JP2008108512A - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び電気光学装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び電気光学装置 Download PDF

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Abstract

【課題】大判の基板に電極分割構造としての隔壁を作成する場合も一様に電極を分割でき、フォトリソグラフィー法に比較して低コスト化を図ることを可能にする。
【解決手段】第2電極分離構造製造工程は、薄膜形成工程、硬化型材料印刷工程、硬化工程及び薄膜除去工程からなる。薄膜形成工程は、第1電極13を形成した基板12上に、未硬化の硬化型材料との濡れ性の低い薄膜20を形成する。硬化型材料印刷工程は、薄膜20上の第2電極16を形成すべき箇所を除いた領域に、薄膜20との接触角が90度より大きな状態で接着する未硬化の硬化型材料22を複数の線状に印刷する。硬化工程は、印刷された未硬化の硬化型材料22を硬化させる。薄膜除去工程は、薄膜20の硬化型材料22で覆われていない部分を除去する。
【選択図】図2

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機エレクトロルミネッセンスを適宜、有機ELという。)の製造方法及び電気光学装置に係り、詳しくはパッシブマトリックス型の有機ELディスプレイパネルに好適な有機EL素子の製造方法及び電気光学装置に関する。
有機ELディスプレイパネルは、第1電極(陽極)と第2電極(陰極)との間に有機EL層が形成されており、パッシブマトリックス型の有機ELディスプレイパネルを形成する場合は、有機EL層を形成した後に、第2電極を第1電極と直交する平行なストライプ状に形成する必要がある。このとき、隣接する第2電極同士の絶縁性を確保するため、第2電極と平行に延びる隔壁を設けることが行われている。そして、隔壁を形成する方法として、フォトリソグラフィー法が使用されている。
また、フォトリソグラフィー法を使用せずに電極分離手段(隔壁)を形成する方法も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法は、図3(a)に示すように、まず基板51上に硬化型材料を用いてパターン52を印刷する。パターン52を構成する硬化型材料として紫外線硬化型樹脂が使用される。紫外線硬化型樹脂として粘度が400Pa・s〜600Pa・sで、チクソトロピー指数(チクソトロピー・インデックス)が4〜6のものが使用されている。印刷されたパターン52の端部は粘性によって毛羽立ち、フランジ部52aが形成され、頂部付近の輪郭が「M」字状あるいは「U」字状をしている。次に図3(b)に示すように、パターン52の上部から空気を吹き付けて、空気圧によってフランジ部52aを外側に倒す。エアブローは、スリットを有するノズルNから空気を供給して行う。その結果、パターン52上に立っていたフランジ部52aが全て倒されて、図3(c)に示すように、庇部53となる。庇部53が形成された後、パターン52に光を照射して光硬化性樹脂を硬化させると、電極分離構造54が完成する。次に基板51の上方から金属材料を供給して電極層を形成する。このとき、電極分離構造54には一様に庇部53が張り出しているので、電極層が電極分離構造54によって分離され、図3(d)に示すように、電極分離構造54の上部の電極層55aと、基板51上の電極層55bとに分離される。
特開2005−197190号公報
ガラス基板上に有機ELディスプレイパネルを形成する場合、一般に、複数の有機ELディスプレイパネルを1枚のガラス基板上に形成した後、スクライブ・アンド・ブレイクという方法を用いて個々の製品寸法に分割する多面取りが採用されている。大判のガラス板を基板として使用する場合、基板が反るため、フォトリソグラフィー法を使用して隔壁(電極分離構造)を形成する方法では、基板上にフォトレジストを均一の膜厚に塗布することが難しく、陰極分割が不完全な部分が発生するという問題があった。また、フォトリソグラフィー法では、設備が高価になるとともに、高価なフォトレジストの大部分がエッチングで除去されて無駄になるという問題もある。
一方、特許文献1に記載の方法では、図3(a)に示すように、両側面が基板51に対して垂直で、しかも庇部53となるべきフランジ部52aが立った形状のパターン52を得ることが難しい。
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その第1の目的は、大判の基板に電極分割構造としての隔壁を作成する場合も一様に電極を分割でき、フォトリソグラフィー法に比較して低コスト化を図ることができる有機EL素子の製造方法を提供することにある。また、第2の目的は、前記製造方法で製造された有機EL素子を備えた電気光学装置を提供することにある。
前記の第1の目的を達成するため請求項1に記載の発明は、第1電極、有機発光層及び第2電極が積層された有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、第2電極分離構造製造工程は、第1電極を形成した基板上に、未硬化の硬化型材料との濡れ性の低い薄膜を形成する薄膜形成工程を備えている。また、前記薄膜上の前記第2電極を形成すべき箇所を除いた領域に、前記薄膜との接触角が90度より大きな状態で接着する未硬化の硬化型材料を複数の線状に印刷する硬化型材料印刷工程と、前記印刷された未硬化の硬化型材料を硬化させる硬化工程と、前記薄膜の前記硬化型材料で覆われていない部分を除去する薄膜除去工程とを備えている。
この発明では、第1電極が形成された基板上に薄膜形成工程において、薄膜が形成される。薄膜は未硬化の硬化型材料との濡れ性が低い。硬化型材料印刷工程では、薄膜上に未硬化の硬化型材料が線状に印刷される。その後、硬化工程で硬化型材料が硬化される。硬化後、薄膜除去工程において、薄膜の前記硬化型材料で覆われていない部分が除去されることにより、第2電極分離構造製造工程が完了する。印刷された未硬化の硬化型材料は、薄膜との接触角が90度より大きな状態で薄膜に接着するため、線状に印刷された硬化型材料の両側には長手方向に沿ってオーバーハング部が存在する状態となる。その状態で硬化されるため、硬化工程完了後も、線状に印刷された硬化型材料の両側には長手方向に沿ってオーバーハング部が存在する。そして、硬化型材料の存在しない部分の薄膜が除去されることにより第1電極が露出される状態になる。したがって、その後、有機EL層及び第2電極を真空蒸着法で順次形成すれば、第2電極は分離された状態で形成される。その結果、フォトリソグラフィー法を利用せずに電極分割構造としての隔壁を形成することができ、大判の基板に電極分割構造としての隔壁を作成する場合も一様に電極を分割でき、フォトリソグラフィー法に比較して低コスト化を図ることができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記薄膜はフッ素コートされて形成されたものである。この発明では、未硬化の硬化型材料との濡れ性の低い薄膜を容易に形成することができる。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記硬化型材料はソルダーレジストである。この発明では、薄膜との接触角が90度より大きな状態で接着する未硬化の硬化型材料を入手し易い。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記硬化型材料は、未硬化の状態において100dPa・s以上200dPa・s以下の粘度である。この発明では、未硬化の硬化型材料と薄膜との接触角が90度より大きな状態で接着し易くなる。
請求項5に記載の発明では、請求項3又は請求項4に記載の発明において、前記硬化型材料は、未硬化の状態においてチクソトロピー・インデックスが1以上2以下である。この発明では、未硬化の硬化型材料と薄膜との接触角が90度より大きな状態で接着し易くなる。
請求項6に記載の発明では、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記硬化型材料は、スクリーン印刷又はインクジェットにより印刷される。この発明では、未硬化の硬化型材料を薄膜上に線状で印刷し易い。
請求項7に記載の発明では、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の発明において、前記硬化型材料は、光硬化型材料である。この発明では、熱硬化型材料に比較して、硬化工程において、硬化型材料が薄膜との接触角を90度より大きな状態に保持したまま硬化させ易い。
請求項8に記載の発明の電気光学装置は、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法で製造された有機エレクトロルミネッセンス素子を備えている。ここで、「電気光学装置」とは、電気的作用によって自ら光を発する発光層を備えた装置を意味し、例えば、有機ELディスプレイ、モニタ画面に有機ELディスプレイを備えた装置、タッチパネルの画面に有機ELディスプレイが使用されている装置等が挙げられる。この発明では、有機EL素子を製造する際に請求項1〜請求項7のいずれか一項と対応する効果を得ることができる。
請求項1〜請求項7に記載の発明によれば、大判の基板に電極分割構造としての隔壁を作成する場合も一様に電極を分割でき、フォトリソグラフィー法に比較して低コスト化を図ることができる有機EL素子の製造方法を提供することができる。請求項8に記載の発明によれば、前記製造方法で製造された有機EL素子を備えた電気光学装置を提供することができる。
以下、本発明をパッシブマトリックス型の有機ELディスプレイパネルに具体化した一実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。なお、図1及び図2は、有機ELディスプレイパネルの構成を模式的に示したものであり、図示の都合上、一部の寸法を誇張して分かり易くするために、それぞれの部分の幅、長さ、厚さ等の寸法の比は実際の比と異なっている。
図1(a)は封止膜を省略した有機ELディスプレイパネルの概略斜視図である。図1(a)に示すように、有機ELディスプレイパネル11は、基板12と、基板12上にストライプ状に形成された第1電極13と、第1電極13と交差する状態で設けられた複数の第2電極分離構造としての隔壁14と、第1電極13上に設けられた有機EL層(有機エレクトロルミネッセンス層)15とを備えている。また、有機EL層15上に隔壁14と平行に形成された第2電極16と、封止膜17(図1(b)に図示)とを備えている。即ち、第1電極13と第2電極16との各交差部において、両電極13,16との間に有機EL層15が設けられた状態でそれぞれ有機EL素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)18が形成されており、有機ELディスプレイパネル11は、基板12上に有機EL素子18がマトリックス状に配置されている。
基板12として透明なガラス基板が使用されている。
第1電極13は陽極を構成するとともに、公知の有機EL素子で透明電極として用いられるITO(インジウム錫酸化物)により形成されている。各第1電極13の間には第1電極13とほぼ同じ厚さの絶縁膜19が設けられており、第1電極13の表面と絶縁膜19の表面とはほぼ同一平面を形成している。この実施形態では絶縁膜19は、幅が第1電極13の幅より大きく形成されている。例えば、絶縁膜19の幅と第1電極13の幅との比が、5:3になるように形成されている。絶縁膜19は、ポジ型レジストで形成されている。
隔壁14は、薄膜20と、薄膜20上に形成された隔壁本体21とで構成されている。
薄膜20はフッ素コートされている。ここで、フッ素コートには、CVDやスパッタでCFx膜を形成した場合やフッ素樹脂コートされる場合も含まれる。薄膜20は1μmより薄く形成されている。
隔壁本体21は、断面略楕円状に形成されるとともに、薄膜20の幅より広い幅(例えば、15μm程度)で形成されている。隔壁本体21は高さHが、例えば、3.0μm程度に形成されている。そして、隔壁本体21の曲面の下端が薄膜20の表面と接する箇所における接触角θが90度より大きく、好ましくは110度〜140度、より好ましくは120度〜130度に形成されている。即ち、隔壁本体21は、その長手方向に沿って両側にオーバーハング部が存在する状態に形成されている。
隔壁本体21は、未硬化の硬化型材料を薄膜20上に線状に印刷した後、硬化させた硬化型材料で形成されている。この実施形態では、硬化型材料としてソルダーレジストが使用されている。また、硬化型材料として光硬化型材料が使用され、光硬化型材料として紫外線硬化型材料が使用されている。
有機EL層15は、第1電極13側から順に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層が積層されて形成されている。
第2電極16は陰極を構成するとともに、有機EL素子の陰極に適した金属、例えばアルミニウムにより形成され、光反射性を有している。即ち、有機EL素子18は、有機EL層15から発せられた光が基板12側から取り出される(出射される)所謂ボトムエミッションタイプに構成されている。
封止膜17は、第1電極13、有機EL層15、隔壁14及び第2電極16の露出部分、即ち、封止膜17が形成される前の状態において露出している部分を覆うように形成されている。但し、第1電極13の取り出し部及び第2電極16の取り出し部、即ち端子部には封止膜17は形成されない。封止膜17は、窒化ケイ素で形成されるとともに、膜厚が、例えば、1μm〜4.0μm程度に形成されている。基板12の封止膜17が形成される側の面は、隔壁14の存在により、封止膜17の厚さは場所によって異なるため、この明細書で封止膜17の厚さという場合は、封止膜17のうち基板12と平行な面に形成されている部分の厚さを意味する。
次に有機ELディスプレイパネル11の製造方法を説明する。
先ずパターニング工程において、基板12の上に透明電極を構成するITO膜を形成する。ITO膜はスパッタリング法、真空蒸着法、イオン化蒸着法等の公知の薄膜形成方法によって形成される。次に、このITO膜に対してエッチングを行い、第1電極13をストライプ状に形成する。
次に絶縁膜19が第1電極13の間を埋めるように形成される。絶縁膜19は、ポジ型レジストを使用したフォトリソグラフ法により形成される。
次に、薄膜形成工程、硬化型材料印刷工程、硬化工程及び薄膜除去工程からなる第2電極分離構造製造工程が行われる。
薄膜形成工程では、第1電極13及び絶縁膜19を形成した基板12上に、未硬化の硬化型材料との濡れ性の低い薄膜20を形成する。具体的には、基板12上の第1電極13及び絶縁膜19を覆うように薄膜20がフッ素でコーティングされて図2(a)の状態になる。薄膜20の役割は、未硬化の硬化型材料が印刷された際、接触角が90度より大きくなるようにすることが主なため、膜厚は1μm以下でよい。
硬化型材料印刷工程では、薄膜20上の第2電極16を形成すべき箇所を除いた領域に、薄膜20との接触角θが90度より大きな状態で接着する未硬化の硬化型材料を複数の線状に印刷する。硬化型材料22は、第1電極13と直交する状態に印刷されて図2(b)に示す状態となる。印刷は、スクリーン印刷で行われる。印刷された未硬化の硬化型材料22は、薄膜20との接触角θが90度より大きな状態で薄膜20に接着するため、線状に印刷された硬化型材料22の両側には長手方向に沿ってオーバーハング部が存在する状態となる。
硬化型材料22は、未硬化の状態において、粘度が100dPa・s以上200dPa・s以下で、チクソトロピー・インデックスが1以上2以下のものが使用される。未硬化の状態において、粘度が高すぎても、低すぎても高寸法精度で隔壁14を形成し難くなる。チクソトロピー・インデックスが高すぎると気泡が発生してしまい、逆に低すぎるとレジスト形状が崩れやすくなる。この実施形態では、粘度が170dPa・sで、チクソトロピー・インデックスが1.1の紫外線硬化型材料を使用した。
硬化工程では、印刷された未硬化の硬化型材料22に紫外線を照射して硬化させる。
薄膜除去工程では、薄膜20の硬化型材料で覆われていない部分を除去する。除去はドライエッチングにより行われる。薄膜除去工程終了により、図2(c)に示すように、第1電極13と直交する方向(図2(c)の紙面と垂直方向)に延びる隔壁14が所定間隔で形成された状態となる。
次に基板12をUVオゾン洗浄した後、有機EL層形成工程により有機EL層15が形成される。有機EL層15は、有機EL層15を構成する各層が公知の真空蒸着法により順次形成されることで形成される。各層の厚みは、例えば、1〜100nmの範囲である。有機EL層15は、隔壁14の間の第1電極13及び絶縁膜19上に限らず、隔壁14の上にも形成される。
次に第2電極形成工程により、有機EL層15を覆うとともに、第1電極13と直交する平行なストライプ状の第2電極16が形成される。第2電極16はAl(アルミニウム)を蒸着することにより形成される。Alは隔壁14上に形成された有機EL層15の上にも積層される。しかし、隔壁本体21は薄膜20の幅より広く形成されるとともに両側にオーバーハング部を備えているため、図2(d)に示すように、隔壁14上に積層されたAl層は第1電極13と対応する位置に積層されたAl層と完全に分離された状態になり、第1電極13と対応する位置に積層されたAl層が第2電極16になる。
次に封止膜形成工程で封止膜17が形成される。封止膜17は、第2電極16が形成された後、真空一環で公知のプラズマCVD法で窒化ケイ素を蒸着することにより形成される。その結果、図1(b)に示すように、隔壁14及び第2電極16等が封止膜17で覆われた状態になる。封止膜17の膜厚は、プラズマCVDの蒸着時間を制御することにより調整できる。
次に前記のように構成された有機ELディスプレイパネル11の第1電極13及び第2電極16が、図示しない駆動回路に接続されて電気光学装置としての表示装置が構成される。そして、発光させるべき有機EL素子18と対応する第1電極13及び第2電極16間に電圧が印加されると、その有機EL素子18の有機EL層15が発光する。
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1)第2電極分離構造製造工程は、第1電極13を形成した基板12上に、未硬化の硬化型材料との濡れ性の低い薄膜20を形成する薄膜形成工程と、薄膜20上の第2電極16を形成すべき箇所を除いた領域に、薄膜20との接触角θが90度より大きな状態で接着する未硬化の硬化型材料を複数の線状に印刷する硬化型材料印刷工程とを備えている。また、印刷された未硬化の硬化型材料22を硬化させる硬化工程と、薄膜20の前記硬化型材料で覆われていない部分を除去する薄膜除去工程とを備えている。したがって、フォトリソグラフィー法を使用せずに電極分割構造としての隔壁14を形成することができ、大判の基板12に電極分割構造としての隔壁14を作成する場合も一様に電極を分割でき、フォトリソグラフィー法に比較して低コスト化を図ることができる。
(2)薄膜20はフッ素コートされて形成されたものである。したがって、未硬化の硬化型材料22との濡れ性の低い薄膜20を容易に形成することができる。
(3)硬化型材料はソルダーレジストである。したがって、薄膜20との接触角θが90度より大きな状態で接着する未硬化の硬化型材料を入手し易い。
(4)硬化型材料は、未硬化の状態において100dPa・s以上200dPa・s以下の粘度であるため、未硬化の硬化型材料と薄膜20との接触角θが90度より大きな状態で接着し易くなる。
(5)硬化型材料は、チクソトロピー・インデックスが1以上2以下であるため、未硬化の硬化型材料と薄膜20との接触角θが90度より大きな状態で接着し易くなる。
(6)硬化型材料は、スクリーン印刷により印刷されるため、未硬化の硬化型材料を薄膜20上に線状で印刷し易い。
(7)硬化型材料は、光硬化型材料であるため、熱硬化型材料に比較して、硬化工程において、硬化型材料が薄膜20との接触角θを90度より大きな状態に保持したまま硬化させ易い。
(8)基板12上にストライプ状に形成された第1電極13の間に絶縁膜19が形成されているため、薄膜20全体が凹凸のない平面状に形成され、未硬化の硬化型材料22を線状にかつ薄膜20との接触角θが90度より大きくなるように印刷するのが容易になる。
(9)電気光学装置としての表示装置を構成する有機ELディスプレイパネル11は、前記第2電極分離構造製造工程を有機EL素子の製造工程に含んでいるため、製造する際に、前記各効果が得られる。
実施形態は前記に限らず、例えば次のように構成してもよい。
○ 薄膜20は、フッ素コートに限らず、未硬化の硬化型材料との濡れ性が低く、エッチング可能な材料であればよい。
○ 第1電極13を形成した基板12上に形成された薄膜20の、未硬化の硬化型材料が線状に印刷された箇所を除く部分を除去するエッチングは、ドライエッチングに限らずウェットエッチングでもよい。
○ 隔壁14の薄膜20との接触角θが90度より大きく形成されれば、硬化型材料22の材質は特に限定されない。例えば、硬化型材料22として紫外線硬化型材料に代えて、紫外線以外の光線で硬化可能な光硬化型材料としたり、熱硬化型材料としたりしてもよい。硬化型材料22に熱硬化型材料を使用した場合は、硬化工程で加熱を行う際に、印刷された状態の硬化型材料22が変形してオーバーハング部が薄膜20に接着する虞があるため、光硬化型材料の方が好ましい。
○ 薄膜20の主な役割を、硬化型材料22との接触角θを90度より大きく形成することに加えて、隔壁本体21のオーバーハング部の第1電極13からの高さを高くすることとする場合は、薄膜20の厚さを1μm以上にしてもよい。しかし、薄膜20の厚さをあまり厚くすると封止膜17による封止性が悪くなるため、6μm以下が好ましい。
○ 絶縁膜19をポジ型レジストに代えてネガ型レジストで形成してもよい。
○ 絶縁膜19を設けずに、薄膜20を隣接する第1電極13間においては基板12上に直接積層する状態で設けてもよい。しかし、絶縁膜19を設けない場合は、薄膜20が平坦にならず、凹凸が繰り返される状態になるため硬化型材料22を線状に印刷する際、線状に印刷された硬化型材料22の長手方向全長にわたってオーバーハング部を均一に形成するのが難しくなるため、絶縁膜19を設ける方が好ましい。
○ 未硬化の硬化型材料の第1電極13及び絶縁膜19又は基板12との接触角θが90度より大きければ、隔壁14は、薄膜20を設けずに隔壁本体21のみで形成されてもよい。この場合、製造がより簡単になる。
○ 第1電極13の幅、絶縁膜19の幅、隔壁14の薄膜20及び隔壁本体21の幅や厚さ、隣接する隔壁14の間隔、第2電極16の厚さ等は適宜変更してもよい。
○ パッシブマトリックス型の有機ELディスプレイパネルの場合、第1電極13と第2電極16とは交差していればよく、必ずしも直交でなくてもよい。
○ 硬化型材料22の印刷は、スクリーン印刷に限らず、例えば、インクジェットで印刷してもよい。
○ パッシブマトリックス型の有機ELディスプレイパネルに限らず、複数の線状の発光部が隣接して形成された有機ELディスプレイパネルに適用してもよい。即ち、複数本のストライプ状の第1電極13及び第2電極16が交差するように設けられた構成に代えて、ストライプ状に形成された複数の金属製第2電極16を形成するとともに、全ての第2電極16に共通の第1電極13を1個、ベタ電極として設けてもよい。
○ 有機EL層15の構成は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層の構成に限らず、少なくとも発光層を含む構成であればよい。例えば、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層の3層構成や、発光層を挟んで正孔注入輸送層と電子注入輸送層とを設けた3層構成としてもよい。また、発光層の材料によっては、有機EL層15を発光層のみから構成してもよい。
○ 有機ELディスプレイパネル11はモノカラー表示に限らず、数色のエリアカラー表示やフルカラー表示に適用してもよい。フルカラー表示の場合、例えば、基板12としてカラーフィルタの表面に透明な樹脂製のオーバーコート層が形成されたものを使用する。そして、オーバーコート層の上に第1電極13、絶縁膜19、隔壁14、有機EL層15,第2電極16等を形成する。
○ 有機EL層15が白色発光を行う構成としてもよい。白色発光を行う構成として、青色発光層、緑色発光層及び赤色発光層を重なるように配置する構成や、青色発光層、緑色発光層及び赤色発光層をそれぞれストライプ状に形成するとともに、赤、緑、青の発光部が順に隣接して繰り返し並ぶように設けてもよい。また、1層の発光層に赤、緑、青の発光を行う有機発光材料を混在させてもよい。
○ 基板12はガラスに限らず、透明な樹脂基板やフィルムであってもよい。
○ 第1電極13を構成する透明電極は、ITOに限らず、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、ZnO(酸化亜鉛)、SnO(酸化錫)等を用いることができる。
○ 第2電極16は、アルミニウムに限らず、従来用いられている公知の陰極材料等が使用でき、例えば、金、銀、銅、クロム等の金属やこれらの合金等が用いられる。
○ 第2電極16は光反射機能を備えていなくてもよい。
○ 有機EL素子18は基板12側から光を出射する構成に限らず、基板12と反対側から光を出射する所謂トップエミッション型の有機EL素子としてもよい。この場合、有機EL素子18は、有機EL層15を挟んで基板12と反対側に配置される第2電極16は透明電極で形成される。ITO膜の表面の仕事関数は正孔の注入に適した値のため陽極としては適しているが、陰極としては最適ではないため、有機EL素子18の陰極を構成する電極を透明にするためITOで形成した場合、ITOの有機EL層15と対向する表面に金属層を光透過性を有するように薄い膜厚で形成するのが好ましい。
○ 有機EL素子18を所謂トップエミッション型の構成とした場合、基板12側に配置される第1電極13は透明でなくてもよい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
・ 第1電極、有機発光層及び第2電極が積層された有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、前記第1電極を形成した基板上の前記第2電極を形成すべき箇所を除いた領域に、前記第1電極との接触角が90度より大きな状態で接着する未硬化の硬化型材料を複数の線状に印刷する硬化型材料印刷工程と、前記印刷された未硬化の硬化型材料を硬化させる硬化工程とからなる第2電極分離構造製造工程を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(a)は一実施形態の有機ELディスプレイパネルの概略部分斜視図、(b)は部分模式断面図。 (a)〜(d)は有機ELディスプレイパネルの製造工程を説明する部分模式断面図。 (a)〜(d)は従来技術の電極分離手段の製造工程を説明する断面図。
符号の説明
θ…接触角、12…基板、13…第1電極、14…第2電極分離構造としての隔壁、15…有機EL層、16…第2電極、18…有機EL素子、20…薄膜、22…硬化型材料。

Claims (8)

  1. 第1電極、有機発光層及び第2電極が積層された有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
    前記第1電極を形成した基板上に、未硬化の硬化型材料との濡れ性の低い薄膜を形成する薄膜形成工程と、
    前記薄膜上の前記第2電極を形成すべき箇所を除いた領域に、前記薄膜との接触角が90度より大きな状態で接着する未硬化の硬化型材料を複数の線状に印刷する硬化型材料印刷工程と、
    前記印刷された未硬化の硬化型材料を硬化させる硬化工程と、
    前記薄膜の前記硬化型材料で覆われていない部分を除去する薄膜除去工程と
    からなる第2電極分離構造製造工程を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. 前記薄膜はフッ素コートされて形成されたものである請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  3. 前記硬化型材料はソルダーレジストである請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  4. 前記硬化型材料は、未硬化の状態において100dPa・s以上200dPa・s以下の粘度である請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  5. 前記硬化型材料は、未硬化の状態においてチクソトロピー・インデックスが1以上2以下である請求項3又は請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  6. 前記硬化型材料は、スクリーン印刷又はインクジェットにより印刷される請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  7. 前記硬化型材料は、光硬化型材料である請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  8. 請求項1〜請求項7いずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法で製造された有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた電気光学装置。
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