JP2008110419A - 静圧案内テーブルおよびこれを備えた工作機械 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 一軸方向に延在する案内部56を備えた案内基部52と、案内基部52の上方に設置され、案内部56に係合するブロック体62a,62bを備え、ブロック体62a,62bが案内部56にガイドされつつ移動する移動テーブル54とを備え、案内部56とブロック体62a,62bとの間に供給された潤滑油の静圧によって所定隙間が確保されて移動テーブル54が案内基部52に対して移動する静圧案内テーブル50において、案内部56は、仮想水平面P1および仮想鉛直面P2について対象とされた第1上方案内面、第1下方案内面、第2上方案内面および第2下方案内面を備え、各案内面のそれぞれに、潤滑油が供給されることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
特許文献1では、同文献の図1に示すように、移動テーブルの中央軸線の両側に案内部を設け、左右の案内部の上下に潤滑油を供給するとともに、左方の案内部の左側面にも潤滑油を供給している。したがって、合計で5つの案内面に潤滑油を供給している。
また、同図に示した静圧案内方式は、L字状のブロック103a,103bを用いており、案内部105a,105bを挿入する空間を形成する必要があるため、テーブル部101とブロック103a,103bとの接続部の幅が狭くなり、大きな接続面積をとることができない。例えば、同図に示した構成では、固定ボルト112を1列しか設けることができない。これでは、固定ボルトを幅方向に二列以上設けて接続剛性を上げることができないので、加工精度の向上を阻む原因となっている。
すなわち、本発明にかかる静圧案内テーブルでは、一軸方向に延在する案内部を備えた案内基部と、該案内基部の上方に設置され、前記案内部に係合する案内受け部を備え、該案内受け部が前記案内部にガイドされつつ移動する移動テーブルとを備え、前記案内部と前記案内受け部との間に供給された流体の静圧によって所定隙間が確保されて前記移動テーブルが前記案内基部に対して移動する静圧案内テーブルにおいて、前記案内部は、前記一軸方向に延在する仮想水平面について対称となるように、所定の屈曲角度をなして該第一軸線方向に延在する第1上方案内面および第1下方案内面と、これら第1上方案内面および第1下方案内面のそれぞれに対して、前記仮想水平面に直交する仮想鉛直面について対称となるように、所定の屈曲角度をなして該第一軸線方向に延在する第2上方案内面および第2下方案内面とを備え、前記第1上方案内面、前記第1下方案内面、前記第2上方案内面および前記第2下方案内面のそれぞれに、前記流体が供給されることを特徴とする。
また、加工時に、流体の静圧を落として、案内部と案内受け部とを当接させて停止させるいわゆる静圧クランプを行うこととしても良い。上述の静圧案内テーブルは、上方案内面と下方案内面とが屈曲した状態で仮想水平面に対して対称に位置しており、かつ、第1案内面と第2案内面とが仮想鉛直面に対して対称に位置しているので、静圧クランプ時の位置が一義的に決まり、正確なクランプが可能となる。また、繰り返し静圧クランプを行っても高い再現性を実現することができる。
なお、工作機械としては、研削盤、切削盤等が挙げられる。
また、テーブル部と各ブロックとの接合面として水平方向(幅方向)に大きな寸法を確保することができるので、各ブロックとテーブル部とを高い剛性をもって結合することができる。これにより、工作機械に用いた場合には、高い精度での加工を実現することができる。
図1には、本実施形態にかかる静圧案内テーブルを適用した研削盤(工作機械)1の側断面図が示されている。
研削盤1は、ベース3上に設けられ、砥石4を保持するz軸テーブル10と、このz軸テーブル10に対向配置されたx軸テーブル11と、このx軸テーブル11上に設けられ、ワーク5を保持する主軸テーブル12とを備えている。
z軸案内基部14及びz軸移動テーブル16には、本発明の静圧案内テーブルが採用されている。静圧案内テーブルの詳細な構造は図2を用いて後述する。z軸移動テーブル16は、z軸駆動モータ20によって駆動される送りネジ(例えば図2の符号72)によって、z軸案内基部14に対してz軸方向に移動するようになっている。
主軸本体36は、図示しない駆動モータから伝達される駆動力によって回転される回転軸7を備えている。回転軸7の先端には、チャック40を介してワーク5が取付け可能となっている。
案内部56は、両側の側面に、軸線方向に延在する4つの案内面57a,57b,57c,57d(以下、「案内面」をまとめて指すときは単に符号57を用いることとする。)を有している。
図において右側には、第1上方案内面57aと第1下方案内面57bが設けられ、左側には、第2上方案内面57cと第2下方案内面57dが設けられている。
第1上方案内面57aと第1下方案内面57bとは、軸線方向に延在する仮想水平面P1について対称となるように、略90°の屈曲角度をなして配置されている。このように、第1上方案内面57aと第1下方案内面57bによって、側方に角部が向いた横向きのV字形が形成されている。
同様に、第2上方案内面57cと第2下方案内面57dについても、軸線方向に延在する仮想水平面P1について対称となるように、略90°の屈曲角度をなして配置されている。このように、第2上方案内面57cと第2下方案内面57dによって、側方に角部が向いた横向きのV字形が形成されている。
また、第1上方案内面57aと第2上方案内面57cとは、仮想水平面P1に直交する仮想鉛直面P2について対称となっている。同様に、第1下方案内面57bと第2下方案内面57dとは、仮想鉛直面P2について対称となっている。
以上から、第1上方案内面57aと第1下方案内面57bによって形成される横向きV字形と、第2上方案内面57cと第2下方案内面57dによって形成される横向きV字形とは、仮想鉛直面P2について対称となるように、V字形状の開口部が向かい合った状態で対向して配置されている。
静圧パッド64a,64bおよび潤滑油供給路65a,65bは、右側ブロック体62aの軸線方向(紙面垂直方向)に複数設けられている。このように設けられた複数の潤滑油供給路65a,65bは、軸線方向に延在するヘッダ流路68a,68bに接続されており、このヘッダ流路68a,68bから潤滑油が分配供給される。
静圧パッド64c,64dおよび潤滑油供給路65c,65dは、左側ブロック体62bの軸線方向(紙面垂直方向)に複数設けられている。このように設けられた複数の潤滑油供給路65c,65dは、軸線方向に延在するヘッダ流路68c,68dに接続されており、このヘッダ流路68c,68dから潤滑油が分配供給される。
図示しない油圧ポンプ等の潤滑油供給源から潤滑油を静圧パッド64a,64b,64c,64dへと供給する。供給される油圧は、オリフィス66a,66b,66c,66dによって減圧され、適正な圧力とされる。この油圧(静圧)によって、案内基部52の案内面57と移動テーブル60の案内受け面63a,63b,63c,63d(以下「案内受け面」をまとめて指すときは単に符号63を用いる。)との間に微小隙間が形成される。そして、図1に示したz軸駆動モータ20またはx軸駆動モータ26によって送りねじが駆動され、送りねじの軸部72に螺合する雌ねじ部70aによって軸線方向の駆動力に変換され、移動テーブル60が軸線方向に進退する。
各案内面57a,57b,57c,57dを、仮想水平面P1および仮想鉛直面P2について対称に配置したので、各案内面57a,57b,57c,57dに供給される潤滑油の静圧を均等に調整するだけで、図2における上下および左右の力がバランスすることになり、移動テーブル60を安定的に浮上させることができる。
例えば、図1に示した研削盤1に用いる場合には、次のように静圧クランプを用いる。ワーク5の円筒内面を研削する際には、z軸移動テーブル16を静圧案内によって加工位置まで砥石4をワーク5まで移動させた後に、図2の各下方案内面57b,57dにおける油圧の供給を停止して静圧クランプによってz軸案内基部14とz軸移動テーブル16とを固定する。その後、x軸移動テーブル24を移動させてワーク5側を砥石4に対して切り込ませることにより研削加工を行う。このように、z軸テーブル10を本実施形態にかかる静圧案内テーブルによって静圧クランプするので、正確に位置決めできるとともに、高い剛性でz軸テーブル10を固定することができ、高い加工精度を得ることができる。
図3に示すように、案内基部52の案内面57に対向するように、右側ブロック体62a及び左側ブロック体62bを側方から嵌め合わせて、図中の矢印方向すなわち両側から中央方向に押圧力を加えたままで保持する。このとき、組み立て時なので、案内面57には潤滑油はもちろん供給されておらず、案内面57と案内受け面63とが直接接触し、十分な摩擦力をもって保持される。
そして、各ブロック体62a,62bの上面を研削して、平面P3を正確に形成する。
その後、テーブル部60を上方から配置し、固定ボルト64によって各ブロック体62a,62bと固定する。
このように、組付け時にブロック体62a,62bを一時的に保持した状態で各ブロック体62a,62bの上面を研削することにより平面度を出すこととしたので、それぞれのブロック体62a,62bを製作する時に高い精度を要求する必要が無く、コストを低減することができる。また、各案内面57によってV字形状が形成されているので、ブロック体62a,62bを精度良く位置決めでき、上面の平面度を精度良く出すことができる。また、案内面57と案内受け面63とを当接させて、剛に保持させた状態で加工できるので、上面の平面度を精度良く出すことができる。
50 静圧案内テーブル
52 案内基部
54 移動テーブル
56 案内部
57 案内面
57a 第1上方案内面
57b 第1下方案内面
57c 第2上方案内面
57d 第2下方案内面
63 案内受け面
63a 第1上方案内受け面
63b 第1下方案内受け面
63c 第2上方案内受け面
63d 第2下方案内受け面
64 固定ボルト
Claims (4)
- 一軸方向に延在する案内部を備えた案内基部と、
該案内基部の上方に設置され、前記案内部に係合する案内受け部を備え、該案内受け部が前記案内部にガイドされつつ移動する移動テーブルと、を備え、
前記案内部と前記案内受け部との間に供給された流体の静圧によって所定隙間が確保されて前記移動テーブルが前記案内基部に対して移動する静圧案内テーブルにおいて、
前記案内部は、前記一軸方向に延在する仮想水平面について対称となるように、所定の屈曲角度をなして該第一軸線方向に延在する第1上方案内面および第1下方案内面と、これら第1上方案内面および第1下方案内面のそれぞれに対して、前記仮想水平面に直交する仮想鉛直面について対称となるように、所定の屈曲角度をなして該第一軸線方向に延在する第2上方案内面および第2下方案内面とを備え、
前記第1上方案内面、前記第1下方案内面、前記第2上方案内面および前記第2下方案内面のそれぞれに、前記流体が供給されることを特徴とする静圧案内テーブル。 - 前記第1上方案内面と前記第1下方案内面とがなす前記屈曲角度、及び、前記第2上方案内面と前記第2下方案内面とがなす前記屈曲角度は、略90°とされていることを特徴とする請求項1記載の静圧案内テーブル。
- 前記移動テーブルは、
載置面となるテーブル部と、
前記案内受け部とされ、前記第1上方案内面に対向する第1上方案内受け面および前記第1下方案内面に対向する第1下方案内受け面を有する第1ブロックと、
前記案内受け部とされ、前記第2上方案内面に対向する第2上方案内受け面および前記第2下方案内面に対向する第2下方案内受け面を有する第2ブロックと、を備え、
前記テーブル部は、前記第1ブロックおよび前記第2ブロックの上端に固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の静圧案内テーブル。 - 請求項1から3のいずれかに記載された静圧案内テーブルを備えたことを特徴とする工作機械。
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