JP2008106064A - t−PA亢進物質及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発明者らは、納豆菌培養液及び菌体そのものを用い、加熱処理で酵素であるナットウキナーゼを失活させ、ヒト細胞に添加した結果、細胞内のt-PA産生能を亢進する物質の存在を確認した。すなわち、本発明に係るt−PA亢進物質は、納豆菌培養液又は納豆菌菌体を熱処理することで作製される。
【選択図】図2
Description
植木厚、続生化学実験講座8,血液(下)、東京化学同人、p.603(1987)
subtilis natto)は、枯草菌と同様にグラム陽性桿菌であり、胞子形成能を有する。発明者らは、これまでこの納豆菌を用いた我が国の伝統的大豆発酵食品である納豆中に、血栓溶解に直接働く酵素ナットウキナーゼ(非特許文献2、非特許文献3)や、線溶賦活活性物質(FAS)などの生理活性物質が含まれていることを研究してきた(非特許文献4)。ナットウキナーゼは、経口投与においても血栓溶解活性を高め、同様に経口投与したウロキナーゼ(UK)に比べ血中で長時間線溶効果が持続することを報告している(非特許文献3)。
試験に使用する納豆菌(Bacillus subtilis natto)は、一般的に市販納豆に使用されている成瀬株、宮城野株、高橋株、我々の保存株である納豆菌419株、東京大学分子細胞生物学研究所より分与されたIAM1076株、納豆菌と同じBacillus属である枯草菌(Bacillus subtilis
Marburg) IAM12118株、及び財団法人発酵研究所より分与された大腸菌(Escherichia
coli)IFO3301株の7種類を用いた。牛製フィブリノーゲンはシグマ社(株)より、牛製トロンビンは持田製薬(株)、乾燥ブイヨン、Eagle's MEM培地は日水製薬(株)より購入した。その他試薬はすべて特級品を用いた。なお、牛製フィブリノーゲンはLot.No.31K7608、112K7601の2種類を用いた。
納豆菌培養液熱処理物の作製に当たっては、3% 乾燥ブイヨンを培地とし、500ml振盪三角フラスコに培地250mlを入れ、121℃、15分間オートクレーブで滅菌後、スラント培養した各種菌を1白金耳接種し、37℃、100rpmで96時間振盪培養を行った。培養終了後、4℃、4000rpmで10分間遠心分離した上清をオートクレーブを用いて121℃、30分間加熱処理し、0.2μmメンブレンフィルター(ADVANTEC KGS-47-TF)で濾過したものを用いた。成瀬株培養液熱処理物をAbs280nmで測定したタンパク濃度は牛血清アルブミンに換算すると54.35mg/mlであった。
NaCl溶液で2回洗浄し、凍結乾燥後、得られた粉末0.125gをイオン交換水5mlに懸濁し、121℃、30分間加熱処理し、4℃、10000rpmで10分間遠心分離して得られた上清を0.2μmフィルターにかけ用いた。なお、成瀬株菌体熱処理抽出物のAbs280nmで測定したタンパク濃度は牛血清アルブミンに換算すると9.47mg/mlであった。
プラスミノーゲンアクチベーター(PA)生産細胞は、ヒト子宮頸ガン由来の株化細胞であるHeLa S3(大日本製薬(株))と、正常ヒト臍帯静脈血管内皮細胞HUVEC(東洋紡績(株))を用いた。HeLa S3の培養液は、Eagle's MEM培地を121℃、15分間オートクレーブ処理し、そこに濾過滅菌した10%牛胎児血清(FBS)、アミノ酸ビタミン培地、0.03% L-グルタミン酸、0.2%重炭酸ナトリウムを加えたものを用いた。
cm2フラスコ、T-75cm2フラスコ内で培養後、ファルコン製24ウェルプレート(2.0cm2/well)、48ウェルプレート(0.75cm2/well)に1.0×105/cm2になるように移してコンフルエント状態になるまで培養し、添加実験を行った。培養液をアスピレーターで吸出し、細胞をPBS(-)でそれぞれ500μl、200μlで1回洗浄した。その後、24ウェルプレートでは培養液450μlに対して試料50μl、48ウェルプレートでは培養液180μlに対して試料20μlを添加し37℃、5% CO2の条件下で24時間培養を行った。
培養後の細胞はPBS(-)で2回洗浄し、トリプシンで細胞をはがした後、培養液とPBS(-)を加え、分光光度計SmartSpec Plus(BIO-RAD)とtrUViewTM Cuvette(BIO-RAD)を使用し、Abs600nmで測定した値よりウェル内の細胞数を算出した。
Acetateフィルター(ADVANTEC DISMIC-13cp)で濾過滅菌したものを用いた。24時間培養後、サンプリングして得られた培養液は1st mediumとして−20℃で保存した。サンプリング後の細胞は培養液をアスピレーターで除いた後、PBS(-)150μlで2回洗浄し、培養液150μlを加えさらに24時間培養を行った。培養後の培養液は2nd mediumとして-20℃で保存した。培養後の細胞数はHeLa S3と同様にPBS(-)で2回洗浄し、トリプシン-EDTAと培養液を加え分光光度計でAbs600nmを測定し、検量線を用いて算出した。なお、最低3回以上の測定を行い、平均値で示した。
HeLa S3、HUVEC培養液中のPA活性および納豆菌培養液中のナットウキナーゼ活性は、標準フィブリン平板法で測定した。
フィブリン平板は、10cm×14cm角型シャーレ内にフィブリノーゲンをホウ酸緩衝液(pH7.80)で0.5%に溶解した20mlと50U/mlのトロンビン200μlを用いて作製した。そこに、サンプリングしたHeLa S3及び、HUVECの培養液を各々30μlのせ、37℃でインキュベーションし、48時間後に生じる溶解面積(mm2)を測定した。また、納豆菌培養液のナットウキナーゼ活性は、各々30μl載せ、37℃でインキュベーションし、24時間後に生じる溶解面積(mm2)を測定した。
HeLa S3培養液を用いてザイモグラフィー法を行った。SDS-ポリアクリルアミド電気泳動は、10%ゲルスラブを作製し、その上に濃縮ゲルを作製した。得られた培養液に等量のサンプルバッファーを加え混合し、20μlずつウェルに注入し、30mAで約2時間泳動した。ザイモグラフィーは、泳動後、2.5%トリトンX-100を用いてゲル内のSDSを除去した。フィブリノーゲンを0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)に溶解し0.8%とした溶液と、寒天を0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)に溶解した溶液とを100U/mlトロンビン50μl加え作製したフィブリン−寒天平板にゲルを重層し、37℃でインキュベーション後生じたバンドより血栓溶解活性及び分子量測定を行った。
ファルコン製6ウェルプレート(9.6cm2/well)で培養した細胞を、PBS(-)3mlで2回洗浄し、酸性条件下で酢酸ナトリウム(pH4.0)、グアニジンチオシアネート、フェノール、クロロホルムを用い、total RNAを抽出した。得られたtotal RNA 15μg及び1.2%アガロースゲルを用い、100Vで2時間電気泳動を行った。泳動後、UVライト上でmRNAを確認し、ゲル中のmRNAをHybond-N+(アマシャム)の膜に転写させ、UVクロスリンク(700×100μJ/cm2)で固定した。ハイブリダイゼーションは65℃で一晩行い、プローブはGene Image’s(アマシャム)を用いて標識したt-PA mRNAプローブとGAPDH mRNAプローブを使用した。検出にはCDP-starを用い化学発光させ、ECL-mini camera(アマシャム)、FUJI FILM FP-3000Bフィルムを使用しt-PAプローブでは露光時間4日間、GAPDHプローブでは露光時間2日間で撮影した。
成瀬株培養液熱処理物40mlを分液ロート100ml(岩城硝子)に入れ、5倍量の有機溶媒、クロロホルム、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、水飽和1-ブタノールの順で抽出を行った。抽出は、それぞれ同一溶媒で5回行い、4℃、3500rpmで10分遠心分離によって分液した。各溶媒層は、無水硫酸ナトリウムを加えて脱水し、50℃乾燥後、100%エタノール 4mlに溶解し、試料として用いた。また、残渣である水溶性分画においては50℃乾燥後、イオン交換水15mlに溶解させたものを試料とした。
分子量カットは、ウルトラフィルター用限外濾過器(ADVANTEC UHP-K)で、分子量50000、20000、10000のフィルター(ADVANTEC)を用いて行った。成瀬株培養液熱処理物30mlを各フィルターにかけ、分子量50000以上の分画は5.3mlと5.7倍、分子量20000〜50000の分画は3.8mlと6.6倍、分子量10000〜20000の分画は3.3mlと6.1倍に濃縮されたもの、分子量10000以下の分画は全てのフィルターを通った14.5mlを試料として用いた。
ゲル濾過は、Bio-Gel
P-2 (分画分子量100-1800)、P-6 (分画分子量1000-6000)(BIO-RAD)をエコノカラム(1.5cm×50cm、BIO-RAD)に充填し、0.05Mリン酸緩衝液(pH7.4)で平衡化後、限外濾過で分子量10000以下に分子量カットした分画を2.5ml載せ、分子量を測定した。フラクションの分取は、74滴(2.5ml)で操作した。分子量測定のための標準物質にはバシトラシン(分子量1420)、ビタミンB12(分子量1350)、マルトヘキサオース(分子量990)、マルトース(分子量342)及びチロシン(分子量181)を用い、バシトラシンとチロシンはAbs280nm、マルトヘキサオースとマルトースはフェノール硫酸法(非特許文献11、12)により検出した。
統計学的な有意は不対データを比較するためのStudent t-testでp値を算出した。
試料添加後のHeLa
S3培養時間と、フィブリン溶解活性との関係を調べるために、96時間振盪培養した成瀬株培養液熱処理物をHeLa S3に添加後、37℃、5% CO2条件下で3、6、12、24時間と培養時間を変えて培養した。得られた培養液1st mediumの48時間後のフィブリン溶解活性を測定した結果、溶解面積は12時間では102.7mm2でコントロールと比較し8.6倍、24時間では388.2mm2で22.5倍となり、試料添加後12〜24時間でフィブリン溶解活性を亢進することを確認した(図1)。このことから、以後の実験は全て24時間培養で行った。
成瀬株培養液熱処理物をオートクレーブ滅菌したMilli-Q水を用いて希釈系列(原液、2、4、8、16、32、64倍希釈)を作成し、試料濃度による活性の変化を検討した。各試料を24ウェルプレートで培養したHeLa S3に添加し、得られた1st medium、2nd mediumをフィブリン平板で測定した。1st mediumの原液では溶解面積が498.3mm2であるのに対し、2倍希釈では193.5mm2と急激に溶解活性が減少した。それ以下の希釈倍率では緩やかに減少していった。なお、原液添加はコントロールに対し9.5倍活性が高まることが分かった。また、2nd mediumにおいても活性は高まるもののコントロールの値も高いため、活性の比率は3.6倍であった(図2)。
次に、HeLa
S3を培養し、成瀬株培養液熱処理物を添加後得られた培養液1st mediumと、標準マーカーとしてt-PA(分子量68000)をSDS-PAGEにかけ、ザイモグラフィー法で調べた(図3)。原液、2倍希釈の培養液ではt-PAのバンドの溶解部位がコントロールよりも増加していることから、ザイモグラフィー法でもフィブリン平板と同様にt-PA活性が増大することを確認した。
細胞内で発現している遺伝子転写物(mRNA)の存在量を解析するために、成瀬株培養液熱処理物を6ウェルプレートで培養したHeLa S3に添加し、37℃、5% CO2条件下で24時間培養後、得られた細胞からRNAを抽出しノーザンブロットを行った。また、細胞数と活性の相関関係を調べるために細胞数を測定した結果、図4に示すように、ウェル内の細胞数に顕著な変化は見られなかったが、フィブリン溶解活性はコントロールに比べ原液添加では105倍、2倍希釈では30.6倍、4倍希釈では14倍と細胞数に関係なく活性が高まっており、測定を繰り返しても同じ結果が得られた。ノーザンブロットにおいて、t-PA mRNAバンドがコントロールでは確認されなかったが、原液を添加することにより発現量が高まることが分かった。また、内部標準であるGAPDH mRNA発現量に変化は見られなかった。これにより、細胞内のt-PAの合成系を高めることを確認した(図5)。
表1は、納豆菌培養液熱処理物質によるHeLa 細胞での線溶発現を示し、数値は平均±S.D.である。成瀬株の他に、同じ納豆菌である高橋株、宮城野株、419株、IAM1076株、納豆菌と同じBacillus属である枯草菌IAM12118株、その他の菌として大腸菌IFO3301株も同様に96時間振盪培養して得られた培養液熱処理物をHeLa S3に添加し、1st mediumのフィブリン溶解活性を測定した。高橋株、419株はそれほど高い活性は見られなかったが、宮城野株、IAM1076株、IAM12118株では成瀬株と同様に高い活性を得られることが分かった。また、IFO3301株においては影響は少なかった(表1)。なお,HeLa S3に添加前の試料のナットウキナーゼ活性を測定したが、活性は見られなかった。
次に、納豆菌菌体中に存在する物質にも培養液と同じく、HeLa S3でのt-PA活性を亢進するかを検討した。表2は、納豆菌菌体熱処理抽出物によるHeLa細胞での線溶発現を示し、数値は平均±S.D.である。納豆菌菌体熱処理抽出物でも培養液熱処理物と同条件で測定した結果、成瀬株菌体熱処理抽出物の1st mediumにおいては培養液熱処理物と同様にフィブリン溶解活性の増加が見られ、コントロールに対して13倍活性が高まることが分かった。なお,培養液熱処理物で活性の高かったIAM12118株は、コントロールと比較して1.8倍と菌体熱処理抽出物では活性が低く、他の菌においてもそれほど影響は見られなかった(表2)。
次に、分液操作を行った成瀬株培養液熱処理物の各分画を用い、HeLa S3に添加しフィブリン溶解活性を測定した結果、活性は有機溶媒層には見られず、水層にのみ現れた。また、透析膜を用いイオン交換水で18時間透析を行った結果、透析前129.4mm2あったものが透析後3.2mm2となり、透析後の試料に活性は見られなかった(図6)。さらに、分子量50000、20000、10000のフィルターを用いて分子量カットし、各分画をHeLa S3に添加した結果、分子量10000以下の低分子分画に活性があることが分かった(図7)。このことからHeLa S3での成瀬株培養液熱処理物によるt-PA産生亢進物質は水溶性でなおかつ低分子物質であることを確認した。
分子量カット後活性の見られた分子量10000以下の分画をBio-Gel P-2カラム(1.5×47.5cm)を用いゲル濾過を行った。フラクションは2.5mlずつ分取し、得られた計50フラクションをAbs280nmでタンパク量を測定した結果、いくつかのタンパクピークが確認された。ピークが始まった10本目から50本目までのフラクションをクリーンベンチ内でDISMIC-13CPを用いて濾過滅菌し、HeLa S3に添加した。24時間培養後の培養液1st mediumをフィブリン平板で測定した結果、フラクション13本目に活性が存在することを確認し、コントロールとの比率は4.8倍であった(図8)。また、測定を繰り返しても同様の結果が得られ、標準物質から分子量を検出した結果、分子量1400近辺であることが分かった。
正常ヒト臍帯静脈血管内皮細胞HUVECに成瀬株培養液熱処理物低分子分画(分子量10000以下)の濃度を変え、48ウェルプレートに添加し、培養後得られた1st mediumのフィブリン溶解活性をフィブリン平板で測定した。HeLa S3の場合と同様に、HUVECでも1st mediumで活性が見られ、ウェル内の細胞数にほとんど変化がないことから、細胞数の増加によるt-PA産生の亢進ではないことが分かった(図9)。このことより、成瀬株培養液熱処理物がHeLa S3のt-PA産生だけでなく、ヒト正常細胞でも同様にt-PA産生亢進に働くことを確認した。
次に、分子量カット後活性のみられたMW10,000以下の試料(成瀬株培養液熱処理物低分子分画)を凍結乾燥した。ヒトの場合、投与された物質が吸収される時間が重要である。これまでの多くの実験(非特許文献3、18,19)を基に、0.5g相当の物質は、ELTの低下(31.8→15.7)と、t-PA抗原量の増加(6.6→17.6)を示し、ELT及びt-PA抗原量の増加は有意の変化(p<0.001)であった。その結果を図10、図11に示す。一方、血液のCa再加時間およびプロトロンビン時間に目立った変化はなかった。なお、ELTはSasakiらの方法(非特許文献21)、t-PA抗原はELISA(ImulyseTM5t-PA Biopool Umea Sweden)に従った。血漿凝固系は、0.2ml血漿、0.1ml50mMCaCl2をClot Digitam TE-20(Elma Optics)を用いた。Pro-thrombinは5mg/mlのトロンポプラスチン(時間)と0.1ml血漿を用いて調べた。
核酸系医薬の原料として、バチルス属の生産するアデノシンなどが注目されている。アデノシン誘導体は、低分子量の生理活性物質として血管拡張物質あるいは血小板凝集阻害物質として知られている。本発明者は、アデノシン誘導体がHeLa細胞に働いてt-PA亢進に働く効果を確認した。また、各種ペプチド関連物質としてトリプシンをはじめ、いろいろの酵素によるたんぱく質の分子切断の影響を調べた。
sodium salt 、Adenosine 5’-triphosphate disodium salt、 Adenosine 5’-diphosphate sodium salt、Guanosine-3’-5’-monophosphate mixed isomer sodium salt、Guanosine-2’&3’-monophosphate mixed isomer sodium salt、Guanosine 5’-diphosphate disodium salt およびCytidineはSigma社より購入した。
その他プロテアーゼ(たんぱく分解酵素)としてTripsin 、Chymotrypsin 、Papaine、Elastase I、Elastase IV 、Bromelain、Ficin(Sigma社)を用いた。
成瀬株培養液の分子量10,000以下の分画を各試験管に900μl加え、Trypsin1.0mg(100μl)あるいはNutrient brothを加え、37℃、1時間incubationした後、121℃、15分間加熱処理を行った。その後のt-PA産生亢進活性を調べてみた。
アデノシン・グアノシンの分析は30mmol/l 2-ジエチルアミノエタノール(pH7.4)を用い、Inertsil ODS-3を用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で行った。
図12〜図14はその結果を示す。特に、アデノシンやグアノシン1リン酸で強いt-PA産生亢進効果がみられた。Adenosine 5’-monophosphate sodium salt 、Guanosine-2’&3’-
monophosphate mixed isomer sodium
salt、Guanosine 5’-diphosphate disodium saltあるいはCytidineの添加効果は少なかった。図15は、成瀬株培養液(分子量10,000以下の分画)への各種酵素処理を行った結果を示すが、7種類のたんぱく分解酵素ではいずれも活性はみられなかった。納豆(成瀬株)、あるいはその抽出液中にはHPLCでかなり多量のAdenosineおよびGuanosineが検出された。
アデノシン、グアノシン1リン酸などの核酸成分がt-PAの産生に関与するという報告はこれまでに全くないことである。事実、DNAの構成成分として納豆にも存在する。また、最近はアデノシンが血行促進や育毛にも効果を有することで注目されている。
Claims (18)
- 納豆菌培養液を熱処理することで製造されるt−PA亢進物質。
- 前記t−PA亢進物質は、少なくともアデノシン、グアノシンの一方を含むことを特徴とする請求項1に記載のt−PA亢進物質。
- 前記納豆菌は、成瀬株、宮城野株、IAM1076株又はIAM12118株であることを特徴とする請求項1又は2に記載のt−PA亢進物質。
- 納豆菌培養液を熱処理することで製造されるt−PA亢進物質を含む医薬。
- 前記t−PA亢進物質は、少なくともアデノシン、グアノシンの一方を含むことを特徴とする請求項4に記載の医薬。
- 前記納豆菌は、成瀬株、宮城野株、IAM1076株又はIAM12118株であることを特徴とする請求項4又は5に記載の医薬。
- 納豆菌培養液を熱処理することで製造されるt−PA亢進物質を含む食品。
- 前記t−PA亢進物質は、少なくともアデノシン、グアノシンの一方を含むことを特徴とする請求項7に記載の食品。
- 前記納豆菌は、成瀬株、宮城野株、IAM1076株又はIAM12118株であることを特徴とする請求項7又は8に記載の食品。
- 納豆菌を培養する工程と、その培養液を熱処理する工程と、熱処理後の培養液を濾過する工程とを含むことを特徴とするt−PA亢進物質の製造方法。
- 前記納豆菌は、成瀬株、宮城野株、IAM1076株又はIAM12118株であることを特徴とする請求項10に記載のt−PA亢進物質の製造方法。
- 納豆菌菌体を熱処理することで製造されるt−PA亢進物質。
- 前記納豆菌は成瀬株であることを特徴とする請求項12に記載のt−PA亢進物質。
- 納豆菌菌体を熱処理することで製造されるt−PA亢進物質を含む医薬。
- 前記納豆菌は成瀬株であることを特徴とする請求項14に記載の医薬。
- 納豆菌菌体を熱処理することで製造されるt−PA亢進物質を含む食品。
- 前記納豆菌は成瀬株であることを特徴とする請求項16に記載の医薬。
- 納豆菌を培養する工程と、その培養液から菌体を分離する工程と;分離した菌体を熱処理する工程とを含むことを特徴とするt−PA亢進物質の製造方法。
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