JP2008106477A - 雨水流出量推定装置およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】降水量積算手段16Bにより、各積算期間Xに基づいて対象区域3の各計測メッシュMの降水量データ15Aを積算することにより、積算期間Xごとに、各計測メッシュMにおける積算降水量の時系列変化を示す積算降水量データ15Fを算出し、相関値算出手段16Cにより、これら積算降水量データ15Fと流量データ15Bの時系列変化をそれぞれパターンマッチング分析して、両者の相関値15Gを各計測メッシュについて積算期間Xごとに算出し、流出量推定手段16Dにより、各積算期間Xの積算降水量データ15Fと相関値15Gとの積和演算値を計測メッシュごとに算出し、これら積和演算値の総和に基づき対象区域3から流出する雨水流出量の推定データを算出する。
【選択図】 図1
Description
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、降雨に応じて任意の対象区域から下水道や河川などの幹線水路に流出する雨水の流出量を時系列で容易に推定できる雨水流出量推定装置およびプログラムを提供することを目的としている。
また、流量データとして、対象区域から流出した雨水を含む雨天時の流量と非雨天時の流量との差を示す雨天増分流量を用いてもよい。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる雨水流出量推定装置について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる雨水流出量推定装置の構成を示すブロック図である。
雨水流出量推定装置10は、全体として、入力された処理情報に対して演算処理を行うことにより所望の情報を出力するパーソナルコンピュータなどの情報処理装置からなり、データ入力部11、操作入力部12、画面表示部13、データ出力部14、記憶部15、および演算処理部16が設けられている。
このデータ入力部11で取り込まれる主な計測データ6としては、降水量データ61と流量データ62がある。
画面表示部13は、LCDやPDPなどの画面表示装置からなり、演算処理部16からの指示に応じて、操作メニューや流出量推定データを画面表示する機能を有している。
データ出力部14は、専用インターフェース回路からなり、演算処理部16からの指示に応じて、流出量推定データ7などの各種処理データを外部装置や記録媒体へ出力する機能を有している。
記憶部15で記憶される主な処理データとしては、降水量データ15A、流量データ15B、積算期間データ15C、対象区域データ15D、単位降水量データ15E、積算降水量データ15F、相関値15G、および流出量推定データ15Hがある。
積算期間データ15Cは、降水量データ15Aに対する複数の積算期間を示すデータであり、予めデータ入力部11や操作入力部12から入力されて記憶部15へ保存されている。
対象区域データ15Dは、対象流域1内の対象区域3の構成を示すデータであり、予めデータ入力部11や操作入力部12から入力されて記憶部15へ保存されている。
積算降水量データ15Fは、各解析ブロックの単位降水量データ15Eを積算期間ごとに積算した時系列データであり、演算処理部16により、各解析ブロックの単位降水量データ15Eが積算期間データ15Cの積算期間ごとに積算されて算出され、記憶部15に保存される。
流出量推定データ15Hは、降雨に応じて対象区域3から幹線水路2へ流出した雨水の流出量を示すデータであり、演算処理部16により、各解析ブロックの積算降水量データ15Fと相関値15Gとの積和演算値に基づいて算出され、記憶部15に保存される。
演算処理部16により実現される主な機能手段としては、単位降水量推定手段16A、降水量積算手段16B、相関値算出手段16C、および流出量推定手段16Dがある。
降水量積算手段16Bは、記憶部15に保存されている各解析ブロックの単位降水量データ15Eを積算期間データ15Cの積算期間ごとに積算することにより、各解析ブロックにおける積算降水量データ15Fをそれぞれ算出して、記憶部15へ保存する機能を有している。
次に、図2を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる雨水流出量推定装置の動作について説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態にかかる雨水流出量推定装置の動作を示す動作フロー図である。
雨水流出量推定装置10の演算処理部16は、オペレータによる雨水流出量推定処理の開始要求操作が操作入力部12により検出された場合、図2の雨水流出量推定処理を開始する。以下では、幹線水路2が下水幹線からなり、降雨に応じて対象流域1の対象区域3から合流点Jを介して幹線水路2へ流出する雨水の量を推定する場合を例に説明する。
この際、雨水流出量推定処理の開始時には、データ入力部11により、計測データ6が取り込まれて記憶部15に保存されているものとする。この場合、気象観測システム4で得られた降水量データ61が降水量データ15Aとして保存され、流量計測システム5で得られた流量データ62が流量データ15Bとして保存される。
まず、図5〜図7を参照して、雨水流出量推定処理における単位降水量推定処理について説明する。図5は、単位降水量推定処理を示すフローチャートである。図6は、対象区域と計測メッシュとの関係を示す説明図である。図7は、計測メッシュと解析ブロックとの関係を示す説明図である。
次に、図8〜10を参照して、雨水流出量推定処理における降水量積算処理について説明する。図8は、降水量積算処理を示すフローチャートである。図9は、単位降水量データを示す説明図である。図10は、積算降水量データを示す説明図である。
次に、降水量積算手段16Bは、記憶部15の単位降水量データ15Eから当該解析ブロックBの単位降水量データR(B)を取得し(ステップ112)、積算期間Xごとに単位降水量データR(B)を積算して積算降水量データRa(X,B)を算出し、積算降水量データ15Fとして記憶部15へ順次保存する(ステップ113)。
また、対象区域3内のすべての解析ブロックBについて降水量積算処理が終了した場合には(ステップ114:NO)、一連の降水量積算処理を終了する。
次に、図11および図12を参照して、雨水流出量推定処理における相関値算出処理について説明する。図11は、相関値算出処理を示すフローチャートである。図12は、パターンマッチング分析処理を示す説明図である。
本実施の形態では、各積算期間Xの積算降水量の成分が計測点Pの流量に含まれる比率として、時系列の積算降水量データRa(X,B)と流量データWとのパターンマッチング分析で得られる相関値を算出している。
次に、相関値算出手段16Cは、積算期間Xごとに、記憶部15の単位降水量データ15Eから当該解析ブロックBの降水量積算データRa(X,B)を取得し、この降水量積算データRa(X,B)と流量データWとをパターンマッチング分析する(ステップ122)。
ここで、このような非雨天時流量が小さく、所望する雨水流出量推定の許容誤差範囲内である場合は、幹線水路2から計測された流量データ15Bを用いればよい。
また、対象区域3内のすべての解析ブロックBについて降水量積算処理が終了した場合には(ステップ124:NO)、一連の相関値算出処理を終了する。
次に、図13を参照して、雨水流出量推定処理における流出量推定処理について説明する。図13は、流出量推定処理を示すフローチャートである。
本実施の形態では、各積算期間Xの積算降水量の成分が計測点Pの流量に含まれる比率として相関値15Gを用い、これら積算降水量データ15Fと相関値15Gの積和演算値に基づき、対象区域3からの雨水流出量を推定している。
続いて、流出量推定手段16Dは、各積算期間Xの積算降水量Ra(X,B)と相関値C(X,B)との積和演算値Y(B)=ΣRa(Xi,B)・C(Xi,B)、但しXi=X1〜Xnを算出する(ステップ132)。
このようにして、選択した解析ブロックBについて雨水流出量Q(B)が算出され、対象区域3内のすべての解析ブロックBについて積和演算処理が終了していない場合には(ステップ135:NO)、ステップ130へ戻って次の未処理解析ブロックに関する積和演算処理を実行する(ステップ130〜132)。
次に、図14を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる雨水流出量推定装置を用いた雨水流出量推定システムについて説明する。図14は、本発明の第2の実施の形態にかかる雨水流出量推定システムの構成を示すブロック図である。
第1の実施の形態では、降水量データの積算期間Xは、予め積算期間データ15Cとして記憶部15に設定されている場合を例として説明した。本実施の形態では、第1の実施の形態にかかる雨水流出量推定装置10で用いた積算期間Xを決定する機能を有する雨水流出量推定システムについて説明する。
雨水流出量推定装置10は、第1の実施の形態で説明した雨水流出量推定装置からなり、流入量予測装置30からの積算期間データ33をデータ入力部11から取り込み、積算期間データ15Cとして記憶部15に保存する機能と、配水量予測装置20からの配水量予測データ24を非雨天時流量データと見なしてデータ入力部11から取り込み、流量データ62から非雨天時流量データを減算したものを流量データ15Bとして記憶部15へ保存する機能を有している。
次に、図15を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる雨水流出量推定システムの動作について説明する。図15は、本発明の第2の実施の形態にかかる雨水流出量推定システムでの積算期間選択動作を示すフローチャートである。
Claims (5)
- 降雨に応じて任意の対象区域から下水道や河川などの幹線水路に流出する雨水流出量の時系列変化を推定する雨水流出量推定装置であって、
前記対象区域を格子状に分割して設けた各計測メッシュにおける降水量の時系列変化を示す降水量データと、前記幹線水路の下流側に設けられた計測点における流量の時系列変化を示す流量データと、前記降水量データに対する複数の積算期間を示す積算期間データとを記憶する記憶部と、
前記各積算期間に基づいて前記各計測メッシュの前記降水量データをそれぞれ積算することにより、前記積算期間ごとに、前記各計測メッシュにおける積算降水量の時系列変化を示す積算降水量データを算出する降水量積算手段と、
前記積算降水量データと前記流量データの時系列変化をそれぞれパターンマッチング分析し、両者の相関値を前記各計測メッシュについて前記積算期間ごとに算出する相関値算出手段と、
前記各積算期間の前記積算降水量データと前記相関値との積和演算値を前記計測メッシュごとに算出し、これら積和演算値の総和に基づき前記対象区域から流出する雨水流出量の時系列変化を示す流出量推定データを算出する流出量推定手段と
を備えることを特徴とする雨水流出量推定装置。 - 請求項1に記載の雨水流出量推定装置において、
前記各計測メッシュの降水量データを相互に補間演算することにより、前記各計測メッシュを格子状に分割して設けた各ブロックにおける降水量の時系列変化を示す単位降水量データをそれぞれ算出する単位降水量算出手段をさらに備え、
前記記憶部は、前記各ブロックのうち前記対象区域を構成する解析ブロックを記憶し、
前記降水量積算手段は、前記解析ブロックについて算出した単位降水量データに基づいて前記解析ブロックごとに前記積算降水量データをそれぞれ算出し、
前記流出量推定手段は、前記解析ブロックごとに前記積和演算値を算出し、これら積和演算値の総和に基づき前記対象区域から流出する雨水流出量の時系列変化を示す流出量推定データを算出する
ことを特徴とする雨水流出量推定装置。 - 請求項1に記載の雨水流出量推定装置において、
前記記憶部は、前記各解析ブロック内における前記対象区域の割合を示す面積補正係数をそれぞれ記憶し、
前記流出量推定手段は、前記解析ブロックごとに算出した前記積和演算値を当該計測メッシュの面積補正係数で補正した後、これら補正後の積和演算値の総和に基づき前記対象区域から流出する雨水流出量の時系列変化を示す流出量推定データを算出する
ことを特徴とする雨水流出量推定装置。 - 請求項1に記載の雨水流出量推定装置において、
前記流量データは、前記対象区域から流出した雨水を含む雨天時の流量と非雨天時の流量との差を示す雨天増分流量からなることを特徴とする雨水流出量推定装置。 - 降雨に応じて任意の対象区域から下水道や河川などの幹線水路に流出する雨水の流出量を推定する雨水流出量推定装置のコンピュータに、
前記対象区域における降水量の時系列変化を示す降水量データと、前記幹線水路の下流側に設けられた計測点での流量の時系列変化を示す流量データと、前記降水量データに対する複数の積算期間を示す積算期間データとを記憶部で記憶する記憶ステップと、
降水量積算手段により、前記積算期間データの各積算期間に基づいて前記降水量データを積算することにより、前記積算期間ごとに、前記対象区域における積算降水量の時系列変化を示す積算降水量データを算出する降水量積算ステップと、
相関値算出手段により、前記各積算期間の積算降水量データと前記流量データの時系列変化をそれぞれパターンマッチング分析し、両者の相関値を前記積算期間ごとに算出する相関値算出ステップと、
流出量推定手段により、前記各積算期間の前記積算降水量データと前記相関値との積和演算値を前記対象区域から流出する雨水流出量の推定データとして出力する流出量推定ステップと
を実行させるプログラム。
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