JP2021019051A - 圧電アクチュエータおよびその製造方法 - Google Patents

圧電アクチュエータおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】歪ゲージの最大歪量を小さくすることで、歪ゲージの耐久性を向上させ、その結果、耐久性が向上した歪ゲージを備える圧電アクチュエータおよびその製造方法を提供する。【解決手段】電圧の印加により変位する圧電アクチュエータ100であって、複数の圧電素子110を直列に連結して形成された圧電アクチュエータ本体105と、前記圧電アクチュエータ本体105の変位方向の歪を検知する歪ゲージ155と、を備え、前記歪ゲージ155は、前記圧電アクチュエータ本体105の変位方向の最大伸長位置で正の歪を、最大収縮位置で0以下の歪を検知するように前記圧電アクチュエータ本体105に直接または他部材を介して接続されている。【選択図】図1

Description

本発明は、電圧の印加により変位する圧電アクチュエータおよびその製造方法に関する。
圧電素子は伸長時と収縮時で異なる変位特性(ヒステリシス)を示すため、半導体露光装置等の精密位置決めでは、変位センサによりフィードバック制御を行い位置決め精度を向上させて使用されている。また、精密な数値制御加工機の微動機構や医療用マニュピレータ、航空・宇宙用の精密な姿勢制御機構にも変位センサによりフィードバック制御を行った高精度の圧電アクチュエータが利用されている。さらに、半導体製造装置へ各種ガスを供給する流量調整バルブの駆動用としても圧電アクチュエータが使用されているが、制御流量の高精度化に伴い変位センサを内蔵したものが使用されるようになっている。
引用文献1は、ヒステリシスを有する圧電変位部2を用い、ピストン3の変位量を高い精度で制御することを目的として、印加電圧に応じて伸縮する圧電変位部2、圧電変位部2の一端の伸縮力を受けるピストン3、圧電変位部2の他端の伸縮力を受けるベース4を備え、ピストン3は、圧電変位部2を覆う内筒14を備え、この内筒14の端にはベース4に接近した変位検出部15を備え、ベース4には、変位検出部15までの距離を検出する変位センサ7が固定されている圧電アクチュエータ1が記載されている。
引用文献2は、電歪効果素子を用いた圧電アクチュエータの電圧−変位特性のヒステリシスを解消し、微小な移動量の検出精度を改善することを目的として、金属ケース7内に気密端子3や金属部材8によって密封した電歪効果素子1の側面に変位センサー2を設けて電歪効果素子に電気接続する圧電アクチュエータが記載されている。
特開平8−153909号公報 特開平5−206536号公報
圧電アクチュエータ用の変位センサとしては非接触式の静電容量センサや渦電流センサが使用されることが多かった。しかしながら、特許文献1に示されるような、非接触式のセンサを用いたフィードバック制御方式を適用した場合、高精度な位置決めが可能になるが、システムが複雑で高価となり、用途も限定される。
これに対し、特許文献2に示されているように、樹脂封止した圧電アクチュエータ本体に歪ゲージなどの変位センサを直接貼付し、部分的な変位信号を利用する簡易型のフィードバック制御も提案されている。歪ゲージは多くの場合、素子に直接貼り付けるだけであるため小型で安価な変位計となり、耐久性が向上することで多様な用途で使用されることが期待できる。
圧電アクチュエータは高速で伸縮させる用途が多く、変位センサも同様な応答性及び繰り返し耐久性が求められる。圧電アクチュエータを用いたバルブ等では数千万回レベルの開閉への耐久性が求められるため、歪ゲージも同等以上の耐久性が必要となる。例えば、ある歪ゲージは、1500ppmの歪率で疲労寿命が1000万回前後となっている。これぐらいの疲労寿命である場合、圧電アクチュエータ用の変位センサとしては耐久性が不足しているため、ゲージ部への負担を軽減する組込みを行い、耐久性を向上させることが必要となる。
しかしながら、引用文献2記載の技術では、歪ゲージのゲージ部への負担を軽減する組込みを行い、耐久性を向上させることは考慮されていない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、歪ゲージの最大歪量を小さくすることで、歪ゲージの耐久性を向上させ、その結果、耐久性が向上した歪ゲージを備える圧電アクチュエータおよびその製造方法を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明の圧電アクチュエータは、電圧の印加により変位する圧電アクチュエータであって、複数の圧電素子を直列に連結して形成された圧電アクチュエータ本体と、前記圧電アクチュエータ本体の変位方向の歪を検知する歪ゲージと、を備え、前記歪ゲージは、前記圧電アクチュエータ本体の変位方向の最大伸長位置で正の歪を、最大収縮位置で0以下の歪を検知するように前記圧電アクチュエータ本体に直接または他部材を介して接続されていることを特徴としている。
これにより、歪ゲージの最大歪量を小さくすることができ、歪ゲージの耐久性を向上させることができる。その結果、歪を検知する歪ゲージを備える圧電アクチュエータの耐久性が向上する。
(2)また、本発明の圧電アクチュエータは、前記圧電アクチュエータ本体の変位方向に伸縮する伸縮部と前記圧電アクチュエータ本体に固定される固定部とを有する歪ゲージ取付板をさらに備え、前記歪ゲージは、前記歪ゲージ取付板の伸縮部を介して前記圧電アクチュエータ本体に接続されていることを特徴としている。このように、歪ゲージ取付板の伸縮部に歪ゲージを貼り付けることで、圧電素子の変位を拘束することなく変位を検知することができる。その結果、圧電素子にクラックを発生させ絶縁破壊させる虞を低減することができ、歪を検知する歪ゲージを備える圧電アクチュエータの耐久性がより向上する。
(3)また、本発明の圧電アクチュエータの製造方法は、電圧の印加により変位する圧電アクチュエータの製造方法であって、複数の圧電素子を直列に連結して圧電アクチュエータ本体を形成する工程と、前記圧電アクチュエータ本体に直接または他部材を介して歪ゲージを貼り付ける工程と、を含み、前記歪ゲージを貼り付ける工程は、前記圧電アクチュエータ使用時の前記歪ゲージの最大歪量が小さくなるように貼り付けることを特徴としている。このように、圧電アクチュエータ使用時の歪ゲージの最大歪量が小さくなるように貼り付けることで、歪ゲージの耐久性を向上させることができる。その結果、歪を検知する歪ゲージを備える圧電アクチュエータの耐久性が向上する。
(4)また、本発明の圧電アクチュエータの製造方法は、前記歪ゲージを貼り付ける工程の前に、前記圧電アクチュエータ本体に所定の電圧を印加して前記圧電素子を分極する工程と、をさらに含み、前記歪ゲージを貼り付ける工程は、前記圧電素子を分極する工程で分極された状態の前記圧電アクチュエータ本体に前記歪ゲージを貼り付けることを特徴としている。圧電素子は分極時に変位方向に伸長するため、分極後の圧電素子に歪ゲージを貼り付けることで、圧電素子に歪ゲージを貼り付けた後分極する方法と比較して、歪ゲージの最大歪量を小さくすることができ、歪ゲージの耐久性を向上させることができる。その結果、歪を検知する歪ゲージを備える圧電アクチュエータの耐久性が向上する。
(5)また、本発明の圧電アクチュエータの製造方法において、前記歪ゲージを貼り付ける工程は、前記分極後の圧電アクチュエータ本体に定格電圧より小さい電圧を印加した状態で貼り付けることを特徴としている。このように、分極後の圧電素子に定格の電圧より小さい電圧を印加した状態で歪ゲージを貼り付けることで、定格の電圧を印加した状態で正の歪を、電圧を印加しない状態で負の歪を検知するように歪ゲージを貼り付けることができ、歪ゲージの最大歪量をより小さくすることができ、歪ゲージの耐久性をより向上させることができる。その結果、歪を検知する歪ゲージを備える圧電アクチュエータの耐久性がより向上する。
(6)また、本発明の圧電アクチュエータの製造方法において、前記歪ゲージを貼り付ける工程は、前記歪ゲージの温度を前記圧電アクチュエータ本体の温度と比較して低い温度にした状態で貼り付けることを特徴としている。このように、歪ゲージの温度を圧電アクチュエータ本体の温度と比較して低い温度にした状態で貼り付けることで、同一の温度にしたときに歪ゲージが圧電素子より収縮した状態で貼り付けたこととなり、歪ゲージの最大歪量を小さくすることができ、歪ゲージの耐久性を向上させることができる。その結果、歪を検知する歪ゲージを備える圧電アクチュエータの耐久性が向上する。
(7)また、本発明の圧電アクチュエータの製造方法において、前記歪ゲージを貼り付ける工程は、前記歪ゲージのうち前記圧電アクチュエータ本体の変位方向における両端部の間に位置する中間部を前記圧電アクチュエータ本体から離間させた状態で、前記両端部を前記圧電アクチュエータ本体に貼り付ける第1工程と、前記第1工程の後、前記中間部と前記圧電アクチュエータ本体との間の間隙に接着剤を充填し前記中間部が平坦になるように圧迫することで前記中間部を貼り付ける第2工程と、を含むことを特徴としている。このように、歪ゲージの中間部を浮かせた状態で両端部を貼り付ける第1工程の後に、中間部が平坦になるように貼り付ける第2工程を設けることで、歪ゲージが圧電素子より収縮した状態で貼り付けたこととなり、歪ゲージの最大歪量を小さくすることができ、歪ゲージの耐久性を向上させることができる。その結果、歪を検知する歪ゲージを備える圧電アクチュエータの耐久性が向上する。
(8)また、本発明の圧電アクチュエータの製造方法において、前記歪ゲージを貼り付ける工程は、前記歪ゲージを、前記圧電アクチュエータ本体の変位方向に伸縮する伸縮部と前記圧電アクチュエータ本体に固定される固定部とを有する歪ゲージ取付板に貼り付ける第1工程と、前記歪ゲージが貼り付けられた前記歪ゲージ取付板の前記固定部を前記圧電アクチュエータ本体に固定する第2工程と、を含み、前記第1工程は、前記伸縮部を伸長した状態で、前記歪ゲージを前記歪ゲージ取付板に貼り付けることを特徴としている。このように、圧電アクチュエータ本体の変位方向に伸縮する伸縮部と圧電アクチュエータ本体に固定される固定部とを有する歪ゲージ取付板に、伸縮部を伸長した状態で、歪ゲージを貼り付け、歪ゲージが貼り付けられた歪ゲージ取付板の固定部を圧電アクチュエータ本体に固定することで、歪ゲージが伸縮部より収縮した状態で貼り付けたこととなり、歪ゲージの最大歪量を小さくすることができる。また、歪ゲージ取付板を介して変位を検知することで圧電素子の変位を拘束することなく変位を検知することができる。その結果、圧電素子にクラックを発生させ絶縁破壊させる虞を低減することができ、歪を検知する歪ゲージを備える圧電アクチュエータの耐久性がより向上する。
本発明によれば、歪ゲージの最大歪量を小さくすることができ、歪ゲージの耐久性を向上させることができる。その結果、歪を検知する歪ゲージを備える圧電アクチュエータの耐久性が向上する。
(a)、(b)それぞれ第1の実施形態の圧電アクチュエータを示す正面図および側面図である。 圧電素子の正断面図である。 変位制御システムの概略図である。 (a)、(b)それぞれ第2の実施形態の圧電アクチュエータを示す正面図および側面図である。 (a)〜(c)それぞれ第2の実施形態の歪ゲージ取付板の斜視図、正面図および側面図である。 (a)、(b)それぞれ第3の実施形態の圧電アクチュエータを示す正断面図および側断面図である。 (a)、(b)それぞれ座および端子の正断面図および底面図である。
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
[第1の実施形態]
(圧電アクチュエータの構成)
図1(a)、(b)は、それぞれ圧電アクチュエータ100を示す正面図および側面図である。なお、参照図に示す圧電アクチュエータは一例であって、素子数等で本発明は限定されない。
圧電アクチュエータ100は、圧電アクチュエータ本体105、駆動用の端子126、127、センサ用の端子159、歪ゲージ155で構成され、電圧の印加により伸縮する。圧電アクチュエータ100は、例えばマスフローコントローラの弁の開閉制御部や精密位置決め装置のステージ駆動部に用いられ、その場合、被駆動体(弁、ステージ)を変位させる。
圧電アクチュエータ本体105は、一対のリード線121、122を介して一対の外部電極116、117に電圧が印加されたとき、各圧電素子110が伸縮することで先端が変位する。駆動用の端子126、127は、圧電アクチュエータ本体105のリード線121、122に接続されており、印加電圧をリード線121、122に伝える。
圧電アクチュエータ本体105の駆動用の端子126、127の一つと歪ゲージ155の検出用の端子の一つとが共通であることが好ましい。例えば、GND端子を共通にすることができる。これにより、総端子数が多くなることを抑制し、配線等の構成をとりやすくできる。なお、共通の端子を用いずにそれぞれ分離した端子を用いてもよい。
一方、図1(a)、(b)に示すように、圧電アクチュエータ100は、圧電アクチュエータ本体105に歪ゲージ155を接続し、センサ用の端子159設けている。これにより、歪ゲージ155を備えた圧電アクチュエータ100において、歪ゲージ用の端子159を介して圧電素子110の変位の信号を受けられる。歪ゲージ155の詳細は後述する。
(圧電アクチュエータ本体)
圧電アクチュエータ本体105は、圧電素子110、およびリード線121、122で構成されている。圧電アクチュエータ本体105を構成する複数の圧電素子110は、直列に配置、連結され(多連化)、その端面同士が接着剤により接着されている。複数の圧電素子110が接着されることで大きい変位量を確保できる。なお、直列とは、伸縮方向すなわち圧電素子110内の圧電層および内部電極の積層方向を意味する。
リード線121、122は、駆動用の端子126、127と各圧電素子110の外部電極117とを接続している。なお、図1(b)で示す側面とは反対側でも同様に接続がなされている。
(圧電素子)
図2は、圧電素子110の正断面図である。圧電素子110は、印加電圧に対して変位を出力し、圧電層113、内部電極114、115および外部電極116、117を有している。圧電素子110は、圧電層113と内部電極114、115とが交互に積層されている。また、圧電素子110の側面において、外部電極116、117は内部電極114、115に接続されている。圧電層は、例えばPZT、チタン酸バリウム等の圧電材料で構成できる。電極材料には、Ag、Ag−Pd、Pt等を用いることができる。
(歪ゲージ)
歪ゲージ155は、圧電アクチュエータ本体105の変位方向の歪を検知する。歪ゲージ155は、線歪ゲージ、箔歪ゲージ等を用いることができる。歪ゲージ155は、圧電アクチュエータ本体105に直接貼り付けることで接続される。貼り付けは、接着剤等を用いることができる。歪ゲージ155は、圧電アクチュエータ本体105の表面に接続されているので、圧電アクチュエータ100が伸びたときに歪ゲージ155も伸びることで、圧電アクチュエータ100の変位と歪ゲージ155の変位が同相の歪となり、制御性が向上する。
このとき、歪ゲージ155は、圧電アクチュエータ本体105の変位方向の最大伸長位置で正の歪を、最大収縮位置で0以下の歪を検知するように接続される。正の歪とは、歪ゲージ155が伸長されたときに検知する歪であり、負の歪とは、歪ゲージ155が収縮されたときに検知する歪である。また、0の歪とは、歪ゲージ155が伸長も収縮もされていないときに検知する歪であり、歪ゲージ155の抵抗値に変化がないことを意味する。
歪ゲージは、歪量が半減する毎に耐久性がほぼ1桁増加することが知られている。また、伸長側と同様に収縮側でも同等のリニアリティが認められる。したがって、歪ゲージの伸長側の歪量および収縮側の歪量を考慮した最大歪量を小さくすることができれば、歪ゲージの耐久性は向上する。
圧電アクチュエータに歪ゲージを貼り付ける場合、通常、歪ゲージを貼り付けた後に圧電アクチュエータに電圧を印加し、圧電素子を分極する。しかし、圧電素子を分極すると、変位方向に0.1%(1000ppm)程度伸びるため、貼り付け時と比較した歪ゲージの歪量は、電圧を印加していない状態で1000ppmとなる。その後、例えば、1000ppm駆動したとすると、分極による歪量に駆動による歪量が加算され、歪ゲージの歪量の範囲は、1000〜2000ppmとなり、最大歪量は2000ppmとなる。すなわち、圧電アクチュエータ本体の変位方向の最大伸長位置でも最大収縮位置でも正の歪を検知するため、最大歪量が大きい。これは、負極性電圧を印加できる圧電アクチュエータであっても、負極性電圧の絶対値の最大値は最大電圧の絶対値より小さいため、最大収縮位置で正の歪を検知することに変わりはない。
ここで、歪ゲージの歪量の範囲を、例えば、0〜1000ppmとなるように、歪ゲージの貼り付け方法を調整することができると、最大歪量は1/2となり、歪ゲージの耐久性は1桁増加する。また、歪ゲージの歪量の範囲を、例えば、−500〜500ppmとなるように調整することができると、最大歪量は1/4となり、歪ゲージの耐久性は2桁増加する。
したがって、歪ゲージ155は、圧電アクチュエータ本体105の変位方向の最大伸長位置で正の歪を、最大収縮位置で0以下の歪を検知するように接続されることで、歪ゲージ155の耐久性を向上させることができる。
なお、歪ゲージ155の検知する歪は、圧電アクチュエータ100の使用時の温度において、圧電アクチュエータ本体105の変位方向の最大伸長位置で正の歪を、最大収縮位置で0以下の歪を検知するように接続されていることが好ましい。このように調整することで、使用時の温度における最大歪量を低減することができる。使用時の温度とは、1つの温度に決まっている場合はその温度であり、温度の範囲が決まっている場合はその範囲内のいずれかの温度である。温度の範囲が決まっている場合、最高温度としてもよいし、最低温度としてもよいし、その平均の温度としてもよい。また、最も駆動時間の長い温度としてもよいし、最も駆動回数が多くなる温度としてもよい。
歪ゲージ155は、リード線157、158に接続され、リード線158が、センサ用端子159に接続されることで、検知された変位が伝達される。これにより、圧電アクチュエータ本体105の変位を確認して、正確にその変位を把握することができフィードバック制御により圧電アクチュエータを使用した精密な位置決めが可能になる。
(変位制御システム)
上記の圧電アクチュエータ100を用いて変位制御システム190を構成できる。図3は、変位制御システム190の概略図である。図3に示すように、変位制御システム190は、圧電アクチュエータ100、フィードバック制御装置170および駆動電源180を備えている。
歪ゲージ155のセンサ用の端子159は、フィードバック制御装置170に接続されている。検知された変位の信号は、フィードバック制御装置170に入力され、フィードバック制御装置170は、検知された信号を圧電アクチュエータ100の変位に変換し、検知された変位をもとに必要な駆動量を算出する。検知信号から変位への変換は、同相であり、歪ゲージ155から伸びの信号の入力があったときには、圧電アクチュエータ100の伸びの変位を出力する。フィードバック制御装置170は、算出された駆動量に応じて駆動電源180を制御し、駆動電源180は、フィードバック制御装置170から指令を受けた電圧を圧電アクチュエータ本体105に印加する。このようにして、誤差を低減した変位制御システム190を実現できる。
(圧電アクチュエータの基本的な製造方法)
次に、上記のように構成された圧電アクチュエータ100の基本的な製造方法を説明する。まず、圧電層と内部電極とが交互に積層された圧電素子110を作製する。具体的には、圧電セラミックスのグリーンシートにAgやAg−Pd等の電極ペーストを印刷して積層、圧着し、焼成する。次に、圧電素子110の側面に積層方向に沿って、内部電極に接続された外部電極116、117を形成する。圧電素子110の側面に電極ペーストを印刷して焼成することで外部電極116、117を形成できる。
得られた複数の圧電素子110の積層方向の端面には、エポキシ等の接着剤を塗布して接着し、直列方向に連結する。このようにして多連化を行い、接着剤を硬化させる。そして、歪ゲージ155、または圧電アクチュエータ本体105の歪ゲージ155配置位置に接着剤を塗布して、歪ゲージ155を圧電アクチュエータ本体105に直接貼り付ける。このとき、歪ゲージ155を、圧電アクチュエータ100使用時の歪ゲージ155の最大歪量が小さくなるように貼り付ける。具体的な方法は後述する。歪ゲージ155は、1つの圧電素子110に貼り付けてもよいし、連続する複数の圧電素子110に貼り付けてもよい。
そして、金属製で板状のリード線を、外部電極に固着させて、圧電アクチュエータ100を作製できる。なお、駆動用の端子126、127は、それぞれ駆動電源180、センサ用の端子159は、フィードバック制御装置170に電気的に接続される。
(歪ゲージの貼り付け方法)
次に、歪ゲージを、圧電アクチュエータ使用時の歪ゲージの最大歪量が小さくなるように貼り付ける方法の具体例を説明する。
(歪ゲージの貼り付け方法1)
歪ゲージの貼り付け方法1は、歪ゲージを貼り付ける前に、圧電アクチュエータ本体に所定の電圧を印加して圧電素子を分極する。そして、分極された状態の圧電アクチュエータ本体に歪ゲージを貼り付ける。圧電素子は分極時に変位方向に伸長するため、分極後の圧電素子に歪ゲージを貼り付けることで、圧電素子に歪ゲージを貼り付けた後分極する方法と比較して、歪ゲージの最大歪量を小さくすることができる。
(歪ゲージの貼り付け方法2)
歪ゲージの貼り付け方法2は、上記の歪ゲージの貼り付け方法1に加えて、さらに、歪ゲージを圧電アクチュエータ本体に貼り付ける際に、分極後の圧電アクチュエータ本体に定格電圧より小さい電圧を印加した状態で貼り付ける。これにより、定格の電圧を印加した状態で正の歪を、電圧を印加しない状態で負の歪を検知するように歪ゲージを貼り付けることができ、歪ゲージの最大歪量をより小さくすることができる。定格電圧より小さい電圧は、駆動時の変位幅の半分の変位幅になる電圧であることが好ましい。このような電圧を印加して歪ゲージを貼り付けることで、駆動時の最大伸長位置および最大収縮位置における歪ゲージの歪が正および負の同程度の歪量となり、最大歪量を最も低減することができる。
(歪ゲージの貼り付け方法3)
歪ゲージの貼り付け方法3は、歪ゲージの温度を圧電アクチュエータ本体の温度と比較して低い温度にした状態で貼り付ける。歪ゲージの温度を圧電アクチュエータ本体の温度と比較して低い温度にした状態で貼り付けることで、同一の温度にしたときに歪ゲージが圧電素子より収縮した状態で貼り付けたこととなり、歪ゲージの最大歪量を小さくすることができる。歪ゲージの温度を圧電アクチュエータ本体の温度と比較して低い温度にした状態とは、歪ゲージの温度を低くする、圧電アクチュエータ本体の温度を高くする、その両方、のいずれも含む。歪ゲージは、ベースに樹脂等が使用されているため、一般的に圧電素子の材料であるセラミックよりも熱膨張率が大きい。したがって、歪ゲージの温度のみを低くすることが、効率がよい。
(歪ゲージの貼り付け方法4)
歪ゲージの貼り付け方法4は、歪ゲージのうち圧電アクチュエータ本体の変位方向における両端部の間に位置する中間部を圧電アクチュエータ本体から離間させた状態で、両端部を圧電アクチュエータ本体に貼り付ける第1工程と、第1工程の後、中間部と圧電アクチュエータ本体との間の間隙に接着剤を充填し中間部が平坦になるように圧迫することで中間部を貼り付ける第2工程と、を含む方法で貼り付ける。このように、歪ゲージの中間部を浮かせた状態で両端部を貼り付ける第1工程の後に、中間部が平坦になるように貼り付ける第2工程を設けることで、歪ゲージが圧電素子より収縮した状態で貼り付けたこととなり、歪ゲージの最大歪量を小さくすることができる。
なお、上記の歪ゲージの貼り付け方法3および4は、歪ゲージの貼り付け方法1の圧電素子の分極と組み合わせることもできる。圧電素子の分極後に歪ゲージの貼り付け方法3または4により歪ゲージを貼り付けることで、確実に、歪ゲージを、圧電アクチュエータ本体の変位方向の最大伸長位置で正の歪を、最大収縮位置で0以下の歪を検知するように接続することができる。また、いずれの貼り付け方法も、圧電アクチュエータの使用時の温度を考慮した貼り付けであることが好ましい。
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、歪ゲージが圧電アクチュエータ本体に直接貼り付けられることで接続されているが、歪ゲージは、他の部材を介して圧電アクチュエータ本体に接続されていてもよい。図4(a)、(b)は、それぞれ歪ゲージが歪ゲージ取付板を介して圧電アクチュエータ本体に接続された圧電アクチュエータ200を示す正面図および側面図である。
(歪ゲージ取付板)
図5(a)〜(c)は、それぞれ歪ゲージ取付板250の斜視図、正面図および側面図である。歪ゲージ取付板250は、圧電アクチュエータ本体105の変位を歪ゲージ155に伝達する。歪ゲージ155には歪ゲージ取付板250を介して変位が伝達されるため、圧電素子110への変位拘束が発生しない。そのため、歪ゲージ155を直接貼り付けた場合の変位拘束による圧電素子の絶縁破壊の虞を低減できる。また、特に、大変位タイプの圧電素子や高温下で使用される圧電素子では、変位センサ等で圧電素子自身が拘束されることによるクラックが生じやすいが、圧電アクチュエータ200は、このようなクラックの発生を防止でき、信頼性を向上できる。
歪ゲージ取付板250は、固定部251a、251bと伸縮部252とを備えている。固定部251a、251bは、圧電アクチュエータ本体105の互いに変位方向に離れた圧電素子同士の間の位置にそれぞれ固定される。伸縮部252は、固定部251aおよび251bの間に形成され、圧電アクチュエータ本体105の表面に沿って設けられている。固定部251と伸縮部252との間に、本体部253を備えていてもよい。
図5に示すように、歪ゲージ取付板250の両端部は、それぞれL字状の薄板で形成され、L字状の薄板の折れ曲がった先端部が固定部251a、251bとして圧電アクチュエータ本体105に固定されていることが好ましい。この場合、L字状とは、変位方向に垂直な固定面と固定面から折れ曲がった面である本体部253があることを指す。このような先端部を用いることで十分な固定が可能になる。また、本体部253a、253bにおいて、固定部251a、251bから延びる二辺に沿った外周部を折り曲げることにより、折り曲げられた外周部が梁の役割を果たす補強部となり本体部の強度を上げ、共振周波数を向上させることもできる。
固定部251a、251bは、直近の圧電素子110の活性領域を変位方向へ投影した範囲(図5の例では、領域254a、254b)内で圧電アクチュエータ本体105と固定されていることが好ましい。これにより、不活性領域と活性領域との間で生じる応力を拘束せずに変位を検出できる。ここでいう活性領域とは、圧電素子110内に形成されている内部電極114、115が変位方向から見て重なる領域である。また不活性領域とは、圧電素子110内において活性領域を除いた領域である。
固定部251a、251bは、連続する圧電素子110の両端面に固定されていることが好ましい。このように、複数の圧電素子に歪ゲージ取付板250を跨がらせることで、圧電アクチュエータ本体105の全体の変位状況を反映した信号が得られる。これにより、圧電アクチュエータ本体105の全体に近い長さを対象に変位を検知できる。また、複数の圧電素子110の変位量を歪ゲージ155により測定することができ、歪ゲージ155が配置されていない圧電素子110の数を減らすことができる。したがって、歪ゲージ155が配置されていない箇所の圧電素子110の変位量の変化に起因した位置決め誤差を低減することができる。なお、検知に必要な変位量に応じ、伸縮部252および本体部253の長さを調節することは可能である。一つの圧電素子110の両端面に固定部251a、251bを固定させることで、固定部の間の長さを最小限とし、歪ゲージ155の応答性を向上することができる。この場合でも、測定した変位量を圧電アクチュエータ本体105が備える圧電素子110の数で乗算することで、圧電アクチュエータ全体の変位量とすることができる。
図4に示す形態の場合、一方の本体部253aと他方の本体部253bとの間に伸縮部252が設けられているが、両固定部251の間がすべて伸縮部252であってもよい。伸縮部252は、圧電アクチュエータ本体105の変位方向に伸縮することで、両固定部251の間の圧電素子110の変位を集約する。変位を集約するとは、固定部251および本体部253はほとんど伸縮しないので、両固定部251の間の圧電素子110の変位の合計が、ほぼすべて伸縮部252の変位として現れることをいう。伸縮部252の変位方向の長さは、歪ゲージ155の伸縮方向の長さと同程度であってもよい。このようにすることで、伸縮部252で集約した変位の大部分を歪ゲージ155に伝達することができ、微小な変位であっても歪ゲージ155で検知できる。
また、伸縮部252の変位方向の長さは、歪ゲージ155の伸縮方向の長さより長くしてもよい。このようにすることで、伸縮部252で集約した変位の一部のみを歪ゲージ155に伝達することができ、大変位タイプの圧電素子による集約された変位が大きすぎることで歪ゲージ155が破壊されることを防ぐことができる。両固定部251の間の複数の圧電素子110の変位を伸縮部252で集約して、その一部の変位を歪ゲージ155に伝達することで、複数の圧電素子110の変位の合計の一部から変位を検知することとなり、一の圧電素子110の変位から全体の変位を推定するよりも正確な検知をすることができる。また、伸縮部252の変位方向の長さを、歪ゲージ155の伸縮方向の長さの2倍以上にして、複数の歪ゲージ155を配置してもよい。伸縮部252は、圧電アクチュエータ本体105の変位方向に伸縮する複数のバネ状の部材で形成することができる。
歪ゲージ取付板250には、圧電アクチュエータ200の変位を正確に歪ゲージ155へ伝えるため、剛性が高く、圧電素子110の熱膨張に近い材料を用いるのが好ましい。例えば、ステンレスやインバーなどの金属が好適である。また、固定部251および本体部253は、これらの金属とアルミナ、ジルコニアなどのセラミックス薄板を接合した部材であってもよい。なお、歪ゲージ取付板250には、圧電素子110と熱膨張率が近い材料を選択することにより、温度変化に起因する出力誤差を抑制できる。例えば、歪ゲージ取付板250の熱膨張係数と圧電素子110の熱膨張係数との差は、10×10−6/℃以下であることが好ましい。これにより、温度変化による圧電素子110と歪ゲージ取付板250との出力のずれを抑制できる。なお、精密に変位量を測定したい場合には、歪ゲージ取付板250および圧電素子110の熱膨張を測定し、変位量を補正してもよい。
(歪ゲージ)
歪ゲージ155は、歪ゲージ取付板250の伸縮部252に貼り付けられることで、歪ゲージ取付板250を介して圧電アクチュエータ本体105に接続されており、圧電アクチュエータ本体105の少なくとも一部から伝達された変位を検知する。これにより、圧電素子110の変位を拘束せずに歪ゲージ取付板250を介して変位を検知できる。その結果、圧電素子110の変位の拘束によるクラックで絶縁破壊するのを防止しつつ圧電アクチュエータ200を使用した位置決め誤差を低減できる。また、圧電アクチュエータ本体105の表面に沿って設けられた伸縮部252に歪ゲージ155が配置されているので、圧電アクチュエータ200が伸びたときに歪ゲージ155も伸びることで、圧電アクチュエータ200の変位と歪ゲージ155の変位が同相の歪となり、制御性が向上する。なお、歪ゲージ155の一部が、本体部253側にはみ出していてもよい。
また、第2の実施形態における歪ゲージ取付板250の本体部253に対して、圧電アクチュエータ本体105に組み込んだ際の変位方向と垂直な方向の両端を折曲げるリブ加工を行いリブ構造としたり、アルミナ、ジルコニアなどのセラミックス薄板を本体部253に接合して、前記変位方向と平行な方向に延在する補強部を備える構成としたりしてもよい。これにより、本体部253の面の剛性を向上させ、歪ゲージ155の応答性を向上させることも可能である。
また、上述の第2の実施形態における歪ゲージ取付板250の本体部253に対して、打抜き加工を行い複数の貫通孔を有する形態としてもよい。これにより、本体部253の軽量化を行うことができ、歪ゲージ155の応答性を向上させることも可能である。
(圧電アクチュエータの基本的な製造方法)
次に、上記のように構成された圧電アクチュエータ200の基本的な製造方法を説明する。まず、圧電層と内部電極とが交互に積層された圧電素子110を作製する。圧電素子110の作製方法は、第1の実施形態と同様である。
一方、あらかじめ本体部253a、253bの端部から折れ曲がった両先端部が固定部251a、251bになっており、本体部253a、253bの間に伸縮部252が設けられた歪ゲージ取付板250を準備しておく。この歪ゲージ取付板250に、歪ゲージ155を、圧電アクチュエータ200使用時の歪ゲージ155の最大歪量が小さくなるように貼り付ける。詳しくは後述する。
得られた複数の圧電素子110の積層方向の端面には、エポキシ等の接着剤を塗布して接着し、直列方向に連結する。その際に、変位をモニタリングしたい圧電素子110の両端面に、それぞれ歪ゲージ取付板250の固定部251a、251bを接着する。その際には、直近の圧電素子110の活性領域の変位方向への投影領域のみ接着する。このようにして多連化を行い、接着剤を硬化させる。そして、金属製で板状のリード線を、外部電極に固着させて、圧電アクチュエータ200を作製できる。
(歪ゲージの貼り付け方法5)
歪ゲージの貼り付け方法5は、上記歪ゲージ取付板に歪ゲージを貼り付ける際に、歪ゲージ取付板の伸縮部を伸長した状態で、歪ゲージを歪ゲージ取付板に貼り付ける。このようにすることで、歪ゲージが伸縮部より収縮した状態で貼り付けたこととなり、歪ゲージの最大歪量を小さくすることができる。伸縮部が伸長した状態とは、歪ゲージ取付板の両固定部の間に配置される圧電素子の変位方向の長さの合計よりも、歪ゲージ取付板の変位方向の長さを長くした状態をいう。このとき、圧電素子の分極による伸長、圧電素子の駆動時の伸長、および圧電アクチュエータの使用時の温度による圧電素子および歪ゲージの熱膨張等を考慮して、歪ゲージの最大歪量を小さくすることができる長さに伸縮部を伸長して貼り付けることが好ましい。
[第3の実施形態]
第1および第2の実施形態では、圧電アクチュエータ本体105が剥き出しになっていたが、圧電アクチュエータ本体105は、キャップおよび座によって密封されていてもよい。図6(a)、(b)は、それぞれ第1の実施形態の圧電アクチュエータがキャップおよび座によって密封されている圧電アクチュエータ300を示す正断面図および側断面図である。図7(a)、(b)は、それぞれ座340および端子126、127、159の正断面図および底面図である。以下では、第1の実施形態と異なる部分のみ説明する。
圧電アクチュエータ300は、圧電アクチュエータ本体105、駆動用の端子126、127、センサ用の端子159、歪ゲージ155、座340、およびキャップ360で構成され、電圧の印加により伸縮する。
座340は、圧電アクチュエータ本体105の端部に接着され、その一端を固定し、圧電アクチュエータ本体105を支持する。そして、座340側の端部が固定された圧電アクチュエータ本体105の伸縮により先端側の突起330が変位する。
座340は、キャップ360の端部と固定されることで、圧電アクチュエータ本体105を密封する。湿度や腐食性ガスに弱い圧電アクチュエータ本体105と歪ゲージ155を、低湿度の不活性ガスで気密封止した構造とすることで信頼性と耐久性を向上できる。例えば、切削水で変位装置が濡れるような精密加工機、腐蝕性ガスの流量制御を行う圧電式バルブなどで用いられる場合、オープン制御では圧電アクチュエータを用いた位置決め精度が不十分であり、変位センサによりフィードバック制御を行うことが可能な圧電アクチュエータにより位置決め等を行うことが有効である。
このように、封止により高湿度、腐食性ガス下など過酷な環境でも問題なく、圧電アクチュエータを稼働することができる。キャップ360内が完全に気密構造となるため、湿度や腐食性ガス等の圧電素子、歪ゲージの耐久性を阻害する環境下でも使用可能となり、用途拡大につながる。
端子126、127、159は、ハーメチック端子として座340を貫通して設けられている。貫通孔にはガラスまたは樹脂345が充填され、密封されている。座340には、端子126、127、159は、圧電アクチュエータ100の中心軸の周りに歪ゲージ用および駆動用でそれぞれ配置されていることが好ましい。これにより、端子126、127、159について容易に電気的な接続をとることができる。
圧電アクチュエータ本体105の駆動用のGND端子と歪ゲージ155の検出用のGND端子とが共通であることが好ましい。これにより、歪ゲージをキャップ内に収容した構造とした場合に、座から引き出す総端子数が多くなることを抑制し、歪ゲージをキャップ内に収容した耐環境性を向上させた構成をとりやすくできる。なお、共通の端子を用いずにそれぞれ分離した端子を用いてもよい。
キャップ360は、有底で開口端を有する円筒形状を有し、金属で形成されている。キャップ360は、圧電アクチュエータ本体105を積層方向に密着しつつ内部に収容し、座340にその開口端が接合され、キャップ360内部を封止している。これにより、圧電アクチュエータ300が保護され、耐久性が向上する。
キャップ360は、キャップの先端部分にドーム形状の部分に突起330が当接するダイヤフラムを有する。キャップ360の直管部分は、キャップ360の中央から底部にかけて円筒に形成されている。ダイヤフラムは、ドーム形状に形成されている。キャップ360は、SUS316、SUS316L等のばね性に優れている材質が望ましい。基台が座340を固定し、座340が圧電アクチュエータ本体105の端部を支持している。そして、キャップ360の先端が被駆動体に接することで、圧電アクチュエータ300から被駆動体に変位が伝わる。
キャップ360内部には、圧電アクチュエータ本体105の他、歪ゲージ155も収容されている。キャップ360により周囲の環境から圧電アクチュエータ本体105と歪ゲージ155を保護できる。
一方、図6(a)、(b)に示すように、圧電アクチュエータ300は、キャップ360内部に歪ゲージ155を配置し、センサ用の端子159を座340に設けている。これにより、歪ゲージ155を内蔵した圧電アクチュエータ300において、センサ用の端子159を介して圧電素子110の変位の信号を受けられる。
圧電アクチュエータ本体105は、圧電素子110、リード線121、122および突起330で構成されている。突起330は、無機材料で半球状に形成され、圧電アクチュエータ本体105の被駆動体へ変位を伝える先端側に設けられている。突起330と圧電アクチュエータ本体105とは強固に接着されており、突起330はキャップ360のドーム形状の内側部分に接する。これにより、圧電アクチュエータ本体105の変位をキャップ360の外部に取り出すことができる。
(圧電アクチュエータの製造方法の注意点)
次に、上記のように構成された圧電アクチュエータ300の製造方法の注意点を説明する。製造方法としては、第1の実施形態の製造方法において、歪ゲージを貼り付けた圧電アクチュエータ本体を座に設置し、キャップを被せて封止することで、本実施形態の圧電アクチュエータ300を製造できる。このとき、圧電素子を分極する工程を含む方法で歪ゲージを貼り付けた場合、分極後の圧電素子には焦電性が発生している。そのため、座に設置し、キャップを被せて封止することによって密閉する工程で、圧電アクチュエータ本体が金属に触れると、圧電アクチュエータ本体がショートして縮み、圧電アクチュエータ本体および歪ゲージにストレスが加わることで悪影響を与える場合がある。
そのため、圧電素子を分極する工程を含む方法で歪ゲージを貼り付けた場合、歪ゲージを貼り付けた後に分極時と逆方向に電圧を印加して消極する工程を設けることが好ましい。このような工程を設けることで、圧電素子に焦電性がなくなるため、通常の素子と同様に組み立てを行うことができる。このような工程を設ける場合、密封後に再度電圧を印加し、分極を行う。
第3の実施形態では、第1の実施形態の圧電アクチュエータ本体をキャップおよび座によって密封する形態について説明したが、第2の実施形態の圧電アクチュエータ本体をキャップおよび座によって密封してもよい。
100、200、300 圧電アクチュエータ
105 圧電アクチュエータ本体
110 圧電素子
113 圧電層
114、115 内部電極
116、117 外部電極
121、122、157、158 リード線
126、127、159 端子
155 歪ゲージ
170 フィードバック制御装置
180 駆動電源
190 変位制御システム
250 歪ゲージ取付板
251、251a、251b 固定部
252 伸縮部
253、253a、253b 本体部
254a、254b 領域(活性領域を変位方向へ投影した範囲)
330 突起
340 座
345 樹脂
360 キャップ

Claims (8)

  1. 電圧の印加により変位する圧電アクチュエータであって、
    複数の圧電素子を直列に連結して形成された圧電アクチュエータ本体と、
    前記圧電アクチュエータ本体の変位方向の歪を検知する歪ゲージと、を備え、
    前記歪ゲージは、前記圧電アクチュエータ本体の変位方向の最大伸長位置で正の歪を、最大収縮位置で0以下の歪を検知するように前記圧電アクチュエータ本体に直接または他部材を介して接続されていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 前記圧電アクチュエータ本体の変位方向に伸縮する伸縮部と前記圧電アクチュエータ本体に固定される固定部とを有する歪ゲージ取付板をさらに備え、
    前記歪ゲージは、前記歪ゲージ取付板の伸縮部を介して前記圧電アクチュエータ本体に接続されていることを特徴とする請求項1記載の圧電アクチュエータ。
  3. 電圧の印加により変位する圧電アクチュエータの製造方法であって、
    複数の圧電素子を直列に連結して圧電アクチュエータ本体を形成する工程と、
    前記圧電アクチュエータ本体に直接または他部材を介して歪ゲージを貼り付ける工程と、を含み、
    前記歪ゲージを貼り付ける工程は、前記圧電アクチュエータ使用時の前記歪ゲージの最大歪量が小さくなるように貼り付けることを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
  4. 前記歪ゲージを貼り付ける工程の前に、前記圧電アクチュエータ本体に所定の電圧を印加して前記圧電素子を分極する工程と、をさらに含み、
    前記歪ゲージを貼り付ける工程は、前記圧電素子を分極する工程で分極された状態の前記圧電アクチュエータ本体に前記歪ゲージを貼り付けることを特徴とする請求項3記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  5. 前記歪ゲージを貼り付ける工程は、前記分極後の圧電アクチュエータ本体に定格電圧より小さい電圧を印加した状態で貼り付けることを特徴とする請求項4記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  6. 前記歪ゲージを貼り付ける工程は、前記歪ゲージの温度を前記圧電アクチュエータ本体の温度と比較して低い温度にした状態で貼り付けることを特徴とする請求項3記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  7. 前記歪ゲージを貼り付ける工程は、
    前記歪ゲージのうち前記圧電アクチュエータ本体の変位方向における両端部の間に位置する中間部を前記圧電アクチュエータ本体から離間させた状態で、前記両端部を前記圧電アクチュエータ本体に貼り付ける第1工程と、
    前記第1工程の後、前記中間部と前記圧電アクチュエータ本体との間の間隙に接着剤を充填し前記中間部が平坦になるように圧迫することで前記中間部を貼り付ける第2工程と、を含むことを特徴とする請求項3記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  8. 前記歪ゲージを貼り付ける工程は、
    前記歪ゲージを、前記圧電アクチュエータ本体の変位方向に伸縮する伸縮部と前記圧電アクチュエータ本体に固定される固定部とを有する歪ゲージ取付板に貼り付ける第1工程と、
    前記歪ゲージが貼り付けられた前記歪ゲージ取付板の前記固定部を前記圧電アクチュエータ本体に固定する第2工程と、を含み、
    前記第1工程は、前記伸縮部を伸長した状態で、前記歪ゲージを前記歪ゲージ取付板に貼り付けることを特徴とする請求項3記載の圧電アクチュエータの製造方法。
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