JP2008111025A - ガスバリヤー材およびガスバリヤー性包装用フィルム - Google Patents

ガスバリヤー材およびガスバリヤー性包装用フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】酸素バリヤー性、水蒸気バリヤー性やフィルム等とした際の透明性に優れるガスバリヤー材及び該ガスバリヤー材を利用した多層型のガスバリヤー性包装用フィルムを提供すること。
【解決手段】本発明のガスバリヤー材は、式(1)で表されるウレタン結合含有ジオール(メタ)アクリレート化合物に由来する構造単位を有する重合体を含み、本発明の多層型のガスバリヤー性包装用フィルムは、前記ガスバリヤー材からなるフィルム層を少なくとも1層備える。
【化1】
Figure 2008111025

(R1:H、−CH3、R2:−(CH2)n−、n:1〜4の整数。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、ガスバリヤー性、特に酸素及び水蒸気のバリヤー性に優れたフィルムや成形物等のガスバリヤー材、並びに該ガスバリヤー材を利用した多層型の包装用フィルムに関する。
従来、酸素等の透過性を防ぐガスバリヤー性を付与した包装用フィルムとしては、高い酸素バリヤー性を有するポリマーフィルムを基材とするものや、ポリマーフィルムに金属箔や金属蒸着膜を積層したものが、広く使用されている。このようなフィルムの原材料としては、例えば、特許文献1及び2に開示されるように、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等のビニルポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、ナイロン、あるいは延伸ポリエチレンテレフタレート等がよく知られている。
しかし、従来のガスバリヤー性のフィルム原材料において、塩素やニトリルを含む材料は、焼却時に塩酸が発生し、その廃棄の問題や、熱安定性が低いため各種添加剤の使用が不可欠である等の加工時における問題がある。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、ナイロン、延伸ポリエチレンテレフタレートを用いる場合には、得られるフィルムの透明性やガスバリヤー性が十分ではなかった。
一方、ポリマーフィルム基材にアルミニウム等の金属層を積層したものは、非常に高いガスバリヤー性を示すが、内容物が見えないことやマイクロ波を透過しないという欠点がある。これを改良するために、特許文献3〜5には、酸化ケイ素や酸化アルミニウム等の透明金属酸化物を含む薄膜を真空蒸着法によりフィルム基材上に形成する方法が開示されている。しかし、真空蒸着したものは、透明性の低下や可とう性が低下し易くなる。
ところで、新規な重合性材料として、特許文献6には、ウレタン結合含有ジオール(メタ)アクリレート化合物が知られている。しかし、該化合物のガスバリヤー材としての利用については知られていない。
特公昭50−28120号公報 特公昭59−47996号公報 特公昭51−4810号公報 特公昭53−129530号公報 特開昭63−257630号公報 特開2006−151953号公報
本発明の課題は、酸素バリヤー性、水蒸気バリヤー性やフィルム等とした際の透明性に優れるガスバリヤー材及び該ガスバリヤー材を利用した多層型のガスバリヤー性包装用フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、分子構造中に親水性の(メタ)アクリレート基及び親水性のウレタン結合と、複数のヒドロキシ基を併せ持つウレタン結合含有ジオール(メタ)アクリレート化合物を含む原料モノマーを重合して得られる重合体が、フィルム等にした際にガスバリヤー性及び透明性に優れることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明によれば、式(1)で表されるウレタン結合含有ジオール(メタ)アクリレート化合物に由来する構造単位を有する重合体を含むガスバリヤー材が提供される。
Figure 2008111025
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は−(CH2)n−、nは1〜4の整数である。)
また本発明によれば、上記ガスバリヤー材からなるフィルム層を、少なくとも1層備える多層型のガスバリヤー性包装用フィルムが提供される。
本発明のガスバリヤー材は、特定の構造単位を有する重合体を含むので、酸素等のガス成分及び水蒸気のバリヤー性に優れ、且つ透明性を有するので、各種ガスバリヤー性フィルム又は各種成形物、更には本発明のガスバリヤー性包装用フィルムとして利用できる。例えば、ガス成分や水蒸気を遮断あるいは封入するのに有効で、更に透明であるため、中の状態を目視で確認できるという利点もあり、食品や薬等の劣化や不純分の混入抑制、更には、有機、無機材料を問わず材料表面の劣化を保護するのにも有用である。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明のガスバリヤー材は、前記式(1)で示されるウレタン結合含有ジオール(メタ)アクリレート化合物(以下、単量体(1)と略記する)に由来する構造単位を有する重合体(以下、重合体(1)と略記する)を含む。
式(1)において、R1は水素原子又はメチル基を表し、重合性の高さの観点からは水素原子であることが好ましい。R2は−(CH2)n−を示し、nは1〜4の整数である。R2は具体的に−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−のいずれかであり、入手のし易さから−CH2−又は−CH2CH2−が好ましい。
前記単量体(1)としては、例えば、グリセロール−1−メタクリロイルオキシエチルウレタン、グリセロール−1−アクリロイルオキシエチルウレタン、3,4−ジヒドロキシブチル−1−(メタ)アクリロイルオキシエチルウレタン、5,6−ジヒドロキシヘキシル−1−(メタ)アクリロイルオキシエチルウレタンが挙げられ、合成のし易さからグリセロール−1−メタクリロイルオキシエチルウレタンが好ましく挙げられる。
単量体(1)の合成は、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアナートとグリセリンとを、三級アミンやスズ化合物等のウレタン化反応触媒の存在下反応させる方法、又は(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアナートと、(R,S)−1,2−イソプロピリデングリセロール、(R,S)−sec−ブチリデングリセロール等の環状ケタールとをウレタン化反応させた後、酸触媒の存在下に加水開環反応させる方法により行うことができる。
本発明に用いる重合体(1)は、上記単量体(1)を重合性原料として重合した単独重合体、又は単量体(1)と共重合可能な他の単量体とを重合性原料として重合した共重合体である。
前記単量体(1)と共重合可能な他の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、ビニルエーテルモノマー、エポキシ基含有モノマー、多官能性モノマー、架橋性モノマーが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)クリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシルシランが挙げられる。
前記ビニルエーテルモノマーとしては、例えば、メチルビニルエーテルが挙げられる。
前記エポキシ基含有モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記多官能性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記架橋性モノマーとしては、例えば、N−メチロールアクリルアミド、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルが挙げられる。
以上のように、単量体成分には、単量体(1)と共重合可能な他の単量体を自在に組み合わせて用いることができる。例えば、ガラスに対する密着性、得られる塗膜の強度及び無機成分との親和性の面からは、他の単量体としては、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシルシラン及び/又はトリメチロールプロパントリアクリレートの使用が好ましい。
重合体(1)を調製するための重合性原料において、単量体(1)の含有割合は任意であって、架橋性モノマー以外の他の単量体の種類や量に応じて適宜選択できる。例えば、重合性原料中の単量体(1)の含有割合は、10質量%以上、好ましくは10〜80質量%である。10質量%より少ないと、材料によっては基材に対する充分な密着性が得られない恐れがある。
重合性原料が、前記他の単量体を含む場合の含有割合は、架橋性モノマー以外の他の単量体の合計量が、重合性原料全量に対して、通常60質量%以下、好ましくは10〜40質量%である。
重合性原料が、架橋性モノマーを含有する場合の含有割合は、重合性原料全量に対して、通常20質量%以下、好ましくは5〜10質量%である。
前記重合性原料の重合は、例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシネオデカノエート等の有機過酸化物;2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビスイソ酪酸ジメチル等のアゾ化合物等のラジカル開始剤を用いて行なうことができる。
ラジカル開始剤の使用量は、重合性原料の単量体100質量部に対して、通常0.1〜5.0質量部が好ましい。重合温度及び重合時間は、ラジカル開始剤の種類や他の単量体の有無や種類等によって適宜選択して決定することができる。重合温度は好ましくは室温〜150℃、重合時間は1〜48時間程度が適当で、必要に応じて昇温、冷却をプログラムして行う方法も選択できる。
前記重合性原料の重合は、単量体(1)が、それ自身の持つ光重合性により、紫外線、可視光、電子線等により硬化反応が進行し、重合するため、必ずしもラジカル開始剤や光重合開始剤を用いなくても光重合させることができる。
光重合を行うにあたっては、例えば、波長254nmの紫外線(UV)又は加速電圧150〜300kVの電子線(EB)照射等により実施することができる。この際、光重合開始剤の使用は任意であるが、反応時間の点からは使用が好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられるが、重合性原料への溶解性等の点から2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノンが好ましく挙げられる。
光重合開始剤を使用する場合の使用量は、重合性原料中の単量体100質量部に対して、通常0.1〜5.0質量部が好ましい。
本発明に用いる重合体(1)の重量平均分子量は、通常5000〜1000000であれば、ガスバリヤー材として使用でき、包装フィルムとした際の強度の観点からは、50000〜800000が好ましい。
尚、単量体(1)に由来する構造単位とは、具体的には式(a)で表される構造単位である。
Figure 2008111025
本発明のガスバリヤー材においては、ガスバリヤー性を更に向上させるために、重合体(1)に、例えば、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン等の金属酸化物粒子を配合することもできる。
金属酸化物粒子は、ガスバリヤー材の透明性及び分散性を確保するために、動的光散乱法により測定した粒子径が通常2nm〜10μm、より好ましくは3nm〜1μmの範囲である。粒子径が2nm未満では粒子の凝集により均一な分散が困難なことがあり、また10μmを超える場合は、粒子の沈降により粒子の均一な分散が困難になる恐れがある。金属酸化物粒子の重合体(1)への配合は、例えば、該金属酸化物粒子を、水又はアルコール系溶媒に分散させたコロイド溶液として重合体(1)に混合する方法によって行うことが好ましい。
本発明のガスバリヤー材においては、ガスバリヤー性を更に向上させるために、重合体(1)に、例えば、アルキルトリアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、アルケニルトリアルコキシシラン、グリシドキシアルキルトリアルコキシシラン、グリシドキシジアルキルジアルコキシシラン、フェニルトリアルコキシシラン等のアルコキシシラン化合物を配合することもできる。
前記金属酸化物粒子及び/又はアルコキシシラン化合物を配合する場合の配合量は、耐熱性やガスバリヤー性の観点から、前記重合体(1)と金属酸化物粒子及び/又はアルコキシシラン化合物との合計量に対して、10〜70質量%が好ましく、20〜70質量%が更に好ましい。金属酸化物粒子とアルコキシシラン化合物とは、いずれか一方を配合しても両方を配合しても良く、両方を配合する場合の割合は、全体として上記配合量となれば特に限定されない。
前記アルコキシシラン化合物の重合体(1)への配合は、例えば、水や有機溶媒と、必要に応じて少量の酸を加えてアルコキシシラン化合物を加水分解して重合体(1)に混合する方法によって行うことが好ましい。加水分解時に使用する有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール又はこれら2種以上の混合物が挙げられる。
本発明において、前記金属酸化物粒子及び/又はアルコキシシラン化合物を重合体(1)に配合する場合は、重合体(1)を含む配合物を溶剤中に溶解又は分散した液状で混合することが好ましい。
使用する溶媒としては、前記配合物を溶解又は分散するものであって、対象となる成形物に対して著しい害を与えない溶剤であれば特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール又はこれらのアルコール類の少なくとも1種と他の有機溶媒とを混合した溶媒が挙げられる。この際、溶媒の使用量は、固形分濃度が通常1〜50質量%、好ましくは5〜30質量%となるような量である。
本発明のガスバリヤー材においては、更に、必要に応じて、例えば、紫外線吸収剤、酸化安定剤、帯電防止剤、着色剤、可塑剤、滑材、フォトクロミック材料、フッ素系防汚材、分散安定剤等の添加剤を含有することもできる。その他、アルコキシシラン化合物を配合する場合等には、例えば、無機酸、有機酸、有機金属、アルカリ金属化合物塩、有機酸アルカリ金属塩、亜硝酸アルカリ金属塩、亜硫酸アルカリ金属塩等の硬化用の触媒を添加しても良い。
本発明のガスバリヤー材は、例えば、包装材として使用する場合は、通常、厚さ1〜500μm、好ましくは5〜200μmのフィルムに成形することができる。該フィルムの製造は、例えば、上記重合体(1)を含む原材料を、公知の加熱成形法により行うことができ、該加熱温度は、通常100〜250℃程度である。また、前記重合体(1)を含む原材料を、キャスト法により基材に塗布し、溶媒を除去する方法、他のフィルム等の成形物を原材料中に浸漬、あるいは該成形物に原材料を均一にスプレー又は塗布し、その後乾燥し、加熱硬化させる方法等によってもフィルムを製造することがで、基材の成形物がフィルムの場合には多層型のフィルムを得ることができる。該加熱硬化は、通常、80〜200℃の範囲で1分以上の条件で行うことができる。
本発明のガスバリヤー材は、通常、1.0〜70cc/m2/24時間、好ましくは1.0〜5.0cc/m2/24時間の酸素バリヤー性、及び通常、0.5〜20g/m2/24時間、好ましくは0.8〜3.0cc/m2/24時間の水蒸気のバリヤー性を示す。
本発明のガスバリヤー性包装用フィルムは、上述の本発明のガスバリヤー材からなるフィルム層を、少なくとも1層備える多層型のフィルムである。
このような多層型包装用フィルムは、例えば、本発明のガスバリヤー材と、他のフィルムとを積層してなるものであって、上述の方法等により得ることができる。
本発明のガスバリヤー性包装用フィルムにおいて、本発明のガスバリヤー材による層の厚さは、その機能を十分発揮させるために、好ましくは0.1〜500μmである。
本発明のガスバリヤー材からなるフィルム層と他のフィルム層との積層の順番や、他のフィルムは任意であって良い。
他のフィルム材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂等のポリマーからなるフィルム材料を用いることができる。
本発明のガスバリヤー性包装用フィルムは、例えば、透明性が必要ない場合等においては、アルミニウム、鉄、銅、ステンレス等の金属や、アルミナ、ガラス、セラミック等の金属酸化物の成形材料層を有することもできる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
製造例1
M.Renoll, M.S.Newman, Org. Syn. Coll. 3, 502(1955)に従い、以下の合成方法により、(R,S)−1,2−イソプロピリデングリセロールを製造した。
カルシウム管、冷却管及びディーン−スターク(Dean-stark)トラップを装着したナス型フラスコに、グリセリン100g、アセトン300ml、p−トルエンスルホン酸1水和物3g及び石油エーテル300mlを加え、50℃に設定したオイルバス中で加熱還流させた。12時間後、生成水分量約23mlで、新たに水分が生成しなくなったことを確認した後、反応混合物を室温まで冷却した。次いで、酢酸ナトリウム3gを加えて更に30分間攪拌した後、エバポレータにより石油エーテル及びアセトンを留去した。得られた粗生成物を、バス温度70℃、留分温度60℃、減圧度5mmHgの条件で減圧蒸留することにより、収量130.6g、収率91%で、無色透明液体の(R,S)−1,2−イソプロピリデングリセロールを得た。1H-NMRの測定結果を以下に示す。
1H-NMR(CDCl3);1.3−1.5ppm,d,CH3(6H) 1.9ppm,s,OH(1H) 3.5−4.3ppm,m,CH2CHCH2(5H)
ナス型フラスコに、上記合成した(R,S)−1,2−イソプロピリデングリセロール6.60g及びピリジン1mlを加え、メタクリロイルオキシエチルイソシアナート7.37g(昭和電工株式会社製)を秤取って、滴下ロート及びカルシウム管を装着した。室温、遮光下において、メタクリロイルオキシエチルイソシアナートをゆっくりと滴下した。50℃に設定したオイルバス中で7時間反応させた。反応終了後、ピリジン及び過剰の(R,S)−1,2−イソプロピリデングリセロールを減圧留去することにより、収量12.7g、収率93%で、白色固体の(R,S)−1,2−イソプロピリデングリセロール−3−メタクリロイルオキシエチルウレタンを得た。1H-NMRの測定結果を以下に示す。
1H-NMR(CDCl3);1.3−1.5ppm,d,CH3(6H) 1.9ppm,s,CH2=CH(CH3)(3H) 3.4−4.4ppm,m,OCH2CH2NH CH2CHCH2(9H) 5.1ppm,s,NH(1H) 5.6,6.1ppm,s,CH2=C(CH3)(2H)
スクリュー管にマグネチックスターラを入れ、前記合成した(R,S)−1,2−イソプロピリデングリセロール−3−メタクリロイルオキシエチルウレタン1.0g、メタノール3.9ml及び4Nの塩酸100μlを加え、室温下30分間攪拌反応させたところ、懸濁液が透明溶液となった。更に60分間攪拌反応させた後、減圧乾燥により無色粘性液体のグリセロール−1−メタクリロイルオキシエチルウレタン(GLYMOUと略す)を得た。収量は852mg、収率は99%であった。1H-NMRの測定結果を以下に示す。
1H-NMR(D2O);1.8ppm,s,CH2=CH(CH3)(3H) 3.3−4.2ppm,m,OCH2CH2NH CH2CH CH2(9H) 5.6,6.0ppm,s,CH2=C(CH3)(2H)
合成例1
製造例1で合成したGLYMOU 10g、水/メタノール混合溶媒50ml(1/4(v/v))及びアゾビスイソブチロニトリル50mgをねじ口試験管に秤取り、30秒間アルゴンガスでバブリングした。すばやく密栓した後、予め65℃に設定した振とう機によって24時間反応させた。24時間後、反応溶液を透析膜(商品名スペクトラ/ポア7(フナコシ(株)製)、分画分子量1000)にとり、1Lの水中で、3時間毎に水を交換して12時間透析操作を行った。この溶液を1000mlのナス型フラスコに取り、凍結乾燥することにより収量8.5g、収率85%で、ポリグリセリル−1−メタクリロイルオキシエチルウレタン(以下、重合体−1と略す)を合成した。
得られた重合体−1は、容易に水に溶解し、無色粘性の溶液を与えた。この溶液を下記条件においてGPCを用いて分子量を測定した。その結果、得られた重合体の重量平均分子量は、約126000であった。
(GPC条件)
溶離液:20mM燐酸緩衝液、カラム:TSKgel G4000PWXL+TSKgel G2500PWXL、検出器:RI、送液速度:0.6ml/分、カラム槽温度:40℃、標準物質:ポリエチレンオキシド。
合成例2
GLYMOU 10gの代わりに、GLYMOU 8g及びメチルメタクリレート2gを用い、溶媒としてメタノール単独溶媒50mlを使用した以外は合成例1と同様に重合を行い、重量平均分子量135000のポリグリセリル−1−メタクリロイルオキシエチルウレタン:メチルメタクリレート共重合体を含有する有機ポリマー(以下、重合体−2と略す)を9.2g合成した。
合成例3
GLYMOU 10gの代わりに、GLYMOU 9g及び3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシルシラン1gを用いた以外は合成例1と同様に重合を行い、重量平均分子量87000のポリグリセリル−1−メタクリロイルオキシエチルウレタン:3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシルシラン共重合体を含有する有機ポリマー(以下、重合体−3と略す)を9.1g合成した。
実施例1〜3
20μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、合成例1〜3で調製した各重合体の10%水/メタノール(1/4(v/v))混合溶液から10μmのフィルムをキャストさせて透明ガスバリヤーフィルムを作製した。
得られたフィルムについて、JIS K 7126に基づき酸素透過度測定器によって酸素透過度を、また、JIS Z 0208の透湿度試験法に基づいて水蒸気透過度を、更に、光透過率計により透明性をそれぞれ評価した。結果を表1に示す。
実施例4〜6
テトラエトキシシラン(TEOSと略す)4.23gに、水7.32g、リン酸6.52mg及びメタノール910mgを加えて、40℃で4時間攪拌し、加水分解を行い、TEOS加水分解物溶液12.5gを得た。
次に、合成例1〜3で調製した各重合体の10wt%水/メタノール(1/4(v/v))混合溶液と、TEOS加水分解物溶液とを表1に示す配合比となるように混合し、その混合液を、20μmのPETフィルム上に、10μmのコーティング層になるよう塗布し、乾燥後150℃で30分加熱処理して、フィルムを作製した。得られたフィルムについて、実施例1と同様に性能評価した。結果を表1に示す。
実施例7〜9
合成例1〜3で調製した各重合体の10wt%水/メタノール(1/4(v/v))混合溶液、実施例4で調製したTEOS加水分解物溶液及び酸化ケイ素微粒子(粒径4〜50nm、日産化学社製、以下SiO2粒子と略す)を表1に示す配合比となるように混合し、その混合液を、20μmのPETフィルム上に、10μmのコーティング層になるよう塗布し、乾燥後150℃で30分加熱処理して、フィルムを作製した。得られたフィルムについて、実施例1と同様に性能評価した。結果を表1に示す。
実施例10
フィルム用ポリエチレン(PE)と合成例2で調製した重合体−2を用いて、共押し出し成型機により200℃で積層フィルムを得た。各層の厚さは、PE層100μm、重合体−2層100μmであった。得られたフィルムについて、実施例1と同様に性能評価した。結果を表1に示す。
比較例1
10μmのPETフィルムについて、実施例1と同様に性能評価した。結果を表1に示す。
比較例2
実施例4で調製したTEOS加水分解物溶液を、20μmのPETフィルム上に、10μmのコーティング層になるよう塗布し、乾燥後150℃で30分加熱処理して、フィルムを作製した。得られたフィルムについて、実施例1と同様に性能評価した。結果を表1に示す。
比較例3
実施例4で調製したTEOS加水分解物溶液及びSiO2粒子を、20μmのPETフィルム上に、10μmのコーティング層になるよう塗布し、乾燥後150℃で30分加熱処理して、フィルムを作製した。得られたフィルムについて、実施例1と同様に性能評価した。結果を表1に示す。
Figure 2008111025

Claims (3)

  1. 式(1)で表されるウレタン結合含有ジオール(メタ)アクリレート化合物に由来する構造単位を有する重合体を含むガスバリヤー材。
    Figure 2008111025
    (式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は−(CH2)n−、nは1〜4の整数である。)
  2. 粒径2nm〜10μmの金属酸化物粒子及び/又はアルコキシシラン化合物を含む請求項1記載のガスバリヤー材。
  3. 請求項1又は2記載のガスバリヤー材からなるフィルム層を、少なくとも1層備える多層型のガスバリヤー性包装用フィルム。
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