JP2008112086A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】劣化トナーによる画像濃度の低下を回避する画像形成装置を提供する。
【解決手段】静電潜像を保持する像保持体と、トナーを含む現像剤を有し、像保持体の上の静電潜像を、該現像剤中のトナーで現像してトナー像を形成する現像部と、現像部内の現像剤の温度を検知する温度検知部と、像保持体に対して当接離間が可能な、温度検知部の検知結果が所定の高温状態を示している場合には、像保持体に当接して現像部で形成されたトナー像のトナーを像保持体から回収するトナー回収部と、トナー回収部により回収されたトナーに外添剤を添加して、現像部に供給するトナー供給部とを備えた。
【選択図】図2
【解決手段】静電潜像を保持する像保持体と、トナーを含む現像剤を有し、像保持体の上の静電潜像を、該現像剤中のトナーで現像してトナー像を形成する現像部と、現像部内の現像剤の温度を検知する温度検知部と、像保持体に対して当接離間が可能な、温度検知部の検知結果が所定の高温状態を示している場合には、像保持体に当接して現像部で形成されたトナー像のトナーを像保持体から回収するトナー回収部と、トナー回収部により回収されたトナーに外添剤を添加して、現像部に供給するトナー供給部とを備えた。
【選択図】図2
Description
本発明は、静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成し、記録媒体上に該トナー像を転写、定着させることにより記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置に関する。
今日では、プリンタやコピー機を中心とする画像形成装置が広く普及しており、このような画像形成装置を構成する様々な要素に関する技術も広く普及している。画像形成装置の中でも電子写真方式を採用している画像形成装置では、感光体ドラムをはじめとする感光体の上に印刷したいパターンである静電潜像を形成し、現像装置を用いて、この静電潜像に現像剤中のトナーを付着させて現像されたトナー像を形成することが行われている。このようにして形成された感光体上のトナー像は、直接、記録媒体上に転写されるか、あるいは、転写ベルトなどを介して、最終的に記録媒体上に転写され、転写後、定着装置において加圧・加熱されてトナー像が記録媒体上に定着する。
近年、社会全体で省資源化が叫ばれる中で、画像形成装置の分野でも、画像形成に用いる記録媒体(特に出力用紙)の枚数を低減する要請が強まり、記録媒体の両面に出力を行う両面出力型の画像形成装置が現れている。特に、感光体上のトナー像を記録媒体上に直接転写する直接転写方式を採用した両面出力型の画像形成装置は、転写ベルトなどの媒介物を必要としないために、小型化、低コスト化、画像形成の高効率化を実現することができ、注目を集めている。しかし、このような直接転写方式を採用した両面出力型の画像形成装置では、記録媒体の片面にトナー像の転写、定着処理が行われた後に、記録媒体の反対側の面に転写が行われることが多く、このため、定着処理において加熱された記録媒体が、反対側の面への転写の際に感光体と直接接触して感光体表面が高温になることがある。感光体表面が高温になると、その熱が感光体の傍に備えられている現像装置に伝わり、
現像装置内の現像剤が高温下にさらされることとなる。現像剤中のトナーには、トナーの転写性を向上させるために、シリカ等を成分とする外添剤が添加されていることが多く、
こうした外添剤の粒子は、常温ではトナー母粒子に付着しているが、高温ではトナー母粒子内に埋没しやすい性質がある。外添剤が埋没してしまった劣化トナーが画像形成に使用されると、トナーの転写不良により画像濃度の低下が起きることが多い。そこで、現像器内に、劣化トナーを回収する機構を設け、画像濃度が低下してくると、この機構を利用して劣化トナーを回収する画像形成装置(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
特開平10−26885号公報
現像装置内の現像剤が高温下にさらされることとなる。現像剤中のトナーには、トナーの転写性を向上させるために、シリカ等を成分とする外添剤が添加されていることが多く、
こうした外添剤の粒子は、常温ではトナー母粒子に付着しているが、高温ではトナー母粒子内に埋没しやすい性質がある。外添剤が埋没してしまった劣化トナーが画像形成に使用されると、トナーの転写不良により画像濃度の低下が起きることが多い。そこで、現像器内に、劣化トナーを回収する機構を設け、画像濃度が低下してくると、この機構を利用して劣化トナーを回収する画像形成装置(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
特許文献1の画像形成装置では、現像器において静電潜像の近くまで現像剤を運搬する役割を果たす現像スリーブに対して近接した位置にトナー回収用のスリーブが設けられており、現像スリーブ上の劣化トナーがトナー回収用のスリーブに移動して回収され、補給された新しいトナーと混合されて再利用される。しかしながら、新しいトナーが補給されてもトナー全体としては転写性が低下しており、トナーの再利用が繰り返されるにつれ画像濃度低下が頻発するおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑み、劣化トナーによる画像濃度の低下を回避する画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の画像形成装置は、
静電潜像を保持する像保持体と、
トナーを含む現像剤を有し、上記像保持体の上の静電潜像を、該現像剤中のトナーで現像してトナー像を形成する現像部と、
上記現像部内の現像剤の温度を検知する温度検知部と、
上記像保持体に対して当接離間が可能な、上記上記温度検知部の検知結果が所定の高温状態を示している場合には、上記像保持体に当接して上記現像部で形成されたトナー像のトナーを上記像保持体から回収するトナー回収部と、
上記トナー回収部により回収されたトナーに外添剤を添加して、上記現像部に供給するトナー供給部とを備えたことを特徴とする。
静電潜像を保持する像保持体と、
トナーを含む現像剤を有し、上記像保持体の上の静電潜像を、該現像剤中のトナーで現像してトナー像を形成する現像部と、
上記現像部内の現像剤の温度を検知する温度検知部と、
上記像保持体に対して当接離間が可能な、上記上記温度検知部の検知結果が所定の高温状態を示している場合には、上記像保持体に当接して上記現像部で形成されたトナー像のトナーを上記像保持体から回収するトナー回収部と、
上記トナー回収部により回収されたトナーに外添剤を添加して、上記現像部に供給するトナー供給部とを備えたことを特徴とする。
ここで、「所定の高温状態」とは、温度が所定の閾値温度を越えた状態や、あるいは、温度が所定の閾値温度を越えた状態が、所定時間以上継続した状態など、現像剤の温度が高くなった状態を意味する。
本発明の画像形成装置は、現像剤の温度が高くなり所定の高温状態になると、トナー像のトナーを像保持体から回収しそのトナーに外添剤が添加した上で再使用するので、その後の画像形成においては転写性の低いトナーが使用されることが回避される。この結果、劣化トナーによる画像濃度の低下が防がれる。
また、本発明の画像形成装置において、「上記トナー回収部は、上記現像剤の温度が上記トナーのガラス転移温度よりも10℃以上低い所定の閾値温度に達した高温状態で上記像保持体に当接するものである」という形態は好ましい形態である。
現像剤の温度が所定の閾値温度に達したか否かという単純な判断制御の場合には、閾値温度が高すぎると現像剤中のトナーの劣化速度が速くなり、劣化トナーの回収が間に合わなくなる。しかし、閾値温度が、トナーのガラス転移温度よりも10℃以上低い温度であれば、単純な判断制御であっても劣化トナーを適切に回収することができ、劣化トナーが画像形成に用いられることを回避することができる。
また、本発明の画像形成装置において、「上記トナー回収部は、上記像保持体との電位差によってトナー像のトナーを上記像保持体から回収するものである」という形態も好ましい形態である。
このような形態によれば、静電的な力を利用した簡単な機構により、像保持体からトナーが除去される。
また、本発明の画像形成装置において、「上記トナー回収部は、上記像保持体上のトナー像のトナーを擦り落とすクリーニングブレードである」という形態も好ましい形態である。
このような形態によれば、像保持体に対するクリーニングブレードの当接によって、像保持体からのトナーの回収が簡単に実行される。
本発明によれば、劣化トナーによる画像濃度の低下が回避される。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態を示す全体構成図である。
この画像形成装置1000は、電子写真方式を採用したモノクロの両面出力プリンタである。この画像形成装置1000には、電子写真方式用の積層型の感光体であって図の矢印B方向に回転する感光体3、感光体3に接触しながら感光体を帯電する接触型の帯電器2、感光体3に向けてレーザ光を発し、感光体3上に、周囲より電位の高くなった静電潜像を形成する露光部7、静電潜像にモノクロ(ブラック)のトナーを付着させて現像することでトナー像を形成する現像器6、トナー像が形成された感光体3に搬送されてくる用紙を押圧し、バイアス電圧の印加を受けて感光体3から用紙上にトナー像の転写を行う転写ロール9、用紙上のトナー像に対し熱および圧力を加えることでトナー像の用紙への定着を行う定着器10、これら各部を制御するCPU4、トナー像の転写後に感光体3に付着したまま残留したトナーを感光体3に接触して掻き落とすクリーニングブレード31が備えられている。
現像器6には、感光体3の近傍に位置し、負電荷を帯びたトナーと、磁性を帯びたキャリアとを成分とする現像剤を表面に保持して図のA方向に回転する現像スリーブ61、現像スリーブ61上に保持された現像剤を削り落として現像スリーブ61上の現像剤の層厚を調整する層厚調整板62、現像剤が溜められた容器63、容器63内の現像剤を攪拌する2つの攪拌部64a,64b、現像器6の温度が閾値温度を越えたか否かを検知するサーミスタ65が設けられている。サーミスタ65は、温度に応じて抵抗値が変化する半導体素子であり、サーミスタ65を流れる電流の変化から温度が所定の閾値温度に達したか否かが検知される。ここで、サーミスタ65が、本発明にいう温度検知部の一例に相当する。また、現像スリーブ61の内部には磁石が組み込まれており、その磁石の磁力をキャリアが受けることで、容器63から現像剤が現像スリーブ61の表面に付着する。この現像スリーブ61は、不図示の現像バイアス印加部によりバイアス電圧の印加を受けており、現像スリーブ61の電位は、静電潜像の電位よりも低く感光体3の電位よりは高い電位となっている。このため、現像スリーブ61の表面上に付着した現像剤中のトナーは、静電潜像と現像スリーブ61との間の電位差により、現像スリーブ61を離れて静電潜像に付着し、感光体3上にトナー像が形成される。
また、この感光体3から少し離れた位置に、外添剤が埋没した劣化トナーを回収する劣化トナー回収装置110が設けられている。この劣化トナー回収装置110は、後述するように劣化トナー回収時に感光体3上に排出された劣化トナーを回収するための装置である。劣化トナー回収装置110には、感光体3に当接して静電的な力により感光体3上の劣化トナーを回収する、劣化トナー回収用の転写ロール11が備えられている。以下の画像形成装置1000についての説明においては、記録媒体上にトナー像を転写する転写ロール9と、劣化トナー回収用の転写ロール11とを明確に区別するため、記録媒体上にトナー像を転写する転写ロール9を第1の転写ロール9、劣化トナー回収用の転写ロール11を第2の転写ロール11と呼んで2つの転写ロールを区別する。
第2の転写ロール11は、通常の画像形成が行なわれる際には、図1に示すように、感光体3から離間した位置(以下、離間位置と呼ぶ)に位置し、劣化トナー回収時には、図の上方向に移動し、感光体3と当接する。以下、この第2の転写ロール11が感光体3と当接する際の位置を当接位置と呼ぶ。この当接位置では、第2の転写ロール11は感光体3の回転に対して従動回転する。第2の転写ロール11は、スプリング11aを介して支持体11bによって支えられている。この支持体11bは、図の両矢印D方向に移動することができ、第2の転写ロール11の感光体3との当接離間は、この支持体11bの移動によって実現する。ここで、スプリング11aは、第2の転写ロール11が感光体3に当接した時の衝撃を和らげるとともに、当接力をバネ付勢して当接状態を維持する働きをしている。
また、劣化トナー回収装置110には、それぞれ一端が支持体11bと接続されたバネ5aとベルト5bが設けられている。ベルト5bのもう一方の端は、ベルト張架ロール5cを経由してモータ5と接続されている。第2の転写ロール11が離間位置に位置しているときには、バネ5aは、自然長にあり、支持体11bは不図示のストッパによって図の下方向から支持されている。劣化トナー回収時にはモータ5が駆動してベルト5bが巻き取られ、このベルト5bの巻き取りによって支持体11bがバネ5aを伸張させながら図の上方向に移動し、第2の転写ロール11が当接位置に位置する。
劣化トナー回収装置110には、上記の第2の転写ロール11、スプリング11a、支持体11bに加えて、第2の転写ロール11から劣化トナーを擦り落とす転写ロール用クリーニングブレード11e、第2の転写ロール11から擦り落とされた劣化トナーを回収する劣化トナー回収用容器11d、第2の転写ロール11にバイアス電圧を印加する第2の転写ロール用バイアス印加部11cが備えられている。劣化トナー回収時には、第2の転写ロール用バイアス印加部11cは、第2の転写ロール11に対し、第2の転写ロール11の電位が感光体3の電位よりも高くなるように、バイアス電圧の印加を行う。このバイアス電圧の印加によって、感光体3上の劣化トナーは、感光体3を離れて第2の転写ロール11上に付着する。第2の転写ロール11上に付着した劣化トナーは、劣化トナー用クリーニングブレード11eにより削り落とされ、削り落とされた劣化トナーが劣化トナー回収容器11dに回収される。そして、このような劣化トナー回収作業が終了すると、モータ5は駆動を停止し、第2の転写ロール11は、バネ5aの伸張力で図の下方向に移動し、再び離間位置に戻る。当接位置と離間位置との間のこのような第2の転写ロール11の移動は、CPU4がモータ5に指令を与えることで実現する。
劣化トナー回収装置110は、トナー再生装置6cとパイプで接続されており、劣化トナー回収容器11dに回収された劣化トナーは、パイプを通ってトナー再生装置6cに送り込まれる。また、トナー再生装置6cの近傍には、トナーの外添剤を収容した外添剤収容室6bが設けられており、この外添剤収容室6bからトナー再生装置6cに新しい外添剤が供給される。トナー再生装置6cは送り込まれた劣化トナーと外添剤とを混合し、この混合により、劣化トナーに外添剤が新たに添加されて転写性の高いトナーが再生する。トナー再生装置6cは現像器6ともパイプで接続されており、再生トナーは、不図示の搬送手段によってそのパイプを通ってトナー再生装置6cから現像器6に供給され、再び画像形成に使用される。ここで、外添剤収容室6b、トナー再生装置6cを合わせたものが、本発明にいうトナー供給部の一例に相当する。
図1に戻り、この画像形成装置1000における画像形成の動作について説明する。
この画像形成装置1000には、ブラックのトナーが蓄えられた不図示のトナーカートリッジが備えられており、このトナーカートリッジにより現像器6にトナーの補給が行われる。また、トナー像が転写されるために用いられる用紙は、トレイ1の中に蓄えられ、ユーザから画像形成が指示されると、トレイ1から搬送されて、転写ロール9においてトナー像の転写が行われ、図の上方向に向かって搬送されていく。図1においては、この時の用紙搬送路が、上向きの矢印で示す経路として示されている。
用紙の片面だけに画像形成を行う場合は、用紙はこの用紙搬送路を一回だけ通って定着器10においてトナー像の定着が行われた後、図の右方向の矢印で示すように、そのまま右方向に排出される。用紙の両面に画像形成を行う場合は、上向きの矢印で示す用紙搬送路を通ることで用紙の片面にトナー像の転写および定着が行われた後、排出されずに後戻りして、上側のレジロール対8aの間を通り下向きの矢印で示す経路を通って下方に搬送される。そして、下側のレジロール対8bにおいて再び上方に転じて、今度は反対側の面にトナー像が転写および定着されて排出される。
このような形態の両面印刷では、用紙の片面に対する定着処理において加熱された用紙が、用紙の反対側の面への転写の際に感光体3と直接接触することになるため、感光体3の表面や、感光体の傍にある現像器6が高温になりやすい。感光体表面が高温になると、その熱が感光体の傍に備えられている現像装置に伝わり、現像装置内の現像剤が高温下にさらされることとなる。現像剤中のトナーには、トナーの転写性を向上させるために、シリカ等を成分とする外添剤が添加されていることが多く、こうした外添剤の粒子は、常温ではトナー母粒子に付着しているが、高温ではトナー母粒子内に埋没しやすい性質がある。外添剤が埋没してしまった劣化トナーが画像形成に使用されると、トナーの転写不良により画像濃度の低下が起きることが多い。このため、この画像形成装置1000は、現像器6の温度が閾値温度を越えると、所定量のトナーを現像器6から感光体3上に排出させ、さらに第2の転写ロール11を前述の当接位置まで移動させて排出されたトナーを回収する。そして回収したトナーには、外添剤が添加されて劣化トナーの再生が行われる。以下では、このような劣化トナーの回収および再生について説明する。
図2は、劣化トナーの回収を行う際の、図1に示す画像形成装置の動作の流れを表すフローチャートである。
この画像形成装置1000では、上述した画像形成の動作とともに、図1に示すサーミスタ65によって現像器6の温度検知が行われる(ステップS1)。現像器6の温度が、所定の閾値温度を越えていない場合は(ステップS2;No)、上述した画像形成が行われるとともに、ステップS1に戻って現像器6の温度検知作業が続行される。この閾値温度は、画像形成に用いられるトナーのガラス転移温度(Tg)よりも10℃以上低い温度(すなわち(Tg−10)℃以下の温度)である。後述するように、閾値温度が画像形成に用いられるトナーのガラス転移温度(Tg)より10℃以上低い温度であると、画像形成に劣化トナーが使用されることが効果的に回避される。
閾値温度を越えたことが検知された場合は(ステップS2;Yes)、閾値温度を越えた状態で出力された用紙の枚数が、CPU4によりカウントされる(ステップS3)。閾値温度を越えた状態で出力された用紙の枚数が100枚に達するまで(ステップS4;No)、上記のステップS1〜ステップS3が繰り返される。閾値温度を越えた状態で出力された用紙の枚数が100枚に達すると(ステップS4;Yes)、CPU4は、用紙上への画像形成を停止させ、さらにモータ5に指令を与えて第2の転写ロール11を前述の当接位置まで移動させ(ステップS5)、さらに、第2の転写ロール用バイアス印加部11cに、第2の転写ロール11に対するバイアス電圧の印加を指示する。そして、CPU4の指令に基づき、画像2枚分のトナーが現像器6内の現像スリーブ61から感光体3上に排出される。排出されたトナーは、バイアス電圧の印加により感光体3から第2の転写ロール11上に移動し、転写ロール用クリーニングブレード11eにより第2の転写ロール11から削り落とされ、劣化トナー回収容器11dに回収される(ステップS6)。劣化トナー回収容器11dに回収された劣化トナーは、トナー再生装置6cに送り込まれて新たな外添剤と混合される。この混合により、劣化トナーに外添剤が新たに添加されて転写性の高いトナーが再生し、再生トナーが現像器6に供給される(ステップS7)。そして、CPU4は、出力用紙の枚数のカウント値をリセットし、モータ5に指令を与えて第2の転写ロール11を前述の離間位置まで移動させ、画像形成作業が再開される(ステップS8)。
このように、この画像形成装置1000では、回収した劣化トナーに外添剤を新たに添加してトナーの再生を行うため、劣化トナーにおいて外添剤が埋没した分が充分に補われることとなる。この結果、この画像形成装置1000では、その再生トナーが再利用された時でも、外添剤不足による画像濃度の低下が起きにくい。
また、この画像形成装置1000では、トナーの回収が行われる間だけ第2の転写ロール用バイアス印加部11cが感光体3に当接するので、温度上昇に伴いトナーの流動性が悪化してもトナーが第2の転写ロール用バイアス印加部11cと感光体3との間で固着することがない。この結果、この画像形成装置1000では、温度上昇の影響を受けることなく安定した劣化トナーの回収および再生が行われる。また、後述するように、排出されたトナーは、第2の転写ロール11により感光体3から充分に回収されるので、回収し切れなかったトナーが下流側の第1の転写ロール9に付着して通常の画像形成時に用紙が汚れてしまうといった問題も回避されている。
以上説明した画像形成装置1000では、再生トナーは、劣化トナー回収容器11dから現像器6に直接供給されたが、本発明は、再生トナーをトナーカートリッジを介して現像器6に供給する間接供給方式を採用してもよい。以下では、そのような方式を採用した画像形成装置を紹介する。
図3は、再生トナーを一旦トナーカートリッジに供給し、トナーカートリッジから現像器に供給する間接供給方式を採用した画像形成装置の全体構成図である。
この図3において、図1に示す画像形成装置1000との構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素についての重複説明は省略する。
図3に示す画像形成装置1000’が、図1に示す画像形成装置1000と異なる点は、図3に示す画像形成装置1000’では、トナー再生装置6cで再生された再生トナーがトナーカートリッジ6dを経由して現像器6に供給される点である。この画像形成装置1000’においては、外添剤収容室6b、トナー再生装置6c、トナーカートリッジ6dを合わせたものが、本発明にいうトナー供給部の一例に相当する。トナーカートリッジ6dからは未使用のトナーも現像器6に供給され、図3に示すような間接供給方式では、未使用のトナーの供給口と、再生トナーの供給口とを共通にすることができる。このため、この方式では、現像器6の小型化が可能となる。再生トナーがトナーカートリッジ6dを経由して現像器6に供給される点を除けば、図3に示す画像形成装置1000’において行なわれる画像形成作業や劣化トナーの回収・再生作業は、図1に示す画像形成装置1000において行なわれる画像形成作業や劣化トナーの回収・再生作業と同じであり、ここではその重複説明は省略する。
また、以上の説明では、バイアス電圧の印加を受けた第2の転写ロール11の当接離間によって劣化トナーの回収が行なわれたが、本発明は、第2の転写ロール11の代わりに、同様の駆動機構で駆動される、劣化トナーの回収用のクリーニングブレードの当接離間によって劣化トナーの回収が行われる方式を採用してもよい。以下では、劣化トナー回収装置において、劣化トナー回収用のクリーニングブレードの当接離間によって劣化トナーの回収が行われる画像形成装置について説明する。
図4は、劣化トナー回収用のクリーニングブレードの当接離間によって劣化トナーの回収が行われる画像形成装置の全体構成図である。
図4において、図1に示す、構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して示し、同一の構成要素についての重複説明は省略する。この図に示す画像形成装置1000’’が図1に示す画像形成装置1000と異なる点は、この画像形成装置1000では、図1に示す第2の転写ロール11の代わりに、劣化トナー回収用のクリーニングブレード12の当接離間によって劣化トナーの回収が行われる点であり、この点を除けば、図4に示す画像形成装置1000’’は、図1に示す画像形成装置1000と同様の構成を有する。図4に示す画像形成装置1000’’でも、図2のステップS1〜ステップS4の過程を踏んで感光体3上に劣化トナーの排出が行われるが、図4に示す画像形成装置1000’’では、
劣化トナー回収装置110’が有する劣化トナー回収用のクリーニングブレード12が、図2のステップS5〜ステップS8において図1の第2の転写ロール11の果たした役割を果たす。劣化トナー回収用のクリーニングブレード12は、支持体11bに支持された支持柱12aに固定されており、図1に示す第2の転写ロール11と同様に、支持体11bが図4の両矢印E方向に移動することによって感光体3と当接離間する。そして、当接時には、劣化トナーが、劣化トナー回収用のクリーニングブレード12により感光体3上から削り落とされて回収される。このように劣化トナー回収にクリーニングブレードを採用する方式は、バイアス電圧の印加を必要としないので、電力コストが削減するという利点がある。
劣化トナー回収装置110’が有する劣化トナー回収用のクリーニングブレード12が、図2のステップS5〜ステップS8において図1の第2の転写ロール11の果たした役割を果たす。劣化トナー回収用のクリーニングブレード12は、支持体11bに支持された支持柱12aに固定されており、図1に示す第2の転写ロール11と同様に、支持体11bが図4の両矢印E方向に移動することによって感光体3と当接離間する。そして、当接時には、劣化トナーが、劣化トナー回収用のクリーニングブレード12により感光体3上から削り落とされて回収される。このように劣化トナー回収にクリーニングブレードを採用する方式は、バイアス電圧の印加を必要としないので、電力コストが削減するという利点がある。
以下では、図1に示す画像形成装置1000のように、第2の転写ロールが感光体と当接離間することによって、実際に画像濃度の低下が抑制されることを、具体的な実験データに基づいて検証する。また、この実験では、第2の転写ロールにより劣化トナーの回収が充分に行なわれるので、回収し切れなかったトナーが下流側の第1の転写ロール9に付着して通常の画像形成時に用紙が汚れてしまうといった問題が生じないことについても検証する。なお、以下に説明する実験では、いずれも、トナーのガラス転移温度(Tg)が50℃であり、形状係数値(SF)132、体積平均粒径6.4μmのほぼ球形の重合トナー粒子を含有する現像剤が用いられている。また、この現像剤には、外添剤として、2種類の体積平均粒径40nmの無機微粒子と、1種類の体積平均粒径50nmの無機微粒子とが用いられている。
この実験では、用紙の両面それぞれに、複数のソリッドパッチ(黒い部分)を有する画像比率1%〜4%のモノクロ画像を3000枚連続出力するという出力テストが、以下の5つの状況下で行われる。
(実施例1)劣化トナー回収の閾値温度が35℃に設定された、図1に示す画像形成装置1000を用いて、上記の出力テストを行う。
(実施例2)劣化トナー回収の閾値温度が40℃に設定された画像形成装置1000を用いて、上記の出力テストを行う。
(実施例3)劣化トナー回収の閾値温度が42℃に設定された画像形成装置1000を用いて、上記の出力テストを行う。
(比較例1)図1に示す第2の転写ロール11が存在せず、また、100%ベタ画像2枚分のトナーの排出も行わない点を除けば、画像形成装置1000と同様の構成を持つ画像形成装置を用いて、上記の出力テストを行う。
(比較例2)第2の転写ロール11が存在しない点を除けば、画像形成装置1000と同様の構成を持つ画像形成装置を用いて、上記の出力テストを行う。この画像形成装置では、閾値温度が40℃に設定されており、この閾値温度で100%ベタ画像2枚分のトナーの排出が行なわれる。この画像形成装置では第2の転写ロール11が存在しないため、排出されたトナーは、図1の第1の転写ロール9が圧接している位置を通過して、第1の転写ロール9の下流側に備えられたクリーニングブレード31によって感光体から除去される。
(実施例1)劣化トナー回収の閾値温度が35℃に設定された、図1に示す画像形成装置1000を用いて、上記の出力テストを行う。
(実施例2)劣化トナー回収の閾値温度が40℃に設定された画像形成装置1000を用いて、上記の出力テストを行う。
(実施例3)劣化トナー回収の閾値温度が42℃に設定された画像形成装置1000を用いて、上記の出力テストを行う。
(比較例1)図1に示す第2の転写ロール11が存在せず、また、100%ベタ画像2枚分のトナーの排出も行わない点を除けば、画像形成装置1000と同様の構成を持つ画像形成装置を用いて、上記の出力テストを行う。
(比較例2)第2の転写ロール11が存在しない点を除けば、画像形成装置1000と同様の構成を持つ画像形成装置を用いて、上記の出力テストを行う。この画像形成装置では、閾値温度が40℃に設定されており、この閾値温度で100%ベタ画像2枚分のトナーの排出が行なわれる。この画像形成装置では第2の転写ロール11が存在しないため、排出されたトナーは、図1の第1の転写ロール9が圧接している位置を通過して、第1の転写ロール9の下流側に備えられたクリーニングブレード31によって感光体から除去される。
これら実施例1〜実施例3、比較例1、比較例2それぞれについて、100枚ごとに、用紙の両面について複数のソリッドパッチそれぞれの濃度をX−rite社製X−rite404Aを用いて3回測定して平均を取り、さらにそれらの平均値をソリッドパッチ数で平均して画像濃度(単位はSAD)を求める。この作業を全出力枚数/100枚回行い、これら全出力枚数/100枚回分の画像濃度の平均をとることで、最終的な画像濃度を算出する。そして、この最終的な画像濃度の結果を以下のカテゴリーに分けて評価する。
◎ : 1.34以上
○ : 1.30以上1.34未満
○− : 1.26以上1.30未満
△ : 1.20以上1.26未満
× : 1.20未満
また、画像濃度の測定とともに、出力された用紙の汚れをチェックし、この汚れの発生を以下のカテゴリーに分けて評価する。
○ : 1.30以上1.34未満
○− : 1.26以上1.30未満
△ : 1.20以上1.26未満
× : 1.20未満
また、画像濃度の測定とともに、出力された用紙の汚れをチェックし、この汚れの発生を以下のカテゴリーに分けて評価する。
○: 発生せず
△ : 少し発生
× : 大量に発生
下記表1に、出力テストの結果を示す。
△ : 少し発生
× : 大量に発生
下記表1に、出力テストの結果を示す。
表1に示すように、第2の転写ロールを備えた実施例1〜実施例3では、いずれも用紙の汚れが発生しておらず、一方、第2の転写ロールが存在しない比較例2では、汚れが大量に発生している。このことから、第2の転写ロールを備えることで、排出されたトナーが、用紙への転写が行われる第1の転写ロールに付着することが回避されていることがわかる。また、これら実施例1〜実施例3では、画像濃度は、いずれも画像濃度1.26以上であり、ベタ画像2枚分のトナーの排出を行わない比較例1の画像濃度1.20未満という結果と比べて画像濃度の低下が小さくなっている。このことから、ベタ画像2枚分のトナーの排出により、その後の画像形成において画像濃度の低下が回避されていることがわかる。また、実施例1〜実施例3の画像濃度を比較すると、閾値温度が、低い実施例1、実施例2、実施例3の順に、画像濃度が高い結果となっている。このことは、温度の上昇の早い段階において、劣化してきたトナーの除去が行われる方が、画像形成に劣化トナーが使用されることがより抑制されるということを反映している。特に、閾値温度が35℃の実施例1、および閾値温度が40℃の実施例2では、画像濃度が1.30以上ときわめて高い画像濃度となっており、このことから閾値温度が40℃以下の温度、すなわちトナーのガラス転移温度(Tg)である50℃より10℃以上低い温度である場合に、劣化トナーの使用が最も効果的に回避されるということがわかる。
以上の結果をまとめると、温度上昇に伴って劣化したトナーを回収しさらに外添剤を添加して再生することで、その後の画像形成において使用されるトナーの転写性が維持されるということがわかり、トナー回収の目安となる閾値温度がトナーのガラス転移温度(Tg)より10℃以上低い温度であると、特にその転写性維持の効果が大きいということが結論できる。
以上説明した実施形態では、帯電器として接触型の帯電器を用い、感光体として積層型の感光体を用いたが、本発明は、帯電器としてコロトロンなど非接触型の帯電器を用い、感光体として単層型の感光体を用いるものでもよい。
また、本実施形態の画像形成装置は、モノクロの両面出力プリンタであったが、本発明の画像形成装置は、カラーの両面出力プリンタに応用されてもよい。
また、以上説明した実施形態では、現像器に備えられたサーミスタにより温度検知が行われたが、本発明は、このように直接的に現像剤の温度を検知する形態以外に、例えば、感光体の近傍に備えられたサーミスタが感光体表面の温度の検知することを通じて、現像器内の現像剤の温度が間接的に検知される形態であってもよい。
1000,1000’,1000’’ 画像形成装置
1 トレイ
2 帯電器
3 感光体
31 クリーニングブレード
4 CPU
5 モータ
5a バネ
5b ベルト
5c 駆動力伝達ロール
6 現像器
6b 外添剤収容室
6c トナー再生装置
6d トナーカートリッジ
61 現像スリーブ
62 層厚調整板
63 容器
64a,64b 攪拌部
65 サーミスタ
7 露光部
8a,8b レジロール対
9 転写ロール
10 定着器
11 劣化トナー回収用の転写ロール(第2の転写ロール)
11a スプリング
11b 支持体
11c 第2の転写ロール用バイアス印加部
11d 劣化トナー回収用容器
110,110’ 劣化トナー回収装置
12 劣化トナー回収用のクリーニングブレード
12a 支持柱
1 トレイ
2 帯電器
3 感光体
31 クリーニングブレード
4 CPU
5 モータ
5a バネ
5b ベルト
5c 駆動力伝達ロール
6 現像器
6b 外添剤収容室
6c トナー再生装置
6d トナーカートリッジ
61 現像スリーブ
62 層厚調整板
63 容器
64a,64b 攪拌部
65 サーミスタ
7 露光部
8a,8b レジロール対
9 転写ロール
10 定着器
11 劣化トナー回収用の転写ロール(第2の転写ロール)
11a スプリング
11b 支持体
11c 第2の転写ロール用バイアス印加部
11d 劣化トナー回収用容器
110,110’ 劣化トナー回収装置
12 劣化トナー回収用のクリーニングブレード
12a 支持柱
Claims (1)
- 静電潜像を保持する像保持体と、
トナーを含む現像剤を有し、前記像保持体の上の静電潜像を、該現像剤中のトナーで現像してトナー像を形成する現像部と、
前記現像部内の現像剤の温度を検知する温度検知部と、
前記像保持体に対して当接離間が可能な、前記前記温度検知部の検知結果が所定の高温状態を示している場合には、前記像保持体に当接して前記現像部で形成されたトナー像のトナーを前記像保持体から回収するトナー回収部と、
前記トナー回収部により回収されたトナーに外添剤を添加して、前記現像部に供給するトナー供給部とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006296190A JP2008112086A (ja) | 2006-10-31 | 2006-10-31 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006296190A JP2008112086A (ja) | 2006-10-31 | 2006-10-31 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008112086A true JP2008112086A (ja) | 2008-05-15 |
Family
ID=39444617
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006296190A Withdrawn JP2008112086A (ja) | 2006-10-31 | 2006-10-31 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008112086A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010076148A (ja) * | 2008-09-24 | 2010-04-08 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像形成装置 |
-
2006
- 2006-10-31 JP JP2006296190A patent/JP2008112086A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010076148A (ja) * | 2008-09-24 | 2010-04-08 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像形成装置 |
JP4557072B2 (ja) * | 2008-09-24 | 2010-10-06 | 富士ゼロックス株式会社 | 画像形成装置 |
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