JP2008115419A - 加工性に優れた排気系部品用α型チタン合金材およびその製造方法ならびに該合金を用いた排気装置部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工性に優れた排気系部品用α型チタン合金材およびその製造方法ならびに該合金を用いた排気装置を提供する。
【解決手段】本発明のα型チタン合金は、Al:0.4〜1.5%、Sn:0.5から1.5%、Zr:0.5〜2.0%の1種または2種以上と、Si:0.1〜1.0%、酸素:0.04%以下、Fe:0.06%以下を含むか、またはこれにNb:0.1〜1.5%を含有することを特徴とする。その製造方法は、電子ビーム溶解により製造することを特徴とする。また、上記α型チタン合金が使用されていることを特徴とする排気装置用管または筐体である。
【選択図】なし

Description

本発明は、四輪車、二輪車等の排気装置として使用されるチタン材料に関するものであり、メインマフラー(消音器)部はもとより、700℃以上の高温に曝され、特に耐熱性、耐酸化性が要求されるエキゾーストマニホールド、エキゾーストパイプや触媒マフラー、メインマフラー等の部位に使用可能な軽量かつ耐食性、加工性、耐熱性・耐酸化性に優れたチタン合金と本チタン合金を用いた排気装置に関するものである。
チタン材料は、軽量でありながら高強度で耐食性も良好であることから自動車の排気装置にも使用されている。自動車やバイクのエンジンから排出される燃焼ガスは、エキゾーストマニホールドにより一つにまとめられ、エキゾーストパイプにより車両後方の排気口から排出される。エキゾーストパイプは、途中に触媒マフラーやメインマフラー(消音器)を入れるためいくつかに分割されて構成される。本明細書では、エキゾーストマニホールドからエキゾーストパイプ、排気口までの全体を通して排気装置と称する。
こうした排気装置の素材は、現在、耐食性に優れたステンレス鋼が主に使われているが、車輌軽量化の観点から最近バイクを中心としてチタンも使われるようになってきた。現在使用されているチタン製マフラーの材料は、大部分がJIS2種の工業用純チタンである。排気ガスの温度は、およそ700℃以上と言われており、純チタンは、600℃の温度では通常強度が大きく低下するが、マフラー部分はエンジンの排気ガス出口からは遠い上、外気に触れているため、600℃以上となることは少なく、600℃以上になっても長時間その温度にさらされることはないため、純チタンでも十分に使用が可能であった。
しかし、近年、よりエンジンの排気口に近い部分まで軽量化したいニーズが出てきており、より高温強度の高いチタン合金が求められている。
700℃以上の高温において強度が高いという観点では、Ti−3Al−2.5V合金やTi−6Al−4V合金が適している。
また、特許文献1では、耐高温酸化性および耐食性に優れるチタン合金が提案されている。
特許文献2では、排気系部品など、高温域での特性と冷間での加工性が要求される用途に適した耐熱チタン合金に関する発明が記載されている。
特許文献3では、高温強度およびクリープ強度に優れた耐熱チタン合金に関する発明が記載されている。
特許文献4では、高強度および高靭性が要求される各種部品類用のチタン合金に関する発明が記載されている。
特許文献5では、冷間加工性および耐磨耗性に優れるチタン合金製シューズ用スパイクに関する発明が記載されている。
特開2005−290548号公報 特開2005−298970号公報 特開平2−22435号公報 特開2000−144286号公報 特開2006−34414号公報
しかしながら、上記Ti−3Al−2.5V合金は、室温における強度が強すぎ、成形加工性に乏しいこと、また、700℃付近の温度における酸化増量が大きいこと、冷間加工は可能であるが、耳割れを生じ易く中間焼鈍を何度も行う必要があり加工コストがかかること等の問題があった。また、Ti−6Al−4V合金は、冷間加工が困難で薄板にすることができないため、排気装置用素材として不適当である。
一方、特許文献1に記載の発明は、0.30〜1.5質量%のAlと0.10〜1.0質量%のSiを含むα相が90体積%以上となるα型チタン合金、または、これに0.1〜0.5%のNbを含む合金であるが、これらの合金は、室温における伸びが35%未満と小さく、特に張り出し成形性が要求される形状をもつ排気装置への加工は難しく、設計の自由度が制限されているのが現状である。
また、特許文献2に記載の発明は、質量%で、Cuを0.8〜1.8%、Oを0.18%以下、Feを0.30%以下および0.3%以下の不純物を含む耐熱チタン合金、またはこれに、Sn、Zr、Mo、Nb、Crの少なくとも1種または2種以上を合計で0.3〜1.5%含有する耐熱チタン合金に関するものである。しかし、700℃および800℃における酸化増量が大きく、耐高温酸化性に関して不十分という問題があった。
さらに、特許文献3に記載の発明は、α+β型チタン合金の高温強度を向上させるため、質量%で、Alを5.5〜6.5%、Snを1.5〜3.0%、Zrを0.7〜5.0%、Moを0.3〜3.0%、Siを0.15〜0.50%、Cを0.04〜0.30%、Oを0.16%以下、且つAl+Sn/3+Zr/6を6.5〜8.0%としている。しかし、用途をジェットエンジン用としているため、600℃におけるα相とβ相の2相組織の安定性や、α相とβ相双方の600℃高温強度およびクリープ強度の向上を目的としたα+β型チタン合金に関する発明であり、α型チタン合金の高温における耐酸化性および室温における冷間加工性の向上にかかわる技術開示および技術的示唆はない。
特許文献4に記載の発明は、α+β型チタン合金の強度および靭性を向上させるために、質量%で、Crを4〜10%、Vを10〜24%、Alを2〜6%、Oを0超過〜0.2%、C+Nを0超過〜0.05%を含むことを特徴としている。しかし、用途をゴルフクラブヘッド、シャフト、ボルト、バルブリテーナ等としており、強度および靭性が要求されるα+β型チタン合金に関する発明であり、α型チタン合金の高温における耐酸化性および室温における冷間加工性の向上にかかわる技術開示および技術的示唆はない。
特許文献5に記載の発明は、板状のα+β型チタン合金から構成されるシューズ用スパイクであって、その板状のα+β型チタン合金の冷間加工性および耐磨耗性を向上させるため、Al:1〜6%を含み、更に、Vを0.1〜15%、Moを0.1〜11%、Nbを0.1〜37%、Taを0.1〜45%、Feを0.1〜4%、Crを0.1〜7%、Niを0.1〜9%、Cuを0.1〜13%、Snを0.1〜10%、Zrを0.1〜10%の中から選択された1種以上を含有することを特徴としている。しかし、用途がシューズ用スパイクであり、Oが合金の脆化をもたらすことの記述があるものの、α型チタン合金の高温における耐酸化性および室温における冷間加工性の向上にかかわる技術開示および技術的示唆はない。
そこで、本発明は、700℃以上の高温に曝されるエキゾーストマニホールド、エキゾーストパイプや触媒マフラー、メインマフラー等の部位に使用可能な、高温における高い耐酸化性および優れた冷間加工性を、安定的に発現できる排気系部品用α型チタン合金材およびその製造方法ならびに該合金を用いた排気装置部材を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、Ti−Al−Si三元系チタン合金およびTi−Al−Si−Nb四元系α型チタン合金の室温における加工性、すなわち伸びを向上させるため、酸素、Fe等の不純物元素の効果を調査した。その結果、酸素およびFeの含有量がある値を下回ると室温における伸びが大きく改善することを見出した。
本発明はこのような知見に基づくものであり、その要旨とするところは、以下のとおりである。
(1) 質量%で、Al:0.3〜1.5%、Sn:0.5〜1.5%、Zr:0.5〜2.0%の1種または2種以上と、Si:0.1〜1.0%、酸素:0.04%以下、Fe:0.06%以下を含有し、残部Tiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする、加工性に優れた排気装置用α型チタン合金。
(2) 更に質量%で、Nb:0.1〜1.5%を含有する(1)記載のα型チタン合金。
(3) 電子ビーム溶解により、前記(1)または(2)記載の成分組成に調整して製造することを特徴とする、加工性に優れた排気装置用α型チタン合金の製造方法。
(4) 前記(1)または(2)に記載のα型チタン合金が一部又は全部に使用されていることを特徴とする排気装置部材。
本発明によれば、軽量かつ高温で十分な強度があり、かつ高温における耐酸化性が良好で室温における加工性の良好なα型チタン合金を製造、提供することが可能になり、四輪車、二輪車等の排気装置の軽量化が大きく進み、産業上および環境面の貢献が極めて顕著である。
一般に金属材料の塑性変形はすべり変形によってまかなわれるが、六方晶最密構造をもつα型チタン合金のすべり系は、結晶が連続した粒界を保って変形するために必要なすべり系の数(五つ)に満たないため、双晶変形によって塑性変形する。したがって、双晶変形を生じやすくすることは、α型チタン合金の加工性を向上させることになる。本発明におけるα型チタン合金では、十分な高温強度と耐酸化性を得るため、Alを0.3〜1.5%、Sn:0.5〜1.5%、Zr:0.5〜2.0%の1種または2種以上とSi:0.1〜1.0%を含有する。この中でAlおよびSiは、高温強度と耐酸化性を向上させる効果が大きいが、双晶変形を抑制する。一方、Nbは耐酸化性を向上させるが、双晶変形を抑制しない効果がある。したがって、高温強度と耐酸化性の向上との兼ね合いを考慮しながら、室温において十分な加工性を得るためには、α相の双晶変形を誘起しやすくする成分系とすることが必要である。これに対して、酸素およびFeの影響について注目し、その含有量と室温延性について調査したところ、酸素含有量を0.04%以下、Fe含有量を0.06%以下とすることにより、十分な延性が得られることを見出した。この理由については、必ずしも明らかでないが、α相の双晶変形を抑制する、または、すべり変形を担う転位運動の障害となる酸素および鉄の含有量をそれぞれ、0.04%以下、0.06%以下とすることにより、十分な延性が発揮されるようになったと考えている。酸素は、一般的なチタン材料の溶解法である消耗電極式アーク溶解ではどうしてもあるレベル以上入ってしまい酸素含有量を安定的に0.04%以下とすることは難しいが、電子ビーム溶解法では、溶解時に溶解原料に付着した酸素他の不純物を除去できるため、本発明のチタン合金のような酸素含有量の少ない合金の製造方法として、電子ビーム溶解法とすることが有効である。
本発明のチタン合金は、高温、特に700℃における強度と室温における加工性が良好であること、および700℃以上における耐酸化性を第一の要件としている。高温強度および室温強度の目安は、JIS2種の工業用チタンの700℃における0.2%耐力の1.5倍、すなわち30N/mm2以上、室温における0.2%耐力は310N/mm2以下、かつ室温における伸びが35%以上であることである。耐酸化性の目安は、700℃、200時間加熱で酸化増量が35g/m2以下、かつ、800℃、200時間加熱で酸化増量が60g/m2以下であることである。
請求項1に記載の本発明では、質量%で、Al:0.3〜1.5%、Sn:0.5〜1.5%、Zr:0.5〜2.0%の1種または2種以上と、Si:0.1〜1.0%、酸素:0.04%以下、Fe:0.06%以下を含み、残部チタンと不可避不純物からなることを特徴とする排気装置用チタン合金である。Al、Sn、Zr、Si、酸素、Feの含有量を限定した理由は、以下の通りである。
Al、Sn、Zrの添加量の上下限を定めた理由は以下の通りである。Alの添加量が0.3%よりも少ない場合、及び、Snが0.5%より少ない場合、Zrが0.5%よりも少ない場合、700℃における0.2%耐力が30N/mm2以上とならない。Alが1.5%、Snが1.5%、Zrが2.0%よりもそれぞれ多い場合、室温における0.2%耐力が310N/mm2を超えてしまう。また、Siは0.1%よりも少ないと、700℃、200時間における酸化増量が、35g/m2以下かつ、800℃、200時間における酸化増量が、60g/m2以下とならならず、1.0%より多いと、室温における伸びが35%を下回る。酸素の含有量は0.04%よりも多いと室温における伸びが35%以上とならないため、0.04%以下とした。より好ましくは0.03%以下がよい。Feは高温使用時に結晶粒の粗大化を抑制する元素として有用であるが、含有量が0.06%よりも多いと室温における伸びが抑制され、伸びが35%以上とならない。より好ましい含有量は0.04%以下である。酸素、Feいずれも、含有しなくともよい。本発明のチタン合金製造に使用する原料を厳選することにより、Fe≦0.06%とすることができる。
請求項2でNb:0.1〜1.5%を添加したのは、800℃における耐酸化性を更に向上させるためである。Nb含有量が0.1%以上で、800℃、200時間における酸化増量の更なる減少が得られ、1.5%より多く添加すると効果が飽和する。Nb含有量が0.1%未満では、800℃、200時間における酸化増量は、添加しないものとほとんど変わらない。
請求項3に記載の本発明では、請求項1または2に記載のチタン合金の製造方法として電子ビーム溶解法を用いることを規定した。酸素は、チタンの溶解法として最も一般的な消耗電極式アーク溶解では、溶解原料等に付着した水分等からあるレベル以上入るが、電子ビーム溶解法では溶解原料等に付着した水分を除去した後に溶解作業に入るため、水分由来の酸素が溶融チタン合金に入ることを防ぐことができるので、酸素含有量の少ない本発明のチタン合金を安定的に溶解する方法として、電子ビーム溶解法を選択した。
請求項4に記載の本発明は、請求項1または2に記載のチタン合金を一部又は全部に用いて製造した排気装置部材である。ここで排気装置とは、エキゾーストマニホールド、エキゾーストパイプ、触媒マフラー、メインマフラー(消音器)等を指す。本発明のチタン合金は、JIS2種の工業用チタンに準じた加工性、溶接性を有しているので、JIS2種の工業用チタンに準じた方法により、溶解、圧延、成形が可能であり、冷延焼鈍された薄板を管状や断面が楕円形状等の筒状や箱状に湾曲、成形してTIG溶接し、各パーツを溶接することにより排気装置用管、または筐体等の排気装置部材とすることができる。
以下、実施例を挙げて本発明の構成と作用効果をより具体的に説明する。
表1に示す成分のα型チタン合金を電子ビーム溶解し、鋳造して約10kgの鋳塊とした。これらを850〜900℃に加熱して、熱間圧延し、厚さ約3.5mmの板とした。ショットブラストおよび酸洗後、さらにこれを冷間圧延して、厚さ1mmの板とした。得られた板を真空中で750℃、1時間焼鈍した。これらの供試材からJIS13号Bの試験片を切出し、室温引張試験を行った。また、700℃においてJISG0567に準拠の高温引張試験を行った。高温の酸化試験は20mm×20mmの試験片を表面と端面を#400のサンドペーパーで研磨した後、700℃、または800℃の各温度に大気中に200時間暴露し、試験前後の重量の変化を測定し、単位断面積あたりの酸化増量を求めた。
Figure 2008115419
測定結果を表1にまとめて示す。表1において、No.1からNo.26は、請求項1ないし3に記載の本発明の実施例である。いずれも700℃における0.2%耐力は、JIS2種の工業用チタンの1.5倍、すなわち30N/mm2以上であり、室温における0.2%耐力は310N/mm2以下、かつ室温における伸びは35%以上であった。耐酸化性では、700℃における200時間の加熱での酸化増量は35g/m2以下、800℃における200時間の加熱での酸化増量は60g/m2以下、室温における十分な延性と高温における十分な耐力、かつ高温における優れた耐酸化性を示している。
一方、Al、Sn、Zrの含有量が、それぞれ本発明の範囲を超えるNo.29、30、31および、Si含有量が本発明の範囲を超えるNo.32では、室温の0.2%耐力が、310N/mm2を超え、かつ室温の伸びが35%に満たなかった。また、Si含有量が本発明の範囲を下回るNo.33では、700℃、200h加熱時の酸化増量が35g/m2を超え、800℃、200h加熱時の酸化増量は60g/m2を超えた。チタンの溶解で最も一般的な消耗電極式真空アーク溶解で製造したNo.34、35、37では、酸素含有量が0.06%を超え、700℃における耐力が目標値を超えるが、室温における延性が35%を下回り、十分な加工性を有していない。また、Fe含有量の多いNo.36と40も室温における延性が35%を下回り、十分な加工性を有していない。
また、Vを2.5質量%含むNo.40は700℃における耐力が高く、高温強度の観点で優れているが、室温における延性が不十分であり、かつ700℃、および、800℃における酸化増量が多い。
Al,Si,O,Feの含有量が請求項1の範囲にあり、Nb含有量が不純物レベルであって請求項2の範囲を下回るNo.27は、室温における0.2%耐力が310N/mm2以下、延性が35%以上、700℃における耐力が30N/mm2以上、700℃、200h加熱による酸化増量が35g/m2以下、かつ、800℃、200h加熱による酸化増量が60g/m2以下であるが、Nbを適正範囲含むNo.7に比較すれば、700℃および800℃における酸化増量が多い。また、Al,Si,O,Feの含有量が請求項1の範囲にあるが、Nb含有量が、請求項2の範囲を超えるNo.28は、700℃、および800℃、200h加熱による酸化増量は、Nbを適正範囲含むNo.7とほとんど変わらず、Nbの添加効果は飽和している。
なお、本発明例において、光学顕微鏡試験片として、圧延方向に平行な板厚断面を研磨、エッチングし、観察したところ、全て均質なα単相組織になっており、偏析等による組織の不均質性は認められなかった。すなわち、本発明では、安定した特性が得られたことが、金属組織面からも裏付けられた。
表1のNo.6に示す成分のα型チタン合金を電子ビーム溶解により200kg溶製し、1000℃で粗鍛造して300mm角とした後、さらに900℃で鍛造した後、厚さ100mmのスラブを製造した。次に、850℃で熱間圧延して、厚さ4mmの板とした後、厚さ1mmまで冷間圧延し、750℃1時間の熱処理を施した。
上記薄板を適宜必要な幅で切り出し、外径42.7mm、50.8mm、60.5mmの溶接管を製造、かつ断面形状が長径100mm、短径69mmの楕円の筐体を、同材料から切り出した板とTIG溶接により製造し、エキゾーストマニホールド、エキゾーストパイプ、触媒マフラー、メインマフラー(消音器)の外筒、内筒、内装の一部に用いた排気装置を製造した。製造に当たり、外径42.7mmの溶接管端部に60°の円錐コーンを押し込み、初期直径の1.3倍まで押し広げたところ、溶接部に割れを生じず、良好な押し広げ特性を有するとともに、同溶接管を半径90mmで90°曲げ加工したところ、割れや皺などは生じなかった。
本発明のα型チタン合金は、高温強度が高く、かつ耐酸化性が良好で、室温における優れた延性、冷間加工性を安定的に発現できる、溶接管の製造が従来の純チタン材並に容易であり、四輪者や二輪車等自動車のメインマフラー部はもとより、エキゾーストマニホールド、エキゾーストパイプや触媒マフラー等の排気装置用部材に利用することが可能である。

Claims (4)

  1. 質量%で、
    Al:0.3〜1.5%、Sn:0.5〜1.5%、Zr:0.5〜2.0%の1種または2種以上と、
    Si:0.1〜1.0%、
    酸素:0.04%以下、
    Fe:0.06%以下
    を含有し、残部Tiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする、加工性に優れた排気装置用α型チタン合金。
  2. 更に、質量%で、Nb:0.1〜1.5%を含有する請求項1記載のα型チタン合金。
  3. 電子ビーム溶解により、請求項1または、請求項2記載の成分組成に調整して製造することを特徴とする、加工性に優れた排気装置用α型チタン合金の製造方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載のα型チタン合金が一部又は全部に使用されていることを特徴とする排気装置部材。
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