JP2008115938A - 歯付きベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】歯付きベルトの耐久性を向上させる。
【解決手段】歯付きベルト10は、上面側に設けられた歯ゴム層12と背面側に設けられた背ゴム層13とを有する。背ゴム層13と歯ゴム層12の間には、心線18が埋設される。歯ゴム層12、背ゴム層13の原料ゴムは、水素化カルボキシル化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩、及びシリカが配合されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車用エンジンの内燃機関等に使用される歯付きベルトに関する。
近年、自動車エンジン等の内燃機関は小型化されつつあり、内燃機関において動力を伝達するために使用される歯付きベルトも細幅化されつつある。細幅化された歯付きベルトは、高い負荷が作用されるので、早期に歯欠けを起こすという問題がある。
従来、歯付きベルトの早期歯欠けを解消するために、歯ゴム層と、歯ゴム層の他方の面に設けられる背ゴム層と、歯ゴム層と背ゴム層との間に設けられ、心線が埋設された接着ゴム層とを備えた歯付きベルトにおいて、接着ゴム層に短繊維を配合することが試みられている(例えば特許文献1)。このような歯付きベルトは、歯元部分の強度が短繊維によって向上させられるので、歯付きベルトの歯欠けが防止される。
また、水素化ニトリルゴムに、トリメチロールプロパンメタクリレート、不飽和カルボン酸金属塩、及びシリカが配合された原料ゴムが加硫成型されて形成された歯付きベルトが知られている(例えば特許文献2)。このような歯付きベルトは、ベルト全体の硬度が高められると共に、ゴム層と心線との接着性も高められ、これにより歯欠けが防止されている。
さらに、特許文献3、4に示すように、近年、ゴム材料の機械的強度、耐摩耗性特性を向上させるために、カルボキシル化ニトリルゴムや水素化カルボキシル化ニトリルゴムをゴム成分とする加硫用ゴム組成物が開発されている。
特開2005−180486号公報 特開2005−194368号公報 特開平10−279734号公報 特表2003−532772号公報
ところで、歯付きベルトは、内燃機関等において高温雰囲気下に晒されて使用されることがあるが、このような環境下では、歯の変形量が大きくなり、内部発熱量も大きくなるので、熱劣化しやすくなる。しかし、特許文献1に記載されるように、接着ゴム層に短繊維を配合しただけでは、高温雰囲気下における歯の変形量を充分に小さくすることができず、歯付きベルトの寿命を充分に延ばすことができない。
また、特許文献2に記載されるように、不飽和カルボン酸金属塩、及びシリカが配合された水素化ニトリルゴムは、例えば高負荷・高温雰囲気下で使用した場合、耐久性が充分とはいえない。また、特許文献3、4に記載された加硫用ゴム組成物は、必ずしもベルトゴム材料に使用するのに適したものとは言えない。
そこで、本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、原料ゴムの配合を改良し、高負荷・高温雰囲気下で使用されても、高い耐久性能を有する歯付きベルトを提供することを目的とする。
本発明に係る歯付きベルトは、水素化カルボキシル化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、及びα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩を含む原料ゴムを加硫成型して得られる加硫ゴムがベルト本体の少なくとも一部を構成することを特徴とする。
また、本発明に係る歯付きベルトは、例えばベルトの一方の面に長手方向に沿って歯部および歯底部が交互に形成される歯ゴム層と、ベルトの他方の面に設けられる背ゴム層と、歯ゴム層と背ゴム層との間に埋設され、長手方向に延びる心線とを備える。そして、背ゴム層と、歯ゴム層の少なくともいずれかは原料ゴムを加硫成型して得られる。
本発明に係る歯付きベルトは、例えば、ベルトの一方の面に長手方向に沿って歯部および歯底部が交互に形成される歯ゴム層と、ベルトの他方の面に設けられる背ゴム層と、歯ゴム層と背ゴム層との間に設けられた接着ゴム層と、接着ゴム層の内部に埋設され、長手方向に延びる心線とを備える。この場合、接着ゴム層と歯ゴム層の少なくともいずれかは原料ゴムを加硫成型して得られることが好ましい。
原料ゴムは、さらにシリカを含んでいたほうが良く、また短繊維を含んでいても良い。
本発明においては、原料ゴムに、水素化カルボキシル化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、及びα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩を配合することにより、高負荷・高温雰囲気下で使用しても、高い耐久性能を有する歯付きベルトを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態である歯付ベルト10の一部を破断した斜視図を示す。歯付きベルト10は、後述する原料ゴムを加硫成型して形成された加硫ゴム体から成るベルト本体11を有し、ベルト本体11は、歯付ベルト10の上面側に設けられる歯ゴム層12と、背面側に設けられた背ゴム層13とから構成される。歯ゴム層12は、歯部14と歯底部15がベルト長手方向に交互に繰り返し設けられて構成される。歯ゴム層12と背ゴム層13の間には心線18が埋設されており、心線18はベルト長手方向に螺旋状に延びる。歯ゴム層12の歯部14および歯底部15の外表面12Aは帆布20によって覆われる。
原料ゴムとしては、未加硫の水素添加ニトリルゴム(以下、HNBRという)及び水素添加カルボキシル化ニトリルゴム(以下、HXNBRという)、並びにα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩の混合物であるマトリックスゴムに、シリカ、加硫剤、カーボンブラック、老化防止剤、可塑剤等を配合したものが使用される。
シリカはマトリックスゴム100重量部に対して、例えば15〜40重量部、好ましくは25〜35重量部配合される。原料ゴムにシリカが配合されることにより、ベルト本体11の心線18に対する接着強度が高められると共に、ベルト本体11の硬度が向上させられ歯付きベルト10の耐久性を向上させることができる。
未加硫ゴムである原料ゴムのフローテストにおける流量は、一体成型するための充分な流れ性を確保するために1.0×10−3ml/s以上とすることが好ましい。なお、フローテストは、100℃、荷重40kgf/cm、ダイス径×深さ:1mm×1mmの測定条件下で行われたものである。このような流れ性を確保するためには、HXNBRとしてムーニー粘度が相対的に低い低ムーニータイプのものが使用されることが好ましく、例えばムーニー粘度(ML1+4、100℃)が60以下のものが用いられる。
マトリックスゴムにおいて、HXNBRの配合量はHNBRの配合量より少ないことが好ましく、HNBRとXHNBRとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩との合計重量に対する、HXNBRの重量比率は、例えば0.1〜0.6である。また、HNBRとXHNBRと上記金属塩との合計重量に対する、上記金属塩の重量比率は、例えば0.2〜0.4であることが好ましい。
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸金属塩は、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸と金属とがイオン結合したものであり、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸としては例えばアクリル酸、メタクリル酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等のジカルボン酸が使用され、好ましくはメタクリル酸が使用される。金属としては例えば亜鉛、マグネシウム、カルシウム、バリウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、錫、鉛等が使用され、好ましくは亜鉛が使用される。そして、例えば上記金属塩としてはジメタクリル酸亜鉛が使用される。
図2および図3は、それぞれ歯付きベルト10の製造過程を順に示すもので、図3において対応する部分には、図1と同符号が記されている。図2に示すように、歯付きベルト10の製造方法においては、まず円筒形状を呈し、外表面が歯形に形成され凹部26および凸部27を有する歯付きモールド(金型)28が用意され、歯付きモールド(金型)28には、帆布20’が巻き付けられる。帆布の上には、心線18’が螺旋状に巻き付けられ、心線18’の上には、さらに未加硫ゴムシート11’が巻き付けられる。ゴムシートは、未加硫ゴムである原料ゴムがシート状に形成されたものである。
これらのゴムシート等が取り付けられた歯付きモールド28は、加硫釜(図示せず)内に収容される。加硫釜内において、歯付きモールド28は、例えば蒸気により温度が上昇させられるとともに、加硫釜内に設けられた加硫バッグ等によって外側から内側に向けて圧力が付勢される。加熱によりゴムシート11’は流動性が増し、かつ加圧により内側に押圧され、心線18’と心線18’の間から凹部26に流入させられると共に、加硫成型され歯ゴム層と背ゴム層を有するベルトスラブ10’が得られる。このベルトスラブ10’は、歯付きモールド28から取り外され研磨後裁断されることにより、歯付きベルト10(図1参照)となる。
本実施形態においては、原料ゴムにHXNBR、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸金属塩が配合されることで、加硫剤以外の架橋を形成することができるため、ベルトの負荷性能、特に高温下における負荷性能を高めることが可能になる。また、原料ゴムにシリカが配合されることにより、心線とベルト本体との接着性が増し、さらに高負荷性能が高められる。また、HXNBRに低ムーニー粘度のものを用いることにより、ゴム原料の流動性を増すことができるので、本実施形態のように、一体成型により製造することも可能である。
なお、本実施形態にベルト本体11を構成した原料ゴムは、ベルト全体を構成していなくても良く、例えば歯ゴム層の全体又は一部を構成していても良い。また、歯ゴム層全体と、背ゴム層の一部を構成していても良い。このような場合、製造方法においては、例えばゴムシートの上に、上記原料ゴムとは異なる配合の背ゴムシートがさらに巻き付けられる。なお、背ゴムシートの原料ゴムとしては、水素添加ニトリルゴムに加硫剤、及びその他の各種添加剤が含有されているが、シリカ、短繊維は配合されていない。
また、ベルト本体11の全体、又はベルト本体11の一部には、多数の短繊維が均等に混入されていても良い。短繊維としては、例えばアラミド短繊維、ナイロン短繊維、ポリエステル短繊維等が使用される。
図4は本発明の第2の実施形態の歯付きベルト30を示す。第2の実施形態では、ベルト本体31は、歯ゴム層32、接着ゴム層33、背ゴム層34により一体的に形成される。歯ゴム層32は、ベルトの一方の面に設けられ、長手方向に沿って歯部35および歯底部36が交互に一体的に形成される。歯ゴム層32の歯部35および歯底部36の外表面32Aは帆布40によって覆われる。
背ゴム層34は、ベルトの他方の面に設けられると共に、接着ゴム層33は、歯ゴム層32と背ゴム層34の間に設けられる。接着ゴム層33の内部には、螺旋状に巻き付けられ、ベルトの長手方向に沿って延びる心線41が埋設される。接着ゴム層33の上面33Aは、歯部32の中央部において上側に膨らみ歯部32内に侵入するとともに、その他の部分においては背ゴム層34の背面34Bと略平行に設けられる。
歯ゴム層32及び接着ゴム層33は、上述した第1の実施形態と同様の原料ゴムが加硫されて得られるものである。すなわち、本実施形態における原料ゴムは、未加硫のHNBR及びHXNBR、並びにα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩の混合物であるマトリックスゴムに、シリカ、加硫剤、及びその他の各種添加剤が配合されたものが使用される。但し、歯ゴム層32及び接着ゴム層33の原料ゴムは、本実施形態では、流れ性が良くなくても良い。したがって、原料ゴムのフローテストにおける流量を、第1の実施形態のように大きくする必要はなく、原料ゴムに配合されるHXNBRとしてムーニー粘度が相対的に低い低ムーニータイプのものが使用される必要もない。更に歯ゴム層に用いる原料ゴムは、HXNBRやシリカが入っていなくても良い。
背ゴム層34の原料ゴムは、HNBRに加硫剤、及びその他の各種添加剤が配合されて構成されるが、シリカ、短繊維等は配合されていない。
図5および図6は、それぞれ歯付きベルト30の製造過程を順に示すもので、それぞれ対応する部分には、図4と同符号が記されている。図5は、歯付きモールド(金型)28に予成型帆布56、心線41’、接着ゴムシート33’、背ゴムシート34’を巻き付ける工程を示す。なお、歯ゴムシート32’、接着ゴムシート33’、及び背ゴムシート34’は、それぞれ歯ゴム層32、接着ゴム層33、背ゴム層34の原料ゴムがシート状に形成されたものである。
歯付きベルト30の製造においては、まず予成型帆布56が用意される。予成型帆布56は、帆布40’が歯形に沿うように予め成型され、その後、歯ゴムシート32’が帆布40’に押圧され接着されることにより形成される。
歯付きモールド28は円筒形状を有し、その外表面は歯形に形成され凹部26および凸部27を有する。歯付きモールド28の外表面には、予成型帆布56が、その凸部57がモールドの凹部26に合うように巻き付けられる。
予成型帆布56が巻き付けられた後、予成型帆布56の歯ゴムシート32’の上面に心線41’が螺旋状に巻き付けられ、その心線41’の上には接着ゴムシート33’、背ゴムシート34’がこの順に巻き付けられる。
これらのゴムシート等が取り付けられた歯付きモールド28は、加硫釜(図示せず)内に収容される。加硫釜内において、歯付きモールド28は、例えば蒸気により温度が上昇させられるとともに、加硫釜内に設けられた加硫バッグ等によって外側から内側に向けて圧力が付勢される。
この加熱によりゴムシート32’、33’、34’は流動性を増し、また、ゴムシート33’、34’は加圧により内側に押圧される。これにより、図4に示すように接着ゴムシート33’は、心線41’と心線41’の間から内側に流入させられる。加圧加熱によって、ゴムシート32’、33’、34’は、加硫させられ、ゴムシート32’、33’、34’は互いに接着させられ一体化されると共に、接着ゴムシート33’内に心線41’が完全に埋設される。これにより、加硫ゴムから形成されるベルトスラブ30’が得られ、このベルトスラブ10’は、歯付きモールド28から取り外され研磨後裁断されることにより、歯付きベルト10(図1参照)となる。なお、歯ゴムシート32’、接着ゴムシート33’、背ゴムシート34’は、歯付きベルト30において、それぞれ歯ゴム層32、接着ゴム層33、背ゴム層34となる。
以上のように本実施形態では、ゴムシートが接着された帆布を予め歯形に予成型しておくことにより、ゴムシートの流動性が良くなくても歯付きベルトを成型性良く製造することができるので、原料ゴムの配合の選択の幅を広げることができる。
図7は、本発明の第3の実施形態の歯付きベルトを示す。以下、第3の実施形態について、第2の実施形態との相違点を説明する。なお、第3の実施形態において、第2の実施形態と同部材には同符号を付す。
本実施形態の歯付きベルト30は、歯ゴム層32及び接着ゴム層33それぞれに、多数の短繊維50、51が混入されている点を除いて、第2の実施形態の歯付きベルトと同様である。短繊維50は、歯ゴム層32内に規則的に分布させられ、歯ゴム層32の表面32Aに沿って配向される。また、接着ゴム層に混入される短繊維51はベルトの厚さ方向に配向される。なお、歯ゴム層、接着ゴム層に混入される短繊維50、51は他の方向に配向されていても良い。
歯ゴム層32及び接着ゴム層33に混入される短繊維50、51は例えば変性ナイロンミクロファイバー、アラミド短繊維、ナイロン短繊維、又はポリエステル短繊維等である。歯ゴム層32に混入される短繊維50は、接着ゴム層33に混入される短繊維51と同一の材質のものであっても良いし、異なるものであっても良い。短繊維50、51は、アラミド短繊維である場合、マトリックスゴム100重量部に対して、例えば1〜10重量部、さらに好ましくは1〜5重量部配合される。なお、短繊維50、51は、ナイロンミクロファイバーである場合、歯ゴム層32、接着ゴム層33において規則的に配向されず、ランダムに分布させられていても良い。
以下、比較例と共に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1の歯付きベルトは、第2の実施形態に係る歯付きベルトの実施例であって、背ゴムシート、接着ゴムシート、歯ゴムシートの厚さは、それぞれ1mm,1mm,1.7mmであった。実施例1の歯付きベルトは、実施形態にあるように、歯付きモールドに歯ゴムシートが接合された予成型帆布、心線、接着ゴムシート、背ゴムシートを順に巻き付けてこれらを加硫成型して得た。また、心線及び帆布には、それぞれ材質ガラス、アラミドのものを使用した。また、表1、2に示すように、実施例1では、歯ゴム層、接着ゴム層、背ゴム層の原料ゴムとしては、それぞれ原料ゴムA、原料ゴムA、原料ゴムEを用いた。
歯ゴム層、接着ゴム層に使用した原料ゴムAは、HXNBR、HNBR、及びジメタクリル酸亜鉛が配合されたゴムマトリックスに、シリカ等各種添加剤を配合して得られた原料ゴムであった。背ゴム層に使用した原料ゴムEは、ジメタクリル酸亜鉛が配合されたHNBRのゴムマトリックスに、表1に示す各種添加剤を配合して得られた原料ゴムであって、シリカ、短繊維、HXNBRが配合されていなかった。歯付きベルトは、そのベルト幅が19.1mm、周長さが876.3mm、歯数が92であった。
[実施例2]
実施例2の歯付きベルトは、第3の実施形態に係る歯付きベルトであって、歯ゴム層、接着ゴム層の原料ゴムとして原料ゴムBを用い、それ以外は、実施例1と同様の構成とした。すなわち、実施例2では歯ゴム層、接着ゴム層にアラミド短繊維を配合した以外は実施例1と同様に実施した。
[実施例3]
実施例3の歯付きベルトは、第3の実施形態に係る歯付きベルトであって、歯ゴム層、接着ゴム層の原料ゴムとして原料ゴムCを用い、それ以外は、実施例2と同様の構成とした。すなわち、実施例1、2では、接着ゴム層、歯ゴム層のHXNBRとしてムーニー粘度48の低ムーニータイプを用いたが、実施例3では、HXNBRとして、ムーニー粘度81である標準タイプを用いた。
[実施例4]
実施例4の歯付きベルトでは、接着ゴム層、歯ゴム層の原料ゴムとして原料ゴムDを用い、それ以外は、実施例3と同様の構成を有するベルトとした。すなわち、接着ゴム層、歯ゴム層は、アラミド短繊維の種類が異なる点を除いて実施例3と同一の配合であった。
[比較例1]
比較例1の歯付きベルトは、歯ゴム層、接着ゴム層の原料ゴムとしてHXNBRが配合されていない原料ゴムFを用い、背ゴム層には実施例1と同様に原料ゴムEを用いた。
Figure 2008115938
なお、表1においける※1〜6は以下の通りである。
※1 HNBRポリマーは水素添加率99%のHNBRであった。
※2 HXNBRポリマー(1)は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が48の低ムーニータイプであって、水素添加率96%のものを用いた。
※3 HXNBRポリマー(2)は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が81の標準タイプであって、水素添加率93%のものを用いた。
※4 ZDMAポリマー(1)は、HNBRとジメタクリル酸亜鉛の重量比が83:17であり、HNBRの水素添加率は96%であった。
※5 ZDMAポリマー(2)は、HNBRとジメタクリル酸亜鉛の重量比が55:45であり、HNBRの水素添加率は99%であった。
※6 原料ゴムB、Cにはパラ系のアラミド繊維を用い、原料ゴムDにはメタ系のアラミド繊維を用いた。また、原料ゴムFにもメタ系のアラミド繊維を用いた。
Figure 2008115938
[原料ゴムの物性評価]
各原料ゴムA〜D、Fについては、加硫温度160℃、圧力150気圧で、20分間プレス加硫してゴムサンプルを形成し、各ゴムサンプルについて、ゴム硬さ及びモジュラスを測定し、原料ゴムの物性評価を行った。なお、ゴム硬さ及びモジュラスの測定は、25℃、120℃の両条件で行った。なお、原料ゴムA〜D、Fから形成されたゴムサンプルでは、アラミド短繊維を所定の方向に配向させた。
モジュラス測定は、各ゴムサンプルを伸び率20%(元のサンプルの長さを100%としたとき)で引っ張ったときの引張力(MPa)を測定することにより行なった。なお、本測定はJIS K6251に基づき行なった。なお、原料ゴムA〜D、Fでは、引っ張り方向が短繊維の配向されている方向と同じであった。また、ゴム硬さは、25℃においてJIS K6253 TypeAによって測定されたデュロメータ硬さ(Hs25)、及び120℃においてJIS K6253 TypeAによって測定されたデュロメータ硬さ(Hs120)である。
また、未加硫の原料ゴムA〜D、Fはフローテストを行い、流量を測定した。流量測定は、径が1mm、深さが1mmのダイスの中に未加硫ゴムを充填し、100℃、5分間で加熱した後、荷重40kgf/cmで、未加硫ゴムを開口から押し出したときの流量を測定することにより行った。
表1から明らかなように原料ゴムA〜Dと、原料ゴムFのゴム硬さは、略同一であることが理解できる。一方、アラミド短繊維を配合した原料ゴムB〜Dのモジュラスは、同様にアラミド短繊維を配合した原料ゴムFより高いことが理解できる。すなわち、原料ゴムA〜Dは、HXNBRを原料ゴムに配合することにより、高硬度で高い強度を有することが理解できる。また、低ムーニーポリマーのHXNBRを用い、かつ短繊維が配合されない原料ゴムAは、フローテストにおける流量が高くなり、充分な流れ性を確保することができた。
[サーボパルサー試験]
実施例1〜4、比較例1について、サーボパルサー試験を行い、歯付きベルトの耐久性評価を実施した。サーボパルサー試験は、図8に示すサーボパルサー試験機74を用いて行なった。サーボパルサー試験機74は、歯付きベルトの歯形に対応する凹凸形状を有する金属製チップ75と、クランプ77を備える。評価試験には歯付きベルトの10歯を部分的に採取した試験片76を用いる。なお、試験片76は上下方向に延び、上端を固定させるとともに、試験片76の下端の1歯76aを金属製チップ75に噛み合わせる。金属製チップ75と試験片76の下端は、クランプ77によって左右から動かないように挟み込まれる。なお、試験は200℃の雰囲気下で行われた。
金属製チップ75と試験片76を挟み込んだクランプ77には、下方向に周期的に0から0.4kNまで正弦波の荷重が負荷され、正弦波の周波数は、1Hzであった。本試験においては、1歯76aの破断までの正弦波の周期回数(サイクル数)が測定された。1歯76aの破断までの荷重のサイクル数を図9の横軸に示す。
図9から明らかなように、比較例1に比べ、実施例1〜4は破断までのサイクル数が多く、耐久性に優れていることが理解できる。これは、実施例1〜4は、ベルト本体に、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸、シリカ及びHNBRに加えHXNBRを加えたため、高負荷・高温条件下における耐久性能が上昇したものと理解できる。
本発明に係る第1の実施形態の歯付きベルトの部分斜視図である。 第1の実施形態におけるベルトの製造方法を示す部分断面図である。 第1の実施形態におけるベルトの製造方法を示す部分断面図である。 本発明に係る第2の実施形態の歯付きベルトの部分斜視図である。 第2の実施形態におけるベルトの製造方法を示す部分断面図である。 第2の実施形態におけるベルトの製造方法を示す部分断面図である。 本発明に係る第3の実施形態の歯付きベルトの部分斜視図である。 サーボパルサー試験機を示す模式図である。 サーボパルサー試験結果を示すグラフである。
符号の説明
10、30 歯付きベルト
11、31 ベルト本体
12、32 歯ゴム層
13、34 背ゴム層
18、41 心線
20、40 帆布
33 接着ゴム層

Claims (5)

  1. 水素化カルボキシル化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、及びα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩を含む原料ゴムを加硫成型して得られる加硫ゴムがベルト本体の少なくとも一部を構成する歯付きベルト。
  2. ベルトの一方の面に長手方向に沿って歯部および歯底部が交互に形成される歯ゴム層と、ベルトの他方の面に設けられる背ゴム層と、前記歯ゴム層と背ゴム層との間に埋設され、長手方向に延びる心線とを備え、前記背ゴム層と、歯ゴム層の少なくともいずれかは前記原料ゴムが加硫成型して得られることを特徴とする請求項1に記載の歯付きベルト。
  3. ベルトの一方の面に長手方向に沿って歯部および歯底部が交互に形成される歯ゴム層と、ベルトの他方の面に設けられる背ゴム層と、前記歯ゴム層と背ゴム層との間に設けられた接着ゴム層と、前記接着ゴム層の内部に埋設され、長手方向に延びる心線とを備え、前記接着ゴム層と前記歯ゴム層の少なくともいずれかは前記原料ゴムが加硫成型して得られることを特徴とする請求項1に記載の歯付きベルト。
  4. 前記原料ゴムは、さらにシリカを含むことを特徴とする請求項1に記載の歯付きベルト。
  5. 前記原料ゴムには、短繊維が混入されることを特徴とする請求項1に記載の歯付きベルト。
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