JP2008114626A - 脱落チェーン装着具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
スプロケットに着脱可能で、スプロケットの長手方向と直行する方向に、チェーンを包み込むように保持するチェーン保持部を有し、前記スプロケットに取り付けられた際前記チェーン保持部に保持されたチェーンが前記スプロケットの外周近傍に位置するように形成された脱落チェーン装着具を前記スプロケットに取り付け、前記スプロケットを回転させる。
【選択図】 図2
Description
このため一般的には、スプロケットから外れているチェーンを前記スプロケットに装着するのは、手作業で行われる場合が圧倒的に多い。
例えば自転車のフロントスプロケットから外れているチェーンを、前記スプロケットに装着する場合、一般的には前記チェーンの一部を前記スプロケット歯に噛み合わせ、前記スプロケットを回転させることで、あとに続くチェーンの部分が順に、前記スプロケットの歯に噛み合っていき、前記チェーンを前記スプロケットに装着させるという方法がとられている。
例えば、自転車のフロントスプロケットから外れているチェーンを前記チェーンに装着する場合、順回転で前記チェーンを装着するには、まず前記スプロケットの上部に前記チェーンの一部をかみ合わるのだが、前記チェーンはたいてい前記スプロケットを軸支している車軸付近まで落ち込んでいるため、前記チェーンを前記スプロケットの歯のあるスプロケットの外周部まで引き上げながら、前記スプロケットの歯に噛み合わせる作業をやらなければならず、前記チェーンを前記スプロケットの歯にかみ合わせ損なうと、前記チェーンはまた、前記車軸付近にまで落ち込んでしまい、同じ作業をやり直すことになり、不便である。
また、逆回転でフロントスプロケットにチェーンを装着する作業もやりにくい場合が多い、前記スプロケットの下部に前記チェーンをかみ合わせて、前記スプロケットを逆回転させても前記チェーンは、重力等によって外れて落ちてしまうので、前記チェーンが外れないように支えながら、前記スプロケットを逆回転させる必要があるが、前記チェーンがはずれないように直に手で支えると、チェーンに触れる時間が多くなり、手がよごれやすいし、やりにくく不便である。
また、前記課題を解決するため本発明の別の形態では、本発明をスプロケットに取り付けたあと回転させることで前記スプロケットから外れているチェーンを前記スプロケットの歯の側面かまたは前記歯の側面近傍に位置させることにより、あとは、前記チェーンの一部を前記スプロケットの歯に噛み合わせ前記スプロケットを回転させるだけで前記チェーンを前記スプロケットに装着する事ができるようにする。
請求項1の発明は、スプロケットから脱落したチェーンを装着する脱落チェーン装着具であって、スプロケットの側面に設けられた孔に係止される係止部と、チェーン長手方向と直行する方向に、チェーンを包み込むように保持するチェーン保持部と、一端が前記係止部と連結され、他端が前記チェーン保持部と連結された結合部とを有し、前記結合部は、前記係止部が前記孔に係止された状態で、前記チェーン保持部に保持されたチェーンが前記スプロケットの外周近傍に位置するように形成されたことを特徴とする脱落チェーン装着具である。
この為、前記スプロケットから外れたチェーンの一部を前記スプロケットと噛み合わせた際、前記スプロケットと噛み合わせたチェーンの一部を前記チェーン保持部で保持すると同時に前記係止部を前記スプロケットの側面に設けられた孔に係止させる事で、前記チェーンの一部が前記スプロケットと噛み合った状態で保持され、その後、前記スプロケットを所定の方向に回転させる事で前記スプロケットの回転と共に、前記チェーンの他の部分も順に前記スプロケットに噛み合っていき、前記チェーンを前記スプロケットに完全に装着する作業が可能となる。
この為、本発明を前記スプロケットに取り付けることで、前記脱落しているチェーンが絡まってしまう事を防止する事ができると共に、前記スプロケットから脱落したチェーンの一部を前記スプロケットに噛み合わせる際、本発明を前記スプロケットに取り付けて、前記スプロケットを回転させることで、前記チェーン保持部に保持されたチェーンを、前記スプロケットの歯の側面か、または側面近傍に位置させることが出来る。これにより、前記チェーンを前記スプロケットに噛み合わせる作業が簡単になり、前記チェーンを前記スプロケットに噛み合わせたあと、前記スプロケットをさらに回転させるだけで、前記チェーンを前記スプロケットに完全に装着することが出来る。
前記係止部は、前記結合部と連結された部分から前記スプロケットの側面に設けられた孔に向かってまっすぐのびた形状でもよい。
前記係止部は、外側にふくらんだ円弧状の形状でもよい。
本請求項の発明をスプロケットに取り付ける手順は、前記スプロケットに噛み合わせた部分のチェーンを前記チェーン保持部が保持した状態を保ちながら、前記係止部を前記孔に係止させるという手順で行うため、前記スプロケットと前記チェーンが噛み合った部分を中心軸として、前記係止部は、円弧を描いて前記孔に入っていくため、前記係止部の円弧の形状が前記係止部が前記孔に入る際描く円弧と一致していると、前記係止部を前記孔に係止させやすくなり便利である。
また、前記係止部は、略L字型の形状でもよい。
前記係止部が前記結合部と、略直角に結合されていることにより、スプロケットに設けられた孔に係止する作業が、やりやすくなり、前記スプロケットへの着脱が容易になる。
請求項3の発明も、請求項1の発明と同様、前記チェーン保持部が、前記スプロケットから脱落したチェーンを前記スプロケットと噛み合った状態で保持するように形成される場合と、前記チェーン保持部が、前記スプロケットから脱落したチェーンを前記スプロケットの歯の側面か前記側面近傍に位置するように、形成される場合のふたつの形態がある。
また、前記磁石部は、磁力によって前記スプロケットの側面に取り付けることが出来るため、前記スプロケットに対して、請求項1の発明よりも簡単に前記スプロケットに対して着脱可能である。
本請求項の発明は、前記チェーン保持部に保持されたチェーンが、前記スプロケットの歯と噛み合った状態で保持するように形成されることで、本請求項の発明を磁力により前記スプロケットに取り付けた際、前記チェーンと前記スプロケットを噛み合った状態で保つ事が出来るものである。
前記チェーン保持部が、磁力により、前記スプロケットと噛み合わせた前記チェーンに取り付けられる事で、前記チェーン保持部に保持されたチェーンが前記スプロケットと噛み合った状態を、スプロケット外径方向の外側から支えることが出来る。
また、前記コの字形状の対向する両側の部分のうち少なくとも片方が、磁力を有し、スプロケット側面に接するように形成された場合、前記スプロケットに接する部分が磁力によって前記スプロケットの側面に取り付けられる事で、本請求項の発明を前記スプロケットに着脱可能にする事ができる。
請求項5の発明も、請求項1の発明と同様、前記チェーン保持部が、前記スプロケットから脱落したチェーンを前記スプロケットと噛み合った状態で保持するように形成される場合と、前記チェーン保持部が、前記スプロケットから脱落したチェーンを前記スプロケットの歯の側面か前記側面近傍に位置するように、形成される場合のふたつの形態がある。
前記チェーン保持部がコの字形状である場合、前記コの字形状の対向する両側の部分は弾性変形により前記チェーンを挟み持つことが出来る。
また、前記対向する両側の部分が外力により外側に変形し、外力がなくなると復元する場合、前記チェーン保持部は、前記チェーンを挟み持ったままその状態を保つ事が出来る。
また、前記対向する両側の部分のうち、少なくともどちらか片側が外力によって内側に変形し、外力がなくなると復元するのが好ましい。
これにより、スプロケットから脱落したチェーンの一部を前記スプロケットの歯に噛み合わせる際、前記チェーンを直に手でつかむと、手が汚れてしまい不便だが、前記対向する両側の部分が内側に変形する事で前記チェーンを前記チェーン保持部の対向する両側の部分越しにつかめるため、手を汚すこと無くチェーンをはさんで動かし、前記スプロケットに噛み合わせる事ができるので便利である。
この為、前記結合部は、前記チェーン保持部に保持されたチェーンと前記スプロケットとを、前記スプロケットから前記チェーンに力を伝達できる範囲内の距離で保つように、形成されていれば、前記チェーンを前記スプロケットに装着する作業は可能であり、必ずしも、前記チェーン保持部の保持するチェーンと前記スプロケットとは、完全に密着して噛み合った状態で保持されていなくともよい。
また本発明の脱落チェーン装着具は外側に取っ手を設けると、前記取っ手をもつことができるので、スプロケットに着脱する作業が簡単になり、便利である。
まずこの形態の脱落チェ−ン装着具について説明する。
以下、脱落チェーン装着具の実施例を、図面を参照して説明する。
そして、自転車の前方を向いた時の右側を自転車右側、その反対側を自転車左側とする。
また、これから述べる脱落チェーン装着具は、自転車のフロントスプロケットで外れているチェーンに適用した例として説明する。
まず、図1には、自転車の概略が示されている。同図においては、チェーン2はフロントスプロケット1に装着された状態になっている。
次に、この脱落チェーン装着具が前記フロントスプロケットに取り付けられた状態を示す為、図3に、フロントスプロケット1付近を自転車左側から見た拡大図を示す。チェーン2は、前記スプロケット1から外れ、垂れ下がっている。自転車のチェーンは、周知のようにコマが連結され、輪になっており、上側にあるチェーンのコマ部2aから順にコマ部2kまで連結され、さらに自転車後方へとコマが連結されている。そして、前記スプロケットに取り付けられた脱落チェーン装着具3が、前記チェーンのコマ部2jと、フロントスプロケット1の歯とを噛み合わせた状態で、保持している。
次に、図3または図4の切断線A−A'を矢印S及びS'方向から見た断面図を図5に示す。係止部3aが前記スプロケットに設けられた孔に係止され、チェーン保持部3eが前記コマ部2jを包み込むように保持し、前記コマ部2jと前記スプロケット1が外れないように、両者が噛み合った状態で保っている。図に示したチェーンとスプロケットは少しあそびをもって噛み合っている。
ちなみに、この状態から前記スプロケットを回転させれば前記チェーンが前記スプロケットに装着できるのだが、詳しくは後述する。
図2または、図5に示すようにこの脱落チェーン装着具3は、スプロケット側面に設けられた孔に係止される係止部3aと、チェーンの長手方向と直行する方向にチェーンを包み込むように保持するチェーン保持部3eと、一端が前記係止部と連結され、他端が前記チェーン保持部と連結された結合部3dとを有し、前記結合部は、前記係止部が前記孔に係止された状態で、前記チェーン保持部に保持されたチェーンと前記スプロケットとを、噛み合わせた状態で保持するように形成されたことを特徴とする。
さらに本実施例の脱落チェーン装着具についてくわしい特徴を、以下に挙げる。図5および図6を参照されたい。
スプロケットから外れているチェーンを前記スプロケットに噛み合わせる際、前記チェーンを直に手でつかむと手が汚れてしまうが、前記チェーン保持部越しに前記チェーンをつかめば、手を汚す事無く前記チェーンを前記スプロケットに噛み合わせる作業が出来、便利である。
このため、前記チェーン保持部で保持されたチェーンのコマ部を前記スプロケットの歯に噛み合わせたあと、前記係止部を前記孔に係止させると、この脱落チェーン装着具は、前記スプロケットから重力によって落ちる事が無いので、前記スプロケットに取り付けることが可能となる。さらに前記係止部は、前記結合部と略直角に連結し、前記孔に向かってまっすぐのびているため、前記係止部を前記スプロケットの孔に係止する際、図7に示すように前記孔に前記係止部3aをさしいれる作業がやりやすく、加えて、係止された状態を保つのにも適している。
本来、自転車のスプロケットの下部に外れたチェーンの一部を噛み合わせて前記スプロケットを逆回転させても、重力によって前記チェーンは前記スプロケットから外れ、落ちてしまう為、回転中に外れないように手で支える必要があるが、図3及び図4で示めすように脱落チェーン装着具が前記スプロケットの孔に取り付けられている場合、前記スプロケットの回転中も、前記チェーンと前記スプロケットとを噛み合ったまま保つ事が出来るため、あとは前記スプロケットを逆回転させるだけで前記チェーンを前記スプロケットに装着できる。
そこで、前記スプロケットに着脱可能な道具を用い、前記チェーンのコマ部の少なくとも1つと、前記スプロケットの歯の少なくともひとつとを噛み合わせた状態で保持すれば、前記スプロケットを回転させることにより、前記スプロケットの回転と共に、前記チェーンの他のコマ部が順に前記スプロケットの歯に噛み合っていき、前記チェーンを前記スプロケットに装着することが可能になる。
以下、前記スプロケットの左側にしゃがんで脱落したチェーンの装着作業を行う場合の手順を説明する。
また、自転車のフロントスプロケットにチェーンを装着する作業は順回転より逆回転で行うほうがやりやすいため逆回転で装着する場合で説明するが順回転で装着してもよい。
このとき、図6に示したように前記チェーンのコマ部2jを、前記コの字形状をしたチェーン保持部3eの内側に収容し、前記チェーンを前記チェーン保持部で挟み持つ。
前述のように、前記チェーン保持部は、弾性体からなり、前記対向する部分の片側3e1が外力によって変形するので、前記チェーンを前記チェーン保持部越しに手で挟み持つことができ、前記チェーンに手で直に触れる事無く脱落しているチェーンを動かし、前記スプロケットに噛み合わせる事ができる。
また、ここまでの作業で、前記チェーンに直に手で触れることはない。
これにより、図3または図4に示すように、前記チェーン保持部が保持しているチェーンが前記スプロケットの歯と噛み合ったまま保った状態で脱落チェーン装着具を前記スプロケットに取り付けることができる。
前記スプロケットが逆回転すると、回転と共に前記チェーンの他のコマ部も順に前記スプロケットの歯と噛み合っていき、前記チェーンを前記スプロケットに完全に装着することが出来る。
脱落チェーン装着具が取り付けられた部分は、前記スプロケットの回転と共に、円弧を描いて上昇していくが、スプロケットの最上部近傍に位置したら前記脱落チェーン装着具を取り外す。前記係止部を前記孔から抜いて外し、前記チェーン保持部を前記チェーンから、取り外せばよい。
そして、前記脱落チェーン装着具を取り外したあと、さらに逆回転させて、前記チェーンの装着を確実にする。
あそびをもって噛み合った状態のあそびの許容範囲は、前記スプロケットの回転時、前記チェーンのローラー部と前記スプロケットの歯が接し、前記スプロケットから前記チェーンに力を伝達可能な範囲内である。前記スプロケットを回転させた際、前記スプロケットの歯が、前記チェーンのローラー部と接し、前記スプロケットから前記チェーンに力が伝達され、前記スプロケットの回転と共に、前記チェーンを回転させる事が出来れば、前記チェーンのあとに続く部分も順に前記スプロケットの歯に噛み合っていく為、前記チェーンを前記スプロケットに装着することができるからである。
まず、前記係止部の別の形状を挙げる。
前記係止部は、スプロケットの側面に設けられた孔に出し入れでき、係止可能な形状であればよいので、図8に示した脱落チェーン装着具の立体図の係止部3aに示すように、略L字形状でもよい。また図8の脱落チェーン装着具がスプロケットに取り付けられた状態の断面図を図9に示す。
また、図12の脱落チェーン装着具の立体図と図13の断面図に示すように、前記係止部3aは、前記孔の縁部の断面に略対応した断面コの字形状を有し、その縁部の断面に前記係止部が、はめ込まれることによって、係止できるように形成してもよい。さらに、前記係止部は、前記孔から前記スプロケット両面を挟みこむ弾性体にしてもよい。
前記チェーン保持部は、脱落チェーン装着具が前記スプロケットに取り付けられた際、前記チェーンの一部と前記スプロケットが噛み合った状態で保てるよう、前記チェーンを外側から保持できる形状であればよいので、図8の脱落チェーン装着具の立体図のチェーン保持部3eのように略L字形状でもよい。またこの形状のチェーン保持部を有する脱落チェーン装着具がスプロケットに取り付けられた状態の断面図はすでに図9に示したとおりである。
また、前記チェーン保持部は、図10または図11に示した脱落チェーン装着具のチェーン保持部3eのように、チェーンの長手方向と直行する方向から、チェーンを包み込むように保持するU字形状でもよい。
また、前記チェーン保持部がコの字形状のような両側に対向する部分を有する形状の場合、前記チェーン保持部を弾性体にするのが好ましい。
また、前記対向する両側の部分のうち少なくとも片方が外力により外側に変形し、外力がなくなると復元するようにしてもよい。
この場合、前記チェーン保持部は、前記チェーンを挟み持つと、その状態を保つ事が出来る。
また、前記チェーン保持部は、外部から視認可能な透明状にしてもよい。これにより、前記チェーン保持部の内部に保持されたチェーンと前記スプロケットの歯が噛み合っているかどうかを外部から視認でき、便利である。
前述した係止部は、脱落チェーン装着具を前記スプロケットに着脱可能にする為に、前記スプロケットの側面に設けられた孔を利用するが、これとは別に磁力により、前記スプロケットの側面に磁石を取り付けることで着脱を可能にすることもできる。
そこで、前記係止部に変えて、前記スプロケット側面に磁力によって取り付けられる磁石部を有する脱落チェーン装着具について以下に述べる。
図16は、前記磁石部3bを有する脱落チェーン装着具の立体図である。前記係止部を有する脱落チェーン装着具と異なる点は、前記係止部3aが無く、代わりに前記磁石部3bが結合部3dに連結されていることである。
次に同図において脱落チェーン装着具が前記スプロケットに取り付けられた状態の切断線B−B'の断面を矢印TおよびT'方向から見た断面図を図18に示す。同図にしめすように、前記磁石部3bが前記スプロケット1の側面に磁力によって着き、取り付けられている。
また、この磁石部を有する脱落チェーン装着具は、前記磁石部を前記スプロケットの側面に近づけると、前記磁石部が磁力により前記スプロケットの側面に着くため、前記係止部を前記孔に係止させるより簡単に取り付けることが出来、便利である。
また、この磁石部を有する脱落チェーン装着具は、前記スプロケットの側面の取り付け位置を変えることで、前記チェーン保持部が保持するチェーンを前記スプロケットの歯と、より厳密に噛み合った状態で保つよう調節する事が可能である。
図20は、前記吸盤部を有する脱落チェーン装着具が前記スプロケットに取り付けられた状態を示す断面図である。同図にしめすように、この脱落チェーン装着具は前記係止部や、前記磁石部が無く、代わりに前記吸盤部3cが前記結合部3dに連結されている。そして、前記吸盤部が前記スプロケット1の側面に吸着して取り付けられている。
この吸盤部を有する脱落チェーン装着具の前記スプロケットへの取り付け方法は、前記結合部に連結された吸盤部の吸盤を前記スプロケットに押し付け、吸着させればよい。これにより、重力などによって前記スプロケットから外れる事無く、前記チェーンと前記スプロケットとを噛み合ったまま保つ事が出来る。
これまで述べてきたチェーン保持部3eが磁力を有することで、前述の結合部や係止部や磁石部や吸盤部がなくとも、前記チェーン保持部のみで、チェーンの一部とスプロケットとを噛み合わせた状態で保つ事が出来る。
一例として図24にこの場合の脱落チェーン装着具の斜視図を示す。
つぎに、この脱落チェーン装着具を前記スプロケットに取り付けた状態を示す断面図を図25に示す。
同図に示すように、磁力を有する前記チェーン保持部3eが、前記スプロケット1との間に前記チェーン2jを挟んだ状態で前記スプロケットと引き合う事により、前記チェーンと前記スプロケットとを噛み合わせた状態で保っている。
図27は板体の前記チェーン保持部を有する脱落チェーン装着具の立体図である。図26の脱落チェーン装着具の曲面と同じようにコマ部の形状に略対応した曲面を有している。次に、この脱落チェーン装着具が、前記チェーンと前記スプロケットとを噛み合わせたまま保った状態を示すため、図28に自転車左方向から見た前記スプロケットの外周部付近の拡大図を示す。前記チェーン保持部3eが磁力により、前記チェーンのコマ部2jと前記スプロケット1をかみ合った状態で保持している。
なお、本発明である脱落チェーン装着具は、外側に取っ手を有するのが好ましい。一例として図29に取っ手3fのついた脱落チェーン装着具を示す。取っ手がある事で脱落チェーン装着具が持ちやすくなり、スプロケットへの着脱作業がより簡単になる。
また、この場合のチェーン保持部及び結合部を有する脱落チェーン装着具が係止部を有する場合、前記係止部は、前記スプロケットの両面を挟み込む断面コの字形状の弾性体を有し、外力によって対向する両側が外側に開き、外力がなくなると復元するように形成されるものとする。
また、この場合の脱落チェーン装着具は複数個使う場合と1つだけ使う場合の2種類がある。
まず、この脱落チェーン装着具をひとつだけ使用する場合について説明する。
まず最初に、この脱落チェーン装着具を前記スプロケットの下部の後方に取り付ける。前記係止部が、スプロケットに設けられた孔からスプロケット両面を挟み込むことで係止させて取り付ける。
次に、同図の切断線C−C'の断面を矢印UおよびU'方向から見た断面図が図32である。同図に示すように、前記係止部3aが前記スプロケットの側面に設けられた孔から前記スプロケットの両面を挟み込むことで取り付けられている。
これにより、前記スプロケット車軸付近に落ち込んでいた前記チェーンは前記スプロケットの歯の側面まで移動し、あとは前記スプロケットの歯に前記チェーンを噛み合わせ、前記スプロケットをさらに順回転させるだけで前記外れていたチェーンを前記スプロケットに装着する事が可能となる。
前記結合部は、図35に示すように、前記チェーン保持部が保持するチェーンを、前記スプロケットの歯の側面の位置より、スプロケット中心方向(矢印I)に位置するよう形成してもよい。しかし、前記チェーン保持部は前記チェーンをスプロケット中心方向に位置するように形成すればするほど、前記チェーンを前記スプロケットに噛み合わせる際、前記チェーンを手で動かさなくてはいけない距離が長くなる為、好ましくはない。
スプロケットの周辺に、なんらかの部品があることにより、その部品と前記スプロケットの間をチェーンが通り抜ける際、引っ掛かりが生じ、外れたチェーンを装着する作業がやりにくくなる場合がある。このような場合に、前述の脱落チェーン装着具を複数個、使用することで、前記チェーンを装着する際、前記チェーンが当たって引っかかることを防ぐ為に使うことができる。
例えばチェーンケースステーの付いている自転車のフロントスプロケットの車軸付近には自転車左側に、前記チェーンケースステーと前記スプロケットとの間隔が狭い部分があり、その間を前記チェーンが通りにくい場合が多い。
そして同図に示した切断線E−E'の切断面を矢印の方向からみた断面の拡大図が図38である。図38の矢印Wが示すように前記スプロケットの車軸10の付近以外の部分では前記スプロケット1と前記ステー5との間隔は広いのだが矢印Nが示すように車軸付近では前記スプロケットと前記ステーの間隔が狭く引っ掛かりがおこりやすい。
力ずくで前記スプロケットをまわせば、前記チェーンをはめることは出来るが、前記チェーンや前記スプロケットが傷つくことにもなり、この不具合が、自転車のチェーンをはめる作業の中でも最も困難な問題といえる。
前記チェーンが完全に外れている場合、前記チェーンが前記スプロケットと前記ステーの間を通り抜ける際、引っかからず通り抜けられるのは、図38に示すように前記スプロケット1と前記チェーンのプレート部2pが平行な位置関係で保つ事ができるからである。
しかし、前記チェーンの一部を前記スプロケットに噛み合わせた場合、図39に示すように前記チェーンは前記チェーンの一部が噛み合ったことによって車軸付近にあるチェーン2が前記スプロケット1に対して傾き、前記チェーンのプレート部2pと前記スプロケットが傾いた位置関係になるため、前記チェーンが前記スプロケットと前記ステー5の間を通り抜ける際、引っ掛かってしまう。このためチェーンケースステーのある自転車ではチェーンを装着する際、前記ステー5と前記スプロケット1の間で引っ掛かりが多発するようだ。
そして、前記チェーンが前記スプロケットに完全に装着されたら、脱落チェーン装着具をとりはずし、作業は完了である。
前記チェーン保持部の前記チェーンと接している面が、前記歯底円直径を円の外側に超えた場合、前記スプロケットを回転させる際、前記チェーンが前記スプロケットと噛み合うのを妨げ、前記チェーンのテンションを不必要に強める可能性があるので、好ましくはない。
3a 係止部
3b 磁石部
3c 吸盤部
3d 結合部
3d1 結合部の弾性変形する部分
3e チェーン保持部
3e1 チェーン保持部の対向する部分の片側
3f 取っ手
3g 結合部と係止部の連結部分
Claims (6)
- スプロケットから脱落したチェーンを装着する脱落チェーン装着具であって、スプロケット側面に設けられた孔に係止される係止部と、チェーンの長手方向と直交する方向に、チェーンを包み込むように保持するチェーン保持部と、一端が前記係止部と連結され、他端が前記チェーン保持部と連結された結合部とを有し、前記結合部は、前記係止部が前記孔に係止された状態で、前記チェーン保持部に保持されたチェーンが前記スプロケットの外周近傍に位置するように形成されたことを特徴とする脱落チェーン装着具。
- 係止部は、結合部と略直角に結合されたことを特徴とする請求項1記載の脱落チェーン装着具。
- スプロケットから脱落したチェーンを装着する脱落チェーン装着具であって、スプロケットの側面に磁力により取り付けられる磁石部と、チェーン長手方向と直交する方向に、チェーンを包み込むように保持するチェーン保持部と、一端が前記磁石部と連結され、他端が前記チェーン保持部と連結された結合部を有し、前記結合部は、前記磁石部がスプロケットの側面に取り付けられた状態で、前記チェーン保持部に保持されたチェーンが前記スプロケットの外周近傍に位置するように形成されたことを特徴とする脱落チェーン装着具。
- スプロケットから脱落したチェーンを装着する脱落チェーン装着具であって、チェーンの長手方向と直交する方向に、チェーンを包み込むように保持する断面コの字形状のチェーン保持部を備え、前記チェーン保持部は、前記チェーン保持部に保持されたチェーンが前記スプロケットの外周近傍に位置するようにスプロケットの側面に磁力により取り付けられることを特徴とする脱落チェーン装着具。
- スプロケットから脱落したチェーンを装着する脱落チェーン装着具であって、スプロケットの側面に吸着する吸盤を有する吸盤部と、チェーン長手方向と直交する方向に、チェーンを包み込むように保持するチェーン保持部と、一端が前記吸盤部と連結され、他端が前記チェーン保持部と連結された結合部を有し、前結合部は、前記吸盤部がスプロケットの側面に吸着された状態で、前記チェーン保持部に保持されたチェーンが前記スプロケットの外周近傍に位置するように形成されたことを特徴とする脱落チェーン装着具。
- 前記チェーン保持部は、弾性体からなることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項記載の記載の脱落チェーン装着具。
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