JP2021019422A - 圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体および圧電アクチュエータ - Google Patents

圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体および圧電アクチュエータ Download PDF

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Abstract

【課題】筐体から圧電アクチュエータ本体へ加える与圧が小さいまたはかからない密閉型圧電アクチュエータを高温環境で使用しても圧電アクチュエータ本体の変位を筐体外部に伝えることができる圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体および圧電アクチュエータを提供する。【解決手段】圧電アクチュエータ本体を収容する圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体100であって、前記圧電アクチュエータ本体の変位方向の一方の端部に形成され前記圧電アクチュエータ本体の変位を取り出す変位部162と、前記変位方向に沿って伸縮する伸縮部164と、を備える金属製のキャップ160と、前記キャップ160の熱膨張率より小さな熱膨張率を有する材料で形成され、前記変位方向において前記キャップ160の伸縮部164を跨ぐように配置されるとともに前記伸縮部164とは異なる位置で前記キャップ160に固定された熱膨張抑制部材170と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体およびそれを用いた圧電アクチュエータに関する。
一般的な圧電アクチュエータは金属筐体に設けられた変位用のダイヤフラム部もしくはベローズ構造によって内部圧電素子に常に与圧を掛けることで、内部圧電素子変位を筐体外部に伝えている(特許文献1参照)。または、圧電アクチュエータの使用条件として常に外部から与圧が掛かる構造としている。
圧電アクチュエータが設置される環境温度が上昇してくると、筐体の熱膨張係数と圧電素子の熱膨張係数の違いから、温度が上昇につれ筐体の内部素子への加圧が減り、ある温度時点で筐体の熱膨張による筐体の伸びが勝る事となる。そうなると、外部から与圧が掛けられていない状況では圧電素子の本来の駆動変位を筐体外部に伝える事が出来なくなる。
一般的に筐体に使用しているSUS316の線膨張係数は約16×10−6/℃であり、圧電素子の線膨張係数は約5×10−6/℃程度である。図9は、圧電素子に与圧を掛けないでSUS316の筐体に収容した圧電アクチュエータの入力電圧に対する変位を、いくつかの温度で測定した実験結果を示すグラフである。この実験によると、25℃では0Vから電圧の変位に追従しているが、80℃以降の温度では、ある一定電圧に達しないと変位が得られていない。これは筐体の熱膨張係数による伸びが圧電素子の伸びを上回ってしまったために起こったものである。
このように、従来構造の金属筐体には通常ステンレスが使用され、アクチュエータ内部の変位駆動素子は圧電素子のため熱膨張差が発生する。したがって、筐体から圧電素子に与圧を掛ける構造にしたとしても、金属筐体の熱膨張による伸長が、金属筐体の変位駆動部(ダイアフラム、ベローズ)のバネ圧力による内部圧電素子の押えを超えてしまうと、内部圧電素子の変位を金属筐体に伝えることが出来なくなる。
これに対し、特許文献2は、アクチュエータ金属筐体部と圧電素子の熱膨張の差を抑える目的で金属筐体内部に熱膨張係数の大きな素材を組み込み、アクチュエータ金属筐体と金属筐体内部部品の熱膨張を合わせる技術が開示されている。また、特許文献3は、金属筐体自体に熱膨張の小さな素材を部分的に使用する技術が開示されている。また、特許文献4は、金属筐体の変位部に穴を明け内部駆動素子の変位を独立させることで金属筐体の熱膨張に左右されない金属筐体の変位部に穴を明け内部駆動素子の変位を独立させることで金属筐体の熱膨張に左右されない技術が開示されている。
特開平11−284241号公報 特開2003−174207号公報 特開2014−193035号公報 特開2015−115542号公報
しかしながら、特許文献2記載の技術は、金属筐体内部に温度係数の大きな材料を組み込んでおり、アクチュエータ自体の温度係数が大きくなってしまうため、温度によってアクチュエータ全体の寸法が大きく変化してしまうこととなる。
また、特許文献3記載の技術は、金属筐体自体の一部分に熱膨張の小さな素材を使用するため、金属筐体のバネ性を必要とされる部分を従来ステンレスで作製しその他の部分を熱膨張の小さな材料で作製するハイブリット構造となることから、金属筐体自体の製造が難しくコスト高となる。
また、特許文献4記載の技術は、金属筐体の駆動部に穴を開けるため、金属筐体内部の圧電素子を外部雰囲気と完全に独立させる事が出来ず、外部の湿度影響を受け、アクチュエータの信頼性が低下する虞がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、筐体から圧電アクチュエータ本体へ加える与圧が小さいまたはかからない密閉型圧電アクチュエータを高温環境で使用しても圧電アクチュエータ本体の変位を筐体外部に伝えることができる圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体および圧電アクチュエータを提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明の圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体は、圧電アクチュエータ本体を収容する圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体であって、前記圧電アクチュエータ本体の変位方向の一方の端部に形成され前記圧電アクチュエータ本体の変位を取り出す変位部と、前記変位方向に沿って伸縮する伸縮部と、を備える金属製のキャップと、前記キャップの熱膨張率より小さな熱膨張率を有する材料で形成され、前記変位方向において前記キャップの伸縮部を跨ぐように配置されるとともに前記伸縮部とは異なる位置で前記キャップに固定された熱膨張抑制部材と、を備えることを特徴としている。
これにより、圧電アクチュエータ本体の熱膨張率より大きい熱膨張率を有するキャップの熱膨張を熱膨張抑制部材で抑制すると共にキャップの変位方向の熱膨張を伸縮部で吸収することができ、筐体から圧電アクチュエータ本体へ加える与圧が小さいまたはかからない密閉型圧電アクチュエータを高温環境で使用しても圧電アクチュエータ本体の変位を筐体外部に伝えることができる。また、このような構成にすることでキャップの熱膨張率を考慮することなく連続駆動耐久性に優れた材料をキャップに使用でき、変位部の連続駆動による疲労破壊の虞を低減することができ、耐久性が向上する。
(2)また、本発明の圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体において、前記変位部はダイヤフラム構造であり、前記伸縮部はベローズ構造であることを特徴としている。このような形状により、変位部の連続駆動および伸縮部でのキャップの熱膨張の吸収が容易になる。
(3)また、本発明の圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体において、前記熱膨張抑制部材は、前記キャップの周囲を覆う筒状の部材であり、前記熱膨張抑制部材は、前記キャップのうち前記変位方向における一端部近傍および他端部近傍で前記キャップに固定されることを特徴としている。このように、筒状の熱膨張抑制部材でキャップの熱膨張を抑制することで、キャップの熱膨張が大きい場合でも熱膨張を十分に抑制できる。また、熱膨張抑制部材の製造が容易となる。
(4)また、本発明の圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体において、前記熱膨張抑制部材は、前記変位方向における一方の端部に前記変位方向に貫通する貫通孔を有する底部を備えるとともに他方の端部が開放した有底筒状の部材であり、前記熱膨張抑制部材は、前記変位部の一部を前記貫通孔から突出させた状態で前記キャップを覆うとともに前記他方の端部近傍で前記キャップに固定されることを特徴としている。このように、熱膨張抑制部材の筒状部でキャップの熱膨張を抑制することで、キャップの熱膨張が大きい場合でも熱膨張を十分に抑制できる。また、熱膨張抑制部材の底部がキャップの変位部の一部と当接することで固定されるため、熱膨張抑制部材の固定の工程が底部と対向する側の他方の端部のみで済むため、圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体の製造が容易となる。
(5)また、本発明の圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体において、前記熱膨張抑制部材は、複数の帯状部材で形成され、前記複数の帯状部材は、それぞれ前記キャップのうち変位方向における一端部近傍および他端部近傍で前記キャップに固定されることを特徴としている。このように、熱膨張抑制部材を複数の帯状部材で形成することで、熱膨張抑制部材とキャップとが容易に固定でき、圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体の製造が容易となる。
(6)また、本発明の圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体において、前記熱膨張抑制部材の熱膨張率は、前記圧電アクチュエータ本体の熱膨張率以下であることを特徴としている。これにより、圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体全体の熱膨張が内部の圧電アクチュエータ本体の熱膨張より大きくなりにくい。その結果、筐体から圧電アクチュエータ本体へ加える与圧が小さいまたはかからない密閉型圧電アクチュエータであっても、常温環境から高温環境に亘る様々な温度で使用しても圧電アクチュエータ本体の変位を筐体外部に伝えることができる。
(7)また、本発明の圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体において、前記熱膨張抑制部材は、42アロイ、インバー、スーパーインバー、またはコバールで形成されていることを特徴としている。このような、低熱膨張金属を材料として使用して熱膨張抑制部材を形成することで、キャップの熱膨張を十分に抑制することができる。
(8)また、本発明の圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体において、前記キャップは、SUS316、またはSUS316Lで形成されていることを特徴としている。このような、ばね性の高い金属を材料として使用してキャップを形成することで、変位部の連続駆動による疲労破壊の虞を低減することができ、耐久性が向上する。
(9)また、本発明の圧電アクチュエータは、電圧の印加により変位する圧電アクチュエータであって、一端に変位伝達部を有し、電圧の印加により伸縮する圧電アクチュエータ本体と、前記圧電アクチュエータ本体の他端を支持する座と、上記(1)から(8)のいずれかに記載の圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体と、を備えることを特徴としている。これにより、圧電アクチュエータ本体の熱膨張率より大きい熱膨張率を有するキャップの熱膨張を熱膨張抑制部材で抑制すると共にキャップの熱膨張を伸縮部で吸収することができるため、筐体から圧電アクチュエータ本体へ加える与圧が小さいまたはかからないような密閉型圧電アクチュエータを構成できる。その結果、このような密閉型圧電アクチュエータを高温環境で使用しても圧電アクチュエータ本体の変位を筐体外部に伝えることができる。また、このような構成にすることでキャップの熱膨張率を考慮することなく連続駆動耐久性に優れた材料をキャップに使用でき、変位部の連続駆動による疲労破壊の虞を低減することができ、耐久性が向上する。
本発明によれば、筐体から圧電アクチュエータ本体へ加える与圧が小さいまたはかからない密閉型圧電アクチュエータを高温環境で使用しても圧電アクチュエータ本体の変位を筐体外部に伝えることができる。
第1の実施形態の圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体を示す正面図である。 (a)〜(d)それぞれ第1の実施形態のキャップおよび熱膨張抑制部材を示す平面図および正面図である。 (a)、(b)それぞれ第1の実施形態の圧電アクチュエータを示す正断面図および圧電アクチュエータ本体を示す側面図である。 (a)、(b)それぞれ座および端子の正断面図および底面図である。 圧電素子の正断面図である。 第2の実施形態の圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体を示す正面図である。 (a)、(b)それぞれ第2の実施形態の熱膨張抑制部材を示す平面図および正面図である。 第3の実施形態の圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体を示す正面図である。 圧電アクチュエータの入力電圧に対する変位を測定した実験結果を示すグラフである。
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
[第1の実施形態]
(圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体の構成)
図1は、圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体100を示す正面図である。図2(a)〜(d)は、それぞれキャップ160および熱膨張抑制部材170を示す平面図および正面図である。なお、参照図に示す圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体等は一例であって、変位部や伸縮部の形状、位置、サイズ等で本発明は限定されない。
圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体100は、キャップ160、熱膨張抑制部材170で構成され、内部に圧電アクチュエータ本体が収容され密閉型圧電アクチュエータを構成するために使用される。
キャップ160は、有底で開口端を有する筒状を有し、金属で形成されている。キャップ160は、圧電アクチュエータ本体を内部に収容する空間を有し、圧電アクチュエータ本体の変位方向の一方の端部に形成され圧電アクチュエータ本体の変位を取り出す変位部162と、変位方向に沿って伸縮する伸縮部164と、を備える。キャップ160は、開口端を座等で封止することで、内部の空間を密閉することができる。なお、キャップ160は、図2(a)、(b)に示す円筒形状のものに限定されず、例えば、角柱状、楕円柱状等であってもよい。
キャップ160は、少なくとも変位部162と対向する端部近傍が直管の筒状に形成されていることが好ましい。これにより、熱膨張抑制部材170の固定が容易になる。熱膨張抑制部材170の形状に応じて、熱膨張抑制部材170の固定する箇所が異なるため、変位部162側の端部近傍でも固定する必要がある場合、変位部162側の端部近傍が直管の筒状に形成されていてもよい。図2(a)、(b)に示す本実施形態では、変位部162と対向する端部近傍および変位部162側の端部近傍がいずれも直管の筒状に形成されている。
キャップ160は、SUS316、SUS316L等のばね性に優れている材質で形成されていることが好ましい。このような、ばね性の高い金属を材料として使用してキャップを形成することで、変位部162の連続駆動による疲労破壊の虞を低減することができ、耐久性が向上する。
変位部162は、キャップ160の一方の端部に形成される。変位部162が被駆動体に接することで、圧電アクチュエータから被駆動体に変位が伝わる。変位部162は、圧電アクチュエータ本体の変位を圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体100の外部に取り出すことができる形状であれば、どのような形状でもよいが、例えば、圧電アクチュエータ本体の変位を伝達する変位伝達部が球状、半球状等である場合、変位伝達部が当接する部分がドーム形状に形成されたダイヤフラムであることが好ましい。これにより、変位部162の連続駆動が容易になる。
伸縮部164は、圧電アクチュエータ本体の変位方向に沿って伸縮する。伸縮部164は、キャップ160の熱膨張を後述する熱膨張抑制部材170で抑制するときに、キャップ160の変位方向の熱膨張を吸収する。伸縮部164は、キャップ160の変位方向の熱膨張を吸収することができる形状であれば、どのような形状でもよいが、例えば、ベローズ構造とすることが好ましい。これにより、伸縮部164でのキャップ160の熱膨張の吸収が容易になる。伸縮部164をベローズ構造で形成する場合、その長さ、数、大きさ等は、圧電アクチュエータ本体のサイズ、変位の大きさ、熱膨張率、与圧の大きさ、キャップ160のサイズ、熱膨張率、熱膨張抑制部材170のサイズ、熱膨張率、固定位置、使用温度、製造の容易さ等に応じて決めることができる。
熱膨張抑制部材170は、圧電アクチュエータ本体の変位方向において、キャップ160の伸縮部164を跨ぐように配置されるとともに伸縮部164とは異なる位置でキャップ160に固定される。また、熱膨張抑制部材170は、キャップ160の熱膨張率より小さな熱膨張率を有する材料で形成され、キャップ160の熱膨張を抑制する。これにより、圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体100から圧電アクチュエータ本体へ加える与圧が小さいまたはかからない密閉型圧電アクチュエータを高温環境で使用しても圧電アクチュエータ本体の変位を筐体外部に伝えることができる。なお、熱膨張抑制部材170は、キャップ160の内部に配置し固定してもよいが、キャップ160の外部に配置するほうが製造が容易である。
熱膨張抑制部材170とキャップ160との固定は、スポット溶接、レーザー溶接、接着剤による接着等により行うことができる。このとき、熱膨張抑制部材170とキャップ160とを固定する固定部174以外の箇所は、若干の隙間ができるように固定することが好ましい。このような隙間があると、圧電アクチュエータの駆動時や熱膨張したときの、熱膨張抑制部材170とキャップ160との接触による音の発生等を抑えることができる。
熱膨張抑制部材170の熱膨張率は、圧電アクチュエータ本体の熱膨張率以下であることが好ましい。これにより、圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体100全体の熱膨張が内部の圧電アクチュエータ本体の熱膨張より大きくなりにくい。その結果、筐体から圧電アクチュエータ本体へ加える与圧が小さいまたはかからない密閉型圧電アクチュエータであっても、常温環境から高温環境に亘る様々な温度で使用しても圧電アクチュエータ本体の変位を筐体外部に伝えることができる。
熱膨張抑制部材170は、42アロイ、インバー、スーパーインバー、またはコバールで形成されていることが好ましい。このような、低熱膨張金属を材料として使用して熱膨張抑制部材170を形成することで、キャップ160の熱膨張を十分に抑制することができる。
熱膨張抑制部材170は、キャップ160の周囲を覆う筒状の部材であり、キャップ160のうち、圧電アクチュエータ本体の変位方向における一端部近傍および他端部近傍でキャップに固定されることが好ましい。このように、筒状の熱膨張抑制部材170でキャップ160の熱膨張を抑制することで、キャップ160の熱膨張が大きい場合でも熱膨張を十分に抑制できる。また、熱膨張抑制部材170の製造が容易となる。このとき、熱膨張抑制部材170は、キャップ160に固定される端部に寸法合わせのためのスリット172を有していてもよい。これにより、寸法合わせおよびキャップ160との固定が容易となる。図2(c)、(d)に示す本実施形態の熱膨張抑制部材170は、両方の端部にスリット172を有している。
(圧電アクチュエータの構成)
図3(a)は、本実施形態の圧電アクチュエータ10を示す正断面図、図3(b)は、圧電アクチュエータ本体105を示す側面図である。図4(a)、(b)は、それぞれ座140および端子126、127の正断面図および底面図である。なお、参照図に示す圧電アクチュエータ10、圧電アクチュエータ本体105等は一例であって、素子数等で本発明は限定されない。
圧電アクチュエータ10は、圧電アクチュエータ本体105、駆動用の端子126、127、座140、圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体100で構成され、電圧の印加により伸縮する。圧電アクチュエータ10は、例えばマスフローコントローラの弁の開閉制御部や精密位置決め装置のステージ駆動部に用いられ、その場合、被駆動体(弁、ステージ)を変位させる。
圧電アクチュエータ本体105は、一対のリード線121、122を介して一対の外部電極116、117に電圧が印加されたとき、各圧電素子110が伸縮することで先端が変位する。駆動用の端子126、127は、圧電アクチュエータ本体105のリード線121、122に接続されており、印加電圧をリード線121、122に伝える。
座140は、圧電アクチュエータ本体105の端部に接着され、その一端を固定し、圧電アクチュエータ本体105を支持する。そして、座140側の端部が固定された圧電アクチュエータ本体105の伸縮により先端側の変位伝達部130が変位する。
座140は、キャップ160の端部と固定されることで、圧電アクチュエータ本体105を密封する。湿度や腐食性ガスに弱い圧電アクチュエータ本体105を、低湿度の不活性ガスで気密封止した構造とすることで信頼性と耐久性を向上できる。例えば、切削水で変位装置が濡れるような精密加工機、腐蝕性ガスの流量制御を行う圧電式バルブなどに用いられる。
このように、封止により高湿度、腐食性ガス下など過酷な環境でも問題なく、圧電アクチュエータ10を稼働することができる。キャップ160内が完全に気密構造となるため、湿度や腐食性ガス等の圧電素子の耐久性を阻害する環境下でも使用可能となり、用途拡大につながる。
端子126、127は、ハーメチック端子として座140を貫通して設けられている。貫通孔にはガラス145が充填され、密封されている。
圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体100は、上記で説明したものである。圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体100は、キャップ160に熱膨張抑制部材170が固定部174で固定されている。圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体100は、圧電アクチュエータ本体105を積層方向に密着しつつ内部に収容し、座140にキャップ160の開口端が接合され、キャップ160内部を封止している。これにより、圧電アクチュエータ10が保護され、耐久性が向上する。
(圧電アクチュエータ本体)
圧電アクチュエータ本体105は、圧電素子110、リード線121、122、および変位伝達部130で構成されている。圧電アクチュエータ本体105を構成する複数の圧電素子110は、直列に配置、連結され(多連化)、その端面同士が接着剤により接着されている。複数の圧電素子110が接着されることで大きい変位量を確保できる。なお、直列とは、伸縮方向すなわち圧電素子110内の圧電層および内部電極の積層方向を意味する。
リード線121、122は、駆動用の端子126、127と各圧電素子110の外部電極117とを接続している。なお、図3(b)で示す側面とは反対側でも同様に接続がなされている。
変位伝達部130は、無機材料で突起状に形成され、圧電アクチュエータ本体105の被駆動体へ変位を伝える先端側に設けられている。変位伝達部130は、例えば、球状、半球状に形成されてもよい。変位伝達部130と圧電アクチュエータ本体105とは強固に接着されており、変位伝達部130はキャップ160のドーム形状の内側部分に接する。変位伝達部130と圧電アクチュエータ本体105との間に圧電素子用補強シム135を備えていてもよい。
(圧電素子)
図5は、圧電素子110の正断面図である。圧電素子110は、印加電圧に対して変位を出力し、圧電層113、内部電極114、115および外部電極116、117を有している。圧電素子110は、圧電層113と内部電極114、115とが交互に積層されている。また、圧電素子110の側面において、外部電極116、117は内部電極114、115に接続されている。圧電層は、例えばPZT、チタン酸バリウム等の圧電材料で構成できる。電極材料には、Ag、Ag−Pd、Pt等を用いることができる。
(圧電アクチュエータの製造方法)
次に、上記のように構成された圧電アクチュエータ10の製造方法を説明する。まず、圧電層と内部電極とが交互に積層された圧電素子110を作製する。具体的には、圧電セラミックスのグリーンシートにAgやAg−Pd等の電極ペーストを印刷して積層、圧着し、焼成する。次に、圧電素子110の側面に積層方向に沿って、内部電極に接続された外部電極116、117を形成する。圧電素子110の側面に電極ペーストを印刷して焼成することで外部電極116、117を形成できる。一方、あらかじめキャップ160に熱膨張抑制部材170を固定した圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体100および座140を準備しておく。
得られた複数の圧電素子110の積層方向の端面には、エポキシ等の接着剤を塗布して接着し、直列方向に連結する。このようにして多連化を行い、接着剤を硬化させる。そして、金属製で板状のリード線を、外部電極に固着させて、多連化した圧電アクチュエータ本体105を作製できる。
上記の圧電アクチュエータ本体105を座140に設置し、圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体100を被せて封止する。外部電極116、117に接続されるリード線121、122は、座140に挿通された端子126、127に接続されている。このようにして、圧電アクチュエータ10を作製することができる。なお、端子126、127は、それぞれ駆動電源に電気的に接続される。
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、熱膨張抑制部材がキャップの周囲を覆う筒状の形状で、キャップの伸縮部を跨ぐ両端部近傍でそれぞれ固定されていたが、熱膨張抑制部材は、この形状に限られない。図6は、圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体200を示す正面図である。また、図7(a)、(b)は、それぞれ熱膨張抑制部材270の平面図および正面図である。なお、キャップ160は、第1の実施形態と同じものとした。
図6および図7(a)、(b)に示すように、熱膨張抑制部材270は、圧電アクチュエータ本体の変位方向における一方の端部に変位方向に貫通する貫通孔274を有する底部272を備えるとともに他方の端部が開放した有底筒状の部材であり、キャップ160の変位部162の一部を貫通孔274から突出させた状態でキャップ160を覆うとともに他方の端部近傍でキャップ160に固定されてもよい。
このように、熱膨張抑制部材270の筒状部でキャップ160の熱膨張を抑制することで、キャップ160の熱膨張が大きい場合でも熱膨張を十分に抑制できる。また、熱膨張抑制部材270の底部272がキャップ160の変位部162の一部と当接することで固定されるため、熱膨張抑制部材270の固定の工程が底部272と対向する側の他方の端部のみで済むため、圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体200の製造が容易となる。このとき、熱膨張抑制部材270は、キャップ160に固定される端部に寸法合わせのためのスリット172を有していてもよい。これにより、寸法合わせおよびキャップ160との固定が容易となる。
[第3の実施形態]
第1および第2の実施形態では、熱膨張抑制部材がキャップの周囲を覆う筒状部を有していたが、熱膨張抑制部材は、この形状に限られない。図8は、圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体300を示す正面図である。なお、キャップ160は、第1の実施形態と同じものとした。
図8に示すように、熱膨張抑制部材370は、複数の帯状部材で形成され、複数の帯状部材は、それぞれキャップ160のうち、圧電アクチュエータ本体の変位方向における一端部近傍および他端部近傍でキャップ160に固定されてもよい。このように、熱膨張抑制部材370を複数の帯状部材で形成することで、熱膨張抑制部材370とキャップ160とが容易に固定でき、圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体300の製造が容易となる。複数の帯状部材は、圧電アクチュエータ本体の変位方向が長手方向となるように固定される。複数の帯状部材は、同一の形状であることが好ましい。
キャップ160が柱状である場合、熱膨張抑制部材370の複数の帯状部材は、圧電アクチュエータ本体の変位方向におけるキャップ160の中心軸に対し、回転対称となる位置に固定されていることが好ましい。これにより、キャップ160の熱膨張をバランスよく抑制できるだけでなく、圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体300の長手方向に対する横方向の力に対しても、強度が増す。キャップ160が円柱状である場合、熱膨張抑制部材370の複数の帯状部材は、3以上であることが好ましい。
10 圧電アクチュエータ
100、200、300 圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体
105 圧電アクチュエータ本体
110 圧電素子
113 圧電層
114、115 内部電極
116、117 外部電極
121、122 リード線
126、127 端子
130 変位伝達部
135 圧電素子用補強シム
140 座
145 ガラス
160 キャップ
170、270、370 熱膨張抑制部材
172 スリット
174 固定部

Claims (9)

  1. 圧電アクチュエータ本体を収容する圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体であって、
    前記圧電アクチュエータ本体の変位方向の一方の端部に形成され前記圧電アクチュエータ本体の変位を取り出す変位部と、前記変位方向に沿って伸縮する伸縮部と、を備える金属製のキャップと、
    前記キャップの熱膨張率より小さな熱膨張率を有する材料で形成され、前記変位方向において前記キャップの伸縮部を跨ぐように配置されるとともに前記伸縮部とは異なる位置で前記キャップに固定された熱膨張抑制部材と、を備えることを特徴とする圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体。
  2. 前記変位部はダイヤフラム構造であり、
    前記伸縮部はベローズ構造であることを特徴とする請求項1記載の圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体。
  3. 前記熱膨張抑制部材は、前記キャップの周囲を覆う筒状の部材であり、
    前記熱膨張抑制部材は、前記キャップのうち前記変位方向における一端部近傍および他端部近傍で前記キャップに固定されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体。
  4. 前記熱膨張抑制部材は、前記変位方向における一方の端部に前記変位方向に貫通する貫通孔を有する底部を備えるとともに他方の端部が開放した有底筒状の部材であり、
    前記熱膨張抑制部材は、前記変位部の一部を前記貫通孔から突出させた状態で前記キャップを覆うとともに前記他方の端部近傍で前記キャップに固定されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体。
  5. 前記熱膨張抑制部材は、複数の帯状部材で形成され、
    前記複数の帯状部材は、それぞれ前記キャップのうち変位方向における一端部近傍および他端部近傍で前記キャップに固定されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体。
  6. 前記熱膨張抑制部材の熱膨張率は、前記圧電アクチュエータ本体の熱膨張率以下であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体。
  7. 前記熱膨張抑制部材は、42アロイ、インバー、スーパーインバー、またはコバールで形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体。
  8. 前記キャップは、SUS316、またはSUS316Lで形成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体。
  9. 電圧の印加により変位する圧電アクチュエータであって、
    一端に変位伝達部を有し、電圧の印加により伸縮する圧電アクチュエータ本体と、
    前記圧電アクチュエータ本体の他端を支持する座と、
    請求項1から請求項8のいずれかに記載の圧電アクチュエータ用密閉型金属筐体と、を備えることを特徴とする圧電アクチュエータ。
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