JP2008110008A - 刺繍データ作成装置、刺繍データ作成プログラム及び刺繍データ作成プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

刺繍データ作成装置、刺繍データ作成プログラム及び刺繍データ作成プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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    • D05B19/04Sewing machines having electronic memory or microprocessor control unit characterised by memory aspects
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Abstract

【課題】刺繍データの作成及び画像処理に関する専門的な知識や特殊なスキルがなくとも、好ましい結果が得られる刺繍データ作成装置を提供する。
【解決手段】刺繍データを作成する画像データが入力され(S1)、線分データ、色データが作成され(S2、S4)、プレビュー画像が表示される(S6)。ユーザはプレビュー画像の色合いが好ましくないと色修正の指示を行い(S8:YES)、基準領域指定画面のプレビュー画像の一部を基準領域に指定する(S11〜S14)。そして、色選択画面で基準領域に使用したい糸色を選択する(S21〜S24)。基準領域の画像データのRGB値と糸色のRGBとに基づいて変換式を決定し(S25)、変換式で画像データのRGB値を変更して(S26)、新たな色データを作成し(S4)、プレビュー画面を表示する(S6)。ユーザが気に入れば(S7:YES)、修正後の画像データで刺繍データが作成される(S30)。
【選択図】図8

Description

本発明は、刺繍データ作成装置、刺繍データ作成プログラム及び刺繍データ作成プログラムを記録した記録媒体に関するものであり、詳細には、好ましい色合いの刺繍データを作成する刺繍データ作成装置、刺繍データ作成プログラム及び刺繍データ作成プログラムを記録した記録媒体に関するものである。
従来、デジタルカメラにより撮影された写真や、フィルムから焼き付けられた写真の画像を刺繍する写真刺繍が行われている。この写真刺繍にはデジタルカメラにより撮影された写真の画像データや、フィルムから焼き付けられた写真をスキャナで取り込んだ画像データが用いられる。そして、複数の色の糸を用いた刺繍を行うための刺繍データを画像データから作成する刺繍データ作成装置が提案されている。例えば、特許文献1に記載の発明の刺繍データ作成装置では、この画像データから糸の縫い目の形状を示す線分データと縫い目の色を示す色データとが作成され、糸の色ごとに縫い目を示す刺繍データが作成されている。
特開2001−259268号公報
しかしながら、画像データから刺繍データを作成した際に、作成された刺繍データの色合いが暗すぎたり、明るすぎたり、ぼやけていたりして好ましくない結果となってしまうことがある。これに対して、画像編集ソフトなどを用いて画像データの色相、彩度、明度、コントラストを調節するという対処方法が考えられるが、全体的に暗い色合いとなってしまった刺繍データに対して、単に画像データの明度を上げて明るい画像に修正し、刺繍データを作成しても、画像データが明るくなったことにより使用される糸の色が薄くなってしまうなど、他の影響が出てしまい、一概に好ましい結果が得られないという問題点がある。そこで、明度だけでなく、色相や彩度、コントラストなど画像データについての種々の属性を加工すれば、好ましい刺繍結果を得ることは可能であるが、それには、画像データからの刺繍データの作成及び画像処理に関する専門的な知識や特殊なスキルが必要であるという問題点がある。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、刺繍データの作成及び画像処理に関する専門的な知識や特殊なスキルがなくとも、好ましい結果が得られる刺繍データ作成装置、刺繍データ作成プログラム及び刺繍データ作成プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明の刺繍データ作成装置では、画素の集合体により画像を形成する画像データに基づいて、ミシンで刺繍を行うための刺繍データを作成する刺繍データ作成装置において、前記刺繍データで使用される刺繍糸について、色に関する値である色関係値を記憶する糸色関係値記憶手段と、前記画像データに基づいて作成された刺繍データにより刺繍を行った際の刺繍結果を確認するためのプレビュー画像を作成するプレビュー画像作成手段と、当該プレビュー画像作成手段により作成された前記プレビュー画像を表示するプレビュー表示手段と、当該プレビュー表示手段に表示されている前記プレビュー画像上の領域から少なくとも1つの領域を色修正の基準領域として指定する基準領域指定手段と、当該基準領域指定手段により指定された前記基準領域に用いる糸色を前記糸色関係値記憶手段に前記色関係値が記憶されている糸色から選択する糸色選択手段と、前記基準領域に対応した前記画像データの中の領域である基準画像領域の色についての前記色関係値と、前記基準領域に用いる糸色として前記糸色選択手段により選択された糸色である選択糸色について前記糸色関係値記憶手段に記憶されている前記色関係値とに基づいて、前記画像データ中の画素の前記色関係値を変更して、前記画像データの色を修正する画像データ色修正手段と、当該画像データ色修正手段により色の修正が行われた後の画像データである色修正画像データから前記刺繍データを作成する前記刺繍データ作成手段とを備えたことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明の刺繍データ作成装置では、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記画像データ色修正手段は、前記基準画像領域の前記色関係値と前記選択糸色の前記色関係値とに基づいて、前記画像データ中の画素の前記色関係値を変更する際に使用される計算式を決定する計算式決定手段と、前記色関係値を変更する前記画像データ中の画素である修正画素の前記色関係値を、当該計算式決定手段により決定された前記計算式に代入して、当該修正画素の修正後の色関係値を算出する修正後色関係値算出手段とを備えたことを特徴とする。
また、請求項3に係る発明の刺繍データ作成装置では、請求項2に記載の発明の構成に加えて、前記計算式決定手段は、前記基準領域が1つである場合に、前記修正画素の前記色関係値を独立変数とし、前記修正画素の修正後の色関係値を従属変数とした一次関数として、前記選択糸色の前記色関係値を前記基準画像領域の前記色関係値で割った値を比例定数、定数項の値を0とした一次関数の式を前記計算式とし、前記修正後色関係値算出手段は、前記計算式決定手段により決定された前記計算式に前記修正画素の前記色関係値を代入して修正後の色関係値を算出することを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の刺繍データ作成装置では、請求項2又は3に記載の発明の構成に加えて、前記計算式決定手段は、前記基準領域が2つである場合に、前記修正画素の前記色関係値を独立変数とし、前記修正画素の修正後の色関係値を従属変数とした一次関数として、2つの前記基準画像領域の前記色関係値及び各基準領域に対する前記選択糸色の前記色関係値とに基づいて比例定数及び定数項の値を算出して決定される一次関数の式を前記計算式とし、前記修正後色関係値算出手段は、前記計算式決定手段により決定された前記計算式の独立変数に前記修正画素の前記色関係値を代入して修正後の色関係値を算出することを特徴とする。
また、請求項5に係る発明の刺繍データ作成装置では、請求項2乃至4のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記計算式決定手段は、前記色関係値の最小値、前記色関係値の最大値及び前記基準画像領域の前記色関係値の中から、前記修正画素の前記色関係値よりも大きい値のうち最小の値又は前記修正画素の前記色関係値以上の値のうち最小の値を大値として抽出する大値抽出手段と、前記色関係値の最小値、前記色関係値の最大値及び前記基準画像領域の前記色関係値の中から、前記修正画素の前記色関係値以下の値のうち最大の値又は前記修正画素の前記色関係値より小さい値のうち最大の値を小値として抽出する小値抽出手段とを備え、前記修正画素の前記色関係値を独立変数とし、前記修正画素の修正後の色関係値を従属変数とした一次関数として、前記大値が前記色関係値の最大値である場合には当該大値及び前記色関係値の最大値を用い、前記大値が前記基準画像領域の前記色関係値である場合には当該大値及び当該大値に対する前記選択糸色の前記色関係値を用い、前記小値が前記色関係値の最小値である場合には当該小値及び前記色関係値の最小値を用い、前記小値が前基準画像領域の前記色関係値である場合には当該小値及び当該小値に対する前記選択糸色の前記色関係値を用いて比例定数及び定数項の値を算出して決定される一次関数の式を前記計算式とし、前記修正後色関係値算出手段は、前記計算式決定手段により決定された前記計算式の独立変数に前記修正画素の前記色関係値を代入して修正後の色関係値を算出することを特徴とする。
また、請求項6に係る発明の刺繍データ作成装置では、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記色関係値はR値、G値及びB値であり、前記画像データ色修正手段は、前記修正画素の前記R値、前記G値及び前記B値をそれぞれ修正して、前記画像データの色を修正することを特徴とする。
また、請求項7に係る発明の刺繍データ作成装置では、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記画像データ色修正手段は、前記画像データのすべての画素を前記修正画素として色関係値を修正して、前記画像データの色を修正することを特徴とする。
また、請求項8に係る発明の刺繍データ作成プログラムでは、請求項1乃至7のいずれかに記載の刺繍データ作成装置としてコンピュータを動作させる。
また、請求項9に係る発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体では、請求項8に記載の刺繍データ作成プログラムを記録する。
請求項1に係る発明の刺繍データ作成装置では、糸色関係値記憶手段は、刺繍データで使用される刺繍糸について、色に関する値である色関係値を記憶し、プレビュー画像作成手段は、画像データに基づいて作成された刺繍データにより刺繍を行った際の刺繍結果を確認するためのプレビュー画像を作成し、プレビュー表示手段は、プレビュー画像作成手段により作成されたプレビュー画像を表示し、基準領域指定手段は、プレビュー表示手段に表示されているプレビュー画像上の領域から少なくとも1つの領域を色修正の基準領域として指定し、糸色選択手段は、基準領域指定手段により指定された基準領域に用いる糸色を糸色関係値記憶手段に色関係値が記憶されている糸色から選択し、画像データ色修正手段は、基準領域に対応した画像データの中の領域である基準画像領域の色についての色関係値と、基準領域に用いる糸色として糸色選択手段により選択された糸色である選択糸色について糸色関係値記憶手段に記憶されている色関係値とに基づいて、画像データ中の画素の色関係値を変更して、画像データの色を修正し、刺繍データ作成手段は、画像データ色修正手段により色の修正が行われた後の画像データである色修正画像データから刺繍データを作成することができる。したがって、プレビュー表示手段に表示されたプレビュー画像の色合いがユーザの望むものでなかった場合であっても、ユーザがこの部分をこの糸色で縫いたいという希望を、基準領域の指定及び糸色の選択に指示することができ、指示された基準領域の色と糸色との関係に基づいて、画像データの色が修正されて、刺繍データが作成されるので、ユーザの望む部分が望む糸色で刺繍される刺繍データを作成することができる。
また、請求項2に係る発明の刺繍データ作成装置では、請求項1に記載の発明の効果に加えて、画像データ色修正手段の計算式決定手段は、基準画像領域の色関係値と選択糸色の色関係値とに基づいて、画像データ中の画素の色関係値を変更する際に使用される計算式を決定し、修正後色関係値算出手段は、色関係値を変更する画像データ中の画素である修正画素の色関係値を、計算式決定手段により決定された記計算式に代入して、修正画素の修正後の色関係値を算出することができる。したがって、基準領域の色と糸色との関係に基づいて、画像データの修正画素の色関係値を修正することができる。
また、請求項3に係る発明の刺繍データ作成装置では、請求項2に記載の発明の効果に加えて、計算式決定手段は、基準領域が1つである場合に、修正画素の色関係値を独立変数とし、修正画素の修正後の色関係値を従属変数とした一次関数として、選択糸色の色関係値を基準画像領域の色関係値で割った値を比例定数、定数項の値を0とした一次関数の式を計算式とし、修正後色関係値算出手段は、計算式決定手段により決定された計算式に修正画素の色関係値を代入して修正後の色関係値を算出することができる。したがって、基準領域の色と糸色との関係を、修正画素に反映させて色関係値を修正することができる。
また、請求項4に係る発明の刺繍データ作成装置では、請求項2又は3に記載の発明の効果に加えて、計算式決定手段は、基準領域が2つである場合に、修正画素の色関係値を独立変数とし、修正画素の修正後の色関係値を従属変数とした一次関数として、2つの基準画像領域の色関係値及び各基準領域に対する選択糸色の色関係値とに基づいて比例定数及び定数項の値を算出して決定される一次関数の式を計算式とし、修正後色関係値算出手段は、計算式決定手段により決定された計算式の独立変数に修正画素の色関係値を代入して修正後の色関係値を算出することができる。したがって、2つの基準領域の色と糸色とのそれぞれの関係を、修正画素に反映させて色関係値を修正することができる。
また、請求項5に係る発明の刺繍データ作成装置では、請求項2乃至4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、計算式決定手段の大値抽出手段は、色関係値の最小値、色関係値の最大値及び基準画像領域の色関係値の中から、修正画素の色関係値よりも大きい値のうち最小の値又は修正画素の色関係値以上の値のうち最小の値を大値として抽出し、小値抽出手段は、色関係値の最小値、色関係値の最大値及び基準画像領域の色関係値の中から、修正画素の色関係値以下の値のうち最大の値又は修正画素の色関係値より小さい値のうち最大の値を小値として抽出することができる。そして、計算式決定手段は、修正画素の色関係値を独立変数とし、修正画素の修正後の色関係値を従属変数とした一次関数として、大値が色関係値の最大値である場合には大値及び色関係値の最大値を用い、大値が基準画像領域の色関係値である場合には大値及び大値に対する選択糸色の色関係値を用い、小値が色関係値の最小値である場合には小値及び色関係値の最小値を用い、小値が前基準画像領域の色関係値である場合には小値及び小値に対する選択糸色の色関係値を用いて比例定数及び定数項の値を算出して決定される一次関数の式を計算式とすることができる。そして、修正後色関係値算出手段は、計算式決定手段により決定された計算式の独立変数に修正画素の色関係値を代入して修正後の色関係値を算出することができる。したがって、基準領域として指定された領域の数に関わらず、基準領域の色と糸色とのそれぞれの関係を、修正画素に反映させて色関係値を修正することができる。
また、請求項6に係る発明の刺繍データ作成装置では、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の効果に加えて、色関係値をR値、G値及びB値とし、画像データ色修正手段は、修正画素のR値、G値及びB値をそれぞれ修正して、画像データの色を修正することができる。したがって、コンピュータで画像データの色情報として一般的に用いられているR(Red)値、G(Green)値、B(Blue)値を利用して、画像データの色を修正することができる。
また、請求項7に係る発明の刺繍データ作成装置では、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の効果に加えて、画像データ色修正手段は、画像データのすべての画素を修正画素として色関係値を修正して、画像データの色を修正することができる。したがって、一部の領域の指定により、画像データ全体の色を修正することができる。
また、請求項8に係る発明の刺繍データ作成プログラムでは、請求項1乃至7のいずれかに記載の刺繍データ作成装置としてコンピュータを動作させる。したがって、刺繍データ作成プログラムをコンピュータに読み込ませて、動作させることにより、請求項1乃至7のいずれかに記載の刺繍データ作成装置と同様の効果を得ることができる。
また、請求項9に係る発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体では、請求項8に記載の刺繍データ作成プログラムを記録しているので、当該記録媒体に記録された刺繍データ作成プログラムをコンピュータに読み込ませ、動作させることにより、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明の効果と同様の効果を得ることができる。
以下、本発明に係る刺繍データ作成装置1の一実施の形態について、図面を参照して説明する。本実施の形態の刺繍データ作成装置1は、画像データに表された図柄を刺繍ミシン3による刺繍によって出力するための刺繍データを画像データに基づいて作成するものである。まず、刺繍ミシン3について説明する。図1は、刺繍ミシン3の外観図である。
図1に示すように、刺繍ミシン3は、縫い針34を装着する針棒35を上下駆動する針棒機構(図示外)、天秤機構(図示外)及び釜機構(図示外)を備えている。また、ミシンベッド30上に配置され、刺繍を施そうとする加工布(図示外)を保持する刺繍枠31を、キャリッジカバー32内に収容され刺繍ミシン3の前後方向(紙面の前後方向)に移送するY方向駆動機構(図示外)と、本体ケース33内に収容されY方向駆動機構を刺繍ミシン3の左右方向(紙面の左右方向)に移送するX方向駆動機構(図示外)とを備えている。このY方向駆動機構とX方向駆動機構とによって刺繍枠31を移動させながら、針棒機構、天秤機構及び釜機構の協働による縫製動作を行うことにより、その加工布に所定の図柄の刺繍を施すようになっている。前記針棒機構、天秤機構、及び釜機構を駆動するミシンモータ(図示外)と、前記Y方向駆動機構及びX方向駆動機構を駆動する夫々のモータ(図示外)は、刺繍ミシン3に内蔵されたマイクロコンピュータ等から構成される制御装置により駆動が制御される。また、刺繍ミシン3の脚柱部36の側面にはメモリカードスロット37が搭載されており、刺繍データが記憶されたメモリカード115をメモリカードスロット37に装着することにより、刺繍データ作成装置1で作成された刺繍データが供給される。また、この刺繍ミシン3と刺繍データ作成装置1とをケーブルで接続可能に構成し、メモリカード等の記憶媒体を介さずに、直接刺繍データが供給されるようにしてもよい。
次に、図2乃至図4を参照して刺繍データ作成装置1について説明する。図2は、刺繍データ作成装置1の物理的構成を示す全体構成図であり、図3は、刺繍データ作成装置1の電気的構成を示すブロック図であり、図4は、RAM102の構成を示す模式図である。
図2に示すように、この刺繍データ作成装置1は、所謂パーソナルコンピュータである装置本体10と、この装置本体10に接続されるマウス21、キーボード22、メモリカードコネクタ23、ディスプレイ24及びイメージスキャナ装置25から構成されている。なお、装置本体10、マウス21、キーボード22、メモリカードコネクタ23、ディスプレイ24、イメージスキャナ装置25の形状は図2に示すものに限らない。例えば、装置本体10はタワー型のものに限らず、横置きのものであってもよく、装置本体10とディスプレイ24とキーボード22とが一体化したノート型であってもよい。また、装置本体10は所謂パーソナルコンピュータでなく、専用機であってもよいことはいうまでもない。また、イメージスキャナ装置25が刺繍データ作成装置1に接続していなくともよい。
次に、図3のブロック図を参照して、刺繍データ作成装置1の電気的構成について説明する。図3に示すように、刺繍データ作成装置1には、刺繍データ作成装置1の制御を司るコントローラとしてのCPU101が設けられ、CPU101には、各種のデータを一時的に記憶するRAM102と、BIOS等を記憶したROM103と、データの受け渡しの仲介を行うI/Oインタフェイス104とが接続されている。I/Oインタフェイス104には、ハードディスク装置120が接続され、当該ハードディスク装置120には、画像データ記憶エリア121と、糸色情報記憶エリア122と、線分データ記憶エリア123と、色データ記憶エリア124と、刺繍データ記憶エリア125と、プログラム記憶エリア126と、その他の情報記憶エリア127とが少なくとも設けられている。
なお、画像データ記憶エリア121には、刺繍データを作成する元となる画像データが記憶される。この画像データは、イメージスキャナ装置25から入力された画像データであってもよいし、他の装置に接続されたイメージスキャナ装置で入力されたり、デジタルカメラで撮影されたりして、メモリカード115に記憶された画像データであってもよい。また、刺繍データ作成装置1がネットワークに接続可能な通信手段を備えており、ネットワークを介して他の装置から取得した画像データであってもよい。
そして、糸色情報記憶エリア122には、刺繍ミシン3において使用可能な糸の糸色に関する情報が記憶される。そして、線分データ記憶エリア123には、刺繍の縫い目の形状を示す線分の情報である線分データが記憶され、色データ記憶エリア124には、線分データに対する色の情報である色データが記憶される。そして、刺繍データ記憶エリア125には、刺繍データ作成プログラムにより作成され、刺繍ミシン3に読み込まれる刺繍データが記憶される。そして、プログラム記憶エリア126にはCPU101で実行される刺繍データ作成プログラムが記憶されている。その他の情報記憶エリア127には、刺繍データ作成装置1で使用されるその他の情報が記憶されている。なお、刺繍データ作成装置1がハードディスク装置120を備えていない専用機の場合は、ROMにプログラムが記憶される。
また、I/Oインタフェイス104には、マウス21と、ビデオコントローラ106と、キーコントローラ107と、CD−ROMドライブ108と、メモリカードコネクタ23と、イメージスキャナ装置25とが接続されている。ビデオコントローラ106にはディスプレイ24が接続され、キーコントローラ107にはキーボード22が接続されている。なお、CD−ROMドライブ108に挿入されるCD−ROM114には、刺繍データ作成装置1の制御プログラムである刺繍データ作成プログラムが記憶されており、導入時には、制御プログラムは、CD−ROM114から、ハードディスク装置120にセットアップされてプログラム記憶エリア126に記憶される。また、メモリカードコネクタ23では、メモリカード115の読み取りや書き込みが可能となっている。
次に、図4を参照して、RAM102に設けられている本発明に関連する記憶エリアについて説明する。図4に示すように、RAM102には、基準画像領域記憶エリア1021と、選択糸色記憶エリア1022と、線分データ関係記憶エリア1023と、使用糸色記憶エリア1024、色データ関係記憶エリア1025と、プレビュー画像記憶エリア1026と、基準画像領域RGB値記憶エリア1027と、変換式情報記憶エリア1028とが設けられている。なお、RAM102には、これらの他にも種々の記憶エリアが設けられている。
基準画像領域記憶エリア1021には、図6を参照して後述する基準領域指定画面200により、糸色を選択する基準領域として指定された領域に対応する画像データの領域である基準画像領域の画素を示す値が記憶される。具体的には、画像データ記憶エリア121に記憶されている画像データの画素が座標体系で示されており、例えば、基準画像領域の左上の画素の座標及び右下の画素の座標が記憶される。選択糸色記憶エリア1022には、図7を参照して後述する糸色選択画面300で選択された糸色を示す値が記憶される。線分データ関係記憶エリア1023には、線分データを作成する際に算出された角度特徴、角度特徴の強度等の値が記憶される。使用糸色記憶エリア1024には、刺繍に使用されるn個の糸色を示す値が記憶される。本実施例では、n=10とする。色データ関係記憶エリア1025には、色データを作成する際に使用される。プレビュー画像記憶エリア1026には、プレビュー画像が記憶され、基準画像領域RGB値記憶エリア1027には、基準画像領域として指定された画像データの領域全体がユーザにどのような色に見えるのかを示すR値、G値、B値が記憶される。
次に、本発明の要部である、プレビュー画像に対する領域の指定及び糸色の指定においてディスプレイ24に表示される画面について、図5乃至図7を参照して説明する。図5は、画像データに基づいて作成された刺繍データにより刺繍を行った場合に、どのような刺繍結果となるのかを示したプレビュー画像を表示したプレビュー画面100を示す図であり、図6は、基準領域を指定する基準領域指定画面200を示す図であり、図7は、糸色を選択する糸色選択画面300を示す図である。
図5に示すように、プレビュー画面100では、プレビュー画像が表示されるプレビュー画像領域101、OKボタン102、色修正ボタン109が設けられている。プレビュー画像領域101には、画像データ記憶エリア121に記憶されている画像データに基づいて刺繍データが作成された場合の刺繍結果を示すプレビュー画像が表示される。そして、OKボタン102が選択されると、プレビュー画像領域101に表示されているプレビュー画像を作成した画像データに基づいて刺繍データが作成される。また、色修正ボタン109が選択されると、図6に示す基準領域指定画面200が表示される。
そして、図6に示すように、基準領域指定画面200には、プレビュー画像領域201と、OKボタン202と、キャンセルボタン203とが設けられている。そして、マウスポインタ204がプレビュー画像領域201上に存在する場合には、マウスポインタ204の先端に所定の領域を囲う領域指定枠205が表示される。マウスポインタ204がプレビュー画像領域201上においてクリックされると、領域指定枠205で囲まれた領域に対応した、画像データの領域である基準画像領域を示す値が基準領域として基準画像領域記憶エリア1021に記憶される。なお、領域指定枠205のサイズは、画像データのサイズに基づいて決定される。例えば、300ドット×300ドットの画像データに対しては、10ドット×10ドットの領域が領域指定枠205により囲まれる。そして、OKボタン202が選択されると、図7に示す糸色選択画面300が表示され、領域指定枠205で指定された部分に使用される糸色の選択が行われる。また、キャンセルボタン203が選択されると、プレビュー画面100へ戻る。
そして、図7に示すように、糸色選択画面300には、糸色選択領域301と、OKボタン302と、キャンセルボタン303とが設けられている。糸色選択領域301には、刺繍ミシン3で使用可能な糸色を示すイラスト、品番及び色名が表示されている。糸色を示すイラストは、糸巻きに糸が巻かれているものであり、糸巻きの胴の部分が糸色で表示されており、ユーザが色の判断を助けている。図7に示す例では、品番「000」の白色が選択されている。そして、OKボタン302が選択されると、糸色選択領域301で選択されている糸色が選択糸色記憶エリア1022に記憶される。そして、キャンセルボタンが選択されると、基準領域指定画面200に戻る。
次に、図8に示すフローチャートを参照して、刺繍データ作成プログラムの動作について説明する。図8は、刺繍データ作成プログラムの動作を示すフローチャートである。図8に示すフローチャートの処理は、刺繍データ作成プログラムが実行されると開始される。まず、ユーザにより刺繍データ作成の元となる画像データの指定が行われる(S1)。具体的には、画像データ指定画面(図示外)が表示され、ユーザにより画像データが指定される。そして、指定された画像データが画像データ記憶エリア121に記憶される。
そして、画像データ記憶エリア121に記憶されている画像データに基づいて線分データが作成され、線分データ記憶エリア123に記憶される(S2)。ここで、線分データの作成の詳細について説明する。線分データは、画像データの画素ごとに求められた角度特徴及び角度特徴強度に基づいて作成される。そこで、角度特徴及び角度特徴強度について説明する。角度特徴はその画素の色を周囲の画素の色と比較した際に、どの方向(角度)に色が連続しているかを示しており、角度特徴強度はその連続性の高さを示している。この角度特徴は、隣接した画素のみとの色の連続性でなく、より広い領域における色の連続性を捉えている。つまり、人間が遠めに画像を見たときに、色が連続していると感じる方向を数値化したものである。そして、ある画素上の線分を作成する際に、その線分の傾きは角度特徴の示す角度とされる。また、角度特徴強度は、当該画素の線分の示す刺繍を行うか、それとも線分を削除して刺繍を行わないかを決定する際に、周囲の画素の角度特徴強度と比較して用いられる。
まず、画像データがグレースケール化され、周知のハイパスフィルタによる変換処理が行われる。そして、得られたハイパスフィルタによる変換画像に基づいて、画像を構成する各画素についての角度特徴と角度特徴の強度が算出される。具体的な算出方法は以下に示すとおりである。まず、画像を構成するある画素の輝度値に注目し、この注目画素の周囲Nドットの画素の輝度値を参照しながら、その注目画素の角度特徴を計算する。ここで、輝度値は0〜255の範囲の数値によって特定され、輝度値が「0」の場合が「黒」、輝度値が「255」の場合が「白」である。ここでは、簡単のために、N=1(Nは参照する周囲の画素の注目画素からの距離、つまり、N=1の場合には注目画素に隣接している画素のみを参照し、N=2の場合には注目画素に隣接している画素及びさらにそれを取り囲む画素まで参照される。)の場合について説明する。
まず、各画素データについて、右方向、右下方向、下方向及び左下方向の画素の輝度値との差の絶対値をそれぞれ計算する。これらの計算結果に基づいて、領域中の画素値の不連続性が高い方向に相当する「角度特徴の法線方向の角度」が求められる。そして、この「角度特徴の法線方向の角度」に90度を加えた角度が求める「角度特徴」とされる。
具体的には、まず、各方向の計算結果に基づいて、それぞれの計算結果の和Tb、Tc、Td、Teが求められる。右方向の計算結果の和をTb、右下方向の計算結果をTc、下方向の計算結果をTd、左下方向の計算結果をTeとする。和Tb、Tc、Td、Teから、水平成分及び垂直成分の和がそれぞれ求められ、アークタンジェントが計算される。このとき、右下方向の水平・垂直成分と、左下方向の水平・垂直成分とはうち消し合うと考える。
右下方向(45度方向)の和Tcが、左下方向(135度方向)の和Teよりも大きいとき(Tc>Te)、結果として得たい値は0〜90度であるので、右下方向を水平・垂直成分における+(プラス)成分、左下方向を水平・垂直成分における−(マイナス)成分と考え、水平成分の和はTb+Tc−Te、垂直成分の和はTd+Tc−Teとされる。
逆に、右下方向の和Tcが、左下方向の和Teよりも小さいとき(Tc<Te)は、結果として得たい値が90〜180度であるので、左下方向を水平・垂直成分における+(プラス)成分、左上方向を水平・垂直成分における−(マイナス)成分と考え、水平成分の和はTb−Tc+Te、垂直成分の和はTd−Tc+Teとされる。このときは、結果として得たい値は90〜180度であるので、アークタンジェントを計算する前に全体を「−1」が掛けられる。
例えば、図9に示すような画素について考える。図9は、ある注目画素とその周囲の画素の輝度値を示す模式図590である。図9に示すように、注目画素の輝度値は「100」であり、その周囲の画素は左上から右回りに順に、「100」、「50」、「50」、「50」、「100」、「200」、「200」、「200」である。この場合、右方向の画素の輝度値との差を考えると、右側の輝度値「50」、「50」、「100」となる画素の差は、より右に画素が存在しないので、値は「0」とされる。そして、中央列の一番上の画素の輝度値は「50」、その右の画素は輝度値「50」であるので、差は「0」、中央列中央、つまり注目画素の輝度値は「100」、右の画素の輝度値は「50」なので、その差の絶対値は「50」となり、中央列一番下の画素の輝度値は「200」、その右の画素は輝度値「100」であるので、その差の絶対値は「100」となり、左列一番上の画素の輝度値は「100」、その右の画素の輝度値は「50」であるので、その差の絶対値は「50」となり、左列中央の画素の輝度値は「200」、その右の画素の輝度値は「100」であるので、その差の絶対値は「100」となり、左列一番下の画素の輝度値は「200」、その右の画素の輝度値は「200」であるので、その差の絶対値は「0」となる。
よって、Tb=0+0+0+0+50+100+50+100+0=300となる。同様に計算して、Tc=0、Td=300、Te=450となる。Tc<Teであるので、結果として得たい値は90〜180度となる。水平成分の和はTb−Tc+Te=300−0+450=750、垂直成分の和は300−0+450=750となり、アークタンジェントを計算する前に全体に−1を掛けて、arctan(−750/750)=−45度となる。この角度が、求めようとしている「角度特徴の法線方向の角度」となる。
計算結果として算出されたこの角度は、注目領域内における画素の不連続性が高い方向を示しているということである。したがって、この場合の注目画素の角度特徴としては、−45+90=45度となる。ここで、右下方向を水平・垂直成分における+成分と考えているので、ここで求めた45度は、右下方向ということになる。上述の例では、注目した画素の周りの画素が有する色情報との違いにより、角度特徴を求めていると言える。この場合、色情報としては各画素に対応した明るさ(輝度値)を用いているが、あざやかさや色合いを用いても同様の結果が得られる。
また、このようにして算出された角度特徴の強度は、数1に示す数式を用いて計算する。この場合、差の総和は、和Tb、Tc、Td、Teの和であるので、(300+0+300+450)×(255−100)÷255÷16=39.9となる。ここで、角度特徴は明るさの変化の方向、角度特徴の強度は明るさの変化の大きさを示している。
なお、本実施形態では、画像を構成する各画素についての角度特徴及びその強度を周知のPrewittのオペレータやSobelのオペレータをグレースケール化された画像データに対して適用することで、画像を構成する各画素についての角度特徴及びその強度を求めることも可能である。例えば、Sobelのオペレータを用いる場合、座標(x、y)において、水平オペレータを適用した結果をsx、垂直オペレータを適用した結果をsyとすると、座標(x、y)における角度特徴及びその強度は、数2に示す数式によって計算することができる。
以上のようにして、画像データの各画素に対応した角度特徴及び角度特徴強度が算出される。これらの計算結果は、RAM102の線分データ関係記憶エリア1023に記憶される。そして、各画素について角度成分及び長さ成分を有する線分情報が作成される。角度成分については、線分データ関係記憶エリア1023に記憶されている角度特徴が使用され、長さ成分については、予め設定された固定値又はユーザが入力した入力値が設定されることになる。
なお、すべての画素に対して作成された線分情報から成る線分データを使用して刺繍データが作成されると、角度特徴強度の小さい画素についても一律に線分情報が作成されることになるので、この線分データに基づいて作成される刺繍データに従って刺繍縫製を行うとき、針数が極端に多くなったり、同じところを何度も縫うことになったりして縫製品質が損なわれる。そこで、画像データの各画素が左から右へ、上から下へと順に走査され、当該画素の角度特徴強度が所定の閾値より大きい画素の線分情報のみが有効とされる。なお、「角度特徴の強度の閾値」としては、予め設定した固定値又はユーザが入力した入力値が設定される。
次に、角度特徴の強度が所定の閾値より小さい画素であって、既に作成された線分情報によって特定される線分に重なり合わない画素の線分情報が有効とされる。まず、注目画素の周囲の画素を走査し、角度特徴の強度が前記閾値よりも大きい画素について、角度特徴のcos値と角度特徴の強度の積の和T1、角度特徴のsin値と角度特徴の強度の積の和T2がそれぞれ求められる。そして、T2/T1のアークタンジェント値を新たな角度特徴として角度成分が決定され、上述した長さ成分を有する線分情報が作成される。角度特徴の強度が小さい画素については、その角度特徴が線分データに的確に反映されているとは言い難いので、上述したように、周囲の画素の角度特徴を加味して算出された新たな角度特徴に基づいて線分情報を作成することによって、違和感のない画像を再現可能な刺繍データが作成されることとなる。このようにして作成された線分情報の集合が線分データであり、線分データ記憶エリア123に記憶される。
次に、図8に示すように、線分データが作成されると(S2)、刺繍に使用される糸の糸色が決定され、使用糸色記憶エリア1024に記憶される(S3)。本実施の形態では、10色の糸色が使用される。糸色情報記憶エリア122に記憶されている糸色から、周知のメディアンカット法により使用頻度の高い10の糸色が決定される。
次に、画像データ記憶エリア121に記憶されている画像データに基づいて色データが作成され、色データ記憶エリア124に記憶される(S4)。まず、画像データにおいての色を参照する範囲(参照範囲)を決定するための反映参照高が設定される。参照範囲の一例としては、線分を挟む2本の平行線と、線分の両端への2本の垂線とで囲まれる領域である。そして、この反映参照高は、線分情報によって特定される線分から平行線までの距離を示す量(例えば、画素数又は刺繍結果の長さ)である。そして、線分を描画するために、画像データと同じサイズの画像が変換画像としてRAM102の色データ関係記憶エリア1025に作成される。なお、画像データの色を参照する範囲は予め設定しておいてもよく、ユーザが入力するようにしてもよい。
次に、ある注目画素について作成された線分情報によって特定される線分を変換画像上に描画する際に参照領域が設定され、この参照領域内に含まれるすべての画素について、それぞれのR・G・B値の和Cs1が求められる。また、この和Cs1を算出するために用いた画素数はd1とされる。ただし、このとき線分が描画されていない(通っていない)画素及びこれから描画しようとする線分が通る画素については、計算に含めないこととする。
一方、画像データの該当する参照領域についても、その参照領域内に含まれるすべての画素について、それぞれのR・G・B値の和Cs2が求められる。また、その参照領域内の画素数はd2とされる。
そして、これから描画しようとする線分の画素数はslとされ、(Cs1+CL×sl)÷(sl+d1)=Cs2÷d2となるCLが算出される。これは、即ち、これから描画しようとする線分に色CLを設定したとき、その参照領域内の線分の色の平均値と、元画像の該当する参照領域内の色の平均値が等しくなるということである。
最後に、使用糸色記憶エリア1024に記憶されている糸色の中で、線分の色CLにRGB空間で最も距離の近い糸色が求められ、これが線分の色成分として色データ記憶エリア124に記憶される。なお、RGB空間での距離dは、算出した色CLのRGB値をr0、g0、b0、入力した糸色のRGB値をrn、gn、bnとすると、数3に示す数式に基づいて算出される。
そして、図8に示すように、S2で作成された線分データ及びS4で作成された色データに基づいて、プレビュー画像が作成され、プレビュー画像記憶エリア1026に記憶される(S5)。そして、作成されたプレビュー画像がプレビュー画像領域101に表示されたプレビュー画面100(図5参照)が表示される(S6)。そして、OKボタン102が選択されたか否かの判断が行われる(S7)。OKボタン102が選択されていれば(S7:YES)、プレビュー画像領域101に表示されている刺繍結果でよいとユーザが判断したことになるので、S2で作成された線分データ及びS4で作成された色データに基づいて、刺繍データが作成され(S30)、処理は終了する。一方、OKボタン102が選択されない場合には(S30:NO)、色修正ボタン109が選択されたか否かの判断が行われる(S8)。色修正ボタン109が選択されていなければ(S8:NO)、S7へ戻り、ユーザのOKボタン102又は色修正ボタン109の入力の受付の判断が繰り返し行われる(S7,S8)。
そして、色修正ボタン109が選択されたら(S8:YES)、基準領域指定画面200(図6参照)が表示される(S11)。そして、キャンセルボタン203が選択されたか否かの判断が行われる(S12)。キャンセルボタン203が選択されていなければ(S12:YES)、基準領域指定画面200のプレビュー画像領域201への入力が受け付けられる(S13)。具体的には、マウスポインタ204がプレビュー画像領域201上に存在する場合に、マウスポインタ204の先端に所定の領域を囲う領域指定枠205を表示させる。そして、マウス21によるクリックの入力が行われると、領域指定枠205で囲まれた領域である基準領域に対応した画像データの領域である基準画像領域の画素を示す値(左上の画素の座標と右下の画素の座標)が基準画像領域記憶エリア1021に記憶される。そして、OKボタン202が選択されたか否かの判断が行われる(S14)。
OKボタン202が選択されたら(S14:YES)、基準画像領域記憶エリア1021に記憶されている基準画像領域のRGB値が算出され、基準画像領域RGB値記憶エリア1027に記憶される(S15)。具体的には、基準画像領域内のすべての画素のR値の平均値が基準画像領域のR値とされ、基準画像領域のすべての画素のG値の平均値が基準画像領域のG値とされ、基準画像領域のすべての画素のB値の平均値が基準画像領域のB値とされて、基準画像領域RGB値記憶エリア1027に記憶される。
なお、OKボタン202が選択されていなければ(S14:NO)、S12へ戻る。また、キャンセルボタン203が選択された場合には(S12:YES)、S6へ戻り、プレビュー画面100(図5参照)が表示される(S6)。
そして、OKボタン202が選択され(S14:YES)、基準画像領域のRGB値が算出されたら(S15)、糸色選択画面300が表示される(S21)。そして、キャンセルボタン303が選択されたか否かの判断が行われる(S22)。キャンセルボタン303が選択されていなければ(S22:NO)、糸色選択画面300における糸色選択領域301への入力が受け付けられる(S23)。具体的には、糸色選択領域301上の所定の領域(イラスト、品番、色名の表示されている領域)でマウス21によりクリックの入力が行われると、そこに表示されている糸色が指定されたとして、強調表示され、その糸色が選択糸色記憶エリア1022に記憶される。また、キーボード22からの入力により、糸色を選択させてもよい。
そして、OKボタン302が選択されたか否かの判断が行われる(S24)。OKボタン302が選択されていなければ(S24:NO)、S22へ戻る。また、キャンセルボタン303が選択された場合には(S22:YES)、S11へ戻り、基準領域指定画面200(図6参照)が表示される(S11)。
そして、OKボタン302が選択された場合には(S24:YES)、RGB値を修正するための変換式が決定される(S25)。具体的には、変換の対象となっている画素である修正画素のR値をXR(独立変数)、変換後のR値をYR(従属変数)として、変換式は「YR=aR×XR」とされる。同様に、修正画素のG値をXG(独立変数)、変換後のG値をYG(従属変数)として、変換式は「YG=aG×XG」とされ、修正画素のB値をXB(独立変数)、変換後のB値をYB(従属変数)として、変換式は「YB=aB×XB」とされる。なお、変換式の各比例定数は、「aR=選択糸色のR値/基準画像領域のR値」,「aG=選択糸色のG値/基準画像領域のG値」,「aB=選択糸色のB値/基準画像領域のB値」である。選択糸色のRGB値は、選択糸色記憶エリア1022に記憶されている糸色のRGB値が糸色情報記憶エリア122から読み出されており、基準画像領域のRGB値は、基準画像領域RGB値記憶エリア1027に記憶されている。R値を例にあげると、変換式「YR=aR×XR」は図10に示すグラフになる。図10は、R値の変換式をグラフ化した図である。
例えば、基準画像領域のR値が「167」、G値が「106」、B値が「103」であり、指定糸色が「サーモンピンク」であり、サーモンピンクのR値が「252」、G値が「187」、B値が「196」であるとする。この場合、変換式の各比例定数は、「aR=252/167=1.51」,「aG=187/106=1.76」,「aB=196/103=1.90」となる。よって、変換式は、YR=1.51×XR」,「YG=1.76×XG」,「YB=1.90×XB」となる。具体的には、変換式情報記憶エリア1028に各比例定数が記憶される。
次いで、S25で決定された変換式に、画像データ記憶エリア121に記憶されている画像データの画素のRGB値がそれぞれ代入され、変換後のR値YR,変換後のG値YG,変換後のB値YBが算出され、画像データ記憶エリア121に記憶されているRGB値が変更される(S26)。なお、修正後の値がRGB値の最大値「255」よりも大きい場合には「255」とされる。そして、使用糸色が再決定される(S27)。具体的には、選択糸色記憶エリア1022に記憶されている糸色が使用糸色記憶エリア1024に記憶され、その後、残りの9色の糸色が周知のメディアンカット法により決定される。そして、S4へ戻る。
S4では、画像データ記憶エリア121に記憶されている色(RGB値)修正後の画像データに基づいて、色データが作成される(S4)。そして、色修正後の画像データから作成された刺繍データによる刺繍結果のプレビュー画像が作成され(S5)、プレビュー画面100が表示される(S6)。そして、OKボタン102が選択されたか否かの判断が行われる(S7)。OKボタン102が選択されていれば(S7:YES)、プレビュー画像領域101に表示されている刺繍結果でよいとユーザが判断したことになるので、S2で作成された線分データ及びS4で作成された色データに基づいて、刺繍データが作成され(S30)、処理は終了する。なお、刺繍データとは、刺繍ミシン3において実際に渡り糸などを考慮して縫い針34を運搬させて縫う順序も反映させたデータである。そして、刺繍ミシン3で使用可能なデータ形式となっており、Y方向駆動機構及びX方向駆動機構を駆動するためのデータ構造となっている。
一方、OKボタン102が選択されない場合には(S7:NO)、色修正ボタン109が選択されたか否かの判断が行われる(S8)。色修正ボタン109が選択されていなければ(S8:NO)、S7へ戻り、ユーザのOKボタン102又は色修正ボタン109の入力の受付の判断が繰り返し行われる(S7,S8)。
そして、色修正ボタン109が選択されたら(S8:YES)、色修正後の画像データでも好ましくないということであり、基準領域指定画面200(図6参照)が表示される(S11)。そして、S12以降の処理が行われて、再度基準領域の指定(S12〜S14)、基準画像領域のRGB値の算出(S15)、糸色の選択(S21〜S24)、基準画像領域のRGB値及び糸色のRGB値に基づいた画像データの色の修正が行われ(S25,S26)、新たな使用糸色が決定され(S27)、再び、画像データ記憶エリア121に記憶されている色(RGB値)修正後の画像データに基づいて、色データが作成される(S4)。そして、再度、ユーザに色修正後の画像データから作成された刺繍データによる刺繍結果でよいか否かの判断を行わせる(S5〜S8)。このようにして、S4〜S27の処理が繰り返し実施され、ユーザがプレビュー画面100に表示されているプレビュー画像でよいと判断して、ユーザによりOKボタン102が選択されたら(S7:YES)、S2で作成された線分データ及びS4で作成された色データに基づいて、刺繍データが作成され(S30)、処理は終了する。
以上のようにして、ユーザが指定した基準領域に対して、この色を使用したいとしてユーザが指定した選択糸色が使用糸色に決定され、さらに、基準領域に対応する画像データの領域である基準画像領域のRGB値と、選択糸色のRGB値とに基づいて、画像データの各画素のRGB値が修正される。そして、修正後の画像データに基づいて刺繍データが作成される。よって、プレビュー画面100に表示されたプレビュー画像を見て、ユーザは刺繍結果の色合いが好ましいものであるか否かを判断することができ、さらに、ある領域(基準領域)をこの色(選択糸色)で表現したいとの指定をすることができる。指定された基準画像領域及び選択糸色に基づいて色の修正された画像データから作成された好ましい刺繍結果を得ることができる。
なお、上記実施の形態におけるハードディスク装置120の糸色情報記憶エリア122が「糸色関係値記憶手段」に該当し、ディスプレイ24に表示されるプレビュー画面100のプレビュー画像領域101が「プレビュー表示手段」に該当する。そして、図8に示すフローチャートのS5において、プレビュー画像を作成する処理を行うCPU101が「プレビュー画像作成手段」に相当し、ディスプレイ24に表示される基準領域指定画面200(図6参照)のプレビュー画像領域201において領域指定枠205により、領域を指定の入力を受け付ける処理(図8のフローチャートのS13)を行うCPU11が「基準領域指定手段」に相当し、糸色選択画面300(図7参照)の糸色選択領域301において、糸色を選択する入力及びOKボタン302の入力を受け付ける処理(図8のフローチャートのS23,S24)を行うCPU101が「糸色選択手段」に相当する。
そして、図8に示すフローチャートのS25,S26において、変換式を作成して、画像データのRGB値を修正する処理を行うCPU101が「画像データ色修正手段」に相当する。そして、S25の変換式を作成する処理を行うCPU101が「計算式決定手段」に相当し、S26の画像データのRGB値を修正する処理を行うCPU101が「修正後色関係値算出手段」に相当する。S30において画像データ記憶エリア121に記憶されている画像データから作成された線分データ及び色データから刺繍データを作成する処理を行うCPU101が「刺繍データ作成手段」に相当する。
なお、本発明の刺繍データ作成装置及び刺繍データ作成プログラムは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記実施の形態では、基準領域を1つずつ指定しているが、一度に複数の基準領域を指定するようにしてもよい。この場合には、変換式は上記実施の形態にて使用されたものに限らず、指定されたすべての基準画像領域のRGB値及びそれぞれの基準画像領域に対応した選択糸色のRGB値が使用される。ここで、変換式の決定方法の変形例を説明する。
まず、第一の変形例について説明する。第一の変形例は基準領域が2つ指定される場合に使用される。そこで、1つ目の基準領域を第一基準領域、これに対応する基準画像領域を第一基準画像領域、2つ目の基準領域を第二基準領域、これに対応する基準画像領域を第二基準画像領域とし、1つ目の選択糸色を第一選択糸色、2つ目の選択糸色を第二選択糸色とすると、R値の変換式は図11に示すようなグラフに現されるような一次関数となる。図11は、第一変形例のR値の変換式を表すグラフである。変換式は「YR=aR×XR+bR」であり、「aR=(第一選択糸色のR値−第二選択糸色のR値)/(第一基準画像領域のR値−第二基準画像領域のR値)」とされ、定数項bRは、変換式の独立変数XRに第一の基準画像領域のR値、従属変数YRに第一の選択糸色のR値、比例定数にaRとを代入して算出される。なお、G値、B値についても同様に比例定数aG,aB、定数項bG,bBが算出される。
そして、RGB値を修正する際には、独立変数XRに修正画素のR値が代入されて、修正後のR値が従属変数YRとして算出される。これらの一連の処理を行うCPU101が「修正後色関係値算出手段」に相当する。
なお、上記実施の形態では、この第一の変形例の特殊な場合と捉えることもできる。つまり、基準領域が1つしか選択されなかった場合には、もう一つの基準画像領域のRGB値をRGB値の最小値である「0」、選択糸色のRGB値を同じくRGB値の最小値である「0」とするとしていると捉えられる。
次に、第二の変形例について説明する。第二の変形例は、基準領域が1つ又は複数指定される場合に使用される。ここでは、基準領域が3つ指定された場合について説明する。そこで、1つ目の基準領域を第一基準領域、これに対応する基準画像領域を第一基準画像領域、2つ目の基準領域を第二基準領域、これに対応する基準画像領域を第二基準画像領域、3つ目の基準領域を第三基準領域、これに対応する基準画像領域を第三基準画像領域とし、1つ目の選択糸色を第一選択糸色、2つ目の選択糸色を第二選択糸色、3つ目の選択糸色を第三選択糸色とすると、R値の変換式は図12に示すようなグラフに現されるような、XRの値に依存する一次関数となる。図12は、第二変形例のR値の変換式を表すグラフである。
図12に示すように、基準画像領域のR値は、第二基準画像領域のR値、第一基準画像領域のR値、第三基準画像領域のR値の順で大きくなる。第二の変形例では、第一変域「0(R値の最小値)≦XR<第二基準画像領域のR値」、第二変域「第二基準画像領域のR値≦XR<第一基準画像領域のR値」、第三変域「第一基準画像領域のR値≦XR<第三基準画像領域のR値」、第四変域「第三基準画像領域のR値≦XR≦255(R値の最大値)」で、異なる変換式が用いられている。具体的には、第一変域では線分L1で示す一次関数「YR=a1R×XR+b1R」、第二変域では線分L2で示す一次関数「YR=a2R×XR+b1R」、第三変域では線分L3で示す一次関数「YR=a3R×XR+b1R」、第四変域では線分L4で示す一次関数「YR=a4R×XR+b1R」が用いられる。
各一次関数の比例定数a1R,a2R,a3R,a4Rは、それぞれの変域の端点における基準画像領域のR値,R値の最小値「0」,R値の最大値「255」のいずれかと、選択糸色のR値,R値の最小値「0」,R値の最大値「255」のいずれかとにより算出される。具体的には、「a1R=(第二選択糸色のR値−0)/(第二基準画像領域のR値−0)」、「a2R=(第一選択糸色のR値−第二選択糸色のR値)/(第一基準画像領域のR値−第二基準画像領域のR値)」、「a3R=(第三選択糸色のR値−第一選択糸色のR値)/(第三基準画像領域のR値−第一基準画像領域のR値)」、「a4R=(255−第三選択糸色のR値)/(255−第三基準画像領域のR値)」で算出される。
そして、定数項b1Rは、変換式の独立変数XRに「0」、従属変数YRに「0」、比例定数にa1Rを代入して算出される。定数項b2Rは、変換式の独立変数XRに「第二基準画像領域のR値」、従属変数YRに「第二選択糸色のR値」、比例定数にa2Rを代入して算出される。定数項b3Rは、変換式の独立変数XRに「第一基準画像領域のR値」、従属変数YRに「第一選択糸色のR値」、比例定数にa3Rを代入して算出される。定数項b4Rは、変換式の独立変数XRに「255」、従属変数YRに「255」、比例定数にa4Rを代入して算出される。なお、G値、B値についても同様に比例定数a1G,a2G,a3G,a4G,a1B,a2B,a3B,a4B、定数項b1G,b2G,b3G,b4G,b1B,b2B,b3B,b4Bが算出される。
そして、RGB値を修正する際には、各値がどの変域に該当するか判断され、該当する変域の変換式に値が代入されて、修正後の値が算出される。例えば、R値について変換する場合には、まず、「0」,第二基準画像領域のR値、第一基準画像領域のR値、第三基準画像領域のR値、「255」の中から、R値以上の値が抽出され、その中から最小の値が大値に決定される(この処理を行うCPU101が「大値抽出手段」に相当する)。次いで、「0」,第二基準画像領域のR値、第一基準画像領域のR値、第三基準画像領域のR値、「255」の中から、R値より小さい値が抽出され、その中から最大の値が小値に決定される(この処理を行うCPU101が「小値抽出手段」に相当する)。ここでは、大値が「第一基準画像領域のR値」、小値が「第二基準画像領域のR値」であるとする。すると、修正画素のR値は、第二変域「第二基準画像領域のR値≦XR<第一基準画像領域のR値」に存在することとなるので、線分L2で示す一次関数「YR=a2R×XR+b1R」が変換式とされ、独立変数XRに修正画素のR値が代入されて、修正後のR値がYRとして算出される。これらの一連の処理を行うCPU101が「修正後色関係値算出手段」に相当する。
なお、第二の変形例において、独立変数XRの変域を第一変域「0(R値の最小値)≦XR<第二基準画像領域のR値」、第二変域「第二基準画像領域のR値≦XR<第一基準画像領域のR値」、第三変域「第一基準画像領域のR値≦XR<第三基準画像領域のR値」、第四変域「第三基準画像領域のR値≦XR≦255(R値の最大値)」とし、変域の境界点を値の大きい側の変域に含めたが、第一変域「0(R値の最小値)≦XR≦第二基準画像領域のR値」、第二変域「第二基準画像領域のR値<XR≦第一基準画像領域のR値」、第三変域「第一基準画像領域のR値<XR≦第三基準画像領域のR値」、第四変域「第三基準画像領域のR値<XR≦255(R値の最大値)」として、値の小さい側の変域に含めて扱ってもよいことはいうまでもない。
なお、基準領域の数が刺繍データで使用される糸色以上である場合には、ユーザが選択した選択糸色が必ずしも使用糸色とされない。基準領域の数が刺繍データで使用される糸色の所定割合以上であれば、所定割合までの糸色は指定された糸色の中からいくつかを用い、残りの糸色については、周知のメディアンカット法により決定すればよい。例えば、使用される糸色が10色であり、基準領域の数が6個以上指定された場合には、先に指定された6つの基準領域に対応した選択糸色を使用し、残りの4色については、メディアンカット法により決定する。また、使用する選択糸色は先に指定されたものでなく、ユーザにより「この糸色を必ず使用する」として使用する選択糸色を指定させてもよい。
また、上記実施の形態では、選択糸色を使用糸色としたが、選択糸色を使用糸色とせず、全10色の糸色をメディアンカット法により決定してもよい。
また、上記実施の形態では、基準領域指定画面200において、プレビュー画像領域201には、プレビュー画面100のプレビュー画像領域101と同じサイズのプレビュー画像が表示されているが、プレビュー画像領域201に拡大されたプレビュー画像を表示させるようにしてもよい。この場合には、図13に示す変形例の基準領域指定画面210のように、拡大ボタン206及び縮小ボタン207を設け、ユーザによりプレビュー画像領域201の拡大、縮小の指示を受け付ける。そして、拡大ボタン206により拡大の指示が行われたら、所定の拡大率でプレビュー画像を拡大して、プレビュー画像領域201へ表示する。また、縮小ボタン207は選択されたら、所定の縮小率でプレビュー画像を縮小して、プレビュー画像領域201へ表示する。なお、プレビュー画像の拡大率に合わせて、領域指定枠205も同率で拡大表示され、領域指定枠205が囲う領域の画素数は変化しない。これにより、図13に示すように、瞳の色を指定したいというような細かい部分を基準領域として指定しやすくなる。
また、上記実施の形態では、画像データのすべての画素を修正画素としてRGB値を修正しているが、修正画素をすべての画素に限定するのもではなく、色の修正をする画素(領域)をユーザにより指定させるようにしたり、基準画像領域及び基準画像領域の周囲(所定距離内の画素、色の連続性のある範囲)の画素としたりしてもよい。また、色関係値としてRGB値を用いているが、色関係値はこれに限定されるものではなく、XYZ値,L*a*b*値,マンセル値などであってもよい。
また、上記実施の形態では、糸色選択画面300の糸色選択領域301において、糸色を示すイラスト、品番及び色名を表示させたが、これらのすべてを表示させなくとも、色を選択可能な情報を表示させればよいことはいうまでもない。
刺繍ミシン3の外観図である。 刺繍データ作成装置1の物理的構成を示す全体構成図である。 刺繍データ作成装置1の電気的構成を示すブロック図である。 RAM102の構成を示す模式図である。 プレビュー画面100を示す図である。 基準領域指定画面200を示す図である。 糸色選択画面300を示す図である。 刺繍データ作成プログラムの動作を示すフローチャートである。 ある注目画素とその周囲の画素の輝度値を示す模式図590である。 R値の変換式を表すグラフである。 第一変形例のR値の変換式を表すグラフである。 第二変形例のR値の変換式を表すグラフである。 変形例の基準領域指定画面210を示す図である。
符号の説明
1 刺繍データ作成装置
3 刺繍ミシン
21 マウス
22 キーボード
24 ディスプレイ
100 プレビュー画面
101 プレビュー画像領域
1021 基準画像領域記憶エリア
1022 選択糸色記憶エリア
1023 線分データ関係記憶エリア
1024 使用糸色記憶エリア
1025 色データ関係記憶エリア
1026 プレビュー画像記憶エリア
1027 基準画像領域RGB値記憶エリア
1028 変換式情報記憶エリア
109 色修正ボタン
121 画像データ記憶エリア
122 糸色情報記憶エリア
123 線分データ記憶エリア
124 色データ記憶エリア
125 刺繍データ記憶エリア
126 プログラム記憶エリア
200 基準領域指定画面
201 プレビュー画像領域
205 領域指定枠
210 基準領域指定画面
300 糸色選択画面
XR,XG,XB 独立変数
YB,YG,YR 従属変数
aR,aG,aB 比例定数
a1R,a2R,a3R,a4R ,a1G,a2G,a3G,a4G,a1B,a2B,a3B,a4B 比例定数
bR,bG,bB 定数項
b1R,b2R,b3R,b4R,b1G,b2G,b3G,b4G,b1B,b2B,b3B,b4B 定数項

Claims (9)

  1. 画素の集合体により画像を形成する画像データに基づいて、ミシンで刺繍を行うための刺繍データを作成する刺繍データ作成装置において、
    前記刺繍データで使用される刺繍糸について、色に関する値である色関係値を記憶する糸色関係値記憶手段と、
    前記画像データに基づいて作成された刺繍データにより刺繍を行った際の刺繍結果を確認するためのプレビュー画像を作成するプレビュー画像作成手段と、
    当該プレビュー画像作成手段により作成された前記プレビュー画像を表示するプレビュー表示手段と、
    当該プレビュー表示手段に表示されている前記プレビュー画像上の領域から少なくとも1つの領域を色修正の基準領域として指定する基準領域指定手段と、
    当該基準領域指定手段により指定された前記基準領域に用いる糸色を前記糸色関係値記憶手段に前記色関係値が記憶されている糸色から選択する糸色選択手段と、
    前記基準領域に対応した前記画像データの中の領域である基準画像領域の色についての前記色関係値と、前記基準領域に用いる糸色として前記糸色選択手段により選択された糸色である選択糸色について前記糸色関係値記憶手段に記憶されている前記色関係値とに基づいて、前記画像データ中の画素の前記色関係値を変更して、前記画像データの色を修正する画像データ色修正手段と、
    当該画像データ色修正手段により色の修正が行われた後の画像データである色修正画像データから前記刺繍データを作成する前記刺繍データ作成手段とを備えたことを特徴とする刺繍データ作成装置。
  2. 前記画像データ色修正手段は、
    前記基準画像領域の前記色関係値と前記選択糸色の前記色関係値とに基づいて、前記画像データ中の画素の前記色関係値を変更する際に使用される計算式を決定する計算式決定手段と、
    前記色関係値を変更する前記画像データ中の画素である修正画素の前記色関係値を、当該計算式決定手段により決定された前記計算式に代入して、当該修正画素の修正後の色関係値を算出する修正後色関係値算出手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の刺繍データ作成装置。
  3. 前記計算式決定手段は、前記基準領域が1つである場合に、前記修正画素の前記色関係値を独立変数とし、前記修正画素の修正後の色関係値を従属変数とした一次関数として、前記選択糸色の前記色関係値を前記基準画像領域の前記色関係値で割った値を比例定数、定数項の値を0とした一次関数の式を前記計算式とし、
    前記修正後色関係値算出手段は、前記計算式決定手段により決定された前記計算式に前記修正画素の前記色関係値を代入して修正後の色関係値を算出することを特徴とする請求項2に記載の刺繍データ作成装置。
  4. 前記計算式決定手段は、前記基準領域が2つである場合に、前記修正画素の前記色関係値を独立変数とし、前記修正画素の修正後の色関係値を従属変数とした一次関数として、2つの前記基準画像領域の前記色関係値及び各基準領域に対する前記選択糸色の前記色関係値とに基づいて比例定数及び定数項の値を算出して決定される一次関数の式を前記計算式とし、
    前記修正後色関係値算出手段は、前記計算式決定手段により決定された前記計算式の独立変数に前記修正画素の前記色関係値を代入して修正後の色関係値を算出することを特徴とする請求項2又は3に記載の刺繍データ作成装置。
  5. 前記計算式決定手段は、
    前記色関係値の最小値、前記色関係値の最大値及び前記基準画像領域の前記色関係値の中から、前記修正画素の前記色関係値よりも大きい値のうち最小の値又は前記修正画素の前記色関係値以上の値のうち最小の値を大値として抽出する大値抽出手段と、
    前記色関係値の最小値、前記色関係値の最大値及び前記基準画像領域の前記色関係値の中から、前記修正画素の前記色関係値以下の値のうち最大の値又は前記修正画素の前記色関係値より小さい値のうち最大の値を小値として抽出する小値抽出手段とを備え、
    前記修正画素の前記色関係値を独立変数とし、前記修正画素の修正後の色関係値を従属変数とした一次関数として、前記大値が前記色関係値の最大値である場合には当該大値及び前記色関係値の最大値を用い、前記大値が前記基準画像領域の前記色関係値である場合には当該大値及び当該大値に対する前記選択糸色の前記色関係値を用い、前記小値が前記色関係値の最小値である場合には当該小値及び前記色関係値の最小値を用い、前記小値が前基準画像領域の前記色関係値である場合には当該小値及び当該小値に対する前記選択糸色の前記色関係値を用いて比例定数及び定数項の値を算出して決定される一次関数の式を前記計算式とし、
    前記修正後色関係値算出手段は、前記計算式決定手段により決定された前記計算式の独立変数に前記修正画素の前記色関係値を代入して修正後の色関係値を算出することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の刺繍データ作成装置。
  6. 前記色関係値はR値、G値及びB値であり、
    前記画像データ色修正手段は、前記修正画素の前記R値、前記G値及び前記B値をそれぞれ修正して、前記画像データの色を修正することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の刺繍データ作成装置。
  7. 前記画像データ色修正手段は、前記画像データのすべての画素を前記修正画素として色関係値を修正して、前記画像データの色を修正することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の刺繍データ作成装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の刺繍データ作成装置としてコンピュータを動作させる刺繍データ作成プログラム。
  9. 請求項8に記載の刺繍データ作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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