JP2003214566A - ゴムホース及びその製造方法 - Google Patents

ゴムホース及びその製造方法

Info

Publication number
JP2003214566A
JP2003214566A JP2002046175A JP2002046175A JP2003214566A JP 2003214566 A JP2003214566 A JP 2003214566A JP 2002046175 A JP2002046175 A JP 2002046175A JP 2002046175 A JP2002046175 A JP 2002046175A JP 2003214566 A JP2003214566 A JP 2003214566A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
rubber
rubber layer
silicone rubber
fluororubber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002046175A
Other languages
English (en)
Inventor
Hifumi Yasumatsu
一二三 安松
Hideo Fujii
日出夫 藤井
Kazuhiko Akiyama
和彦 秋山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Marugo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Marugo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Marugo Rubber Industries Ltd filed Critical Marugo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2002046175A priority Critical patent/JP2003214566A/ja
Priority to TW92112848A priority patent/TWI259882B/zh
Publication of JP2003214566A publication Critical patent/JP2003214566A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 フッ素ゴム層とシリコンゴム層との間に中間シリコンゴ
ム層を配することでフッ素ゴム層の低耐久性と低接着性
を向上させる。 【解決手段】 内層ゴム層の外周に外層ゴム層を押出方
式で積層したゴムホースにおいて、内層ゴム層をフッ素
ゴム層、外層ゴム層を中に補強糸を編み込んだ補強糸編
込みシリコンゴム層とするとともに、フッ素ゴム層と補
強糸編込みシリコンゴム層との間にフッ素ゴム層と接着
させる接着剤成分を含む中間ゴム層を配するとともに、
この中間ゴム層を補強糸編込みシリコンゴム層よりも低
硬度の中間シリコンゴム層としたことを特徴とするゴム
ホース。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温ガスを流通さ
せる耐油性のゴムホース及びその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】自動車のターボチャージャーからインタ
ークーラーにかけてはゴムホースが接続され、このゴム
ホースの中をターボチャージャーのファンで加圧された
吸気ガスが流通する。このファンは、エンジンの排気ガ
スで駆動されるため、吸気ガスは非常に高温になってい
る。従って、このゴムホースは、この高温に耐える耐熱
性を備えていなければならない。このような高温に耐え
るゴムホースの材質としては、従来は、シリコンゴムが
使用されていた。しかし、最近のターボチャージャーは
加圧力が更に高まって耐熱性は200°C以上のものが
要求されるようになってきた。
【0003】加えて、今般の新短期ディーゼル車の排出
ガス規制の導入に伴い、ブローバイガス還元装置も義務
付けられることとなった。これに伴って、上記したゴム
ホースも、ブローバイガスの透過を防止するために耐油
性、耐ガス透過性を備えたものが要求されるようになっ
た。このような厳しい耐熱性、耐油性等が求められるゴ
ムホースでは、従来のシリコンゴムのみでは不十分で、
新しい材料のものが求められていた。そこで、耐熱性、
耐油性等に優れたフッ素ゴムが注目され、このエアーホ
ースの最内層にフッ素ゴムを使用した積層ホースの製作
が試みられている(例えば、特開2000−19315
2公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、フッ素ゴム
には、上記優れた性質がある反面、硬くて柔軟性に欠
け、熱時強度が低いという特性があるから、実使用下で
は応力集中が起こって破壊し易いという欠点がある。
又、シリコンゴムからなる外層には、内部に補強糸が編
み掛けられた補強層が存在していて柔軟性に劣るから、
このようなもの同士を積層すると、外力がかかったとき
にフッ素ゴム層に応力集中が起こり、破壊したりして耐
久性を低下させる。この点は、フッ素ゴム層の厚みを増
してもあまり解消されないし、加えて、フッ素ゴムは、
高価格であることから、フッ素ゴム層を妄りに厚肉にす
るのは得策ではない。
【0005】更に、フッ素ゴムとシリコンゴムとは異質
材料同士であるから、積層に際して接着剤を使用する
が、両材とも離型剤として使用されていることからも明
らかなように、物質的に安定しており、この両者を接着
するのはなかなか容易ではない。この場合において、硬
いもの同士であれば、界面における密着性が劣って接着
力が余計に低下する。従って、上記先行例で述べられて
いるような通常の加硫接着をしたのでは、安定した接着
力が得られず、使用中に剥離したりする。本発明は、こ
のような課題を解決するものであり、フッ素ゴム層と外
層のシリコンゴム層との間に特定の中間シリコンゴム層
を配することで、フッ素ゴム層の低耐久性と低接着性を
向上させたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の課題の下、本発明
は、請求項1に記載した、内層ゴム層の外周に外層ゴム
層を押出方式で積層したゴムホースにおいて、内層ゴム
層をフッ素ゴム層、外層ゴム層を中に補強糸を編み込ん
だ補強糸編込みシリコンゴム層とするとともに、フッ素
ゴム層と補強糸編込みシリコンゴム層との間にフッ素ゴ
ム層と接着させる接着剤成分を含む中間ゴム層を配する
とともに、この中間ゴム層を補強糸編込みシリコンゴム
層よりも低硬度の中間シリコンゴム層としたことを特徴
とするゴムホースを提供したものである。
【0007】フッ素ゴムは硬くて柔軟性に欠け、実使用
下では応力集中を起こして破壊し易いのは上述したとお
りである。このため、フッ素ゴム層と補強糸編込みシリ
コンゴム層との間に補強糸編込みシリコンゴム層を構成
するシリコンゴムよりも低硬度のシリコンゴムからなる
中間シリコンゴム層を配すると、この中間シリコンゴム
層が緩衝材として働き、フッ素ゴム層にかかる応力を分
散させ、且つ、薄肉化も可能にする。又、中間シリコン
ゴム層は、フッ素ゴム層との密着性を高めて接着成分に
よる接着作用を高めるし、接着成分は中間シリコンゴム
層のみに配合すればよいから、接着成分の量が少なくて
すみ、経済的でもある。更に、フッ素ゴムは耐寒性にお
いても劣ることから、相手パイプに外挿したとき等にシ
ール性が低下するが、これに中間シリコンゴム層を積層
することでシール性も向上する。
【0008】このようなゴムホースは、請求項12に記
載した、フッ素ゴム層と、その外周の補強糸編込みシリ
コンゴム層との間に補強糸編込みシリコンゴム層よりも
低硬度の中間シリコンゴム層を配した押出方式のゴムホ
ースの製造方法において、第1押出機からフッ素ゴム層
と中間シリコンゴム層及び補強糸編込みシリコンゴム下
層を積層状態で押し出して編機に供給し、この編機によ
って補強糸編込みシリコンゴム下層の外周に補強糸を編
み掛けて第2押出機に供給し、この第2押出機によって
編み掛けた補強糸の外周に補強糸編込みシリコンゴム上
層を被層して押し出せばよい。
【0009】
【発明の実施の形態】以上は、本発明に係るゴムホース
の基本的事項であるが、更に、以下の付加的な手段を講
ずると、その機能、特性が更に高まるので、以下、これ
について説明する。このようなゴムホースは、上記した
ように押出成形によって製造できるが、これをいま少し
補足すると、押出しそのものは一般的な押出方法でよ
い。即ち、内径精度の確保、未加硫ゴムホースの防変形
対応として中芯マンドレルを採用し、この中芯マンドレ
ルを第1押出機に供給し、第1押出機は、この外周にフ
ッ素ゴム層、中間シリコンゴム層、補強糸編込みシリコ
ンゴム下層を積層状態にして押し出す。
【0010】第1押出機で押し出された積層体は編機に
供給されるようになっており、編機は、アラミド繊維等
の耐熱性繊維を積層体の最外層である補強糸編込みシリ
コンゴム下層の外周に編み掛ける。尚、この編機による
補強糸の編み方にも、ブレード、スパイラル、ニットと
種々あるのは従来と同じである。補強糸が編み掛けられ
た積層体は第2押出機に供給されるようになっており、
第2押出機は、編み掛けられた補強糸の外周に補強糸編
込みシリコンゴム上層とその外層となるシリコンゴム層
を積層して押し出す。この場合において、補強糸の編込
みとシリコンゴム層の一方又は両方は、耐圧性等、求め
られる要求に応じて適宜多層に形成されることがあるの
は従来と同じである。このようにして連続して押し出さ
れた積層体からマンドレルを抜き取って所要長さに切断
し、加硫用のマンドレルを再挿入して所定の加硫処理等
を施すと製品となる。
【0011】ところで、フッ素ゴム層の外周にシランカ
ップリング剤を塗布する場合があるが、この場合は、第
1押出機によるフッ素ゴム層と中間シリコンゴム層及び
補強糸編込みシリコンゴム下層の押出しを、上手側と下
手側の二つの押出に分け、上手側第1押出機ではフッ素
ゴム層のを押し出し、次いで、シランカップリング剤塗
布機によってその上にシラッカップリング剤を塗布し、
更に、下手側第1押出機による中間シリコンゴム層及び
補強糸編込みシリコンゴム下層の押出しといった操作を
すればよい。
【0012】以上のようにして製造されるゴムホースに
おいて、耐熱性、耐油性を求められるフッ素ゴム層の肉
厚は、その耐久性と経済性を考慮すると、0.2〜1.
5mmが適する。これにおいて、0.2mmの肉厚の下
限は押出による限界であり、可能であれば、0.1mm
程度であってもよい。フッ素ゴムは、硬くて柔軟性に欠
ける性質があるが、更に、高温時の強度が弱いという欠
点もある。上記したように約200°Cという高温で、
しかも、振動が加えられる条件下では、伸びに対する引
っ張り強さが低下して破壊するおそれがある。これを解
決するには、その肉厚が重要であり、上記した範囲が適
する。
【0013】以下は、各種のフッ素ゴム層の肉厚を変え
ての振動耐久試験(クラック発生の有無)の結果である
が、いずれのものも、肉厚が1.5mmを越えると低下
が見られる。
【0014】 肉厚(mm) 0.2 0.5 1.0 1.2 1.5 2.0 2.5 フッ素ゴムA ○ ○ ○ ○ ○ × × 〃 B ○ ○ ○ ○ ○ △ × 〃 C ○ ○ ○ ○ ○ △ × フッ素ゴムA:旭硝子社製 〃 B:住友スリーエム社製 〃 C:ダイキン社製 尚、上記のフッ素ゴムとして、2元(ビニリデンフロラ
イドとヘキサフルオロプロピレンのコーポリマー)及び
3元(ビニリデンフロライドとヘキサフルオロプロピレ
ンとテトラフルオロエチレンのターポリマー)並びにテ
トラフルオロエチレンとプロピレンのコーポリマーのい
ずれかを使用した。
【0015】フッ素ゴム層と補強糸編込みシリコンゴム
層(以下、シリコンゴム層)との間に配されて両者の緩
衝材として機能する中間シリコンゴム層は、シリコンゴ
ム層の硬度よりも低いことが条件となる。具体的には、
JIS A硬度で10〜30低いのが適する。更に、こ
の中間シリコンゴム層の肉厚は、0.3〜2mmが適す
る。中間シリコンゴム層がフッ素ゴム層の応力を担うに
は、0.3mm以上は必要であるが、あまり厚すぎては
ならず、2mm以下にするのが適する。これを越える厚
肉化は、自身の強度を低下させるし、又、シリコンゴム
層の外周に嵌着される締付けバンド等の下に存在する部
分ではへたりが起きて好ましくない。更に、この中間シ
リコンゴム層には、接着剤成分が配合されるから、肉厚
が厚いとその配合量が増え、価格が高くなるという欠点
もある。
【0016】フッ素ゴム層にアラミド短繊維を配合する
のも有効である。フッ素ゴムは、熱時強度が低下するか
ら、これらの耐熱性短繊維を配合すれば、この強度低下
が防止できる。又、これら短繊維が投錨効果を発揮して
接着性も向上される。アラミド短繊維の配合量として
は、原料ポリマー100に対して5〜40重量部(以
下、これを5〜40PHRと表示する)が適当である。
この範囲を上下とも越えると、上記の機能が低下する。
アラミド短繊維としては、芳香族ポリアラミド、例え
ば、ポリパラフェニレンイソフタルアミド、ポリメタフ
ェニレンイソフタルアミド等が用いられる。
【0017】フッ素ゴム層にシリコンオイルを配合する
と、伸び特性が改良されて耐久性が改良されることも判
明した。このシリコンオイルとしては、ポリジメチルシ
リコン‥(1)、ポリメチルフェニルシリコン‥(2)
等が使用可能で、0.5〜10PHRが適する。0.5
未満であると、その効果が少なく、10PHRを越える
と、接着障害を起こすから、通常的には、1〜3PHR
が適する。以下は、配合量と伸び指数の関係を示すもの
である。 未配合フッ素ゴム (1)3PHR (2)3PHR 伸び指数 100 130 150
【0018】中間シリコンゴム層に酸化マグネシウムを
配合するのも接着性が向上して好ましい。一般的に、ア
ミン加硫系、ポリオール加硫系フッ素ゴムは、受酸剤と
して酸化マグネシウムを配合するが、この酸化マグネシ
ウムを被接着側の中間シリコンゴム層にも配合すると、
接着力の向上が見られる。酸化マグネシウムの配合量と
しては、2〜15PHRが適する。2PHR未満である
と、効果が少なく、15PHRを越えると、中間シリコ
ンゴム層を硬化させるので、耐久性が低下して好ましく
ない。以下は、酸化マグネシウム配合量と接着性との関
係を示すものである。 配合量(PHR ) 0 2 10 15 20 接着性 × △ ○ ○ 硬化破壊 ×:界面破壊 △:一部界面破壊 ○:材料破壊
【0019】フッ素ゴム層が過酸化加硫タイプの場合、
中間シリコンゴム層にトリアリルイソシアヌレールを配
合すると、接着強度が向上することも判明した。この配
合量としては、1〜15PHRが適当であり、1PHR
未満であると、効果がなく、15PHRを越えると、ス
コーチ、粘度アップを引き起こして好ましくない。以下
は、フッ素ゴムの種類による配合量と接着性との関係を
示すものである(フッ素ゴムの種類及び評価の記号は上
記と同じ。以下の場合も同じ)。 配合量(PHR ) 未配合 1 5 10 15 20 フッ素ゴムB × △ ○ ○ ○ 硬化 〃 C × ○ ○ ○ ○ 硬化
【0020】又、中間シリコンゴム層にシランカップリ
ング剤を配合すると、接着力を向上させることも判っ
た。このシランカップリング剤としては、有機官能基が
アミノ基、エポキシ基のものがより好ましい。配合量
は、0.5〜15PHRが適当であり、0.5PHR未
満であると、効果が少なく、15PHRを越えると、ス
コーチを起こして好ましくない。以下は、フッ素ゴムの
種類によるアミノシラン配合量と接着性との関係を示す
ものである。 配合量(PHR ) 未配合 0.2 0.5 5 10 15 フッ素ゴムB × × △ ○ ○ ○ 硬化 〃 C × × △ ○ ○ ○ 硬化
【0021】一般に、フッ素ゴム層は、相手パイプに外
挿される形で接続されるが、このとき、フッ素ゴム層が
相手パイプと嵌合される部分の内周にシリコンゴムから
なる嵌合用シリコンゴム層を配するのが適する。嵌合時
はシリコンゴム層の外周を締付けバンド等で締め付けて
接続の確実を期すから、この締付力によってフッ素ゴム
層にクラックが生ずることがある。又、寒冷時に硬化し
てシール性が劣ることもある。そこで、フッ素ゴム層の
更に内周の嵌合される部分にシリコンゴムからなる嵌合
用シリコンゴム層を配すると効果的である。嵌合用シリ
コンゴム層の肉厚としては、0.5〜1.5mm程度で
十分である。尚、この嵌合用シリコンゴム層の形成は、
上記した第1押出機によるフッ素ゴム層の押出時にその
内周にシリコンゴムを部分的に供給することで可能にな
る。
【0022】一方で、このゴムホースが200°Cとい
う高温の下で、しかも、これに振動が加わった条件で実
使用されると、フッ素ゴム層と相手パイプとが固着し、
取外しが困難になるという現象が見られる。これを防ぐ
には、嵌合部分のフッ素ゴム層の内周に離型剤を塗布し
ておくのが効果的である。離型剤を塗布すると、動摩擦
係数が低減し、固着が抑制されるからである。離型剤に
は種々のものがあるが、シリコン系のものが離型効果が
高くて好ましい。ところで、この種のゴムホースは、要
求される機能を十分に発揮させるために、200°C、
2時間程度の条件で後加硫が施されるのが通常であるか
ら、離型剤は、この操作の前に刷毛等で塗布し、後加硫
で焼き付ける方法をとる。尚、この処方は、上記した嵌
合用シリコンゴム層を配さないときのものであるが、配
したときに行っても効果はある。
【0023】以下は、焼付け型シリコン系離型剤HS−
1(東芝シリコーン社製)を用いて離型剤処理したもの
と、そうでないものとの取外し性(耐固着性)を比較し
たものであるが、離型剤を塗布したものは、動摩擦係数
が大幅に改善し、手で引っ張るのみで取外しができた。 耐固着性 動摩擦係数(指数) 未塗布 × 1 塗布 ○ 0.3 ×:固着著しく、取り外すには脱着治具が必要 ○:手で引っ張るのみで取外し可能 条件:相手パイプにアルミ製のものを選び、200°C
の下で、168時間試験をした。
【0024】更に、上気したクラック対策には、嵌合部
分のフッ素ゴム層の内周に周方向にリブを突設すること
が有効である。このゴムホースを締付けバンドで締め付
けると、フッ素ゴム層は長手方向に伸ばされるが、この
とき、リブが突設されていると、このリブが伸び代とな
ってクラックが防がれる。尚、このリブは、周方向に形
成されているので、シール性には影響を及ぼさないし、
このとき形成されるリブの数は複数であるのが効果が高
い。加えて、この構造は、相手パイプとの接触面積を減
少させることになるから、固着防止にも効果がある。
【0025】以下は、このゴムホースの嵌合部分の内周
に高さ0.5mm、幅3mmの複数のリブを突設して作
成したリブ付きゴムホースと、そうでないゴムホースを
用いて締付けバンドで締め付けたときのクラック発生の
有無を調べたものものである。又、上記した離型剤の塗
布による影響も同時に調べたものであるが、リブを設け
ることでクラックの発生が抑制できるし、このとき、離
型剤を塗布すると、固着性が一層改善することが判明し
た。尚、ここでの締付けバンドの締付けトルクは10N
ーmに設定しており、通常の締付けトルクである5Nー
m程度では上記した各処方を施すことでクラックの発生
は抑えられるのであるが、これよりも更に厳しくて苛酷
ともいえる10Nーmの締付け条件を課したときにも、
クラックの発生が見られなかったことや固着が起こらな
かったのは非常に大きな効果といえる。 リブ 離型剤塗布 クラック発生 耐固着性 ゴムホース1 なし なし 微小発生 × 〃 2 あり なし なし ○ 〃 3 あり あり なし ◎ ここで、耐固着性の評価における×、○は上記と同じで
あり、◎は手で引き抜くのみで簡単に外せる状態を意味
する。
【0026】フッ素ゴム層と中間シリコンゴム層との接
着を確実にするためには、上記の他に又はこれと併用し
てシランカップリング剤を主成分とする有機シリコン接
着剤をフッ素ゴム層の外周に塗布する方法がある。この
塗布は、第1押出機によるフッ素ゴム層と中間シリコン
ゴム層及びシリコンゴム下層の押出しを、上手側第1押
出機によるフッ素ゴム層の押出し、シランカップリング
剤塗布機によるシラッカップリング剤の塗布、下手側第
1押出機による中間シリコンゴム層及びシリコンゴム下
層の押出しに分けることで、押出成形の中で自動的にで
きる。これによれば、フッ素ゴム層と中間シリコンゴム
層の接着性を向上させる。この有機シリコン接着剤とし
ては、ケムロックSー2、S−10A、メガム3290
−1等が使用される。これら接着剤は、アルコール溶液
となっているから、塗布機は、スプレー式のものでよ
い。
【0027】〔実施例1〕フッ素ゴム層として上記した
フッ素ゴムBを使用し、シリコンゴム層との間に中間シ
リコンゴム層を配したゴムホース1)と、これを省略して
シリコンゴム層だけにしたゴムホース2)とを製造した。
この製造は、第1押出機、編機、第2押出機による方法
でフッ素ゴム層、中間シリコンゴム層、シリコンゴム層
の積層体を作製した(2)のものは中間シリコンゴム層を
省略した)。この場合、フッ素ゴム層は、肉厚0.3m
mに設定し、中間シリコンゴム層は、JIS A硬度5
0で酸化マグネシウムを5HPR、トリアリルイソシア
ヌールを10HPR含むもので肉厚1.0mmに設定し
た。この積層ホースを所定の長さで切断した後、中芯マ
ンドレルを抜き取って外径50mmの曲がりがあって蛇
腹が付いた加硫用のマンドレルを挿入し、全周を熱収縮
性のテープで縛って蒸気缶に入れ、165°Cの温度で
加硫して形状付けをした。加硫完了後、テープを解き、
適切な物性を出すために再度熱恒温槽に入れて200°
Cで2次加硫を行った。このようにして製造した1)と2)
のゴムホースを耐久試験してみると、1)のゴムホースで
は異常は認められなかったが、2)のゴムホースでは締付
けバンド下方のフッ素ゴム層に亀裂が見られ、中間シリ
コンゴム層の有効性が確かめられた。
【0028】
【発明の効果】以上、フッ素ゴム層とシリコンゴム層と
を積層したゴムホースにおいて、フッ素ゴム層とシリコ
ンゴム層との間にシリコンゴム層を構成するシリコンゴ
ムよりも低硬度のシリコンゴムからなる中間シリコンゴ
ム層を配すると、この中間シリコンゴム層が緩衝材とし
て働き、フッ素ゴム層にかかる応力を分散させ、且つ、
薄肉化も可能にする。又、中間シリコンゴム層は、フッ
素ゴム層との密着性を高めて接着剤による接着作用を高
めるし、接着剤は中間シリコンゴム層のみに配合すれば
よいから、接着剤の量が少なくてすみ、経済的でもあ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 25/20 B32B 25/20 // B29K 27:12 B29K 27:12 83:00 83:00 B29L 23:00 B29L 23:00 (72)発明者 秋山 和彦 岡山県倉敷市上富井58番地 丸五ゴム工業 株式会社内 Fターム(参考) 3H111 AA02 BA12 BA13 BA27 BA34 CA03 CA08 CA53 CB03 CB04 CB14 CB24 CC03 CC19 DA07 DA09 DB12 EA04 4F100 AA17C AH03C AK17A AK47A AK52A AK52B AK52C AN02A AN02B AN02C BA03 BA07 BA10A BA10B BA16 BA26 CA23C DG03A DG13B EH03 EH17 EH46 GB32 JJ03 JK12C JL14 YY00A YY00C 4F207 AA16 AA33 AA45 AG03 AG08 KA01 KA17 KB11 KB26

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内層ゴム層の外周に外層ゴム層を押出方
    式で積層したゴムホースにおいて、内層ゴム層をフッ素
    ゴム層、外層ゴム層を中に補強糸を編み込んだ補強糸編
    込みシリコンゴム層とするとともに、フッ素ゴム層と補
    強糸編込みシリコンゴム層との間にフッ素ゴム層と接着
    させる接着剤成分を含む中間ゴム層を配するとともに、
    この中間ゴム層を補強糸編込みシリコンゴム層よりも低
    硬度の中間シリコンゴム層としたことを特徴とするゴム
    ホース。
  2. 【請求項2】 フッ素ゴム層の肉厚を0.2〜1.5m
    mに設定した請求項1のゴムホース。
  3. 【請求項3】 中間シリコンゴム層は補強糸編込みシリ
    コンゴム層よりも材料硬度がJIS A硬度で10〜3
    0低い請求項1〜2いずれかのゴムホース。
  4. 【請求項4】 中間シリコンゴム層の肉厚を0.3〜2
    mmに設定した請求項1〜3いずれかのゴムホース。
  5. 【請求項5】 フッ素ゴム層にアラミド短繊維が原料ポ
    リマー100に対して5〜40重量部配合される請求項
    1〜4いずれかのゴムホース。
  6. 【請求項6】 フッ素ゴム層にシリコンオイルが原料ポ
    リマー100に対して0.5〜10重量部配合される請
    求項1〜5いずれかのゴムホース。
  7. 【請求項7】 中間シリコンゴム層に酸化マグネシウム
    が原料ポリマー100に対して2〜15重量部配合され
    る請求項1〜6いずれかのゴムホース。
  8. 【請求項8】 中間シリコンゴム層にトリアリルイソシ
    アヌレールが原料ポリマー100に対して1〜15重量
    部配合される請求項1〜7いずれかのゴムホース。
  9. 【請求項9】 中間シリコンゴム層にシランカップリン
    グ剤が原料ポリマー100に対して0.5〜10重量部
    配合される請求項1〜8いずれかのゴムホース。
  10. 【請求項10】 フッ素ゴム層が相手パイプに外挿され
    る部分の内周に肉厚0.5〜1.5mmのシリコンゴム
    層からなる嵌合用シリコンゴム層を配した請求項1〜9
    いずれかのゴムホース。
  11. 【請求項11】 フッ素ゴム層が相手パイプに外挿され
    る部分の内周に好ましくはシリコン系の離型剤が塗布し
    てある請求項1〜10いずれかのゴムホース。
  12. 【請求項12】 フッ素ゴム層が相手パイプに外挿され
    る部分の内周に周方向に複数のリブを突設した請求項1
    〜11いずれかのゴムホース。
  13. 【請求項13】 フッ素ゴム層の外周に有機シラン系接
    着剤が塗布される請求項1〜12いずれかのゴムホー
    ス。
  14. 【請求項14】 フッ素ゴム層と、その外周の補強糸編
    込みシリコンゴム層との間に補強糸編込みシリコンゴム
    層よりも低硬度の中間シリコンゴム層を配した押出方式
    のゴムホースの製造方法において、第1押出機からフッ
    素ゴム層と中間シリコンゴム層及び補強糸編込みシリコ
    ンゴム下層を積層状態で押し出して編機に供給し、この
    編機によって補強糸編込みシリコンゴム下層の外周に補
    強糸を編み掛けて第2押出機に供給し、この第2押出機
    によって編み掛けた補強糸の外周に補強糸編込みシリコ
    ンゴム上層を被層して押し出すことを特徴とするゴムホ
    ースの製造方法。
  15. 【請求項15】 補強糸の編込みとシリコンゴム上層の
    一方又は双方が多層に形成される請求項14のゴムホー
    スの製造方法。
  16. 【請求項16】 フッ素ゴム層の外周にシランカップリ
    ング剤が塗布されるものであり、第1押出機によるフッ
    素ゴム層と中間シリコンゴム層及び補強糸編込みシリコ
    ンゴム下層の積層状態の押出しを、上手側第1押出機に
    よるフッ素ゴム層の押出し、シランカップリング剤塗布
    機によるシラッカップリング剤の塗布、下手側第1押出
    機による中間シリコンゴム層及び補強糸編込みシリコン
    ゴム下層の押出しによることを特徴とする請求項14又
    は15のゴムホースの製造方法。
JP2002046175A 2001-11-14 2002-02-22 ゴムホース及びその製造方法 Pending JP2003214566A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002046175A JP2003214566A (ja) 2001-11-14 2002-02-22 ゴムホース及びその製造方法
TW92112848A TWI259882B (en) 2001-11-14 2003-05-12 Rubber hose and method of manufacture

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-348965 2001-11-14
JP2001348965 2001-11-14
JP2002046175A JP2003214566A (ja) 2001-11-14 2002-02-22 ゴムホース及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003214566A true JP2003214566A (ja) 2003-07-30

Family

ID=27667211

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002046175A Pending JP2003214566A (ja) 2001-11-14 2002-02-22 ゴムホース及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003214566A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006306053A (ja) * 2005-03-25 2006-11-09 Daiso Co Ltd 加硫ゴム積層体
JP2008068461A (ja) * 2006-09-13 2008-03-27 Toyoda Gosei Co Ltd 耐熱ゴムホース
JP2009220516A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Toyoda Gosei Co Ltd 耐熱性ホース
JP2011506142A (ja) * 2007-12-28 2011-03-03 サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション 強化チューブ
JP2012532288A (ja) * 2009-06-30 2012-12-13 ザ ゲイツ コーポレイション 積層ゴム部材を有する接合パーツ及び製造方法
CN106739042A (zh) * 2016-12-30 2017-05-31 北京光华纺织集团有限公司 一种多胶层液体输液软管及其制备方法
EP4098434A1 (en) * 2021-05-31 2022-12-07 ContiTech Techno-Chemie GmbH Alternative subprocess for taping wrapped silicon hoses and hose manufactured thereby

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006306053A (ja) * 2005-03-25 2006-11-09 Daiso Co Ltd 加硫ゴム積層体
JP2008068461A (ja) * 2006-09-13 2008-03-27 Toyoda Gosei Co Ltd 耐熱ゴムホース
JP2011506142A (ja) * 2007-12-28 2011-03-03 サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション 強化チューブ
JP2009220516A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Toyoda Gosei Co Ltd 耐熱性ホース
JP2012532288A (ja) * 2009-06-30 2012-12-13 ザ ゲイツ コーポレイション 積層ゴム部材を有する接合パーツ及び製造方法
US9327482B2 (en) 2009-06-30 2016-05-03 Gates Corporation Bonded part with laminated rubber member and method of making
CN106739042A (zh) * 2016-12-30 2017-05-31 北京光华纺织集团有限公司 一种多胶层液体输液软管及其制备方法
EP4098434A1 (en) * 2021-05-31 2022-12-07 ContiTech Techno-Chemie GmbH Alternative subprocess for taping wrapped silicon hoses and hose manufactured thereby
CN115476558A (zh) * 2021-05-31 2022-12-16 康蒂泰克化学技术有限公司 用于将包卷硅软管包带的替代子工艺及由此制造的软管
CN115476558B (zh) * 2021-05-31 2024-09-17 康蒂泰克化学技术有限公司 用于将包卷硅软管包带的替代子工艺及由此制造的软管
US12129937B2 (en) 2021-05-31 2024-10-29 Contitech Techno-Chemie Gmbh Alternative subprocess for taping wrapped silicon hoses and hose manufactured thereby

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2004099660A1 (ja) ゴムホース及びその製造方法
JP5016239B2 (ja) 伝動ベルト
JP5597545B2 (ja) 歯付きベルト
US7654288B2 (en) Heat-resistant rubber hose for diesel engine
JP2010101489A (ja) 伝動ベルト
JPH07117178A (ja) 複合フレキシブルホース
JP2007230225A (ja) ディーゼル用耐熱エアーホース
JP2009257344A (ja) ゴム製歯付ベルト
JP2007292303A (ja) 燃料輸送ホース
JP4183227B2 (ja) ゴムホース
JP2005522639A (ja) 燃料給油ホース
JP2003214566A (ja) ゴムホース及びその製造方法
JP2001200961A (ja) 複合フレキシブルホース
CN115315584A (zh) 齿形带传动装置
JP2005315415A (ja) 動力伝達ベルト
JP2007055219A (ja) オイルクーラーホース
EP1559538B1 (en) Heat resistant air hose
JP4706655B2 (ja) 耐熱性ホース
JP2003014166A (ja) 耐熱ホース
JP4983668B2 (ja) 耐熱性ホース
TWI259882B (en) Rubber hose and method of manufacture
US11867324B2 (en) Sustainable industrial hose
US11565494B2 (en) Sustainable industrial hose
JP2007055220A (ja) 成型ホース
JP2002054768A (ja) 燃料ホース

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071005

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080214

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080619