JP2008108990A - 圧電アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 生産性が高く、出力変位量の高い一体積層型圧電素子を用いた圧電アクチュエータの耐久性の向上を可能とする構造を提供する。
【解決手段】 圧電材料層101と電極層102とが交互に複数層積層されてなり、側面に内部応力を緩和するスリット105を形成した一体積層型圧電素子圧電素子10を内部に保持する略円筒状のスリーブ50と、スリーブ50の基端で圧電素子10を固定するハウジング60と、ハウジング60と圧電素子10との絶縁を維持する基端側絶縁部材20と、スリーブ50の駆動側に設けられ圧電素子10の伸長変位による圧力を外部に伝達する圧力伝達部材40と、圧電素子10と圧力伝達部材40との絶縁を維持する駆動側絶縁部材30とからなるピエゾアクチュエータ1であって、圧電素子が伸長した際に発生する衝撃を吸収する衝撃吸収膜21、31を具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インジェクタ等の駆動源として用いられる圧電アクチュエータに関するものである。
従来、内燃機関に用いられる燃料噴射装置等の駆動源として逆圧電効果を利用した圧電アクチュエータの採用が提案されている。特に、車両用圧電アクチュエータには、走行距離30〜50万kmに相当する10回以上の繰り返し作動を必要とし、高い信頼性と耐久性が要求される。
この様な圧電アクチュエータに用いられる圧電素子としては、圧電セラミクスの薄板を厚み方向の分極が一層毎に逆になるように圧電層と電極層とを交互に数十枚〜数百枚積層した積層型圧電素子が有望である。
積層型圧電素子は、圧電層の厚さを薄くすることにより低電圧化が図られ、積層枚数を増やすことで総変位量を稼ぐことができる。
耐久性にすぐれた、積層型圧電素子として、特許文献1、2等には、セラミック層と、内部電極を構成する電極部を含む電極配設層とを交互に加熱圧着積層してなるユニット積層体を、接合材料層を介設して複数積層したユニット積層体接着型圧電素子が開示されている。
特許文献1、2等に記載の発明によれば、適度な柔軟性の接合層によって素子内部の応力歪みを緩和し、優れた耐久性を持った積層型圧電素子の製造が可能となる。
しかしながら、近年積層型圧電素子に対して更なる小型化、高出力化、高耐久化、底コスト化の要求が高まっているが、従来のユニット積層体を、接合材料層を介して複数積層した構造では、該接合材料層での出力低下と複雑な工程による高い生産コストとの問題があった。
特許文献3には、小型化に優位なダイヤフラムを用いた圧電アクチュエータが開示されている。
また、本発明者等は、特許文献4、5等にあるような生産性に優れた一体積層型圧電素子を開発した。
特許文献4に記載の一体積層型圧電素子の場合、印刷により形成されるセラミック層と同材質の接着層を介して、セラミック層と内部電極層とを交互に複数積層するため、積層時に強い圧力で圧着する必要が無く、極めて内部欠陥の少ない積層体を作ることができる。加えて、積層と同時に成形体の打ち抜きを行うことができるので極めて高い生産性を実現できる。
また、特許文献5に記載の一体積層型圧電素子の場合、外周縁にスリットを形成することによって、内部電極の形成されていない不活性層と内部電極の形成された活性層との間に発生する内部応力を緩和し、優れた耐久性の一体積層型圧電素子を実現できる。
特許文献4、5等の一体積層型圧電素子を用いれば、高い応答性と極めて高い耐久性を備えた圧電アクチュエータを低コストで製造可能であると考えられ、更に、一体積層型圧電素子の場合、素子全体が一体のセラミックとなっているので、絶縁性に優れ、アクチュエータに用いた場合のハウジングの構造を簡素化することができる等様々な利点が期待されている。
ところが、図8に示すように、一体積層型圧電素子10を、略円筒状のスリーブ50内に配設し、基端側をアルミナ等の絶縁体20を介してハウジング60で固定して、駆動端側に絶縁体30を介してピストン40をダイヤフラム41によって固定し、上記一体積層型圧電素子10を予圧縮状態で保持した圧電アクチュエータ1Dを製造し、耐久性試験を実施したところ、以下のような問題が発生した。
特開平3−36910号公報 特開2004−281547号公報 特表2004−519110号公報 特開2005−119146号公報 特開2006−190959号公報
即ち、一体積層型圧電素子10は、素子単体に電圧を周期的に印加して伸縮を繰り返しても、素子側面に形成されたスリットにより、内部電極の形成された活性層と内部電極の形成されていない不活性層との間に発生する内部応力が緩和され、高い耐久性を示すにも関わらず、上記圧電アクチュエータ1Dとして組み付けた時には、図8に示すようなクラックが発生し、10回以上の繰り返し作動に耐え得る耐久性を満足できないという新たな課題が生じた。
これは、一体積層型圧電素子10の出力変位が極めて高く応答速度が速いために、電圧印加時の伸長によって、上記絶縁部材30を押圧した瞬間に、強い衝撃力Fが発生し、この衝撃力Fの反力fが上記圧電素子10に繰り返し作用し、上記一体積層型圧電素子10にクラックが発生し破壊に至るものと考えられる。
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、生産性が高く、出力変位量の高い一体積層型圧電素子を用いた圧電アクチュエータの出力低下を招くことなく耐久性の向上を可能とする構造を提供するものである。
請求項1の発明では、圧電セラミック層と内部電極層とが交互に複数層積層されてなり、上記内部電極層間への電圧の印加により伸長する圧電素子と、上記圧電素子を内部に保持する略円筒状のケーシングと、上記ケーシングの基端側に設けられ上記圧電素子の基端側を固定するハウジングと、上記ハウジングと上記圧電素子との絶縁を維持する基端側絶縁部材と、上記ケーシングの駆動側に設けられ上記圧電素子の伸長変位による圧力を外部に伝達する圧力伝達部材と、上記圧電素子と上記圧力伝達部材との絶縁を維持する駆動側絶縁部材とからなるピエゾアクチュエータにおいて、上記圧電素子は、圧電セラミック層と同材質で印刷により形成される接着層を介して、圧電セラミック層と内部電極層とを交互に複数積層し、焼成し、一体となった一体積層型圧電素子であって、外周面に内方に凹んだスリットを複数形成された一体積層型圧電素子からなり、上記圧電素子が伸長した際に発生する衝撃を吸収する衝撃吸収膜を具備する。
請求項1の発明によれば、上記圧電素子に設けられたスリットによって伸縮時に発生する内部応力が緩和される上に、上記衝撃吸収膜によって、上記圧電素子に作用する衝撃力が緩和されるため、素子破壊に至らず圧電アクチュエータとしての耐久性が増す。
請求項2の発明では、上記衝撃吸収膜は、上記ハウジングと上記基端側絶縁部材と上記圧力伝達部材と上記駆動側絶縁部材とのいずれかまたは複数の部材の上記圧電素子に対向する表面に形成する。
請求項2の発明によれば、衝撃吸収膜を部材の表面に容易に形成することができるので生産性が高い。更に、上記圧電素子が伸縮する際に、上記衝撃吸収膜は、別部材に独立して形成されているので、上記衝撃吸収部材は何等伸縮の影響を受けず耐久性が高まる。従って、圧電アクチュエータとしての耐久性及び信頼性がさらに高まる。
請求項3の発明では、上記衝撃吸収膜は、ポリイミド、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴムのいずれかの材料からなる。
請求項3の発明によれば、膜形成が容易であるのに加えて耐熱性、耐久性に優れた衝撃吸収膜を形成できる。衝撃吸収層として金属板を用いた場合には、上記圧電素子が繰り返し伸縮するうちに該金属板が圧延され、衝撃吸収作用を失う。また、衝撃吸収膜を形成することなく圧電材料と同種のセラミック層を衝撃吸収層として設けた場合には、充分な衝撃吸収作用を発揮せず、素子の破壊に至ってしまう。従って本発明によれば過酷な使用環境においてもアクチュエータの信頼性を高く維持できる。
請求項4の発明では、上記衝撃吸収膜は、スプリング硬度80〜95Hs JIS−A(JIS6301)またはショア硬度D30〜D60(JIS6253)の硬度を有する。
請求項4の発明によれば、出力変位量の低下を招くことなく最も効果的に衝撃を緩和することができる。従って、更に圧電アクチュエータの信頼性を向上できる。
上記硬度範囲より高い硬度では、衝撃吸収作用が低下し、上記硬度範囲より低い硬度では、外部への出力変位量の伝達が低下する。
請求項5の発明では、上記衝撃吸収膜の膜厚は、10μm以下である。
請求項5の発明によれば、出力変位量の低下を少なくして、最も効果的に衝撃を緩和することができる。従って、更に圧電アクチュエータの信頼性を向上できる。
上記膜厚範囲よりも厚くなると、衝撃吸収性は上がるものの出力変位量の低下を招くこととなる。
請求項6の発明では、上記絶縁部材は、上記圧電材料層と同じ材料、または上記圧電材料層と熱膨張係数と硬度とが近い物性の絶縁材料からなる。
請求項6の発明によれば、上記圧電素子と上記絶縁部材との間に熱膨張差による応力の発生を防止でき、また硬度差による衝撃力の増大を防止できる。従って、更に圧電アクチュエータとしての信頼性が向上する。
本発明によれば、生産性が高く、出力変位量の高い一体積層型圧電素子を用いた圧電アクチュエータの耐久性の向上が図られる。
図1を参照して、自動車の内燃機関に燃料を噴射するインジェクタに用いられる圧電アクチュエータを例に本発明の第1の実施形態について説明する。なお、図中、上側を基端側、下側を駆動側とし、以下、全ての図において同様とする。
圧電アクチュエータ1は、一体積層型圧電素子10(以下、圧電素子10と称す)と、該圧電素子10の両側面に左右交互に引き出された内部電極端子103a、103bと導通する側面電極11、12と、該側面電極11、12に接続され外部の図略の制御装置に接続されるリード線13、14と、上記側面電極11、12と上記リード線13、14とが接続された部分および上記側面電極11、12とを覆うモールド層15、16と、上記圧電素子10の基端側端面に接するように設けられる基端側絶縁部材20と、上記圧電素子10の駆動側端面に接するように設けられる駆動側絶縁部材30と、上記基端側絶縁部材20と上記駆動側絶縁部材30との表面に形成された衝撃吸収膜21、31と、上記圧電素子10を覆う略円筒状のスリーブ50と、上記スリーブ50の基端側で上記絶縁部材20を介して上記圧電素子10を固定するハウジング60と、上記ハウジング60に層通され上記リード線13、14を絶縁封止する封止部材61と、上記ハウジング60と上記リード線13、14との絶縁性を保持するスペーサ70と、上記駆動側絶縁部材30を介して外部に出力変位を伝達するピストン40と、上記ピストン40を上記スリーブ50に弾性的に保持しつつ図略の油圧系統との隔壁となるダイヤフラム41とによって構成されている。
上記基端側絶縁体20は、上記圧電素子10と上記ハウジング60との絶縁性を保つだけでなく、上記リード線13、14に通電し上記圧電素子10に電圧を印加したときに発生する変位を駆動側にのみに出力するように受圧する。
上記基端側絶縁体20と上記駆動側絶縁体30とは、例えば上記一体積層型圧電素子10を構成する圧電セラミック層と同材質のセラミック材料によって略円筒状に形成され、表面を例えばポリテトラフルオロエチレン等の衝撃吸収膜21、31が膜厚10μm以下で形成されている。更に、上記衝撃吸収膜21、31を形成後に平面加工することが望ましい。平面加工によって上記圧電素子10が伸長した時の圧力が均等に作用し、応力集中を避けることができる上に、上記圧電素子10との摩擦力が低下し、上記圧電素子10が横方向に収縮するのを阻害しない。
上記衝撃吸収膜は、JIS K6301に従ってスプリング式A型硬度計で測定した場合のスプリング硬度では、80〜95Hs JIS−Aの範囲で、JIS K6253に従ってデュロメータタイプDで測定した場合のショア硬度では、D30〜D60の範囲の硬度を有する材料を用いるのが良い。
また、上記衝撃吸収膜は、ポリテトラフルオロエチレンの他、ポリイミド、シリコーン、フッ素ゴム等であっても良い。
上記スペーサ70と上記基端側絶縁体20と上記駆動側絶縁体30とは、アルミナ、窒化硅素等のセラミック材料を用いても良い。
上記側面電極11、12には、長手方向に伸縮可能な例えばメッシュ状の金属材料が用いるのが良い。
上記リード線13、14は上記側面電極11、12に例えば溶接等により固着されている。
上記モールド層15、16は、シリコーン、ポリイミド、ウレタン、ポリテトラフルオロエチレン等の耐熱樹脂によって上記圧電素子10の側面全体を覆うように形成される。
上記ハウジング60は例えばステンレス等の金属材料を段付き円筒形に形成し、中心には上記封止部材61を挿入する挿入孔が設けられ、上記スリーブ50の基端側に嵌着されレーザ溶接等により溶接部51で上記スリーブ50に固定されている。
上記圧電素子10に何等拘束されない状態で電圧を印可した時の伸長変位量は、40μm〜50μmであるが、上記圧電素子10を、上記スリーブ50内に予圧縮状態で装着した上記圧電アクチュエータ1の出力変位量は10μm〜20μm程度となる。
図2(a)、(b)を参照して上記圧電素子10について詳述する。
圧電セラミック層101は、例えば、PZTを主成分とするセラミック材料をドクターブレード法等により形成し、円の両側を切り欠いた略小判型に形成されている。
内部電極層102a、102bは、上記圧電セラミック層101に、例えば、Ag、Pd等の導電性材料を、膜厚7μm程度で、上記圧電セラミック層101の外周縁から内側に控えた形状で印刷形成されている。
電極引き出し部103a、103bは、上記セラミック層10の側面に左右交互に張り出すように印刷形成されている。
スペーサ層104a、104bは、上記セラミックグリーンシートと同じ組成で、上記内部電極層102a、103bの外周を覆うように上記内部電極層102a、103bと略同じ膜厚で印刷形成されている。
スリット105は、焼成により焼失する材料を、膜厚8μm程度の膜厚で上記スペーサ層104a、104bと上記電極引き出し部103a、103bとを覆うように印刷した後、焼成によってスリット105を形成している。
接着層106は、上記圧電セラミック層101と同材質で上記スリット105の内側全面を覆うように印刷形成され、焼成によって上記圧電セラミック層101と一体となっている。
上記圧電セラミック層101と上記内部電極層102a、102bが交互に繰り返し数百層積層され、積層体を形成し、上端と下端とには保護層としてアルミナ等からなる絶縁体層107a、107bが形成されている。
上記積層体は焼成によって完全一体となっている。
図3(a)に示すように、上記圧電セラミック層101の上記内部電極層102a、102bで挟まれた部分は、電圧の印加により伸長する活性層となっており、上記電極引き出し部103a、103bまたは上記スペーサ層104a、104bの形成されている部分は、電圧の印加により伸長せず不活性層となっている。
しかしながら、図3(b)に示すように、上記活性層が縦効果により軸方向に伸長し、横効果により軸方向に対して垂直方向に収縮した時に、上記スリット105の存在によって上記不活性層間の間隔が拘束されることなく上記活性層の伸縮に合わせて伸縮するので、上記活性層と上記不活性層との間で応力集中を引き起こすことがない。
従って、上記圧電素子10は、繰り返し伸縮作動に対して高い耐久性を示す。
図4を参照して、本発明の効果を説明する。
上記圧電素子10に電圧が印可されると軸方向に伸長するが、上記圧電素子10の基端側は上記基端側絶縁部材20を介して上記ハウジング60によって固定されており、上記圧電素子10の伸長変位は上記駆動側絶縁部材30およびピストン40を介して駆動端側へ出力される。
上記圧電素子10は上記駆動側絶縁体30を介して上記ピストン40と上記ダイヤフラム41とに掛かる図略の油圧経路からの油圧力と上記ダイヤフラム41の弾性力によって予圧縮されており、上記圧電素子10が伸長したときに発生する圧力が瞬間的に衝撃力Fとして上記基端側絶縁体20と上記駆動側絶縁体30とに作用し、上記圧電素子10にはその反作用として反力fを受ける。
この時、上記基端側絶縁体20と上記駆動側絶縁体30との表面には衝撃吸収膜21、31が形成されているので、反力fは上記衝撃吸収膜21、31の緩衝作用により上記衝撃力Fに比べて小さくなる。
従って、上記圧電素子10の受ける力が小さくなり素子の破壊に至らなくなり、上記圧電アクチュエータ1の耐久性が向上すると考えられる。
図5を参照して、本発明の別の効果を説明する。
比較例として従来のユニット積層体接着型圧電素子210を用いた圧電アクチュエータと本発明の実施例との体格の違いを示す。比較例は、複数のユニット積層体を、接着層を用いて接着してあるので、完全に外部からの被水を防止するためにリード線213、214をハーメチックシール261により気密に封止する必要があり、また、メタルシール262によって図略のインジェクタ208本体との気密性を保持する必要がある。従って、基端部の体格が比較的大きくなってしまう。
一方、本実施形態においては、上記一体積層型圧電素子10は完全一体のセラミック積層体からなり極めて絶縁性に優れ、ハウジング60の気密性を必要とせず、簡易な方法で、例えばゴム製ブッシュ62により上記リード線13、14を絶縁封止すれば良く、また、図略のインジェクタ8本体とは、Oリング62によってシールでき、構造が極めて簡単である。
更に、従来のユニット積層体接着型圧電素子210は、限られた積層枚数のユニット積層体を、接着剤を介して積層してあるので圧電素子自体の体格も一体積層型圧電素子に比べ大きくなってしまう。
一方、本発明に用いられる一体積層型圧電素子10は、一体型であるので小型であるにもかかわらず高出力であるので、従来に比べて変位発生部の体格も小さくできる。
加えて、従来の駆動部は、圧力伝達部材230とピストン240とを蛇腹状のベローズ241にて伸縮自在に保持する構造となっているが、本実施形態においては、公知のダイヤフラム41にて上記ピストン41を上記スリーブ50に取り付けることにより、駆動部の体格を小さくすることができる。
従って、図5に示すように圧電アクチュエータの体格を従来よりも遙に小さくできる上に、組み立ても容易であるので生産性が極めて良い。
図6、図7に本発明の別の実施形態を示す。なお、本発明の第1の実施形態と同様の部分についての説明は省略する。
本発明の第1の実施形態においては、上記基端側絶縁部材20と上記駆動側絶縁部材30との表面に上記衝撃吸収膜21、31を形成したが、図6に示すように、上記ハウジング60の上記基端側絶縁部材20と接する面に形成しても同様の効果が期待できる。
また、図7(a)に示すように、上記リード線13、14が挿通する溝部22を設けた基端側絶縁部材20bを用いて、上記リード線13、14の絶縁性を高め、上記ハウジング60の駆動側端部に上記基端側絶縁部材20bの当接する面に衝撃吸収膜71を形成した部材70を埋め込み形成しても良い。
第1の実施形態と同様の衝撃吸収効果が期待できる上に、上記リード線13、14と上記ハウジング60との絶縁性の向上が期待できる。
更に、図7(b)に示すように、上記駆動側絶縁部材30と接する面に衝撃吸収膜31cを形成したピストン40cを用いる構成としても良い。
当然のことながら、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、本発明の実施形態において、上記一体積層型圧電素子にはスリットが全周に渡って、かつ全層に設けられている例について説明したが、上記スリットは必ずしも全周に渡って設ける必要はなく、半周程度でも良いし、更に全層に設ける必要はなく、数十層毎に設けても良い。
本発明の第1の実施形態における圧電アクチュエータの構成を示す断面図。 本発明の第1の実施形態における圧電アクチュエータに用いられる一体積層型圧電素子の詳細を示す一部切断斜視図。 (a)は、本発明の第1の実施形態における圧電アクチュエータに用いられる一体積層型圧電素子の通常時の状態を示す断面図、(b)は、伸長時の状態を示す断面図。 本発明の第1の実施形態における衝撃吸収効果を示す断面図。 本発明の第1の実施形態における圧電アクチュエータの体格と従来の構造としてユニット積層型圧電素子を用いた圧電アクチュエータの体格との比較図。 本発明の第2の実施形態における圧電アクチュエータの要部断面図。 (a)は、本発明の第3の実施形態における圧電アクチュエータの要部断面図、(b)は、本発明の第4の実施形態における圧電アクチュエータの要部断面図。 一体積層型圧電素子を用いた圧電アクチュエータの問題点を示す断面図。
符号の説明
1 圧電アクチュエータ
10 一体積層型圧電素子
11、12 側面電極
13、14 リード線
15、16 モールド層
20、30 絶縁部材
21、31 衝撃吸収膜
40 ピストン
41 ダイヤフラム
42、43 ダイヤフラム溶接部
50 スリーブ
51 ハウジング溶接部
60 ハウジング
61 封止部材(ブッシュ)
62 シール部材(Oリング)

Claims (6)

  1. 圧電セラミック層と内部電極層とが交互に複数層積層されてなり、上記内部電極層間への電圧の印加により伸長する圧電素子と、上記圧電素子を内部に保持する略円筒状のケーシングと、上記ケーシングの基端側に設けられ上記圧電素子の基端側を固定するハウジングと、上記ハウジングと上記圧電素子との絶縁を維持する基端側絶縁部材と、上記ケーシングの駆動側に設けられ上記圧電素子の伸長変位による圧力を外部に伝達する圧力伝達部材と、上記圧電素子と上記圧力伝達部材との絶縁を維持する駆動側絶縁部材とからなるピエゾアクチュエータにおいて、
    上記圧電素子は、圧電セラミック層と同材質で印刷により形成される接着層を介して、圧電セラミック層と内部電極層とを交互に複数積層し、焼成し、一体となった一体積層型圧電素子であって、外周面に内方に凹んだスリットを複数形成された一体積層型圧電素子からなり、
    上記圧電素子が伸長した際に発生する衝撃を吸収する衝撃吸収膜を具備することを特徴とするピエゾアクチュエータ。
  2. 上記衝撃吸収膜は、上記ハウジングと上記基端側絶縁部材と上記圧力伝達部材と上記駆動側絶縁部材とのいずれかまたは複数の部材の上記圧電素子に対向する表面に形成する請求項1に記載のピエゾアクチュエータ。
  3. 上記衝撃吸収膜は、ポリイミド、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴムのいずれかの材料からなる請求項1または2に記載のピエゾアクチュエータ
  4. 上記衝撃吸収膜は、スプリング硬度80〜95Hs JIS−A(JIS6301)またはショア硬度D30〜D60(JIS6253)の硬度を有する請求項1ないし3いずれか1項に記載のピエゾアクチュエータ。
  5. 上記衝撃吸収膜の膜厚は、10μm以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載のピエゾアクチュエータ。
  6. 上記絶縁部材は、上記圧電材料層と同じ材料、または上記圧電材料層と熱膨張係数または硬度が近い物性の絶縁材料からなる請求項1ないし5のいずれか1項に記載のピエゾアクチュエータ。
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