JP2008110895A - 窒化物半導体結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】窒化物半導体結晶との溶解速度差が小さい材料からなるバッファ層を用いた場合であっても、選択的エッチングにより短時間でバッファ層を溶解させて、窒化物半導体結晶を異種基板から分離可能とすることができる、窒化物半導体結晶の製造方法を提供すること。
【解決手段】異種基板上にバッファ層を介して層状の窒化物半導体結晶が形成されてなるエピタキシャルウェハであって、該窒化物半導体結晶が気相成長により形成されたものであり、該異種基板の該窒化物半導体結晶が形成された側の主面が加工により凹凸面とされており、該凹凸面の凹部と該窒化物半導体結晶との間に空隙が形成されているエピタキシャルウェハを準備する。次に、前記バッファ層を前記窒化物半導体結晶に対して選択的に溶解させ得るエッチング液を前記空隙の内部に導入し、該エッチング液によって前記バッファ層を溶解させて、前記窒化物半導体結晶を前記異種基板から分離させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、異種基板上に窒化物半導体結晶を層状に気相成長させてなるエピタキシャルウェハを準備する工程と、該窒化物半導体結晶を該異種基板から分離させる工程とを有する、窒化物半導体結晶の製造方法に関する。
窒化物半導体は化学式InGaAlN(0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1、X+Y+Z=1)で表される化合物半導体であり、3族窒化物半導体、窒化ガリウム系半導体などとも呼ばれる。上記化学式において、3族元素の一部をB(ホウ素)、Tl(タリウム)などで置換したもの、また、N(窒素)の一部をP(リン)、As(ヒ素)、Bi(ビスマス)などで置換したものも、窒化物半導体に含まれる。本明細書では、窒化物半導体結晶の気相エピタキシャル成長に適用可能な基板であって、少なくとも結晶成長面側の表面に窒化物半導体とは異なる材料からなる単結晶層を有する基板を、異種基板と呼ぶ。代表的な異種基板として、サファイア、SiC、Si、スピネル等からなる単結晶基板が例示される。
異種基板上に窒化物半導体結晶を層状に気相成長させたうえで、窒化物半導体結晶を異種基板から分離させる、窒化物半導体結晶の製造方法が知られている。一例として、特許文献1には、異種基板上に、窒化物半導体結晶に対して選択的に溶解させることのできるバッファ層を介して、窒化物半導体結晶を成長させた後、エッチング液によりバッファ層を選択的に溶解することによって、窒化物半導体結晶を異種基板から分離させる方法(以下、この方法を「選択的エッチング法」とも呼ぶ。)が開示されている。選択的エッチング法によれば、紫外線レーザを用いるレーザリフトオフ法と異なり、大掛かりな装置を必要とすることなく、窒化物半導体結晶と異種基板との分離を行うことができる。
特開平11−35397号公報 特開2000−331947号公報 特開2002−8980号公報 特開2002−343729号公報 ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス,第45巻,第39号,2006年,第L1045〜L1047頁(Japanese Journal of Applied Physics,Vol.45,No.39,2006,pp.L1045−L1047)
異種基板上に結晶性の良好な窒化物半導体結晶を気相成長させるには、AlNバッファ層のような、窒化物半導体からなるバッファ層を用いることが好ましい。ところが、バッファ層を窒化物半導体で形成すると、バッファ層と窒化物半導体結晶の化学的性質が似たものとなるので、選択的エッチング法におけるエッチング液の選択性が低くなる。すなわち、バッファ層と窒化物半導体結晶の溶解速度の差が小さくなるので、選択的エッチング法によって、短時間で窒化物半導体結晶を異種基板から分離させることが難しくなる。また、エピタキシャルウェハをエッチング液に浸漬する時間を長くしなくてはならなくなるために、エッチング液の作用で窒化物半導体結晶の表面がひどく荒れる場合がある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、その主な目的は、異種基板上に窒化物半導体結晶を成長させるにあたり、窒化物半導体結晶との溶解速度差が小さい材料からなるバッファ層を用いた場合であっても、選択的エッチング法により短時間でバッファ層を溶解させて、窒化物半導体結晶を異種基板から分離可能とすることができる、窒化物半導体結晶の製造方法を提供することにある。
上記課題を達成するために、本発明に係る窒化物半導体結晶の製造方法は次の特徴を有する。
(1)(イ)異種基板上にバッファ層を介して層状の窒化物半導体結晶が形成されてなるエピタキシャルウェハであって、該窒化物半導体結晶が気相成長により形成されたものであり、該異種基板の該窒化物半導体結晶が形成された側の主面が加工により凹凸面とされており、該凹凸面の凹部と該窒化物半導体結晶との間に空隙が形成されているエピタキシャルウェハを準備する、エピタキシャルウェハ準備工程と、(ロ)前記バッファ層を前記窒化物半導体結晶に対して選択的に溶解させ得るエッチング液を前記空隙の内部に導入し、該エッチング液によって前記バッファ層を溶解させて、前記窒化物半導体結晶を前記異種基板から分離させる、分離工程と、を有する窒化物半導体結晶の製造方法。
(2)前記(ロ)の分離工程が、前記エッチング液よりも粘度の低い第1の液体を前記空隙の内部に導入して、該空隙の内部を該第1の液体で満たす工程と、該空隙の内部を満たす第1の液体を前記エッチング液に置換する工程とを含む、前記(1)に記載の製造方法。
(3)前記(ロ)の分離工程が、減圧下で前記空隙の内部に前記エッチング液または前記エッチング液と置換し得る液体を導入することを含む、前記(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)前記バッファ層が窒化物半導体からなり、前記窒化物半導体結晶の少なくとも該バッファ層と接する部分が、該バッファ層とは異なる化学組成を有する窒化物半導体からなる、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)前記バッファ層がAlNバッファ層であり、前記窒化物半導体結晶の少なくとも該AlNバッファ層と接する部分がGaNからなる、前記(4)に記載の製造方法。
(6)前記AlNバッファ層が単結晶質である、前記(5)に記載の製造方法。
(7)前記エピタキシャルウェハに含まれる窒化物半導体結晶が、前記凹凸面の凹部上に、Mgを添加しながらラテラル成長させることにより形成された部分を含む、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法。
本発明に係る窒化物半導体結晶の製造方法によれば、選択的エッチング法により短時間でバッファ層を溶解させて、窒化物半導体結晶を異種基板から分離可能とすることができるので、窒化物半導体結晶を効率的に製造することができる。また、エピタキシャルウェハをエッチング液に浸漬する時間を短縮できるので、エッチング液の作用による窒化物半導体結晶の表面の荒れを抑えることができる。これらの効果は、異種基板上に窒化物半導体結晶を成長させるにあたり、窒化物半導体結晶との溶解速度差が小さい材料からなるバッファ層を用いる場合に顕著となる他、サイズの大きな異種基板を用いて、大面積の窒化物半導体結晶を製造する場合に顕著となる。
次に、本発明の一実施例に係る窒化物半導体結晶の製造方法を説明する。
(実施例)
図1(a)に断面図を示すように、一表面を加工により凹凸面とした、直径2インチのC面サファイア基板1を準備する。サファイア基板1の表面は、紙面と交わる方向に伸びるストライプ状の凹部および凸部が交互に並んだ、周期的な凹凸パターンを呈する凹凸面となっており、凹部の幅W1は7μm、凹部の深さDは2μm、凸部の幅W2は2μmである。ストライプの長手方向は、サファイアの<11−20>方向である。サファイア基板1を形成するには、まず、通常のC面サファイア基板の平坦な表面(C面)の上にフォトレジスト膜を形成し、次に、フォトリソグラフィ技法により該フォトレジスト膜をストライプ状にパターニングする。次に、反応性イオンエッチング法により、フォトレジスト膜に覆われずに露出した基板表面を選択的にエッチングして、凹部を形成する。凹部の形成後、有機溶剤によりフォトレジスト膜を除去する。
次に、サファイア基板1を有機金属化合物気相成長(MOVPE)装置の反応容器内に装着し、温度1200℃に加熱した状態で、トリメチルアルミニウム(TMA)およびアンモニアを、圧力15Torr、流量比アンモニア/TMA=450で供給し、AlNバッファ層を約0.2μmの厚さに成長させる。図1(b)に示すように、AlNバッファ層2は、凹凸面とされたサファイア基板1の表面の、凹部の底面と凸部の上面とに成長する。凹部の底面に成長する層と凸部の上面に成長する層とで膜厚が同じとならないことがあるが、その場合は、凸部の上面に成長する層の厚さが約0.2μmとなるように成長時間を設定する。1200℃で成長したAlNバッファ層2は単結晶質となる。
AlNバッファ層2を成長させた後、基板温度を1000℃に下げ、トリメチルガリウム(TMG)およびアンモニアを供給することにより、図1(c)に示すように、上記AlNバッファ層2を種結晶として、第1のGaN結晶層3aを厚さTが約4μmとなるように成長させる。サファイア基板1の表面に形成したストライプ状凹部の長手方向をサファイアの<11−20>方向とすることにより、このストライプ方向に直交する方向のGaN結晶のラテラル成長速度が大きくなるので、サファイア基板1の凹部内に成長する結晶と、凸部の上方から成長するGaN結晶とがつながる前に、隣接する凸部の上方からラテラル成長するGaN結晶どうしがつながり、サファイア基板1の凹部と第1のGaN結晶層3aとの間に、ストライプ状の凹部形状に即した細長い空隙が形成される。後の工程において、該空隙の内部にエッチング液を導入し易くするためには、空隙の容積が大きくなるように第1のGaN結晶層3aを成長させることが望ましい。そのためには、GaN結晶のラテラル成長を促進して、隣接する凸部の上方から成長するGaN結晶どうしが、より早くつながるようにすればよい。GaN結晶のラテラル成長を促進するには、3族原料および5族原料とともにビスシクロペンタジエニルマグネシウムなどを供給して、GaN結晶中にMg(マグネシウム)を添加することが好ましく、また、GaN結晶の成長温度を1000℃以上とすることが好ましい。
第1のGaN結晶層3aの形成後、得られたウェハをMOVPE装置から取り出して、ハイドライド気相成長(HVPE)装置に移し換える。そして、HVPE法を用いて、第1のGaN結晶層3aの上に第2のGaN結晶層3bを400μmの厚さに成長させる。このようにして、図1(d)に示すように、サファイア基板1上に、AlNバッファ層2を介してGaN結晶層3が気相成長してなる、エピタキシャルウェハを得る。ここで、GaN結晶層3は、第1のGaN結晶層3aおよび第2のGaN結晶層3bからなる積層体である。
なお、第1のGaN結晶層3aまたは第2のGaN結晶層3bを成長させる際に、ウェハの端面上にもGaN結晶が成長することによって、サファイア基板1とGaN結晶層3との間の空隙がウェハ端面に開口しないで塞がれてしまう場合がある。その場合には、次の工程に進む前に、エピタキシャルウェハの端面を研磨して、空隙の開口部を塞いでいるGaN結晶を除去する。
次に、上記工程により得たエピタキシャルウェハをエッチング液に浸漬して、AlNバッファ層2をGaN結晶層3に対して選択的に溶解させることにより、GaN結晶層3をサファイア基板1から分離させる。エッチング液としては、AlNをGaNよりも速く溶解させる、液温80℃の50wt%KOH水溶液を用いることができる。KOH水溶液は毛細管現象によって、ウェハ端面の開口部から、サファイア基板1の凹部とGaN結晶層3との間の空隙の内部に入っていく。空隙が細長いので、その一方の端からKOH水溶液が空隙内に入り、他方の端から空気が抜けるように、空隙内がエッチング液に満たされるまでは、エピタキシャルウェハの半分だけをKOH水溶液中に浸すようにすることが好ましい。浸漬後、約1時間で、GaN結晶層3をサファイア基板1から分離させることができる。分離したGaN結晶3は、基板(GaN基板)として、発光素子(レーザダイオードなど)や電子素子(高電子移動度トランジスタなど)などの半導体素子の製造に好適に用いることができる。
以上に本発明の一実施例に係る窒化物半導体結晶の製造方法を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。
上記実施例では異種基板としてC面サファイア基板を用いているが、限定されるものではなく、A面サファイア基板、R面サファイア基板、SiC基板(6H、4H、3C)、Si基板、GaAs基板、GaP基板、スピネル基板、ZnO基板、NGO(NdGaO)基板、LGO(LiGaO)基板、LAO(LaAlO)基板、ZrB基板、TiB基板その他、公知の異種基板を任意に用いることができる。
上記実施例では、LEPS法を用いてエピタキシャルウェハを作製している。LEPS法とは、特許文献2などに開示された窒化物半導体結晶の成長方法であり、基板の一主面を加工して凹凸面としたうえで、該凹凸面の上に窒化物半導体結晶を成長させる方法である。LEPS法は、異種基板と窒化物半導体結晶層との間に空隙を有するエピタキシャルウェハを作製するうえで好ましい方法であるが、他の方法として、ペンデオ法を用いることもできる。ペンデオ法は、特許文献3、特許文献4などに開示された窒化物半導体結晶の成長方法である。ペンデオ法では、まず、平坦な異種基板上にバッファ層を介して第一の窒化物半導体結晶層を成長させ、次に、第一の窒化物半導体結晶層の上からエッチングを行い、異種基板に達する凹部を加工する。そして、該凹部の形成により相補的に形成された凸部の上に残された、第一の窒化物半導体結晶層の一部を種結晶として、再成長により、第二の窒化物半導体結晶層を形成する。凹部を十分に深く形成し、また、第二の窒化物半導体結晶層の成長初期のラテラル成長速度を大きくすることにより、異種基板の凹部と第二の窒化物半導体結晶層との間に空隙を形成することができる。LEPS法、ペンデオ法のいずれを用いる場合も、異種基板の表面の凹部内に、窒化物半導体結晶の成長を阻害するマスクを形成することで、該凹部と窒化物半導体結晶層との間に確実に空隙を形成することができる。
異種基板の表面の凹部と窒化物半導体結晶層との間の空隙は、その全てが、エピタキシャルウェハの端面に開口していることが望ましいが、必須ではない。すなわち、空隙が複数ある場合には、その少なくとも一部が外部と連続していればよい。外部と連続した空隙が少しでもあれば、その内部にエッチング液を導入することによって、バッファ層の溶解を促進することができる。
上記実施例では、異種基板の表面を、ストライプ状の凹凸パターンを呈する凹凸面とし、その上に窒化物半導体結晶層を成長させることにより、該凹凸面の凹部と窒化物半導体結晶層との間に、平行に並んだ細長い空隙を多数形成している。この空隙は、それぞれを、エピタキシャルウェハの端面に開口させることができる。よって、このような凹凸パターンは、異種基板の表面を加工して凹凸面とするときの、好ましい凹凸面のパターンのひとつである。その他の好ましい凹凸パターンとしては、ドット状の凸部が分散した凹凸パターンが例示される。この場合は、異種基板の凹部と窒化物半導体結晶層との間に、連続したひとつの空隙を形成することができる。
上記実施例ではバッファ層としてAlNバッファ層を用いているが、限定されるものではなく、窒化物半導体結晶に対して選択的に溶解可能なバッファ層を任意に用いることができる。そのようなバッファ層として、窒化物半導体以外の材料からなるものとしては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マンガンなどからなるバッファ層が好ましく例示される。このような酸化物からなるバッファ層は、塩酸などの酸をエッチング液に用いることにより、窒化物半導体結晶に対して選択的に溶解させることができる。その上に成長させる窒化物半導体結晶の結晶性を良好なものとするうえでは、バッファ層を窒化物半導体で形成することが好ましい。上記実施例に示したように、AlNバッファ層は、KOH水溶液をエッチング液に用いることにより、GaN結晶に対して選択的に溶解させることができる。AlNバッファ層を、上記実施例のように、高温(単結晶成長温度)で成長させて単結晶質とすると、その上に成長させる窒化物半導体結晶の結晶性を極めて良好なものとすることができる。しかしながら、低温成長(例えば、成長温度600℃以下)により得られる、アモルファス状の部分や多結晶質の部分を含むAlNバッファ層を用いることも可能である。バッファ層を窒化物半導体材料で形成する場合、その直上に成長させる窒化物半導体結晶に対して選択的に溶解可能とするには、該窒化物半導体結晶とは異なる化学組成を有する窒化物半導体で形成する必要がある。バッファ層の好ましい厚さは、バッファ層の材料や成長温度、その上に成長させる窒化物半導体結晶の組成などにより変化するので、従来公知の技術を参照しながら、X線回折等の方法により評価できる窒化物半導体結晶の品質を指標として定めるようにすればよい。バッファ層の形成方法に限定はなく、その材料に応じて、MOVPE法、MBE法、スパッタリング法、蒸着法その他、公知の方法を適宜用いることができる。
本発明に係る窒化物半導体結晶の製造方法において、窒化物半導体結晶を気相成長させる方法に限定はなく、MOVPE法、HVPE法、MBE法その他の公知の方法を任意に用いることができる。これらの方法で用いる成長装置、原料ガス、キャリアガス、不純物などについては、公知技術を参照することができる。
上記実施例では、異種基板と窒化物半導体結晶層との間の空隙へのエッチング液の導入を、毛細管現象を利用して行ったが、この狭い空隙にエッチング液を導入するのに要する時間を短縮するために、次の方法を用いることができる。
ひとつには、異種基板と窒化物半導体結晶層との間の空隙に、一回の操作でエッチング液を導入するのではなく、まず、エッチング液よりも粘度の低い液体を導入した後に、エピタキシャルウェハをエッチング液に浸漬して、空隙に導入された液体を、エッチング液に置換する方法である。例えば、エッチング液として50wt%KOH水溶液を用いる場合に、まず、それよりも粘度の低い低濃度のKOH水溶液にエピタキシャルウェハを浸漬して、空隙に低濃度のKOH水溶液を導入した後、エピタキシャルウェハを別の容器に入れた50wt%KOH水溶液に浸漬し、空隙内のKOH水溶液を50wt%KOH水溶液に置換する。表面張力が高いために水溶液が狭い空隙の内部に入り難い場合には、表面張力を低下させるために、水溶液に界面活性剤を添加することもできる。
他の方法として、減圧下にて異種基板と窒化物半導体結晶層との間の空隙にエッチング液を導入する方法が挙げられる。この方法では、例えば、異種基板を密閉容器に入れ、その内部を減圧状態にしたうえで、該容器内にエッチング液を注入する。あるいは、開放容器に入れたエッチング液に異種基板を浸漬したうえで、該容器を減圧下に置くことで、空隙に閉じ込められた空気を空隙外に吸い出して、空隙内にエッチング液を導入してもよい。
エッチング液によりバッファ層を溶解させる際に、紫外線などの光を照射して光促進化学エッチングを行うこともできる。
本発明に係る窒化物半導体結晶の製造方法は、厚膜の単結晶の製造だけでなく、窒化物半導体素子の製造にも好適に用いることができる。一例として、発光ダイオード(LED)素子の製造への適用例を次に説明する。
(i)一主面を加工してストライプ状の凹凸パターンを呈する凹凸面としたサファイア基板を準備し、LEPS法により、該凹凸面上にLED構造を備えたエピタキシャル層を成長させる。ここで、エピタキシャル層とサファイア基板との間には、AlNバッファ層を介在させる。エピタキシャル層は、サファイア基板側から、アンドープGaN犠牲層と、n型GaNコンタクト層と、n型Al0.05Ga0.95Nクラッド層と、InGa1−xN(0≦x≦0.4)活性層と、p型Al0.1Ga0.9Nクラッド層と、p型GaNコンタクト層とを、順次成長させて積層することにより形成する。アンドープGaN犠牲層を成長させる際に、サファイア基板の凹凸面の凹部とアンドープGaN犠牲層との間に空隙ができるように、サファイア基板の凹凸面の凹部の長手方向および幅および深さを設定する(特許文献2を参照することができる)。
(ii)p型GaNコンタクト層の上面に、ウェハボンディングの方法を用いて、n型導電性が付与されたZnO基板を接合させる(非特許文献1を参照することができる)。
(iii)ウェハを液温80℃の50wt%KOH水溶液に浸漬し、サファイア基板の凹凸面の凹部とアンドープGaN犠牲層との間の空隙にKOH水溶液を導入してAlNバッファ層を溶解させて、エピタキシャル層をサファイア基板から分離する。
(iv)アンドープGaN犠牲層を研磨により除去して、n型GaNコンタクト層を露出させる。ZnO基板の表面に正電極を形成する。n型GaNコンタクト層の表面に負電極を形成する。最後に、ダイシングによってウェハを切断してチップ状のLED素子を得る。
本発明の一実施例に係る窒化物半導体結晶の製造方法を説明するための断面図である。
符号の説明
1 サファイア基板
2 AlNバッファ層
3 GaN結晶層

Claims (7)

  1. (イ)異種基板上にバッファ層を介して層状の窒化物半導体結晶が形成されてなるエピタキシャルウェハであって、該窒化物半導体結晶が気相成長により形成されたものであり、該異種基板の該窒化物半導体結晶が形成された側の主面が加工により凹凸面とされており、該凹凸面の凹部と該窒化物半導体結晶との間に空隙が形成されているエピタキシャルウェハを準備する、エピタキシャルウェハ準備工程と、
    (ロ)前記バッファ層を前記窒化物半導体結晶に対して選択的に溶解させ得るエッチング液を前記空隙の内部に導入し、該エッチング液によって前記バッファ層を溶解させて、前記窒化物半導体結晶を前記異種基板から分離させる、分離工程と、
    を有する窒化物半導体結晶の製造方法。
  2. 前記(ロ)の分離工程が、前記エッチング液よりも粘度の低い第1の液体を前記空隙の内部に導入して、該空隙の内部を該第1の液体で満たす工程と、該空隙の内部を満たす第1の液体を前記エッチング液に置換する工程とを含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記(ロ)の分離工程が、減圧下で前記空隙の内部に前記エッチング液または前記エッチング液と置換し得る液体を導入することを含む、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記バッファ層が窒化物半導体からなり、前記窒化物半導体結晶の少なくとも該バッファ層と接する部分が、該バッファ層とは異なる化学組成を有する窒化物半導体からなる、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記バッファ層がAlNバッファ層であり、前記窒化物半導体結晶の少なくとも該AlNバッファ層と接する部分がGaNからなる、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記AlNバッファ層が単結晶質である、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記エピタキシャルウェハに含まれる窒化物半導体結晶が、前記凹凸面の凹部上に、Mgを添加しながらラテラル成長させることにより形成された部分を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
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