JP2008116034A - ころ軸受 - Google Patents

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Tatsuo Kawase
達夫 川瀬
Kenji Tamada
健治 玉田
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Abstract

【課題】スキューによる保持器の軸方向移動や外輪と内輪または軸との間に傾斜が生じることを防止して、転動疲労寿命の延長ができうるころ軸受を提供する。
【解決手段】ころ軸受は、一対の円環部5およびこれら円環部5間を繋ぐ円周方向複数箇所の柱部6を有し隣合う柱部6間がそれぞれポケット3aとなるリング状の保持器3と、この保持器3の各ポケット3aに保持された複数のころ2とを備え、これら複数のころ2が、内輪または軸4の外周面からなる内輪側周面4a、および外輪1の内周面1aに転接する。保持器3の内周面および外周面における円環部5を、内輪側周面4aおよび外輪内周面1aに滑り接触して滑り軸受として機能させる。外輪1または保持器3の円環部5または内輪または軸4に、保持器3の軸方向の移動を制限するつば7Aを設ける。または、外輪1の外周面を球面に形成し、その外周面に摺接する凹球面状の内周面を有する調心座を設ける。
【選択図】図1

Description

この発明は、特に自動車用エンジンのクランク軸やカムシャフトの支持部、あるいはコンロッドとクランク軸およびピストンとの連結部等のような変動荷重を受ける箇所に使用するに適したころ軸受に関する。
図12は自動車用エンジンのクランク軸およびコンロッドを示している。クランク軸20は、回転中心軸20aと、バランスウェイト20bと、クランクピン20cとで構成され、回転中心軸20aが軸受22により回転自在に支持されている。コンロッド21は、両端の大径端部21aおよび小径端部21bにそれぞれピン挿入穴21cが形成されており、大径端部21aのピン挿入穴21cには前記クランクピン20cがコンロッド21に対して軸受23を介して回転自在に挿入され、小径端部21bのピン挿入穴21cにはピストンピン(図示せず)が軸受(図示せず)を介してコンロッド21に対して回転自在に挿入されている。
上記クランク軸20の支持部に用いられる軸受22や、コンロッド21とクランク軸20の連結部に用いられる軸受23は、ピストンの爆発的な往復運動に伴う変動荷重を受ける。このため、上記軸受としてころ軸受または針状ころ軸受が使用される場合、振動や騒音が大きいという問題がある。また、軸受の長寿命化が望まれる。これらの問題は、カムシャフトを支持する軸受についても言える。
このような問題に対する従来技術として、転がり軸受のアウターレースの外周面とシャフト穴内周面との間にオイルフィルム部を形成して騒音の防止を図ったものがある(特許文献1)。
また、クランク軸の主支承装置の製造および組立を容易にするために、クランク軸支持用軸受を、外輪に当たるハーフシェルが分割され、それがスリットの設けられた弾性的リングで取り囲んだ構造とした従来技術がある(特許文献2)。
特開平6−229415号公報 特表2002−525533号公報
特許文献1に記載の軸受は、アウターレースの外周面とシャフト穴内周面との間に均一間隔の間隙を形成し、その間隙に潤滑油を充填してオイルフィルムとしたものである。この構成は、オイルフィルムのクッション作用は得られるものの、潤滑油自体でラジアル方向の軸荷重を支持するという作用はあまり得られない。このため、クランク軸の支持部や、コンロッドとクランク軸の連結部等の変動荷重を受ける箇所に使用した場合、振動や騒音の低減を十分に達成することはできない。また、軸受の長寿命化の達成は困難である。
また、自動車用エンジンに用いられる前記軸受22,23は、変動荷重により、ころが正規の転動面に対して傾くスキューという現象が生じやすい。スキューが生じると、ころの転動面と軌道輪の軌道面との接触部に滑りが生じて、ころが軸方向に移動する。それに伴って保持器も軸方向に移動することとなり、保持器がころを正常に保持できなくなる。さらに、スキューは、軸受温度上昇、潤滑油劣化をもたらす。
また、軸受の取付精度が悪く、外輪と内輪または軸とが互いに傾斜する状態に取付けられた場合や、スキュー等により外輪と内輪または軸との間に傾斜が生じた場合、ころにエッジ応力が生じる。このエッジ応力は、軸受の転動疲労寿命低下の原因となる。
この発明の目的は、ころと内輪または軸、およびころと外輪の接触面圧を低く抑えて、振動や騒音の低減を図り、かつころのスキューによる保持器の軸方向移動や外輪と内輪または軸との間に傾斜が生じることを防止して、転動疲労寿命の延長を図ることのできるころ軸受を提供することである。
この発明のころ軸受は、一対の円環部およびこれら円環部間を繋ぐ円周方向複数箇所の柱部を有し隣合う柱部間がそれぞれポケットとなるリング状の保持器と、この保持器の前記各ポケットに保持された複数のころとを備え、これら複数のころが、内輪または軸の外周面からなる内輪側周面、および外輪の内周面に転接するものである。
この発明における第1の発明のころ軸受は、前記ころ軸受において、前記保持器の内周面および外周面における前記円環部を、前記内輪側周面および外輪内周面に滑り接触して滑り軸受として機能するものとし、前記外輪、または前記保持器の円環部、または前記内輪、または前記軸に、前記保持器の軸方向の移動を制限するつばを設けたことを特徴とする。保持器内周面と内輪側周面との間、および保持器外周面と外輪内周面との間に潤滑油を保持させる。
第1の発明において、前記つばを前記外輪の内周に嵌合させて設けるのが好ましい。
また、第1の発明において、前記外輪はハウジングの内周に嵌合し、外部から供給される潤滑油を前記ころの軸方向両端近傍の空間部に導く油路を前記ハウジングおよび外輪に設けるのが好ましい。
この発明における第2の発明のころ軸受は、前記ころ軸受において、前記保持器の内周面および外周面における前記円環部を、前記内輪側周面および外輪内周面に滑り接触して滑り軸受として機能するものとし、前記外輪の外周面を球面に形成し、その外周面に摺接する凹球面状の内周面を有する調心座を設けたことを特徴とする。保持器内周面と内輪側周面との間、および保持器外周面と外輪内周面との間に潤滑油を保持させる。
第1および第2の発明の構成とすると、保持器の内周面および外周面における円環部が滑り軸受として機能するため、保持器により軸荷重の一部を負担することができる。そのため、ころと内輪または軸との接触面圧、およびころと外輪との接触面圧を軽減することができる。接触面圧が低下することで、その接触箇所で生じる振動を低減し、かつ軸受の騒音を低減することができる。加えて、転動疲労に対する軸受寿命の延長が可能となる。
第1の発明の場合、外輪または保持器の円環部または内輪または軸に設けたつばにより、保持器の軸方向の移動が制限されるため、常に保持器でころを正常な状態に保持することができる。これにより、軸受寿命低下、軸受温度上昇、潤滑油劣化を抑えることができる。
一般的には、保持器の軸方向移動を防ぐために、ハウジングにつばが設けられる。しかしながら、ハウジングにつばを設けるのは、ハウジングの内周面につばを装着するための溝等を加工する必要があり、加工の工数が増加するという問題がある。その点、つばを外輪の内周に嵌合させて設けると、ハウジングに溝を加工する必要がなく、軸受全体の加工が簡略になる。つばを外輪の内周に嵌合させる場合にも、そのための加工を外輪の内周面に施す必要があるが、この加工は外輪を成形する際に同時に行うことができるため、加工の工数が増えることはない。また、つばを外輪に設けることで、ころと保持器を外輪に一体化することができるため、運搬、保管、および組立性を改善でき、トータルコストを低減できる。
保持器の両端部を内輪または軸、および外輪に対して滑り接触する円環部としたことにより、軸受空間が狭くなり、軸受内部の潤滑油が不足するおそれがある。これに対しては、油路を介して軸受空間内に潤滑油を強制的に導入することで、軸受内部の潤滑油不足を防ぐことができる。これにより、ころと内輪または軸、およびころと外輪の潤滑を円滑に行える。
保持器円環部が滑り軸受として機能する構成としたため、保持器円環部と内輪または軸、および外輪との隙間が狭くなり、軸受の側方から軸受空間内に潤滑油を供給することは困難である。しかし、この発明の構成によれば、ハウジングおよび外輪に設けた油路により、軸受の径方向から軸受空間内に潤滑油を無理なく供給することができる。
潤滑油が導入されるころの軸方向両端近傍は、ころと内輪または軸との接触部、ころと外輪との接触部、保持器円環部と内輪または軸との接触部、および保持器円環部と外輪との接触部に近い位置にあるため、これらの接触部に潤滑油を円滑に供給することができる。
第2の発明の場合、外輪の外周に調心座を設けたことにより、外輪と内輪または軸との間に傾斜が生じても、外輪が内輪または軸の傾きに沿うように傾斜を修正して、外輪と内輪または軸とを適正な位置関係に保持することができる。これにより、ころのエッジ応力を防ぎ、軸受の転動疲労寿命の延長を図ることができる。
第1の発明において、前記外輪の外周面を球面に形成し、その外周面に摺接する凹球面状の内周面を有する調心座を設けてもよい。
この構成によると、第1の発明におけるつば、および第2の発明における調心座の両方が設けられるので、第1の発明および第2の発明の作用効果を相乗的に得ることができ、より一層軸受の転動疲労寿命の延長を図ることができる。
この発明において、調心座が設けられていない場合は、外輪および保持器のいずれかまたは両方を、円周方向に並ぶ2個の分割体に分割すると良い。また、調心座が設けられている場合は、外輪、保持器、および調心座のいずれかまたは全てを、円周方向に並ぶ2個の分割体に分割すると良い。
外輪、保持器、および調心座の少なくともいずれかを2個の分割体に分割すると、軸受の組立が容易になる。
この発明のころ軸受は、一対の円環部およびこれら円環部間を繋ぐ円周方向複数箇所の柱部を有し隣合う柱部間がそれぞれポケットとなるリング状の保持器と、この保持器の前記各ポケットに保持された複数のころとを備え、これら複数のころが、内輪または軸の外周面からなる内輪側周面、および外輪の内周面に転接するころ軸受において、前記保持器の内周面および外周面における前記円環部を、前記内輪側周面および外輪内周面に滑り接触して滑り軸受として機能するものとし、前記外輪、または前記保持器の円環部、または前記内輪、または前記軸に、前記保持器の軸方向の移動を制限するつばを設けるか、または前記外輪の外周面を球面に形成し、その外周面に摺接する凹球面状の内周面を有する調心座を設けたことにより、ころと内輪または軸、およびころと外輪の接触面圧を低く抑えて、振動や騒音の低減を図り、かつころのスキューによる保持器の軸方向移動や外輪と内輪または軸との間に傾斜が生じることを防止して、転動疲労寿命の延長を図ることができる。
第1の発明の実施形態を図1および図2と共に説明する。このころ軸受は、外輪1と、この外輪1の内周面1aに転接する複数のころ2と、リング状の保持器3とを有する。保持器3は円周方向に並ぶ複数のポケット3aを有し、各ポケット3aにころ2が保持されている。内輪は無く、この軸受が支持する軸4の外周面からなる内輪側周面4aにころ2が転接するものとされている。外輪1と軸4との間の軸受空間は図示しない密封手段により密封されており、この密封された軸受空間内に潤滑油が保持されている。あるいは、図示しない潤滑油供給孔から潤滑油が供給され軸受空間内に潤滑油が保持される。
保持器3は、軸方向両端に位置する左右一対の円環部5と、これら円環部5間を繋ぐ円周方向複数箇所の柱部6とからなり、隣合う柱部6間が、ころ2を保持するポケット3aとなっている。この実施形態では、円環部5の内周面および外周面は、内輪側周面4aおよび外輪内周面1aにそれぞれ沿う平滑面として形成されている。柱部6の円環部近傍部分6aは、外周面が円環部5の外周面の延長面として形成されている。
保持器3が上記形状であることにより、保持器3の内周面における円環部5の全体と軸4の内輪側周面4aとの間の隙間に潤滑油が保持されると共に、保持器3の外周面における円環部5の全体および柱部6の円環部近傍部分6aと外輪1の内周面1aとの間の隙間に潤滑油が保持される。このように保持された潤滑油の油膜を介して、保持器3と軸4、および保持器3と外輪1とが互いに滑り接触する。このため、保持器3の内周面における円環部5の全体は、軸4と円滑に回転自在でラジアル方向の荷重を支持することのできる滑り軸受として機能する。同様に、保持器3の外周面における円環部5の全体および柱部6の円環部近傍部分6aは、外輪1と円滑に回転自在でラジアル方向の荷重を支持することのできる滑り軸受として機能する。すなわち、保持器3は、複数のころ2を等間隔に保持する役割と、ころ2と共に軸荷重の一部を負担する役割とを担っている。
外輪1の両端面には、内径端が保持器3の軸方向外側に突出したつば7Aが固定して取付けられている。外輪1の軸方向中心と保持器3の軸方向中心とが合致する状態にあるとき、保持器3の端面とつば7Aの内側面との間に隙間が生じている。このつば7Aは、変動荷重等により外輪1と保持器3が軸方向にずれを生じた場合に、保持器3につば7Aが係止して保持器3の軸方向移動を制限するように作用する。外輪1へのつば7Aの固定には、ねじ止め、圧入による嵌合、接着剤による接着等の物理的あるいは化学的な固定方法を用いることができる。
図2に示すように、軸受の組立性を向上させるために、つば7A付き外輪1および保持器3は、それぞれ円周方向に並ぶ2個の外輪分割体1,1および保持器分割体3,3に分割されている。
このころ軸受は、例えば図12に示すクランク軸20支持用の軸受22や、コンロッド21とクランク軸20の連結部の軸受23に適用される。軸受22に適用する場合、軸4はクランク軸20の回転中心軸20aである。また、軸受23に適用する場合、軸4はクランク軸20のクランクピン20cであり、外輪1はコンロッド21の大径端部21aである。このころ軸受は、上記軸受22,23の他に、コンロッド21の小径端部21bとピストンピン(図示せず)との連結部の軸受や、カムシャフト支持部の軸受にも適用することもできる。さらに、これら以外の変動荷重を受ける箇所の軸受として適用することができる。外輪1および保持器3が2分割されているため、組立性が良好である。
上記構成のころ軸受は、保持器3の内周面における円環部5の全体、および保持器3の外周面における円環部5の全体および柱部6の円環部近傍部分6aが、滑り軸受として機能してラジアル方向の荷重を支持するため、ころ2と軸4との接触面圧、およびころ2と外輪1との接触面圧を低減することができる。接触面圧が低下することで、ころ2と軸4との接触部およびころ2と外輪1との接触部で生じる振動を低減し、かつ軸受の騒音を低減することができる。加えて、転動疲労に対する軸受寿命の延長が可能となる。
上記したように、保持器円環部5と共に保持器柱部6の一部が滑り軸受として機能するものとしているが、柱部6のうち滑り軸受として機能するのは円環部近傍部分6aだけに限定しているため、柱部6全体の形状については制約が少なく、柱部6をころ2の保持に適した形状とすることができる。
この実施形態では、滑り軸受として機能する保持器柱部6の円環部近傍部分6aを保持器3の外周面に設けてあるが、円環部近傍部分6aを保持器3の内周面に設けてもよく、あるいは内周面および外周面の両方に設けてもよい。
また、つば7Aにより保持器3の軸方向移動を制限することができる。これにより、ころを外輪1および軸4の軌道面内に保持することができる。
保持器3の軸方向移動を制限するためのつばは、外輪1以外にも取付けることができる。図3は、保持器3の円環部5の両端面に、外径端が外輪1の軸方向外側に突出したつば7Bを物理的あるいは化学的な方法で取付けた例である。変動荷重等により外輪1と保持器3とが軸方向にずれた場合に、外輪1につば7Bが係止して保持器3の軸方向移動を制限するように作用する。
また、図4は、軸4の一部に切欠き4bを設け、この切欠き4bに外径端が保持器3の軸方向外側に突出したつば7Cを圧入により嵌合させた例である。変動荷重等により外輪1と保持器3とが軸方向にずれた場合に、保持器3につば7Cが係止して保持器3の軸方向移動を制限するように作用する。
第1の発明の異なる実施形態を図5および図6に示す。この実施形態は、外輪1、複数のころ2、および保持器3を有し、軸4の外周面からなる内輪側周面4aにころ2が転接している点で前記各実施形態と同じである。この実施形態が前記各実施形態と異なる点は、外輪1の外周にハウジング9が嵌合していること、保持器3の軸方向移動を制限するつば7Dが外輪1の内周に設けられていること、および軸受空間内に潤滑油を導入する油路が外輪1およびハウジング9に形成されていることである。なお、外輪1はしまりばめ、あるいは係止部材によりハウジング9に固定されている。
外輪1、複数のころ2、および保持器3は、前記実施形態のものと基本的には同一構造である。ただし、この実施形態の保持器3は、柱部6の円環部近傍部分の外周部に後記円周溝14が形成されている関係上、保持器円環部5のみが、その内周面および外周面が内輪側周面4aおよび外輪1の内周面1aにそれぞれ滑り接触して滑り軸受として機能するようになっている。
つば7Dは、例えば、周方向の1箇所に割り部が形成され、縮径および拡径可能な弾性を有するものであり、その弾性を利用して、外輪内周面1aにおける保持器3の軸方向外側の位置に形成された環状の溝10に装着される。なお、外輪内周面1aの溝10よりも軸方向外側部分は、内側部分よりも内径が大きく形成されている。保持器3が軸方向の中立位置にあるとき、保持器3の両端面とつば7Dの軸方向内側の側面との間に若干の隙間sが存在する。このため、保持器3は、軸方向両側へ隙間sの範囲内で移動可能であるが、それ以上の移動はつば7Dにより制限される。
潤滑油は図示しない潤滑油供給手段により外部から供給される。潤滑油を軸受空間内に導入するための油路は、外部とハウジング9の内周側とを結ぶ第1油路11と、外輪1の外周面に軸方向に形成され、中央部が前記第1油路11と繋がる第2油路12と、外輪1を径方向に貫通して、前記第2油路12の両端と軸受空間とを連通する軸方向2箇所の第3油路13とからなる。この実施形態では、これら各油路11,12,13は円周方向の2箇所に設けられている。第3油路13の軸受空間側の出口部分には、円周溝14が外輪1の内周に設けられている。第3油路13の軸受空間側の出口は、ころ2の軸方向両端より軸方向外側で、かつ近傍とされている。円周溝14に対向する保持器円環部5の外周面には、切欠き15が設けられている。
図6に示すように、軸受の組立性を向上させるために、外輪1および保持器3は、それぞれ円周方向に並ぶ2個の外輪分割体1,1、および保持器分割体3,3に分割されている。
上記構成のころ軸受は、前記実施形態と同様に、保持器3の円環部5が軸4および外輪1に対して滑り軸受として機能してラジアル方向の荷重を支持するため、ころ2と軸4との接触面圧、およびころ2と外輪1との接触面圧を低減することができ、転動疲労に対する軸受寿命の延長、およびころ2と外輪1との接触部で生じる振動や騒音を低減することができる。
また、上記構成のころ軸受は、つば7Dにより保持器3の軸方向移動が制限されるため、変動荷重を受けた場合でも、ころ2のスキューにより、ころ2および保持器3が軸方向に大きく移動することを防止できる。このため、常にころ2を外輪1および軸4の軌道面内に保持できる。
外輪1の内周面1aに形成されたつば装着用の溝10は、外輪1を成形する際に同時に加工することができる。このため、ハウジング9につば装着用の溝を形成する場合に比べ、加工が容易で、かつ加工の工数が少なくて済む。また、つば7Dを外輪1に設けることで、ころ2と保持器3を外輪1に一体化することができるため、運搬、保管、および組立性を改善でき、トータルコストを低減できる。
このころ軸受の使用時には、潤滑油供給手段(図示せず)により軸受空間内に潤滑油が供給される。潤滑油は、第1油路11、第2油路12、および第3油路13を順に通り、円周溝14および切欠き15からなる空間部に導かれる。この空間部は、ころ2の軸方向両端の近傍に位置する。円周溝14および切欠15が設けられているため、第2油路13から軸受空間内の導入された潤滑油が、円周方向に均一に供給される。そして、ころ2と軸4との接触部、ころ2と外輪1との接触部、保持器円環部5と軸4との接触部、および保持器円環部5と外輪1との接触部に送られて、これら接触部を潤滑する。潤滑油が導入されるころ2の軸方向両端近傍は、上記各接触部に近い位置にあるため、各接触部に潤滑油を円滑に供給することができる。
前記円周溝14を設けるのは、上述した潤滑油を円周方向に供給するという機能的な面の他に、第3油路13の加工を、外輪1の内周面に加工痕を残さずに、容易かつ低コストで行うという目的がある。したがって、円周溝14が無くても、軸受空間内に導入された潤滑油が十分に円周方向に拡散される構造であり、かつ外輪1の内周面に加工痕を残さず第3油路13を加工することができるのであれば、円周溝14は設けなくても良い。
円周溝14および切欠15を設けない構成とした場合、保持器柱部6の外周面における円環部近傍部分を円環部5の外周面と同一の平滑面とし、この円環部近傍部分を、潤滑油の油膜を介して外輪1の内周面1aに滑り接触させて滑り軸受として機能させることができる。このように、保持器柱部6の外周面における円環部近傍部分も滑り軸受として機能させれば、ころ2と外輪1との接触面圧をさらに低減することができる。
また、この実施形態では、第1〜第3油路11,12,13を円周方向2箇所に設けているが、これらの油路を円周方向1箇所または3箇所以上に設けてもよい。
図7は異なる実施形態を示す。この実施形態は、外輪1の内周面1aが、ころ2が転接する中央部1aaと、それよりも内径が大きい外側部1abとからなり、この外側部1abにつば7Eが嵌合させてある。つば7Eは、外輪1よりも内径が小さいつば本体部7Eaを有し、その軸方向内側に、内周面が保持器円環部5の外周面に沿う滑り軸受部7Ebが形成されている。このつば7Eは、外輪内周面1aの外側部1abに軸方向外側から挿入して、外輪1と一体化されている。他は図5および図6の実施形態と同じ構成である。
このころ軸受のつば7Eは、つば本体部7Eaがその軸方向内側面で保持器3の軸方向移動を制限するのに加えて、滑り軸受部7Ebがその内周面と保持器円環部5の外周面との間の隙間に潤滑油を保持して滑り軸受として機能する。つば7Eは外輪1と一体化されているため、滑り軸受部7Ebは外輪1の一部とみなすことができる。したがって、この実施形態も、保持器の円環部5を、その外周面が外輪1の内周面1aに滑り接触して滑り軸受として機能するものであると言える。
図8はさらに異なる実施形態を示す。この実施形態は、外部とハウジング9の内周とを結ぶ第1油路11を軸方向2箇所に設け、この第1油路11と、外輪1を径方向に貫通する第3油路13とを直接連通させたものである。この構成とすると、前記実施形態に設けられている第2油路12を省略することができる。他は図5および図6の実施形態と同じ構成である。
図9および図10は第2の発明の実施形態を示す。このころ軸受は、外輪1の外周面1bを球面に形成し、その外周面1bに調心座8を配したものである。調心座8の内周面8aは凹球面状であり、外輪1の外周面1bと調心座8の内周面8aとは、互いに球面におけるいずれの方向にも摺動自在に当接している。それ以外の構成は前記ころ軸受と同じであり、同一構成箇所については同一符号を付して示している。
このころ軸受も、図10に示すように、軸受の組立性を向上させるために、外輪1、保持器3、および調心座8は、それぞれ円周方向に並ぶ2個の外輪分割体1,1、保持器分割体3,3、調心座分割体8,8に分割されている。
このころ軸受を、前記軸受22,23等の変動荷重を受ける箇所の軸受として用いた場合、前記ころ軸受と同様、保持器3の一部と外輪1、および保持器3の一部と軸4が滑り軸受として機能してラジアル方向の荷重を支持するため、転がり接触部の接触面圧を低減できることから転動疲労寿命の延長を図ることができる。また、組立性も良好である。
加えて、変動荷重等により外輪1と軸4との間に傾斜が生じても、外輪1が調心座8に対する角度を調整して軸4の傾きに沿うように傾斜を修正することにより、外輪1と軸4とが常に適正な位置関係に保持される。このため、ころ2のエッジ応力の発生が防がれ、軸受の転動疲労寿命を延長できる。
図11に示すように、保持器3の軸方向移動を制限するつば7Fを設け、かつ外輪1の外周面を球面に形成し、その外周面に調心座8を配した構成とすることもできる。この実施形態は、外輪1につば7Fを設けた例であるが、つばは保持器3あるいは軸4に設けてもよい。
上記構成とすると、つば7Fで保持器3の軸方向移動を制限することにより、常に保持器3でころ2を正常な状態に保持する作用、および調心座8により外輪1の角度を適正に保持する作用の両方が得られ、両者の相乗効果によって、より一層の転動疲労寿命の延長が図れる。
上記各実施形態では、内輪が無く、ころ2が軸4に直接に接触する構成のころ軸受を例示しているが、この発明のころ軸受は、内輪を有するころ軸受にも適用できる。その場合、保持器の内周面における円環部を、内輪の外周面に滑り接触させて滑り軸受として機能させる。また、保持器の軸方向移動を制限するつばを内輪に設けることができる。
第1の発明の実施形態にかかるころ軸受の一部を省略した図で、(A)はIA−O−IA´断面図、(B)はIB−IB断面図、(C)はIC−IC断面図である。 同ころ軸受の外輪および保持器を示す正面図である。 第1の発明の異なる実施形態にかかるころ軸受の一部を省略した断面図である。 第1の発明のさらに異なる実施形態にかかるころ軸受の一部を省略した断面図である。 第1の発明のさらに異なる実施形態にかかるころ軸受の一部を省略した図で、(A)はVA−O−VA´断面図、(B)はVB−VB断面図、(C)はVC−VC断面図、(D)はVD−VD断面図である。 同ころ軸受の外輪および保持器を示す正面図である。 第1の発明のさらに異なる実施形態にかかるころ軸受の一部を省略した断面図である。 第1の発明のさらに異なる実施形態にかかるころ軸受の一部を省略した断面図である。 第2の発明の実施形態にかかるころ軸受の一部を省略した図で、(A)はIX−O−IXA´断面図、(B)はIXB−IXB断面図、(C)はIXC−IXC断面図である。 同ころ軸受の外輪、保持器、および調心座を示す正面図である。 第1の発明および第2の発明を組み合わせた実施形態にかかるころ軸受の一部を省略した断面図である。 自動車用エンジンのクランク軸およびコンロッドを示す説明図である。
符号の説明
1…外輪
,1…外輪分割体
1a…外輪内周面
2…ころ
3…保持器
,3…保持器分割体
3a…ポケット
4…軸
4a…内輪側周面
5…円環部
6…柱部
7A〜7F…つば
8…調心座
,8…調心座分割体
11…第1油路
12…第2油路
13…第3油路

Claims (7)

  1. 一対の円環部およびこれら円環部間を繋ぐ円周方向複数箇所の柱部を有し隣合う柱部間がそれぞれポケットとなるリング状の保持器と、この保持器の前記各ポケットに保持された複数のころとを備え、これら複数のころが、内輪または軸の外周面からなる内輪側周面、および外輪の内周面に転接するころ軸受において、
    前記保持器の内周面および外周面における前記円環部を、前記内輪側周面および外輪内周面に滑り接触して滑り軸受として機能するものとし、
    前記外輪、または前記保持器の円環部、または前記内輪、または前記軸に、前記保持器の軸方向の移動を制限するつばを設けたことを特徴とするころ軸受。
  2. 請求項1において、前記つばを前記外輪の内周に嵌合させたころ軸受。
  3. 請求項1または請求項2において、前記外輪はハウジングの内周に嵌合し、外部から供給される潤滑油を前記ころの軸方向両端近傍の空間部に導く油路を前記ハウジングおよび外輪に設けたころ軸受。
  4. 一対の円環部およびこれら円環部間を繋ぐ円周方向複数箇所の柱部を有し隣合う柱部間がそれぞれポケットとなるリング状の保持器と、この保持器の前記各ポケットに保持された複数のころとを備え、これら複数のころが、内輪または軸の外周面からなる内輪側周面、および外輪の内周面に転接するころ軸受において、
    前記保持器の内周面および外周面における前記円環部を、前記内輪側周面および外輪内周面に滑り接触して滑り軸受として機能するものとし、
    前記外輪の外周面を球面に形成し、その外周面に摺接する凹球面状の内周面を有する調心座を設けたことを特徴とするころ軸受。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか1項において、前記外輪の外周面を球面に形成し、その外周面に摺接する凹球面状の内周面を有する調心座を設けたころ軸受。
  6. 請求項1〜請求項3のいずれか1項において、前記保持器および外輪のいずれかまたは両方を、円周方向に並ぶ2個の分割体に分割したころ軸受。
  7. 請求項4または請求項5において、前記保持器、外輪、および調心座のいずれかまたは全てを、円周方向に並ぶ2個の分割体に分割したころ軸受。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014119076A (ja) * 2012-12-18 2014-06-30 Ntn Corp 転がり軸受
KR200483820Y1 (ko) * 2015-12-21 2017-06-28 대우조선해양 주식회사 롤러 페어리드
DE102019219272A1 (de) * 2019-12-10 2021-06-10 Continental Automotive Gmbh Fahrzeug mit einem Innenraum und Verfahren zur Steuerung einer Anzeigeeinheit in einem Fahrzeug

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