JP4857257B2 - レンズ制御装置、レンズ鏡筒、撮像装置および光学機器 - Google Patents

レンズ制御装置、レンズ鏡筒、撮像装置および光学機器 Download PDF

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本発明は、ズームレンズおよびフォーカスレンズの位置制御を行うレンズ制御装置、レンズ鏡筒、レンズ制御装置を具備する撮像装置および光学機器に関するものである。
従来、スチルカメラやビデオカメラ用のレンズ鏡筒として、内蔵されるそれぞれのレンズ群より成るズームレンズとフォーカスレンズをステッピングモータ等の駆動部材で駆動する型式のものが知られている。
一般に、レンズ群をステッピングモータ等の駆動部材で駆動する場合は、該レンズ群の駆動および位置決めのための制御方式として、いわゆるオープンループ制御方式が採用されることが多い。それは、オープンループ制御方式の場合は、レンズ群の時々刻々の位置を検出するための検出装置が不要であり、また、制御系の構成がクローズドループ制御方式の制御系に較べて簡単、且つ、小型になるという理由からである。
しかしながら、ステッピングモータ使用のオープンループ制御方式によってレンズ群の位置決め制御を行う場合には、ステッピングモータの駆動開始位置とレンズ群の移動開始位置とを一致させる必要がある。そのために、位置決め制御開始前にレンズ群を特定の基準位置に戻し、レンズ群が基準位置(リセット位置)に位置決めされたか否かを検出するための基準位置検出部を各レンズ群に対して備える必要があった。
図6は、各レンズ群がどのように位置制御されるかを示す図であり、横軸をズームレンズの焦点距離位置とし、縦軸をフォーカスレンズの位置としている。詳しくは、横軸の左端がワイド端、右端がテレ端(望遠端)であり、縦軸の下が無限位置、上がピント至近位置となっている。以下、図6に示されるような曲線を“カム軌跡”と記す。
一般的にカム軌跡の形状は、被写体距離が無限の場合のカム軌跡のように、ワイド端からミドル位置まではなだらかな右肩上がりで、ミドル位置でなだらかな頂点を通り、ミドル位置からテレ端までは右肩下がりの山型の連続曲線となる。
カム軌跡の特徴として、ミドル位置からテレ端までは、テレ端に近付くほど、急峻な傾きとなることが知られている。最もこの傾きが急峻となるのは、“ズーム状態がテレ、被写体距離が無限”の位置で、その時の傾きを「dy/dx」(図6参照)と表す。この数値が大きいということは、ズームレンズの移動に対して、大きく該フォーカスレンズを移動しなければならないことを表わしている。なお、図6の下方に、光学倍率とテレ・無限のカムカーブの傾き、つまり「dy/dx」の関係を示している。
近年、カメラ等の光学機器においては、レンズ鏡筒の小型化及び固体撮像素子のイメージサイズの小径化が急速に進んでいる。また、レンズ鏡筒及び光学系の保持部材の材料としてプラスティック材料が多く使用されている。レンズ鏡筒及び光学系の保持部材の材料としてプラスティック材料を使用すると、これらの部材が金型により容易に成形でき、又、その形状の任意性も大きい上、他の材料に比してコストメリットが大きい等、多くの利点がある。
その反面、レンズ鏡筒及び光学系の保持部材にプラスティック材料を使用した場合、環境変化、特に、温度変化や湿度変化に対して物理的性質や寸法の変化が大きい問題がある。例えばプラスティックをレンズ鏡筒の構造材に使用すれば、金属材料を使用した場合に比べ、焦点距離や合焦位置等が大きく変化し、ピントずれが発生するという性能上の弊害が生じてくる。
これらの問題に対して、温度変化からピントずれ量を求め、フォーカスレンズの位置を補正する技術が提案(特許文献1)されている。
特許第3581513号公報
しかしながら、光学倍率の高倍率化と光学系の小型化を進めていくと、前述したカム軌跡のテレ端近傍の急峻な傾き「dy/dx」は、急激にその傾きが大きくなることが判っている。したがって、光学倍率が高倍率の場合、カム軌跡によってズーム/フォーカスレンズ位置が制御される光学系では、何らかの要因でズームレンズのテレ端での位置が少量でもずれると、そのずれ量の数十倍の量だけフォーカスレンズを移動しなければならなくなる。
このピントずれを発生させる最も大きな要因は、温度上昇による、レンズユニット構造部材の熱膨張である。この温度上昇による熱膨張により、ズームレンズが超テレ方向に移動すると、その数十倍もの距離をフォーカスレンズの鏡面側(CCD、CMOS等の撮像素子側)に移動しなければ合焦状態にならない。したがって、レンズ鏡筒のメカ寸法的にも、この分以上のクリアランスが必要となり、レンズ鏡筒のメカ的全長が長く大きくなるという問題が生じていた。
(発明の目的)
本発明の目的は、大型化するのを防ぎつつ、高温側への温度変化が生じてもフォーカスレンズのピントずれを無くすことができるレンズ制御装置、レンズ鏡筒、撮像装置および光学機器を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、ズームレンズおよびフォーカスレンズ近傍の温度を検出する温度検出手段と、前記ズームレンズを駆動するズームレンズ駆動手段と、基準温度よりも前記温度検出手段にて検出される現在温度が高い場合、前記ズームレンズの現在温度における望遠端位置を取得し、該望遠端位置と前記ズームレンズの現在位置を比較し、前記ズームレンズの現在位置が前記望遠端位置よりさらに望遠側の位置であるときには、前記ズームレンズを前記望遠端位置まで前記ズームレンズ駆動手段により移動させる制御手段とを有するレンズ制御装置とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、本発明の上記レンズ制御装置を具備するレンズ鏡筒、撮像装置または光学機器とするものである。
本発明によれば、大型化するのを防ぎつつ、高温側への温度変化が生じてもフォーカスレンズのピントずれを無くすことができるレンズ制御装置、レンズ鏡筒、撮像装置または光学機器を提供できるものである。
本発明を実施するための最良の形態は、以下の実施例1および2に示す通りである。
図1は本発明の実施例1に係る、レンズ制御装置を備えたビデオカメラなどの撮像装置を示すシステム構成図である。なお、レンズ鏡筒及び光学系の保持部材の材料としてプラスティック材料が使われているものとする。
図1において、101は固定されている第1固定レンズ群、102は変倍を行うレンズ群であるズームレンズ、103は絞り、104は固定されている第2固定レンズ群である。105は焦点調節機能と変倍による焦点面の移動を補正するいわゆるコンペ機能を兼ね備えたレンズ群であるフォーカスレンズである。110はズームレンズ102を駆動するズームレンズ駆動源、111はフォーカスレンズ105を駆動するフォーカスレンズ駆動源である。ズームレンズ駆動源110及びフォーカスレンズ駆動源111はそれぞれステッピングモータとドライバ部を有している。
106は例えばCMOSセンサ、CCDセンサなどの撮像素子である。107はカメラ信号処理回路であり、撮像素子106からの信号を後述の記録装置109に対応した信号に変換する等の信号処理を行う。109は動画や静止画を記録する記録装置であり、記録媒体として、磁気テープ、半導体メモリ、DVD(Digital Versatile Disk)などが使われている。
114はカメラマイコンであり、ズームレンズ駆動源110、フォーカスレンズ駆動源111を制御する。さらに、ズームスイッチ112の操作に応じた制御、フォーカスレンズ105の駆動方式をオートフォーカスモード(AFモード)にするかマニュアルフォーカスモード(MFモード)にするかの切り換えを行うAF/MFスイッチ113に応じた制御を行う。さらに、カメラ信号処理回路107からの出力信号による制御等を行う。例えば、ズームレンズ102、フォーカスレンズ105の目標位置を算出し、後述するレンズ位置検出部で検出された位置との比較を行い、ズームレンズ駆動源110、フォーカスレンズ駆動源111を制御して各レンズを光軸方向に移動させる。
112はズームレンズ102の位置を検出するレンズ位置検出部、113はフォーカスレンズ105の位置を検出するレンズ位置検出部である。これらレンズ位置検出部112,113は、それぞれフォトセンサと遮光板とを有し(いずれも不図示)、フォトセンサは発光部と受光部により構成され、遮光板はそれぞれズームレンズ102、フォーカスレンズ105に固定されている。そして、ズームレンズ102、フォーカスレンズ105が光軸方向に移動すると、それと一体に遮光板が移動する。そして、フォトセンサの発光部と受光部との間の光路を遮ったとき、受光部の出力信号がロー(Low)レベルになり、遮らないときはハイ(Hi)レベルになる。したがって、受光部の出力信号が変化する位置を基準位置(リセット位置)として、ズームレンズ102、フォーカスレンズ105が基準位置に存在するか否かを検知することができる。カメラマイコン114は、この基準位置と、レンズ移動速度、レンズ移動方向などにより、各レンズの位置を認識することができる。
108はサーミスタ素子であり、第1固定レンズ群101、ズームレンズ102、絞り103、第2固定レンズ群104、フォーカスレンズ105を収めたレンズ鏡筒の近傍の温度を検出し、これを温度情報としてカメラマイコン114に出力する。
カメラの電源スイッチのオンから上記ズームレンズ102とフォーカスレンズ105が初期位置にセットされるまでの動作を“レンズリセット動作”と記す。
図2は、カム軌跡によりズームレンズ102とフォーカスレンズ105を制御する際の、これらレンズの位置を示したものであり、横軸がワイド端からテレ端までのズームレンズ102の位置、縦軸が無限から至近までのフォーカスレンズ105の位置となっている。
図2において、曲線70は、被写体距離が無限でのズームレンズ102およびフォーカスレンズ105の制御位置である。曲線71は、被写体距離が1000mmでのズームレンズ102およびフォーカスレンズ105の制御位置である。72は、ズームレンズ102の遮光板のイン(Hi)状態・アウト(Low)状態によって切り換わるレンズ位置検出部112の出力である。73は、フォーカスレンズ105の遮光板のイン(Hi)状態・アウト(Low)状態によって切り換わるレンズ位置検出部113の出力である。Hi→Lowに切り換わる位置(ズームリセット、フォーカスリセット)が、それぞれ、ズームレンズ102とフォーカスレンズ105を駆動するステッピングモータのカウント基準位置となる。
上記実施例1では、ズームレンズ102を駆動するズームレンズ駆動源110とフォーカスレンズ105を駆動するフォーカスレンズ駆動源111の両方とも、ステッピングモータを用いている。しかし、いずれか一方の駆動源が、例えばVCM(ボイスコイルモータ)などの他の駆動部材で構成されているものでも構わない。
以上述べたようなレンズ鏡筒を具備する撮像装置において、不図示の電源スイッチがオンされ、レンズリセット動作が行われた後に温度上昇(高温状態)が生じたとする。すると、図3に示したように、ズームレンズ102のテレ端・無限での位置が、DXt(レンズの可動範囲AとBの差)だけ温度変化によってずれを生じる。このずれDXtが生じたために、フォーカスレンズ105にはDYtだけ、ピントずれが発生する。このとき同時に、テレ端の焦点距離は、本来の焦点距離よりも長くなるという不都合も生じている。
ここで、上記ピントずれDYtを、フォーカスレンズ105で補正するには、該フォーカスレンズ105をピントずれDYtだけ移動させる、つまり繰り込むことができれば良い。しかし、繰り込むためには、このピントずれDYt以上のクリアランスを設定しておかなければならない。その結果として、発明が解決しようとする課題の項で説明したように、レンズ鏡筒の後端部が長くなってしまう、あるいは、ピントずれDYt相当のクリアランスを設定できないといった問題が生じる。
これを解決するには、ここで生じたピントずれDYtを、フォーカスレンズ105で補正せずに、ズームレンズ102の位置をずれDXtだけ、ワイド方向に移動してやれば、ピントずれDYtを無くすことができる。このとき同時に、テレ端の焦点距離は、本来の焦点距離となる。つまり、“テレ端・無限”状態で、温度変化(所定値以上の高温への変化)のために、ピントずれが生じた場合は、ズームレンズ102のテレ端位置をピントずれ相当量だけ、ワイド方向に移動させれば良い。
これを実現するために、電源スイッチがオンされ、レンズリセット動作が行われた後に、温度上昇(高温状態)が生じたかを検出するために用いられる温度センサであるサーミスタ素子108をレンズ鏡筒の近傍に設置している。そして、このサーミスタ素子108からの温度情報に応じて、カメラマイコン114がズームレンズ102のテレ端位置を、ずれDXtだけ、ワイド方向に移動させるようにしている。
つまり、温度上昇が生じた場合は、カメラマイコン114は、その温度上昇によって生じるズームレンズ102のずれDXtだけ、ズームレンズ駆動源110を介してズームレンズ102のテレ端位置をワイド方向に移動させる。これにより、ズームレンズ102は本来のテレ端焦点距離の位置となり、又フォーカスレンズ105がピントずれDYtを生じることも無い。
次に、カメラマイコン114でのレンズ制御に関する動作を、図4のフローチャートを用いて説明する。
図4において、ステップ#101で電源スイッチがオンしてカメラに電源が投入されると、カメラマイコン114は、ステップ#102からの動作を開始する。まず、ステップ#102では、基準温度となるt0を取り込む。この基準温度t0は常温時の温度であり、予めカメラマイコン114内のフラッシュROM内に記憶されているものであり、そのデータをこのステップ#102で本体のRAMにロードしている。その後、ステップ#103へ進み、ズームレンズ102とフォーカスレンズ105の初期位置動作、つまりレンズリセット動作を行い、それぞれのレンズの基準位置を検出する。
次のステップ#104では、カメラマイコン114は、サーミスタ素子108によって検出された現在の温度情報をA/Dコンバータを介して取り込み、予め記憶されている温度変換テーブルによって現在温度tcに変換する。次のステップ#105では、現在温度tcと基準温度t0との温度差分を算出し、その温度差分をΔtとする。
次のステップ#106では、カメラマイコン114は、上記ステップ#105での温度差分Δtの正負を判定する。つまり、上記ステップ#104で検出された現在温度tcが、常温時の温度である基準温度t0より高温か否かを判定する。判定の結果、温度差分Δtが負と判定した場合にはステップ#104に戻り、同様の動作を繰り返す。
一方、上記ステップ#106にて温度差分Δtが正と判定した場合はステップ#107へ進み、現在温度tcにおけるテレ端位置P2を取得する。現在温度tcにおけるテレ端位置の取得方法は、例えば、予めカメラマイコン114の記憶部に記憶されている温度情報とテレ端位置の関係を示したテーブルデータを参照することにより取得することができる。現在温度tcにおけるテレ端位置P2は、図3で説明したように、基準温度t0におけるテレ端位置P1よりもワイド側となる。
なお、常温時の温度(基準温度t0)におけるテレ端位置P1と現在温度におけるテレ端位置P2のテレ端位置の差分ΔPは、温度差分Δtとほぼ比例するため、ステップ#106にて、ワイド側へテレ端移動量ΔPを
ΔP=α×Δt ………(1)
なる式(1)により算出してもよい。ここで、αは比例定数を表しており、この係数は使用するレンズ鏡筒によって決まる定数である。上記式(1)で求めたΔPを用いて以下の式(2)
P2=P1−ΔP ………(2)
により、現在温度tcでのテレ端位置P2を算出することができる。
次のステップ#108では、現在のズームレンズ102の位置が現在温度tcのテレ端位置P2より、テレ側にあるか否かを判定する。判定の結果、現在のズームレンズ102が現在温度tcのテレ端位置P2よりテレ側ではないと判定した場合にはステップ#104へ戻り、同様の動作を繰り返す。
一方、上記ステップ#108にて、現在のズームレンズ102が現在温度tcのテレ端位置P2よりテレ側にあると判定した場合はステップ#109へ進み、ズームレンズ102をテレ端位置P2までズームレンズ駆動部110によって駆動させる。
上記の実施例1のカメラ(撮像装置)に具備されるレンズ制御装置は、以下のような構成要素より成る。
ズームレンズ102と、フォーカスレンズ105と、これらレンズ近傍の温度を検出するサーミスタ素子108と、ズームレンズ102を駆動するズームレンズ駆動源110とを有する。さらには、基準温度(常温時の温度)t0よりもサーミスタ素子108にて検出される現在温度tcが高い場合、ズームレンズ102の現在温度tcにおけるテレ(望遠)端位置P2を取得するカメラマイコン114を有する。そして、該カメラマイコン114は、テレ端位置P2を取得すると、該テレ端位置P2と現在のズームレンズ102の実際の位置を比較する。比較の結果、現在のズームレンズ102の位置がテレ端位置P2よりもテレ側の場合は、ズームレンズ102を上記テレ端位置P2までズームレンズ駆動源110によりワイド側へ移動させる。
上記カメラマイコン114は、温度情報とズームレンズ102のテレ端位置P2の関係を示すテーブルデータを有する。そして、サーミスタ素子108により検出される温度情報とテーブルデータによりズームレンズ102のテレ端位置P2を取得する。
あるいは、上記カメラマイコン114は、基準温度とサーミスタ素子108にて検出される現在温度tcとの温度差分(所定値以上の高温)Δtを算出する。そして、該温度差分Δtと所定の演算係数(上記の式(1),(2))にて演算によりズームレンズ102のテレ端位置P2を算出する。
上記のような構成にすることにより、ズームレンズ102は本来のテレ端位置となり、フォーカスレンズ105の無限合焦位置のレンズ鏡筒メカ寸法のクリアランスを確保することができ、レンズ鏡筒のメカ的全長を長くする必要がなくなる。つまり、基準温度より高温側に温度変化があっても、ピント補正のためにフォーカスレンズ105を移動させる必要がなくなるので、レンズ鏡筒の大型化を防ぐことができる。また同時に、温度変化があっても、レンズ鏡筒の熱膨張により、実焦点距離が設定値より長焦点距離に変化することが無くなる。換言すれば、大型化するのを防ぎつつ、高温側への温度変化が生じてもフォーカスレンズ105のピントずれを無くすことができる。
次に、本発明の実施例2について説明する。
ズームレンズ102を駆動させるのにステッピングモータを用いた場合、ヒステリシスや停止分解能の問題により、意図したズームレンズ位置にズームレンズ102を停止することができない場合がある。特にズームレンズ移動量に対して、フォーカスレンズ105の移動量が大きいテレ端位置付近では、合焦位置からずれてしまい、撮像画に小ボケを発生させてしまうこともある。この場合、AFモードでは、上述の問題により小ボケが発生したとしても即座にフォーカスレンズ105を合焦位置に駆動させることが可能であるが、MFモード時には、この問題が露呈してしまう。
本発明の実施例2は上記の点に鑑みなされるものであり、撮像装置の構成は図1と同様であるものとする。実施例1と異なるのは、カメラマイコン114の処理のみであり、これについて図5のフローチャートを用いて説明する。
図5において、ステップ#201で電源スイッチがオンすると、カメラマイコン114は、ステップ#201から動作を開始する。まず、ステップ#202では、基準温度となるt0を取り込む。この基準温度t0は常温時の温度であり、予めカメラマイコン114内のフラッシュROM内に記憶されているものであり、そのデータをこのステップ#202でRAMにロードしている。次のステップ#203では、ズームレンズ102とフォーカスレンズ105のリセット動作を行い、それぞれのレンズの基準位置を検出する。
次のステップ#204では、カメラマイコン114は、サーミスタ素子108により検出された温度情報をA/Dコンバータを介して取り込み、予め本体内に記憶されている温度変換テーブルによって現在温度に変換する。そして、次のステップ#205にて、現在温度tcと基準温度t0との温度差分を算出し、その温度差分をΔtとする。
次のステップ#206では、カメラマイコン114は、上記ステップ#205での温度差分Δtの正負を判定する。つまり、この判定により上記ステップ#204で検出された現在温度tcが、常温時の温度である基準温度t0より高温かどうかを判定する。判定の結果、温度差分Δtが負と判定した場合にはステップ#204へ戻り、以下同様の動作を繰り返す。
一方、上記ステップ#206にて温度差分Δtが正と判定した場合はステップ#207へ進み、カメラマイコン114は、現在温度tcでのテレ端位置P2を取得する。現在温度tcでのテレ端位置の取得方法は、例えば、予めカメラマイコン114の記憶部に記憶されている温度データとテレ端位置の関係を示したテーブルデータを参照することにより取得することができる。
なお、常温時の温度(基準温度t0)時でのテレ端位置P1と現在温度でのテレ端位置P2とのテレ端位置の差分ΔPは、温度差分Δtとほぼ比例するため、ステップ#207にて、ワイド側へテレ端移動量ΔPを
ΔP=α×Δt ………(1)
なる式(1)により算出してもよい。ここで、αは比例定数を表しており、この係数は使用するレンズユニット鏡筒部によって決まる定数である。上記式(1)で求めたΔPを用いて、以下の式(2)
P2= P1−ΔP ………(2)
により、現在温度P2は算出することができる。
次のステップ#208では、カメラマイコン114は、現在のズームレンズ102の位置が現在温度tcのテレ端位置P2より、テレ側にあるか否かを判定する。判定の結果、現在のズームレンズ102が現在温度tcのテレ端位置P2よりテレ側にないと判定した場合にはステップ#204へ戻り、同様の動作を繰り返す。
一方、上記ステップ#208にて、現在のズームレンズ102が現在温度tcのテレ端位置P2よりテレ側にあると判定した場合はステップ#209へ進み、フォーカスモードがAFモードか否かの判定を行う。その結果、AFモードでない、つまりMFモードの場合はステップ#204へ戻り、同様の動作を繰り返す。
また、上記ステップ#209にてAFモードであると判定した場合にはステップ#210へ進み、ズームレンズ102をテレ端位置P2までズームレンズ駆動部110によって駆動させる。
上記の実施例2においては、カメラマイコン114は、フォーカスレンズ105の駆動方式がAFモードの場合は上記実施例1と同様の動作を行う。しかし、MFモードの場合は、ズームレンズ移動量に対して、フォーカスレンズ105の移動量が大きいテレ端位置付近では、合焦位置からずれてしまい、撮像画に小ボケを発生させてしまうことがある。そこで、ズームレンズ102の位置がテレ端位置P2よりテレ側にあっても、ズームレンズ駆動源110によりズームレンズ102をテレ端位置P2へ移動させることを禁止するようにしている。このようにMFモード時に、あえて駆動させることを禁止しているのは、テレ端付近では、ズームの移動量に対して、フォーカスの移動量が大きくなっている。そのため、レンズ個々のバラツキや温度によるピント面のズレなどの影響も大きくなってしまい、設計値どおりにフォーカスレンズを駆動させたとしても正確なピント位置を保持できない場合があるからである。一方、AFモード時には、これらの原因により小ボケが発生したとしても即座にピントを合わせにいくので、ピント面は保持することができることになる。
これにより、ステッピングモータを用いた場合でも、ヒステリシスや停止分解能の問題により意図したズームレンズ位置に停止することができないといったことを無くし、撮影中の小ボケの発生を防ぐことができる。
(本発明と実施例の対応)
ズームレンズ102が本発明のズームレンズに相当し、フォーカスレンズ105が本発明のフォーカスレンズに相当する。また、サーミスタ素子108が、本発明の、ズームレンズおよびフォーカスレンズ近傍の温度を検出する温度検出手段に相当する。また、ズームレンズ駆動源110が、本発明の、ズームレンズを駆動するズームレンズ駆動手段に相当する。また、カメラマイコン114が、本発明の、基準温度よりも温度検出手段にて検出される現在温度が高い場合、ズームレンズの現在温度における望遠端位置(テレ端位置P2)を取得する制御手段に相当する。そして、この制御手段は、望遠端位置とズームレンズの現在位置を比較し、ズームレンズの現在位置が前記望遠端位置よりさらに望遠側の位置であった場合、ズームレンズを望遠端位置までズームレンズ駆動手段により移動させる。
上記の実施例においては、レンズ鏡筒や撮像装置に適用した例を示しているが、レンズ制御装置として構成した場合も同様に適用できるものである。また、この種のレンズ制御装置を備えた双眼鏡等の光学機器にも適用できるものである。
本発明の実施例1に係る撮像装置を示すシステム位置構成図である。 本発明の実施例1に係るカム軌跡とズームリセット位置、フォーカスリセット位置との相互関係を示す図である。 本発明の実施例1に係るカム軌跡によるズームレンズ位置とフォーカスレンズ位置の関係を示す図である。 本発明の実施例1に係るカメラマイコン内でのレンズ制御に関する部分の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施例2に係るカメラマイコン内でのレンズ制御に関する部分の動作を示すフローチャートである。 従来のカム軌跡を示す図である。
符号の説明
101 第1固定レンズ群
102 ズームレンズ
103 絞り
104 第2固定レンズ群
105 フォーカスレンズ
106 撮像素子
107 カメラ信号処理回路
108 サーミスタ素子
109 記憶装置
110 ズームレンズ駆動源
111 フォーカスレンズ駆動源
112 ズームレンズ位置検出部
113 フォーカスレンズ位置検出部
114 カメラマイコン
115 ズームスイッチ
116 AF/MF切切換スイッチ

Claims (7)

  1. ズームレンズおよびフォーカスレンズ近傍の温度を検出する温度検出手段と、
    前記ズームレンズを駆動するズームレンズ駆動手段と、
    基準温度よりも前記温度検出手段にて検出される現在温度が高い場合、前記ズームレンズの現在温度における望遠端位置を取得し、該望遠端位置と前記ズームレンズの現在位置を比較し、前記ズームレンズの現在位置が前記望遠端位置よりさらに望遠側の位置であるときには、前記ズームレンズを前記望遠端位置まで前記ズームレンズ駆動手段により移動させる制御手段とを有することを特徴とするレンズ制御装置。
  2. 前記温度と前記ズームレンズの望遠端位置の関係を示すテーブルデータを有し、
    前記制御手段は、前記テーブルデータを基に前記温度検出手段にて検出される温度から前記ズームレンズの望遠端位置を取得することを特徴とする請求項1に記載のレンズ制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記基準温度と前記温度検出手段により検出される温度との温度差分を算出し、該温度差分を用いて演算により前記ズームレンズの望遠端位置を取得することを特徴とする請求項1に記載のレンズ制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記フォーカスレンズの駆動方式がオートフォーカスモードではなくマニュアルフォーカスモードであった場合には、前記ズームレンズが前記望遠端位置より望遠側に位置していても、前記ズームレンズ駆動手段による前記ズームレンズの前記望遠端位置への移動を禁止することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のレンズ制御装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のレンズ制御装置を具備することを特徴とするレンズ鏡筒。
  6. 請求項1ないし4のいずれかに記載のレンズ制御装置を具備することを特徴とする撮像装置。
  7. 請求項1ないし4のいずれかに記載のレンズ制御装置を具備することを特徴とする光学機器。
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