JP4082019B2 - 刺繍データ作成装置、及び、刺繍データ作成プログラム、及び、刺繍データ作成プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

刺繍データ作成装置、及び、刺繍データ作成プログラム、及び、刺繍データ作成プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーや濃淡で表現された写真画像を表す画像データに基づいて刺繍ミシンの動作に必要な刺繍データを作成する刺繍データ処理装置、刺繍データ作成プログラム、及び刺繍データ処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、家庭用ミシンの分野においては、イメージスキャナ装置などで読み込んだ図柄や図形等の画像データに基いて刺繍データを作成する刺繍データ処理装置が種々提案され、実用化されている。この種の刺繍データ処理装置としては、一般的に、パーソナルコンピュータに、イメージスキャナ装置、ハードディスク装置、キーボード、CRTディスプレイ等を接続して構成されている。刺繍データを作成する場合には、先ず、刺繍縫いに供する所望の図柄や図形を描いた原画の画像データがイメージスキャナ装置で読み取られる。
【0003】
次に、その画像データに基づいて、刺繍を施す閉領域の輪郭線や中心線が抽出され、その輪郭線に囲まれた閉領域の内部にタタミ縫いやサテン縫いを施す縫目の刺繍データを作成する一方、輪郭線上に走り縫いや千鳥縫いを施す刺繍データを作成したり、中心線に沿って走り縫いや千鳥縫いを施す刺繍データを作成するようにしている。このように、従来の刺繍データ処理装置においては、画像データは、刺繍縫製に供する閉領域の輪郭線を求める為にだけに使用されており、しかも、イメージスキャナ装置で読み込む画像としては、図柄の領域の輪郭を確実に求められるような画像に限定されることが多かった。
【0004】
それ故、濃淡や色などが2次元的に連続して変化するような写真画像の画像データについては、図柄の輪郭を確実に求められないことから、刺繍データ作成に相応しくないとされていた。ところで、最近、画像データに含まれている濃淡や色などが2次元的に変化する場合でも、その変化を演算で求め、自動的に糸色の変更を刺繍データに反映させるようにした刺繍データ処理装置が種々提案されている。
【0005】
例えば、特開平2−221453号公報においては、画像データの濃淡や色の変化を糸色変更に反映させるようにした刺繍データ作成装置が記載されている。即ち、この刺繍データ作成装置においては、イメージスキャナ装置で読み込んだ画像データを、マトリックス状の複数の小矩形領域の分割画像データに分割する一方、各小矩形領域の階調値に対応してモザイク化し、異なる階調値を有する小矩形領域を縫製するに際して糸替えできるように、その糸替えする位置に縫製停止を指令する停止コード(ストップコード)を随時挿入するようにして、モザイク化した領域毎にクロスステッチ縫目を形成する刺繍データを作成するようにしている。
【0006】
例えば、特開平11−169568号公報においては、画像データの濃淡や色の変化を糸色変更に反映させるようにした刺繍データ作成装置が記載されている。即ち、この刺繍データ作成装置においては、イメージスキャナ装置で読み込んだ画像データを、マトリックス状の複数の小矩形領域の分割画像データに分割する一方、各小矩形領域の階調値に対応してモザイク化し、異なる階調値を有する小矩形領域を縫製するに際して糸替えできるように、その糸替えする位置に縫製停止を指令する停止コード(ストップコード)を随時挿入するようにして、モザイク化した領域毎にサテンステッチ縫目を形成する刺繍データを作成するようにしている。
【0007】
また、特開平11−114260号公報においては、画像データの濃淡変化の特徴に基づいて、図柄を刺繍で表現するのにふさわしい縫目方向と糸密度を持っモザイク風の刺繍縫目の刺繍データを自動的に作成することの可能な刺繍データ処理装置が記載されている。即ち、この刺繍データ作成装置においては、イメージスキャナ装置で読み込んだ画像データを、マトリックス状の複数の小矩形領域の分割画像データに分割する一方、画像データからエッジを抽出し、小矩形領域毎にその小矩形領域に対応するエッジに基づいて縫目方向を算出する。そして小矩形領域毎にその小矩形領域における平均濃度に基づいて糸密度を算出し、小矩形領域毎に先に算出された縫目方向と、糸密度とに基づいて、小矩形領域を埋める刺繍縫目に展開され、それらの刺繍縫目を接続した所定の図柄の刺繍データを作成するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら上に挙げた方法はいずれも、解像度の問題と色の問題という二つの問題点を解消できないでいる。解像度の問題とは、ミシンで縫製を行なう場合、少なくとも針や糸の太さよりも小さくは縫えないという事である。また現実には、非常に近い点を何度も縫う事で糸の切れや絡みが発生するといった問題があり、現実的な縫製の最低長は2〜3mm程度である。
一方、色の問題とは、カラー写真などの自然画像を元に刺繍データを作成する場合、何百・何千色の糸を用意するというのは現実的ではない、ということである。
【0009】
上に挙げた3つの例ではいずれも、この解像度の問題を回避するために、画像をモザイク状に変換してから刺繍データを作成している。逆に言えばミシンが縫製できる最低長よりも細かくは画像を表現できないという事である。
【0010】
また、特開平2−221453号公報と特開平11−169568号公報では、色の問題を回避するため、色数や階調値を落とすといった処理を行なっている。また、特開平11−114260号公報では、カラーの刺繍データを作成する方法は提案されていない。
【0011】
この問題を解消するために、本出願人は先に、特願2000−10139号において、画像データから各部の角度の特徴を抽出し、その特徴に従った線分(細長い小領域)を画像全体に対して配置し、各線分の色を周囲の色を反映しながら限られた色数に減色して、各線分を一本の縫目に変換する刺繍データ作成装置を提案している。
【0012】
この方法では、解像度の問題・色の問題ともに、従来の方法に比べて良くなっており、「写真を刺繍した」といえるレベルの出力が得られている。例えば図6の画像にこの方法を適用すると、図26のようになる。
しかし、詳細な表現を行うために、針数(ステッチ数)がかなり多くなっている。例えば図26において針数は60975針である。同程度の面積をタタミ縫いで縫い埋めるように縫製した図39の針数は28574針である。このように図26では針数が多いため、何度も重ねて縫う個所が発生し、縫製品質を悪化させている。
【0013】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、写真などの自然画像を元に、その特長を生かし、かつ、針数がそれほど多くない刺繍データを作成する刺繍データ処理装置、刺繍データ作成プログラム及び刺繍データ処理装置プログラムを格納した記録媒体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の刺繍データ作成装置は、画素の集合体からなる任意の画像を特定する画像データに基づいて刺繍データを作成する刺繍データ作成装置において、
前記画像を構成する複数の画素についてそれぞれ求められた角度特徴に従う角度成分を有する線分データを作成する線分データ作成手段(S21、S22、S23)と、
前記画像を構成する画素に対して、所定単位数の画素からなるブロックを作成するブロック作成手段(S33)と、
前記ブロック内の各々の画素に対応する前記線分データから所定の基準に従って所定の数の線分データを選択する線分データ選択手段(S35、S36、S37)と、
前記選択された線分データに沿って縫目が形成されるように、前記刺繍データを作成する刺繍データ作成手段(S7)とを備えていることを技術的特徴とする。
【0015】
また、請求項17に記載の刺繍データ作成プログラムは、画素の集合体からなる任意の画像を特定する画像データに基づいて刺繍データ作成をコンピュータに実行させるための刺繍データ作成プログラムにおいて、
前記画像を構成する複数の画素についてそれぞれ求められた角度特徴に従う角度成分を有する線分データを作成する線分データ作成処理と、
前記画像を構成する画素に対して、所定単位数の画素からなるブロックを作成するブロック作成処理と、
前記ブロック内の各々の画素に対応する前記線分データから所定の基準に従って所定の数の線分データを選択する線分データ選択処理と、
前記選択された線分データに沿って縫目が形成されるように、前記刺繍データを作成する刺繍データ作成処理とを備えていることを技術的特徴とする。
【0016】
以上のように構成された刺繍データ作成装置及びプログラムは、画像を構成する画素に対して、画素についてそれぞれ求められた角度特徴に従う角度成分を有する線分データを作成し、所定単位数の画素からなるブロックを作成する。そのブロック内を通る予め決められた数の線分データに対応する線分データを選択する。そして、選択された線分データに沿って縫目が形成されるように、刺繍データを作成する。画素毎に対応する線分データの角度成分を有する線分データを作成するため、写真などの自然画像を元に、その特長を生かし、刺繍データを作成できる。また、ブロック内を通る予め決められた数の分データを選択するようにしたため、針数がそれほど多くない刺繍データを作成することが可能になる。
【0017】
請求項2の刺繍データ作成装置及び請求項18の刺繍データ作成プログラムでは、線分データ選択手段(処理)は、糸密度、単位長さ当たりの画素数、前記ブロック内の画素数、及びステッチ幅から、前記各ブロック内で選択する線分データの数を決定する。このため、最適な数の線分データ数を決定することができる。
【0018】
請求項3の刺繍データ作成装置及び請求項1の刺繍データ作成プログラムでは、線分データ選択手段(処理)は、前記画像を構成する画素の色情報と、その画素の周りの画素の色情報との違いから算出した角度成分を含んだ角度特徴の強度に基づいて、前記線分データを選択する。このため、写真などの自然画像を構成する画素に対応した、色相、明度、彩度などの色情報を元に線分データが選択されるので、その視覚的な特長を生かすようにステッチ角度を選び、刺繍データを作成できる。
【0019】
請求項4の刺繍データ作成装置及び請求項20の刺繍データ作成プログラムでは、線分データ選択手段(処理)は、前記角度特徴の強度と、他の線分データとの重なりの少なさに基づいて前記線分データを選択する。このため、自然画像を元に、その特長を生かしながら、糸で埋め尽くすようにステッチを配置することができる。さらに、糸のムダは重なりの少ない状態で埋め尽くすので、必要以上に針数を増やさないでも自然画像の特徴を生かしたステッチの配置ができる。
【0020】
請求項5の刺繍データ作成装置及び請求項21の刺繍データ作成プログラムでは、前記線分データ選択手段(処理)は、前記各ブロック内の画素数と前記選択された線分データの数との比が一定になるように前記線分データを選択する。このため、ブロックを構成する画素数にかかわらず均一な密度になるようにステッチを配置することができる。
【0021】
請求項6の刺繍データ作成装置及び請求項22の刺繍データ作成プログラムでは、線分データ選択手段(処理)は、1のブロックの線分データを選択する際に、当該1のブロックに隣接する複数のブロックにまたがり前記所定の数に対応した線分データを選択する。このため、写真などの自然画像を元に、ロックの外形の影響が少ない形でその特長を生かすように刺繍データを作成できる。
【0022】
請求項7の刺繍データ作成装置及び請求項23の刺繍データ作成プログラムでは、線分データ選択手段(処理)は、1つのブロックの線分データを選択する際に、前記1ブロック内で前記所定の数に対応した線分データを選択する。このため、演算処理の対象を注目するブロックを構成する画素に限定すればよく、処理が容易である。
【0023】
請求項8の刺繍データ作成装置及び請求項24の刺繍データ作成プログラムでは、線分データ選択手段(処理)は、前記各ブロック内の線分データの数が所定の上限から下限の間になるように前記線分データを選択する。このため、何度も重ねて縫う個所が発生することで縫製品質が悪化してしまうことのない範囲で、刺繍密度の高い部位と、低い部位とが発生し、針数が少ないにもかかわらず、自然画像の特徴を反映した風合いを醸し出すことができる。
【0024】
請求項9の刺繍データ作成装置及び請求項25の刺繍データ作成プログラムでは、線分データ選択手段(処理)は、前記各ブロック内の画素の角度特徴の強度に基づいて、前記線分データの数が所定の上限から下限の間になるように前記線分データを選択する。このため、写真などの自然画像を元に、その特長を生かしながら、刺繍密度の高い部位と、低い部位とが発生し、風合いを醸し出すことができる。
【0025】
請求項10の刺繍データ作成装置及び請求項26の刺繍データ作成プログラムでは、線分データ選択手段(処理)は、前記各ブロック内の画素の色情報に基づいて、前記線分データの数が所定の上限から下限の間になるように前記線分データを選択する。このため、色相、明度、彩度などの元の画像を特徴づける色情報に基づいて、刺繍密度の高い部位と、低い部位とが発生し、風合いを醸し出すことができる。
【0026】
請求項11の刺繍データ作成装置は、画素の集合体からなる任意の画像を特定する画像データに基づいて刺繍データを作成する刺繍データ作成装置において、
前記画像を構成する画素に対して、所定単位数の画素からなるブロックを作成するブロック作成手段と、
前記ブロックに関連する色情報に基づき、当該ブロックの角度特徴を求めるデータ作成手段と、
求められた角度特徴に従い、当該ブロックに、予め決められた数の線分データを設定する線分データ設定手段と、
前記ブロックに関連する色情報に基づいて、前記設定された線分データの色を決定する線分色設定手段と、
前記設定された線分データに沿って前記設定された色で縫目が形成されるように、前記線分データに対して設定された色に関する情報を含んだ前記刺繍データを作成する刺繍データ作成手段とを備えていることを技術的特徴とする。
【0027】
また、請求項27は、画素の集合体からなる任意の画像を特定する画像データに基づいて刺繍データ作成をコンピュータに実行させるための刺繍データ作成プログラムにおいて、
前記画像を構成する画素に対して、所定単位数の画素からなるブロックを作成するブロック作成処理と、
前記ブロックに関連する情報に基づき、当該ブロックの角度特徴を求めるデータ作成処理と、
求められた角度特徴に従い、当該ブロックに、予め決められた数の線分データを設定する線分データ設定手段と、
前記ブロックに関連する情報に基づいて、前記設定された線分データの色を決定する線分色設定処理と、
前記設定された線分データに沿って前記設定された色で縫目が形成されるように、前記線分データに対して設定された色に関する情報を含んだ前記刺繍データを作成する刺繍データ作成処理とを備えている技術的特徴とする。
【0028】
請求項11の刺繍データ作成装置及び請求項27の刺繍データ作成プログラムでは、画像を構成する画素に対して、所定単位数の画素からなるブロックを作成する。このブロックに関連する色情報に基づき、当該ブロックの角度特徴を求め、求められた角度特徴に対応させて、当該ブロックに、当該角度特徴に対応する角度の予め決められた数の分データを設定し、前記ブロックに関連する色情報に基づいて、前記設定された線分デーの色を決定する。前記設定された線分データに沿って前記設定された色で縫目が形成されるように、前記線分データに対して設定された色に関する情報を含んだ前記刺繍データを作成する。このため、写真などの自然画像を構成する画素に対応した色相、明度、彩度などの色情報を元に線分データが選択され色が決定されるので、その視覚的な特長を生かすようにステッチ角度及び色を選び、刺繍データを作成できる。また、ブロックに予め決められた数の分データを設定するため、全体を均一に刺繍することが可能になる。
【0029】
請求項12は、画素の集合体からなる任意の画像を特定する画像データに基づいて刺繍データを作成する刺繍データ作成装置において、
前記画像を構成する画素に対して、所定単位数の画素からなるブロックを作成するブロック作成手段と、
前記ブロックに関連する色情報に基づき、当該ブロックの角度特徴を求めるデータ作成手段と、
求められた角度特徴に対応させて、当該ブロックに、当該角度特徴に対応する角度で予め決められた数の第1の線分データを設定する第1線分データ選択手段と、
当該ブロック内の各画素に対応する色情報から算出された角度特徴の強度に基づいて、前記画素について求められた前記角度特徴に対応する角度の第2の線分データを作成する線分データ作成手段と、
当該ブロック内で、一定数の画素の前記第2線分データを選択する第2線分データ選択手段と、
前記設定された第1線分データ及び選択された第2線分データに沿って縫目が形成されるように、前記刺繍データを作成する刺繍データ作成手段とを備えていることを技術的特徴とする。
【0030】
また、請求項28は、画素の集合体からなる任意の画像を特定する画像データに基づいて刺繍データ作成をコンピュータに実行させるための刺繍データ作成プログラムにおいて、
前記画像を構成する画素に対して、所定単位数の画素からなるブロックを作成するブロック作成処理と、
前記ブロックに関連する情報に基づき、当該ブロックの角度特徴を求めるデータ作成処理と、
求められた角度特徴に対応させて、当該ブロックに、当該角度特徴に対応する角度で予め決められた数の1の線分データを設定する第1線分データ選択処理と、
当該ブロック内の画素に対応する色情報から算出された前記角度特徴の強度に基づいて、前記画素について求められた前記角度特徴に対応する角度の2の線分データを作成する線分データ作成処理と、
当該ブロック内で、一定数の画素の前記第2線分データを選択する第2線分データ選択処理と、
前記設定された第1線分データ及び選択された第2線分データに沿って縫目が形成されるように、前記刺繍データを作成する刺繍データ作成処理とを備えていることを技術的特徴とする。
【0031】
請求項12の刺繍データ作成装置及び請求項28の刺繍データ作成プログラムでは、画像を構成する画素に対して、所定単位数の画素からなるブロックを作成する。このブロックに関連する色情報に基づき、当該ブロックの角度特徴を求め、求められた角度特徴に対応させて、当該ブロックに、当該角度特徴に対応する角度で予め決められた数の第1の線分データを設定する。そして、当該ブロック内の各画素に対応する色情報から算出された角度特徴の強度に基づいて、前記画素について求められた前記角度特徴に対応する角度の第2の線分データを作成し、また、当該ブロック内で、一定数の画素の前記第2線分データを選択し、設定された第1線分データ及び選択された第2線分デーに沿って縫目が形成されるように、前記刺繍データを作成する。ブロックの角度特徴に応じて、ブロックに予め決められた数の第1線分データを設定するため、全体を均一の密度に刺繍することができる。さらに、画素の角度特徴に応じて、第2の線分データを配置するため、写真などの自然画像を元に、さらにその特長を生かすようなステッチ角度及び色を選び、刺繍データを作成できる。
【0032】
請求項13の刺繍データ作成装置及び請求項29の刺繍データ作成プログラムでは、データ作成手段(処理)は、前記ブロック内の各画素について、前記画素の色情報と、その画素の周りの画素の色情報との違いから算出した角度成分を含んだ角度特徴及び角度特徴の強度に基づいて、前記ブロックの角度特徴を求める。写真などの自然画像を元に、その特長をさらに生かすようにステッチ及び色を選び、刺繍データを作成できる。
【0033】
請求項14の刺繍データ作成装置及び請求項30の刺繍データ作成プログラムでは、前記ブロックを四角形にしたため容易に演算処理を行える。
【0034】
請求項15の刺繍データ作成装置及び請求項31の刺繍データ作成プログラムでは、前記ブロックを段違いに配置させたため、ブロックの継ぎ目が目立たなくなる。
【0035】
請求項16の刺繍データ作成装置及び請求項32の刺繍データ作成プログラムでは、前記ブロックを6角形にしたため、ブロックの継ぎ目が目立たなくなる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
まず、刺繍ミシンは、ミシンベッド上に配置された、刺繍を施そうとする加工布を保持する刺繍枠を、水平移動機構によって装置固有のX・Y座標系で示される所定位置に移動させながら、縫い針及び釜機構による縫製動作を行うことにより、その加工布に所定の図柄の刺繍を施すようになっており、前記水平移動機構や針棒等は、刺繍ミシンに内蔵されたマイクロコンピュータ等から構成される制御装置により制御される。
【0037】
刺繍ミシンには、メモリーカード装置が搭載されており、一針毎の加工布のX・Y方向の移動量、即ち、針落ち位置を指示する刺繍データ(ステッチデータ)が記録されたメモリカードをメモリカード装置に装着することにより、外部から刺繍データが供給され、この刺繍データに基づいて、制御装置が自動的に刺繍動作を実行するようになっている。
【0038】
図1及び図2に示すように、この刺繍データ作成装置1は、上述したように、不揮発性のメモリカードに記録した状態で刺繍ミシンに供給される刺繍データを作成、編集するためのものであり、基本的には、装置本体10と、この装置本体10に接続されるマウス21、キーボード22、メモリカードコネクタ23、表示装置24及びイメージスキャナ装置25から構成されている。
【0039】
前記装置本体10は、図2に示すように、CPUll、ROM12、RAM13及びI/Oインターフェイス14を備えており、マウス21、キーボード22、メモリカードコネクタ23、表示装置24及びイメージスキャナ装置25がI/0インターフェイス14に接続されている。
【0040】
前記CPU11は、読み出し専用の記憶素子であるROM12に記憶された本発明の刺繍データ作成プログラムに従って、各種演算及び処理を実行するものであり、上述した線分データ作成手段、線分データ選択手段、及び、刺繍データ作成手段に相当する。なお、専用機の場合は、ROMにプログラムが記憶されているが、汎用機(パーソナルコンピュータ等)の場合は、ハードディスク等に記憶されたプログラムをRAM上に読み込んで実行する。
【0041】
前記RAM13は、任意に読み書き可能な記憶素子であり、イメージスキャナ装置25で読み込んだ画像データや、図示しないハードディスク、CD−ROM、CD−R等の外部記憶装置から読み出された画像データも記憶することができるようになっている。
【0042】
以上のように構成された刺繍データ作成装置1を使用して、図6に示す写真画像を元に刺繍データを作成する処理手順について、図3〜図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0043】
まず図3において、イメージスキャナ装置25によって、図6に示す写真画像を読み込むことによって取得した画像データを装置本体10に入力する(Sl)。この画像データには色あいの指標である色相、明るさの指標である明度、あざやかさの指標である彩度などの色情報が含まれている。なお、上述したように、ハードディスク、CD−ROM、CD−R等の外部記憶装置から読み出された画像データを装置本体10に直接入力することも可能である。
【0044】
次に、入力された画像データを構成する各画素データについて、線分データ作成手段によって、その角度特徴及び角度特徴の強度を算出する(S2)。具体的な算出方法については、図4に示すフローチャートに基づいて、以下に詳細に説明する。
【0045】
まず、入力された画像データをグレースケール化する(S21)。これは、カラー画像をモノクロ画像に変換する処理であり、ここでは、RGBの3原色成分からなる画像データを構成している各画素データ(R、G、B)のうち、最大値と最小値の和の1/2を、その画素の明るさの指標である輝度値として設定している。例えば、ある画素のRGB値が(200、100、50)である場合の輝度値は、(200+50)÷2=125となる。なお、画像データをグレースケール化する方法は、上述した方法に限定されるものではなく、例えば、各画素データ(R、G、B)の最大値を輝度値として設定することも可能である。
【0046】
次に、S21において、グレースケール化された画像データに対して、ラプラス変換処理を行う(S22)。なお、ここで用いたラプラス変換のオペレータを図7(a)に、ラプラス変換処理後の画像を同図(b)に示す。但し、図7(b)に示す画像は、白黒を反転したものである。
【0047】
そして、S22において得られたラプラス変換画像に基づいて、画像を構成する各画素についての角度特徴と角度特徴の強度を算出する(S23)。具体的な算出方法は以下に示すとおりである。まず、画像を構成するある画素に注目し、この注目画素の周囲Nドットの画素を参照しながら、その注目画素の画素データが有する角度特徴を計算する。ここでは、簡単のために、N=1の場合について説明する。
【0048】
例えば、注目画素を中心とした3×3の画素について、それぞれの画素データが、図8(a)に示すような輝度値を有しているとする。ここで、輝度値は、0〜255の範囲の数値によって特定され、輝度値が「0」の場合が「黒」、輝度値が「255」の場合が「白」である。まず、同図(b)に示すように、各画素データについて、右方向の画素データとの差の絶対値をそれぞれ計算する。この場合、一番右側の3つの画素については計算されない。そして、同図(c)、(d)、(e)に示すように、右下方向、下方向及び左下方向についても、同様の計算を行う。
この計算結果に基づいて、最終的に角度特徴を求める。手順としては、領域中の画素値の不連続性が高い方向に相当する、角度特徴の法線方向の角度を求める。続いて、この角度に90度を加えることにより、求める角度特徴とする。
【0049】
すなわち、各方向の計算結果に基づいて、それぞれの計算結果の和Sb、Sc、Sd、Seを求めると、Sb=300、Sc=0、Sd=300、Se=450となる。このようにして得られたSb、Sc、Sd、Seから、水平成分及び垂直成分の和をそれぞれ求め、アークタンジェントを計算する。このとき、右下方向の水平・垂直成分と、左下方向の水平・垂直成分とはうち消し合うと考える。
【0050】
右下方向(45度方向)の和Scが、左下方向(135度方向)の和Seよりも大きいとき、結果として得たい値は0〜90度であるので、右下方向を水平・垂直成分における+(プラス)成分、左下方向を水平・垂直成分における−(マイナス)成分と考え、水平成分の和はSb+Sc−Se、垂直成分の和はSd+Sc−Seとする。逆に、右下方向の和Scが、左下方向の和Seよりも小さいときは、結果として得たい値が90〜180度であるので、左下方向を水平・垂直成分における+(プラス)成分、左上方向を水平・垂直成分における−(マイナス)成分と考え、水平成分の和はSb−Sc+Se、垂直成分の和はSd−Sc+Seとする。このときは、結果として得たい値が90〜180度であるので、アークタンジェントを計算する前に全体に−1をかけることにする。
【0051】
例えば、図8(b)〜(e)に示す場合はSc<Seであるので、結果として得たい値は90〜180度となる。水平成分の和は300−0+450=750、垂直成分の和は300−0+450=750となり、アークタンジェントを計算する前に全体に−1を掛けて、arctan(−750/750)=−45度となる。この角度が、求めようとしている「角度特徴」の法線方向の角度となる。計算結果として算出されたこの角度は、注目領域内における画素データの不連続性が高い方向を示しているということである。従って、この場合の注目画素の角度特徴としては、−45+90=45度となる。ここで、右下方向を水平・垂直成分における+成分と考えているので、ここで求めた45度は、右下方向ということになる。
上述の例では、注目した画素の周りの画素が有する色情報との違いにより、角度特徴を求めていると言える。この場合、色情報としては各画素に対応した明るさを用いているが、あざやかさや色あいを用いても同様の結果が得られる。
【0052】
また、このようにして算出された角度特徴の強度は、数1に示す数式を用いて計算する。この場合、差の総和は、Sb、Sc、Sd、Seの和であるので、1050×(255−100)÷255÷16=39.9となる。
ここで、角度特徴は明るさの変化の方向、角度特徴の強度は明るさの変化の大きさを示している。
【0053】
【数1】
Figure 0004082019
【0054】
なお、第1実施形態では、画像を構成する各画素についての角度特徴及びその強度を求めるために、上述したような方法を採用したが、これに限定されるものではなく、図9(a)、(b)に示すようなPrewittのオペレータや、同図(c)、(d)に示すようなSobelのオペレータをグレースケール化された画像データに対して適用することで、画像を構成する各画素についての角度特徴及びその強度を求めることも可能である。例えば、Sobelのオペレータを用いる場合、座標(x、y)において、水平オペレータを適用した結果をsx、垂直オペレータを適用した結果をsyとすると、座標(x、y)における角度特徴及びその強度は、数2に示す数式によって計算することができる。
【0055】
【数2】
Figure 0004082019
【0056】
次に、S2において求めた各画素における角度特徴とその強度に基づいて、線分データを作成する。この線分データによって特定される線分が、最終的に刺繍データの縫目(ステッチ)となるものである。
【0057】
最終的に作成される線分データは、角度成分、長さ成分及び色成分から構成されるが、ここでは、まず、角度成分及び長さ成分を有する線分データを作成する。角度成分については、S2において、各画素に対して算出された角度特徴がそのまま設定されることになるが、長さ成分については、予め設定された固定値または操作者が入力した入力値が設定されることになる。具体的には、図10に示すように、注目画素を中心に、設定された角度成分及び長さ成分を有する線分が配置されるような線分データが作成される。なお、図10では、角度成分が45度の場合を示してある。
【0058】
ここで、画像を構成する全ての画素に対して線分データを作成すると、この線分データに基づいて作成される刺繍データに従って刺繍縫製を行うとき、針数が極端に多くなったり、同じところを何度も縫うことになって縫製品質が損なわれると共に、角度特徴の強度の小さい画素についてもー律に線分データが作成されることになるので、画像全体としての特徴が効果的に反映されない刺繍データが作成されることになる。
【0059】
このため、第1実施形態では、仮想的に画像をブロックに分け、各ブロックにおける線分データの数、即ち、ステッチの数が同一になるように線分データを選択する処理を図3に示す線分仮配置(S3)にて行う。この線分仮配置処理のサブルーチンを図5に示す。
【0060】
ここで、第1実施形態の刺繍データ作成装置の説明を分かりやすくするため、入力画像と刺繍データのサイズの関係を図11に示す。
図6を参照して上述した画像は390×540画素である。これを元に、130×180mmの刺繍データを作るので、3画素が1mmに相当している。また、ステッチ幅を3mmに設定する。この場合、1ステッチは9画素に相当することになる。
【0061】
すなわち、図11中に示すように、
3画素(dot)/mm
3mm/stitch
9画素(dot)/stitchである。
【0062】
先ず、図5に示すサブルーチンの糸密度設定処理(S31)で糸の密度を決定する。画素は所定サイズの仮想的なブロックに分けられているので、糸の密度が決まれば自ずとブロック内を通る糸の数、すなわち線分の数も決まる。糸の密度としては予め定められた値でも良いし、ユーザーが予め入力できるようにしても良い。
ここでは糸密度を3本/mmとする。
【0063】
2値画像作成処理(S32)で、入力画像と同じサイズ(390×540画素)の2値画像(白)を用意する。ここでの処理は、上述したS21、S22と同様の処理であるため、詳細な説明を省略する。
【0064】
マトリックスに分割処理(S33)で、入力画像を図12に示すようにマトリックスに分割する。
この時マトリックスの各ブロックの一辺は、任意の値で良いが、ここでは設定されたステッチ長(3mm=9画素)をブロックの縦横の一辺とする。この値は予め定められた値でも良いし、ユーザーが入力できるようにしても良い。
【0065】
線分数n計算処理(S34)で各ブロックを通過する線分数nを計算する。
上で設定した糸密度を元に、ブロックひとつあたりを通る線分の数を計算する。n=[密度]÷[1mmあたりの画素数]×[ブロック内の画素数]÷[1ステッチあたりの画素数]
この場合、n=3÷3×81÷9=9本/ブロックである。
【0066】
これは、図13(a)に示すように3×3mm(9又9画素)のブロックに、密度3本/mmで全ての線分を水平に配置した時、9本の線分が配置されると言うことからも直感的に分かる。即ち、線分の数nは、ブロック内に均等に糸が配置された際に、ブロック内を埋めることができる数に相当する。
【0067】
この時、画像の下端に正方形でないブロックが発生するが、これらのブロックについても、上と同様の計算で、各ブロックを通る線分数を計算する。図13(b)に示すように図12中に示す下端のブロックが、幅が9画素,高さが3画素(=540を9で割った余り)である場合、ブロック内の画素数は3×9=27画素なので、
n=3÷3×27÷9=3本/ブロックと計算される。
【0068】
いずれのブロックにおいても、そのブロック内の画素数とこのブロックを通る線分の数との比は一定になっている。
線分優先順位決定処理(S35)で、ステップ2で求めた角度特徴に従い、各ブロックに中心点を持つ線分を当該ブロック内にある各画素に対応して仮定し、優先順位をつける。各画素は、それぞれ角度特徴とその強さを持っており、それぞれの画素を中心に線分を配置する。
【0069】
ここで、ブロックに含まれる全ての画素について角度特徴の強度に従って順位をつけていく。これは、次に述べる各ブロックの線分検索における優先順位である。
例えばあるブロックに含まれる画素の角度特徴の強度が図14(a)のようであった時、線分検索における優先順位は図14(b)に示すようになる(なお、図14では、簡単のためブロックを9×9ではなく4×4画素で例示している点に注意されたい)
【0070】
線分決定処理(S36)で先ず一本目の線分を決める。
この場合、予め決められた糸の密度から求められるブロック内を通る線分の数に対応して、線分検索における優先順位の高い順に選べばよい。これにより、写真などの自然画像に対しては、結果として、その特徴を生かした線分のデータを得ることができ、針数もそれほど多くない刺繍データが作成できる。さらに、第1実施形態では、角度特徴の強度が高く、且つ、他の線分データとの重なりの少ない線分データを優先的に選択することで、ブロック内の画素の特徴に忠実なステッチの方向性を保ちながら、ブロック内を糸で埋め尽くせるようにする。具体的には、図14を参照して上述した角度特徴の強い順に設定した線分検索における優先順位に従いながら、最も多く白い画素の上を通る線分を探す。即ち、図15(なお、図15は簡単のため、ブロックを9×9ではなく6×6画素で、線分の長さ(=1ステッチ)を6画素で例示している点に注意されたい)で、線分検索の優先順位1番が注目画素A、優先順位2番が注目画素Bであったとするなら、上記S32で用意した2値画像上を各画素の角度特徴に従って線分が通るとした時、より多く白い画素の上を通る線分を選択する。図15の場合、注目画素AとBでは、Bを中心とする線分が選ばれる。なお、図中で黒い画素は、他のブロックの処理において既に配置された線分(線分データ)を示している。
【0071】
ただし、通過する画素数だけで単純に計算すると、角度が異なる時に実際の距離を反映できないので、距離を反映できるように換算する。例えば図15で、画素Aは45度の角度特徴を持ち、画素Aを中心とする線分は、白い画素の上を4画素通る。この時、距離を反映した値は4÷c o s(45)≒5.6となる。同様に画素Bは−30度の角度特徴を持ち、画素Bを中心とする線分は、白い画素の上を5画素通る。この時、距離を反映した値は5÷c o s(−30)≒5.8となる。
【0072】
なお、ここでは、優先順位に従い上位2つの注目画素で、多く白い画素の上を通る線分側を選択することにしたが、上位3以上の注目画素で、最も多く白い画素の上を通る線分を選択するようにもできる。この場合は、同じだけ白い画素の上を通る線分がある場合は、順位の高いもの(特徴の強いもの)を優先する。このような線分の選択方法により、他の線分との重なりの少ないものから線分が選ばれることになる。
ここで決定した線分の通過個所に、2値画像上に黒点を描画する。
【0073】
1本分の線分データを決定すると、図5に示すように、以上のようにして、これまで決定した線分の数と、注目しているブロックを通るとして予め決められている線分の数nとの大小関係を判別する。この場合、線分数<n(S37)の判断はYesとなり、S36の処理に戻り、2本目の線分を選択する。この場合、図15中に示す優先順位1番の注目画素Aと、図示しない優先順位3番の注目画素Cとで、より多く白い画素の上を通る線分側を選択することになる。
【0074】
n本分の線分データを決定する前は、決定した線分数<nのS37の判断がYesとなり、S36の処理に戻り、3〜n本目の線分を順次選択していく。
【0075】
当該ブロックについての線分をn本選択すると(S37:No)、全ブロックに対して線分の選択を完了したかを判断し(S38)、完了するまでは(S38:No)、S34に戻り、S34〜S37の処理を繰り返し、画像上の全てのブロックについてn本の線分を決定する。
【0076】
このようにして、画像上の全てのブロックについて予め決められている線分の数であるn本の線分が決定されると、次に、各線分データについての色成分を決定する(図3中に示す線分の色演算:S5)。色成分を決定するに際して、まず、使用する刺繍糸の糸色を設定することになるが、これには、まず、使用する刺繍糸の糸色数を入力した後、図21(a)に示すような入力画面に従って、入力された糸色数だけ、使用する刺繍糸の糸色情報とカラーコードとを入力することで、同図(b)に示すような糸色対応テーブルを作成する。また、このとき、糸色の縫い順を同時に設定する。糸色の縫い順は、予め設定しておいてもよく、入力画面に従って、操作者が入力するようにしてもよい。
【0077】
続いて、作成された各線分データの色成分を決定していくことになるが、まず、入力された元画像の色を参照する範囲(反映参照高)を設定した後、線分を描画するために、元画像と同じサイズの画像(変換画像)を用意する。なお、元画像の色を参照する範囲については、予め設定しておいてもよく、操作者が入力するようにしてもよい。
【0078】
次に、ある注目画素について作成された線分データによって特定される線分を変換画像上に描画する際、図16(a)に示すように、その線分を挟んでその線分の法線方向に上述した反映参照高を有する所定の参照領域を設定し、この参照領域内に含まれる全ての画素について、それぞれのR・G・B値の和Cslを求める。また、この和Cslを算出するために用いた画素数をd1とする。ただし、このとき線分が描画されていない(通っていない)画素及びこれから描画しようとする線分が通る画素については、計算に含めないこととする。
【0079】
一方、同図(b)に示すように、元画像の該当する参照領域についても、その参照領域内に含まれる全ての画素について、それぞれのR・G・B値の和Cs2を求める。また、その参照領域内の画素数をd2とする。
【0080】
そして、これから描画しようとする線分の画素数をslとして、
(Csl+CL×sl)÷(sl+d1)=Cs2÷d2となるCLを算出する。これは、即ち、これから描画しようとする線分の色CLを設定したとき、その参照領域内の線分の色の平均値と、元画像の該当する参照領域内の色の平均値が等しくなるということである。
【0081】
最後に、入力した糸色の中で、線分の色CLにRGB空間で最も距離の近い糸色を求め、これを線分データの色成分として設定する。なお、RGB空間での距離dは、算出した色CLのRGB値をr0、g0、b0、入力した糸色のRGB値をrn、gn、bnとすると、数3に示す数式に基づいて算出される。
【0082】
【数3】
Figure 0004082019
【0083】
上述した色成分の決定処理の具体例について、以下に説明する。なお、ここでは、簡単のために、色の値としてR・G・B値ではなく輝度値を用いることとする。まず、変換中の画像が図17(a)、元画像が同図(b)のようになっていた場合(参照領域は3×3画素)、
Csl=40+35+45+45+50=215
d1=5
Cs2=30×3+20×3+40×3=270
d2=9
sl=3 ここで、
(Csl+CL×sl)÷(sl−d1)=Cs2÷d2となるCLを求めると、
CL=((Cs2÷d2)×(sl+d1)−Csl)÷sl
=((270÷ 9)×(3 + 5)−215)÷ 3≒8.3となり、この値8.3を線分の色として変換中の画像に描画すると、図17(c)に示すようになる。このとき、元画像における領域内の色の平均値及び変換画像における参照領域内の色の平均値はそれぞれ30となる。
【0084】
なお、第1実施形態では、使用する刺繍糸の糸色と対応するカラーコードを入力することで糸色対応テーブルを作成したが、糸色を入力するのではなく、図22に示すように、予め糸色対応テーブル(図23参照)が作成された糸色の中から操作者が使用する糸色を選択するようにしてもよい。
【0085】
また、色を参照する参照領域についても、上述したような、線分を挟んでその線分の法線方向にそれぞれ反映参照高を有する矩形領域に限定されるものではなく、例えば、線分の角度成分が0〜45度または135〜180度のときは、図18(a)に示すように、垂直方向に反映参照高を有する平行四辺形の領域とし、線分の角度成分が45〜135度のときは、同図(b)に示すように、水平方向に反映参照高を有する平行四辺形の領域とすることも可能である。
【0086】
続いて、以上のようにして画像を構成する複数の画素に対して作成された、角度成分、長さ成分及び色成分を有する線分データ群に基づいて刺繍データを作成する(図3に示す刺繍データ作成:S7)。線分データ群に基づく刺繍データの作成は、基本的には、同一色成分毎に、各線分データによって特定される各線分の始点、終点及び色成分を、縫目(ステッチ)の始点、終点及び色に変換することによって行われる。ただし、全ての線分を独立した縫目に変換すると、線分の数だけ渡り縫い部分が発生し、それぞれに留め縫いが入ると、縫製品質も悪くなるので、できる限り各線分を連続した縫目に変換するために、以下に示すような処理を行う。
【0087】
まず、各線分データによって特定される全体の線分群を、色成分毎の線分群に分割する。次に、ある色成分の線分群について、最も左上に位置する端点を有する線分を検索し、その端点をその線分(開始線分)の始点とし、その線分のもう一方の端点を終点とする。そして、この終点から最も近い端点を有する他の線分を検索し、この端点を次の線分の始点とし、その線分のもう一方の端点を終点とする。この処理を繰り返すことによって、その色成分の線分群についての縫製順序を決定し、これを全ての色成分の線分群に対して行う。なお、この処理を行う場合、既に順序が決定された線分については、それ以降の順序決定の検索から除外することはいうまでもない。
【0088】
このようにして縫製順序が決定された線分群における各線分が縫目(ステッチ)になり、連続する緑分間が渡り縫いされることになるが、ここで、連続する線分同士を繋ぐ渡り縫い部分を走り縫いに変換する処理が行われる。まず、上記S5において設定された糸色の縫い順に従って、各線分群について連続する線分を繋ぐ渡り縫い部分を検査し、その渡り縫い部分が後から縫われる別の色の刺繍糸で縫い埋められるのであれば、その渡り縫い部分を走り縫いに変換する。具体的には、ある色の渡り縫い部分があったときに、変換画像上でその渡り縫いが通る経路上の画素を調べ、もし、その経路上の画素にその渡り縫いの色よりも後に縫われる色成分を有する線分が存在していれば、その渡り縫い部分を走り縫いに変換する。
【0089】
また、以下に示すような処理を行うことも可能である。ある渡り縫い部分があったときに、色差の総和CCを調べるカウンタを用意し、そのカウンタを「0」で初期化しておく。そして、変換画像上で渡り縫いが通る経路上の画素を調べる。このとき、その経路上にある画素の色が、渡り縫いの色よりも後に縫われる色である場合は、カウンタに対してなにも加算しない。もし、その経路上にある画素の色が、渡り縫いの色よりも前に縫われる色であれば、これら2つの色のRGB空間での距離を計算し、その距離をカウンタに加算する。このようにして、渡り縫いが通る経路上の全ての画素について検査し、色差の総和CCを求め、この色差の総和CCが所定の閾値よりも小さいときは、渡り縫いを走り縫いに変換する。なお、色差の総和についての閾値は、予め設定された固定値を採用してもよく、操作者が入力した入力値を採用してもよい。
【0090】
また、第1実施形態では、既に順序が決定された線分の終点から最も近い端点を有する線分を次の線分として決定した後、渡り縫い部分を走り縫いに変換することができるか否かを検査しているが、既に順序が決定された線分の終点から、まだ順序が決定されていない全ての線分の両端点との経路を調べ、走り縫いに変換できる経路、即ち、後から別の色で縫い埋められる経路が存在すれば、その経路の点を端点とする線分を次の線分とすることも可能である。この処理を、上述した色差の総和CCに基づいて渡り縫いを走り縫いに変換する手法に従えば、色差の総和CCが前記閾値より小さくなる点を選び、その点を端点とする線分を次の線分とすることになる。
【0091】
上述したように線分の順序を決定した場合、同一の色成分を有する線分群において、図19に示すように、渡り縫い部分をその上から走り縫いするような場合が想定される。自動的に渡り糸を切除するタイプの刺繍ミシンでは特に問題とはならないが、そうでない刺繍ミシンでは、同一色の縫目を全て縫製した後に渡り糸を切除することになるので、上述したように、渡り縫いの上から走り縫いされると、渡り糸の切除処理を行いにくいといった問題が発生する。従って、後から走り縫いされる部分には渡り縫いが存在しないように線分の順序を決定しておくことが望ましい。具体的には、線分の順序を決定する際に、順序が決定した線分については、変換画像上で印を付けておく(例えば、画素の色を白に設定する)。そして、変換画像上で渡り縫いが発生する経路を調べ、その経路上に渡り縫いの色と同じ色の画素が存在すれば、即ち、同一色の糸で後から縫われる場合は、そういった渡り縫いが発生しないように、次の線分を決定する。
【0092】
また、実際に縫製してみると、縫製品質を損なう重ね縫いが多くなり、しかも、その重ねかたにばらつきが発生するので、重ね縫いの数をできるだけ少なく、また、均一にすることが望まれる。そこで、S3において線分データを作成する際、先にも述べたような次の処理を付加しておくことが望ましい。まず、変換画像の全ての画素に対して、作成された線分データによって特定される線分の通過回数を数えるカウンタを用意する。そして、角度特徴の強度の大きい画素から順に線分データを作成していき、作成された線分データによって特定される線分が通過する画素のカウンタには+1を加算する。ここで、線分データを作成する際、これから作成しようとする線分データによって特定される線分が通過する全ての画素のカウンタを調べ、各カウンタ値の総和が閾値よりも大きければ、その線分データは作成しないこととする。この処理を行うことによって重ね縫いを少なくすることができる。なお、前記閾値は、予め設定された固定値を採用してもよく、操作者が入力した入力値を採用してもよい。
【0093】
また、第1実施形態では、上述したように、渡り縫いを走り縫いに変換するようにしているが、例えば、図20(a)に示すように、渡り縫いの経路中に、既に他の色刺繍糸で縫われた領域Xがある場合は、この領域Xの上を走り縫いすることができない。そこで、渡り縫いの経路上に既に縫われた領域が存在する場合は、この領域を迂回することによって、渡り縫いを走り縫いに変換することが可能となる。
【0094】
具体的には、以下のようにして迂回路を決定する。まず、前の線分の終点aから次の線分の始点bへの経路を順に検査する。ここで、既に他の色で縫われている領域Xが存在する場合は、同図(b)に示すように、その領域Xの周囲に沿って検査を行い、同図(c)に示すように、現在の検査点cと前の線分の終点aとを結ぶ経路上及び現在の検査点と次の線分の始点bとを結ぶ経路上の双方に、既に縫われた領域Xが存在しなければ、前の線分の終点aから現在の検査点を通って次の線分の始点bに至る経路を迂回路として採用し、この迂回路に沿って渡り縫いを行うようにする。ただし、この渡り縫いを走り縫いに変換するためには、その渡り縫い部分が後から別の色の糸で縫い埋められる必要があるので、迂回路として採用するためには、その迂回路が後から別の色の糸で縫い埋められる必要がある。
【0095】
図6を参照して上述した画像データから作成した刺繍データを元に刺繍を行ったものを図25中に示す。針数は35338である。一方、特願2000−010139号の方法に従い作成した刺繍データに基づき刺繍を行ったものを図26中に示す。針数は60975である。図25に示す第1実施形態の針数は35338であり、線分データの数を制限しない図26に比べて約42%低減しながら、特願2000−010139号の方法と比べても詳細さが損なわれていないことが分かる。
【0096】
図27は、特願2000−010139号の方法で、第1実施形態の刺繍と針数がほぼ等しくなるように(針数は34386)、図6の画像に基づき作成した刺繍データである。即ち、線分データを選択する際の閾値を調整することで針数を減らした例を示している。第1実施形態に係る図25と先行技術に係る図27を比べると、針数が同程度の場合、先行技術の方法に比べ詳細に表現できていることが分かる。
【0097】
第1実施形態では、上記ステップで、図24(a)に示すように画像と同じサイズの2値画像(白)を用意した。この代わりに、図24(b)に示すように各ブロックの線分を検索する毎に、ブロックと同じサイズの2値画像を用意しても良い。このようにすることで、処理中に使用するメモリを節約することができる。ただしこの場合、各ブロック内を塗りつぶす線分を優先するため、ブロックの分かれ目が目立つようになる。
【0098】
また、上述した第1実施形態では、色の情報を扱うためにRGB空間を用いたが、その代わりにL空間やL空間、YIQ空間、HSI空間等を利用してもよい。また、上述した第1実施形態では、画像を構成する画素単位で線分データを作成するようにしたが、例えば、大きな画像に対して、小さな縫製結果を得たい場合は、画素毎に線分データを作成すると、縫製の密度が必要以上に大きくなってしまうため、画素の集合(画素群)を1つのブロックとし、ブロック単位で線分データを作成することが望ましい。
【0099】
なお、本実施の形態では、刺繍データを刺繍ミシンと別体の刺繍データ作成装置により作成し、メモリカードに記録する。さらに、このメモリカードを刺繍ミシンに装置しなおして実際に刺繍をするとしていたが、刺繍ミシンと刺繍データ作成装置間の刺繍データの授受の形態としては装置に対して着脱可能な記録媒体であるメモリカードを介する方法に限るものではない。刺繍データ作成装置で作成された刺繍データが適切に刺繍装置のミシンに渡されるものであれば、その形態は自由である。例えば、RS232C、USB、IEEE1394等のインターフェースを用いて信号線を介して、刺繍データを受け渡すように構成することもできる。また、モデムのような通信手段を有して構成し、LAN、インターネット、公衆回線等を利用するネットワークを介したデータの受け渡しを行うように構成してもよい。
【0100】
[第2実施形態]
引き続き、本発明の第2実施形態に係る刺繍データ作成装置について説明する。
上述した第1実施形態では、密度(単位領域あたりの線分本数)を一定数に制御することで、一様な密度の従来よりも針数の少ない刺繍データを実現した。しかしながら、糸の部分的な疎密が刺繍の風合いを醸し出していると言う一面もある。このため、第2実施形態の刺繍データ作成装置では、単位面積あたりの線分本数である密度に上限と下限を設けることで、密度の疎密を作り出す。第2実施形態の刺繍データ作成装置によれば、密度の上限と下限を指定できるため、極端に密度の高いところ・低いところが発生することなく、刺繍の風合いを醸し出す疎密を発生させることができる。
【0101】
第2実施形態の刺繍データ作成装置では、角度特徴の強度の平均に比例させ密度の上限下限を定める。この第2実施形態の刺繍データ作成装置での処理は、図5を参照して上述した線分仮決定処理を除きほぼ同一であるため、第2実施形態の線分仮決定処理について、図28を参照して説明する。
【0102】
ここで、第2実施形態の線分仮決定処理で、糸密度設定(S31)〜マトリクスに分割(S33)までは、図5を参照して上述した第1実施形態と同一であるため、密度最大値、最小値設定処理(S33−2)から説明を開始する。当該密度最大値、最小値設定処理(S33−2)で、ブロック内の線分の密度の最大値Dmax、最小値Dminを設定する。これは予め定められた値でも良いし、ユーザーが入力できるようにしても良い。
【0103】
次に、ブロックの角度特徴の平均値算出処理(S33−3)で、画像全体についての角度特徴の強度の平均値P1を求める。
【0104】
次に、ブロックの角度特徴の平均値算出処理(S33−4)で、各ブロックについて角度特徴の強度の平均値を求める。
【0105】
そして、線分数n計算処理(S34)で、当該ブロックにおける線分数nを求める。ここで、あるブロックの角度特徴の強度の平均値がP2であった時、このブロックを通る線分数をn=P2÷P1×[ブロック内の画素数]÷[1ステッチあたりの画素数]と計算する。すなわち、ブロックの角度特徴の強度の平均値P2が全体の角度特徴の強度の平均値P1と等しければ、線分数は[ブロック内の画素数]÷[1ステッチあたりの画素数]となり、P2>P1の時には線分数は[ブロック内の画素数]÷[1ステッチあたりの画素数]より多くなり、P2<P1の時には線分数は[ブロック内の画素数]÷[1ステッチあたりの画素数]より少なくなる。
【0106】
ただしこの時、線分数nが密度最大の時の本数
nmax=Dmax÷[1mmあたりの画素数]×[ブロック内の画素数]÷[1ステッチあたりの画素数]よりも大きければ、n=nmaxとする。また、線分数nが密度最小の時の本数nmin=Dmin÷[1mmあたりの画素数]×[ブロック内の画素数]÷[1ステッチあたりの画素数]よりも小さければ、n=nminとする。
この場合、ブロックを通る線分の数は、ブロック毎に画像全体の角度特徴の平均値に対する注目ブロックの角度特徴の平均値の割合いで求め、その数に上限値nmaxと下限値nminで制限を加えているが、線分の数を求める場合に、例えば、ブロックの角度特徴の最大値を用いてもよい。あるいは、別の算出条件の下で得られる値を用いてもよい。
【0107】
線分優先順位決定処理(S35)以降の処理は、図5を参照して上述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0108】
このようにして図6に示す画像データから作成した刺繍データを図29に示す。画像サイズ、刺繍データサイズ、ブロックのサイズなどは、第1実施形態での図25と同様である。最小密度は1本/mm、最大密度は6本/mmに設定してある。なお、図29は、結果が分かり易いように作成した例である。針数は34235であり、図25とほとんど変わらないが、特徴の強い部分が密になり強調され、特徴の弱い部分が疎になっていることが分かる。
より自然画像の特徴が風合いとして表現されていると言える。
【0109】
[第2実施形態の第1改変例]
上述した第2実施形態では、角度特徴の強度の平均に比例させ密度の上限下限を定めた。これに対して、第2実施形態の第1改変例では、明るさの平均に比例させて密度の上限下限を定める。第1改変例の線分仮決定処理について、図30のフローチャートを参照して説明する。
【0110】
S31〜S33の処理に続いて、密度最大値、最小値設定処理(S33−2)で、密度の最大値Dmax、最小値Dminを設定する。これは予め定められた値でも良いし、ユーザーが入力できるようにしても良い。
【0111】
次に、各ブロックの明るさ平均値算出処理(S33−3)で、ブロック内の画素の明るさの平均値Lを求める。
【0112】
線分数n計算処理(S34)で、明るさの最小値(最も暗い)を0、最大値(最も明るい)をLmaxとして、また、密度最大・最小の時の1画素を通る線分数
Gmax=Dmax÷[1mmあたりの画素数]
Gmin=Dmin÷[1mmあたりの画素数]を求め、該ブロックを通る線分数nを
n=(Gmin+(Gmax−Gmin)×(Lmax−L)÷Lmax)×[ブロック内の画素数]÷[1ステッチあたりの画素数]として求める。
【0113】
Lが最も小さい(L=0:暗い)時、
nmax=Gmax×[ブロック内の画素数]÷[1ステッチあたりの画素数]
Lが最も大きい(L=Lmax:明るい)時、
nmin=Gmin×[ブロック内の画素数]÷[1ステッチあたりの画素数]
となる。
【0114】
以降の処理は、図5を参照して上述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0115】
このようにして図6の画像データから作成した刺繍データを図31に示す。画像サイズ、刺繍データサイズ、ブロックのサイズなどは、第1の図25と同様である。最小密度は0本/mmに、最大密度は5.5本/mmに設定してある。なお、図31は、結果が分かり易いように作成した例である。針数は35567であり、図25とほとんど変わらないが、暗い部分は密になり、明るい部分は疎になっていることが分かる。
この場合、線分数nを求めるのに明るさの平均値を用いているが、明るさの最大値を用いてもよいし、別の算出条件の下で得られる値を用いてもよい。
【0116】
この第2実施形態の刺繍データ作成装置では、密度の最小値・最大値を自由に設定し、刺繍データに疎な部分と密な部分を作ることができるので、針数を制御しつつ、入力された写真などの自然画像の特徴を反映した刺繍独特の風合いを醸し出すことができる。また、必要以上の重ね縫いなども発生しないため、縫製晶質を保つことができる。更に、特徴の強度の平均に比例させる方法では、特徴の強い部分に多くのステッチを配することができ、詳細な表現が可能になる。
【0117】
また、明るさの平均に比例させる第2実施形態の第1改変例では、例えば布地が白の場合、濃い色を密に縫うことで、地の色を見えないようにし、また、薄い色を疎に縫うことで、地の色を生かした表現が可能になる。
【0118】
ここでは色情報である明るさを用いているが、色あいやあざやかさを用いてもよいし、これらを組み合わせた色情報、例えば、RGB空間L空間、L空間、YIG空間等を利用してもよい。さらに、上述の第2実施形態及びその第1改変例では、単位面積当たりの線分数をその上限値と下限値とを用いて指定する場合、角度特徴の強度や明るさの平均値を利用しているが、与えられた画像データを特徴づけている指標の最大値、最小値あるいは所定の条件に適合する特定値を利用してもよい。
[第3実施形態]
第1、第2実施形態では、各ブロック内に仮定されている線分の中から、最もよく縫い埋める線分を指定の本数選択すると言う処理を行った。この方法の代わりに、第3実施形態の刺繍データ作成装置では、縫い埋めることを優先して、各ブロックに一定の角度の線分を平行に配置する。
【0119】
第3実施形態の線分仮決定処理について、図32のフローチャートを参照して説明する。
【0120】
S31〜S33の処理に続いて、ブロックの角度特徴算出処理(S35)で、各ブロックに含まれるすべての画素について、それぞれの画素の角度特徴θ1、角度特徴の強度Pとして
水平方向成分 s1=P× cos(θ1)
垂直方向成分 s2=P× sin(θ1)を計算する。これをそれぞれ、ブロックに含まれるすべての画素について加算する。ブロックに含まれるすべての画素についての水平方向成分の総和S1、垂直方向成分の総和S2を求め、S2/S1のアークタンジェントを求める。こうして求めた値を該ブロックの角度特徴として設定する。
この場合、ブロックの角度特徴を求めるのに用いた各画素の角度特徴としては、注目画素とその周りの画素の色情報、例えば、明るさの違いから求めてもよい。明るさ以外に、色あいやあざやかさも使える。このように、画素毎に角度特徴を求めるのではなく、画素の集合(画素群)を1つのブロックとしてとらえ、このブロック単位で角度特徴を求めてもよい。
【0121】
線分決定処理(S36)で、求めた角度特徴に従い、ブロックを埋めるように線分を配置する。図33は、線分配置の例である。ブロックの中心を通るように、角度特徴の法線方向に線を引き(図33の点線)、該点線を線分数で等分する点を求め、各点を中心にするように線分を配置する。以降の処理は、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0122】
図34は、第3実施形態の刺繍データ作成装置で作成した刺繍データである。ステッチ幅は3mm、3画素/mm、3mm/stitch、9画素/stitch、ブロックの幅と高さを3mmに設定したもので、針数は32514である。
【0123】
第1実施形態の図25と比べて、全体に一様で、少ない針数で必要な部分を縫い埋められていることが分かる。
【0124】
[第3実施形態の第1改変例]
第3実施形態で挙げた方法では、注目するブロックに含まれる画素から得られた角度特徴を元に、当該ブロックの角度特徴を求め、これに対応した角度で予め決められた数の線分を設定していた。ここでは、さらに、この様にして求められた線分に加えて、各画素から得られた角度特徴を元にして、一定数の線分を選ぶ。これにより、全体を均一の密度に刺繍できるとともに、写真等の自然画像の特徴を生かした刺繍データを作成できる。なお、各画素から得る角度特徴はその周りの画素の色情報との違いに基づいて求めてもよい。
【0125】
[第3実施形態の第2改変例]
第3実施形態で挙げた方法では、各ブロックに一定の角度の線分を平行に配置すると言う方法をとったため、刺繍データ上にブロックの境界が見える。このため、第3実施形態の第2改変例では、図35に示すようにブロックの区切り方を段違いにしたり、六角形にすることで、このような境界を見え難くしている。図36は六角形のマトリックスを用いて作成した刺繍データの一例である。
【0126】
なお、第3実施形態に係る図34は、いわば画像をモザイク状にした物なので、第1実施形態に係る図25に比べると、詳細さが損なわれている。このため、第3実施形態の第1改変例では、画像中の特徴の強い部分を補うことで、詳細さを補っている。図40は、第3実施形態の第1改変例に係る線分仮配置処理を示すフローチャートである。S44にて上述した線分を付加する処理を行う。図41は、第3実施形態の第1改変例に係る刺繍データ作成処理を示すフローチャートである。S5にて、第1実施形態と同様に線分の色を演算する。
【0127】
第3実施形態の第1改変例では、各ブロック内に、平行な線分のみを配置し、さらに、各ブロックに含まれる画素のうち、角度特徴の強度が閉値以上の画素について、その画素を中心とする線分を配置する。ただし、角度特徴の強度が閾値以上の画素が多くあった場合、線分数が多くなり、ステッチ数の増加を招くので、図37に示すように付加する線分数の上限を決め、特徴の強いものから選択するようにする。第3実施形態の第1改変例の刺繍データ作成装置で作成した刺繍データを図38に示す。針数は38531である。第3実施形態に係る図34に比べ詳細な表現ができている。
【0128】
この第3実施形態では、少ない針数で、全体的に一様に縫い埋めるような刺繍データを作成することができる。表現の詳細さを余り必要としない場合に特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施形態に係る刺繍データ作成装置を示す概略構成図である。
【図2】 第1実施形態に係る刺繍データ作成装置の制御系を示すブロック図である。
【図3】 第1実施形態に係る刺繍データ作成装置における刺繍データの作成処理を示すフローチャートである。
【図4】 図3中に示す各画素の角度特徴及びその強度の算出処理を示すフローチャートである。
【図5】 図3中に示す線分仮配置処理を示すフローチャートである。
【図6】 元画像である写真画像を示す図である。
【図7】 (a)はラプラス変換のオペレータを示す図、(b)はラプラス変換後の画像を示す図である。
【図8】 (a)〜(e)は角度特徴及びその強度の算出方法を説明するための説明図である。
【図9】 (a)、(b)はPrewittのオペレータを示す図、(c)、(d)はSobeIのオペレータを示す図である。
【図10】 ある画素について作成された線分データによって特定される線分を配置した様子を示す図である。
【図11】 入力画像と刺繍データのサイズ関係を表す説明図である。
【図12】 入力画像のブロックへの分割を表す説明図である。
【図13】 (a)、(b)はブロックに配置される線分を表す説明図である。
【図14】 (a)はブロック内の各画素の角度特徴の強度を示す図、(b)は、ブロック内の線分配置における優先順位を示す図である。
【図15】 ブロック内に配置される線分を示す説明図である。
【図16】 (a)、(b)は線分データにおける色成分を決定する際に参照する画像の参照範囲を示す図である。
【図17】 (a)〜(c)は同上の色成分の決定方法を説明するための説明図である。
【図18】 (a)、(b)は線分データにおける色成分を決定する際に参照する画像の参照範囲を示す図である。
【図19】 渡り縫いの上を走り縫いしている様子を示す図である。
【図20】 (a)〜(c)は渡り縫い部分についての迂回路を決定する方法を説明するための説明図である。
【図21】 (a)は糸色情報とカラーコードの入力画面を示す図、(b)は糸色対応テーブルを示す図である。
【図22】 糸色の選択画面を示す図である。
【図23】 糸色対応テーブルを示す図である。
【図24】 (a)は画像と同じサイズの2値画像(白)を用意した場合の説明図であり、(b)はブロックと同じサイズの2値画像を用意した場合の説明図である。
【図25】 第1実施形態に係る刺繍データ作成装置による縫製結果を示す図である。
【図26】 特願2000−10139号に係る刺繍データ作成装置による縫製結果を示す図である。
【図27】 特願2000−10139号に係る刺繍データ作成装置で、図28の場合と同程度の針数となるように刺繍した結果を示す図である。
【図28】 第2実施形態に係る線分仮配置処理を示すフローチャートである。
【図29】 第2実施形態に係る刺繍データ作成装置による縫製結果を示す図である。
【図30】 第2実施形態の第1改変例に係る線分仮配置処理を示すフローチャートである。
【図31】 第2実施形態の第1改変例に係る刺繍データ作成装置による縫製結果を示す図である。
【図32】 第3実施形態に係る線分仮配置処理を示すフローチャートである。
【図33】 第3実施形態の線分配置の例を示す説明図である。
【図34】 第3実施形態に係る刺繍データ作成装置による縫製結果を示す図である。
【図35】 第3実施形態の第1改変例に係るブロック配置の例を示す説明図である。
【図36】 第3実施形態の第1改変例に係る刺繍データ作成装置による縫製結果を示す図である。
【図37】 第3実施形態の第2改変例に係る線分付加を示す説明図である。
【図38】 第3実施形態の第2改変例に係る刺繍データ作成装置による縫製結果を示す図である。
【図39】 図29と同程度の面積をタタミ縫いで縫い埋めるように縫製した結果を示す図である。
【図40】 第3実施形態の第2改変例に係る線分仮配置処理を示すフローチャートである。
【図41】 第3実施形態の第2改変例に係る刺繍データ作成処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 刺繍データ作成装置
10 装置本体
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 I/Oインターフェイス
21 マウス
22 キーボード
23 メモリカードコネクタ23
24 表示装置
25 イメージスキャナ装置

Claims (33)

  1. 画素の集合体からなる任意の画像を特定する画像データに基づいて刺繍データを作成する刺繍データ作成装置において、
    前記画像を構成する複数の画素についてそれぞれ求められた角度特徴に従う角度成分を有する線分データを作成する線分データ作成手段と、
    前記画像を構成する画素に対して、所定単位数の画素からなるブロックを作成するブロック作成手段と、
    前記ブロック内の各々の画素に対応する前記線分データから所定の基準に従って所定の数の線分データを選択する線分データ選択手段と、
    前記選択された線分データに沿って縫目が形成されるように、前記刺繍データを作成する刺繍データ作成手段とを備えていることを特徴とする刺繍データ作成装置。
  2. 前記線分データ選択手段は、糸密度、単位長さ当たりの画素数、前記ブロック内の画素数、及びステッチ幅から、前記各ブロック内で選択する線分データの数を決定することを特徴とする請求項1に記載の刺繍データ作成装置。
  3. 前記線分データ選択手段は、前記画像を構成する画素の色情報と、その画素の周りの画素の色情報との違いから算出した角度成分を含んだ角度特徴の強度に基づいて、前記線分データを選択することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の刺繍データ作成装置。
  4. 前記線分データ選択手段は、前記角度特徴の強度と、他の線分データとの重なりの少なさに基づいて前記線分データを選択することを特徴とする請求項3に記載の刺繍データ作成装置。
  5. 前記線分データ選択手段は、前記各ブロック内の画素数と前記選択された線分データの数との比が一定になるように前記線分データを選択することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1に記載の刺繍データ作成装置。
  6. 前記線分データ選択手段は、1のブロックの線分データを選択する際に、当該1のブロックに隣接する複数のブロックにまたがり前記所定の数に対応した線分データを選択することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1に記載の刺繍データ作成装置。
  7. 前記線分データ選択手段は、1つのブロックの線分データを選択する際に、前記1ブロック内で前記所定の数に対応した線分データを選択することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1に記載の刺繍データ作成装置。
  8. 前記線分データ選択手段は、前記各ブロック内の線分データの数が所定の上限から下限の間になるように前記線分データを選択することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1に記載の刺繍データ作成装置。
  9. 前記線分データ選択手段は、前記各ブロック内の画素の角度特徴の強度に基づいて、前記線分データの数が所定の上限から下限の間になるように前記線分データを選択することを特徴とする請求項8に記載の刺繍データ作成装置。
  10. 前記線分データ選択手段は、前記各ブロック内の画素の色情報に基づいて、前記線分データの数が所定の上限から下限の間になるように前記線分データを選択することを特徴とする請求項8に記載の刺繍データ作成装置。
  11. 画素の集合体からなる任意の画像を特定する画像データに基づいて刺繍データを作成する刺繍データ作成装置において、
    前記画像を構成する画素に対して、所定単位数の画素からなるブロックを作成するブロック作成手段と、
    前記ブロックに関連する色情報に基づき、当該ブロックの角度特徴を求めるデータ作成手段と、
    求められた角度特徴に従い、当該ブロックに、予め決められた数の線分データを設定する線分データ設定手段と、
    前記ブロックに関連する色情報に基づいて、前記設定された線分データの色を決定する線分色設定手段と、
    前記設定された線分データに沿って前記設定された色で縫目が形成されるように、前記線分データに対して設定された色に関する情報を含んだ前記刺繍データを作成する刺繍データ作成手段とを備えていることを特徴とする刺繍データ作成装置。
  12. 画素の集合体からなる任意の画像を特定する画像データに基づいて刺繍データを作成する刺繍データ作成装置において、
    前記画像を構成する画素に対して、所定単位数の画素からなるブロックを作成するブロック作成手段と、
    前記ブロックに関連する色情報に基づき、当該ブロックの角度特徴を求めるデータ作成手段と、
    求められた角度特徴に対応させて、当該ブロックに、当該角度特徴に対応する角度で予め決められた数の第1の線分データを設定する第1線分データ選択手段と、
    当該ブロック内の各画素に対応する色情報から算出された角度特徴の強度に基づいて、前記画素について求められた前記角度特徴に対応する角度の第2の線分データを作成する線分データ作成手段と、
    当該ブロック内で、一定数の画素の前記第2線分データを選択する第2線分データ選択手段と、
    前記設定された第1線分データ及び選択された第2線分データに沿って縫目が形成されるように、前記刺繍データを作成する刺繍データ作成手段とを備えていることを特徴とする刺繍データ作成装置。
  13. 前記データ作成手段は、前記ブロック内の各画素について、前記画素の色情報と、その画素の周りの画素の色情報との違いから算出した角度成分を含んだ角度特徴及び角度特徴の強度に基づいて、前記ブロックの角度特徴を求めることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の刺繍データ作成装置。
  14. 前記ブロックを四角形にしたことを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか1に記載の刺繍データ作成装置。
  15. 前記ブロックを段違いに配置させたことを特徴とする請求項11〜請求項14のいずれか1に記載の刺繍データ作成装置。
  16. 前記ブロックを6角形にしたことを特徴とする請求項11〜請求項13のいずれか1に記載の刺繍データ作成装置。
  17. 画素の集合体からなる任意の画像を特定する画像データに基づいて刺繍データ作成をコンピュータに実行させるための刺繍データ作成プログラムにおいて、
    前記画像を構成する複数の画素についてそれぞれ求められた角度特徴に従う角度成分を有する線分データを作成する線分データ作成手段と、
    前記画像を構成する画素に対して、所定単位数の画素からなるブロックを作成するブロック作成手段と、
    前記ブロック内の各々の画素に対応する前記線分データから所定の基準に従って所定の数の線分データを選択する線分データ選択手段と、
    前記選択された線分データに沿って縫目が形成されるように、前記刺繍データを作成する刺繍データ作成手段とを備えていることを特徴とする刺繍データ作成プログラム。
  18. 前記線分データ選択手段は、糸密度、単位長さ当たりの画素数、前記ブロック内の画素数、及びステッチ幅から、前記各ブロック内で選択する線分データの数を決定することを特徴とする請求項17に記載の刺繍データ作成プログラム。
  19. 前記線分データ選択手段は、前記画像を構成する画素の色情報と、その画素の周りの画素の色情報との違いから算出した角度成分を含んだ角度特徴の強度に基づいて、前記線分データを選択することを特徴とする請求項17または請求項18に記載の刺繍データ作成プログラム。
  20. 前記線分データ選択手段は、前記角度特徴の強度と、他の線分データとの重なりの少なさに基づいて前記線分データを選択することを特徴とする請求項19に記載の刺繍データ作成プログラム。
  21. 前記線分データ選択手段は、前記各ブロック内の画素数と前記選択された線分データの数との比が一定になるように前記線分データを選択することを特徴とする請求項17〜請求項20のいずれか1に記載の刺繍データ作成プログラム。
  22. 前記線分データ選択手段は、1のブロックの線分データを選択する際に、当該1のブロックに隣接する複数のブロックにまたがり前記所定の数に対応した線分データを選択することを特徴とする請求項17〜請求項21のいずれか1に記載の刺繍データ作成プログラム。
  23. 前記線分データ選択手段は、1つのブロックの線分データを選択する際に、前記1ブロック内で前記所定の数に対応した線分データを選択することを特徴とする請求項17〜請求項21のいずれか1に記載の刺繍データ作成プログラム。
  24. 前記線分データ選択手段は、前記各ブロック内の線分データの数が所定の上限から下限の間になるように前記線分データを選択することを特徴とする請求項17〜請求項23のいずれか1に記載の刺繍データ作成プログラム。
  25. 前記線分データ選択手段は、前記各ブロック内の画素の角度特徴の強度に基づいて、前記線分データの数が所定の上限から下限の間になるように前記線分データを選択することを特徴とする請求項24に記載の刺繍データ作成プログラム。
  26. 前記線分データ選択手段は、前記各ブロック内の画素の色情報に基づいて、前記線分データの数が所定の上限から下限の間になるように前記線分データを選択することを特徴とする請求項24に記載の刺繍データ作成プログラム。
  27. 画素の集合体からなる任意の画像を特定する画像データに基づいて刺繍データ作成をコンピュータに実行させるための刺繍データ作成プログラムにおいて、
    前記画像を構成する画素に対して、所定単位数の画素からなるブロックを作成するブロック作成手段と、
    前記ブロックに関連する色情報に基づき、当該ブロックの角度特徴を求めるデータ作成手段と、
    求められた角度特徴に従い、当該ブロックに、予め決められた数の線分データを設定する線分データ設定手段と、
    前記ブロックに関連する色情報に基づいて、前記設定された線分データの色を決定する線分色設定手段と、
    前記設定された線分データに沿って前記設定された色で縫目が形成されるように、前記線分データに対して設定された色に関する情報を含んだ前記刺繍データを作成する刺繍データ作成手段とを備えていることを特徴とする刺繍データ作成プログラム。
  28. 画素の集合体からなる任意の画像を特定する画像データに基づいて刺繍データ作成をコンピュータに実行させるための刺繍データ作成プログラムにおいて、
    前記画像を構成する画素に対して、所定単位数の画素からなるブロックを作成するブロック作成手段と、
    前記ブロックに関連する色情報に基づき、当該ブロックの角度特徴を求めるデータ作成手段と、
    求められた角度特徴に対応させて、当該ブロックに、当該角度特徴に対応する角度で予め決められた数の第1の線分データを設定する第1線分データ選択手段と、
    当該ブロック内の各画素に対応する色情報から算出された角度特徴の強度に基づいて、前記画素について求められた前記角度特徴に対応する角度の第2の線分データを作成する線分データ作成手段と、
    当該ブロック内で、一定数の画素の前記第2線分データを選択する第2線分データ選択手段と、
    前記設定された第1線分データ及び選択された第2線分データに沿って縫目が形成されるように、前記刺繍データを作成する刺繍データ作成手段とを備えていることを特徴とする刺繍データ作成プログラム。
  29. 前記データ作成手段は、前記ブロック内の各画素について、前記画素の色情報と、その画素の周りの画素の色情報との違いから算出した角度成分を含んだ角度特徴及び角度特徴の強度に基づいて、前記ブロックの角度特徴を求めることを特徴とする請求項27または請求項28に記載の刺繍データ作成プログラム。
  30. 前記ブロックを四角形にしたことを特徴とする請求項27から請求項29のいずれか1に記載の刺繍データ作成プログラム。
  31. 前記ブロックを段違いに配置させたことを特徴とする請求項27〜請求項29のいずれか1に記載の刺繍データ作成プログラム。
  32. 前記ブロックを6角形にしたことを特徴とする請求項27〜請求項29のいずれか1に記載の刺繍データ作成プログラム。
  33. 請求項17〜請求項32のいずれか1の刺繍データ作成プログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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