JP2008109823A - 回転電機装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トルクリップルを抑制することが可能な回転電機装置を提供すること。
【解決手段】ロータ20の回転位置に対応した回転磁界を形成する同期電流に同期電流とは異なる波形のロータ励磁用電流を所定周期で重畳させた電機子電流をステータコイル32に流すことによりロータコイル23に励磁電流を発生される回転電機装置において、ロータ励磁用電流を重畳する直前におけるロータコイル23線を流れる励磁電流値を、ロータ励磁用電流により誘導された初期励磁電流値の1/2以上とする。これにより、ロータ励磁用電流を重畳するタイミングにおける励磁電流の変動量及びロータの回転トルクの変動量が過大となることを抑止することができる。この結果、ロータ励磁用電流を重畳するタイミングにおける回転電機装置の騒音や振動を抑制することが可能となる。
【選択図】図3

Description

本発明は回転電機装置に関するものである。
ステータ巻線に交流の電機子電流を流すことにより回転磁界を形成し、その回転磁界に同期してロータが回転する回転電機は同期機と呼ばれている。同期機としては、磁石式、界磁巻線式、リラクタンス式、さらにはそれらをミックスした形式のロータ構造が知られている。
界磁巻線式同期機は、高価な永久磁石をロータコアに装着する必要がなく、磁石に対する耐遠心力を考慮する必要もない。その上、界磁巻線に流れる電流によりトルクや発電(誘起)電圧を自在に制御できるため、自動車走行動力発生用途などの速度可変型回転電機において実用性に優れている。ブラシを使わない構造でトルク制御が容易な界磁巻線式同期機は、例えば特許文献1に提案されている。
特開平7−95790号公報
特許文献1に開示された界磁巻線式同期機は、ロータ位置に同期しバイアス周波数の変調波形によって振幅変調された多相交流電流をステータ巻線に流すものである。特許文献1に記載の界磁巻線式同期機は脈動励磁電流重畳方式による二次側励磁電流を形成するものであって、電機子電流に重畳する一次側励磁電流を周期変動させるものである。そのため、ロータ界磁巻線に誘導される励磁電流である二次側励磁電流が脈動する。一次側励磁電流の脈動は二次側励磁電流の脈動に繋がるので、特許文献1に記載の界磁巻線式同期機ではロータ界磁巻線に大きなリップルを持った電流が流れ、その結果としてトルクリップルが大きくなってしまうという問題があった。
そこで当社は、ロータを回転させるための同期電流にパルス状のロータ励磁用電流を重畳することによりトルクリップルを低減する技術につき検討をおこなった。しかしながら、この技術においても、各種のパラメータの条件によっては、トルクリップルが大きくなることが判明した。
本発明は上記問題に鑑みなされたものであり、トルクリップルを抑制することが可能な回転電機装置を提供することを主たる目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。
請求項1に記載の発明は、多相の電機子巻線が巻装されたステータ、及び界磁巻線が巻装され前記ステータに対面しつつ回転可能なロータを有する同期機と、直交電力変換を行い、前記電機子巻線に交流電力を供給するインバータと、前記ロータの回転位置に対応した回転磁界を形成する同期電流に前記同期電流とは異なる波形のロータ励磁用電流を所定周期で重畳させた電機子電流を前記電機子巻線に流すように前記インバータを制御する制御部とを備える回転電機装置に関するものである。そして、前記ロータ励磁用電流により誘導される誘導電流の流れを一方向に規制する電流規制回路を設けて前記界磁巻線を構成し、前記ロータ励磁用電流を重畳する直前における前記界磁巻線を流れる誘導電流値を、前記ロータ励磁用電流により誘導された初期誘導電流値の1/2以上としたことを特徴としている。
ロータ励磁用電流により誘導される誘導電流は、界磁巻線の抵抗のために重畳時の初期誘導電流値から時間の経過とともに減衰する。そして、次にロータ励磁用電流が重畳されるタイミングにおいて、誘導電流が再度初期誘導電流値に復帰する。ロータの回転トルクはロータに流れる誘導電流の大きさに依存する。そのため、ロータの回転トルクも誘導電流の変動と同様、ロータ励磁用電流が重畳したタイミングから時間とともに減衰するとともに、再度ロータ励磁用電流が重畳されたタイミングにおいて増加する。誘導電流の減衰が大きいと、再度ロータ励磁用電流が重畳されるタイミングにおけるトルクの変動(トルクリップル)も大きくなり、回転電機装置の振動や騒音等の原因となる。
この点、本発明では、ロータ励磁用電流を重畳する直前における誘導電流値を初期誘導電流値の1/2以上とした。これにより、ロータ励磁用電流を重畳するタイミングにおける誘導電流の変動量及びロータの回転トルクの変動量が過大となることを抑止することができる。この結果、ロータ励磁用電流を重畳するタイミングにおける回転電機装置の騒音や振動を抑制することが可能となる。
請求項2に記載の発明では、前記界磁巻線の抵抗をRr、インダクタンスをLとし、前記ロータ励磁用電流の重畳周期をt0とした場合、
Figure 2008109823
を満たすようにRr,L及びt0を設定したことを特徴としている。このようにRr,L及びt0を設定することにより、ロータ励磁用電流を重畳する直前における誘導電流値を、初期誘導電流値の1/2以上とすることが可能となる。
請求項3に記載の発明は、多相の電機子巻線が巻装されたステータ、及び界磁巻線が巻装され前記ステータに対面しつつ回転可能なロータを有する同期機と、直交電力変換を行い、前記電機子巻線に交流電力を供給するインバータと、前記ロータの回転位置に対応した回転磁界を形成する同期電流に前記同期電流とは異なる波形のロータ励磁用電流を重畳させた電機子電流を前記電機子巻線に流すように前記インバータを制御する制御部とを備える回転電機装置に関するものである。そして、前記ロータ励磁用電流により誘導される誘導電流の流れを一方向に規制する電流規制回路を設けて前記界磁巻線を構成し、前記界磁巻線を流れる誘導電流の平均値を、前記ロータ励磁用電流により誘導された初期誘導電流値の1/2以上としたことを特徴としている。
本発明では、誘導電流の平均値を初期誘導電流値の1/2以上とした。これにより、ロータ励磁用電流を重畳するタイミングで誘導電流の変動量及びロータの回転トルクの変動量が過大となることを抑止することができる。この結果、ロータ励磁用電流を重畳するタイミングにおける回転電機装置の騒音や振動を抑制することが可能となる。
請求項4に記載の発明では、前記界磁巻線の抵抗をRr、インダクタンスをLとし、前記ロータ励磁用電流の重畳周期をt0とした場合、
Figure 2008109823
を満たすようにRr,L及びt0を設定したことを特徴としている。このようにRr,L及びt0を設定することにより、誘導電流の平均値を初期誘導電流値の1/2以上とすることが可能となる。
請求項5及び請求項6に記載の発明では、前記界磁巻線の抵抗をRr、インダクタンスをL、前記ロータ励磁用電流の重畳周期をt0、前記電機子巻線に流れる電流をIs、前記電機子巻線の巻線抵抗をRs、前記初期誘導電流値をIri、前記ロータ励磁用電流の重畳時間をt1とした場合、
Figure 2008109823
が、Rr,L又はt0のいずれかに関して極大となるようにRr,L及びt0を設定したことを特徴としている。
所定の大きさのロータ回転トルクを確保するためには、所定の大きさの誘導電流値を確保する必要がある。界磁巻線に流れる誘導電流値を大きくするためには、ロータ励磁用電流の重畳周期を短くすればよい。換言すると同期電流の周期t2あたりの重畳回数を多くすればよい。しかしながら、重畳回数を多くすればロータの励磁に要する電力も増大することとなり、エネルギー効率が低下する。そこで、所定の誘導電流値を確保し、且つ、効率よくトルクを発生させることが重要である。
上式は界磁巻線に流れる平均誘導電流とロータ励磁用電流を重畳するために要する平均励磁電力との比を表している。そして、この比がある変数について極大値となる場合、その変数について効率よく誘導電流を発生させているといえる。換言すると、この比がある変数について極大値となる場合、その変数について効率よくトルクを発生させているといえる。すなわち、Rr,L又はt0のいずれかに関して上式が極大となるようにRr,L及びt0を設定することで、効率よくトルクを発生させることができる。
請求項7に記載の発明では、前記制御部は、前記同期電流の周期よりも短い周期で前記ロータ励磁用電流を重畳させるように前記インバータを制御することを特徴している。これにより、同期電流の1周期に少なくとも1回ロータ励磁用電流が重畳されることとなる。この結果、ロータの低回転域においても、長期間ロータ励磁用電流が重畳されない状態が継続することが回避される。
請求項8に記載の発明では、前記制御部は、同期電流における予め定められた所定の位相で前記ロータ励磁用電流を重畳させるように前記インバータを制御することを特徴している。これにより、同期電流とそれに重畳されたロータ励磁用電流との合成電流の波形を好適なものとすることができる。例えば、ロータ励磁用電流をロータトルクの発生への影響の少ないタイミングで重畳させるなど、予め定めた好適な電流波形とすることができる。
請求項9に記載の発明では、前記制御部は、前記ロータ励磁用電流の重畳角度周期が等間隔となるように前記インバータを制御することを特徴している。ロータ励磁用電流の重畳角度周期を等間隔とすることで、誘導電流の減衰量を均一化することができる。これにより、トルクリップルも均一化され、特定のタイミングにおいて回転電機装置の騒音や振動が目立つことを抑制できる。
以下、本発明を車両の走行動力発生用の走行モータを含む回転電機装置として具現化した場合の一実施の形態について説明する。
まず、本実施形態の走行モータの構成について説明する。図1は本実施形態の走行モータの全体構造を示す軸方向断面図、図2は走行モータの径方向の一部断面図、図3は回転電機装置の回路図である。図1に示すように、本実施形態の走行モータ10は、ハウジング11、ロータ20、ステータ30を含んで構成されている。
ロータ20は、シャフト21、ロータコア22及びロータコイル23等を含んで構成されている。ロータコア22はシャフト21に固定されている。また、シャフト21は一組の軸受12,13を介してハウジング11に回転自在に支持されている。
シャフト21には磁性輪板24が固定されており、この磁性輪板24の外周には一定の間隔で磁気突極が設けられている。磁性輪板24の外周面に対向する位置には回転位置センサ14が設けられている。回転位置センサ14は磁気突極の通過を検出することによりロータ20の回転位置を検出し、検出結果をコントローラ40に送信する。
図2に示すように、ロータコア22の外周側には、複数のロータコイル収容溝25がロータコア22の軸方向に貫通して設けられている。周方向に隣り合うロータコイル収容溝25間にはロータコアティース部26が形成されている。そして、その最外周部分にはロータコイル収容溝25を狭窄すべく周方向両側に延在する鍔部27が設けられている。ロータコイル収容溝25には、ロータコイル23が巻装されている。ロータコイル23はロータコアティース部26に界磁束Φを形成すべくその周りにロの字状に巻装されている。なお、ロータコイル23の巻装方法はロの字状の他、つづら折り状等に巻装してもよい。
ステータ30は、ロータ20の外径側に配置されている。ステータ30は、ステータコア31とステータコイル32とにより構成されている。ステータコア31は円筒状であり、ハウジング11の内周壁面に固定されている。ステータコア31の内周側には、複数のスロット33がステータコア31の軸方向に貫通して設けられている。周方向に隣り合うスロット33間にはステータコアティース部34が形成されている。ステータコイル32は3相の相コイルU32,V32,W32により形成され、各相コイルU32,V32,W32は隣接するスロット33に順次巻装されている。そして、ステータコイル32に電流が流れることにより、ステータコアティース部34が磁化されて磁気突極を形成される。
図3に示すように、ステータコイル32は、U相コイル32UとV相コイル32VとW相コイル32Wとを中性点Nで接続することによりY結線されている。バッテリ50と各相コイル32U,32V,32Wの外部引き出し端子との間には、昇圧回路60及び3相インバータ70が接続されている。3相インバータ70は3つの上アーム素子71と3つの下アーム素子72とを有し、各アーム素子はそれぞれIGBT73とフライホイールダイオード74とにより構成されている。勿論、各アーム素子をMOSトランジスタに代替してもよい。
インバータ70は、昇圧回路60を介してバッテリ50に接続されている。昇圧回路60は、バッテリ50から入力される第1電圧V1を第2電圧V2まで昇圧するためのものである。本実施形態の昇圧回路60は、昇圧用スイッチ61のオン動作によりインダクタ62にてエネルギーが蓄積され、オフ動作によりエネルギーがダイオード63を通じて放出される昇圧チョッパ方式の昇圧回路60である。本実施形態では、第1電圧V1は200V、第2電圧V2は600Vに設定されている。すなわち、昇圧回路60により第1電圧V1を3倍の第2電圧V2に昇圧する。昇圧回路60で昇圧された電圧はインバータ70に入力される。
ロータコイル23はバッテリ50とは接続されておらず、ダイオード28を通じて短絡されている。ロータコイル23のインダクタンスはLである。また、ロータコイル23及びダイオード28の両者を含めた抵抗29はRrである。抵抗29は、ロータコイル23及びダイオード28に含まれるものであるが、図3では便宜上分離して描かれている。ダイオード28はロータコイル23に誘導された交流電流を半波整流し、周方向に隣り合うロータコアティース部26を交互にN極とS極とに励磁して磁極を形成する。
コントローラ40は回転位置センサ14からロータ20の回転位置情報を取得する。そして、ロータ20の回転位置に対応した電機子電流(同期電流)をステータコイル32に通電すべくインバータ70を断続制御する。ロータ20の回転位置に対応させてインバータ70を断続制御することにより、ロータ20に回転トルクを生じさせる。コントローラ40は、ロータ20の回転と同期しない特別の交流電流(以下「ロータ励磁用電流」と呼ぶ)をステータコイル32に流すようなインバータ70の断続制御も行っている。したがって、ステータコイル32に流れる電機子電流は同期電流とロータ励磁用電流との和となる。また、ステータコイル32に印加される電機子電圧は、トルク発生用の電圧である同期電圧とロータ励磁用電流発生用の電圧であるロータ励磁用電圧との和となる。
インバータ70による三相電機子電流の通電制御例を、図4及び図5を用いて説明する。図4に示すように、トルク発生用の電流である各相の同期電流Itu,Itv,Itwは正弦波波形の電流であり、上述のようにロータ20の回転位置に対応してインバータ70を断続制御することにより発生される。ロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwは相ごとに予め定められたパルス状波形の電流であり、インバータ70を断続制御することによりロータ20にトルクを発生させない位相で瞬時的に発生される。すなわち、ロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwによる励磁用磁束はロータ20のd軸方向に作用させるものであり、ロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwによりトルクは発生しない。ロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwをステータコイル32に流すことによりロータコイル23を貫通する磁束を変化させ、これによりロータコイル23に磁束変化を打ち消す向きの電流を発生させる。そして、発生した電流をダイオードで半波整流することにより、ロータコアティース部26を励磁する。
図5に示すように、実際にステータ30の各相コイルに流れる電機子電流の各相電流Iu,Iv,Iwは各相の同期電流Itu,Itv,Itwにロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwを重畳した電流となる。そして、各相電流Iu,Iv,Iwをステータコイル32に通電することにより、ロータ20を励磁するとともにロータ20に回転トルクを生じさせることが可能となる。
次に、各相の同期電流Itu,Itv,Itwにロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwを重畳する方法を説明する。
図6は、ロータ励磁用電流の波形の一例を示している。このようなパルス状のロータ励磁用電流を通電するためには、互いに極性が異なるパルス状のロータ励磁用電圧(正パルス電圧と負パルス電圧)をステータコイル32に印加する必要がある。一方、図4に示すような正弦波状の同期電流は、図7に示すようなPWM相電圧波形を印加することにより発生させることができる。
図8は、一相の正弦波状の同期電圧(例えばVtu)におけるゼロクロス点近傍の波形と、その波形電圧を形成するためのPWM相電圧波形を示している。図8において、黒く塗りつぶされて描かれている部分はPWM相電圧波形のオン期間、白抜きで描かれている部分はオフ期間を示している。
図9は、図8で示した同期電圧Vtuのゼロクロス点近傍において、ロータ励磁用電圧Vfuを重畳したPWM相電圧波形を示している。図9に示す例では、正弦波状の同期電圧Vtuにおけるゼロクロス点近傍に設定されたロータ励磁用電圧Vfuの重畳期間t1において、ロータ励磁用電圧Vfuとしての正パルス電圧と負パルス電圧とが重畳されている。すなわち、同期電圧Vtuが正値である位相期間t1aにおいてPWM波形のオフ期間をオン期間に変換することで正パルス電圧を重畳し、同期電圧Vtuが負値である位相期間t1bにおいてPWM波形のオン期間をオフ期間に変換することで負パルス電圧を重畳している。
なお、上述の説明では、簡単のため、同期電圧Vtuのゼロクロス点近傍におけるロータ励磁用電圧Vfuの重畳方法を説明したが、他のタイミングにおいても同様の方法で同期電圧Vtuにロータ励磁用電圧Vfuを重畳することが可能である。
また、本実施形態では、同期電流Itu,Itv,Itwの周期に対して比較的短い期間だけ、ロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwを重畳させる。
(第1シミュレーション)
本実施形態における走行モータ10を作動させた第1シミュレーションの結果を以下に説明する。本シミュレーションでは、インダクタンスL、抵抗Rr及び励磁周期t0を変更して実験例1から実験例3の3つの態様で実験を行った。実験例1から実験例3では、同期電流Itu,Itv,Itwの1周期(同期周期t2)を1500×10^(−6)sとした。実験例1では、Rr/Lの値を230と設定し、励磁周期t0を750×10^(−6)sとした。すなわち、励磁周期t0を同期周期t2よりも短く設定した。また、ロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwは、同期電流Itu,Itv,Itwにおける予め定められた所定の位相で重畳されるとともに、重畳角度周期が等間隔となるようにした。実験例2は、Rr/Lの値を実験例1の1/4に設定している点が異なっているが他は実験例1と同様である。また実験例3は、励磁周期t0を実験例1の1/3に設定している点が異なっているが他は実験例1と同様である。
(実験例1)
図10は実験例1における各相の同期電流Itu,Itv,Itwにロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwを重畳した各相電流Iu,Iv,Iwの電流と、ロータコイル23に生じる励磁電流Irとを示す波形図である。なお図10では、各相電流Iu,Iv,Iwの電流を実線で、励磁電流Irを二点鎖線で示している。図11は実験例1におけるロータ20に生じるトルクの波形図である。
図10から、同期電流Itu,Itv,Itwにパルス状のロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwを重畳させた各相電流Iu,Iv,Iwをステータコイル32に流すことにより、ロータコイル23に励磁電流Irが流れていることが理解できる。また、ロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwが重畳されるタイミングで励磁電流Irが変動していることも図10から理解できる。図11に示されるように、ロータ20には短い周期で繰り返されるトルク変動(トルクリップル)が生じている。ロータ20は、ステータコアティース部34に形成された磁気突極からの吸引又は反発力を受けて回転する。この短い周期で繰り返されるトルクリップルは、ロータコアティース部26に形成される磁極がスロット33とステータコアティース部34とを交互に通過する際に生じるものである。また図11から、この短い周期で繰り返されるトルクリップルよりも大きなトルクリップルが生じていることも分かる。ロータ20に生じるトルクは励磁電流Irに依存する。そして上記大きなトルクリップルは、励磁電流Irの変動に伴いロータ20に発生するものである。
ここで、図10から分かるように、励磁電流Irはロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwが重畳されてから次に重畳されるタイミングまで、時間の経過とともに減衰している。励磁電流Irは、
Figure 2008109823
を解くことにより、
Figure 2008109823
(Iriはロータ励磁用電流重畳時の励磁電流値、以下「重畳時励磁電流」と記す)
と表すことができる。
また、ロータ励磁用電流の重畳時から次回のロータ励磁用電流の重畳直前までの平均励磁電流Iraは、励磁周期をt0とすると、
Figure 2008109823
と表すことができる。
図10に示すように、実験例1では重畳時励磁電流Iriは80Aであり、ロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwが重畳されるタイミングの直前における励磁電流Ir(以下、「重畳直前励磁電流Ire」と記す)は約16Aである。また、平均励磁電流Iraは約35Aである。すなわち、重畳直前励磁電流Ire及び平均励磁電流Iraがともに初期励磁電流Iriの1/2以下となっている。そして、ロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifw重畳時の励磁電流Irの変動が大きくなるため、図11に示すように、励磁電流Irの変化に伴うトルクリップルT1も大きくなっている。このため、実験例1の走行モータ10では、トルクリップルのために振動及び騒音が大きくなり、実用上問題が生じるおそれがある。
(実験例2)
図12は実験例2における各相の同期電流Itu,Itv,Itwにロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwを重畳した各相電流Iu,Iv,Iwの電流と、ロータコイル23に生じる励磁電流Irとを示す波形図である。なお図12では、各相電流Iu,Iv,Iwの電流を実線で、励磁電流Irを二点鎖線で示している。図13は実験例2におけるロータ20に生じるトルクの波形図である。
図12に示されるように、実験例2においても、同期電流Itu,Itv,Itwにパルス状のロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwを重畳させた各相電流Iu,Iv,Iwをステータコイル32に流すことにより、ロータコイル23に励磁電流Irが流れていることが理解できる。また、ロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwが重畳されるタイミングで励磁電流Irが変動していることも図12から理解できる。但し、実験例2においては、Rr/Lの値を実験例1の1/4としたので、励磁電流Irの減衰が緩やかになっている。
具体的には、図12に示すように、実験例2では重畳時励磁電流Iriは約80Aであり、重畳直前励磁電流Ireは約42Aである。また、平均励磁電流Iraは約54Aである。すなわち、重畳直前励磁電流Ire及び平均励磁電流Iraがともに初期励磁電流Iriの1/2以上となっている。励磁電流Irの減衰を小さくすることで、図13に示すようにトルクの減少が抑制される。その結果として、実験例2では実験例1より平均トルクが約10%向上している。また、ロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifw重畳時の励磁電流Irの変動が小さくなるため、図13に示すように励磁電流Irの変化に伴うトルクリップルT2も実験例1に比べて小さくなっている。そして、実験例2のように、Rr,Lの値を適切に設定して重畳直前励磁電流Ire及び平均励磁電流Iraがともに初期励磁電流Iriの1/2以上となるようにすれば、トルクリップルによる走行モータ10の振動及び騒音等への影響も実用上許容可能なレベルのものであった。
すなわち、重畳直前励磁電流Ire(=Ir(t0))が重畳時励磁電流Iriの1/2以上であるという条件から定まる式
Figure 2008109823
若しくは、平均励磁電流Iraが重畳時励磁電流Iriの1/2以上であるという条件から定まる式
Figure 2008109823
を満たすようにRrとLとを設定することで、実用上許容可能なレベルにトルクリップルを抑制することが可能となった。
(実験例3)
図14は実験例3における各相の同期電流Itu,Itv,Itwにロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwを重畳した各相電流Iu,Iv,Iwの電流と、ロータコイル23に生じる励磁電流Irとを示す波形図である。なお図14では、各相電流Iu,Iv,Iwの電流を実線で、励磁電流Irを二点鎖線で示している。図15は実験例3におけるロータ20に生じるトルクの波形図である。
図14に示されるように、実験例3においても、同期電流Itu,Itv,Itwにパルス状のロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwを重畳させた各相電流Iu,Iv,Iwをステータコイル32に流すことにより、ロータコイル23に励磁電流Irが流れていることが理解できる。また、ロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwが重畳されるタイミングで励磁電流Irが変動していることも図14から理解できる。但し、実験例3においては、励磁周期t0を実験例1の1/3としている。このため、励磁電流Irの減衰の度合いは実験例1と同様であるが、励磁電流Irが大きく減衰する前に再度ロータ励磁用電流がIfu,Ifv,Ifwが重畳される。その結果、励磁電流Irは大きく減衰する前に重畳時励磁電流Iriに復帰している。
具体的には、図14に示すように、実験例3では重畳時励磁電流Iriは約80Aであり、重畳直前励磁電流Ireは約45Aである。また、平均励磁電流Iraは約55Aである。すなわち、重畳直前励磁電流Ire及び平均励磁電流Iraがともに初期励磁電流Iriの1/2以上となっている。励磁電流Irが大きく減衰する前に重畳時励磁電流Iriに復帰させることでトルクの減少が抑制される。その結果として、実験例3では実験例1より平均トルクが約15%向上している。また、ロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifw重畳時の励磁電流Irの変動が小さくなる。そのため、図15に示すように、励磁電流Irの変化に伴うトルクリップルは、ロータコアティース部26に形成される磁極がスロット33とステータコアティース部34とを交互に通過する際に生じる短い周期のトルクリップルと同程度の非常に小さいものとなっている。そして、実験例3のように、励磁周期t0を適切な値に設定して重畳直前励磁電流Ire及び平均励磁電流Iraがともに初期励磁電流Iriの1/2以上となるようにすれば、トルクリップルによる走行モータ10の振動及び騒音等への影響も実用上許容可能なレベルのものであった。
すなわち、式(2)、又は、式(3)を満たすようにt0を設定することで、実用上許容可能なレベルにトルクリップルを抑制することが可能となった。
(第2シミュレーション)
本実施形態における走行モータ10を作動させた第2シミュレーションの結果を以下に説明する。本シミュレーションは、インダクタンスL、抵抗Rrを所定値に固定した状態で行った。そして、ロータ20の回転速度が1000、2000、3000(rpm)の3つの場合について、同期電流Itu,Itv,Itwの1周期(同期周期t2)あたりのロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwのパルス数n(以下「同期周期t2あたりのパルス数n」という)を変えた際の平均励磁電流Ira及び平均励磁電力Pを計測した。
図16は、同期周期t2あたりのパルス数nを変更した場合の平均励磁電流Iraを示す図である。図中、ロータ20の回転速度が3000rpmの場合を実線、2000rpmの場合を破線、そして1000rpmの場合を一点鎖線で示している(図17、図18も同様)。
平均励磁電流Iraは式(1)のように表されるので、励磁周期t0が短くなるほど平均励磁電流Iraが大きくなる。ここで、励磁周期t0、同期周期t2、及び同期周期あたりのパルス数nとの間には、
t0=t2/n
の関係がある。そして、ロータ20の回転速度が増加すると同期周期t2は短くなるので、励磁周期t0も短くなる。したがって、図16に示すように、同期周期t2あたりのパルス数nを固定した場合、ロータ20の回転速度が増加するほど平均励磁電流Iraは大きくなる。また、同一の回転速度でみた場合、すなわち同期周期t2が同一の場合には、同期周期t2あたりのパルス数nが増加するほど励磁周期t0が減少するので、平均励磁電流Iraは大きくなる。
図16から、仮に要求される平均励磁電流Iraが0.9*Iの場合、1000rpmでは6パルス、2000rpmでは2パルスそして3000rpmでは1パルスとすれば、電力を抑えつつ、要求される平均励磁電流Iraを満足できることがわかる。
図17は、同期周期t2あたりのパルス数nを変更した場合の平均励磁電力Pを示す図である。同期周期t2あたりn個のパルスを重畳させるために要する平均励磁電力P、すなわち、パルスを入れる際にステータ30及びロータ20で消費される平均励磁電力Pは以下のように表される。
Figure 2008109823
(Is:ステータ電流、Rs:ステータコイル抵抗、Ira:平均励磁電流、t0:励磁周期、t1:パルス印加時間)
図17はこの関係を図示したものである。図17に示すように、同期周期t2あたりのパルス数nが増加すると平均励磁電力Pが増加する傾向にあることがわかる。
図18は、平均励磁電流Iraと平均励磁電力Pとの比(Ira/P)を示す図である。平均励磁電流Iraと平均励磁電力Pとの比(Ira/P)は、以下のように表される。
Figure 2008109823
図18に示すように、比(Ira/P)は極大値を持つことがわかる。そして、比(Ira/P)が極大値となるような同期周期t2あたりのパルス数nを設定することで、励磁電流Irを効率よく発生させることができる。換言すると、比(Ira/P)が極大値となるような励磁周期t0を設定することで、効率よくトルクを発生させることができる。例えば、ロータ20の回転速度が1000rpmの場合は4パルス、2000rpmでは2パルスそして3000rpmでは1パルスとするようにt0を設定すれば、平均励磁電力Pあたりの平均励磁電流Iraが最大となり、効率よくトルクを発生させることができる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
本実施形態では、重畳時励磁電流Iri又は平均励磁電流Iraを初期誘導電流値の1/2以上とした。これにより、ロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwを重畳するタイミングにおける励磁電流Irの変動量及びロータ20の回転トルクの変動量が過大となることを抑止することができる。この結果、ロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwを重畳するタイミングにおける走行モータ10の騒音や振動を抑制することが可能となる。具体的には、式(2)又は式(3)を満たすように、ロータコイル23の抵抗RrとインダクタンスLとの比又は励磁周期t0を適切な値に設定することにより、励磁電流Irの減衰を抑制してトルクリップルを抑制することが可能となる。
本実施形態では、平均励磁電流Iraと平均励磁電力Pとの比(Ira/P)を極大とするような励磁周期t0を設定している。具体的には、式(4)を満たすように励磁周期t0を設定している。これにより、効率よくトルクを発生させることが可能となる。
本実施形態では、励磁周期t0を同期周期t2よりも短く設定した。これにより、同期周期t2に少なくとも1回ロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwが重畳されることとなる。この結果、ロータ20の低回転域においても、長期間ロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwが重畳されない状態が継続することが回避される。
本実施形態では、ロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwを、同期電流Itu,Itv,Itwにおける予め定められた所定の位相で重畳した。これにより、同期電流Itu,Itv,Itwにロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwを重畳した各相電流Iu,Iv,Iwの波形を好適なものとすることができる。例えば、ロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwをロータトルクの発生への影響の少ないタイミングで重畳させるなど、好適な電流波形とすることができる。
本実施形態では、重畳角度周期が等間隔となるようにロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwを重畳した。ロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwの重畳角度周期を等間隔とすることで、励磁電流Irの減衰量を均一化することができる。これにより、トルクリップルも均一化され、特定のタイミングにおいて走行モータ10の騒音や振動が目立つことを抑制できる。
(変形例1)
上記シミュレーション1では、ロータコイル23の抵抗RrとインダクタンスLとの比又は励磁周期t0を適切な値に設定することにより、励磁電流Irの減衰を抑制してトルクリップルを抑制した。しかし、抵抗RrとインダクタンスLとの比及び励磁周期t0の両者を適切な値に設定してもよいことは勿論である。
(変形例2)
シミュレーション2では、励磁周期t0を適切な値に設定することで、平均励磁電力Pあたりの平均励磁電流Iraを極大とし、効率よくトルクを発生させた。しかし、抵抗Rr又はインダクタンスLを適切な値に設定することで、平均励磁電力Pあたりの平均励磁電流Iraを極大とし、効率よくトルクを発生させるようにしてもよい。すなわち、励磁周期t0、抵抗Rr又はインダクタンスLの少なくとも一つに関して、平均励磁電力Pあたりの平均励磁電流Iraを極大とするように、励磁周期t0、抵抗Rr及びインダクタンスLを適切な値に設定してもよい。
(変形例3)
式(2)又は式(3)の少なくとも一方を満たすとともに、式(4)が励磁周期t0、抵抗Rr又はインダクタンスLの少なくとも一つに関して極大となるように設定してもよい。これにより、トルクリップルを抑制しつつ、効率よくトルクを発生させることが可能となる。
(変形例4)
上記実施形態では、ロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwの励磁周期t0を同期電流Itu,Itv,Itwの同期周期t2よりも短く設定した。しかし、励磁周期t0を同期周期t2より短くすることは本発明に必須の要件ではない。すなわち、ロータ20の回転速度が大きくなれば同期周期t2は小さくなる。そのため、励磁周期t0を同期周期t2よりも長く設定したとしても、励磁周期t0の絶対的な値は過大とならない。したがって、ロータ20の回転速度によっては、励磁周期t0を同期周期t2より長く設定することも可能である。
また、上記実施形態では、ロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwを同期電流Itu,Itv,Itwにおける予め定められた所定の位相で重畳するとともに、重畳角度周期が等間隔となるようにした。しかし、ロータ励磁用電流Ifu,Ifv,Ifwを重畳する位相やその間隔はこれに限られるものではない。
(変形例5)
上記実施形態では、ロータコアティース部26に磁石を埋設しない構成とした。しかし、図19に示すように、ロータコアティース部26に磁石26aを埋設し、磁石26aによりロータ20の励磁を補助する構成としてもよい。このような構成を採用した走行モータ10においても、本発明を適用することが可能である。
走行モータの全体構造を示す軸方向断面図。 走行モータの径方向の一部断面図。 回転電機装置の回路図。 三相電機子電流の通電制御例を示す図。 同期電流にロータ励磁用電流を重畳した三相電子機電流を示す図。 ロータ励磁用電流の波形の一例を示す図。 一相の同期電流を形成するPWM相電圧波形を示す図。 一相の同期電流を形成するPWM相電圧波形のゼロクロス点近傍を示す図。 図8に示す波形にロータ励磁用電圧を重畳したPWM相電圧波形を示す図。 実験例1における各相の同期電流にロータ励磁用電流を重畳した各相電流の電流とロータコイルに生じる励磁電流とを示す波形図。 実験例1におけるロータに生じるトルクの波形図。 実験例2における各相の同期電流にロータ励磁用電流を重畳した各相電流の電流とロータコイルに生じる励磁電流とを示す波形図。 実験例2におけるロータに生じるトルクの波形図。 実験例3における各相の同期電流にロータ励磁用電流を重畳した各相電流の電流とロータコイルに生じる励磁電流とを示す波形図。 実験例3におけるロータに生じるトルクの波形図。 同期周期あたりのパルス数を変更した場合の平均励磁電流を示す図 同期周期あたりのパルス数を変更した場合の平均励磁電力を示す図 同期周期あたりのパルス数を変更した場合の平均励磁電流と平均励磁電力との比を示す図。 変形例5における走行モータの径方向の一部断面図。
符号の説明
10…走行モータ、11…ハウジング、14…回転位置センサ、20…ロータ、21…シャフト、22…ロータコア、23…ロータコイル、26…ロータコアティース部、28…ダイオード、29…ロータ合成抵抗、30…ステータ、31…ステータコア、32…ステータコイル、33…スロット、40…コントローラ、50…バッテリ、60…昇圧回路、61…昇圧用スイッチ、62…インダクタ、63…ダイオード、70…インバータ、71…上アーム素子、72…下アーム素子。

Claims (9)

  1. 多相の電機子巻線が巻装されたステータ、及び界磁巻線が巻装され前記ステータに対面しつつ回転可能なロータを有する同期機と、
    直交電力変換を行い、前記電機子巻線に交流電力を供給するインバータと、
    前記ロータの回転位置に対応した回転磁界を形成する同期電流に前記同期電流とは異なる波形のロータ励磁用電流を所定周期で重畳させた電機子電流を前記電機子巻線に流すように前記インバータを制御する制御部とを備える回転電機装置であって、
    前記ロータ励磁用電流により誘導される誘導電流の流れを一方向に規制する電流規制回路を設けて前記界磁巻線を構成し、
    前記ロータ励磁用電流を重畳する直前における前記界磁巻線を流れる誘導電流値を、前記ロータ励磁用電流により誘導された初期誘導電流値の1/2以上としたことを特徴とする回転電機装置。
  2. 前記界磁巻線の抵抗をRr、インダクタンスをLとし、前記ロータ励磁用電流の重畳周期をt0とした場合、
    Figure 2008109823
    を満たすようにRr,L及びt0を設定したことを特徴とする請求項1に記載の回転電機装置。
  3. 多相の電機子巻線が巻装されたステータ、及び界磁巻線が巻装され前記ステータに対面しつつ回転可能なロータを有する同期機と、
    直交電力変換を行い、前記電機子巻線に交流電力を供給するインバータと、
    前記ロータの回転位置に対応した回転磁界を形成する同期電流に前記同期電流とは異なる波形のロータ励磁用電流を重畳させた電機子電流を前記電機子巻線に流すように前記インバータを制御する制御部とを備える回転電機装置であって、
    前記ロータ励磁用電流により誘導される誘導電流の流れを一方向に規制する電流規制回路を設けて前記界磁巻線を構成し、
    前記界磁巻線を流れる誘導電流の平均値を、前記ロータ励磁用電流により誘導された初期誘導電流値の1/2以上としたことを特徴とする回転電機装置。
  4. 前記界磁巻線の抵抗をRr、インダクタンスをLとし、前記ロータ励磁用電流の重畳周期をt0とした場合、
    Figure 2008109823
    を満たすようにRr,L及びt0を設定したことを特徴とする請求項3に記載の回転電機装置。
  5. 前記電機子巻線に流れる電流をIs、前記電機子巻線の巻線抵抗をRs、前記初期誘導電流値をIri、前記ロータ励磁用電流の重畳時間をt1とした場合、
    Figure 2008109823
    が、Rr,L又はt0のいずれかに関して極大となるようにRr,L及びt0を設定したことを特徴とする請求項2又は請求項4に記載の回転電機装置。
  6. 多相の電機子巻線が巻装されたステータ、及び界磁巻線が巻装され前記ステータに対面しつつ回転可能なロータを有する同期機と、
    直交電力変換を行い、前記電機子巻線に交流電力を供給するインバータと、
    前記ロータの回転位置に対応した回転磁界を形成する同期電流に前記同期電流とは異なる波形のロータ励磁用電流を重畳させた電機子電流を前記電機子巻線に流すように前記インバータを制御する制御部とを備える回転電機装置であって、
    前記ロータ励磁用電流により誘導される誘導電流の流れを一方向に規制する電流規制回路を設けて前記界磁巻線を構成し、
    前記界磁巻線の抵抗をRr、インダクタンスをL、前記ロータ励磁用電流の重畳周期をt0、前記電機子巻線に流れる電流をIs、前記電機子巻線の巻線抵抗をRs、前記初期誘導電流値をIri、前記ロータ励磁用電流の重畳時間をt1とした場合、
    Figure 2008109823
    が、Rr,L又はt0のいずれかに関して極大となるようにRr,L及びt0を設定したことを特徴とする回転電機装置。
  7. 前記制御部は、前記同期電流の周期よりも短い周期で前記ロータ励磁用電流を重畳させるように前記インバータを制御することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の回転電機装置。
  8. 前記制御部は、同期電流における予め定められた所定の位相で前記ロータ励磁用電流を重畳させるように前記インバータを制御することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の回転電機装置。
  9. 前記制御部は、前記ロータ励磁用電流の重畳角度周期が等間隔となるように前記インバータを制御することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の回転電機装置。
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