JP2008113636A - 大豆たん白含有液状食品 - Google Patents

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瑞生 寺尾
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Abstract


【課題】大豆粉末、脱脂大豆粉末、大豆乳、豆乳、分離大豆たん白等の大豆たん白素材を原料とし、含塩調味料等で味付けされたおかず風の液状食品であって、製造時の加熱や家庭での再加熱の際に、凝集物の発生が抑制されたことを特徴とする、風味良好な大豆たん白含有液状食品の提供。
【解決手段】大豆たん白素材及び含塩調味料を含む、塩味を有するおかず風の液状食品の調製において、該食品中の大豆粗たん白中の11Sたん白含量を30重量%未満とすることで、製造時、喫食時、あるいは再加熱の際に凝集物の発生が抑制された風味良好な大豆たん白含有液状食品の提供を可能とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、大豆たん白素材と含塩調味料を含む液状食品であって、調理,殺菌等の加熱処理を施す際に、あるいは家庭等で再加熱した際に、凝集物の発生が抑制されたことを特徴とする大豆たん白含有液状食品に関する。
昨今、消費者の健康志向の高まりにつれ、良質の植物性蛋白であり各種ビタミン,脂質等良質の栄養組成に恵まれた大豆が非常に注目されている。従って豆乳や大豆乳、あるいは分離大豆たん白等の大豆たん白素材を利用した各種食品の開発も盛んに行われており、飲料,製菓製パン,冷菓,惣菜等で多くの製品が世に出されている。その中に豆乳を使用したポタージュスープやシチューや鍋のベース,つゆ等の塩味を有したおかず風味の大豆たん白含有液状食品も、大豆特有の風味とコクを有し美味であることが知られている。
しかし、豆乳を使用してこうした塩味あるおかず風味の液状食品を製造する際、加熱殺菌の工程で、大小もろもろの凝集が数多く発生し、外観やテクスチャーの面で好ましくないものとなるという課題があった。こうした現象は従来牛乳を主体として作るシチューやスープ等の液状食品では起こらず、あくまでも原材料として豆乳と食塩等を含有する調味料を併用する場合に限って生じる。すなわち調味料に含まれるNaイオンやKイオン、野菜に含まれるCaイオンやMgイオン等が、大豆たん白の凝集を促進するためと考えられている。
特許文献1には、豆乳,食塩含有調味料および野菜を基材として液状食品を調製し、これを105℃〜155℃で高温加熱し、該高温加熱と同時に、あるいは該高温加熱の後に均質化することで、喫食事における加熱の際に凝集物の発生を抑える方法が記載されている。しかしこの方法は工程が煩雑であり、また均質化を要するため微細化された材料でしか液状食品が製造できず、肉,野菜等の固形物を加えて一度にすべての処理を行うことはできない。
また、同様な豆乳ベースの液状食品に、重曹等のpH調整剤を加熱前に添加しpHをアルカリ側に調整することによって、凝集を抑制する方法も知られているが、豆乳の濃度が高くなれば、pH調整剤の添加量も多くなるため、風味,色調を損なってしまう。
特開昭59−227261公報
本発明は、含塩調味料と大豆たん白素材を含有し、加熱による凝集物の発生しないことを特徴とする、大豆たん白含有液状食品を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題の解決のために、多種多様な大豆たん白素材を用いて、様々な配合で大豆たん白含有液状食品を調製し、鋭意研究を重ねた結果、ついに含塩調味料を用いて調味しても加熱により凝集を起こさない大豆たん白含有液状食品の調製に成功した。本発明者らはさらに検討を重ね、大豆たん白の主要構成成分であるグリシニン(以下11S蛋白質と略す)とβ‐コングリシニン(以下7S蛋白質と略す)のうち、11S蛋白質の割合を低下させた大豆たん白素材を用いることで、該大豆たん白素材を含む液状食品が、含塩調味料で調味されても、加熱による凝集が極めて良好に抑制されるとの知見を得た。さらに大豆たん白含有液状食品中の大豆粗たん白の好ましい含量、アルカリ金属イオン濃度の範囲についても明らかにし、ついに本発明を完成させた。すなわち本発明は、
(1)含塩調味料と大豆たん白素材を含む加熱調理済みの液状食品であって、大豆粗たん白中の11S蛋白質含量が低減されていることを特徴とする、大豆たん白含有液状食品。
(2)大豆粗たん白中の11S蛋白質含量が30重量%未満であることを特徴とする、(1)に記載の大豆たん白含有液状食品。
(3)該食品中のアルカリ金属イオン含量が1kg当たり150〜1200m moleである、(1)記載の大豆たん白含有液状食品。
(4)大豆粗たん白含量が0.1〜5.0重量%である、(1)記載の大豆たん白含有液状食品。
(5)大豆粗たん白中の7Sたん白含量が25重量%以上である、(1)記載の大豆たん白含有液状食品。
(6)7S蛋白質と11S蛋白質の合計に対する、11S蛋白質の割合が50重量%以下である、(1)記載の大豆たん白含有液状食品。
を提供するものである。
本発明は、塩を含むにも関わらず、加熱による凝集物が発生し難いことを特徴とする、風味良好な含塩調味料等で味付けされた大豆たん白含有液状食品を提供するものである。
本発明における大豆たん白含有液状食品は、大豆たん白素材と含塩調味料を含む液状食品であり、該大豆たん白素材の大豆粗たん白中の11S蛋白質が低減され、加熱による凝集が抑制されることを特徴とする。さらには該大豆たん白素材の大豆粗たん白中の11S蛋白質含量が30重量%未満であって、アルカリ金属イオンの該食品中の含量が1kg当たり150〜1200m moleの加熱されてなる液状食品であり、塩味を有するおかず風の液状食品である。具体的にはスープやシチュー,鍋等のベース,つゆ等が例示される。
通常、大豆たん白含有液状食品の原料として使われる大豆たん白素材である豆乳の、大豆粗たん白含量中の11S蛋白質含量は30〜40重量%程度、7S蛋白質含量は13〜22重量%程度である。こうした豆乳を含塩調味料で調味したおかず風味の液状食品は、大豆粗たん白含量が2重量%程度であっても加熱により凝集が生じてしまう。
本発明における大豆たん白含有液状食品は、大豆粗たん白当たりの11S蛋白質が低減されていることが必要であり、好ましくは、大豆粗たん白当たりの11S蛋白質含量が30重量%未満のものであり、更に好ましくは25重量%未満のものである。このような低11S蛋白質含量の大豆たん白素材を用いると、食品中の大豆粗たん白濃度が高くなっても凝集が起こりにくい。
大豆粗たん白当たりの11S蛋白質含量が30重量%未満の大豆たん白素材を得るには、育種や遺伝子操作により、11S蛋白質を一部欠損した大豆種子、11S蛋白質を全部欠損し7S蛋白質に富んだ大豆種子(Breeding Science,46,11,1996)、或いは、7S蛋白質と11S蛋白質を全て欠失した大豆種子等を出発原料として、上記大豆たん白素材を調製することができる。
または、大豆や大豆たん白等の大豆原料から、7S蛋白質,11S蛋白質を分画する技術が応用できる。すなわち、全脂大豆,脱脂大豆等の大豆たん白を含有する出発原料から、7S蛋白質と11S蛋白質に分画し、11S蛋白質含量の低い7S蛋白質を得る。こうして得られた7S蛋白質をそのままで、或いは分画しない大豆たん白素材と混合することで、大豆粗たん白中の11S蛋白質の含量を低下させることができる。7S蛋白質と11S蛋白質を分画する方法は、従来公知のものを特に制限なく用いることができる。中でも工業的規模での製造を可能とする特許文献A(WO00/58492)、特許文献B(WO02/28198)、特許文献C(WO04/043160)に記載の方法が好ましい。
該大豆たん白素材は、大豆粗たん白当たりの11S蛋白質含量が低減されている限り、その種類は問わず、大豆粉,脱脂大豆粉,大豆乳,豆乳,脱脂豆乳,濃縮大豆たん白,分離大豆たん白等を単独で或いは混合したもの等のいずれであっても良い。また液状,スラリー,粉体のいずれであっても良く、それらの形態も問わない。
尚、本発明における粗たん白の定量は、ケルダール法により行なう。また、大豆粗たん白の定量は、エライザ法により測定でき、例えば、Pepnel社のSoya protein assay kit等が利用できる。7S蛋白質,11S蛋白質の定量は、[J. Agric. Food Chem.. 1987, 35, 200-205]に記載の方法等により精製した7S蛋白質,11S蛋白質について、[J Nutri Sci Vitaminol, 51, 34-39, 2005]に記載の方法でポリクローナル抗体を作成し、これらを用いたエライザ法により測定する。
あるいは、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気移動法により、7S蛋白質,11S蛋白質の定量を行なうこともできる。Laemmli(Nature, 227, 680 (1970))の方法に基づき、ゲル濃度10〜20%のグラディエントゲルで分析し、クマシーブリリアントブルーにて染色した後、得られた泳動パターンをデンシトメーターで測定し、その全体に対する該当画分の面積比率を純度とした。ここに7S蛋白質含量はα,α',βサブユニットの総量を指し、11S蛋白質の含量は酸性ポリペプチド(A)と塩基性ポリペプチド(B)の総量を指す。
本発明におけるアルカリ金属イオンとは、主にナトリウムイオンおよびカリウムイオンであり、含塩調味料,大豆たん白素材由来,その他の副原料に由来するものを全て含むが、主には含塩調味料に由来する。含塩調味料とは、アルカリ金属塩を含む調味料である。食塩,畜肉エキス,魚肉エキス,醤油,ソース等が例示される。これら含塩調味料は大豆たん白含有液状食品の所望の風味に応じて、適宜使い分けることが可能である。参考までに「五訂 食品成分表 第一出版」によれば、無調整豆乳(大豆粗たん白含量が3.6重量%、固形分9.2重量%)の可食部1kg中のNaイオンの含量は20mg、Kイオンの含量は1,900mgであり、各々0.9m mole、49m moleとなる。
本発明の大豆たん白含有液状食品は含塩調味料を含み、そのアルカリ金属濃度は食品1kg中に150m mole以上、好ましくは200m mole以上である。本発明の食品は、適度な塩味を有するものであることからも、150m mole以上であるのが好ましい。アルカリ金属イオンの含量が低い場合は、加熱による大豆たん白含有液状食品の凝集がそもそも起きがたく、本発明の必要がない。また、本発明の大豆たん白含有液状食品中のアルカリ金属イオンの含量は、食品1kg中に1200m mole未満、好ましくは800m mole未満である。アルカリ金属イオンの含量が高すぎると、大豆たん白含有液状食品の凝集を促進してしまう。本発明における大豆たん白含有液状食品の含塩調味料は、大豆たん白含有液状食品中のアルカリ金属イオンの含量がこの範囲であれば、特に制限なく配合することが可能である。
大豆たん白含有液状食品中の大豆粗たん白含量は特に制限はないが、概ね0.1〜5.0重量%、0.5〜4.0重量%、さらに1.0〜3.0重量%であれば、加熱による凝集が抑制されるため、風味が良好で好ましい。大豆粗たん白含量を高くしたい場合は、大豆粗たん白中の11S蛋白質含量をより低くすれば凝集が抑制される。含量が低くても問題はないが、大豆の風味が薄れる。
大豆たん白含有液状食品の大豆粗たん白中の7S蛋白質含量も、特に制限はないが、25重量%以上が好ましく、35重量%以上がさらに好ましい。7S蛋白質含量が高まることで、加熱時の安定性は上がる傾向にある。大豆粗たん白中の7S蛋白質含量が高くても風味、物性等に特に問題はないので、上限は特に設定しない。
大豆たん白含有液状食品の、蛋白質について、7S蛋白質と11S蛋白質に対する、11S蛋白質の割合は、50重量%以下であることが好ましく、45重量%以下であることが更に好ましい。
大豆たん白含有液状食品は、大豆たん白素材及び含塩調味料以外に副原料を含んでもよい。副原料としては、畜肉,魚肉等の動物性たん白食品,乳製品,きのこ類、野菜類,例えば玉ねぎ,人参,キャベツ,トマト,セロリ,ホウレンソウ,コーン,馬鈴薯,カボチャ等を、単独で或いは任意に組み合わせて適宜含むことができる。またこれらは磨砕物や搾汁液等として加えても良い。副原料には上述の含塩調味料以外の調味料(本明細書ではこれらを単に「調味料」とする)も含まれ、砂糖,調味酒等が例示される。さらに脂質,各種ガム類や蔗糖脂肪酸エステル等の安定剤,香料,香辛料,着色料,キレート剤等も適宜副原料として使用することができる。尚、大豆たん白を含有する豆腐,油揚げ等の大豆製品も副原料に含まれるが、これらは本発明で規定する大豆たん白含有液状食品の大豆粗たん白含量、大豆粗たん白中の11S蛋白質含量または7S蛋白質含量の測定値には勘定しないものとする。
大豆たん白含有液状食品の製造法は、大豆たん白素材,含塩調味料、その他の副材料を混合し、殺菌のため高温加熱を行う。必要であれば高温加熱の前に加熱調理を行ってもよい。原料を混合する順序は問わず、高温加熱前に加熱調理する場合も、そのタイミングを問わない。例えば全原料を混合後に加熱調理しても良いし、あるいは大豆たん白素材を除く他の原料を混合して加熱調理後、大豆たん白素材を加えてもよい。単に原料を混合して液状物を調製し、後の高温加熱によって調理を兼ねることも可能である。また高温加熱の際に原料混合液が熱交換器やホモゲナイザーを使用する際に目詰まりしないように、予め粉砕したり、裏ごしにかけたりして均質化してもよい。
高温加熱は、例えばプレート式熱交換機、チューブ式熱交換機、掻き取り式熱交換機、スチームインジェクション式熱交換機等の各種熱交換機やバッチ式のレトルト釜等、従来公知の機器を使用できる。これらの機器は、任意に組み合わせて使用してもよい。加熱条件は、大豆たん白含有液状食品の保存性を高めるため、105〜155℃が好ましく、115〜145℃が更に好ましい。加熱時間は通常3秒〜40分であるが、温度や装置によっても異なる。加熱温度が上記の範囲を外れる場合、即ち加熱が105℃に満たない温度で行われる場合には殺菌が不十分となり保存性が低下する上、加熱による大豆たん白含有液状食品の凝集が発生しにくく、本発明の必要性に薄い。一方155℃を超えた場合には大豆たん白含有液状食品に焦げ臭、焦げ味が発生して風味上好ましくない。高温加熱後の大豆たん白含有液状食品を、脱気処理にかけることもできる。
以下、実施例により本発明の実施態様を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって、その技術範囲が限定されるものではない。なお実施例に使用している%や比は断りのない限り、すべて重量当たりとする。
(比較例1)
大豆1重量部に7重量部の水を加え、18時間浸漬後、磨砕して大豆スラリーを得た。これを98℃まで加熱し、遠心分離して豆乳を得、145℃で4秒殺菌した。得られた豆乳は、固形分9.0重量%、大豆粗たん白含量4.5重量%、11S蛋白質含量/大豆粗たん白含量が34重量%、7S蛋白質含量/大豆粗たん白含量が17重量%であった。得られた豆乳と水を40:60で混合し、食塩をNaイオン換算で最終の食品1kg当たり136m mole(食塩0.8重量%),394m mole(食塩2.3重量%)になる様に添加してレトルトパウチに密封し、121℃,30分間高温高圧で加熱して大豆たん白含有液状食品を調製し、凝集の状態を調べた。凝集の状態は、○は凝集なく実用性良好、△はほぼ凝集無く実用性あり、×はやや凝集あり実用性乏しい、××は激しい凝集あり実用性なしで示した。Naイオンとして136m mole/1kg 以上では、凝集が認められた。
(表1)各塩濃度での通常豆乳の加熱
Figure 2008113636
(実験例1)
低変性脱脂大豆(窒素可溶指数:NSI 91)1重量部に、10重量部の抽出水を加え、室温,pH7.0において1時間抽出後、遠心分離し、脱脂豆乳を得た。こうして得られた脱脂豆乳を、塩酸にてpH4.8に調整した後、50℃になるように加温を行った。pH調整した脱脂豆乳が50℃に達した後、30℃付近まで冷却し、苛性ソーダにてpH5.7に調整して遠心分離した。得られた可溶性画分は塩酸でpH4.8に調整後、遠心分離して上澄みを除き、沈殿カードを得た。沈殿カードは加水し、水酸化ナトリウムで中和した。140℃,15秒間殺菌し、これを噴霧乾燥し、粗たん白含量92重量%、7S蛋白質含量/大豆粗たん白含量が90重量%、11S蛋白質含量/大豆粗たん白含量が2重量%の、7S蛋白質に富んだ分離大豆たん白(以下、単に分離7Sたん白素材と略す)を得た。
比較例1の豆乳とこの分離7Sたん白素材を混合、加水し、大豆粗たん白含量1.8重量%であり、11S蛋白質含量と7S蛋白質含量を任意にを調整した大豆たん白素材を調製した。これに食塩をNaイオン換算で最終の食品1kg当たり394m mole(食塩2.3重量%)になる様に添加し、レトルトパウチに密封して121℃,30分間高温高圧で加熱し、大豆たん白含有液状食品を調製し、凝集の状態を調べた。凝集の評価は比較例1に従った。11S蛋白質含量/大豆粗たん白含量が30重量%未満の場合、凝集がほぼ抑えられ、25重量%以下の場合、凝集は完全に抑えられた。
(表2)各11S濃度の加塩豆乳の加熱
Figure 2008113636
(実験例2)
比較例1の豆乳と実験例1の分離7S蛋白素材を混合して、11S蛋白質含量/大豆粗たん白含量を24重量%に、7S蛋白質含量/大豆粗たん白含量を40重量%とし、加水して大豆粗たん白含量を1.0〜6.0重量%に変えた大豆たん白素材を調製した。これに食塩をNaイオン換算で最終の食品1kg当たり394m moleになる様に添加(食塩として2.3重量%)して、レトルトパウチに密封して121℃,30分間高温高圧加熱し大豆たん白含有液状食品を調製し、凝集の状態を調べた。凝集の評価は比較例1に従った。大豆粗蛋白質含量が6.0重量%で凝集がほぼ抑えられ、4.0重量%で凝集は完全に抑えられた。
(表3)各11S濃度の加塩豆乳の加熱(レトルト加熱)
Figure 2008113636
(実験例3)各濃度の低11S加塩豆乳の加熱
実験例2の高温高圧のレトルト加熱を、プレートによる間接殺菌140℃,30秒に変えて行い、凝集の状態を調べた。凝集の評価は比較例1に従った。大豆粗蛋白質含量が6.0重量%で凝集がほぼ抑えられ、4.0重量%以下で凝集は完全に抑えられた。
(表4)各濃度の低11S加塩豆乳の加熱(プレート加熱)
Figure 2008113636
(実験例4)
比較例1の豆乳と実験例1の分離7S蛋白素材を混合、加水して、11S蛋白質含量/大豆粗たん白含量を24重量%に、7S蛋白質含量/大豆粗たん白含量を40重量%とし、大豆たん白素材を調製した(大豆粗たん白含量は2.0重量%)。これに食塩をNaイオン換算で最終の食品1kg当たり134m mole(食塩として、0.8重量%)、394m mole(2.3重量%)、730m mole(4.3重量%)、1420m mole(8.3重量%)になる様に添加して、レトルトパウチに密封して、121℃,30分間高温高圧で加熱し、凝集の状態を調べた。凝集の評価は比較例1に従った。Naイオン濃度が1420m mole/1kgで凝集がほぼ抑えられ、730m mole/1kg以下で凝集は完全に抑えられた。
(表5)各塩濃度での低11S加塩豆乳の加熱
Figure 2008113636
(実験例5)
市販の分離大豆たん白(ニューフジプロR、不二製油株式会社製、大豆粗たん白含量91重量%,11S蛋白質含量/大豆粗たん白含量が38重量%,7S蛋白質含量/大豆粗たん白含量が14重量%であった)と実験例1の分離7Sたん白素材を各々大豆たん白素材として、大豆たん白含有液状食品を調製した。大豆たん白素材に加水して大豆粗たん白含量2.0重量%、4.0重量%の溶液とし、食塩をNaイオン換算で最終の食品1kg当たり394m mole(食塩として、2.3重量%)になる様に添加して、レトルトパウチに密封して、121℃,30分間高温高圧で加熱し、凝集の状態を調べた。凝集の評価は比較例1に従った。加塩状態では、11S蛋白質含量/大豆粗たん白含量が2重量%の場合、凝集は完全に抑えられた。
(表6)市販大豆たん白および分離7Sたん白素材の加塩加熱
Figure 2008113636
(実験例6)
比較例1の豆乳と実験例1の分離7S蛋白素材を混合して、11S蛋白質含量/大豆粗たん白含量を調整した大豆たん白素材に加水し、食塩1.8重量%、醤油1.0重量%、昆布だし0.6重量%となるように添加した。醤油、昆布だし由来のものを含む食塩の全存在量は、2.3重量%であり、ナトリウムイオン換算で394m moleであった。これをレトルトパウチに密封して、121℃,30分間加熱し、凝集の状態を調べた。凝集の評価は比較例1に従った。11S蛋白質含量/大豆粗たん白含量が30重量%未満の場合、凝集がほぼ抑えられ、25重量%以下の場合、凝集は完全に抑えられた。
(表7)各11S濃度の加塩大豆たん白の加熱
Figure 2008113636
(実験例7)
実験例6の昆布だしの代わりに、かつおだし0.7重量%、または味噌1.0重量%、またはチキンブイヨン1.7重量%となるように添加し3つの異なる風味のものを調製した。11S蛋白質含量/大豆粗たん白含量は24重量%、各々の食塩の全存在量は、かつおだし風味のものが2.3重量%、味噌が2.8重量%、チキンブイヨンが2.9重量%であった。これらをレトルトパウチに密封して、121℃,30分間加熱し、凝集の状態を調べた。凝集の評価は比較例1に従ったが、凝集は全てで抑えられた。
(表8)低11S豆乳含有液状食品の加熱
Figure 2008113636
(実験例8)
比較例1の豆乳と実験例1の分離7S蛋白素材を混合して11S蛋白質含量/大豆粗たん白含量を24重量%に低下させた大豆たん白素材を調製した(大豆粗たん白含量1.8重量%)。これに必要量加水し、カボチャペーストを20重量%、砂糖を1重量%、食塩を1重量%となるように混合した。一方、同じ大豆たん白素材に必要量加水し、コーンペーストを20重量%、砂糖を1重量%、食塩を1重量%となるように混合した。これらを各々レトルトパウチに密封して、121℃,30分間高温高圧で加熱し、大豆たん白含有液状食品であるカボチャスープ及びコーンスープを調製し、凝集の状態を調べた。比較として、比較例1の豆乳(11S蛋白質含量/大豆粗たん白含量が34重量%)を用いて、同様にカボチャスープまたはコーンスープを調製し、凝集の状態を調べた。凝集の評価は比較例1に従ったが、11S蛋白質含量/大豆粗たん白含量が24重量%の場合のみ、凝集が抑えられた。
(表9)低11S豆乳および通常豆乳含有液状食品の加熱
Figure 2008113636
本発明により、含塩調味料等で味付けされた大豆たん白含有の液状食品に対して、凝集物を発生することなく加熱殺菌を行なえる様になり、これらの食品を工業的に生産し、提供することが可能となる。

Claims (6)

  1. 含塩調味料と大豆たん白素材を含む加熱調理済みの液状食品であって、大豆粗たん白中の11S蛋白質含量が低減されていることを特徴とする、大豆たん白含有液状食品。
  2. 大豆粗たん白中の11S蛋白質含量が30重量%未満であることを特徴とする、請求項1に記載の大豆たん白含有液状食品。
  3. 該食品中のアルカリ金属イオン含量が1kg当たり150〜1200m moleである、請求項1記載の大豆たん白含有液状食品。
  4. 大豆粗たん白含量が0.1〜5.0重量%である、請求項1記載の大豆たん白含有液状食品。
  5. 大豆粗たん白中の7Sたん白含量が30重量%以上である、請求項1記載の大豆たん白含有液状食品。
  6. 7S蛋白質と11S蛋白質の合計に対する、11S蛋白質の割合が50重量%以下である、請求項1記載の大豆たん白含有液状食品。
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