JP2023070327A - 圧電アクチュエータ用金属筐体および圧電アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

Figure 2023070327000001
【課題】圧電アクチュエータに外部から与圧を与えない状態で高温環境で使用しても、圧電アクチュエータ本体の変位を金属筐体外部に伝えることができる金属筐体およびそれを使用した圧電アクチュエータを提供する。
【解決手段】圧電アクチュエータ本体105を収容する圧電アクチュエータ用金属筐体10であって、前記圧電アクチュエータ本体105の変位方向の一方の端部に形成され前記圧電アクチュエータ本体105の変位を取出す変位取出し部20と、前記変位方向に沿って伸縮するベローズ構造32を有する外筒部30と、を備え、前記変位取出し部20の前記変位方向の厚みは、前記外筒部30の前記ベローズ構造32の谷部の前記変位方向と垂直な方向の厚みより厚く、前記変位取出し部20と前記外筒部30とは、一体的に形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電アクチュエータ用金属筐体およびそれを用いた圧電アクチュエータに関する。
従来、内部電極と圧電層とが交互に積層された圧電素子を複数連結した積層型の圧電アクチュエータが知られている。積層型の圧電アクチュエータは、マスフローコントローラや位置決めステージ等に用いられ、耐湿性を保ち、耐久性を確保するために積層型の圧電素子やそれを多連化した圧電アクチュエータ本体に金属筐体を被せて構成される。
一般的な圧電アクチュエータは内部圧電素子に常に加圧された状態で駆動する事で圧電素子の耐久性が向上する。このため、外部から常に与圧が掛けられる事を前提として設計されている。
また、一部の圧電アクチュエータは、金属筐体に設けられた変位用のダイヤフラム部もしくはベローズ構造によって内部圧電素子に常に与圧を掛けることで、外部から与圧が掛けられていない状況であっても、内部圧電素子変位を筐体外部に伝えることができるものもある。そのような圧電アクチュエータであっても、高温下でもアクチュエータ自体で与圧がかかるようには設計されていない。
その理由は、圧電アクチュエータの設置される環境温度が上昇してくると、筐体の熱膨張係数と圧電素子の熱膨張係数の違いから、温度が上昇につれ筐体の内部素子への加圧が減り、ある温度時点で筐体の熱膨張による筐体の伸びが勝ることとなるためである。そうなると、外部から与圧が掛けられていない状況では圧電素子の本来の駆動変位を筐体外部に伝えることができなくなる。
一般的に筐体に使用しているSUS316の線膨張係数は約16×10-6/℃であり、圧電素子の線膨張係数は約5×10-6/℃程度である。図10は、圧電素子に与圧を掛けないでSUS316の筐体に収容した圧電アクチュエータの入力電圧に対する変位を、いくつかの温度で測定した実験結果を示すグラフである。この実験によると、25℃では0Vから電圧の変位に追従しているが、80℃以降の温度では、ある一定電圧に達しないと変位が得られていない。これは筐体の熱膨張係数による伸びが圧電素子の伸びを上回ってしまったために起こったものである。
このように、従来構造の金属筐体には通常ステンレスが使用され、アクチュエータ内部の変位駆動素子は圧電素子のため熱膨張差が発生する。したがって、筐体から圧電素子に与圧を掛ける構造にしたとしても、金属筐体の熱膨張による伸長が、金属筐体の変位駆動部(ダイアフラム、ベローズ)のバネ圧力による内部圧電素子の押えを超えてしまうと、内部圧電素子の変位を金属筐体に伝えることができなくなる。
これに対し、特許文献1は、アクチュエータ金属筐体部と圧電素子の熱膨張の差を抑える目的で金属筐体内部に熱膨張係数の大きな素材を組み込み、アクチュエータ金属筐体と金属筐体内部部品の熱膨張を合わせる技術が開示されている。また、特許文献2は、金属筐体自体に熱膨張の小さな素材を部分的に使用する技術が開示されている。また、特許文献3は、金属筐体の変位部に穴を明け内部駆動素子の変位を独立させることで金属筐体の熱膨張に左右されない金属筐体の変位部に穴を明け内部駆動素子の変位を独立させることで金属筐体の熱膨張に左右されない技術が開示されている。
特開2003-174207号公報 特開2014-193035号公報 特開2015-115542号公報
しかしながら、特許文献1記載の技術は、金属筐体内部に温度係数の大きな材料を組み込んでおり、アクチュエータ自体の温度係数が大きくなってしまうため、温度によってアクチュエータ全体の寸法が大きく変化してしまうこととなる。
また、特許文献2記載の技術は、金属筐体自体の一部分に熱膨張の小さな素材を使用するため、金属筐体のバネ性を必要とされる部分を従来ステンレスで作製しその他の部分を熱膨張の小さな材料で作製するハイブリット構造となることから、金属筐体自体の製造が難しくコスト高となる。
また、特許文献3記載の技術は、金属筐体の駆動部に穴を開けるため、金属筐体内部の圧電素子を外部雰囲気と完全に独立させる事が出来ず、外部の湿度影響を受け、アクチュエータの信頼性が低下する虞がある。
一方、金属筐体上部にダイヤフラム構造を用いることで金属筐体から圧電素子に与圧を加える場合、筐体径が細いためにバネ性を確保した十分な可動域を得ることができず、高温下の熱膨張差に追従できなかった。また、金属筐体側面にベローズ構造を用いることで、金属筐体のバネ性を確保した十分な可動域を得ることができるが、高温環境で使用するための高い与圧を掛けようとすると、金属筐体上部に変形が発生することから、高温環境でも使用可能な十分な与圧を掛けることができなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、圧電アクチュエータに外部から与圧を与えない状態で高温環境で使用しても、圧電アクチュエータ本体の変位を金属筐体外部に伝えることができる金属筐体およびそれを使用した圧電アクチュエータを提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明の圧電アクチュエータ用金属筐体は、圧電アクチュエータ本体を収容する圧電アクチュエータ用金属筐体であって、前記圧電アクチュエータ本体の変位方向の一方の端部に形成され前記圧電アクチュエータ本体の変位を取出す変位取出し部と、前記変位方向に沿って伸縮するベローズ構造を有する外筒部と、を備え、前記変位取出し部の前記変位方向の厚みは、前記外筒部の前記ベローズ構造の谷部の前記変位方向と垂直な方向の厚みより厚く、前記変位取出し部と前記外筒部とは、一体的に形成されていることを特徴としている。
これにより、金属筐体から圧電アクチュエータ本体に与圧が掛かるように圧電アクチュエータを構成しても、変位取出し部の変形が抑制され、十分な与圧を掛けることができる。そのため、圧電アクチュエータに外部から与圧を与えない状態で高温環境で使用しても、圧電アクチュエータ本体の変位を金属筐体外部に伝えることができる。また、金属筐体を1ピースで一体成形することで筐体製造コスト低減および筐体重量の軽量化を行なうことができ、破損の虞を低減できる。
(2)また、本発明の圧電アクチュエータ用金属筐体において、前記変位取出し部の前記変位方向の厚みは、前記外筒部の前記ベローズ構造の谷部の前記変位方向と垂直な方向の厚みの2倍以上であることを特徴としている。これにより、金属筐体から圧電アクチュエータ本体に大きな与圧が掛かるように圧電アクチュエータを構成しても、変位取出し部の変形が十分に抑制される。
(3)また、本発明の圧電アクチュエータ用金属筐体において、前記変位取出し部の前記外筒部との境界の外面の曲率半径は前記金属筐体の外径の10%以上であることを特徴としている。これにより、変位取出し部の変形がさらに抑制される。
(4)また、本発明の圧電アクチュエータ用金属筐体において、前記変位取出し部は、前記変位方向の伸長方向に突出する凸状の突起部を有し、前記変位取出し部の前記外筒部との境界の外面の曲率半径をR1とし、前記突起部の外面の曲率半径をR2とするとき、R2>R1であることを特徴としている。これにより、突起部を有する圧電アクチュエータにおいて、変位取出し部の変形がさらに抑制される。
(5)また、本発明の圧電アクチュエータは、電圧の印加により変位する圧電アクチュエータであって、一端に変位伝達部を有し、電圧の印加により伸縮する圧電アクチュエータ本体と、前記圧電アクチュエータ本体の他端を支持する座と、上記(1)から(4)のいずれかに記載の金属筐体と、を備えることを特徴としている。これにより、金属筐体から圧電アクチュエータ本体に与圧が掛かるように圧電アクチュエータを構成しても、変位取出し部の変形が抑制され、十分な与圧を掛けることができる。そのため、圧電アクチュエータに外部から与圧を与えない状態で高温環境で使用しても、圧電アクチュエータ本体の変位を金属筐体外部に伝えることができる。また、金属筐体を1ピースで一体成形することで筐体製造コスト低減および筐体重量の軽量化を行なうことができ、破損の虞を低減できる。
本発明によれば、圧電アクチュエータに外部から与圧を与えない状態で高温環境で使用しても、圧電アクチュエータ本体の変位を金属筐体外部に伝えることができる。
(a)、(b)それぞれ実施形態の圧電アクチュエータ用金属筐体の一例を示す正面図および正断面図である。 (a)、(b)それぞれ実施形態の圧電アクチュエータ用金属筐体の変形例を示す正面図および正断面図である。 変位取出し部の一例を示す部分断面図である。 変位取出し部の変形例を示す部分断面図である。 ベローズ構造の一例を示す部分断面図である。 (a)、(b)それぞれ実施形態の圧電アクチュエータの一例を示す正断面図および圧電アクチュエータ本体の一例を示す側面図である。 (a)、(b)それぞれ実施形態の圧電アクチュエータの変形例を示す正断面図および圧電アクチュエータ本体の一例を示す側面図である。 (a)、(b)それぞれ座および端子の一例を示す正断面図および底面図である。 圧電素子の一例を示す正断面図である。 圧電アクチュエータの入力電圧に対する変位を測定した実験結果を示すグラフである。 (a)、(b)それぞれ比較例の圧電アクチュエータを示す正面図および正断面図である。 実施例および比較例の圧電アクチュエータの環境温度に対する変位を測定した実験結果を示すグラフである。
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
[実施形態]
(圧電アクチュエータ用金属筐体の構成)
図1(a)、(b)は、それぞれ実施形態の圧電アクチュエータ用金属筐体の一例を示す正面図および正断面図である。図2(a)、(b)は、それぞれ実施形態の圧電アクチュエータ用金属筐体の変形例を示す正面図および正断面図である。圧電アクチュエータ用金属筐体10は、内部に圧電アクチュエータ本体105が収容され圧電アクチュエータを構成するために使用される。なお、図面に示す圧電アクチュエータ用金属筐体は一例であって、変位取出し部や外筒部、ベローズ構造の形状、位置、サイズ等で本発明は限定されない。
圧電アクチュエータ用金属筐体(金属筐体)10は、有底で開口端を有する筒状を有し、金属で形成されている。金属筐体10は、圧電アクチュエータ本体105を内部に収容する空間を有し、圧電アクチュエータ本体の変位方向の一方の端部に形成され圧電アクチュエータ本体の変位を取出す変位取出し部20と、変位方向に沿って伸縮するベローズ構造32を有する外筒部30、を備える。金属筐体10は、開口端を座等で封止することで、内部の空間を密閉することができる。なお、金属筐体10は、図1、図2に示す円筒形状であることが好ましいが、円筒形状のものに限定されず、例えば、楕円筒形状等であってもよい。
変位取出し部20と外筒部30とは、一体的に形成されている。すなわち、金属筐体10は、1の部材により形成されている。これにより、筐体製造コスト低減および筐体重量の軽量化を行なうことができる。また、複数の部材を接続する場合と比較して、他の部材との接続箇所が少ないので、金属筐体10から圧電アクチュエータ本体105に高い与圧が掛かるように構成しても、接続箇所の破損の虞が低減する。
金属筐体10は、SUS316、SUS316L等のばね性に優れている材質で形成されていることが好ましい。このような、ばね性の高い金属を材料として使用して金属筐体10を形成することで、圧電アクチュエータ100の連続駆動による金属筐体10の疲労破壊の虞を低減することができ、耐久性が向上する。
変位取出し部20は、金属筐体10の開口端と対向する側の端部に形成される。変位取出し部20が被駆動体に接することで、圧電アクチュエータから被駆動体に変位が伝わる。
変位取出し部20は、圧電アクチュエータ本体105の変位を金属筐体10の外部に取り出すことができる形状であれば、どのような形状でもよい。例えば、図1(a)、(b)に示されるような平面であってもよいし、図2(a)、(b)に示されるように突起部22が形成された曲面であってもよい。図2(a)、(b)は、変位方向の伸長方向に突出する凸状の突起部22が形成される金属筐体10の変形例を示している。
変位取出し部20の圧電アクチュエータ本体105の変位方向の厚みは、外筒部30のベローズ構造32の谷部の変位方向と垂直な方向の厚みより厚い。これにより、金属筐体10から圧電アクチュエータ本体105に与圧が掛かるように圧電アクチュエータ100を構成しても、変位取出し部20の変形が抑制され、十分な与圧を掛けることができる。そのため、圧電アクチュエータ100に外部から与圧を与えない状態で高温環境で使用しても、圧電アクチュエータ本体105の変位を金属筐体10の外部に伝えることができる。
図3は、変位取出し部20の中央付近が平面で形成された変位取出し部20の一例を示す部分断面図である。図4は、変位取出し部20に突起部22が形成された変位取出し部20の変形例を示す部分断面図である。図3は図1の実施形態に対応し、図4は図2の実施形態に対応しているが、厚みや曲面の大きさ等は模式的に表しているため厳密に対応はしていない。図3に示されるように変位取出し部20の中央付近が平面で形成されている場合、変位取出し部20の圧電アクチュエータ本体105の変位方向の厚みとは、平面で形成されている範囲の中で、最も厚みの厚い箇所の厚みをいう。また、図4に示されるように変位取出し部20に突起部22が形成されている場合、変位取出し部20の圧電アクチュエータ本体105の変位方向の厚みとは、突起部22の中央の厚みをいう。図5は、ベローズ構造の一例を示す部分断面図である。外筒部30のベローズ構造32の谷部の変位方向と垂直な方向の厚みとは、図5に示される谷部の最も窪んだ箇所の厚みをいう。
また、変位取出し部20の変位方向の厚みは、外筒部30のベローズ構造32の谷部の変位方向と垂直な方向の厚みの2倍以上であることが好ましく、3倍以上であることがより好ましい。これにより、変位取出し部20の変形がより抑制される。また、変位取出し部20の変位方向の厚みは、外筒部30のベローズ構造32の谷部の変位方向と垂直な方向の厚みの5倍以下であることが好ましく、4倍以下であることがより好ましい。これにより、金属筐体10の製造が容易となり、金属筐体10の製造コストを低減できる。
変位取出し部20の外筒部30との境界は、曲面であることが好ましい。また、変位取出し部20の外筒部30との境界の外面の曲率半径をR1とするとき、R1は金属筐体10の外径の10%以上であることが好ましい。これにより、変位取出し部20の変形がより抑制される。変位取出し部20の外筒部30との境界に角が形成されていると、金属筐体10から圧電アクチュエータ本体105に大きな与圧が掛かるように圧電アクチュエータ100を構成したときに、角の部分に応力が集中し、変位取出し部20が変形したり破損したりする虞が生じる。R1は、突起部22が形成されない場合、金属筐体10の外径の40%以下であることが好ましい。なお、金属筐体10の外径は後述する。
変位取出し部20は、変位方向の伸長方向に突出する凸状の突起部22を有し、変位取出し部20の外筒部30との境界が曲面である場合、変位取出し部20の外筒部30との境界の外面の曲率半径をR1とし、突起部22の外面の曲率半径をR2とするとき、R2>R1であることが好ましい。これにより、変位取出し部20の変形がより抑制される。なお、曲率半径R1およびR2は、金属筐体10の変位方向の中心線を含む断面での曲率半径である。
外筒部30は、圧電アクチュエータ本体105の変位方向に沿って伸縮するベローズ構造32を有する。金属筐体10は、圧電アクチュエータ本体105に対し、圧縮する方向に与圧が掛かるように、通常長さより伸長された状態で圧電アクチュエータ本体105を収容している。このとき、ベローズ構造32は、弾性限度が大きく、可動域やバネ強度をベローズ構造32の長さ、数、大きさ等で調整できるので、圧電アクチュエータ本体105に大きな与圧を掛けることができる。
そのため、圧電アクチュエータ100自体に外部から与圧を掛けることなく使用できる。また、圧電アクチュエータ100を高温環境で使用し、金属筐体10が熱膨張しても、伸長された長さと同等範囲までの熱膨張であれば、圧電アクチュエータ本体105に掛かる与圧が小さくなるだけで、金属筐体10自体の長さはほぼ変わらないので、熱膨張を吸収できる。ベローズ構造32の長さ、数、大きさ等は、圧電アクチュエータ本体105のサイズ、変位の大きさ、熱膨張率、与圧の大きさ、金属筐体10のサイズ、熱膨張率、圧電アクチュエータ100の使用温度、製造の容易さ等に応じて決めることができる。
外筒部30のベローズ構造32以外の部分は、直管の筒状に形成されている。このとき、外筒部30の直管の筒状部分の外径を、金属筐体10の外径という。外筒部30のベローズ構造32は、山部の径より小さな径である谷部と谷部の径より大きな径である山部により形成される。このとき、(1)谷部のみが金属筐体10の外径より小さな径で形成され、山部は金属筐体10の外径と同一の径で形成されている形状、(2)山部のみが金属筐体10の外径より大きな径で形成され、谷部は金属筐体10の外径と同一の径で形成されている形状、(3)谷部は金属筐体10の外径より小さな径で形成され、山部は金属筐体10の外径より大きな径で形成されている形状等が考えられ、いずれの形状であっても本発明の効果を奏するが、金属筐体10の筒状の直管から外向きに突出した山部を有しない(1)の形状が、圧電アクチュエータ100の組み込みのしやすさの観点から好ましい。ベローズ構造32は、谷部と山部が連続して交互に形成されていてもよいし、山部と谷部の間に直管部分があってもよい。また、山部または谷部が曲面と直管部分の組み合わせで形成されていてもよい。
(圧電アクチュエータの構成)
図6(a)、(b)は、それぞれ実施形態の圧電アクチュエータの一例を示す正断面図および圧電アクチュエータ本体の一例を示す側面図である。また、図7(a)、(b)は、それぞれ実施形態の圧電アクチュエータの変形例を示す正断面図および圧電アクチュエータ本体の一例を示す側面図である。図8(a)、(b)は、それぞれ座140および端子126、127の正断面図および底面図である。なお、図面に示す圧電アクチュエータ100、圧電アクチュエータ本体105等は一例であって、素子数等で本発明は限定されない。
圧電アクチュエータ100は、圧電アクチュエータ本体105、駆動用の端子126、127、座140、圧電アクチュエータ用金属筐体10で構成され、電圧の印加により伸縮する。圧電アクチュエータ100は、例えばマスフローコントローラの弁の開閉制御部や精密位置決め装置のステージ駆動部に用いられ、その場合、被駆動体(弁、ステージ)を変位させる。
圧電アクチュエータ本体105は、一対のリード線121、122を介して一対の外部電極116、117に電圧が印加されたとき、各圧電素子110が伸縮することで先端が変位する。駆動用の端子126、127は、圧電アクチュエータ本体105のリード線121、122に接続されており、印加電圧をリード線121、122に伝える。
座140は、圧電アクチュエータ本体105の端部に接着され、その一端を固定し、圧電アクチュエータ本体105を支持する。そして、座140側の端部が固定された圧電アクチュエータ本体105の伸縮により先端側の変位伝達部130が変位する。
座140は、金属筐体10の開口している側の端部と固定されることで、圧電アクチュエータ本体105を密封する。湿度や腐食性ガスに弱い圧電アクチュエータ本体105を、低湿度の不活性ガスで気密封止した構造とすることで信頼性と耐久性を向上できる。例えば、切削水で変位装置が濡れるような精密加工機、腐蝕性ガスの流量制御を行う圧電式バルブなどに用いられる。
このように、封止により高湿度、腐食性ガス下など過酷な環境でも問題なく、圧電アクチュエータ100を稼働することができる。金属筐体10内が完全に気密構造となるため、湿度や腐食性ガス等の圧電素子の耐久性を阻害する環境下でも使用可能となり、用途拡大につながる。
端子126、127は、ハーメチック端子として座140を貫通して設けられている。貫通孔にはガラス145または樹脂が充填され、密封されている。
金属筐体10は、上記で説明したものである。金属筐体10は、圧電アクチュエータ本体105の積層方向に与圧を掛けつつ内部に収容し、座140に金属筐体10の開口端が接合され、金属筐体10の内部を封止している。これにより、圧電アクチュエータ100が保護され、耐久性が向上する。なお、金属筐体10の変位取出し部20と、圧電アクチュエータ本体105の変位伝達部130とは当接しているだけで、接着等はされていない。
(圧電アクチュエータ本体)
圧電アクチュエータ本体105は、圧電素子110、リード線121、122、および変位伝達部130で構成されている。圧電アクチュエータ本体105を構成する複数の圧電素子110は、直列に配置、連結され(多連化)、その端面同士が接着剤により接着されている。複数の圧電素子110が接着されることで大きい変位量を確保できる。なお、直列とは、伸縮方向すなわち圧電素子110内の圧電層および内部電極の積層方向を意味する。
リード線121、122は、駆動用の端子126、127と各圧電素子110の外部電極116、117とを接続している。なお、図6(b)または図7(b)で示す側面とは反対側でも同様に接続がなされている。
変位伝達部130は、十分な強度を有する無機材料または有機材料で形成され、圧電アクチュエータ本体105の被駆動体へ変位を伝える先端側に設けられている。変位伝達部130は、金属筐体10の変位取出し部20の形状に合わせて、平面状や突起状に形成されている。変位伝達部130は、突起状に形成される場合、例えば、球状、半球状に形成されてもよい。変位伝達部130は、中空部材であってもよい。変位伝達部130と圧電アクチュエータ本体105とは強固に接着されており、変位伝達部130は金属筐体10の変位取出し部20の内側部分に当接する。変位伝達部130と圧電アクチュエータ本体105との間に圧電素子用補強シム135を備えていてもよい。図6の実施形態では、圧電素子用補強シム135が変位伝達部130の役割を兼ねている。
(圧電素子)
図9は、圧電素子110の正断面図である。圧電素子110は、印加電圧に対して変位を出力し、圧電層113、内部電極114、115および外部電極116、117を有している。圧電素子110は、圧電層113と内部電極114、115とが交互に積層されている。また、圧電素子110の側面において、外部電極116、117は内部電極114、115に接続されている。圧電層は、例えばPZT、チタン酸バリウム等の圧電材料で構成できる。電極材料には、Ag、Ag-Pd、Pt等を用いることができる。
(圧電アクチュエータの製造方法)
次に、上記のように構成された圧電アクチュエータ100の製造方法を説明する。まず、圧電層と内部電極とが交互に積層された圧電素子110を作製する。具体的には、圧電セラミックスのグリーンシートにAgやAg-Pd等の電極ペーストを印刷して積層、圧着し、焼成する。次に、圧電素子110の側面に積層方向に沿って、内部電極に接続された外部電極116、117を形成する。圧電素子110の側面に電極ペーストを印刷して焼成することで外部電極116、117を形成できる。
得られた複数の圧電素子110の積層方向の端面には、エポキシ等の接着剤を塗布して接着し、直列方向に連結する。このようにして多連化を行い、接着剤を硬化させる。そして、金属製で板状のリード線を、外部電極に固着させて、多連化した圧電アクチュエータ本体105を作製できる。一方、圧電アクチュエータ用金属筐体10は、変位取出し部20とベローズ構造32を有する外筒部30とを1の部材により一体的に形成する。また、所定の形状の座140を準備しておく。
上記の圧電アクチュエータ本体105を座140に設置し、金属筐体10を被せて封止する。このとき、金属筐体10を通常の長さより伸長させた状態で座140と溶接し固定する。伸長させる長さは、製造時の温度と使用時の温度との差に対する金属筐体10と圧電アクチュエータ本体105との熱膨張差寸法と、圧電アクチュエータ100の駆動時の変位寸法との和より大きくすることが好ましい。これにより、予め伸長させた金属筐体10により金属筐体10と圧電アクチュエータ本体105との熱膨張差を吸収することができ、高温環境でも外部から与圧を掛けることなく圧電アクチュエータ本体105の変位を外部に取出すことができる。
外部電極116、117に接続されるリード線121、122は、座140に挿通された端子126、127に接続されている。このようにして、圧電アクチュエータ100を作製することができる。なお、端子126、127は、それぞれ駆動電源に電気的に接続される。
[実施例および比較例]
図6(a)に示す形状の実施例の圧電アクチュエータと、図11(a)、(b)に示す形状の比較例の圧電アクチュエータを製造した。図11(a)、(b)は、それぞれ比較例の圧電アクチュエータを示す正面図および正断面図である。また、実施例および比較例の圧電アクチュエータ本体は6個の圧電素子を多連化した同一のものを使用した。また、座も同一のものを使用した。
実施例の金属筐体は、使用時の温度が200℃であると想定して、製造時の温度20℃との差に対する金属筐体と圧電アクチュエータ本体との熱膨張差寸法を求めた。そして、金属筐体をこの熱膨張差寸法より大きく伸長させた状態で、金属筐体の変位取出し部と圧電アクチュエータ本体の変位伝達部とが当接するように金属筐体の長さ、ベローズ構造の大きさ、数等を設計して作製した。作製された実施例の金属筐体は、変位取出し部の変位方向の厚みは、0.32mm、ベローズ構造の谷部の変位方向に垂直な方向の厚みは、0.14mmであった。そして、金属筐体を伸長させた状態で圧電アクチュエータ本体を内部に収容し、座と金属筐体とを溶接し接合することで実施例の圧電アクチュエータを作製した。
比較例の金属筐体は、変位取出し部をダイヤフラム構造として、外筒部にはベローズ構造を設けなかった。比較例の金属筐体は、一体的に形成した。比較例の金属筐体は、変位取出し部の変位方向の厚みは、0.20mm、外筒部の変位方向に垂直な方向の厚みは、0.17mmであった。そして、金属筐体をダイヤフラム構造が塑性変形しない程度伸長させた状態で圧電アクチュエータ本体を内部に収容し、座と金属筐体とを溶接し接合することで比較例の圧電アクチュエータを作製した。
実施例および比較例の圧電アクチュエータを、使用環境の温度を変化させ、150Vの一定の電圧を印加したときの変位を測定した。図12は、実施例および比較例の圧電アクチュエータの環境温度に対する変位を測定した実験結果を示すグラフである。図12に示されるように、比較例の圧電アクチュエータは70℃程度まではそれより低い温度の使用環境での変位と同等の大きさの変位が得られたが、それより使用環境の温度が高くなると、得られる変位が減少した。これは、比較例は、ダイヤフラム構造が塑性変形しない程度伸長させた状態で圧電アクチュエータ本体を内部に収容したため、金属筐体から圧電アクチュエータ本体に掛かる与圧が十分ではなく、金属筐体の熱膨張により圧電アクチュエータ本体の変位伝達部と金属筐体の変位取出し部との間に隙間が生じたためであると考えられる。
これに対し、実施例の圧電アクチュエータは、200℃まで同等の大きさの変位が得られ、変位は減少しなかった。これは、金属筐体から圧電アクチュエータ本体に掛かる与圧が十分であったため、金属筐体の熱膨張を吸収することができ、圧電アクチュエータ本体の変位伝達部と金属筐体の変位取出し部との間に隙間が生じなかったためであると考えられる。
以上の結果により、本発明の金属筐体および圧電アクチュエータは、圧電アクチュエータに外部から与圧を与えない状態で高温環境で使用しても、圧電アクチュエータ本体の変位を金属筐体外部に伝えることができることが分かった。
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形および均等物に及ぶことはいうまでもない。また、各図面に示された構成要素の構造、形状、数、位置、大きさ等は説明の便宜上のものであり、適宜変更しうる。
10 圧電アクチュエータ用金属筐体
20 変位取出し部
22 突起部
30 外筒部
32 ベローズ構造
100 圧電アクチュエータ
105 圧電アクチュエータ本体
110 圧電素子
113 圧電層
114、115 内部電極
116、117 外部電極
121、122 リード線
126、127 端子
130 変位伝達部
135 圧電素子用補強シム
140 座
145 ガラス

Claims (5)

  1. 圧電アクチュエータ本体を収容する圧電アクチュエータ用金属筐体であって、
    前記圧電アクチュエータ本体の変位方向の一方の端部に形成され前記圧電アクチュエータ本体の変位を取出す変位取出し部と、
    前記変位方向に沿って伸縮するベローズ構造を有する外筒部と、を備え、
    前記変位取出し部の前記変位方向の厚みは、前記外筒部の前記ベローズ構造の谷部の前記変位方向と垂直な方向の厚みより厚く、
    前記変位取出し部と前記外筒部とは、一体的に形成されていることを特徴とする金属筐体。
  2. 前記変位取出し部の前記変位方向の厚みは、前記外筒部の前記ベローズ構造の谷部の前記変位方向と垂直な方向の厚みの2倍以上であることを特徴とする請求項1記載の金属筐体。
  3. 前記変位取出し部の前記外筒部との境界の外面の曲率半径は前記金属筐体の外径の10%以上であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の金属筐体。
  4. 前記変位取出し部は、前記変位方向の伸長方向に突出する凸状の突起部を有し、
    前記変位取出し部の前記外筒部との境界の外面の曲率半径をR1とし、前記突起部の外面の曲率半径をR2とするとき、R2>R1であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の金属筐体。
  5. 電圧の印加により変位する圧電アクチュエータであって、
    一端に変位伝達部を有し、電圧の印加により伸縮する圧電アクチュエータ本体と、
    前記圧電アクチュエータ本体の他端を支持する座と、
    請求項1から請求項4のいずれかに記載の金属筐体と、を備えることを特徴とする圧電アクチュエータ。
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