JP2008107686A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】商用電源の電圧変動を確実に抑制しながらも十分な定着性能を確保して印刷できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像データに基づいて用紙上にトナー像を形成する画像形成部3と、前記トナー像を加熱して用紙上に定着させる定着部4と、照明光の光量を検出する照度センサ5と、前記定着部4に備えたヒータの制御時に前記照度センサ5により所定レベル以上の光量の変動が検出されるか否かに基づいて、前記ヒータの制御を切り替えるヒータ制御手段113とを備えてなる画像形成装置であって、前記ヒータ制御手段113による制御状態に基づいてプリント処理速度を変更するプリント速度切替手段123を備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、画像データに基づいて用紙上にトナー像を形成する画像形成部と、前記トナー像を加熱して用紙上に定着させる定着部と、照明光の光量を検出する照度センサと、前記定着部に備えたヒータの制御時に前記照度センサにより所定レベル以上の光量の変動が検出されるか否かに基づいて、前記ヒータの制御を切り替えるヒータ制御手段とを備えてなる画像形成装置に関する。
電子写真方式を採用する複写機やプリンタ等の画像形成装置では、用紙上に転写されたトナー像を加熱定着するためにヒータが設けられているが、ヒータへの通電時に流れる突入電流等の影響で商用電源の電圧が変動し、室内灯として使用される蛍光灯がちらつくフリッカが生じるという問題がある。
商用電源の変動レベルは、電源インピーダンス、電源の配線、他に使用している機器等、画像形成装置の設置環境により区々であり、容易に対策できないため、特許文献1には、外部の光量を検出する検出手段と、商用電源の電圧変動がヒータに基づくものであるか否かを判別する判別手段と、電圧変動がヒータに基づくものと判別されたときに外部の光量に基づいて、ヒータの制御方法を切り替える制御部を備えた画像形成装置が提案されている。
一方、複写機やプリンタ等の画像形成装置では、電源投入後に操作部や外部機器を介して何らの操作や入力もない状態が予め設定された所定時間継続すると、装置の消費電力を低減させる省エネルギーモード(以下、「省エネモード」と記す。)に移行する電力制御手段が設けられている。
電力制御手段は省エネモードに移行すると、例えば、装置を通常動作可能な状態に復帰させるために必要な最小限の回路ブロック、つまり、装置に対する動作要求を検出するネットワークやUSB等の外部機器と繋がるインタフェース回路や操作部にのみに電力を供給して、その他の回路ブロックへの給電を遮断し、給電されている回路ブロックを介して動作要求が検出されると給電を再開して通常の画像形成動作が可能な状態(以下、「通常モード」と記す。)に復帰させるように構成されている。
特許文献2には、例えば、昼休み等に室内灯が消灯されたことが照度センサにより検出されたときに省エネモードに移行し、室内灯が点灯されたことが照度センサにより検出されたときに通常モードに復帰するべく、媒体上に画像形成を行うプリンタエンジンと、本装置に電力を供給する電源回路と、本装置の外部の光の光量を検出する照度センサと、この受光量が予め設定された所定値を下回るときは本装置を省電力状態に移行する第1の省電力移行手段と、前記省電力状態にあるときに所定の条件が満たされたときは前記電源回路を制御して前記電力を前記省電力状態から復帰させる第1の復帰手段を備えている画像形成装置が提案されている。
特開2005−114998号公報 特開2004−248047号公報
特許文献1に記載された技術によれば、ヒータの立ち上り時や立ち下り時に光量の変動に応じて設定された所定時間だけ位相制御することにより電源変動を抑止するものであるが、定着性能を確保した上で予め設定された単位時間当りの印刷枚数を出力する場合には、位相制御にも限界があり、十分な対策ができないという問題があった。
また、特許文献2に記載されたように照度センサを用いて省エネモードと通常モードを切り替える電力制御手段を備える場合には、商用電源の変動を検出するセンサとフリッカを検出するセンサの二系統のセンサを設ける必要があり、部品コストが嵩むという問題もあった。
本発明の目的は、上述の問題に鑑み、商用電源の電圧変動を確実に抑制しながらも十分な定着性能を確保して印刷できる画像形成装置を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による画像形成装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、画像データに基づいて用紙上にトナー像を形成する画像形成部と、前記トナー像を加熱して用紙上に定着させる定着部と、照明光の光量を検出する照度センサと、前記定着部に備えたヒータの制御時に前記照度センサにより所定レベル以上の光量の変動が検出されるか否かに基づいて、前記ヒータの制御を切り替えるヒータ制御手段とを備えてなる画像形成装置であって、前記ヒータ制御手段による制御状態に基づいてプリント処理速度を変更するプリント速度切替手段を備えている点にある。
上述の構成によれば、照度センサにより商用電源の変動に起因するフリッカが検出されると、ヒータ制御手段によりヒータの制御が切り替えられて商用電源の変動が抑制される。このようなヒータの制御状態に応じてプリント速度切替手段によりプリント処理速度が切り替えられるので、商用電源の電圧変動を抑制しながらも十分な定着性能を確保することができるようになる。プリント速度切替手段は、例えば、ヒータが制御されていても所定の定着温度が確保できないような場合にプリント処理速度を低下させるように切り替えるのである。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、前記ヒータ制御手段は、前記ヒータの制御時に前記照度センサにより所定レベル以上の光量の変動が検出されると、前記ヒータを第一制御状態から電圧変動を抑制する第二制御状態に切り替えるように構成され、前記プリント速度切替手段は、前記ヒータ制御手段により前記第二制御状態に切り替えられたときに、プリント処理速度を低下させる点にある。
上述の構成によれば、商用電源の電圧変動を抑制するためにヒータが第二制御状態に切り替えられたときに、ヒータへ供給される電力が低下して定着部による定着性能が損なわれる虞が増すが、そのようなときにプリント速度切替手段によりプリント処理速度が切り替えられるので、商用電源の電圧変動を確実に抑制しながらも十分な定着性能を確保することができるようになる。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一または第二特徴構成に加えて、前記プリント速度切替手段によりプリント処理速度が変更されたときに、プリント処理速度が変更された旨のメッセージを出力する報知手段を備えている点にある。
上述の構成によれば、画像処理装置のオペレータは、報知手段によってプリント処理速度が変更されたことを知ることができる。つまり、突然に、前記画像処理装置のプリント処理速度が変更された場合であっても、当該変更が前記プリント速度切替手段の処理に伴うものであるのか、不具合によるものであるのかといった前記画像処理装置のプリント状況を的確に把握することができるようになり、安心感を持たせることができ、牽いてはオペレータの誤解による苦情を減少させることができる。
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、周辺光量に基づいて通常状態と省電力状態との間で装置の電力消費状態を切り替える電力制御手段を備え、前記電力制御手段は、前記照度センサにより周辺光量を検出するように構成されている点にある。
上述の構成によれば、ヒータの制御を切り替えるための照度センサを、装置の電力消費状態を切り替えるための照度センサと兼用することになるので、装置のコストを低く抑えることができる。
以上説明した通り、本発明によれば、商用電源の電圧変動を確実に抑制しながらも十分な定着性能を確保して印刷できる画像形成装置を提供することができるようになった。
以下、本発明による画像形成装置をデジタル複写機に適用した実施の形態について説明する。図1に示すように、前記デジタル複写機は、原稿の画像データを読み取る画像読取部1と、画像読取部1により読み取られた画像データに所定の処理を施して出力画像データを生成する画像処理部2と、出力画像データに基づいて用紙P上にトナー像を形成する画像形成部3と、当該デジタル複写機による各種ジョブの動作モードを設定するモード設定キーや設定されたジョブを起動するプリントスイッチ、さらには照明光の光量を検出するCdSでなる照度センサ5などが配置されるとともに前記モード設定キーによる設定情報などが表示されるタッチパネル式の液晶表示部を備えた操作部7などの機能ブロックを備えて構成されている。
前記画像読取部1は、原稿画像を電子データに変換するCCDリニアセンサと、原稿トレイ11に載置された原稿をCCDリニアセンサに向けて搬送し、CCDリニアセンサによる画像の読取り後に排紙する原稿搬送機構などを備えている。
前記画像形成部3は、トナー像を形成する作像部8と、給紙カセット9aに収容された用紙Pを給紙ローラ9bなどの搬送ローラにより作像部8に向けて搬送する用紙搬送機構9と、作像部8で形成されたトナー像が転写された用紙Pを加熱定着する定着部4などを備えている。
前記作像部8は、感光体80と、感光体80の周囲に順に配置され、表面を均一にコロナ帯電する帯電チャージャー81と、帯電された感光体80を露光して静電潜像を形成するプリントヘッド82と、形成された静電潜像にトナーを静電付着させて顕像化する現像部83と、形成されたトナー像を用紙Pに転写する転写部と、転写後に残存するトナーを除去するクリーニング部84と、感光体表面の残留電位を落して均一にする除電ランプ85などを備えて構成され、現像部83には、カラー画像を生成可能にシアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの4色の現像ブロックが配置されている。
前記定着部4は、図2に示すように、ヒータ43が挿入設置された加熱ローラ42と、加熱ローラ42に圧接配置された加圧ローラ41を備えて構成され、加熱ローラ42の表面に温度を検出するためのサーミスタ素子44が接触配置されている。
さらに、図3に示すように、上述の各機能ブロックを制御するための複数の制御手段が設けられている。具体的には、前記画像読取部1による原稿の読取動作を制御する画像読取制御手段101と、前記画像処理部2を制御する出力画像データ生成手段102と、当該デジタル複写機のシステムを統括するとともに前記画像形成部3を制御する画像形成制御手段103と、前記操作部7の入出力信号を制御する操作制御手段104とを備えている。
各制御手段101,102,103,104は、単一または複数の制御基板上に単一または複数のCPUと、CPUにより実行される制御プログラムが格納されたROMと、制御データを格納するRAMと、制御対象である各種の負荷に信号を出力し、各種のセンサからの検出値を入力する入出力インタフェース回路などを設けて構成されている。各CPUは相互にシリアル通信ラインで接続され、分散型の制御システムが構築され、各CPUにより実行される制御プログラム及び関連するハードウェアにより以下に詳述する所定の機能が実現されるように構成されている。
前記画像形成制御手段103には、サーミスタ素子44による検出温度に基づいて定着温度が所定の目標温度となるようにヒータ43を制御するヒータ制御手段113が設けられている。ヒータ制御手段113は照度センサ5により所定レベル以上の光量の変動が検出されるか否かに基づいて、ヒータ43の制御を切り替えるように構成されている。
詳述すると、ヒータ制御手段113は、ヒータ43の制御時に照度センサ5により所定レベル以上の光量の変動が検出されると、デジタル複写機が設置された室内の照明光である蛍光灯にフリッカが生じていると判断し、フリッカの発生を抑止するために前記ヒータ43を第一制御状態から商用電源の電圧変動を抑制する第二制御状態に切り替え制御する。
前記照度センサ5の出力信号は操作部7から信号線を介して前記画像形成制御手段103を構成する制御基板に入力され、図4に示すように、アンプ回路5aにより増幅された後に比較回路5bに入力されて、分圧抵抗R1,R2で生成される所定の閾値電圧と比較された二値レベルの信号としてヒータ制御手段113に入力される。つまり、閾値電圧で設定される所定レベル以下に照明光の光量が低下するとローレベルの信号が入力され、閾値電圧で設定される所定レベル以上に照明光の光量が維持されるとハイレベルの信号が入力される。
ヒータ制御手段113は、ヒータ43の点灯制御時に比較回路5bからハイレベルの信号が継続して入力されている間、つまりフリッカが生じていないときは、前記サーミスタ素子44による検出温度と目標温度に基づいて、前記ヒータ43に供給される交流電流の所定時間あたりの点灯波数をPID制御することにより加熱ローラ42の温度を目標温度に制御する第一制御状態で制御し、ヒータ43の点灯制御時に比較回路5bからローレベルの信号が瞬時でも入力されると、つまりフリッカが生じているときは、前記サーミスタ素子44による検出温度と目標温度に基づいて、前記ヒータ43に供給される交流電流を位相制御することにより加熱ローラ42の温度を目標温度に制御する第二制御状態で制御する。
さらに詳しく説明すると、ヒータ制御手段113は、第一制御状態で制御している場合において、ヒータ43の点灯制御時に比較回路5bからローレベルの信号が瞬時でも入力されると、その瞬間からヒータ43の点灯制御継続中の所定時間内に、比較回路5bから入力されるローレベルの継続時間または回数が、予め設定されている時間や回数以上となった場合は、フリッカが生じていると判断して第二制御状態で制御する。
第一制御状態では、図5(a)に示すように、商用電源から供給される交流電流を所定の周期、例えば、10周期分(交流半波に換算すると20周期分)を単位制御周期とし、単位制御周期毎にPID演算で求まるデューティ比となるような半波数だけ通電制御する。具体的には、図2に示すように、商用電源45からの通電ラインにトライアックなどのスイッチング素子47を接続し、トランスを介して降圧された交流信号が入力されるゼロクロス検出器46により検出されたゼロクロスポイントPzを基準にON/OFF制御される。この方式によれば、初期の電源投入時にはデューティ比が大きくほぼフルパワーで給電されるので急速に立ち上げることができ、目標温度に近づくとデューティ比が小さく給電量が制限されるのでオーバーシュートが回避される。
尚、第一制御状態では、PID制御に代えて、図5(c)に示すように、前記サーミスタ素子44による検出温度と目標温度に基づいて、前記ヒータ43に供給される交流電流をゼロクロスポイントPzでオンオフ制御することにより加熱ローラ42の温度を目標温度に制御するものであってもよい。
第二制御状態では、図5(b)に示すように、ヒータ43の点灯時に、零クロスポイントPzを基準として半波毎に点弧角をずらせて、次第に給電量を増大させるソフトスタート制御によりラッシュ電流を抑制し、一定の点弧角で給電電力を制限する電力制御により定常的な消費電流を抑制することにより商用電源の電圧変動を抑制する。
なお、図5(b)の場合、零クロスポイントPzを基準として半波毎に点弧角をずらせる幅を、W1、W2、W3、というように次第に大きくすることでラッシュ電流を抑制し、一定の点弧角に相当する幅であるWaの期間で給電電力を制限している。
ソフトスタートによる位相制御を実行する時間や、定常的に給電電力を制限するための点弧角の値は、光量の変動の程度に応じて可変に制御してもよく、例えば、図8に示すように、第一制御状態でヒータ43をオン制御しているときに比較回路5bから入力されるローレベルの継続時間または回数或いは双方により、商用電源の電圧変動の程度を評価し、その程度に応じてソフトスタートの制御時間を例えば50msec.、100msec.、200msec.、というように可変に設定し、定常的な消費電流を抑制するために、60%、70%、80%、90%といった消費電力になるように点弧角を制御してもよい。具体的には、予め比較回路5bから入力されるローレベルの継続時間または回数に基づいて電圧変動の程度を複数段階に分け、各段階におけるソフトスタートの制御時間及び定常的な消費電流を抑制する点弧角を規定した制御テーブルをROMに備え、当該テーブルデータに基づいて位相制御するものである。
なお、図8の場合、ヒータ制御波形がオンのとき(T1)に光量が所定の閾値を下回って比較回路5bから入力されるローレベルの継続時間T2、又は/及び、ローレベルの回数(図8の(a)と(c)は1回、(b)は3回)により商用電源の電圧変動の程度を評価することになる。
上述の制御によれば、ヒータ制御手段113により第二制御状態で制御されているときにはヒータ43に給電される電力が制限されるため、複写動作が連続するような場合に加熱ローラ42の温度が低下して定着性能が低下する虞がある。
単位時間当りの印刷枚数が一定となるように、第二制御状態における位相制御に一定の限界を設定すれば印刷枚数の低下は避けられるが、ヒータ43に対する制御に起因する商用電源の変動を抑制することが困難となる場合がある。
そこで、前記画像形成制御手段103には、さらに、ヒータ制御手段113による制御状態に基づいてプリント処理速度を変更するプリント速度切替手段123を備えている。プリント速度切替手段123は、ヒータ制御手段113により第二制御状態に切り替えられたとき、つまりフリッカが検出されるほど商用電源の変動が大きいときに、その程度に応じてプリント処理速度を低下させるように制御する。
具体的には、前記プリント速度切替手段123は、感光体の周速度を基準とするプロセス速度を維持した状態で、プリントヘッド82による感光体80への露光タイミング及びカセット9aからの給紙タイミングを正規のタイミングより遅延させることによりプリント速度を低下させる。
この場合、上述した電圧変動の程度に応じてソフトスタートの制御時間及び定常的な消費電流を抑制する点弧角を規定した複数段階の制御テーブルに、各段階毎に十分な定着性能が得られるプリント速度データを付加しておき、各段階に対応するプリント速度データに基づいてプリントヘッド82による感光体80への露光タイミング及びカセット9aからの給紙タイミングを調整することにより、適切なプリント速度に制御することができる。
前記操作制御手段104には、前記プリント速度切替手段123により正規のプリント速度より低下制御されるときに、プリント処理速度が変更された旨のメッセージを出力する報知手段114を備え、報知手段114は、前記プリント速度切替手段123から前記シリアル通信ラインを介してプリント速度が低下した旨の情報を取得したときに、前記操作部7の液晶表示部へその旨のメッセージを表示するように制御する。
以下、前記画像形成制御手段103による本発明に関連するヒータ制御動作を、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。
デジタル複写機が待機モードまたはプリント中のとき、ヒータ制御手段113が、ヒータに対する点灯制御を実行しており(SA1)、且つ、比較手段5bからのローレベル信号の入力が所定時間において予め設定された時間や回数以上となることによってフリッカの発生を検知すると(SA2)、現在の制御状態が第一制御状態である場合は(SA3)、第二制御状態へ移行して位相制御を開始する(SA4)。
ステップSA3において、現在の制御状態が第二制御状態である場合は(SA3)、ヒータ制御手段113が比較手段5bからのローレベル信号の入力に基づいてフリッカの発生を検知すると(SA5)、それまでよりも深い位相制御、つまり、それまでよりも電圧制御の程度が大きい位相制御に移行する(SA6)。
ステップSA6にて深い位相制御に移行しても、定着性能に影響がない場合は(SA7)、さらにフリッカが発生するまでは(SA5)、現段階での位相制御を行ない、さらにフリッカが発生すると(SA5)、より深い位相制御へと移行する(SA6)。
一方、深い位相制御への移行によって定着性能が低下した場合は(SA7)、プリント速度切替手段123によってデジタル複写機のプリント速度が低下させられて(SA8)、報知手段114によってプリント速度が低下した旨のメッセージが操作部7の液晶表示部へ表示される(SA9)。そして、さらにフリッカが発生するまでは(SA5)、現段階での位相制御が行なわれるのである。
なお、上述のヒータ制御動作において、第二制御状態から第一制御状態へ移行させたい場合は、デジタル複写機の電源スイッチを一旦オフ操作してから再びオン操作すればよい。
このようにして、照度センサ5により商用電源の変動に起因するフリッカが検出されると、ヒータ制御手段113によりヒータの制御が切り替えられて商用電源の変動が抑制され、さらに、このようなヒータの制御状態に応じてプリント速度切替手段123によりプリント処理速度が切り替えられるので、商用電源の電圧変動を抑制しながらも十分な定着性能を確保できるデジタル複写機を実現することができる。
前記画像形成制御手段103には、さらに、電源スイッチ投入後の待機時に消費電力を低減制御する電力制御手段133を備えられている。電源スイッチが投入されて、定着部4の温度が所定の定着温度に立ち上がった後、またはプリント処理の終了後の待機時に、例えば5分などの予め設定された所定時間、操作部7に何らの操作入力がなされないことが前記操作制御手段104により検出され、或いは操作部7に備えられた省エネモードスイッチがオン操作されたことが検出されると、その旨の情報が前記シリアル通信ラインを介して前記電力制御手段133に入力されるように構成され、前記電力制御手段133は、当該情報を受信すると前記ヒータ43への給電制御を停止するとともに、前記シリアル通信ラインを介して前記操作制御手段104により操作部7の表示をオフするように指令して第一の省エネモードに移行制御する。
第一の省エネモードに移行後に、前記操作部7に何らかの操作入力がなされ、或いは省エネモードスイッチがオン操作されたことが検出されると、その旨の情報が前記シリアル通信ラインを介して前記電力制御手段133に入力されるように構成され、前記電力制御手段133は、当該情報を受信すると前記ヒータ43への給電制御を再開するとともに、前記シリアル通信ラインを介して前記操作制御手段104により操作部7の表示をオンするように指令して通常モードに復帰制御する。
図4に示すように、さらに前記電力制御手段133は、第一の省エネモードに移行後に前記照度センサ5からの出力により室内の照明光が消灯されたことを所定時間(例えば1分)継続して検出すると、電源スイッチ投入により出力され電源スイッチ遮断により停止される制御電源(定電圧レギュレータ)REGからの各制御手段101,102,103,104への給電回路60を遮断して消費電力を一層低減させる第二の省エネモードに移行制御するように構成されている。
前記給電回路60は、第二の省エネモードに移行後に前記照度センサ5からの出力により室内の照明光が点灯されたことを検出すると、制御電源REGから各制御手段101,102,103,104への給電を再開して電源スイッチ投入時の通常モードに移行制御する。つまり、記給電回路60を含めて電力制御手段133が構成されている。
前記給電回路60は、前記比較回路5bから出力される信号レベルを記憶するD型フリップフロップ60aと、D型フリップフロップ60aのデータ出力端子Qからの信号により各制御手段101,102,103,104への給電状態を制御するトランジスタ60bと、電源スイッチの投入によりリセット信号を生成するリセット回路60cなどを備えて構成される。
D型フリップフロップ60aのデータ入力端子Dが接地され、前記比較回路5bからの出力がクロック端子CLKに入力されるように構成されている。電源スイッチの投入時にD型フリップフロップ60aのクリア端子CLRにリセット回路60cからハイレベルの信号が入力され、これによりデータ出力端子Qがローレベルに初期化され、以って、各制御手段101,102,103,104へ制御電源が供給される。
第一の省エネモード中に、比較回路5bから電力制御手段133に出力される信号レベルが所定時間ローレベルとなると、電力制御手段133はD型フリップフロップ60aのプローブ端子PRにローレベル(省電力モード信号)を出力し、データ出力端子Qを強制的にハイレベルに切り替えてトランジスタ60bをオフ制御する。これにより各制御手段101,102,103,104への制御電源が遮断されて第二の省エネモードに移行する。
第二の省エネモード中に、室内灯が点灯されて比較回路5bからクロック端子CLKにハイレベルの信号が出力されると、接地されているデータ入力端子Dのレベルがラッチされてデータ出力端子Qに出力される。つまり、トランジスタ60bがオン制御されて各制御手段101,102,103,104へ制御電源が供給され、通常モードに復帰するのである。
なお、第二の省エネモード中に、室内灯を点灯せずに通常モードに復帰させる必要のある場合には、電源スイッチを一旦オフ操作してから再びオン操作すればよい。
上述の実施形態では、分圧抵抗R1,R2で生成される比較回路5bの閾値電圧がフリッカを検出することが可能なレベルに設定されており、室内灯が消灯される場合には、入力電圧は当然閾値電圧を下回るようになるので、ヒータの制御と省エネモードの電力制御を同一の照度センサ5を使用しながらも同一の閾値電圧で双方を適切に動作させることができる。
以下、前記画像形成制御手段103による本発明に関連する省エネモードの切替制御動作を、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
デジタル複写機の電源スイッチが投入され(SB1)、定着部4の温度が所定の定着温度に立ち上がった後やプリント処理の終了後の待機時といった通常モードであるときに(SB2)、予め設定された所定時間、操作部7に何らの操作入力がないことが操作制御手段104により検出されるか(SB3)、操作部7に備えられた省エネモードスイッチがオン操作されたことが前記操作制御手段104により検出されると(SB4)、電力制御手段133はヒータ43への給電制御を停止するとともに操作制御手段104に操作部7の表示をオフするように指令してデジタル複写機を第一省エネモードに移行させる(SB5)。
ステップSB5において、前記電力制御手段133によってデジタル複写機が設置されている室内が消灯された状態が所定時間継続していることが検出されると(SB6)、デジタル複写機を、消費電力を一層低減させる第二省エネモードに移行させる(SB7)。
一方、ステップSB5において、前記操作部7に何らかの操作入力がなされるか(SB8)、前記省エネモードスイッチがオン操作されたことが(SB9)、前記操作制御手段104によって検出されると、前記電力制御手段133はデジタル複写機を通常モードに復帰させる(SB10)。
また、前記操作部7への操作入力も前記省エネモードスイッチのオン操作もない場合は(SB8、SB9)、室内消灯が検出されるか(SB6)、前記操作部7への操作入力か前記省エネモードスイッチのオン操作の何れかが検出されるまで(SB8、SB9)、第一省エネモードで待機する。
ステップSB6でデジタル複写機が第二省エネモードに移行させられた場合において(SB7)、前記電力制御手段133によって前記室内が点灯していることが検出されると(SB11)、前記電力制御手段133はデジタル複写機を通常モードに復帰させる(SB10)。
以下、別実施形態について説明する。
上述の実施形態では、プリント速度切替手段123は、プロセス速度を維持した状態で、プリントヘッド82による感光体80への露光タイミング及びカセット9aからの給紙タイミングを正規のタイミングより遅延させることによりプリント速度を低下させるものについて説明したが、プロセス速度そのものを低下させることによりプリント速度を低下させるように制御してもよい。
詳述すると、感光体80の回転速度や給紙速度を低下させるとともに、プリントヘッド82から出力される露光データの出力タイミングを調整する副走査方向のクロック周波数が長くなるように切り替えることにより実現できる。
上述の実施形態では、比較回路の閾値を抵抗分圧による固定値とするものについて説明したが、例えば、図9に示すように、抵抗R2に可変抵抗器を用いて、装置の設置環境に応じてフリッカの検出レベルをサービスマンが設定できるように構成してもよい。
上述の実施形態では、報知手段114は、操作部7の液晶表示部にメッセージを表示する構成について説明したが、前記報知手段114は、メッセージ表示以外の手段でユーザ等に報知する構成であってもよく、例えば、前記報知手段114は、プリント速度が低下している場合に、デジタル複写機の何れかの位置に設けられたスピーカ(図示せず)を介して警報音を発することによって、ユーザ等にプリント速度の低下を報知する構成であってもよい。
また、デジタル複写機に警告用のLEDを設けておき、前記報知手段114は、プリント速度が低下している場合に、当該LEDの点滅させること等によってユーザ等にプリント速度の低下を報知する構成であってもよい。
上述の実施形態では、本発明を適用した画像形成装置として、デジタル複写機について説明したが、前記画像形成装置は、デジタル複写機以外であってもよく、例えばプリンタ、FAX、または複合機等であってもよい。
尚、上述した実施形態は、本発明の一例に過ぎず、本発明の作用効果を奏する範囲において各ブロックの具体的構成等は適宜変更設計できることは言うまでもない。
本発明を適用したデジタル複写機の説明図 定着部の説明図 デジタル複写機の機能ブロック構成図 電力制御手段133の回路構成の説明図 (a)は、第一制御状態における交流電流を示し、(b)は、第二制御状態における交流電流を示し、(c)は、第一制御状態での(a)と異なる制御による交流電流を示す説明図 定着部の制御切替の動作を説明するためのフローチャート 省エネモード切替の動作を説明するためのフローチャート (a)は、フリッカ発生時間が短い場合を示し、(b)は、フリッカ発生時間が(a)より長い場合を示し、(c)は、フリッカ発生時間が(a)、(b)より長い場合を示したフリッカ発生時間の説明図 比較回路の閾値が可変である場合の電力制御手段133の回路構成の説明図
符号の説明
3:画像形成部
4:定着部
5:照度センサ
43:ヒータ
113:ヒータ制御手段
114:報知手段
123:プリント速度切替手段
133:電力制御手段

Claims (4)

  1. 画像データに基づいて用紙上にトナー像を形成する画像形成部と、前記トナー像を加熱して用紙上に定着させる定着部と、照明光の光量を検出する照度センサと、前記定着部に備えたヒータの制御時に前記照度センサにより所定レベル以上の光量の変動が検出されるか否かに基づいて、前記ヒータの制御を切り替えるヒータ制御手段とを備えてなる画像形成装置であって、
    前記ヒータ制御手段による制御状態に基づいてプリント処理速度を変更するプリント速度切替手段を備えている画像形成装置。
  2. 前記ヒータ制御手段は、前記ヒータの制御時に前記照度センサにより所定レベル以上の光量の変動が検出されると、前記ヒータを第一制御状態から電圧変動を抑制する第二制御状態に切り替えるように構成され、前記プリント速度切替手段は、前記ヒータ制御手段により前記第二制御状態に切り替えられたときに、プリント処理速度を低下させる請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記プリント速度切替手段によりプリント処理速度が変更されたときに、プリント処理速度が変更された旨のメッセージを出力する報知手段を備えている請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. 周辺光量に基づいて通常状態と省電力状態との間で装置の電力消費状態を切り替える電力制御手段を備え、前記電力制御手段は、前記照度センサにより周辺光量を検出するように構成されている請求項1から3の何れかに記載の画像形成装置。
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