JP6374543B2 - 歯付ベルト - Google Patents

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本発明は、例えば、一般産業用で高負荷をベルトによって伝達する機械の同期伝動用等に使用される歯付ベルトに関するものである。
自動二輪車の後輪駆動用等の高負荷伝動用途として用いられる歯付ベルトは、耐久性が求められる。
そこで、特許文献1では、超高分子量ポリエチレン繊維を用いた歯布と、炭素繊維心線と、JIS−A硬度が87度以上のゴム組成物で構成された背部とからなり、歯布及び歯部の損傷を防止し、高負荷伝動用途において優れた耐久性が得られる歯付ベルトが開示されている。また、特許文献2では、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)繊維を用いた歯布と、炭素繊維心線と、JIS−A硬度が85度以上のゴム組成物で構成された背部とからなり、高負荷伝動用途において優れた耐久性が得られる歯付ベルトが開示されている。また、特許文献3では、特定の撚り係数のラング撚りの炭素繊維心線を用い、耐屈曲疲労性を改善する歯付ベルトが開示されている。
しかし、特許文献1、2の歯付ベルトは、屈曲性に優れた炭素繊維心線が用いられてはいるものの、その撚り構成は片撚りまたは諸撚りに限定されており、ラング撚りと比較して、曲げ剛性が高い。また、背部を構成するゴム組成物のJIS−A硬度が85度以上または87度以上と高硬度に設定されている。これらにより、特許文献1、2の歯付ベルトは、ベルト全体の柔軟性が損なわれ、十分な耐屈曲疲労性が得られず、背部クラックによるベルト切断に至るという問題がある。
一方、特許文献3の歯付ベルトは、一定の耐屈曲疲労性は得られてはいるものの、心線径が約1.0mmと細いため、ベルト有効張力が3500N程度までの用途(例えば自動車のOHC駆動等)に限定される。即ち、特許文献3の歯付ベルトを高負荷の条件で用いると、心線径が細いために、ベルトの伸びにより歯欠け不良となる。そのため、特許文献3の歯付ベルトは、ベルトにかかる有効張力が4000〜10000Nである自動二輪車の後輪駆動用等の高負荷伝動用途に用いることはできない。さらに、ベルトの寸法設計では、通常、プーリの寸法との兼ね合いで、プーリの歯ピッチに合致するようにベルトの歯ピッチとPLD(Pitch Line Differential:ベルト歯底から心線の中心までの距離)が設計される。歯ピッチが14mmなどの大型歯形では、特許文献3の歯付ベルトのように心線径が細いと、ベルト歯底から心線の中心までの距離が短くなり、プーリに合致する適正なPLDが得られない。そうすると、プーリの歯ピッチに対して、ベルトの歯ピッチが合致しないという問題が生じてしまう。このような状態でベルトを高負荷条件下で使用すると、プーリとベルトの歯ピッチに差があるので、ベルトの圧力面、歯底面において異常摩耗が発生し、結果、歯欠けや切断といった不具合が発生する。また、ベルト噛み合い時にプーリ径方向へのベルト振れが大きくなることで、異音が発生する。一方、心線径が細い場合であっても、歯布を分厚くすればPLDを大きくできるが、歯布が多い分だけゴムが少なくなるので、耐歯欠け性が低下する。
特開2004−245405号公報 特開2006−90338号公報 特開平3−4782号公報
本発明は、上記のような課題を解決するものであり、高負荷条件下でも優れた耐屈曲疲労性を発揮する高耐久性の歯付ベルトを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の歯付ベルトは、長手方向に沿って所定間隔で複数配置され、表面が歯布で被覆されたゴム組成物(A)を基材とした歯部と、心線が埋設され、ゴム組成物(B)を基材とした背部と、を有する歯付ベルトであって、前記心線が、炭素繊維からなり、且つ、1.1mm以上2.5mm以下の径で形成され、前記歯部を構成するゴム組成物(A)の硬度が、JIS−A硬度で92度〜96度であることにより、高負荷条件下での使用を可能とし、前記心線が、前記炭素繊維をラング撚りにしたものであり、前記背部を構成するゴム組成物(B)の硬度が、JIS−A硬度で前記歯部を構成するゴム組成物(A)の硬度よりも低い80度〜89度であり、前記背部を構成するゴム組成物(B)の曲げ剛性が、100〜600N・mm2であることにより、耐屈曲疲労性を備え、前記歯部を構成するゴム組成物(A)の硬度と前記背部を構成するゴム組成物(B)の硬度との間に差がある、ことを特徴とする。
本発明の歯付ベルトの構成によれば、心線をラング撚りで構成することにより、諸撚りまたは片撚りに比較して曲げ剛性が低くなる。また、心線を炭素繊維から構成することにより、高負荷条件下で、心線の伸びが大きくなることによる歯欠け(歯部の欠損)を防止することができる。また、心線径を1.1mm以上2.5mm以下とすることで、高負荷条件下で良好な走行残存強力が得られる。即ち、心線径を1.1mm以上とすることで、適正なPLDが得られると共に、心線の伸びが大きくなることによる歯欠けを防止することができる。また、心線径を2.5mm以下とすることで、心線の屈曲疲労性の低下による心線切断の発生を防止することができる。
そして、背部を構成するゴムの硬度をJIS−A硬度で歯部を構成するゴムの硬度よりも低い80度〜89度とし、背部を構成するゴム組成物(B)の曲げ剛性を100〜600N・mm 2 することで、曲げ剛性が低く、高負荷条件下で優れた耐屈曲疲労性が得られる。即ち、背部を構成するゴムの硬度を、80度以上となるように構成することにより、異物の衝突等によるクラック発生の可能性を防止すると共に、89度以下となるように構成することにより、曲げ剛性が低くなり、ベルト全体の柔軟性が向上し、背部クラックによるベルト切断を防止することができる
また、歯部を構成するゴムの硬度をJIS−A硬度で92度〜96度とすることで、高負荷条件下で優れた走行残存強力が得られる。即ち、歯部を構成するゴム組成物(A)のゴムの硬度をJIS−A硬度で92度以上となるように構成することにより、歯部の変形による歯欠けの発生を防止すると共に、96度以下となるように構成することにより、背部のゴム組成物(B)との硬度の差を小さくして、ベルト全体のバランスを改善し、背部と歯部の界面においてひずみが生じて応力集中によるクラックが発生しやすくなることを防止することができる。
つまり、歯部を構成するゴムの硬度と背部を構成するゴムの硬度との間に差があることにより、高負荷条件下でも優れた耐屈曲疲労性を発揮する高耐久性の歯付ベルトを実現することができる。
ここで、心線径とは、炭素繊維を使用してラング撚りされた撚りコード(炭素繊維コード)の繊維径を意味する。また、ラング撚りとは、繊維を1本または2本以上引き揃えて撚りを加え(下撚り)、これを2本以上引き揃えて下撚りと同じ方向に撚り(上撚り)を掛けたものである。また、片撚りとは、繊維を1本あるいは数本引き揃えて、撚りを掛けた(下撚り)ものである。更に、諸撚りとは、繊維を1本または2本以上引き揃えて撚りを加え(下撚り)、これを2本以上引き揃えて下撚りと反対方向に撚り(上撚り)を掛けたものである。
上記歯付ベルトにおいて、前記歯部を構成するゴム組成物(A)の硬度と前記背部を構成するゴム組成物(B)の硬度との差が、JIS−A硬度で7度〜16度であることが好ましい。
歯部と背部のゴム組成物の硬度の差を小さくして、ベルト全体のバランスを改善し、背部と歯部の界面においてひずみが生じて応力集中によるクラックが発生しやすくなることを防止することができる。
上記歯付ベルトにおいて、前記歯部を構成するゴム組成物(A)及び前記背部を構成するゴム組成物(B)の両方が、不飽和カルボン酸金属塩を含まない水素化ニトリルゴム、及び、不飽和カルボン酸金属塩を含む水素化ニトリルゴムの少なくともいずれか一方を含むことが好ましい。
歯部を構成するゴム組成物(A)及び背部を構成するゴム組成物(B)の両方について、不飽和カルボン酸金属塩を含まない水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩を含む水素化ニトリルゴムとの混合比率を変更することによって、ゴム組成物の硬度を調整することができる。
上記歯付ベルトにおいて、前記背部を構成するゴム組成物(B)が、不飽和カルボン酸金属塩を含まない水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩を含む水素化ニトリルゴムとを40:60〜100:0の質量比で含むことが好ましい。
ゴム組成物の硬度は、不飽和カルボン酸金属塩を含まない水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩を含む水素化ニトリルゴムとの混合比率を変更することによって調整することができる。そして、不飽和カルボン酸金属塩を含まない水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩を含む水素化ニトリルゴムとを40:60〜100:0の質量比で混合したゴム組成物で背部を構成することにより、硬度を80度〜89度にすることができる。
上記歯付ベルトにおいて、前記歯部を構成するゴム組成物(A)が、不飽和カルボン酸金属塩を含まない水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩を含む水素化ニトリルゴムとを50:50〜0:100の質量比で含むことが好ましい。
ゴム組成物の硬度は、不飽和カルボン酸金属塩を含まない水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩を含む水素化ニトリルゴムとの混合比率を変更することによって調整することができる。そして、不飽和カルボン酸金属塩を含まない水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩を含む水素化ニトリルゴムとを50:50〜0:100の質量比で混合したゴム組成物で歯部を構成することにより、硬度を92度〜96度にすることができる。
上記歯付ベルトにおいて、前記歯部を構成するゴム組成物(A)が、不飽和カルボン酸金属塩を含まない水素化ニトリルゴム及び不飽和カルボン酸金属塩を含む水素化ニトリルゴムを含むゴム成分の総量100質量部に対して短繊維を3〜7質量部含むことが好ましい。
歯付ベルトの長手方向における歯部のモジュラスを高め、高負荷走行時においても歯部と歯付プーリとのかみ合いが維持することができる。
上記歯付ベルトにおいて、前記不飽和カルボン酸金属塩を含まない水素化ニトリルゴムは、ヨウ素価が7〜30mg/100mgの範囲の不飽和ゴムであることが好ましい。
また、上記歯付ベルトにおいて、前記不飽和カルボン酸金属塩を含まない水素化ニトリルゴムは、ヨウ素価が11〜28mg/100mgの範囲の不飽和ゴムであることがより好ましい。
水素化ニトリルゴムのヨウ素価が7mg/100mg未満では、不飽和カルボン酸金属塩を含まない水素化ニトリルゴム同士の架橋反応が十分ではなく、歯部の剛性が低くなるため、ベルト走行時に歯欠け等の不具合が発生するおそれがある、一方、不飽和カルボン酸金属塩を含まない水素化ニトリルゴムのヨウ素価が30mg/100mgを超えると、不飽和結合の量が過剰に多くなり、歯部の耐熱性の低下や酸化による劣化が進行してベルト寿命が短くなるおそれがある。ここで、不飽和ゴムとは、ポリマー分子鎖中に炭素・炭素二重結合(C=C結合)からなる不飽和結合を有するゴムをいう。また、ヨウ素価とは、不飽和結合の量を表す指標であり、ヨウ素価が高いほど、ポリマー分子鎖中に含まれる不飽和結合の量が多いことを表す。ヨウ素価の測定方法としては、測定試料に対して過剰のヨウ素を加えて完全に反応(ヨウ素と不飽和結合との反応)させ、残ったヨウ素の量を酸化還元滴定により定量することで求められる。
上記歯付ベルトにおいて、前記歯部の歯ピッチが8mm〜14mmであることが好ましい。
歯ピッチが8mm〜14mmの大型歯形でも、心線径が1.1mm〜2.5mmで構成されていることから、歯布を分厚くすることなく、適正なPLDが得られ、歯布が多くゴムが少なくなることによる歯欠けの発生を防止することができる。
また、上記歯付ベルトにおいて、前記心線は、下撚り係数が0.65〜1.61であり、且つ、上撚り係数が1.14〜3.61であるラング撚りの炭素繊維コードからなることが好ましい。心線をラング撚りの炭素繊維コードとすることにより、諸撚りまたは片撚りに比較して曲げ剛性が低くなり、優れた耐屈曲疲労性が得られる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、高負荷条件下でも優れた耐屈曲疲労性を発揮する高耐久性の歯付ベルトを得ることができる。
本発明の実施形態に係る歯付ベルトの断面斜視図である。 本発明の実施形態に係る歯付ベルトの断面図であって、心線とPLDとの関係を示した図である。 歯付ベルトの断面図であって、心線径及び歯布の厚さを変化させた場合の心線とPLDとの関係を示した図である。 本発明の実施形態に係る歯付ベルトの走行試験装置の概略を示した図である。 本発明の実施形態に係る歯付ベルトの心線の引張試験装置の概略を示した図である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の歯付ベルト3は、ベルト長手方向(X方向)に沿って所定間隔で配置され、表面が歯布11で被覆された複数の歯部7、及び、複数の心線9が埋設された背部4で構成されている。
背部4には、それぞれベルト長手方向に延在する複数の心線9が、ベルト幅方向(Y方向)に並べて埋設されている。心線9は、ラング撚りの炭素繊維コードからなる。心線9をラング撚りとすることにより、諸撚りまたは片撚りに比較して曲げ剛性が低くなり、優れた耐屈曲疲労性が得られる。炭素繊維は、例えば、東レ株式会社製、商品名「トレカ」等が用いられる。ラング撚りの炭素繊維コードは、次のようにして形成できる。まず、総デニール数1000〜10000の炭素繊維のマルチフィラメントに、ゴムラテックス及びエポキシ樹脂をトルエン等の溶剤に溶解して得られる処理液を含浸付着させる。そして、処理済炭素繊維を0.65〜1.61の下撚り係数でSまたはZ方向に下撚りし、下撚りされた処理炭素繊維を2〜4本集めてさらに1.14〜3.61の上撚り係数で下撚りと同方向に上撚りを施す。以上により、ラング撚りの炭素繊維コードが得られる。ここで、撚り係数TFは、TF=√D×T/28.7で表される(D:コードの総デニール数、T:1センチメートル当たりの撚り回数)。
ラング撚りの炭素繊維コードを形成する際に用いる処理液におけるゴムラテックスは、背部4及び歯部7を構成するゴム組成物と同種のゴム組成物からなることが好ましい。エポキシ樹脂としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等の一種又は二種以上が使用される。
心線9の心線径は1.1mm以上2.5mm以下が好ましい。心線径が1.1mm未満では、心線9の伸びが大きくなることにより、歯欠け(歯部の欠損)が発生しやすくなる。心線径が2.5mmを超えると、心線9の屈曲疲労性の低下により、心線切断が発生しやすくなる。また、歯付ベルト3のPLDは図3(a)のように歯布11の厚さと心線9の心線径との関係で決まる。そのため、心線径が1.1mm未満であると、図3(b)のように小さいPLDしか設定できず、適正なPLDを得にくい。また、心線径が小さくても、歯布11を厚くすれば、図3(c)のように大きなPLDが得られるが、歯部7のゴムの容積が減り、その結果、耐歯欠け性が低下する。心線9の心線径の下限値は好ましくは1.2mm以上であり、上限値は好ましくは2.4mm以下、より好ましくは2.1mm以下、特に好ましくは1.8mm以下である。
背部4は、JIS−A硬度が80度以上89度以下となる硬度のゴム組成物で構成される。ここで、JIS−A硬度とは、JIS K 6253(2012)に準拠した硬度であり、タイプAデュロメータを用いて測定した、歯付ベルト3の背部4表面の硬度である。背部4のJIS−A硬度を80度以上89度以下とすることにより、背部4の曲げ剛性が低くなり、優れた耐屈曲疲労性が得られる。背部4のJIS−A硬度が80度未満では、異物の衝突等により、背部4にクラックが発生する可能性がある。背部4のJIS−A硬度が89度を超えると屈曲疲労性が低下し、背部4にクラックが発生しやすくなる。
背部4を構成するゴム組成物(ゴム組成物(B)、以下「背部ゴム」と称する。)は、不飽和カルボン酸金属塩を含まない水素化ニトリルゴム(以下、「H−NBR」と称する。)と不飽和カルボン酸金属塩を含む水素化ニトリルゴム(以下、「不飽和カルボン酸金属塩を含むH−NBR」と称する。)との混合物が用いられることが好ましく、硬度の調整は両者の混合比率を変更することによって達成される。具体的には、80度以上89度以下の硬度を得るためには、「H−NBR」:「不飽和カルボン酸金属塩を含むH−NBR」の質量比が40:60〜100:0に設定して混合することが好ましい。不飽和カルボン酸金属塩を含むH−NBRとして、例えば、H−NBRに不飽和カルボン酸金属塩である、メタクリル酸亜鉛を高度に微分散させたもの(例えば、日本ゼオン製、商品名「ZSC」等)を用いることができる。
H−NBRとは、従来のニトリルゴムの利点である耐油性を維持しつつ、熱老化中の硫黄の再結合反応によるゴム弾性の老化を防ぐため、従来のニトリルゴムが有する不飽和結合(炭素・炭素二重結合)を化学的に水素化することによって、熱老化中の再結合反応を起こりにくくし、耐熱性を改良したものである。不飽和カルボン酸金属塩とは、1つ又は2つ以上のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸と金属とがイオン結合したものである。不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸などのモノカルボン酸や、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸が例示できる。また、金属としては、マグネシウム、チタン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム、鉛、ニッケルなどが例示できる。
本発明で使用するH−NBRは、ヨウ素価が7〜30mg/100mgの範囲、好ましくは11〜28mg/100mgの範囲の不飽和ゴムである。ここで、不飽和ゴムとは、ポリマー分子鎖中に炭素・炭素二重結合(C=C結合)からなる不飽和結合を有するゴムをいう。また、ヨウ素価とは、不飽和結合の量を表す指標であり、ヨウ素価が高いほど、ポリマー分子鎖中に含まれる不飽和結合の量が多いことを表す。ヨウ素価の測定方法としては、測定試料に対して過剰のヨウ素を加えて完全に反応(ヨウ素と不飽和結合との反応)させ、残ったヨウ素の量を酸化還元滴定により定量することで求められる。H−NBRのヨウ素価が7mg/100mg未満では、H−NBR同士の架橋反応が十分ではなく、歯部の剛性が低くなるため、ベルト走行時に歯欠け等の不具合が発生するおそれがある、一方、H−NBRのヨウ素価が30mg/100mgを超えると、不飽和結合の量が過剰に多くなり、歯部の耐熱性の低下や酸化による劣化が進行してベルト寿命が短くなるおそれがある。
歯部7は、JIS−A硬度が92度以上96度以下となる硬度のゴム組成物で構成される。ここで、JIS−A硬度とは、JIS K 6253(2012)に準拠した硬度であり、タイプAデュロメータを用いて測定した、歯付ベルト3の歯部7側面の硬度である。歯部7のJIS−A硬度が92度未満では、歯部7の変形による歯欠けが発生しやすくなる。歯部7のJIS−A硬度が96度を超え、背部4の硬度との間に差がありすぎると、ひずみが生じ、背部4と歯部7の界面で割れ(クラック)が発生しやすくなる。背部4と歯部7との硬度差は、目安としてJIS−A硬度で7〜16となるように形成されるのが好ましい。背部4と歯部7との硬度差が大きすぎると、歯付ベルト3全体のバランスが悪化し、その結果、背部4と歯部7の界面において、応力集中による割れ(クラック)が発生しやすくなる。逆に、背部4と歯部7との硬度差が小さすぎると、硬度差によって得られる効果が不十分となる。
歯部7を構成するゴム組成物(ゴム組成物(A)、以下「歯部ゴム」と称する。)は、背部4と同様に、H−NBRと不飽和カルボン酸金属塩を含むH−NBRとの混合物が用いられることが好ましく、硬度の調整は両者の混合比率を変更することによって達成される。具体的には、92度以上96度以下の硬度を得るためには、「H−NBR」:「不飽和カルボン酸金属塩を含むH−NBR」の質量比を50:50〜0:100に設定して混合することが好ましい。
さらに、歯部7を構成するゴム組成物には、芳香族ポリアミド等の短繊維5が埋設されるのが好ましい。短繊維5は、歯布11に近い側は歯部7の外形状に沿って配向し、心線9に近づくにつれて短繊維5は心線9とほぼ平行となるように配向して埋設することが好ましい。また、短繊維5の配合量は、H−NBR及び不飽和カルボン酸金属塩を含むH−NBRを含むゴム成分の総量100質量部に対して3〜7質量部配合される。短繊維5の配合量がゴム成分の総量100質量部に対して3質量部未満では、歯部7を構成するゴム組成物の貯蔵弾性率(E´)が低いため、高負荷走行条件では歯部7の変形量が大きくなり、歯欠けが発生するおそれがある。短繊維5の配合量がゴム成分の総量100質量部に対して7質量部を超えると、歯部7を構成するゴム組成物のE´が過剰に高くなるため、歯部7はほとんど変形しなくなり、変形による噛み合い位置の調整ができず、歯部7への損傷が大きくなるおそれがある。短繊維5の配合量をゴム成分の総量100質量部に対して3〜7質量部とすることで、歯付ベルト3の長手方向における歯部7のモジュラスを高めることができ、歯付ベルト3のモジュラスが高まり、高負荷走行時においても歯部7と歯付プーリとのかみ合いが維持される。短繊維5の種類は特に限定されるものではないが、例えばアラミド繊維、PBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、ポリビニルアルコール繊維、炭素繊維等のモジュラスの高い繊維が好適に使用できる。
また、歯部7を構成するゴム組成物には、粉末状の無機充填剤が、H−NBR及び不飽和カルボン酸金属塩を含むH−NBRを含むゴム成分の総量100質量部に対し10質量部以下の配合量で配合されることが好ましい。粉末状の無機充填剤の配合量がゴム成分の総量100質量部に対し10質量部を超えると、歯部7を構成するゴム組成物の発熱が大きくなり、ゴム組成物の耐熱性が低下するため、熱老化により歯欠けや亀裂が発生するおそれがある。
本実施形態では、歯部7を構成するゴム組成物に、カーボンブラックやシリカなどの粉末状の無機充填剤を必ずしも配合する必要はない。特に、カーボンブラックは歯部7を構成するゴム組成物を黒色に着色できる程度に配合されていればよく、好ましくはH−NBR及び不飽和カルボン酸金属塩を含むH−NBRを含むゴム成分の総量100質量部に対し10質量部以下である。さらに好ましくは5質量部以下である。このカーボンブラックは、着色剤として使用しており、ゴム組成物を黒色に着色するにはカーボンブラックが最適である。
また、歯部7の歯ピッチ(ベルトの長手方向(X方向)における歯と歯の間隔。図2参照。)は、8mm以上14mm以下となるように形成されることが好ましい。歯ピッチが8mm〜14mmの大型歯形でも、本実施形態では、心線9の心線径が1.1mm〜2.5mmで構成されていることから、歯布11を分厚くすることなく、適正なPLDが得られるため、歯布11が多く歯部7のゴムが少なくなることによる歯欠けの発生を防止することができる。
また、本実施形態の歯部7に使用するゴム組成物の加硫物は、JIS K6394(2007)に準じて測定された70℃雰囲気温度下でのE´が200〜300MPaであり、かつ、損失係数(Tanδ)が0.1〜0.2の範囲であることが好ましい。この範囲であれば、歯欠け等の不具合は起こりにくくなり、歯部7の変形が抑制されることで、歯付プーリとのかみ合いに支障を来たさず、耐久性が向上する。
E´とは、周期振動を与える動的状態の試験から得られる弾性率であり、歪と同位相の弾性応力の比率として定義される。E´が高いほど物体は変形しにくくなり、高負荷条件のような強い外部の力でも変形量は小さくなるので、亀裂や切断などは発生しにくい。一方、E´が低くなると物体は変形しやすくなるため、小さな外部力でも物体は容易に切断、破壊が起こる。
Tanδとは、損失弾性率(E´´)をE´で除したものであり、振動1サイクルの間に熱として散逸されるエネルギーと貯蔵される最大エネルギーとの比の尺度となっている。即ち、Tanδはゴム組成物に加えられる振動エネルギーが熱として散逸され易さを表すものであり、Tanδが大きくなるほど外部から加えられるエネルギーの多くが熱に変換されるため、ゴム組成物は自己発熱により温度が高くなり、耐熱性が低下する。一方、Tanδが低いほど発熱量は低く抑えられるため、ゴム組成物の耐熱性は向上する。
歯布11は、ベルト幅方向に延在する経糸6とベルトの長手方向に延在する緯糸8とを織成してなる繊維織物を基材とする。また、この繊維織物は、平織物や綾織物、朱子織物などからなる。この繊維織物を構成する繊維材料としては、例えば、アラミド繊維、ウレタン弾性糸、脂肪族繊維(6ナイロン、66ナイロン、ポリエステル、ポリビニルアルコール等)等を使用できる。なお、歯布11は設けなくてもよい。
本実施形態の繊維織物として、2種類の緯糸8と1種類の経糸6とで織成された多重織(2重織)構造のものを採用することもできる。この場合、経糸6をナイロン繊維とし、緯糸8にはフッ素系繊維、ナイロン繊維、及び、ウレタン弾性糸を使用することが好ましい。また、緯糸8のうちの、歯布11の表面側(歯付プーリとのかみ合い側)に位置する(露出する)緯糸8としては、歯布11と歯付プーリとの間の摩擦を低減するために、摩擦係数が低いフッ素系繊維(例えば、PTFE繊維)を使用することが好ましい。一方、歯布11の裏面側(歯部7との接着側)に位置する緯糸8には、フッ素系繊維以外の繊維(ナイロン繊維やウレタン弾性糸)を使用することで、歯布11と歯部7を構成するゴムとの接着力を高めることが可能となる。
また、フッ素系繊維の周囲には、ゴムを基材とする歯部7及び背部4の加硫温度で融解する融点を有する低融点繊維が配されていることが好ましい。具体的には、フッ素系繊維と低融点繊維とが混撚されている、又は、フッ素系繊維が低融点繊維によってカバーされているなどの形態が含まれる。なお、歯部7及び背部4の加硫条件(加硫温度及び加硫時間)は、特に限定されるものではなく、加硫剤及び加硫促進剤の種類並びに加硫手段等を考慮して、通常、ムーニー粘度計又はその他の加硫挙動測定機を用いて測定した加硫曲線を参照して決定される。このようにして決定される一般的な加硫条件は、加硫温度100〜200℃で、加硫時間1分〜5時間程度である。必要により二次加硫を行っても良い。
この場合、歯部7及び背部4の加硫時に低融点繊維が融解し、歯布11を構成する繊維間に流れ込んだ後、融点以下まで冷却することで低融点繊維が結晶化する。そのため、歯付プーリへのかみ込み時、或いは、歯付プーリからのかみ抜け時に、歯布11の表面に生じる衝撃や摩耗によってフッ素系繊維が切断・飛散するのが抑制される。これにより、歯部7及び背部4をより長期間保護して、ベルトの歯欠けを防止することができ、高負荷走行時の長寿命化が可能となる。
ここで、低融点繊維としては、融点が好ましくは165℃未満、より好ましくは150℃未満の、例えば、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、又は、オレフィン系繊維を使用することができる。
低融点繊維として使用可能なポリアミド系繊維としては、W−アミノカルボン酸成分又はジカルボン成分とジアミンとの組み合わせからなる、共重合ポリアミド類のものがある。
低融点繊維として使用可能なポリエステル系繊維としては、融点が歯部7及び背部4の加硫温度よりも高い芯成分のポリエステル系ポリマーと、融点が歯部7及び背部4の加硫温度よりも低い鞘成分の共重合ポリエステル系ポリマーからなる芯鞘型複合繊維が好ましい。融点が歯部7及び背部4の加硫温度よりも高い芯成分のポリエステル系ポリマーは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及びそれらの共重合体が挙げられる。融点が歯部7及び背部4の加硫温度よりも低い鞘成分の共重合ポリエステル系ポリマーは、二塩基酸とジオールとの重縮合反応で得られ、その例としては、テレフタル酸とジエチレングリコールとをベースに、共重合成分として、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ブタンジオール、へキサンジオール、ポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられ、その組み合わせ及び共重合比率により融点を調整可能である。
低融点繊維として使用可能なオレフィン系繊維としては、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維(例えば、高密度ポリエチレン繊維、中密度ポリエチレン繊維、低密度ポリエチレン繊維、直鎖状低密度ポリエチレン繊維、超高分子量ポリエチレン繊維)などが挙げられる。
また、これらを共重合させたものでも良く、さらには、歯部7及び背部4の加硫温度で融解する繊維であれば、その撚糸方法や構成について特に限定されるものではない。さらに、これら低融点繊維の表面に、接着処理剤との親和性を上げることを目的として、プラズマ処理等がなされても良い。
この歯布11は、例えば以下のような工程を含む一連の接着処理を経て、歯部7を構成するゴムに接着される。
(1)歯布11を構成する繊維織物を、レゾルシン−ホルマリン−ゴムラテックス処理液(以下、RFL処理液という)に含浸し、乾燥させる。
ここで、RFL処理液には、硫黄化合物の水分散物、キノンオキシム系化合物、メタアクリレート系化合物、マレイミド系化合物のうち少なくとも1つの加硫助剤、又は、これらの加硫助剤を水に分散させたものを添加することが好ましい。
硫黄化合物の水分散物としては、例えば、硫黄の水分散物やテトラメチルチウラムジスルフィドなどが採用され得る。キノンオキシム系化合物としては、例えば、p−キノンジオキシムなどが採用され得る。メタアクリレート系化合物としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレートやトリメチロールプロパントリメタクリレートなどが採用され得る。マレイミド系化合物としては、例えば、N,N´−m−フェニレンビスマレイミドやN,N´−(4,4´−ジフェニルメタンビスマレイミド)などが採用され得る。
なお、上述した「当該加硫助剤を水に分散させたもの」における「水」は、例えばアルコールなどのメタノールを若干程度含むものであっても良い。これによれば、「当該加硫助剤」が水に対して不溶性の場合であっても、「当該加硫助剤」の水に対する親和性が向上して「当該加硫助剤」が分散し易くなる。
このように、RFL処理液に加硫助剤を添加することで以下の効果が期待される。即ち、RFL処理液中に含まれるゴムラテックス成分と外層ゴム(後記(2)のゴム糊処理や(3)のコート処理で使用されるゴム糊又は圧延ゴムを意味する。コート処理が省略される場合は歯部7を構成するゴムを意味する。)との層間の化学的結合力が強化されることで、接着性が向上し、歯布11の剥離が抑制される。更に期待される効果として、RFL処理液中に含まれるゴムラテックス成分自身の化学的結合力(架橋の力)が強化され、その結果、接着層の凝集破壊による剥離(即ち、層間剥離)よりも、接着対象である上記外層ゴムの破壊による剥離が先行すると考えられる。
また、RFL処理液に加硫助剤を添加する場合、繊維織物の含浸処理を2回に分けて実行しても良い。この場合、まず、1回目のRFL含浸処理においては、RFL処理液には、前述した何れの加硫助剤も添加しないこととする。これは、1回目の処理工程においては、ゴムラテックス成分の架橋よりもRF成分の熱硬化を優先するためである。
一方、2回目のRFL含浸処理においては、1回目のRFL処理液と比較してゴムラテックス成分を多く含み、硫黄化合物の水分散物、キノンオキシム系化合物、メタアクリレート系化合物、マレイミド系化合物のうち少なくとも1つの加硫助剤、又は、加硫助剤を水に分散させたものを添加したRFL処理液を使用する。なお、1回目の含浸処理と2回目の含浸処理とで、RFL処理液のゴムラテックス成分の割合に差を設けるのは、親和性の異なる繊維とゴムの両方に対する、RFL層の接着性を高める為である。
(2)繊維織物に、ゴム組成物を溶剤に溶かしたゴム糊からなる接着処理剤を付着させた後にベーキング処理する、2種類のゴム糊処理(P1処理、S1処理)を行う。
(3)繊維織物の表面に、ゴム糊と圧延ゴムとをこの順にコーティングする。本工程は、コート処理とも称される。「この順に」とあるのは、詳細には「繊維織物から歯部7へ向かって、この順に」を意味する。ここで、RFL処理液に加硫助剤を添加した場合には、このコート処理で使用するゴム糊と圧延ゴムにも、RFL処理液に添加した加硫助剤と同一のものを添加することが好ましい。これにより、RFL処理液で処理された繊維織物とゴム糊の間の接着力の著しい改善が期待できる。
なお、上記(1)〜(3)の処理は、全てを行う必要はなく、必要に応じて、いずれか1つ、或いは、2以上の複数を組み合わせて行って良い。例えば、(1)の処理においてRFL処理液に加硫助剤を添加する場合には、この処理のみで繊維織物とゴム間の接着力がかなり高められることから、(2)のゴム糊処理を省略しても良い。
本実施形態に係る歯付ベルト3は、予備成型工法により作製される。予備成型工法とは、まず、歯型を有する金型によって歯布11と歯部7とを予め成型し、予備成形体を得て、次に、得られた予備成形体を金型に巻きつけ、その上に心線9を螺旋状にスピニングする。そして、その上に背部4を構成する未加硫ゴムを巻いた後、全体を加硫缶で加硫する工法のことである。この予備成型工法においては加硫前に歯布と歯部が予め成型される為、加硫時に背部を構成する未加硫ゴムを心線の間から内側(腹側)へ流動させ、歯布を緊張させて歯部を形成する必要がない。そのため、心線間距離(ピッチ)を狭くすることが可能となる。
(歯付ベルト)
下記各部材を用いて、ベルトサイズ130H14M20(ベルト歯数:130歯、歯型:H14M、歯部ピッチ:14mm、ベルト幅:20mm)の本実施例に係る歯付ベルトを予備成型工法により作製した。
本実施例では、背部、歯部は、下記に示す表1の各H−NBRからなるゴム組成物で構成した。
Figure 0006374543
また、心線は、東レ株式会社製トレカ12K−1/2、12K−1/4、6K−1/2の炭素繊維を用いて、H−NBR系オーバーコート処理剤による接着処理を行った。
また、歯布の歯布構成を表2に示す。表2に示すように、歯布には、緯糸にPTFE繊維だけでなく、ゴム加硫温度で融解する融点を有する低融点繊維である、ポリエステル系繊維が配合されている。今回使用したポリエステル系繊維(ユニチカ株式会社製「コルネッタ」)は、芯部融点が256℃、鞘部融点が160℃である。
Figure 0006374543
また、歯布接着処理に用いられる、RFL処理液の配合、ゴム糊処理(P1処理及びS1処理)の配合、及び、コート処理用ゴム配合を、表3、表4、及び表5にそれぞれ示す。
Figure 0006374543
Figure 0006374543
Figure 0006374543
本実施例では、予備成型工法による歯付ベルトの作製においては、まず、歯型を有する金型に、歯布と歯部となる未加硫ゴムシート(厚み:2.35mm)を乗せ、120℃、160秒、プレス圧:4.51MPa(面圧)の条件でプレスし、予備成形体を作製する。次に、作製した予備成形体を金型に巻きつけ、その上にスピニングテンション:490N/本、スピニングピッチ:1.0〜2.0mm/本(ロープ径によって変化)、スピニング速度:1.5m/sの条件で心線9を螺旋状にスピニングする。その上に、背部を構成する未加硫ゴムシート(厚み:2.0mm)を巻いた後、全体を加硫温度179℃、加硫時間40分、蒸気圧:0.83MPaの条件で加硫缶を使って加硫し、歯付ベルトを作製する。
(高負荷条件下での走行試験)
次に、図4に示す2軸高負荷走行試験機を用いた600時間の高負荷条件下での走行試験を行って、本発明の実施例に係る歯付ベルトの技術的効果を検証した。
[試験条件]
試験機:2軸高負荷走行試験機(図4参照)
駆動プーリ歯数:33歯
従動プーリ歯数:61歯
負荷:従動プーリに対して900N・m
回転数:1200rpm
走行試験の対象とする歯付ベルトは、表1〜表5に示す、ゴム配合、歯布構成、及び、歯布接着処理により予備成型工法にて作製した13種類(実施例1〜7、比較例1〜6)の歯付ベルトである。これらの13種類の歯付ベルトについて、それぞれ、上述した試験条件で走行試験を行い、寿命に至るかどうかを確認した。尚、寿命に至った場合は時間と故障形態を特定した。その結果を表6に示す。
Figure 0006374543
表6に示す結果から、各実施例において、屈曲疲労による背部クラックが発生することなく、特に心線径が1.2mm以上の実施例1〜7において十分な走行寿命が得られたことが分かった。尚、心線径が1.2mmの実施例1及び歯ゴム硬度が92の実施例6において、若干の走行寿命の低下があるが、許容範囲と考えられる。
また、背部硬度がJIS−A硬度で92度以上である比較例2、3においては、背部クラックの発生によるベルト切断が発生した。
また、心線がアラミド繊維である比較例4においては、早期に心線伸びによる歯欠けが発生した。
また、心線が諸撚りである比較例5及び片撚りである比較例6においては、耐屈曲疲労性が不十分なため、早期に心線切断が発生した。
(屈曲疲労性試験)
ここで、高負荷条件下における歯付ベルトの屈曲疲労性試験として、上述した走行試験前の12種類の各歯付ベルトから30歯分を切断して試料とし、アムスラー試験機を用いて50mm/分の定速で引っ張って得られた破断時の強力を測定すると共に、走行試験後のベルトについても同様に破断時の強力を測定した。そして、走行前の強力に対する走行後の強力の比を算出し、強力保持率とした。尚、強力保持率は、ベルトの走行残存強力であって、ベルトの屈曲疲労性を示す値である。その結果を上述の表6の「ベルトの屈曲疲労性(走行残存強力)」の欄に示す。
表6の結果から、心線がアラミド繊維である比較例4及び心線が諸撚りまたは片撚りである比較例5、6に比較して、心線が炭素繊維でラング撚りである各実施例1〜7において、同等レベルの十分に高い強力保持率が得られた。
(心線単体の屈曲疲労性試験)
また、高負荷条件下における心線単体の屈曲疲労性試験として、図5に示すように、心線単体を、上下に配置した一対の円柱形の回転バー(φ30mm)にS字状に屈曲させて巻きかけ、心線の一端をフレームに固定し、他端には3kgの荷重をかけた。次に、この一対の回転バーが相対距離を一定に保ったまま、上下方向に10万回往復(ストローク:140mm、サイクル:100回/分)することで、回転バーへの心線の巻き付け、巻き戻しを繰り返し行い、心線自体に屈曲疲労を与えた。この屈曲疲労試験後の心線単体の引張試験を行い、予め測定しておいた屈曲疲労試験前の引張試験の結果から強力保持率を算出した。その結果を表7に示す。表7に示す結果から、諸撚りまたは片撚りの心線に比べて、ラング撚りの心線の方が、強力保持率が高いことが分かった。また、アラミド繊維の心線に比べて、炭素繊維でラング撚りの心線の方が、強力保持率が高いことが分かった。
Figure 0006374543
(心線の曲げ剛性)
また、撚り方の異なる表6に示す実施例2〜5及び比較例2,3,5,6の8種類の心線について、JIS K 7106(1995)に従い、オルゼン式曲げ試験機を用いた曲げ試験より心線の曲げこわさEcを求め、それに、下記式(1)より算出した心線の断面2次モーメントIcを乗じて、下記式(2)より心線の曲げ剛性EcIcを算出した。ここで、試験片のサイズは、長さ:70mm、幅:14.4mm(心線径1.8mmの心線8本分)、厚み:2mmとするとともに、支柱間距離Sを25.4mm、荷重目盛100%における振り子のモ−メントMを0.098N・mとした。また、試験は、温度23±2℃、湿度65±5%の条件下で行った。
Figure 0006374543
Figure 0006374543
その結果を表8の「心線」欄に示す。表8の結果から、実施例2〜5及び比較例2,3のラング撚りの心線の曲げ剛性は、比較例5の諸撚り、比較例6の片撚りの心線の曲げ剛性よりも低い値を示したことが分かった。
Figure 0006374543
(背部ゴムの曲げ剛性)
また、硬度の異なる表6に示す実施例2〜5及び比較例2,3,5,6の8種類の背部ゴムについて、JIS K 7106 に従い、オルゼン式曲げ試験機を用いた曲げ試験より背部ゴムの曲げこわさErを求め、それに下記式(3)より算出した背部ゴムの断面2次モーメントIrを乗じて、下記式(4)より背部ゴムの曲げ剛性ErIrを算出した。ここで、背部ゴム試験片のサイズは、長さ:70mm、幅:25.4mm、厚み:2mmとするとともに、支柱間距離Sを25.4mm、荷重目盛100%における振り子のモ−メントMを0.098N・mとした。また、試験は、温度23±2℃、湿度65±5%の条件下で行った。
Figure 0006374543
Figure 0006374543
その結果を表8の「背部ゴム」欄に示す。表8の結果から、硬度の低い背部ゴムほど曲げ剛性の値は低かったことが分かった。また背部ゴムの曲げ剛性が100〜600N・mm2であることが良いことが分かった。
[考察]
上述の試験より、以下のことが明らかになった。
高負荷条件下でも優れた耐屈曲疲労性を発揮するために、歯付ベルトの心線には、炭素繊維の心線が適していることが明らかとなった。即ち、アラミド繊維の心線を使用した比較例4では、走行中に心線が伸びてしまい、その結果、歯付ベルトの歯欠けを起こすためである(表6における比較例4参照)。また、表7の結果から、炭素繊維の心線について、アラミド繊維の心線に比較して優れた屈曲疲労性が確認された。
高負荷条件下でも優れた耐屈曲疲労性を発揮するために、歯付ベルトの心線は、諸撚りまたは片撚りよりもラング撚りであることが適していることが明らかになった(表6〜8参照)。即ち、表6の結果から、心線が諸撚りまたは片撚りである比較例5、6に比較して、心線がラング撚りである各実施例1〜7において、同等レベル以上の十分に高い強力保持率が得られた。また、表7及び表8の結果から、ラング撚りの心線について、諸撚りまたは片撚りの心線に比較して優れた屈曲疲労性が確認された。
実施例3と比較例5、6を比較した結果、比較例5、6の歯付ベルトは、走行試験170、250時間で心線屈曲疲労により、ベルトが切断してしまったが、実施例3の歯付ベルトは、走行試験を完走し、走行残存強力も良好であった(表6参照)。これは、実施例3に使用したラング撚りの心線の方が、比較例5、6に使用した諸撚り、片撚りの心線よりも曲げ剛性の値が低く、耐屈曲疲労性に優れているからであると考えられる(表8の「心線」欄参照)。
また、高負荷条件下でも優れた耐屈曲疲労性を発揮するために、歯付ベルトの心線の心線径は、1.1mm以上2.5mm以下が適していることが明らかとなった。即ち、実施例1、3と比較例1を比較した結果(表6参照)、心線径が1.0mmの比較例1では、短時間の走行試験で心線が伸びてしまい、その結果、歯付ベルトの歯欠けを起こしている。一方、心線径が1.2mmの実施例1は、走行中に心線が伸び、走行寿命に若干の低下が見られたが、410時間走行しているので、これは実用的には許容な範囲であり、また走行残存強力は良好であった。心線径が1.8mmである実施例3は、走行試験を完走し、走行残存強力も良好であった。また、心線径が1.2mmの実施例1及び心線径が1.0mmの比較例1に基づくと、心線径が1.1mmの場合は、走行寿命が300時間程度見込まれ、許容範囲と考えられる。従って、心線径が1.1mm以上であれば十分な走行寿命が得られることが想定される。更に、心線径が2.4mmの実施例7に基づくと、心線径が2.5mmの場合も、600時間近い長い走行寿命が見込まれる。従って、心線径は、心線の屈曲疲労性の低下を防止するため、2.5mm以下であることが好ましい。以上から、心線径は、1.1mm以上2.5mm以下であることが適していることが明らかになった。
また、高負荷条件下でも優れた耐屈曲疲労性を発揮するために、歯付ベルトの背部ゴムのJIS−A硬度が80度〜89度であることが適していることが明らかになった。即ち、実施例2〜5と比較例2、3を比較した結果、JIS−A硬度が92度、96度のゴムを背部ゴムとして使用した比較例2、3のベルトは、走行試験350、187時間で歯付ベルトの背ゴムにクラックが入り、切断してしまったが、JIS−A硬度が80度〜89度のゴムを背部ゴムとして使用した実施例2〜5の歯付ベルトは、走行試験を完走し、走行残存強力も良好であった(表6参照)。これは、実施例2〜5に使用した硬度の低いゴムの方が、比較例2、3で使用した硬度の高いゴムよりも曲げ剛性の値が低く、耐屈曲疲労性に優れているからであると考えられる(表8の「背部ゴム」欄参照)。
また、高負荷条件下でも優れた耐屈曲疲労性を発揮するために、歯付ベルトの歯部ゴムのJIS−A硬度が92度〜96度であることが適していることが明らかになった。即ち、JIS−A硬度が92度未満のゴムを歯部ゴムとして使用した場合、ゴムが柔らかすぎるため、短時間の走行試験で歯部ゴムが欠けてしまう可能性があるからである。JIS−A硬度が92度〜96度のゴムを歯部ゴムとして使用した実施例1〜7の歯付ベルトは、走行試験の寿命が長く、走行残存強力も良好であった(表6参照)。尚、JIS−A硬度が92度のゴムを歯部ゴムとして使用した実施例6は、走行中に歯が欠けてしまい、走行寿命に若干の低下が見られたが、310時間走行しているので、これは実用的には許容な範囲であり、また走行残存強力は良好であった。また、JIS−A硬度が96度のゴムを歯部ゴムとして使用した実施例3は、走行試験を完走し、走行残存強力も良好であった。
以上より、心線径1.1mm以上2.5mm以下のラング撚りの炭素繊維を心線として、硬度が比較的低くJIS−A硬度が80度〜89度のゴムを背部ゴムとして使用し、硬度が比較的高くJIS−A硬度が92度〜96度のゴムを歯部ゴムとして使用して作製したベルトが、高負荷条件下でも優れた耐屈曲疲労性を発揮する高耐久性を有しており、高負荷伝動用途に適していることが明らかとなった。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態及び実施例に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態及び実施例の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
本発明を利用すれば、高負荷条件下でも優れた耐屈曲疲労性を発揮する高耐久性の歯付ベルトを得ることができる。
3 歯付ベルト
4 背部
5 短繊維
6 経糸
7 歯部
8 緯糸
9 心線
11 歯布

Claims (10)

  1. 長手方向に沿って所定間隔で複数配置され、表面が歯布で被覆されたゴム組成物(A)を基材とした歯部と、心線が埋設され、ゴム組成物(B)を基材とした背部と、を有する歯付ベルトであって、
    前記心線が、炭素繊維からなり、且つ、1.1mm以上2.5mm以下の径で形成され、前記歯部を構成するゴム組成物(A)の硬度が、JIS−A硬度で92度〜96度であることにより、高負荷条件下での使用を可能とし、
    前記心線が、前記炭素繊維をラング撚りにしたものであり、前記背部を構成するゴム組成物(B)の硬度が、JIS−A硬度で前記歯部を構成するゴム組成物(A)の硬度よりも低い80度〜89度であり、前記背部を構成するゴム組成物(B)の曲げ剛性が、100〜600N・mm2であることにより、耐屈曲疲労性を備え
    前記歯部を構成するゴム組成物(A)の硬度と前記背部を構成するゴム組成物(B)の硬度との間に差がある、歯付ベルト。
  2. 前記歯部を構成するゴム組成物(A)の硬度と前記背部を構成するゴム組成物(B)の硬度との差が、JIS−A硬度で7度〜16度である請求項1に記載の歯付ベルト。
  3. 前記歯部を構成するゴム組成物(A)及び前記背部を構成するゴム組成物(B)の両方が、不飽和カルボン酸金属塩を含まない水素化ニトリルゴム、及び、不飽和カルボン酸金属塩を含む水素化ニトリルゴムの少なくともいずれか一方を含む請求項1または2に記載の歯付ベルト。
  4. 前記背部を構成するゴム組成物(B)が、不飽和カルボン酸金属塩を含まない水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩を含む水素化ニトリルゴムとを40:60〜100:0の質量比で含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯付ベルト。
  5. 前記歯部を構成するゴム組成物(A)が、不飽和カルボン酸金属塩を含まない水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩を含む水素化ニトリルゴムとを50:50〜0:100の質量比で含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯付ベルト。
  6. 前記歯部を構成するゴム組成物(A)が、不飽和カルボン酸金属塩を含まない水素化ニトリルゴム及び不飽和カルボン酸金属塩を含む水素化ニトリルゴムを含むゴム成分の総量100質量部に対して短繊維を3〜7質量部含む請求項3〜5のいずれか1項に記載の歯付ベルト。
  7. 前記不飽和カルボン酸金属塩を含まない水素化ニトリルゴムは、ヨウ素価が7〜30mg/100mgの範囲の不飽和ゴムである請求項3〜6のいずれか1項に記載の歯付ベルト。
  8. 前記不飽和カルボン酸金属塩を含まない水素化ニトリルゴムは、ヨウ素価が11〜28mg/100mgの範囲の不飽和ゴムである請求項3〜6のいずれか1項に記載の歯付ベルト。
  9. 前記歯部の歯ピッチが8mm〜14mmである請求項1〜8のいずれか1項に記載の歯
    付ベルト。
  10. 前記心線は、下撚り係数が0.65〜1.61であり、且つ、上撚り係数が1.14〜3.61であるラング撚りの炭素繊維コードからなる請求項1〜9のいずれか1項に記載の歯付ベルト。
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