任意のズーム・フォーカス位置への移動機能或いはズーム操作による移動時において使用時の環境温度及び使用するレンズ個別のばらつきの影響を受けることなく正確なフォーカスレンズの位置を決めて駆動制御するフォーカスレンズのトラッキング制御装置に関するものである。
特許文献1では、目的として「使用環境温度に左右されることなく安定、正確なズーム動作を実現するフォーカスレンズのトラッキング制御装置を提供する。」と記載され、構成として「レンズ群近傍に環境温度を検出する温度検出器を備え、温度検出器からの出力結果に応じてズームトレースカーブを上下シフト、即ちフォーカスレンズ群駆動の位置基準点であるバックフォーカス点を逐次環境温度に応じて変更制御する。」と記載されている。
また、特許文献2では、課題として「記憶容量を増やすことなく補正値を算出することができ、しかも補正値の誤差を小さくして正確な合焦レンズの総繰り出し量を算出する。」と記載され、請求項2として「段階的に切り換え可能な複数の焦点距離の中から選択される焦点距離位置にレンズを設定するズーム動作と、選択された焦点距離において前記レンズに含まれる合焦レンズの繰り出し位置を設定するフォーカシング動作とを一つのアクチュエータを用いて行うレンズ制御装置において、対象物までの距離に関するデータより前記合焦レンズの繰り出し量を算出する繰り出し量演算手段と、焦点距離毎に異なる標準繰り出し量に対する補正量を算出する補正量算出手段と、前記繰り出し量と前記補正量から前記合焦レンズの総繰り出し量を算出し、該総繰り出し量に基づいて前記合焦レンズを合焦位置まで繰り出すフォーカシング駆動手段と、温度を測定する測温手段とを有し、前記補正量演算手段は、前記焦点距離情報及び前記測温手段により得られる温度情報を使用した多項式を用いて前記補正量を算出するレンズ制御装置。」と記載されている。
特開平6−289275号公報 特開2003−222781号公報
監視用途カメラ装置は、犯罪防止及び抑止の観点から設置される数が増加の一途をたどっている。中でも、ズームレンズを使用した監視用途ズームカメラ装置においては、電動雲台にズームカメラを搭載しパン、チルト、ズームができるようになっているドームタイプの監視ドームカメラがパチンコパーラー、カジノ等で多く普及している。更に監視用途ズームカメラ装置である監視ドームカメラにおけるズーム倍率も20倍前後が主流であったのに対して、近年高倍率化になってきておりズーム倍率が30倍前後になってきている。この高倍率になったズームレンズでは、レンズの焦点距離が長くなっている。
この監視ドームカメラにおいては、利用者が任意のパン、チルト、ズーム、フォーカスの各位置を指定して、監視ドームカメラに記憶させておき、後から利用者が指定したパン、チルト、ズーム、フォーカスの位置を呼出して指定した位置に移動させることができる機能がある。これをプリセット機能と呼ぶ。このプリセット機能で、パン、チルト、ズーム、フォーカスの各位置を記憶することをプリセットメモリと呼び、記憶したパン、チルト、ズーム、フォーカスの各位置へ移動することをプリセット実行と呼ぶ。
このプリセット機能は、パチンコパーラーでは、監視ドームカメラで映して監視することができるパチンコ台の1台1台に予めパン、チルト、ズーム、フォーカスの位置を指定して監視ドームカメラでプリセットメモリしておく。通常は全部のパチンコ台を映すことができるようなワイドに引いた画角で全体が監視できるようにに映している。
そこで、或るパチンコ台で何かあった時に、そのパチンコ台へ監視ドームカメラがパン、チルト動作及び、カメラのプリセット実行をする。これにより、何かあったパチンコ台に監視ドームカメラが向きズームアップし拡大した映像を映すことで、何があったのかを監視することができる。
この監視ドームカメラのプリセット機能においてプリセットメモリする時は、通常はパチンコパーラー開店前の営業していない時なので環境温度が低温状態である。しかし、プリセット実行が行われる場合は、パチンコパーラーが営業している場合が多いので環境温度が高温状態である。このように、プリセットメモリした時とプリセット実行した時の環境温度に変化があった場合、監視ドームカメラのレンズ鏡筒の材料の膨張収縮や、レンズそのものの曲率の変化など、環境温度に影響を受ける部品の温度特性によってフォーカスの合焦ずれが発生し、プリセット実行後にズームアップした映像がぼける現象となる場合があった。このフォーカス合焦位置にずれが生じる問題に対応した従来開示されている特許文献1の技術では、バリエータレンズの位置と環境温度情報によるフォーカスレンズの温度補正を行っても、レンズの焦点距離の長い高倍率レンズでは、正確に温度補正ができずにフォーカスの合焦ずれが発生していた。
以下この点に関して説明する。
図3は環境温度変化に対するバリエータレンズ群とフォーカスレンズ群の位置関係を示す図であり、実線はズームトレースカーブであり、被写体との距離が無限遠の場合を示したものである。勿論このカーブは常温の条件下におけるレンズ特性から定まるものであるが、周囲温度変化が起こった場合、前に述べたようにレンズ特性が温度依存性を持つためにこのカーブは変化する。この様相を示したのが図3中の点線のカーブであるが、例えば距離無限遠の場合、常温で実線であったカーブは高温側の温度変化に対しては点線カーブI、低温側の温度変化に対しては点線カーブI’のように環境温度によってカーブが変化する。このため、特許文献1による従来技術では環境温度によるフォーカスレンズ群の位置を補正してトラッキング制御をしていた。例えば、バリエータレンズ群の位置がBの時のフォーカスレンズ群の位置は常温では実線上のa点であるが、低温になると点線カーブI’のa‘点となり、a−a’の分だけフォーカスレンズ群の位置制御を補正している。
しかしながら、レンズの焦点距離が長い高倍率レンズを使用した場合、この制御だけでは、正確なフォーカスレンズ群のトラッキング制御ができずにフォーカスの合焦ずれが発生する場合があった。図3で示したズームトレースカーブは被写体との距離が無限遠の場合を示したが、被写体までの距離によりズームトレースカーブはそれぞれ違いさらに環境温度によってカーブが変化する。ここで、レンズの焦点距離が長い高倍率レンズを使用した場合、被写体までの距離により環境温度によってカーブが変化する量が大きく変わることがわかった。そのため、レンズの焦点距離の長い高倍率レンズで、フォーカスの合焦ずれを軽減するために正確な温度補正をするためには、環境温度の変化によるバリエータレンズの位置の制御の補正量を被写体までの距離毎に変えて補正する必要がある。
図4は、被写体までの距離による温度補正量を示した図である。図4に示すように、被写体までの距離が無限遠の場合と最至近距離(レンズによって異なる)によって温度補正量を変化させる必要がある高倍率レンズの場合に、特許文献1の従来技術では、環境温度の変化によるバリエータレンズ群の位置の制御の補正量を被写体までの距離毎に変えて補正することには配慮されていないため、正確なフォーカスレンズのトラッキング制御ができずにフォーカスの合焦ずれが発生する場合があるという問題があった。
また、特許文献2の技術を用いた場合は、焦点距離情報と温度情報から温度補正を行うため、焦点距離情報を持たないカメラシステムの場合には、別途焦点距離情報を求めなければならない。この焦点距離情報を求めるためには、レンズによる固有の非常に大きなテーブルデータ情報を持つ必要があるために安価なシステムで構成するカメラには不向きであるという問題があった。
この問題点を解決するため、レンズの焦点距離の長い高倍率レンズを使用したカメラであって、レンズ群近傍に環境温度を検出する温度検出器を備え、フォーカスレンズ群駆動の駆動量に温度検出器で検出した温度情報と被写体までの距離の情報であるバリエータレンズ群の位置情報とフォーカスレンズ群の位置情報とから温度補正量を求めることで、環境温度に応じた正確なフォーカスレンズ群の位置制御をすることができることがわかった。
しかしながら、使用しているフォーカスレンズ群やバリエータレンズ群にはレンズ群個別のばらつきがあり、ズームトレースカーブの温度による変化量がフォーカスレンズのトラッキング制御装置毎に異なることがわかった。このため、フォーカスレンズのトラッキング制御装置個々に温度補正量を変えないとフォーカスの合焦ずれが発生する場合があるという問題があった。
本発明の目的は、レンズ群近傍に環境温度を検出する温度検出器を備え、バリエータレンズ群の位置情報とフォーカスレンズ群の位置情報と温度検出器の情報から求めた温度補正量による所定のレンズ位置におけるフォーカスレンズ群の位置情報と、オートフォーカス制御により取得したフォーカスの合焦時のフォーカスレンズ群の位置情報とからレンズ個別のばらつきに対応するための温度補正量を求め、記憶しているズームトレースカーブから求めた温度補正量をさらに補正することで、レンズ個別のばらつきによる合焦ずれを起こすことのないフォーカスレンズのトラッキング制御装置を提供することにある。
上記目的は、一例として特許請求の範囲に記載の発明により達成される。
本発明によれば、信頼性の高いフォーカスレンズのトラッキング制御装置を提供できる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明によるフォーカスレンズのトラッキング制御装置の一実施例を示す主要ブロック図である。
図1において、第1レンズ群である1は固定の前玉レンズ、第2レンズ群である2はバリエータレンズ群、6及び7は絞り機構、3は固定レンズ、第3レンズ群である4はフォーカスレンズ群、5はCCD(Charge Coupled Device)であり、光軸上に並んでいる。15はズームモータ9及びズームモータ駆動回路19より成るバリエータレンズ群2を駆動する第1駆動手段、16はフォーカスモータ12及びフォーカスモータ駆動回路20より成るフォーカスレンズ群4を駆動する第2駆動手段、17は制御手段であるマイクロプロセッサ、18はレンズ群の使用環境温度を検出する温度検出手段、21はCCD5から出力されるアナログの映像信号をデジタルの映像信号に変換するアナログフロントエンド回路、22はアナログフロントエンド回路から出力されるデジタル化された映像信号を処理する映像信号処理デジタルシグナルプロセッサ(以下、映像信号処理DSP)である。
まず、各部の構成、動作について説明する。温度検出手段18は、ダイオードによる順方向導通電圧の温度特性による温度検出手段やサーミスタなどの感温抵抗による温度検出手段などである。第3レンズ群基準点位置検出手段であるフォーカスレンズ基準位置検出手段8は、周知のフォトインタラプタなどで構成され、フォーカスレンズ群4の位置がフォーカスレンズ基準位置検出手段8より左側の場合は通光、右側の場合は遮光の識別信号を出力する。そして、マイクロプロセッサ17は通光、遮光の識別信号の境界点を認識しフォーカスレンズ駆動の位置基準点として、マイクロプロセッサ17の記録部にあるズームトレースカーブ上に記憶処理する。第2レンズ群基準点位置検出手段であるバリエータレンズ基準位置検出手段11もフォーカスレンズ基準位置検出手段8と同様の仕組みでズームレンズ駆動の位置基準点としてズームトレースカーブ上に記憶処理する。また、第1駆動手段15はマイクロプロセッサ17によって制御され、ズーム操作或いは任意のズーム・フォーカス位置への移動時にマイクロプロセッサ17からズームモータ駆動回路19に制御信号が入力されると、ズームモータ9を駆動してバリエータレンズ群2を所定の位置へ移動させる。更に、バリエータレンズ群2が移動している時には、マイクロプロセッサ17はバリエータレンズ基準位置検出手段11から得た基準点からの移動量でバリエータレンズ群2の移動先の位置を決めて移動させる。また、フォーカスレンズ基準位置検出手段8から得た基準点からの移動量でフォーカスレンズ群4の移動先の位置を決めて移動させる。マイクロプロセッサ17は、移動させた移動量を基準点から加減算して記憶処理しておくことでバリエータレンズ群2とフォーカスレンズ群4の位置を管理する。
図2はインナーフォーカス方式ズームレンズの原理構成を示す図である。図1ではズームモータ9とバリエータレンズ群2を、又フォーカスモータ12とフォーカスレンズ群4をそれぞれ直結した図としているが、図2に示すようにバリエータレンズ用送りねじ機構10及び、フォーカスレンズ用送りネジ機構13によって連結されるものである。これは、ズームモータ9が駆動されると駆動された方向に駆動された量だけバリエータレンズ群2が移動する。更に、フォーカスモータ12が駆動されると駆動された方向に駆動された量だけフォーカスレンズ群4が移動する。
本実施例は、マイクロプロセッサ17の記憶部にズームトレースカーブ及びバリエータレンズ基準位置検出手段11で取得したバリエータレンズ駆動の位置基準点と、フォーカスレンズ基準位置検出手段8で取得したフォーカスレンズ駆動の位置基準点であるバックフォーカス点を記憶させておくと共に温度検出手段18により取得した使用環境温度情報を記憶取得する。また、バリエータレンズ群2の位置情報は、前記バリエータレンズ基準位置検出手段11で取得した位置基準点からの移動量をマイクロプロセッサ17が管理してバリエータレンズ群2の位置情報とする。フォーカスレンズ群4の位置情報も同様に、前記フォーカスレンズ基準位置検出手段8で取得した位置基準点からの移動量をマイクロプロセッサ17が管理してフォーカスレンズ群4の位置情報とする。
これらの温度情報、バリエータレンズ群2の位置情報、及び、フォーカスレンズ群4の位置情報からズームトレースカーブを元に温度補正量を算出する。この算出した温度補正量を第2駆動手段16にマイクロプロセッサ17が設定することでフォーカスレンズ群4が駆動され環境温度によって合焦ずれしないようにフォーカスレンズ群の位置を移動させる。
次に、オートフォーカス制御の方法を図1及び図13を用いて説明する。CCD5から出力されたアナログの映像信号は、アナログフロントエンド回路21を介してデジタル化され、映像信号処理DSP22に入力され、そこで映像信号処理すると共にアナログ映像信号にして出力し、外部のTVモニタ等に映像を表示する。映像信号処理DSP22は、マイクロプロセッサ17にて制御され、映像信号処理の際に映像信号の高周波成分を検波し、その高周波成分検波情報をマイクロプロセッサ17が取得する。この取得した映像信号の高周波成分検波情報を使用してオートフォーカス制御を行う。
図13はフォーカスレンズ群4の位置に対する映像信号高周波成分検波情報を示した図であり、横軸はフォーカスレンズ群4の位置、縦軸は映像信号の高周波成分検波情報である。まず、マイクロプロセッサ17は第2駆動手段16に設定してフォーカスレンズ群4の位置を無限遠位置から最至近方向に向かって最至近位置まで移動させて映像信号高周波成分情報を取得していく。その情報をプロットしたのが図13に示したカーブVF1となる。カーブVF1から映像信号高周波成分情報が最大となるフォーカスレンズ群4の位置Fがフォーカスの合焦位置とする方法がオートフォーカス制御である。また、フォーカスレンズ群4の位置が無限遠位置からだけではなく、どの位置からでも検波情報が最大となる位置を見つける方法はあるが、本特許では無限遠位置から最至近位置までのフォーカスレンズ群4の移動とした。さらに、映像信号高周波成分検波情報を取得する間隔も山の裾野では長く、山の近傍では短くするようにするのが一般的であるが本特許では一定間隔で取得していく方法である。また、このカーブVF1は、被写体の距離、明るさなどで山の位置、傾き、大きさが変化するため、解像度チャートなどを画面一杯に映すことができればオートフォーカス制御におけるフォーカスレンズ群4の位置精度がより正確になる。
プリセットメモリをした時のバリエータレンズ群2の位置情報とフォーカスレンズ群4の位置情報とからプリセット実行を行った場合のプリセット実行時のバリエータレンズ群2の位置におけるフォーカスレンズ群4の位置は、温度検出手段18により取得した使用環境温度情報から温度補正量を加味したフォーカスレンズ群4の位置にすることは前述した。その時、オートフォーカス制御を実行して合焦させた場合のフォーカスレンズ群4の位置情報と、前記プリセット実行後のフォーカスレンズ群4の位置情報とから、位置情報に相違がある場合にレンズ個別のばらつきと判断し、オートフォーカス制御で取得したフォーカスレンズ群4の位置になるような温度補正量にするための温度補正係数を算出してマイクロプロセッサ17のメモリに記憶している温度補正係数を更新することで温度補正量が補正できる。
図5は、プリセットメモリ時におけるバリエータレンズ群とフォーカスレンズ群の位置関係を示す図である。被写体との距離が無限遠でのズームトレースカーブがJ’、1.5mでのズームトレースカーブがJになっているとした場合、環境温度が10℃になっている時に、バリエータレンズ群2の位置がB点にあり、フォーカスレンズ群4の位置がc点で被写体に対して合焦しているとする。この場合、被写体との距離は、無限遠から1.5mの間にあることになる。この時に必要な情報は、無限遠ズームトレースカーブJ’と1.5mズームトレースカーブJからのフォーカスレンズ群4の距離情報eとdである。この環境温度が10℃、バリエータレンズ群2の位置がB点、フォーカスレンズ群4の位置がc点でプリセットメモリを行った場合に、監視ドームカメラが記憶する情報としては、環境温度補正係数を含まないフォーカスレンズ群4の絶対位置情報c、1.5mズームトレースカーブJ、無限遠ズームトレースカーブJ’、1.5mズームトレースカーブJからのフォーカスレンズ群4の移動距離情報d、無限遠ズームトレースカーブJ’からのフォーカスレンズ群4の移動距離情報eである。これらの情報をマイクロプロセッサ17がプリセットメモリの情報として記憶しておく。
その後、画角が広いワイド付近に変えて監視を行っている場合を図6を用いて説明する。図6はプリセット実行前におけるバリエータレンズ群とフォーカスレンズ群の位置関係を示す図であり、図6に示すようなバリエータレンズ群2の位置がB’点、フォーカスレンズ群4の位置がc’点で監視している状況において、その時の環境温度が40℃になってい。
ここで、前記プリセットメモリしたバリエータレンズ群2の位置がB点、フォーカスレンズ群4の位置がc点の各レンズ位置へプリセット実行を行った場合を図7を用いて説明する。図7は本発明によるフォーカスレンズのトラッキング制御装置でのプリセット実行時におけるバリエータレンズ群とフォーカスレンズ群の位置関係を示す図であり、図7に示すようにバリエータレンズ群2の位置をB’点からB点に移動させ、同時にフォーカスレンズ群4の位置をc’点からc点に移動させる。これらの移動量の情報は、バリエータレンズ群2の移動量情報をX、フォーカスレンズ群4の移動量情報Yとした場合、バリエータレンズ群2の移動量情報Xを第1駆動手段15にマイクロプロセッサ17が設定してズームモータ9を駆動させてバリエータレンズ群2の位置をB’点からB点へ移動させる。同時にフォーカスレンズ群4の移動量情報Yをマイクロプロセッサ17が後述する方法で求めて第2駆動手段16に設定してフォーカスモータ12を駆動させてフォーカスレンズ群4を移動させる。ここで移動量情報Yは、環境温度による温度補正量を加味した値となるため、フォーカスレンズ群4の移動としてはc’点からc1点への移動となる。
次にフォーカスレンズ群4の移動情報Yの算出処理に関して図11のフローチャートに従って説明する。図11は本発明による本発明によるフォーカスレンズのトラッキング制御装置での任意のズーム・フォーカス位置への移動機能におけるフローチャートである。ここでは、バリエータレンズ群2の位置を図7に示すB‘点からB点へ移動するプリセット実行時で説明する。
まず、プリセット実行の操作を行うと本処理が開始され、ステップS1001で、温度検出手段18により使用環境温度情報Tを取得する。ステップS1002で、プリセットメモリした際に記憶していたバリエータレンズ群2の位置情報B点、フォーカスレンズ群4の位置情報c点、1.5mズームトレースカーブJからのフォーカスレンズ群4の移動距離情報d、及び、無限遠ズームトレースカーブJ’からのフォーカスレンズ群4の移動距離情報eと、温度情報Tとから温度補正量を算出する。ここでは、環境温度がプリセットメモリをしたときの10℃から40℃に変化しているので、図7に示す補正前のc点から補正後のc1点にフォーカスレンズ群4の位置がなるような温度補正量を算出する。この温度補正量を求める方法は、図12に示すフローチャートに従って求める。この方法の詳細は、後述する。次にステップS1003では、ステップS1002で求めた温度補正量をフォーカスレンズ群4の位置がc’点からc点への移動量に加算してフォーカスレンズ移動情報Yを算出する。フォーカスレンズ群4の移動情報Yは、
Y=(c−c’)+(温度補正量)
となる。
ステップS1005では、ステップS1004で算出したフォーカスレンズ移動情報Yを第2駆動手段16に設定してフォーカスレンズ群4をc1点に移動させる。
次に前記図11のフローチャートのステップS1002で後述すると述べた温度補正量算出処理について図12及び図8に従って説明する。図8は本発明によるフォーカスレンズのトラッキング制御装置での被写体までの距離による温度補正量の割合を示す図、図12は本発明によるフォーカスレンズのトラッキング制御装置での温度補正量算出処理のフローチャートである。
最初にステップS2001では、被写体距離の割合を算出する。これは、プリセットメモリした際に記憶していた1.5mズームトレースカーブJからのフォーカスレンズ群4の移動距離情報dと無限遠ズームトレースカーブJ’からのフォーカスレンズ群4の移動距離情報eから次の式で算出する。
被写体距離の割合=(e/(e+d))×100
ここで、被写体距離と温度補正係数量とは図8に示すような被写体距離の割合に強い関係を持っており、この関係から温度補正係数Kを求める。本来は図4に示すように被写体距離により2次曲線を描く温度補正量になるが、本実施例では図8に示すように1次直線の組み合わせにて近似させて、且つ、被写体距離が無限遠での温度補正量を100%とした場合の温度補正係数Kを算出することとしている。この温度補正係数Kのカーブは、使用するレンズ群によって決める情報であり検討により傾きA1、A2、A3、A4を決めて予めマイクロプロセッサ17に記憶している。
ステップS2002では、被写体距離の割合が「割合1」の場合か判断し、被写体距離の割合が0%〜5%の範囲にある場合は、「割合1」と判断しステップS2008の被写体距離の「割合1」の温度補正係数Kの算出処理に移行する。この温度補正係数Kの算出処理での算出式は次の通りである。
温度補正係数K=1
−A1×((d+e)×(被写体距離の割合−0)/
(d+e)×0.05)
ステップS2002で「割合1」ではないと判断した場合には、ステップS2003の「割合2」の判断となり、被写体距離の割合が6%〜10%の範囲にある場合は、「割合2」と判断しステップS2007の被写体距離の「割合2」の温度補正係数Kの算出処理に移行する。この温度補正係数Kの算出処理での算出式は次の通りである。
温度補正係数K=1
−A1
−A2×((d+e)×(被写体距離の割合−0.05)/
(d+e)×0.05)
ステップS2003で「割合2」ではないと判断した場合には、ステップS2004の「割合3」の判断となり、被写体距離の割合が11%〜20%の範囲にある場合は、「割合3」と判断しステップS2006の被写体距離の「割合3」の温度補正係数Kの算出処理に移行する。この温度補正係数Kの算出処理での算出式は次の通りである。
温度補正係数K=1
−A1
−A2
−A3×((d+e)×(被写体距離の割合−0.10)/
(d+e)×0.10)
ステップS2004で「割合3」でないと判断した場合には、被写体距離の割合が21%〜100%の範囲になるので、ステップS2005の被写体距離の「割合4」の温度補正係数Kの算出処理に移行する。この温度補正係数Kの算出処理での算出式は次の通りである。
温度補正係数K=1
−A1
−A2
−A3
−A4×((d+e)×(被写体距離の割合−0.20)/
(d+e)×0.80)
ステップS2005、2006、2007、2008で温度補正係数Kの算出後、ステップS2009では、算出した温度補正係数Kにバリエータレンズ群2の位置情報による温度補正値を掛け合わせることで温度補正量を算出する。この温度補正量の算出式は次の通りである。
(温度補正量)=(バリエータレンズ群2の位置による温度補正値)×
(温度補正係数K)
ステップS2009で算出した温度補正量を使用して上述した図11のステップS1003の処理によりフォーカスレンズ群4の移動情報Yを算出して移動させる。
ここで、バリエータレンズ群2の位置情報に対する温度補正値は、図9に示すような値をとる。図9は、本発明によるフォーカスレンズのトラッキング制御装置でのバリエータレンズ群2の位置と環境温度による温度補正値のカーブを示す図である。ここでは、環境温度25℃での温度補正量がバリエータレンズ群2の位置によらずゼロ、0℃の場合のカーブGと50℃の場合のカーブG’を示している。また、この温度補正値はフォーカスレンズ群2の位置情報が無限遠位置における値であり、レンズにより異なる固有の値である。そのため、予めレンズの特性を検討して決めておく。
バリエータレンズ群2のB点位置での温度補正値は、環境温度10℃の場合にf点の−Z値となり、環境温度40℃の場合にはf’点のZ値となる。
本発明では、温度補正量の算出時には、上記バリエータレンズ群2の位置情報と環境温度から得られた値にフォーカスレンズ群4の位置情報から得られた温度補正係数Kを加味した温度補正量を決定する。
よって、図7のフォーカスレンズ位置c点における温度補正量は、
(温度補正量)=(バリエータレンズ群2のB点位置での温度補正値)×
(フォーカスレンズ群4のc点位置での係数K)
で算出する。
具体的に説明すると、プリセットメモリした際に記憶していた1.5mズームトレースカーブJからのフォーカスレンズ群4の移動距離情報dが1000、無限遠ズームトレースカーブJ’からのフォーカスレンズ群4の移動距離情報eが700であった場合には、前記被写体距離の割合を求める式に当てはめて算出すると、
被写体距離の割合=(700/(700+1000))×100
=41%
となる。次にこの割合が図8の中での温度補正係数の傾きがA1、A2、A3、A4のどこにあるかを判断する。傾きA1は0%〜5%の範囲、A2は6%〜10%の範囲、A3は10%〜20%の範囲、A4は21%〜100%の範囲となっていた時、前記算出した被写体距離の割合は、41%なので傾きA4となる。
よって、温度補正係数Kは、
温度補正係数K=1
−A1
−A2
−A3
−A4×((1000+700)×(0.41−0.20)/
(1000+700)×0.80)
=1−A1−A2−A3−(A4×0.26)
となる。
ゆえに、環境温度40℃でのフォーカスレンズ群4の温度補正量は、
(温度補正量)=Z×(1−A1−A2−A3−(A4×0.26))
となる。Zは、バリエータレンズ群2のB点位置で環境温度40℃での温度補正値である。A1、A2、A3、A4は、被写体距離の情報から得られる温度補正係数である。これらの情報は、前述した通り、予めレンズによって決められた値としてマイクロプロセッサ17が持っている。
よって、移動情報Yは、
Y=(c−c’)+(温度補正量)
となる。これでフォーカスレンズ群4の現在の位置情報cと移動先の位置情報c’だけで移動情報Yを算出することができる。前述の式は、環境温度が40℃における、バリエータレンズ群2がB点におけるフォーカスレンズ群4の移動情報Yとなる。
この移動情報Yの算出は、マイクロプロセッサ17にて行われ、環境温度に応じたフォーカスレンズ群4の移動情報Yを第2駆動手段16に設定することでフォーカスレンズ群4は駆動され、c’点からc1点位置に移動し、合焦ずれのないフォーカスレンズ群4の移動制御を実現している。この前述した温度補正係数であるA1、A2、A3、A4は、レンズ固有の情報であり予め検討により決めたものである。
本発明の目的である温度補正係数A1、A2、A3、A4をオートフォーカス動作によって補正する方法に関して図14、図15に従い説明する。尚、フローチャートでの動作は、ステップS3001でのプリセット実行動作でバリエータレンズ群2の位置は移動があるもののそれ以降にバリエータレンズ群2の移動はないものとする。また、実行は順番に実行されるものとし、温度に大幅な変化はないものとする。
図14は、本発明によるフォーカスレンズのトラッキング制御装置での温度補正係数を補正する場合のフローチャートである。図15は、本発明によるフォーカスレンズのトラッキング制御装置での温度補正係数を補正する場合のフローチャートを行ったときのフォーカスレンズ群4の動きを示した図である。
まず、ステップS3001で、前述したプリセット実行を動作させる。この時にフォーカスレンズ群4の位置が上述した温度補正量を元にc点からc1点に移動する。次にステップS3002では、ステップS3001のプリセット実行完了後にフォーカスレンズ群4の位置情報Uをメモリ(記憶)する。これは、前記プリセット実行動作において使用環境温度に応じたフォーカスレンズ群4の位置を補正した後におけるc1点の位置情報である。次にステップS3003では、前述したオートフォーカス制御動作を実行する。この時にフォーカスレンズ群4の位置は、c2点でフォーカス合焦位置となったとする。次にステップS3004では、オートフォーカス制御動作によってフォーカスが合焦したフォーカスレンズ群4のc2点の位置情報Vをメモリ(記憶)する。次にステップS3005では、プリセット実行後のフォーカスレンズ群4の位置情報Uとオートフォーカス制御動作実行後のフォーカスレンズ群4の位置情報Vを比較判断する。位置情報UとVが同じであれば温度補正係数はフローチャートの処理を実行している時の環境温度におけるレンズ固有の温度補正係数と合っているとし、温度補正係数の補正はせずに終了する。ステップS3005でプリセット実行後のフォーカスレンズ群4の位置情報Uとオートフォーカス実行後のフォーカスレンズ群4の位置情報Vが異なっている場合には、温度補正係数がフローチャートの処理を実行している時の環境温度におけるレンズ固有の温度補正係数と合っていないと判断し、ステップS3006の温度補正係数の更新を行う。但し、オートフォーカス制御動作の合焦停止精度を加味し、位置情報UとVが同じである判定を完全に一致とするのではなく、ある範囲内であれば同じとする判定でも良い。
プリセット実行時記憶しているズームトレースカーブや温度補正係数や温度補正値を元に算出したフォーカスレンズ群4の位置情報と、オートフォーカス制御動作により取得したフォーカスレンズ群4の位置情報とが異なる場合は、使用しているレンズ群個別のばらつきが元で起こっている。これは、記録している温度補正係数が実験的に求められた平均値のため、レンズ群個々の温度補正係数とは異なるものとなることに起因している。そのため、本発明では、オートフォーカス制御動作により取得したフォーカスレンズ群4の位置情報とプリセット実行動作時に算出したフォーカスレンズ群4の位置情報との差を元に温度補正係数を更新し、更新した温度補正係数により温度補正量をさらに補正することで、レンズ個別のばらつきによる合焦ずれを起こすことがない。
次に図14のステップS3006の温度補正係数の更新について、図16、図17に従い説明する。図16は本発明によるフォーカスレンズのトラッキング制御装置での被写体までの距離による温度補正量の割合を示す図、図17は本発明によるフォーカスレンズのトラッキング制御装置での温度補正係数を補正する実行時のフローチャートである。
ステップS4001では、バリエータレンズ群2の位置情報を取得する。ステップS4002では、温度検出手段18より使用環境温度情報を取得する。ステップS4003では、プリセット実行動作後のフォーカスレンズ群4の位置情報Uを取得する。これは、マイクロプロセッサ17にてメモリ(記憶)しておいた情報である。ステップS4004では、オートフォーカス制御動作実行後のフォーカスレンズ群4の位置情報Vを取得する。次にステップS4005では、プリセット実行動作後のフォーカスレンズ群4の位置情報Uにおける温度補正量を算出する。算出式は次の式である。
(温度補正量)=(バリエータレンズ群2の位置における温度補正値)×
(フォーカスレンズ群4の位置Uにおける温度補正係数)
次に、ステップS4006では、オートフォーカス制御動作によるさらなる補正をした温度補正量を算出する。これは、オートフォーカス制御動作実行後のフォーカスレンズ群4の位置情報Vがフォーカスレンズの合焦している位置なので、そのバリエータレンズ位置における温度補正係数を補正するために、プリセット実行時の温度補正量からプリセット実行動作後のフォーカスレンズ群4の位置情報Uとオートフォーカス制御動作実行後のフォーカスレンズ群4の位置情報Vの差分値を加算する。但し、この差分値はプリセット実行動作後のフォーカスレンズ群4の位置に対してオートフォーカス制御動作実行後のフォーカスレンズ群4の位置が無限遠方向ならマイナス、最至近方向ならプラスとする値である。これが、温度補正量をオートフォーカス制御動作で補正した後の温度補正量となる。式は次の通り。
(温度補正量:補正後)=(バリエータレンズ群2の位置における温度補正量)+
(V−U)
次にステップS4007では、温度補正量をオートフォーカス制御動作で補正した温度補正量と図9の温度補正値とから更新する温度補正係数を算出する。
(温度補正係数:補正後)=(温度補正量:補正後)/(温度補正値)
最後にステップS4008では、ステップS4007で算出した補正後の温度補正係数になるように温度補正係数算出用オフセット量を更新する。これは、補正後の温度補正係数と補正前の温度補正係数の差分を算出し、この差分値をオフセット量としてマイクロプロセッサ17がメモリ(記憶)して温度補正係数を更新する。このオフセット量をSとした場合、図16に示す被写体距離によって変化する温度補正係数において、補正前の温度補正係数は、実線で示しているが、補正後の温度補正係数は、破線で示すようにオフセット量Sが前記差分値だけ加算された温度補正係数になる。この場合オフセット量Sはゼロ値から前記差分値に更新される。このオフセット量Sが前記差分値に更新された以降ではプリセット実行動作における温度補正係数は前記差分値となったオフセット量Sを加味した温度補正量となる。
具体的には、図12に示したフローチャート内での温度補正係数の計算式をそれぞれ次のようにする。
ステップS2005の被写体距離の割合4の温度補正係数Kの算出式は、
温度補正係数K=1−A1−A2−A3
−A4×((d+e)×(被写体距離の割合−0.20)/
(d+e)×0.80)
+(オフセット量:S)
となる。
ステップS2006の被写体距離の割合3の温度補正係数Kの算出では、
温度補正係数K=1−A1−A2
−A3×((d+e)×(被写体距離の割合−0.10)/
(d+e)×0.10)
+(オフセット量:S)
となる。
ステップS2006の被写体距離の割合2の温度補正係数Kの算出では、
温度補正係数K=1−A1
−A2×((d+e)×(被写体距離の割合−0.05)/
(d+e)×0.05)
+(オフセット量:S)
となる。
ステップS2006の被写体距離の割合1の温度補正係数Kの算出では、
温度補正係数K=1−A1×((d+e)×(被写体距離の割合−0)/
(d+e)×0.05)
+(オフセット量:S)
となる。
このオフセット量Sは、マイクロプロセッサ17の内部メモリに記憶しておくが、監視用途ズームカメラ装置の初期設定時には、マイクロプロセッサ17の内部メモリは初期化されるのでオフセット量はゼロ値となり予め検討によって設定した温度補正係数となる。その後、前述した図14のフローチャートの操作が実行された場合に、マイクロプロセッサ17内部に持つメモリに記憶しているオフセット量を「S」に更新する。このオフセット量S更新以降にレンズ駆動が行われた時に温度補正係数算出用のオフセット量Sを加味して温度補正係数Kが算出されるので、レンズ個別のばらつきを抑えたより正確な温度補正ができ、フォーカスの合焦ずれをなくすフォーカスレンズのトラッキング制御が実現できる。
以上、本発明の実施例について説明した。
図10は、本発明によるフォーカスレンズのトラッキング制御装置を搭載する焦点距離の長い高倍率ズームレンズを使用した監視用途ズームカメラ装置の概観図の例である。
上記説明したように、本発明で使用する情報はバリエータレンズ群の位置情報、フォーカスレンズ群の位置情報、温度検出器による温度情報、及び、オートフォーカス制御によるフォーカスレンズ群の位置情報からだけで温度補正量を求めて補正していくことができるため比較的安価な監視用途ズームカメラ装置において効果がある。
更に前記オフセット量Sを不揮発性メモリに記憶しておく方法について図18を使用して説明する。図18は本発明による第2の実施形態であるフォーカスレンズのトラッキング制御装置を示す主要ブロック図である。ここでは、実施例1の図1と異なる点を中心に説明する。
図18の23は不揮発性メモリであり、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory:電気的に消去書込み可能な読出し専用メモリ)で構成され、マイクロプロセッサ17が制御してデータの消去、書込み、及び、読出しをすることができる。実施例1では前記図17のステップS4008で更新したオフセット量Sをマイクロプロセッサ17の内部メモリに記憶していたが、実施例2では前記オフセット量Sを不揮発性メモリ23に格納し、更新していくようにしている。このようにオフセット量Sを不揮発性メモリ23に格納することで、監視用途ズームカメラ装置の電源供給が停止した後に電源供給が行われた場合であっても、オフセット量Sは監視用途ズームカメラ装置の初期化によるオフセット量ゼロ値から開始されるのではなく不揮発性メモリ23に格納して置いたオフセット量Sから温度補正を開始することで正確な温度補正係数となるため、監視用途ズームカメラ装置が起動した時からレンズ個別のばらつきを抑えることができるようになる。この方法は、図17におけるフローチャートのS4008で示した温度補正係数算出用オフセット更新での処理でマイクロプロセッサ17の内部メモリを更新すると共に不揮発性メモリ23に格納しておく。
尚、実施例2の製品への適用は、監視用途ズームカメラ装置を製造する調整工程において本実施例の図14及び図17の動作を実施することで、オフセット量Sをレンズ個別の情報としてマイクロプロセッサ17が不揮発性メモリ23に格納しておく場合が挙げられる。また別の方法として、監視用途ズームカメラ装置を使用する利用者がプリセット実行後にオートフォーカス制御動作を実行するような操作を実施することでレンズの経年変化によるばらつきを抑える場合にも有効である。
本発明によれば、レンズ群近傍に環境温度を検出する温度検出器を備え、バリエータレンズ群の位置情報とフォーカスレンズ群の位置情報と温度検出器の情報から求めた温度補正量による所定のレンズ位置におけるフォーカスレンズ群の位置情報と、オートフォーカス制御により取得したフォーカス合焦時のフォーカスレンズ群の位置情報とからレンズ個別のばらつきに対応するための温度補正量を求め、記憶しているズームトレースカーブから求めた温度補正量をさらに補正することでレンズ個別のばらつきによる合焦ずれを起こすことがないフォーカスレンズのトラッキング制御装置を提供できる。
本発明によるフォーカスレンズのトラッキング制御装置を示す主要ブロック図 インナーフォーカス方式ズームレンズの原理構成を示す図 環境温度変化に対するバリエータレンズ群とフォーカスレンズ群の位置関係を示す図 被写体までの距離による温度補正量を示す図 プリセットメモリ時におけるバリエータレンズ群とフォーカスレンズ群の位置関係を示す図 プリセット実行前におけるバリエータレンズ群とフォーカスレンズ群の位置関係を示す図 本発明によるフォーカスレンズのトラッキング制御装置でのプリセット実行時におけるバリエータレンズ群とフォーカスレンズ群の位置関係を示す図 本発明によるフォーカスレンズのトラッキング制御装置での被写体までの距離による温度補正量の割合を示す図 本発明によるフォーカスレンズのトラッキング制御装置でのバリエータレンズ群の位置と環境温度による温度補正値のカーブを示す図 本発明によるフォーカスレンズのトラッキング制御装置を搭載する焦点距離の長い高倍率ズームレンズを使用した監視用途ズームカメラの概観図 本発明によるフォーカスレンズのトラッキング制御装置での任意のズーム・フォーカス位置への移動機能におけるフローチャート 本発明によるフォーカスレンズのトラッキング制御装置での温度補正量算出処理部のフローチャート フォーカスレンズ群の位置に対する映像信号高周波成分検波情報の図 本発明によるフォーカスレンズのトラッキング制御装置での温度補正係数を補正する場合のフローチャート 本発明によるフォーカスレンズのトラッキング制御装置での温度補正係数を補正する場合のフローチャートを実行した場合のフォーカスレンズの動作例 本発明によるフォーカスレンズのトラッキング制御装置での被写体までの距離による温度補正量の割合を示す図 本発明によるフォーカスレンズのトラッキング制御装置での温度補正係数を補正する実行時のフローチャート 本発明による第2の実施形態であるフォーカスレンズのトラッキング制御装置を示す主要ブロック図
符号の説明
1…第1レンズ群、2…バリエータレンズ群、3…固定レンズ、4…フォーカスレンズ群、5…CCD、6、7…絞り機構、8…フォーカスレンズ基準位置検出手段、9…ズームモータ、10…バリエータレンズ用送りネジ機構、11…バリエータレンズ基準位置検出手段、12…フォーカスモータ、13…フォーカスレンズ用送りネジ機構、14…鏡筒、15…第1駆動手段、16…第2駆動手段、17…マイクロプロセッサ、18…温度検出手段、19…ズームモータ駆動回路、20…フォーカスモータ駆動回路、21…アナログフロントエンド回路、22…映像信号処理DSP、23…不揮発性メモリ

Claims (3)

  1. 被写体側の第1レンズ群を固定とし、変倍のために光軸に沿って位置可変に駆動される第2レンズ群より後方の第3レンズ群を同様に光軸に沿って位置可変に駆動して焦点調整を行うようにしたインナーフォーカス方式ズームレンズと、
    前記第1乃至第3レンズ群の使用環境温度を検出する温度検出手段とを有するフォーカスレンズのトラッキング制御装置であって、
    前記インナーフォーカス方式ズームレンズは、
    前記第2レンズ群を駆動する第1駆動手段と、前記第3レンズ群を駆動する第2駆動手段と、前記第2レンズ群の取り付け位置の基準点を検出する第2レンズ群基準点位置検出手段と、前記第3レンズ群の取り付け位置の基準点を検出する第3レンズ群基準点位置検出手段と、前記第1及び第2駆動手段を制御する制御手段と、前記制御手段の制御により自動的にフォーカスを合焦させるオートフォーカス手段とを有し、
    前記制御手段は、
    前記第2レンズ群基準点位置検出手段で検出した基準点からの移動量で前記第2レンズ群の位置を特定する方法による第2レンズ群位置検出手段と、前記第3レンズ群基準点位置検出手段で検出した基準点からの移動量で前記第3レンズ群の位置を特定する方法による第3レンズ群位置検出手段と、前記第2レンズ群の位置に対する前記第3レンズ群の合焦位置関係を示すところのズームトレースカーブを記憶した記憶部とを有し、
    前記制御手段は前記温度検出手段の検出結果に応じて、前記第2駆動手段の移動量に前記第2レンズ群位置検出手段から検出した前記第2レンズ群の位置と前記第3レンズ群位置検出手段から検出した前記第3レンズ群の位置によって前記ズームトレースカーブより求めた前記第2駆動手段の移動量に第1の補正量を加減算し、
    前記制御手段が前記オートフォーカス手段によってフォーカスが合焦したと判断した場合に、合焦時の前記第2レンズ群位置検出手段で検出した前記第2レンズ群の位置と前記第3レンズ群位置検出手段で検出した前記第3レンズ群の位置と前記温度検出手段の検出結果から第2の補正量を算出して、前記第1の補正量を前記第2の補正量により変更することを特徴とするフォーカスレンズのトラッキング制御装置。
  2. 請求項1に記載のフォーカスレンズのトラッキング制御装置であって、
    前記制御手段にて制御できる不揮発性メモリを有し、
    前記第1の補正量を前記第2の補正量により変更した第3の補正量を前記不揮発性メモリに格納しておき、
    フォーカスレンズのトラッキング制御装置の再起動または電源のオフからオンが実行された時には、前記不揮発性メモリに格納した第3の補正量を読出し、前記ズームトレースカーブより求めた前記第2駆動手段の移動量と前記第3の補正量により前記第2駆動手段による前記第3レンズ群の移動量を変更することを特徴とするフォーカスレンズのトラッキング制御装置。
  3. 請求項1乃至2に記載のフォーカスレンズのトラッキング制御装置を具備する監視用途ズームカメラ装置。
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