JP2001183570A - レンズ駆動装置、レンズ鏡筒及び撮像装置 - Google Patents

レンズ駆動装置、レンズ鏡筒及び撮像装置

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JP2001183570A
JP2001183570A JP36688899A JP36688899A JP2001183570A JP 2001183570 A JP2001183570 A JP 2001183570A JP 36688899 A JP36688899 A JP 36688899A JP 36688899 A JP36688899 A JP 36688899A JP 2001183570 A JP2001183570 A JP 2001183570A
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lens
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axis direction
screw shaft
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Naoya Kaneda
直也 金田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】1駆動源で回動する2のスクリュー軸で夫々レ
ンズ保持枠を移動させる際に高精度に初期位置に復帰可
能とするレンズ駆動装置を提供する。 【解決手段】第1の保持枠を光軸方向に駆動する第1の
スクリュー軸と、第2の保持枠を光軸方向に沿って駆動
する第2のスクリュー軸とを1つの駆動源の回転により
回動させる際、前記駆動源が第1の方向に回動し続けた
場合、前記第1の保持枠と第2の保持枠を正規の位置関
係においては、それぞれの光軸方向への移動範囲の機械
的規制端に略同時に当接させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレンズ駆動装置、レ
ンズ鏡筒および撮像装置に係り、特にビデオカメラ等の
撮像装置におけるズームレンズ鏡筒の移動レンズ群の初
期位置出しに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ビデオカメラ用のズームレンズと
して、被写体側から順に、固定の凸、可動の凹、固定の
凸、可動の凸の4つのレンズ群から構成されるものが最
も良く知られている。勿論この構成以外にも、種々のレ
ンズ構成のズームレンズが知られているのは言うまでも
ない。
【0003】図20は上述の最も一般的な4群構成から
なるズームレンズの鏡筒構造を示し、(A)はバリエー
タレンズ群駆動系、(B)はフォーカシングレンズ群駆
動系をそれぞれ示し、ズームレンズを構成する4つのレ
ンズ群201a〜201dは、固定された前玉レンズ2
01a、光軸に沿って移動することで変倍動作を行うバ
リエーターレンズ群201b、固定されたアフォーカル
レンズ201c及び光軸に沿って移動することで変倍時
の焦点面維持と焦点合わせを行うフォーカシングレンズ
群201dである。
【0004】図において、ガイドバー203及び204
a,204bは光軸205と平行に配置され、移動する
レンズ群の案内および回り止めを行う。DCモータ20
6はバリエーターレンズ群201bを移動させる駆動源
となる。尚、この図では、このバリエーターレンズ群の
駆動源としてDCモータを用いているが、後述するフォ
ーカシングレンズ移動の為の駆動源と同様にステップモ
ータを用いても構わない。
【0005】バリエーターレンズ群201bは、保持枠
211に保持されている。この保持枠211は押圧ばね
209とこの押圧ばね209の力でスクリュー棒208
に形成されたスクリュー溝208aに係合するボール2
10とを有している。このためモータによって出力軸2
06a、ギア列207を介してスクリュー棒208を回
転駆動することにより、保持枠211はガイドバー20
3に沿って光軸方向に移動する。
【0006】フォーカシングレンズ群201dは、保持
枠214に保持されている。保持枠214のスリーブ部
(ガイドバーにかん合して案内を形成する部分)近傍に
は、ねじ部材213が光軸方向に保持枠と一体的となる
様に組付けられており、このねじ部材213はステップ
モータ212を回転させることにより、その出力軸21
2aが回転し、この出力軸212aに形成されたおねじ
部とねじ部材213に形成されためねじ部もしくはラッ
ク部がこの回転に連動することで、保持枠214をガイ
ドバー204a,204bに沿って光軸方向に移動させ
ることが出来る。この保持枠214とねじ部材213の
結合部の詳細な構成に関しては、例えば特開平4−13
6806号公報等に開示されている。
【0007】前述した様に、このステップモータによる
連動機構は、バリエーター駆動機構として構成しても構
わない。
【0008】又、この様なステップモータを用いてレン
ズ群を移動させる場合に、移動するレンズ群の光軸方向
の絶対位置を検出する為に不図示のフォトインタラプタ
と移動枠に一体的に設けられた遮光壁により移動枠の光
軸方向の一つの基準位置を検出可能にしておけば、この
基準位置に保持枠を配置した後に、以降ステップモータ
に与える駆動ステップ数を連続的にカウントすることに
より保持枠の絶対位置を検出する位置検出手段を構成す
ることが可能となる。
【0009】図21は従来の撮像装置におけるカメラ本
体の電気的構成を示すブロック図である。図において、
上述図20に示す部材と同一の符号の構成要素は同じ機
能を有する。
【0010】221はCCD等の固体撮像素子、222
はバリエーターレンズ群201bの駆動源であり、図2
0のモータ206、モータ206と連動するギア列、ス
クリュー棒208等を含む。あるいは図20のフォーカ
シングレンズ群の駆動と同様のステップモータ等で構成
される。223はフォーカシングレンズ群201dの駆
動源でありステップモータとおねじを形成したその出力
軸、保持枠と光軸方向に一体的なねじ部材213等を含
む。
【0011】224は絞り駆動源である。225はズー
ムエンコーダ、227はフォーカスエンコーダである。
これらのエンコーダはそれぞれバリエーターレンズ、フ
ォーカシングレンズの光軸方向の絶対位置を検出する。
図20の様に、バリエーター駆動源にDCモータを用い
る様な場合には(図20では不図示だが)ボリューム等
の絶対位置エンコーダを用いる。あるいは磁気式のもの
でも構わない。
【0012】又、駆動源にステップモータを用いる場合
には、前述した通りの基準位置に保持枠を配置してか
ら、ステップモータに入力する動作パルス数を連続して
カウントする方法が一般的である。
【0013】226は絞りエンコーダであり、絞り駆動
源であるメータの内部にホール素子を配置し、ロータと
ステータの回転位置関係を検出する方式のものなどが知
られている。
【0014】228はカメラ信号処理回路であり、CC
D221の出力に対して所定の増幅やガンマ補正などを
施す。これらの所定の処理を受けた映像信号のコントラ
スト信号はAEゲート229、AFゲート230を通過
する。即ち、露出決定及びピント合わせのために最適な
信号取り出し範囲が全画面内のうちからこのゲートで設
定される。このゲートの大きさは可変であったり、複数
設けられる場合もあるが、ここでは簡単のためにその詳
細は記述しない。
【0015】231はAF(オートフォーカス)のため
のAF信号処理回路であり、映像信号の高周波成分に関
する一つもしくは複数の出力を生成する。233はズー
ムスイッチ、234はズームトラッキングメモリであ
り、変倍に際して被写体距離とバリエーターレンズ位置
に応じてとるべきフォーカシングレンズ位置の情報を記
憶する。尚、ズームトラッキングメモリとしてはCPU
内のメモリを使用してもよい。232はCPUである。
【0016】例えば撮影者によりズームスイッチ233
が操作されると、CPU232はズームトラッキングメ
モリ234の情報をもとに算出したバリエーターとフォ
ーカシングレンズの所定の位置関係が保たれるように、
ズームエンコーダ225の検出結果となる現在のバリエ
ーターの光軸方向の絶対位置と算出されたバリエーター
のあるべき位置、フォーカスエンコーダ227の検出結
果となる現在のフォーカスレンズの光軸方向の絶対位置
と算出されたフォーカスレンズのあるべき位置、がそれ
ぞれ一致するように、ズーム駆動源222とフォーカシ
ング駆動源223を駆動制御するものである。
【0017】又、オートフォーカス動作ではAF信号処
理回路231の出力がピークを示すように、CPU23
2はフォーカシング駆動源223を駆動制御する。
【0018】さらに、適正露出を得る為にCPU232
はAEゲート229を通過したY信号の出力の平均値が
所定値となるように、絞りエンコーダ226を、出力が
この所定値となるように、絞り駆動源224を駆動制御
して開口径をコントロールするものである。
【0019】図22は上述の図20では不図示であった
バリエータもしくはフォーカシングレンズ群にステップ
モータを用いた場合の光軸方向の絶対位置を駆動パルス
カウント値から知る為の初期位置リセットの方法を説明
する為の構造斜視図である。図において、201bはバ
リエーターレンズ群であるが、フォーカシングレンズ群
などの他の可動のレンズ群にこの構造を用いても構わな
い。
【0020】211は保持枠であり、この保持枠211
と一体的に設けられたスリーブ部穴252に不図示のガ
イドバーが嵌合する。257はU溝部でここにも別のガ
イドバーが嵌合する。これによりこの保持枠に保持され
たレンズ群が光軸方向にがたなく案内される。この保持
枠には一体的にめねじ部を含むラック部材255が光軸
方向に一体的に設けられる。なお、この図ではラック部
材255のめねじ部分は見えていない。253はこのラ
ック部材255の軸部が嵌合する保持枠211と一体の
穴部で、ラック部材255は該軸部を中心に回動可能と
することで、光軸方向には一体的でありながら、ガイド
バーとスクリューシャフトの平行がある程度ずれていて
も、この回動によりそのずれを吸収出来る様に構成して
いる。
【0021】又、ばね254はラック部材255のめね
じ部を前記スクリューシャフトのおねじ部に圧接させる
と共に、ラック部材255が光軸方向では保持枠211
と一体化する様に光軸方向のがたを片寄せする役目を有
している。
【0022】251は保持枠と一体的に設けられた、こ
のレンズの基準となる光軸方向の一つの位置を検出する
為に必要な遮光壁部である。保持枠が光軸方向に移動す
るとこの遮光壁部251が例えば2点鎖線で書かれた位
置まで移動することとなる。この遮光壁を挟む形でフォ
トインタラプタ256が固定されて設けられている。フ
ォトインタラプタ256は、向かい合った発光素子と受
光素子を有しており、遮光壁がこの間をよぎっていない
時には受光素子から所定の出力が得られ、よぎっている
際には受光素子から所定の出力が得られない。この特性
を利用して、この出力がある所定のしきい値と一致した
位置で保持枠を停止させると、その位置は必ずほぼ同じ
位置が再現される。従って、この位置に配置して以降、
ステップモータの入力パルス数を継続的にカウントする
ことにより、保持枠の光軸方向の絶対位置が検出出来る
ものである。
【0023】又、このレンズもしくはこのレンズを用い
た撮像装置の落下等の衝撃が加わった場合、ステップモ
ータが駆動していないのに、めねじ部がおねじ部の山を
乗り越えて、保持枠が光軸方向に移動してしまうと、絶
対位置の検出結果に狂いが生じて、前述のズームトラッ
キングの動作が異常となったりズーミングに際して、保
持枠が機械的移動端に衝突したりといった不具合が発生
するが、これらも再度の初期位置設定を行なえば問題な
くなる。この為、民生用ビデオカメラの多くにおいては
機器の電源をONする度にこのリセット動作を行なって
いる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年撮
影レンズには小型化、径小化が求められており、従来、
ビデオカメラ用のズームレンズとして最も多く用いられ
ている光学タイプとしては、前述の様に被写体側から順
に固定の凸、可動の凹、固定の凸、可動の凸の4つのレ
ンズ群から構成されるものが有るが、この光学タイプは
前玉が固定な為、光学系を保持する鏡筒全長が長くなる
と言った問題があった事より、収納時に前玉位置が沈胴
する沈胴鏡筒又はWide端にて光学全長が短くなる前
玉位置可変ズーム光学タイプが提案されてきた。
【0025】しかし、前述の沈胴鏡筒、前玉位置可変鏡
筒構造はヘリコイド等を用いていた為、鏡筒構造が複雑
になり大きくなり、又部品点数も増える為コストアップ
を伴うと言った問題が有った。
【0026】上記問題を解決するために、第1の駆動源
により回動される第1のスクリュー軸、及び第1のスク
リュー軸に連動して回動する第2のスクリュー軸を有
し、前玉を保持する第1の保持枠は前記第1のスクリュ
ー軸の回動に依り、バリエーターを保持する第2の保持
枠は前記第2のスクリュー軸の回動により光軸方向にそ
れぞれ移動可能に構成したレンズ駆動機構が提案されて
いる。
【0027】上記したレンズ駆動機構において、第1の
駆動源により第1のスクリュー軸は回動し第1のレンズ
群を移動させ、第2スクリュー軸は第1のスクリュー軸
に連動して回動して第2のレンズ群を移動させることに
より、前記第1の駆動源で前記第1のレンズ群と前記第
2のレンズ群を移動可能に構成することを可能としてい
る。
【0028】しかし、衝撃により片方の保持枠のみ、若
しくは両方の保持枠が同一方向にずれた場合、その後の
リセット動作で片方の保持枠を所定の位置に配置出来て
も、その時のもう一方の保持枠の位置が正しい位置から
ずれてしまっていて、リセット動作を行なってもこのず
れは回復出来ないことになる。
【0029】この結果、正常な像が得られず、ピントの
ぼけた画像しか得られなくなるという問題となる。
【0030】本出願に係る発明の目的は、この新たな構
成の全長可変レンズにおいて、前述した様な衝撃等によ
り、一つの駆動源により二つのスクリュー軸を回動さ
せ、二つの保持枠を移動させているこの保持枠がおねじ
の山を乗り越えて位置を移動させてしまった場合の問題
を解決できるレンズ駆動装置、レンズ駆動鏡筒および撮
像装置を提供しようとするものである。
【0031】
【課題を解決するための手段】本出願に係る発明の目的
を実現するレンズ駆動装置の第1の構成は、第1のレン
ズ群を保持し光軸方向に移動可能な第1の保持枠と、第
2のレンズ群を保持し光軸方向に移動可能な第2の保持
枠と、前記第1の保持枠を光軸方向に駆動する第1のス
クリュー軸と、前記第2の保持枠を光軸方向に沿って駆
動する第2のスクリュー軸と、駆動源の回転により前記
第1のスクリュー軸と前記第2のスクリュー軸とを回動
させる駆動機構とを有し、前記駆動機構は、前記駆動源
が第1の方向に回動し続けた場合、前記第1の保持枠と
第2の保持枠を正規の位置関係においては、それぞれの
光軸方向への移動範囲の機械的規制端に略同時に当接さ
せることを特徴としたものである。
【0032】本出願に係る発明の目的を実現するレンズ
駆動装置の第2の構成は、第1のレンズ群を保持し光軸
方向に移動可能な第1の保持枠と、第2のレンズ群を保
持し光軸方向に移動可能な第2の保持枠と、前記第1の
保持枠を光軸方向に駆動する第1のスクリュー軸と、前
記第2の保持枠を光軸方向に沿って駆動する第2のスク
リュー軸と、駆動源の回転により前記第1のスクリュー
軸と前記第2のスクリュー軸とを回動させる駆動機構と
を有し、前記駆動機構は、前記駆動源が第1の方向に回
動し続けた場合、前記第1の保持枠と第2の保持枠を正
規の位置関係においては、それぞれの光軸方向への移動
範囲の機械的規制端に略同時に当接させ、前記それぞれ
の機械的規制端の少くとも一方は、光軸方向に規制端位
置を調整可能としたことを特徴としたものである。
【0033】本出願に係る発明の目的を実現するレンズ
駆動装置の第3の構成は、第1のレンズ群を保持し光軸
方向に移動可能な第1の保持枠と、第2のレンズ群を保
持し光軸方向に移動可能な第2の保持枠と、前記第1の
保持枠を光軸方向に駆動する第1のスクリュー軸と、前
記第2の保持枠を光軸方向に沿って駆動する第2のスク
リュー軸と、駆動源の回転により前記第1のスクリュー
軸と前記第2のスクリュー軸とを回動させる駆動機構
と、前記第1の保持枠が光軸方向の第1の基準位置にあ
ることを検出する第1の基準位置検出手段と、前記第2
の保持枠が光軸方向の第2の基準位置にあることを検出
する第2の基準位置検出手段と、前記第1の基準位置検
出手段の検出情報に基づいて前記第1の保持枠が第1の
基準位置にあることを検出している第1の状態、及び前
記第2の基準位置検出手段の検出情報に基づいて前記第
2の保持枠が前記第2の基準位置にあることを検出して
いる第2の状態を判定する判定手段と、前記駆動源によ
り前記第1の状態から前記第2の状態に移動するのに必
要な駆動量の情報を記憶している記憶手段とを有するこ
とを特徴としたものである。
【0034】本出願に係る発明の目的を実現するレンズ
駆動装置の第4の構成は、上記第3の構成で、前記記憶
手段に記憶された前記第1の状態から前記第2の状態に
移動するのに必要な駆動量の情報と、実際に検出された
第1の状態から第2の状態に移動するのに必要な駆動量
の情報とを比較して前記駆動源を駆動制御する制御手段
を有することを特徴とする。
【0035】本出願に係る発明の目的を実現するレンズ
駆動装置の第5の構成は、上記第4の構成で、前記制御
手段は、比較結果に基づいて、ズームトラッキング動作
中に必要なトラッキングカーブに関するデータを補正す
ることを特徴とする。
【0036】本出願に係る発明の目的を実現するレンズ
駆動装置の第6の構成は、上記いずれかの構成で、装着
されるレンズ鏡筒のあるいは該レンズ鏡筒が接続される
撮像装置の電源オンまたは所定の動作モードのスタート
により、前記第1の保持枠と前記第2の保持枠を夫々前
記機械的規制端に当接させる初期動作を行わせる初期動
作手段を有することを特徴とする。
【0037】本出願に係る発明の目的を実現するレンズ
駆動装置の第7の構成は、第1のレンズ群を保持し光軸
方向に移動可能な第1の保持枠と、第2のレンズ群を保
持し光軸方向に移動可能な第2の保持枠と、前記第1の
保持枠を光軸方向に駆動する第1のスクリュー軸と、前
記第2の保持枠を光軸方向に沿って駆動する第2のスク
リュー軸と、駆動源の回転により前記第1のスクリュー
軸と前記第2のスクリュー軸とを回動させる駆動機構と
を有し、前記駆動機構は、前記駆動源が第1の方向に回
動した場合、前記第1の保持枠と第2の保持枠をそれぞ
れの光軸方向への移動範囲の機械的規制端に当接させる
ことを特徴としたものである。
【0038】本出願に係る発明の目的を実現するレンズ
駆動装置の第8の構成は、上記第7の構成で、前記第1
の保持枠の光軸方向の移動範囲内にある個有の基準位置
を検出できる第1の基準位置検出手段と、前記第2の保
持枠の光軸方向の移動範囲内にある個有の基準位置を検
出できる第2の基準位置検出手段と、レンズ鏡筒のある
いは接続される撮像装置の電源オンもしくは所定の動作
モードのスタートにあたって、前記第1、第2の基準位
置検出手段により検出される基準位置に前記第1および
第2の保持枠を夫々移動させる第1の動作と、前記第1
および第2の保持枠を夫々機械的規制端に当接させる第
2の動作のいずれか一方の動作を行わせるように前記駆
動源を駆動制御する初期動作手段を有したことを特徴と
する。
【0039】本出願に係る発明の目的を実現するレンズ
駆動装置の第9の構成は、上記第8の構成で、前記初期
動作手段は、前記第1の保持枠と前記第2の保持枠の光
軸方向の位置関係が正規の関係から外れていると判別さ
れた時に前記第2の動作を行うことを特徴とする。
【0040】本出願に係る発明の目的を実現するレンズ
駆動装置の第10の構成は、上記第6、第8または第9
の構成で、前記初期動作手段は、前記第1の保持枠と前
記第2の保持枠を機械的規制端に当接させる際、前記第
1の保持枠と前記第2の保持枠の光軸方向の位置関係に
狂いが生じていたことを想定しても、必ず当接するに十
分な移動が可能となるように前記駆動源を回動させるこ
とを特徴とする。
【0041】本出願に係る発明の目的を実現するレンズ
鏡筒は、上記いずれかの構成のレンズ駆動装置を有する
ことを特徴とする。
【0042】本出願に係る発明の目的を実現する撮像装
置は、上記構成のレンズ鏡筒を有することを特徴とす
る。
【0043】具体的には、一つの駆動源で光軸方向に移
動する二つのレンズ群を、電源ON時のリセット動作に
伴って、移動させ、その際、それぞれのレンズ群がメカ
的に考えられるどの位置にあっても、即ち、正規のレン
ズ制御上ありえない位置であっても前記の様な衝撃荷重
が加わってとりえる位置も含むどの位置にあっても、そ
のレンズが移動端のメカ的移動規制位置(移動端にぶつ
かった位置)に充分至るに必要な時間と速度で保持枠を
移動させるものである。この結果、両方の移動環がメカ
端という唯一の位置に配置されるので、ある固定の位置
関係に復帰出来るのものである。
【0044】また、上記メカ的位置で定まったレンズ群
どうしの位置関係がその後のズーミング動作でとられる
レンズ群どうしの位置関係として光学的に問題ない様に
する為、このメカ的な移動端の光軸方向の位置を調整可
能とするものである。
【0045】さらに、それぞれの保持枠に設けた従来同
等の遮光壁と、固定側鏡筒に設けたそれぞれのフォトイ
ンタラプタを設け、一方の保持枠がリセット位置に配さ
れた状態からもう一方の保持枠がリセット位置に配され
るまでのステップモータに与えられる駆動パルスを記憶
する記憶手段を有していることを特徴とするものであ
る。
【0046】また、上記記憶手段に記憶されたステップ
モータの駆動パルスと実際にカウントされたこのパルス
の値の差を検出することにより、ズームトラッキングデ
ータをこの値に応じて補正することでズーム中のピント
ずれ等の不具合を防止するものである。
【0047】さらには、それぞれの保持枠に設けた従来
と同等の遮光壁と、固定側鏡筒にそれぞれのフォトイン
タラプタを設け、前述の様に、電源ONに際して、移動
のメカ的端位置に保持枠を当接させた後に、駆動源を逆
転させ、一方の保持枠がリセット位置に配された状態か
らもう一方の保持枠がリセット位置に配されるまでのス
テップモータに与えられる駆動パルス数の、記憶された
所定値からの差を求め、この差の数値に応じてズームト
ラッキングデータをこの値に応じて補正することでズー
ム中のピントずれ等の不具合を防止するものである。
【0048】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)図1は本発
明の第1の実施の形態を示す。
【0049】図1は、前玉移動タイプのズームレンズの
構造を示す。
【0050】図において、1は前玉となる第1レンズ
群、2はバリエーターレンズ群、3は固定のアフォーカ
ルレンズ群、4はフォーカシングレンズ群、26は固定
の第5レンズ群、5はCCDを示す。
【0051】図1(A)はワイド状態を、図1(B)は
テレ状態を示し、この図から明らかな様にこのズームレ
ンズは前述従来例の構成と異なり、ズーミングに連動し
て第2および第4群のみではなく、第1群も可動となる
ものである。
【0052】6、7、8はそれぞれズーム中のレンズ群
の動きを示しており、第4レンズ群8は従来例と同様に
被写体距離に応じて、カーブが変化するものである。な
お、本発明の実施に際しては、本実施の形態に示した5
群構成のズームレンズに限らず他の構成のズームレンズ
に対して本発明を適用しても一向に構わない。
【0053】この様に、図1に示したタイプのレンズ鏡
筒ではズーミングに伴って第1レンズ群が可動となるこ
とにより、特にワイド端で得られるレンズ全長が従来例
の様な第1群が固定のズームタイプに比較して短縮する
ことが可能となっている。
【0054】図2はこの様なズームレンズの駆動機構の
内、特に本発明を実施するに適した第1レンズ群、第2
レンズ群の駆動機構の基本構成を示す斜視図である。
【0055】従来例のごとく、可動のレンズ群のそれぞ
れに駆動源を有する構成は勿論考えられるが、図1に示
すズームレンズの場合、可動レンズが合計3個のレンズ
群となるので、それぞれに駆動源を持たせるには当然3
個のモータ等を必要としてしまい、全長短縮は実現でき
たとしても前(後)から見たレンズの投影面積が大きく
なってしまうという欠点があり、カメラレイアウト上も
不利となってしまうことが懸念される。
【0056】この点に鑑みて本発明では一つのステップ
モータ(またはDCモータ)にて二つ(第1群と第2
群)の保持枠を駆動することを特徴とする。図2におい
て、9はステップモータ本体部、10はスクリュー軸で
あるおねじを設けたステップモータの出力軸である。1
1はこの出力軸(以下第1スクリュー軸とする)10の
先端部に設けられた第1ギア、12はこの第1ギア11
に噛み合った第2ギアであり、この第2ギア12を介し
て、第1スクリュー軸10と並設したスクリューねじの
シャフト(以下第2スクリュー軸とする)13が連動回
転する。
【0057】第1スクリュー軸10には第1ラック部材
16のラック部17が噛み合い、また第2スクリュー軸
13には第2ラック部材18のラック部19が噛み合っ
ており、第1ラック部材16は第1群保持枠14と光軸
方向において一体的に移動可能であり、また第2ラック
部材は第2群保持枠15と光軸方向において一体的に移
動可能である。
【0058】したがって、第1群保持枠14と第2群保
持枠15とは、一つのモータ9で可動させることが可能
となる。なお、第1、第2群の移動量の違いに関しては
それぞれのスクリュー軸のねじのピッチを変更すること
で対応するものである。
【0059】図3はこの連動機構を用いて第1群と第2
群を駆動する為の要部斜視図である。第1群レンズ1は
保持枠14に保持される。保持枠14はスリーブ部25
とバー21にて光軸方向にがたなく案内され、またバー
20によって回り止めされ、光軸が定まるものである。
そして保持枠14には光軸方向に一体的にめねじ部品に
相当するラック部材16が設けられている。
【0060】このラック部材16にはスクリュー軸とか
み合うめねじ部17が構成されており、このめねじ部が
ステップモータ9の出力軸としての第1スクリュー軸1
0のおねじ部とかみ合う為に、ステップモータが回転す
ると保持枠14が光軸方向に可動となるものである。
【0061】但し、ここで言うめねじ部はラック形状で
あり、例えば本願出願人が既に出願した特開平4−14
1611号公報や、特開平4−136806号公報に開
示された様なものを想定しており、保持枠に外部より光
軸方向の力が加わった場合には、このラック部はスクリ
ューの山を乗り越えていくことで破損を防止すると共
に、保持枠は光軸方向に移動する。
【0062】モータの出力軸の先端にはギア11が設け
られ、このギアとかみ合う別のギア12を介して併設さ
れる第2スクリュー軸13が回動する。第2群レンズ2
は同じく保持枠15に固定され、保持枠15と光軸方向
に一体のラック部材18のめねじ(ラック)部19がこ
のスクリュー軸と連動することにより、第2群レンズも
可動となるものである。
【0063】第2群保持枠はスリーブ部24にてバー2
2に嵌合して案内されるものである。また、前述従来例
にて説明した基準位置出しの為の遮光壁23が設けられ
る。
【0064】図4は図3で説明した構成を含むレンズ全
体の断面図であり、図1、図3と同一符号のものは同一
部分を示している。
【0065】これらの可動機構は固定鏡筒27の内部に
構成され外部からのごみの侵入等をある程度防止してい
る。この図4において、光軸より上側がテレ端状態、下
側はワイド端状態を示している。29は第3群レンズを
保持する固定されたアフォーカル環である。30は後述
する絞りの駆動用メータ部である。28は後部固定鏡筒
であり、赤外カットフィルタとローパスフィルタ34と
CCD5を保持するものである。
【0066】図5は図4で示した鏡筒を後方から見た場
合の主要なアクチュエータ部品等の配置を示している。
【0067】図において、ブロック41は絞りユニット
であり、その詳細な構造は後述図6にて説明する。
【0068】第1、第2群駆動用のズームモータ11は
この例では左下すみに配置され第1群保持枠はラック部
材16を介して、バー21にスリーブ部が、バー20に
回り止め部が嵌合して光軸方向に移動する。
【0069】第2レンズ群(バリエーター)は、ギア1
1,12を介して連動する第2スクリュー軸13に第2
ラック部材18がかみ合うことにより、バー22と37
をそれぞれスリーブと回り止めの為のバーとして光軸方
向に駆動される。35はフォーカシングレンズの駆動源
となるステップモータである。第4群レンズの保持枠は
第1、第2群と同様に、ラック部材36にて連動し、バ
ー37に不図示のスリーブ部が嵌合し、バー22に不図
示の回り止め部が構成される。
【0070】図7は本実施の形態に適した絞りユニット
の構成を示す図である。但し、従来と同様の絞りユニッ
トを用いて構成する場合も考えられ、このユニットが本
発明の実施に不可欠なユニットではない。
【0071】絞りユニット41はメータ部30を駆動源
とする。メータ30は43を回転中心とする出力軸を有
し、この出力軸に固定されたレバー部品45は先端に凸
部42を有する。この凸部42は風車部品32の長穴部
44に嵌合しており、従って、メータが回動すると風車
32が光軸回りに回動することとなる。風車32上には
ピン38,39が2箇所に設けられている。このうち3
8は羽根の回転中心を39は羽根との連動ピンである。
羽根33は風車の回転に伴い回転軸38を中心にピン3
9と羽根の溝部40の間で位置が定められる。即ち、メ
ータの回転位置に応じて、羽根の位置が定まり、これに
より開口径が変化するものである。
【0072】図8は上述した本発明を実施するに適した
ズームレンズの固定鏡筒27を除く主要部品の構成を示
す図である。
【0073】図8は本発明を実施するに適した上述のズ
ームレンズ鏡筒のテレ端の状態を示す図である。図1で
説明した様に第1群と第2群が互いに離間しながら全長
が最も長くなった図8の状態がテレ端状態である。
【0074】ここで第1群保持枠25は、スリーブ部先
端部までの寸法はピント面よりCの位置となる。また、
ズーミングでの使用範囲外の位置ではあるが、この保持
枠25が外部からの衝撃等により被写体側に移動してし
まった場合、図8ではCにあるスリーブ先端部は、鏡筒
27の保持枠突き当て部Dに当たってそれ以上被写体側
に移動することはない。即ち図8にてC=Dになった状
態が第1群が前(被写体)側の移動制限端にある状態と
なる。
【0075】次に第2群レンズ保持枠24のスリーブ後
端部はテレ端にてピント面よりBの位置にある。一方衝
撃等により第2群の保持枠が像面側に移動してしまった
場合、後部の固定された鏡筒28に一体的にピント面よ
りAの位置に設けられた凸部28aに当たってそれ以上
像面側に移動することはない。即ち図8にてA=Bとな
った状態が第2群が後ろ(像面)側の移動制限端にある
状態となる。
【0076】テレ端の状態から、第1群レンズが被写体
側に移動する様に駆動源であるステップモータ(図3の
9)を回動させると、同時に第2群レンズは像面側に移
動することになる。ここで、この様にテレ端から更に第
1群レンズが被写体側に移動する様にモータを駆動させ
ると、C=Dなる状態に達することになるが、ここで、
特徴として、C=Dとなると同時に第2群はA=Bとい
う状態になる様に構成されているものである。
【0077】図9は電源OFF時に焦点距離がワイド端
にあったとし、その後に電源をONした場合の第1群レ
ンズと第2群レンズのリセット動作に伴う移動位置関係
を、横軸に時間を、縦軸にそれぞれのレンズ群の位置を
とって示した関係線図である。
【0078】図において、t0時間に電源がONされた
とする。この時、第1群レンズの位置はPw1に、第2
群レンズの位置はPw2にあるとする。この関係は焦点
距離がワイド端の時の両方のレンズ群の位置関係に相当
する。
【0079】電源がONされると、これらの保持枠の駆
動源は、第1群レンズを被写体側(図で上側)に、即ち
連動する第2群レンズを像面側(図で下側)に移動させ
る方向に駆動されるものである。
【0080】その結果、時間t1において第1群レンズ
はPt1に第2群レンズはPt2の位置に達する。この
状態がテレ端の位置であり、通常撮影時には第1群の被
写体側への駆動範囲はこのPt1に、第2群の像面側へ
の駆動範囲はこのPt2の位置で制限されるが、リセッ
ト動作中は、前述の通り、更に駆動範囲の端位置に当た
るまで、駆動源が駆動を続ける。その結果、時間t2に
て第1群レンズ保持枠のスリーブ位置が前述の通り機械
的ストッパにぶつかり、即ちC=Dとなり、また、第2
群レンズ保持枠のスリーブ位置が前述の通り機械的スト
ッパにぶつかり、即ちA=Bとなる。このぶつかったま
ま、時間t3までの間、駆動源は駆動を継続する。その
後、初期位置であるワイド状態に戻るべく、t4までの
間、駆動源が先程までとは逆方向に回動し、第1群がP
w1、第2群がPw2の位置に配置された時点、即ち時
間t4にて、リセット動作が完了するものである。
【0081】図10は図9に対して、電源ON時点での
第1群、第2群の位置が、焦点距離が中間であるところ
のPm1とPm2の位置にあった状態からのリセット動
作を示す。
【0082】もっとも、このレンズが最も全長が短くな
るのはワイド位置であるので、電源OFF前の最後の使
用状態で、焦点距離がこの中間焦点距離にあったとして
も、OFF動作で二つのレンズ群はワイド位置まで引き
込まれてから(短くなってから)初めて電源がOFFす
る場合もある。その場合は図9と同じく、二つのレンズ
群はt0時間で、それぞれPw1,Pw2の位置にある
ものとなる。
【0083】ここで、電源OFF時にあった第1群、第
2群レンズの位置がメモリされていた場合には、t0時
にワイド状態にあっても、t4時間ではミドルの位置に
復帰出来るものである。
【0084】これら図9、図10からも明らかな様に、
この二つのレンズ群のリセット位置はそれぞれのレンズ
群が端に当接している状態であり、この状態を基準に以
後ステップモータに与える駆動パルス数をカウントする
ことにより、継続的にレンズ群の絶対位置が把握出来る
ことになる。
【0085】ここでt0〜t3に必要な時間はそれぞれ
のレンズ群がどの位置にあっても、レンズ群が確実に端
まで当接する為の時間を設定する必要がある。結果とし
てこの様にそれぞれのレンズ群の位置関係がおかしくな
っていない場合には、t2〜t3の間、駆動源は駆動を
継続し、ラック部材はシャフトのおねじの山を歯飛びし
ていることとなる。
【0086】図11は、第1レンズ群がワイドの正規位
置のPw1からPe1まで、衝撃荷重等が加わる等によ
りレンズの位置が動き(ずれてしまい)、また、同じく
第2群レンズがPw2からPe2まで動いた(ずれてし
まった)と仮定した場合に、電源ONリセットでのこれ
らのレンズ群の動きかたを示す図である。
【0087】当初の第1群と第2群の位置関係である、
Pe1とPe2の関係はどの焦点距離でもそういう位置
の組み合わせのありえない位置となってしまっている。
【0088】t0で電源がONすると、図9、図10で
説明したのと同じ様に、駆動源が駆動することで、第1
群レンズは被写体側へ、第2群レンズは像面側へ移動す
る。その結果、第2群レンズはt12においてテレ端相
当の位置を通過し、その直後に端に突き当たる。
【0089】一方、第1群レンズは継続して被写体側へ
駆動され、t11において、テレ端相当の1群レンズ位
置を通過し、その後、t2にて端に突き当たる。その
後、t3時間までの間駆動した後に、駆動源が逆転し、
t4時間にリセットが完了する。その際、t3〜t4の
間では二つのレンズ群の位置関係は正規のズーミング動
作が行なえる位置関係に復帰出来ているものである。
【0090】図12の場合には、図11と同様に第1群
レンズと第2群レンズの位置がずれた場合であり、この
場合は特に両方のレンズ群ともが最も像面側近傍まで位
置ずれを起こしている場合である。
【0091】t0でリセット動作がスタートする。第2
群レンズの方は最初から移動端に突き当たっているの
で、その位置のまま、シャフトが回転しても、ラックが
シャフトの歯を超えながらの状態でその位置を取り続け
ることになる。
【0092】一方、第1群レンズは被写体側へ移動し、
t15において移動範囲の端に位置される。その後、t
3時間に達すると、上述各例と同様に駆動源が逆転し、
t4時間にてリセットが完了する。
【0093】ここで、t4時間はワイドに復帰する場合
の時間であり、復帰位置(例えば、事前の電源OFFの
時の焦点距離状態)がワイドでない場合もある。その場
合にはt4時間はより早くなる。
【0094】この様に、二つのレンズ群を一つのステッ
プモータ等で駆動して、その基準位置を設定する場合
に、従来の様に保持枠に設けた遮光壁とフォトインタラ
プタを用いずに、定められた時間、駆動源を一方向に駆
動して、保持枠をメカ端に確実に突き当てることによ
り、たとえレンズ群位置が正規の位置からずれていて
も、正しい位置関係に復帰出来るものである。
【0095】この為には、突き当たった状態で保持枠の
めねじラック等のおねじシャフトとの連動部が歯飛びを
起こしても破損しない構造としており、また、両方のレ
ンズ群移動端に突き当たっている状態で、その突き当た
り状態から解除された(駆動源を逆転させた)状態が正
規の位置関係を維持していることが必要である。
【0096】また、上述の方法は、レンズ群が位置ずれ
を起こしていても正規の位置に復帰出来るものである
が、位置ずれを起こさない様な構造において、この移動
端での位置出し方法を実施しても構わない。
【0097】(第2実施の形態)上述第1実施の形態で
説明した様に、このリセット方法は第1群レンズ保持枠
と第2群レンズ保持枠がそれぞれ第1群レンズは被写体
側の、第2群レンズが像面側の、移動範囲の端部に規制
された(突き当たった)状態から駆動源を逆転した場合
に、第1群レンズと第2群レンズが所定の位置関係を保
っている必要がある。
【0098】しかし、種々の誤差要因、例えば各レンズ
の曲率や屈折率のばらつきや、メカ部品精度などによ
り、この関係が正しく得られない場合がある。
【0099】そこで、本第2実施の形態ではこの点に鑑
み、この規制位置を調整可能に構成するものである。
【0100】図13はその一例を示しており、L字形状
のストッパ板52にて第2レンズ群の像面側の規制を調
整可能に構成している。この為に鏡筒に穴部51を設
け、このストッパ板52の先端を鏡筒内部に挿入すると
共に、ビス53にて固定される。
【0101】図14はこのストッパ板の斜視図である。
長穴54にて光軸方向にストッパ位置が調整可能となっ
ている。
【0102】なお、この図13,14では詳細は示さな
いが、このストッパ板の案内となる壁を設けたり、ビス
に長穴54とかん合する段ビスを使用したり、微妙な調
整を可能とする為に偏心ころを用いたりする従来公知の
メカ構造を施すことも考えられる。
【0103】更に、この様なストッパ板部品のみではな
く、光軸方向から調整可能なビスを設け、その先端部を
突き当て部としても構わないし、ストッパ位置としては
調整せず、各保持枠の中を2体に分離し(レンズを保持
する部材と、この部材がネジ結合される本体枠との2部
材で構成)、ねじ構造で光軸方向にレンズ群を調整可能
にすることも考えられる。
【0104】また、ストッパ位置を調整する場合にもこ
の図の様な第2レンズ群ではなく、第1レンズ群に設け
てもよい。 (第3実施の形態〜第5の実施の形態)前述した第1実
施の形態において、両方のレンズ群が規制端にぶつかっ
た状態から、駆動源を逆転した場合、この二つのレンズ
群の位置関係は基本的には正規の位置関係をとるが、こ
の規制端に規制された状態では、ラック部品等が変形を
起こしたり、また、ラックの歯とスクリューの軸のおね
じの山を歯飛びを起こして乗り越えた後に、規制端から
保持枠が一瞬離れる様なことが発生することも懸念され
る。
【0105】本第3〜第5の実施の形態では、それぞれ
の移動環に対して、前述の図22で示した様なフォトイ
ンタラプタと遮光壁によるリセット位置検出の為の機構
を設けるものである。なお、この機構は図22で示した
ものと同等で構わないので、この機構を含む本発明の実
施に適したレンズの図は特に新たに示さない。
【0106】図8に示したレンズに、更に図22に示し
た様なそれぞれのレンズの基準位置を検出する機構を組
み合わせたのが以下に説明する第3〜第5の実施の形態
である。
【0107】第3の実施の形態では、駆動源を動作し
て、第1(2)のレンズ群が第1(2)のレンズ群のリ
セット位置(インタラプタ出力が変化した位置)に達し
た後、第2(1)のレンズ群が、第2(1)のレンズ群
のリセット位置に達するまでの駆動源であるステップモ
ータの駆動パルス数の値を記憶するものである。この値
は設計値というより、このレンズが正常に動作する様に
各部の調整(メカ的もしくはソフト的な調整)が行われ
た後に、二つのリセット位置間のあるべき駆動パルス数
を記憶するものである。例えば、図15に示すタイムチ
ャートは、第1群レンズと第2群レンズの間の関係に問
題となるずれが発生していない状況のワイド端から、こ
のフォトインタラプタによるリセットをかける場合の図
である。
【0108】時間t0にて電源がONすると、前述の実
施の形態と同様に、駆動源は第1群レンズを被写体側に
繰出す方向に駆動する。t11時間で第2群レンズがリ
セットスイッチ位置に達する。
【0109】ここから、t12時間で第1レンズ群がリ
セットスイッチに達するまでの間のパルス数をカウント
することになる。リセットに用いる駆動源の駆動速度が
定まっている場合には、時間としてカウントしても構わ
ない。この数値をここではΔtとする。Δtが設計値通
り、若しくは設計値にある許容誤差を与えた範囲内にあ
れば、二つの移動レンズ群の位置関係は正常だと判断出
来る。
【0110】この場合は前述の第1実施の形態などの様
にそれぞれの移動端まで持っていかなくても良いので、
この位置で所定の基準位置に与える番地を設定し、以降
のレンズ制御にはこの基準番地から継続的にステップモ
ータである駆動源への入力パルス数をカウントすること
により、光軸方向の絶対位置が把握される。この場合、
その後、ワイド端位置までレンズが戻っても、そこまで
要するリセット時間t14は端に突き当ててリセットす
るよりも短くて済む。なお、t12〜t13の間、停止
を入れたがこの期間は省く場合も考えられる。
【0111】この様に、従来例と同等のリセット方法を
有していれば、衝撃等による位置ずれが起きていない場
合には従来通りの短時間のリセットが行われる。更に、
衝撃等でレンズ群の位置がずれている場合の動きを図1
6に示す。
【0112】図16にて、電源ONに際して、第1群レ
ンズはPg1、第2群レンズはPg2の位置までずれて
いるとする。この位置から、図15と同様に第1群レン
ズを繰出す方向に駆動源を駆動する。すると、t21に
てまず第2群レンズがリセット位置を通過する。ここか
ら第1群レンズがリセットを通過するまでのパルス数
(もしくは一定速度の場合は時間)をカウントするが、
この場合、第1群レンズがリセット位置を通過するのは
t22となり、Δtの値は図15で示した通常の場合よ
り、はるかに多く(長く)なってしまう。
【0113】したがって、後述するCPUが二つのレン
ズ群位置は正常な位置にないことを判断出来、このリセ
ット位置ではリセットを行なわず、さらに駆動源を駆動
し続け、第1群レンズは1群のストッパに、第2群レン
ズは2群のストッパに規制される充分な時間t23ま
で、駆動源を動かす。そして、第1実施の形態と同様に
リセットを行なうことにより、ずれている二つのレンズ
群の位置が復帰出来るものである。
【0114】ここで、それぞれのレンズ群がリセット位
置を通過した時点がわかるので、t23までの時間は必
要最短に設定することも可能となる。
【0115】図17はこの様な第3実施の形態を実施す
るに適した撮像装置のブロック図である。
【0116】図17において、前述の各実施の形態にお
ける図面に示す部材には同一の符号を付してその説明は
省略する。また、ここでは、ズーム、フォーカスの駆動
源としてステップモータを用いている。
【0117】図21で示したズームエンコーダに相当す
る機能は、ここでは、1群リセットスイッチ301、2
群リセットスイッチ302による基準位置設定と、CP
U309によるその状態での基準番地の設定、以後、C
PUの駆動命令によるズームモータドライバ303の発
生する駆動パルス数をズームパルスカウント回路304
にて継続的にカウントすることによりなされている。
【0118】また、上述図15、図16で示したΔtの
測定は、1群リセットスイッチ301と2群リセットス
イッチ302の出力をCPU309が監視し、CPU3
09内で二つのリセット位置に達する間に要するズーム
モータの駆動パルス数をカウントすることになる。
【0119】図18に本第3実施の形態のCPU309
のズームリセットのフローチャートを示す。なお、この
フローチャート中の説明で述べるA,B,C,Dの各領
域に関して、図19を用いて説明する。図19におい
て、横軸は焦点距離で、左側がワイド端fW、右側がテ
レ端fTである。
【0120】縦軸は光軸上のピント面からの位置を示
す。Pw1に第1群レンズ、Pw2に第2群レンズがあ
る時がワイド端となる。
【0121】ここで、第1群のリセットスイッチ出力の
ONとOFFの境界が1群リセット位置であるので、リ
セット動作を行なう前でも、CPUは1群レンズがこの
リセット位置よりも被写体側にあるか像面側にあるかは
判別が可能である。
【0122】そこで、このリセット位置より被写体側の
領域をA領域、像面側をB領域とする。同様に第2群レ
ンズに対して、第2群のリセット位置より被写体側をC
領域、像面側をD領域とする。
【0123】この図から明らかな様に、fW〜fM1の
間は第1群はB、第2群はC領域にある。この例では、
fM1〜fM2の間は狭い領域ではあるが、第1群は
B、第2群はDとなり、fM2〜fT間は第1群はA、
第2群はDとなる。従って、第1群、第2群の順にA,
Cと検出された場合にはその時点で二つのレンズ群は正
常な位置関係にないことがわかる。
【0124】この様な点を考慮しながら、二つのレンズ
群の位置ずれが発生していない場合には通常のフォトイ
ンタラプタによるリセット動作を、ずれが発生している
場合には移動端に突き当てるリセット動作を行なうのが
図18及び、図23のフローチャートである。
【0125】図18のフローチャートにおいて、ST1
でリセット動作がスタートする。
【0126】ST2において、第1群レンズが図19の
Aの領域にあるかどうかが判別される。
【0127】第1群レンズがAの領域にある場合には、
ST3にて第2群レンズの領域がCかDかが判別され
る。第2群レンズがDにある場合ST4に至る。この様
にST4まで至ったことで、第1群レンズと第2群レン
ズが正規の位置関係がずれていない場合に、現状の焦点
距離はfM2〜fTの間にあると推定できる。
【0128】そこで、それぞれのレンズ群がフォトイン
ラタプタと遮光壁により定まるリセット位置に向かって
移動する様に、ST4でモータを第1群レンズがくり込
む方向に(即ち、第2群レンズが繰り出す方向に)駆動
する。この駆動と共に、ST5で第1群レンズが1群リ
セット位置に達したかどうかを判別する。
【0129】ST5において、第1群レンズが1群リセ
ット位置に到達したと判定された場合、ST6で第2群
レンズがD領域であることが確認される。
【0130】2つのレンズ群が位置ずれを起こしていな
ければ、ST6の判定はYとなり、ST7に至る。な
お、ST5〜ST7の間に時間がかかりその間にモータ
に駆動パルスが入力されると、後述するΔTのカウント
にエラーが生ずるので、そういう場合には、ST5で1
群レンズがリセット位置に到達したと判断されると同時
にモータを停止し、ST7と同時に駆動を再開すること
になる。
【0131】ここでは、ST5〜ST7間は瞬時にフロ
ーが流れ、その間に駆動パルスが入力されることはない
とした。
【0132】ST7では、図15で説明したΔTをカウ
ントする為のカウンタAの計数をスタートする。
【0133】ST8では、第2群レンズが2群リセット
位置に達したかどうかを判別し、達していなければ判別
はNとなり、ST9にて更に継続して、モータを1群く
り込み方向へ駆動する。ST8にて2群レンズがリセッ
ト位置に達した場合、ST10でカウンタを、また、同
時にST11でモータを停止する。
【0134】ST12では、カウンタAでカウントされ
た2つのリセット間のステップ数(または時間)ΔTと
設計上定まるか、もしくは製造当初に、個々のレンズの
個有値としてEEPROMなどに書き込まれて記憶され
ている「あるべき」2つのリセット間のステップ数Δt
の差を演算する。
【0135】この差|ΔT−Δt|の値が所定のn以下
であれば、2つのレンズ群の位置関係に、ずれは生じて
いないと判定出来、ST12はYとなり、ST13で、
ステップモータの入力パルスを絶対位置検出とする為に
基準位置(=リセット位置)に与えられるべき基準番地
がEEPROM等より読み込まれる。
【0136】ST14で詳細なフローは示さないが、こ
のリセット動作スタート時の位置に第1群、第2群レン
ズを戻し、ST15にてリセット動作が完了する。
【0137】次に、ST2の判別で、第1群レンズがA
でない、即ちBであると判別されると、ST16で2群
レンズがD領域かどうかが判別される。
【0138】この判別がNの場合、即ち第2群レンズが
Cにある場合、2つのレンズ群の間に位置ずれが発生し
ていなければ、焦点距離はfw〜fM1と推定される。
以後ST17→ST18→ST19→ST20→ST2
1→ST22→ST23→ST24を経てST12に至
るフローは、モータの回転方向等が若干異なる以外、S
T4〜ST11の前述したフローと同様の考え方、内容
であるので詳述を行なわない。
【0139】ST16の判定がYの場合、2つのレンズ
群の位置にずれが生じてなければ、焦点距離fM1〜f
M2の間の状態にあると推定される。
【0140】この実施の形態では、この様な場合、カウ
ンタBにて設定された所定時間のB0の間、所定速度で
モータを第1群レンズがくり込まれる方向に駆動するこ
とにより、焦点距離をfw〜fM1に移動させ、ここか
らリセット動作を再開することで、ST17→ST24
→ST12のフローにより、リセット動作が完了する様
に構成される。
【0141】この為、ST25でカウンタBのカウント
値が所定のB0を越えない間に、ST26の1群をくり
込み方向へ駆動することで、ST16がNになるまでこ
の動作を継続する。
【0142】また、ST27のカウンタBの計数のスタ
ートは初めてここを通る場合のみで、2周目からは適用
しないこととする。また、このST25〜27を回るこ
とで、ST16の判定がYからNに変わった場合にカウ
ンタBはリセットすることとするが、ここではフローが
複雑になるのでフロー上は表現しない。
【0143】さて、図18のフローで★マークに至った
場合は、第1群レンズと第2群レンズの正常な関係が保
たれていないと判断された場合である。
【0144】即ち、・ST3がN…第1群がAにあり第
2群がCにあるので正常な関係とは言えない。
【0145】・ST6がN…第1群がリセット位置にあ
るのに第2群がCになるので正常な関係とは言えない。
【0146】・ST12がN…第1群がリセット位置に
ある状態と第2群がリセット位置にある状態の間(即
ち、2つのリセット位置間)に要する駆動パルス数(モ
ータが所定速度の場合、この間に要する時間)の所定値
との誤差が大きすぎるので、2つのレンズ群は正常な関
係とは言えない。
【0147】・ST25がY…B=B0に達してもST
16がNにならないのは、即ち第1群がBにあり、第2
群がCにある状態になるべき動作を行なったのに、その
状態に至らなかったので2つのレンズ群は正常な関係と
は言えない。
【0148】・ST19がN…第2群レンズがリセット
位置にあるのに第1群レンズがAにあるので正常な関係
とは言えない。
【0149】この様に★に至った場合は図23に示す異
常時のリセット動作、即ち、前述実施の形態で説明した
移動端に突き当てる方法のリセット動作を行う。
【0150】図23において、ST28ではモータを第
1群レンズがくり出される方向に駆動する。この駆動は
ST29とST30によりカウンタCを用いて、定めら
れた所定時間t0迄、カウンタCの計数値tn が達する
迄継続される。
【0151】この結果、第1群レンズ、第2群レンズ
共、それぞれのレンズ群のストッパ位置に当接した状態
となる。その際、両レンズ群がストッパ位置に当接する
に充分なtn が設定されることは言うまでもない。
【0152】この後、ST31にてモータを逆転し、S
T32で第1群レンズがリセット位置に達するとST3
3にてカウンタAをスタートさせる。このST33はS
T7と同じであり以降このST7以降の、図18のフロ
ーに戻ればよい。
【0153】この結果、全ての場合にST15のリセッ
ト完了に至るが、何らかの破損等でST12の判定が図
23のフロー通過後もYにならないこともある。この様
な場合は、図23のフローをn回通ってもST15に至
らなかったという様なことをもって、故障警告を行って
もよい。
【0154】この図18と図23のフローチャートにお
いて、ステップ12にて|ΔT−Δt|の値、即ち2つ
のリセット位置間に必要なパルス数(もしくは時間)の
記憶された所定値と実際の値との差の絶対値を求めてい
るが、この差を絶対値化せずに符号も含めて把握するこ
とにより、第1群レンズからみて、第2群レンズが所定
の位置関係にあるか、ずれている場合に、符号を調べる
ことで、ずれの方向が差の絶対値によりずれの量も含め
て判断できる。
【0155】(第4の実施の形態)本第4の実施の形態
では、上記した第3の実施の形態において、上述した様
にして把握されたずれの情報をもとに、このずれに起因
して発生するズームトラッキングカーブのずれを補正す
るものである。
【0156】焦点距離によらずに、いわゆるフォーカス
コンペ機能を有し、ズーム中に被写体距離に応じて、コ
ンペ動作の為に駆動される第4群レンズは、公知の特開
平1−321416号公報等に開示された様な方法でズ
ームトラッキング動作を行うが、その際、上述のずれが
あると正規のトラッキングが行なえずに、例えばテレ側
でピントを合わせた後にワイド方向へズーミングを行っ
た時に徐々にピントがずれて来てしまう。
【0157】そこで、このΔTとΔtの差分値から、こ
の様な不具合を発生させない様にするものである。
【0158】なお、ΔTとΔtの差分値から、どの様な
補正を行うかは温度ピント補正に関する特開平9−90
189号等に開示された方法に準ずればよい。
【0159】(第5の実施の形態)上述した図18、図
23に示すフローチャートによると、図18に示した諸
々の判定をもって、基本的にはフォトインタラプタと遮
光壁で定まる様なリセット位置(前述した様に磁気的な
方法でも構わない)を用いてリセットを行い、2つのレ
ンズ群の位置関係にずれが生じている場合にのみ、第1
実施の形態で示した様な移動端ストッパへの突き当てに
よるリセット方法を用いるものであった。
【0160】これに対し、本第5の実施の形態では、図
18に示した場合分けを行なわずに、電源ONと同時に
第1実施の形態と同様(即ち、図23のフローチャート
と同様)に、端突き当て動作を行い、2つのレンズ群の
位置関係をほぼ正しい関係とした上で、それぞれのレン
ズ群に、フォトインタラプタと遮光壁で定まるリセット
位置を設け、前述のΔT−Δtの値により微少な位置関
係のずれを修正するものである。
【0161】これは、両方のレンズをストッパに突き当
てた後も、前述した様に、モータの回動に伴いラック部
品がスクリュー軸の山を乗り越えた際とか、あるいは突
き当て状態でのモータ回動によりラック部のたわみが発
生するなどの理由により微少量ではあってもストッパ端
への突き当てによるリセット動作後も、2つのレンズ群
の位置関係にずれが生じることに鑑みたもので、特に、
各レンズ群の位置ずれによるピント移動量や画質劣化の
程度が顕著に発生する様な、所謂、高敏感度なレンズに
おいては、必要となることが多い。
【0162】なお、フォトインタラプタと遮光壁を用い
たリセット動作においては、従来公知のヒステリシス除
去等の目的の為の検出位置出し方法(例えば、必ず一方
向からの駆動でリセット位置を定めるなど)を実施して
も構わない。
【0163】また、各実施の形態では、第1群レンズを
繰り出す側に移動規制端を設けているが、逆方向に端
(ストッパ)があっても構わない。
【0164】また、これらのリセット動作は電源ON時
あるいはカメラモードなど所定の動作モードがONした
時に動作されるものである。
【0165】
【発明の効果】以上説明した様に第1の発明によれば、
一つの駆動源で移動する2つのレンズ群を含むレンズ鏡
筒において、例えば衝撃荷重などによってこれら2つの
レンズ群の移動位置関係にずれが生じても、それぞれの
レンズ群が移動端のメカ的移動規制位置に達するに十分
な時間だけモータを駆動することによって、両方のレン
ズ群を保持するそれぞれの移動環の位置関係を所定の関
係に復帰可能とすることができる。
【0166】第2の発明によれば、第1の発明で得られ
るリセット動作により再現される二つのレンズ群の移動
位置関係を調整可能とすることができる。
【0167】第3の発明によれば、第1のレンズ群と第
2のレンズ群のそれぞれに、フォトインタラプタと遮光
壁等からなる光軸上の固有の一つの基準位置を検出する
手段を設け、このそれぞれの基準位置間を移動するのに
要するステップ数もしくは時間などのあるべき数値を記
憶しておくので、この値を用いることによりリセット動
作の正確な判断を可能とする。
【0168】第4の発明によれば、第3の発明で述べ
た、2つのリセット位置間を移動するのに要するステッ
プ数あるいは時間の、所定値と実際値のずれの値をもっ
て、ズームトラッキングカーブのずれを補正することに
より、このずれがあっても、ズーム中のピントボケの発
生しない、ズームレンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に適したズームレンズの構成を示
し、(A)はワイド端、(B)はテレ端を示す。
【図2】本発明の第1の実施の形態のズーム駆動機構の
斜視図。
【図3】図2のズーム駆動機構を用いたレンズ鏡筒の分
解斜視図。
【図4】図3のレンズ鏡筒の全体構成の断面図。
【図5】図5のレンズ鏡筒を後方から見た図。
【図6】図3のレンズ鏡筒の絞りユニットを示す図。
【図7】図3のレンズ鏡筒の分解斜視図。
【図8】図3のレンズ鏡筒のテレ端状態を示す断面図。
【図9】図3のレンズ鏡筒の第1群レンズと第2群レン
ズのリセット動作に伴う移動位置関係を示す図。
【図10】図3のレンズ鏡筒の第1群レンズと第2群レ
ンズのリセット動作に伴う移動位置関係を示す図。
【図11】図3のレンズ鏡筒の第1群レンズと第2群レ
ンズのリセット動作に伴う移動位置関係を示す図。
【図12】図3のレンズ鏡筒の第1群レンズと第2群レ
ンズのリセット動作に伴う移動位置関係を示す図。
【図13】第2の実施の形態を示すレンズ鏡筒の断面
図。
【図14】図13のストッパー板の斜視図。
【図15】第3の実施の形態の第1群レンズと第2群レ
ンズとの移動位置を示すタイミングチャート。
【図16】第3の実施の形態の第1群レンズと第2群レ
ンズとの移動位置を示すタイミングチャート。
【図17】第3の実施の形態の撮像装置のブロック図。
【図18】第3の実施の形態の動作を示すフローチャー
ト。
【図19】第3の実施の形態の第1、第2群レンズの位
置と焦点距離との関係を示す図
【図20】従来のレンズ鏡筒の断面図を示し、(A)は
バリエータレンズ駆動系、(B)はフォーカシングレン
ズ駆動系を示す。
【図21】従来の撮像装置のカメラ本体の電気的構成を
示すブロック図。
【図22】レンズの初期位置リセットの検知構成を示す
斜視図。
【図23】図18のフローチャートの続きを示すフロー
チャート。
【図24】第5の実施の形態を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 第1レンズ群 2 バリエータレンズ群(第2群レンズ) 3 アフォーカルレンズ群 4 フォーカシングレンズ群 5 CCD 9 ステップモーター本体部 10 第1スクリュー軸 13 第2スクリュー軸 14 第1群保持枠 15 第2群保持枠 16 第1ラック部材 18 第2ラック部材 25 第5レンズ群 35 ステップモータ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のレンズ群を保持し光軸方向に移動
    可能な第1の保持枠と、第2のレンズ群を保持し光軸方
    向に移動可能な第2の保持枠と、前記第1の保持枠を光
    軸方向に駆動する第1のスクリュー軸と、前記第2の保
    持枠を光軸方向に沿って駆動する第2のスクリュー軸
    と、駆動源の回転により前記第1のスクリュー軸と前記
    第2のスクリュー軸とを回動させる駆動機構とを有し、
    前記駆動機構は、前記駆動源が第1の方向に回動し続け
    た場合、前記第1の保持枠と第2の保持枠を正規の位置
    関係においては、それぞれの光軸方向への移動範囲の機
    械的規制端に略同時に当接させることを特徴としたレン
    ズ駆動装置。
  2. 【請求項2】 第1のレンズ群を保持し光軸方向に移動
    可能な第1の保持枠と、第2のレンズ群を保持し光軸方
    向に移動可能な第2の保持枠と、前記第1の保持枠を光
    軸方向に駆動する第1のスクリュー軸と、前記第2の保
    持枠を光軸方向に沿って駆動する第2のスクリュー軸
    と、駆動源の回転により前記第1のスクリュー軸と前記
    第2のスクリュー軸とを回動させる駆動機構とを有し、
    前記駆動機構は、前記駆動源が第1の方向に回動し続け
    た場合、前記第1の保持枠と第2の保持枠を正規の位置
    関係においては、それぞれの光軸方向への移動範囲の機
    械的規制端に略同時に当接させ、前記それぞれの機械的
    規制端の少くとも一方は、光軸方向に規制端位置を調整
    可能としたことを特徴とするレンズ駆動装置。
  3. 【請求項3】 第1のレンズ群を保持し光軸方向に移動
    可能な第1の保持枠と、第2のレンズ群を保持し光軸方
    向に移動可能な第2の保持枠と、前記第1の保持枠を光
    軸方向に駆動する第1のスクリュー軸と、前記第2の保
    持枠を光軸方向に沿って駆動する第2のスクリュー軸
    と、駆動源の回転により前記第1のスクリュー軸と前記
    第2のスクリュー軸とを回動させる駆動機構と、前記第
    1の保持枠が光軸方向の第1の基準位置にあることを検
    出する第1の基準位置検出手段と、前記第2の保持枠が
    光軸方向の第2の基準位置にあることを検出する第2の
    基準位置検出手段と、前記第1の基準位置検出手段の検
    出情報に基づいて前記第1の保持枠が第1の基準位置に
    あることを検出している第1の状態、及び前記第2の基
    準位置検出手段の検出情報に基づいて前記第2の保持枠
    が前記第2の基準位置にあることを検出している第2の
    状態を判定する判定手段と、前記駆動源により前記第1
    の状態から前記第2の状態に移動するのに必要な駆動量
    の情報を記憶している記憶手段とを有することを特徴と
    するレンズ駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記記憶手段に記憶された前記第1の状
    態から前記第2の状態に移動するのに必要な駆動量の情
    報と、実際に検出された第1の状態から第2の状態に移
    動するのに必要な駆動量の情報とを比較して前記駆動源
    を駆動制御する制御手段を有することを特徴とした請求
    項3に記載のレンズ駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、比較結果に基づいて、
    ズームトラッキング動作中に必要なトラッキングカーブ
    に関するデータを補正することを特徴とした請求項4に
    記載のレンズ駆動装置。
  6. 【請求項6】 装着されるレンズ鏡筒のあるいは該レン
    ズ鏡筒が接続される撮像装置の電源オンまたは所定の動
    作モードのスタートにより、前記第1の保持枠と前記第
    2の保持枠を夫々前記機械的規制端に当接させる初期動
    作を行わせる初期動作手段を有することを特徴とする請
    求項1から5のいずれか一つに記載のレンズ駆動装置。
  7. 【請求項7】 第1のレンズ群を保持し光軸方向に移動
    可能な第1の保持枠と、第2のレンズ群を保持し光軸方
    向に移動可能な第2の保持枠と、前記第1の保持枠を光
    軸方向に駆動する第1のスクリュー軸と、前記第2の保
    持枠を光軸方向に沿って駆動する第2のスクリュー軸
    と、駆動源の回転により前記第1のスクリュー軸と前記
    第2のスクリュー軸とを回動させる駆動機構とを有し、
    前記駆動機構は、前記駆動源が第1の方向に回動した場
    合、前記第1の保持枠と第2の保持枠をそれぞれの光軸
    方向への移動範囲の機械的規制端に当接させることを特
    徴としたレンズ駆動装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の保持枠の光軸方向の移動範囲
    内にある個有の基準位置を検出できる第1の基準位置検
    出手段と、前記第2の保持枠の光軸方向の移動範囲内に
    ある個有の基準位置を検出できる第2の基準位置検出手
    段と、レンズ鏡筒のあるいは接続される撮像装置の電源
    オンもしくは所定の動作モードのスタートにあたって、
    前記第1、第2の基準位置検出手段により検出される基
    準位置に前記第1および第2の保持枠を夫々移動させる
    第1の動作と、前記第1および第2の保持枠を夫々機械
    的規制端に当接させる第2の動作のいずれか一方の動作
    を行わせるように前記駆動源を駆動制御する初期動作手
    段を有したことを特徴とする請求項7に記載のレンズ駆
    動装置。
  9. 【請求項9】 前記初期動作手段は、前記第1の保持枠
    と前記第2の保持枠の光軸方向の位置関係が正規の関係
    から外れていると判別された時に前記第2の動作を行う
    ことを特徴とする請求項8に記載のレンズ駆動装置。
  10. 【請求項10】 前記初期動作手段は、前記第1の保持
    枠と前記第2の保持枠を機械的規制端に当接させる際、
    前記第1の保持枠と前記第2の保持枠の光軸方向の位置
    関係に狂いが生じていたことを想定しても、必ず当接す
    るに十分な移動が可能となるように前記駆動源を回動さ
    せることを特徴とする請求項6、8または9に記載のレ
    ンズ駆動装置。
  11. 【請求項11】 請求項1から10のいずれか一つに記
    載のレンズ駆動装置を有することを特徴とするレンズ鏡
    筒。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載のレンズ鏡筒を有す
    ることを特徴とする撮像装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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