JP2008105392A - 光情報記録媒体 - Google Patents

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康介 渡辺
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桂一 立石
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和俊 片山
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Abstract

【課題】電子情報の記録再生特性及び耐光性に優れた光情報記録媒体、特に、波長が440nm以下の青色レーザ光による記録再生が可能な光情報記録媒体を提供する。
【解決手段】第1光情報記録媒体10Aは、厚さ0.7〜2mmの第1基板12上に、440nm以下のレーザ光を照射することによって情報の記録が可能な第1追記型記録層14と、厚さ0.01〜0.5mmのカバー層16とをこの順に有する。具体的には、例えば第1基板12上に、第1光反射層18と、第1追記型記録層14と、バリア層20と、第1接着層22と、カバー層16とをこの順に有する。そして、第1追記型記録層14は、アゾ色素を少なくとも一種含有することを特徴とする。但し、前記アゾ色素は、−N=N−基の少なくとも一方にピラゾール環が直結し、分子内に金属原子及び/又は金属イオンを含まない。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光を用いて情報の記録及び再生が可能な光情報記録媒体に関し、詳しくは、波長440nm以下の短波長レーザ光を用いて情報を記録及び再生するのに好適なヒートモード型の光情報記録媒体に関する。
最近、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映も間近にひかえて、画像情報を安価簡便に記録するための大容量の記録媒体の要求が高まっている。前述のCD−R及び、可視レーザ光(630nm〜680nm)を記録用レーザ光として高密度記録を可能としたDVD−Rは、大容量の記録媒体としての地位をある程度まで確保しているものの、将来の要求に対応できる程の十分に大きな記録容量を有しているとはいえない。そこで、DVD−Rよりもさらに短波長のレーザ光を用いることによって記録密度を向上させ、より大きな記録容量を備えた光ディスクの開発が進められ、例えば405nmの青色レーザを用いたBlu−ray方式と称される光記録ディスクが提供されている。
従来から、DVD−R型の光ディスクにおいて、記録層に含有する色素化合物として、金属アゾキレート色素が有利に用いられてきた(例えば、特許文献1〜3参照)。金属アゾキレート色素は、良好な耐光性を示すが、これは金属イオンによる色素励起子の消光促進、アゾ−ヒドラゾン互変異性平衡におけるヒゾラゾン形成の抑制、あるいは一重項酸素消光等の効果と考えられる。これらの金属アゾキレート色素に対して、金属イオンを有さないアゾ色素は一般に耐光性は劣る。また、金属アゾキレート色素は、分子構造が嵩高く、その結果、膜形成を行った場合に結晶化が起こりにくく、膜安定性が高い。光情報記録媒体において従来好ましく用いられてきた金属アゾキレート色素には、環境有害性、及び人体に対する毒性を有する金属イオンが含まれていることから、金属イオンを有さないアゾ色素を使用することは、光情報記録媒体及び色素の拡販において、大いに意義がある。しかしながら、金属を有さないアゾ色素は、膜形成を行った場合に結晶化が起こりやすく、ディスク作製が困難である。これらの理由から、高い耐光性を求められる光ディスクにおいて、金属を有さないアゾ色素が用いられている例はほとんど見られず、耐光性と記録特性を満足するアゾ色素を見出すのは困難であった。
最近、特許文献4においてピラゾールを有するアゾ色素が公開されたが、実施例に記載の記録レーザ波長は633nmであり、440nm以下のレーザ波長については記載がなく、この特許文献4記載の色素を用いる効果は不明であった。
特開平11−310728号公報 特開平11−130970号公報 特開2002−274040号公報 特開2005−162812号公報
本発明は、電子情報の記録再生特性及び耐光性に優れた光情報記録媒体、特に、波長が440nm以下の青色レーザ光による記録再生が可能な光情報記録媒体を提供することを目的とする。
本発明は、440nm以下の青色レーザ光により記録再生を行う光情報記録媒体において、ピラゾール環が少なくとも一つ−N=N−基に直結した特定のアゾ色素を用いた場合に、良好な耐光性、溶解性、膜安定性、記録特性を得るのに有効であるとの知見を得、かかる知見に基づいて達成されたものである。
本発明の課題は、以下の構成によって好ましく達成された。
[1] 本発明に係る光情報記録媒体は、440nm以下のレーザ光を照射することによって情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、前記記録層は、アゾ色素を少なくとも一種含有することを特徴とする。前記アゾ色素は、−N=N−基の一方に下記一般式(I−1)〜(I−3)のいずれかで表される含窒素へテロ環が直結し、分子内に金属原子及び/又は金属イオンを含まない。但し、−N=N−基の少なくとも一方にはピラゾール環が直結し、該ピラゾール環は一般式(I−1)もしくは一般式(I−3)中のQにより形成される場合であってもよく、又は、該ピラゾール環は一般式(I−2)中のピラゾール環であってもよい。
Figure 2008105392
一般式(I−1)〜(I−3)中、Qは含窒素へテロ環を形成する基を表し、Q4は両端の窒素原子を連結して含窒素へテロ環を形成する基を表し、R3、R4、R6、R9は各々独立に水素原子又は置換基を表し、R31は一価の置換基を表す。*は−N=N−基との結合位置を表す。
[2] [1]において、前記アゾ色素は、−N=N−基の一方にピラゾール環が直結し、もう一方に下記一般式(I−1)〜(I−3)のいずれかで表される含窒素へテロ環が直結し、分子内に金属原子及び/又は金属イオンを含まないことを特徴とする。
Figure 2008105392
一般式(I−1)〜(I−3)中、Qは含窒素へテロ環を形成する基を表し、Q4は両端の窒素原子を連結して含窒素へテロ環を形成する基を表し、R3、R4、R6、R9は各々独立に水素原子又は置換基を表し、R31は一価の置換基を表す。*は−N=N−基との結合位置を表す。
[3] [2]において、前記記録層は、下記一般式(1)で表されるアゾ色素を含有することを特徴とする。
一般式(1):
Figure 2008105392
一般式(1)中、Qは含窒素へテロ環を形成する基を表し、Xはハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表し、R1〜R4は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
[4] [3]において、前記アゾ色素が下記一般式(2)で表されることを特徴とする。
一般式(2):
Figure 2008105392
一般式(2)中、Xはハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表し、R1〜R6は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
[5] [2]において、前記アゾ色素が下記一般式(3)で表されることを特徴とする。
一般式(3):
Figure 2008105392
一般式(3)中、Xはハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表し、R1、R2、R6、R7は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R31は一価の置換基を表す。
[6] [2]において、前記アゾ色素が下記一般式(4)で表されることを特徴とする。
一般式(4):
Figure 2008105392
一般式(4)中、Xはハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表し、R1、R2、R6、R8は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R31は一価の置換基を表す。
[7] [2]において、前記アゾ色素が下記一般式(5)で表されることを特徴とする。
一般式(5):
Figure 2008105392
一般式(5)中、R1、R2、R3、R4、R5は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
[8] [1]において、前記アゾ色素が下記一般式(6)で表されることを特徴とする。
一般式(6):
Figure 2008105392
一般式(6)中、Q2はピラゾール以外の含窒素へテロ環基を表し、R3〜R6は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
[9] [1]において、前記アゾ色素が下記一般式(7)で表されることを特徴とする。
一般式(7):
Figure 2008105392
一般式(7)中、Q2は含窒素へテロ環基を表し、R6、R7は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R31は一価の置換基を表す。
[10] [1]において、前記アゾ色素が下記一般式(8)で表されることを特徴とする。
一般式(8)
Figure 2008105392
一般式(8)中、Q2は含窒素へテロ環基を表し、R6及びR8は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R31は一価の置換基を表す。
[11] [8]〜[10]において、前記Q2は、置換若しくは無置換の1,2,4−チアジアゾール、置換若しくは無置換の1,3,4−チアジアゾール、4,5−ジシアノイミダゾールのいずれかで表されることを特徴とする。
[12] [2]において、前記アゾ色素が下記一般式(9)で表されることを特徴とする。
一般式(9)
Figure 2008105392
一般式(9)中、Q3は含窒素へテロ環を形成する基を表し、Xはハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表し、R1、R2、及びR9は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
[13] [12]において、前記Q3で形成される含窒素へテロ環基が、ピラゾール環、ピロール環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロリン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、1,2,4−トリアジン環、及び下記部分構造(C−1)〜(C−4)を形成する環(*は−N=N−基を表す)で表される環であることを特徴とする。
Figure 2008105392
前記式中、R9〜R16は水素原子又は置換基を表す。
[14] [1]において、金属からなる光反射層をさらに有することを特徴とする。
[15] [1]において、保護層をさらに有することを特徴とする。
[16] [1]において、基板上に前記記録層が形成され、前記基板は、少なくとも片側の表面にトラックピッチ50〜500nmのプリグルーブを有する透明な円盤状基板であり、前記記録層は、前記プリグルーブが形成された側の表面に設けられていることを特徴とする。
以上説明したように、本発明に係る光情報記録媒体によれば、記録層に特定のアゾ色素を用いることにより、記録前、記録後の耐光性に優れ、良好な膜安定性を持つ光情報記録媒体、特に、波長が440nm以下のレーザ光の照射による情報の記録が可能な情報記録媒体を提供することができる。
以下、本発明の光情報記録媒体の実施の形態例について詳細に説明する。
本実施の形態に係る光情報記録媒体は、基板上に情報の記録が可能な少なくとも一層の記録層を有してなり、好ましくはさらに光反射層、保護層を設けて構成することができる。
本実施の形態に係る光情報記録媒体の記録層は、−N=N−基の一方に下記一般式(I−1)〜(I−3)のいずれかで表される含窒素へテロ環が直結し、分子内に金属原子及び/又は金属イオンを含まないことを特徴とするアゾ色素の少なくとも一種で構成したものである。但し、−N=N−基の少なくとも一方にはピラゾール環が直結し、該ピラゾール環は一般式(I−1)若しくは一般式(I−3)中のQにより形成される場合であってもよく、又は、該ピラゾール環は一般式(I−2)中のピラゾール環であってもよい。
Figure 2008105392
一般式(I−1)〜(I−3)中、Qは含窒素へテロ環を形成する基を表し、Q4は両端の窒素原子を連結して含窒素へテロ環を形成する基を表し、R3、R4、R6、R9は各々独立に水素原子又は置換基を表し、R31は一価の置換基を表す。*は−N=N−基との結合位置を表す。
本実施の形態に係る光情報記録媒体で使用されるアゾ色素について説明する。
本発明のアゾ色素は−N=N−基の一方に下記一般式(I−1)〜(I−3)のいずれかで表される含窒素へテロ環が直結し、分子内に金属原子及び/又は金属イオンを含まないことを特徴とする。これにより、光記録媒体上に耐光性が良好な色素膜を安定に形成させやすくなり、さらに、良好な記録特性が得られる。
Figure 2008105392
一般式(I−1)について説明する。一般式(I−1)中のQは含窒素へテロ環を形成する基を表す。一般式(I−1)中のQ、R3、及びR4は、後述の一般式(1)中のQ、R3、及びR4と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(I−2)について説明する。一般式(I−2)中のQ4は両端の窒素原子を連結して含窒素へテロ環を形成する基を表す。Q4により形成される環は、特に限定されないが、5〜7員環であることが好ましく、5又は6員環であることがより好ましい。
一般式(I−2)中のR6は、後述の一般式(3)中のR6と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(I−2)中のR31は、後述の一般式(3)中のR31と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(I−3)について説明する。一般式(I−3)中のQは一般式(I−1)中のQと同義であり、好ましい範囲も同じである。一般式(I−3)中のR9は、後述の一般式(9)中のR9と同義であり、好ましい範囲も同じである。
*は−N=N−基との結合位置を表す。
アゾ色素は、一般式(1)、一般式(2)、一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、一般式(6)、一般式(7)、一般式(8)、一般式(9)のいずれかで表されることが好ましく、一般式(1)、一般式(2)、一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、一般式(6)、一般式(7)、一般式(8)のいずれかで表されることがより好ましい。
本発明のアゾ色素は−N=N−基の一方に前記一般式(I−1)〜(I−3)のいずれかで表される含窒素へテロ環が直結し、もう一方にピラゾール環が直結することがさらに好ましい。
一般式(1)について説明する。
一般式(1):
Figure 2008105392
Qは置換又は無置換の含窒素へテロ環を形成する基を表す。Qを介して形成される含窒素へテロ環としては、特に限定されないが、例えば、ピラゾール環、ピロール環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロリン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、1,2,4−トリアジン環等が挙げられる。これらの環はさらに縮環していてもよい。
Qを介して形成される含窒素へテロ環は、好ましくは、ピラゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ピリジン環であり、より好ましくは、ピラゾール環、ピリジン環であり、さらに好ましくはピラゾール環である。
Qは、置換基を有していることが好ましく、その置換基としては特に限定されないが、例えば、後述のR1〜R4で挙げられる置換基が挙げられる。
Qに置換する置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる)が好ましい。
ここで、本明細書中で用いられるハメットの置換基定数σp値について説明する。
ハメット則はベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年にL.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry 」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。なお、本実施の形態において、各置換基をハメットの置換基定数σpにより限定したり、説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に包まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。
Xは、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。Xは、σp値が0.30以上、1.0以下の電子吸引性基であるのが好ましい。σp値が0.20以上の電子吸引性基Xの具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、σp値が0.20以上の他の電子吸引性基で置換されたアリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、ジアゼニル基及びセレノシアネート基が挙げられる。
Xは、さらに置換基を有していてもよく、その場合の置換基としては、以下のものが挙げられる。
ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖アルキル基、炭素数7〜18のアラルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルキニル基、炭素数3〜12の直鎖又は分岐鎖シクロアルキル基、炭素数3〜12の直鎖又は分岐鎖シクロアルケニル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、2−メタンスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル、シクロペンチル)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル)、ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイル)、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アニリノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ)、アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、オクタデカン)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル)、ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル)を表す。
Xの好ましいものとしては、炭素数2〜12のアシル基、炭素数2〜12のアシルオキシ基、炭素数1〜12のカルバモイル基、炭素数2〜12のアルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜18のアリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルキルスルフイニル基、炭素数6〜18のアリールスルフイニル基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、炭素数0〜12のスルファモイル基、炭素数1〜12のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜12のハロゲン化アルキルオキシ基、炭素数1〜12のハロゲン化アルキルチオ基、炭素数7〜18のハロゲン化アリールオキシ基、2つ以上のσp値0.20以上の他の電子吸引性基で置換された炭素数7〜18のアリール基、及び炭素数1〜18で且つ窒素原子、酸素原子もしくはイオウ原子を有するヘテロ環基を挙げることができる。
Xとしては、さらに好ましくは、炭素数2〜12のアルキルオキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、炭素数1〜12のカルバモイル基及び炭素数1〜12のハロゲン化アルキル基である。Xとして特に好ましいものは、シアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基であり、最も好ましいものはシアノ基である。
Xのσp値について、前記範囲が好ましい理由としては、合成的観点(ピラゾール環形成反応における反応優位性)が先ず挙げられる。これにより、Xが前記範囲に当てはまるようなピラゾール環が容易に得られ、そのようなピラゾール環を本実施の形態では好んで用いている(合成法としては、特開昭61−36362号公報の式IIaの合成法等が挙げられる)。また、耐光性の観点からも、Xを前記範囲にすることにより、アゾ色素の酸化電位低下を伴い、一重項酸素やオゾンに対する耐性が向上すると考えられ、良好な耐光性が期待される。
1〜R4は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R1〜R4で表される置換基としては特に限定されないが、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニル等が挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニル、ピリジル、チアゾール、オキサゾール、トリアゾール等が挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル、トリフルオロメチルカルボニル等が挙げられる。)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニル等が挙げられる。)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばフェニルスルホニル等が挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等が挙げられる。)、アミノカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばN,N−ジメチルアミノカルボニル、N,N−ジエチルカルボニル等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニル等が挙げられる。)、アルコキシスルホニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシスルホニル、エトキシスルホニル等が挙げられる。)、アミノスルホニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばN,N−ジメチルアミノスルホニル、N,N−ジエチルアミノスルホニル等が挙げられる。)、芳香族ではないヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子が挙げられる。具体的には、例えば、ピペリジル、モルホリノ等が挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる)等が挙げられる。これらの置換基はさらに置換されてもよい。
1は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基が好ましく、水素原子、アルキル基がより好ましい。アルキル基としては、溶解性、膜安定性の観点から、iso−プロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルが好ましく、iso−プロピル、sec−ブチル、tert−ブチルがより好ましく、tert−ブチルがさらに好ましい。
2は、各々独立に、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、アルキルスルホニル基が好ましく、アリール基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基がより好ましく、アリール基、アミノカルボニル基がさらに好ましい。アリール基としては、フェニル基、ピリジル基、ベンゾチアゾリル基、トリアジニル基が好ましく、フェニル基、ピリジル基がより好ましく、フェニル基がさらに好ましい。
3、R4は、水素原子、アルキル基、アリール基が好ましく、水素原子がより好ましい。
次に、一般式(2)について説明する。
一般式(2):
Figure 2008105392
一般式(2)中のXは、一般式(1)中のXと同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(2)中のR1〜R4は、一般式(1)中のR1〜R4と同義であり、好ましい範囲も同じである。
5は、前記R2と同義であり、アルキル基、アリール基、アシル基、アルキルスルホニル基が好ましく、アルキル基、アリール基がより好ましく、アルキル基がさらに好ましい。R5はR4と結合することはない。
6は、水素原子又は置換基を表し、置換基としては前記R1で挙げた置換基が挙げられ、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基であることが好ましく、アルキル基、アリール基、であることがより好ましく、アルキル基であることがさらに好ましい。アルキル基の中でも3級アルキル基が好ましく、特にtert−ブチルであることが好ましい。
前記一般式(2){一般式(1)に含まれる}で表される化合物の具体例として、以下の化合物群が挙げられる。但し、本実施の形態においては、これらに限定されるものではない。
Figure 2008105392
前記一般式(2)に含まれず、一般式(1)で表される化合物の具体例として、以下の化合物群が挙げられる。但し、本実施の形態においては、これらに限定されるものではない。
Figure 2008105392
次に、一般式(3)について説明する。
一般式(3):
Figure 2008105392
一般式(3)中のXは、一般式(1)中のXと同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(3)中のR1、R2、R6は、前記R1、R2、R6と同義であり、好ましい範囲も同じである。
7は、水素原子又は置換基を表し、置換基であることが好ましい。置換基としては特に限定されないが、例えば、前記R1で挙げられた置換基が挙げられ、アルキル基、アリール基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。
31は、一価の置換基を表す。一価の置換基としては、特に限定されないが、前記R1で挙げた置換基が挙げられ、アルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基が好ましく、アルキル基、アシル基がより好ましく、アルキル基がさらに好ましい。これにより、アゾ−ヒドラゾン互変異性平衡によるヒドラゾン形成が抑制され、耐光性が向上する。
前記一般式(3)で表される化合物の具体例として、以下の化合物群が挙げられる。但し、本実施の形態においては、これらに限定されるものではない。
Figure 2008105392
次に、一般式(4)について説明する。
一般式(4):
Figure 2008105392
一般式(4)中のXは、前記一般式(1)中のXと同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(4)中のR1、R2、R6は、前記R1、R2、R6と同義であり、好ましい範囲も同じである。
8は、前記R7と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(4)中のR31は、前記一般式(3)中のR31と同義であり、好ましい範囲も同じである。
前記一般式(4)で表される化合物の具体例として、以下の化合物群が挙げられる。但し、本実施の形態においては、これらに限定されるものではない。
Figure 2008105392
次に、一般式(5)について説明する。一般式(5)中のR1、R2、R3、R4、R5は、前記R1、R2、R3、R4、R5と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(5):
Figure 2008105392
次に、一般式(6)について説明する。
一般式(6):
Figure 2008105392
一般式(6)中のR3〜R6は、前記R3〜R6と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一方、Q2は、ピラゾール以外の含窒素へテロ環基を表す。Q2で表される含窒素へテロ環基としては、特に限定されないが、例えば、ピロール環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、ピロリン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、1,2,4−トリアジン環等が挙げられる。これらの環はさらに縮環していてもよい。
2で表される含窒素へテロ環基は、好ましくは、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、ピリジン環であり、より好ましくはイミダゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、トリアゾール環であり、さらに好ましくは、イミダゾール環、チアジアゾール環である。チアジアゾール環としては、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾールがあり、いずれも好ましい。チアジアゾール環の置換基としては、特に限定されないが、前記R1で挙げられた置換基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、フェノキシ基、チオフェノキシ基等が挙げられ、中でも、アルキル基、チオアルコキシ基が好ましい。イミダゾール環、チアゾール環の置換基としては、耐光性向上の観点から、環上の炭素に結合する置換基としてシアノ基を少なくとも一つ有することが好ましい。
一般式(6)で表される化合物の具体例として、以下の化合物群が挙げられるが、本実施の形態はこれらに限定されるものではない。
Figure 2008105392
次に、一般式(7)について説明する。
一般式(7):
Figure 2008105392
一般式(7)中のQ2は、前記一般式(6)中のQ2と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(7)中のR6、R7は、前記R6、R7と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(7)中のR31は、前記R31と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(7)で表される化合物の具体例として、以下の化合物群が挙げられるが、本実施の形態はこれらに限定されるものではない。
Figure 2008105392
次に、一般式(8)について説明する。
一般式(8):
Figure 2008105392
一般式(8)中のQ2は、前記一般式(6)中のQ2と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(8)中のR6、R8は、前記R6、R8と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(8)中のR31は前記R31と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(8)で表される化合物の具体例として、以下の化合物群が挙げられるが、本実施の形態はこれらに限定されるものではない。
Figure 2008105392
次に、一般式(9)について説明する。
一般式(9):
Figure 2008105392
一般式(9)中のXは、一般式(1)中のXと同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(9)中のR1、R2は前記R1、R2と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一方、Q3は、含窒素へテロ環を形成する基を表す。Q3で形成される含窒素へテロ環基としては、特に限定されないが、例えば、ピラゾール環、ピロール環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロリン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、1,2,4−トリアジン環、及び下記部分構造(C−1)〜(C−4)を形成する環(*は−N=N−基を表す)等が挙げられる。これらの環はさらに縮環していてもよい。
Figure 2008105392
3は、好ましくは部分構造(C−1)〜(C−4)を形成する環であり、より好ましくは部分構造(C−1)〜(C−3)を形成する環であり、さらに好ましくは部分構造(C−1)、(C−3)を形成する環であり、特に好ましくは部分構造(C−3)を形成する環である。
9は、水素原子又は置換基を表す。置換基としては、前記R1〜R4で挙げられた置換基が挙げられ、アルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基であることがより好ましい。
10〜R16は、前記R7と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(9)で表される化合物の具体例としては、以下の化合物(A−35)〜(A−43)が挙げられるが、本実施の形態はこれらに限定されるものではない。
Figure 2008105392
本発明のアゾ色素に含まれる置換基において、いずれかの置換基の一部に、カルボン酸残基を有することが好ましい。これにより、記録再生特性が格段に向上する。
そして、塗布液中の色素化合物、特にアゾ色素の濃度としては、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲であり、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲であり、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
次に、本実施の形態に係る光情報記録媒体の構成について図1及び図2を参照しながら説明する。
本実施の形態の光情報記録媒体は、図1に示す第1の様態に係る光情報記録媒体(以下、第1光情報記録媒体10Aと記す)と、図2に示す第2の様態に係る光情報記録媒体(以下、第2光情報記録媒体10Bと記す)であることが好ましい。
第1光情報記録媒体10Aは、図1に示すように、厚さ0.7〜2mmの第1基板12上に、色素を含有する第1追記型記録層14と、厚さ0.01〜0.5mmのカバー層16とをこの順に有する。具体的には、例えば第1基板12上に、第1光反射層18と、第1追記型記録層14と、バリア層20と、第1接着層22と、カバー層16とをこの順に有する。
第2光情報記録媒体10Bは、図2に示すように、厚さ0.1〜1.0mmの第2基板24上に、色素を含有する第2追記型記録層26と、厚さ0.1〜1.0mmの保護基板28とをこの順に有する。具体的には、例えば第2基板24上に、第2追記型記録層26と、第2光反射層30と、第2接着層32と、保護基板28とをこの順に有する。
第1光情報記録媒体10Aにおいては、図1に示すように、第1基板12に形成される第1プリグルーブ34のトラックピッチが50〜500nm、溝幅が25〜250nm、溝深さが5〜150nmであることが好ましい。
第2光情報記録媒体10Bにおいては、図2に示すように、第2基板24に形成される第2プリグルーブ36のトラックピッチが200〜600nm、溝幅が50〜300nm、溝深さが30〜150nmであり、ウォブル振幅が5〜50nmであることが好ましい。
第1光情報記録媒体10Aは、図1に示すように、少なくとも第1基板12と、第1追記型記録層14と、カバー層16とを有する様態であり、まず、これらに必須の部材について順に説明する。
〔第1光情報記録媒体10Aの第1基板12〕
図1に示すように、好ましい第1光情報記録媒体10Aの第1基板12には、トラックピッチ、溝幅(半値幅)、溝深さ、及びウォブル振幅のいずれもが下記の範囲である形状を有する第1プリグルーブ34(案内溝)が形成されていることが必須である。この第1プリグルーブ34は、CD−RやDVD−Rに比べてより高い記録密度を達成するために設けられたものであり、例えば、第1光情報記録媒体10Aを、青紫色レーザに対応する媒体として使用する場合に好適である。
第1プリグルーブ34のトラックピッチは、50〜500nmの範囲であることが必須であり、上限値が420nm以下であることが好ましく、370nm以下であることがより好ましく、330nm以下であることがさらに好ましい。また、下限値は、100nm以上であることが好ましく、200nm以上であることがより好ましく、260nm以上であることがさらに好ましい。トラックピッチが50nm未満では、第1プリグルーブ34を正確に形成することが困難になるうえ、クロストークの問題が発生することがあり、500nmを超えると、記録密度が低下する問題が生ずることがある。
第1プリグルーブ34のグルーブ40(第1基板12において凹部)での溝幅(半値幅)は、25〜250nmの範囲であることが必須であり、上限値が240nm以下であることが好ましく、230nm以下であることがより好ましく、220nm以下であることがさらに好ましい。また、下限値は、50nm以上であることが好ましく、80nm以上であることがより好ましく、100nm以上であることがさらに好ましい。第1プリグルーブ34の溝幅が25nm未満では、成形時に溝が十分に転写されなかったり、記録のエラーレートが高くなったりすることがあり、250nmを超えると、同じく成形時に溝が十分に転写されなかったり、記録時に形成されるピットが広がってしまい、クロストークの原因となることがある。
第1プリグルーブ34の溝深さは、5〜150nmの範囲であることが必須であり、上限値が85nm以下であることが好ましく、80nm以下であることがより好ましく、75nm以下であることがさらに好ましい。また、下限値は、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、28nm以上であることがさらに好ましい。第1プリグルーブ34の溝深さが5nm未満では、十分な記録変調度が得られないことがあり、150nmを超えると、反射率が大幅に低下することがある。
また、第1プリグルーブ34の溝傾斜角度は、上限値が80°以下であることが好ましく、75°以下であることがより好ましく、70°以下であることがさらに好ましく、65°以下であることが特に好ましい。また、下限値は、20°以上であることが好ましく、30°以上であることがより好ましく、40°以上であることがさらに好ましい。第1プリグルーブ34の溝傾斜角度が20°未満では、十分なトラッキングエラー信号振幅が得られないことがあり、80°を超えると、成形が困難となる。
第1光情報記録媒体10Aにおいて用いられる第1基板12としては、従来の光情報記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
前記材料の中では、耐湿性、寸法安定性及び低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。これらの樹脂を用いた場合、射出成形を用いて第1基板12を作製することができる。
また、第1基板12の厚さは、0.7〜2mmの範囲であり、0.9〜1.6mmの範囲であることが好ましく、1.0〜1.3mmとすることがより好ましい。
なお、後述する第1光反射層18が設けられる側の第1基板12の表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することが好ましい。
下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、前記材料を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法によって、第1基板12の表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
〔第1光情報記録媒体10Aの第1追記型記録層14〕
好ましい第1光情報記録媒体10Aの第1追記型記録層14は、色素を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いで、この塗布液を基板上又は後述する第1光反射層18上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成される。ここで、第1追記型記録層14は、単層でも重層でもよく、重層構造の場合、塗布液を塗布する工程が複数回行なわれることになる。
塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
塗布液の調製に用いる溶剤としては、例えば、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;等を挙げることができる。
上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中には、さらに、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。
塗布の際、塗布液の温度は23〜50℃の範囲であることが好ましく、24〜40℃の範囲であることがより好ましい。
第1追記型記録層14の厚さは、ランド38(第1基板12において凸部)上で、300nm以下であることが好ましく、250nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることがさらに好ましく、180nm以下であることが特に好ましい。下限値としては1nm以上であることが好ましく、3nm以上であることがより好ましく、5nm以上であることがさらに好ましく、7nm以上であることが特に好ましい。
また、第1追記型記録層14の厚さは、グルーブ40(第1基板12において凹部)上で、400nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、250nm以下であることがさらに好ましい。下限値としては、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、25nm以上であることがさらに好ましい。
さらに、ランド38上の第1追記型記録層14の厚さ/グルーブ40上の第1追記型記録層14の厚さの比は、0.1以上であることが好ましく、0.13以上であることがより好ましく、0.15以上であることがさらに好ましく、0.17以上であることが特に好ましい。上限値としては、1未満であることが好ましく、0.9以下であることがより好ましく、0.85以下であることがさらに好ましく、0.8以下であることが特に好ましい。
塗布液が結合剤を含有する場合、該結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム等の天然有機高分子物質;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物等の合成有機高分子;を挙げることができる。追記型記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、一般に色素に対して0.01倍量〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量(質量比)の範囲にある。
また、第1追記型記録層14には、第1追記型記録層14の耐光性をさらに向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。褪色防止剤としては、一般的に、一重項酸素クエンチャーが用いられる。本実施の形態においても、この一重項酸素クエンチャーを混合させることによってさらなる耐光性の向上が期待できる。一重項酸素クエンチャーとしては、前記特開平11−310728号公報に記載のものを利用することができる。
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、色素の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、さらに好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
〔第1光情報記録媒体10Aのカバー層16〕
好ましい第1光情報記録媒体10Aのカバー層16は、上述した第1追記型記録層14又は後述するバリア層20上に、接着剤や粘着剤等からなる第1接着層22を介して貼り合わされる。
第1光情報記録媒体10Aにおいて用いられるカバー層16としては、透明な材質のフィルムであれば、特に限定されないが、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;三酢酸セルロース等を使用することが好ましく、中でも、ポリカーボネート又は三酢酸セルロースを使用することがより好ましい。
なお、「透明」とは、記録及び再生に用いられる光に対して、透過率80%以上であることを意味する。
また、カバー層16は、本発明の効果を妨げない範囲において、種々の添加剤が含有されていてもよい。例えば、波長400nm以下の光をカットするためのUV吸収剤及び/又は500nm以上の光をカットするための色素が含有されていてもよい。
さらに、カバー層16の表面物性としては、表面粗さが2次元粗さパラメータ及び3次元粗さパラメータのいずれも5nm以下であることが好ましい。
また、記録及び再生に用いられる光の集光度の観点から、カバー層16の複屈折は10nm以下であることが好ましい。
カバー層16の厚さは、記録及び再生のために照射されるレーザ光46の波長や第1対物レンズ42のNAにより、適宜、規定されるが、第1光情報記録媒体10Aにおいては、0.01〜0.5mmの範囲内であり、0.05〜0.12mmの範囲であることがより好ましい。
また、カバー層16と第1接着層22とを合わせた総厚は、0.09〜0.11mmであることが好ましく、0.095〜0.105mmであることがより好ましい。
なお、カバー層16の光入射面には、第1光情報記録媒体10Aの製造時に、光入射面が傷つくことを防止するための保護層44(ハードコート層)が設けられていてもよい。
第1接着層22に用いられる接着剤としては、例えばUV硬化樹脂、EB硬化樹脂、熱硬化樹脂等を使用することが好ましく、特にUV硬化樹脂を使用することが好ましい。
接着剤としてUV硬化樹脂を使用する場合は、該UV硬化樹脂をそのまま、若しくはメチルエチルケトン、酢酸エチル等の適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、ディスペンサからバリア層20の表面に供給してもよい。また、作製される第1光情報記録媒体10Aの反りを防止するため、第1接着層22を構成するUV硬化樹脂は硬化収縮率の小さいものが好ましい。このようなUV硬化樹脂としては、例えば大日本インキ化学工業(株)製の「SD−640」等のUV硬化樹脂を挙げることができる。
接着剤は、例えば、バリア層20からなる被貼り合わせ面上に、所定量塗布し、その上に、カバー層16を載置した後、スピンコートにより接着剤を、被貼り合わせ面とカバー層16との間に均一になるように広げた後、硬化させることが好ましい。
このような接着剤からなる第1接着層22の厚さは、0.1〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲、さらに好ましくは10〜30μmの範囲である。
また、第1接着層22に用いられる粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコン系の粘着剤を使用することができるが、透明性、耐久性の観点から、アクリル系の粘着剤が好ましい。かかるアクリル系の粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレート等を主成分とし、凝集力を向上させるために、短鎖のアルキルアクリレートやメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートと、架橋剤との架橋点となりうるアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド誘導体、マレイン酸、ヒドロキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリレート等と、を共重合したものを用いることが好ましい。主成分と、短鎖成分と、架橋点を付加するための成分と、の混合比率、種類を、適宜、調節することにより、ガラス転移温度(Tg)や架橋密度を変えることができる。
前記粘着剤と併用される架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤が挙げられる。イソシアネート系架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート類を使用することができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品としては、日本ポリウレタン社製のコロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミリオネートHTL;武田薬品工業社製のタケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202;住友バイエル社製のデスモジュールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジュールHL;等を挙げることができる。
粘着剤は、バリア層20からなる被貼り合わせ面上に、所定量、均一に塗布し、その上に、カバー層16を載置した後、硬化させてもよいし、予め、カバー層16の片面に、所定量を均一に塗布して粘着剤塗膜を形成しておき、該塗膜を被貼り合わせ面に貼り合わせ、その後、硬化させてもよい。
また、カバー層16に、予め、粘着剤層が設けられた市販の粘着フィルムを用いてもよい。
このような粘着剤からなる第1接着層22の厚さは、0.1〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲、さらに好ましくは10〜30μmの範囲である。
〔第1光情報記録媒体10Aにおけるその他の層〕
好ましい第1光情報記録媒体10Aは、本発明の効果を損なわない範囲においては、上記の必須の層に加え、他の任意の層を有していてもよい。他の任意の層としては、例えば、第1基板12の裏面(第1追記型記録層14が形成面に対する裏面)に形成される、所望の画像を有するレーベル層や、第1基板12と第1追記型記録層14との間に設けられる第1光反射層18(後述)、第1追記型記録層14とカバー層16との間に設けられるバリア層20(後述)、該第1光反射層18と第1追記型記録層14との間に設けられる界面層等が挙げられる。ここで、レーベル層は、紫外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂、及び熱乾燥樹脂等を用いて形成することができる。
なお、これら必須及び任意の層は、いずれも単層でもよいし、多層構造でもよい。
〔第1光情報記録媒体10Aにおける第1光反射層18〕
第1光情報記録媒体10Aにおいて、レーザ光46に対する反射率を高めたり、記録再生特性を改良する機能を付与するために、第1基板12と第1追記型記録層14との間に、第1光反射層18を形成することが好ましい。
第1光反射層18は、レーザ光46に対する反射率が高い光反射性物質を、真空蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティングすることにより基板上に形成することができる。
第1光反射層18の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。
なお、前記反射率は、70%以上であることが好ましい。
反射率が高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、又は合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Agあるいはこれらの合金である。
〔第1光情報記録媒体10Aにおけるバリア層20(中間層)〕
第1光情報記録媒体10Aにおいては、第1追記型記録層14とカバー層16との間にバリア層20を形成することが好ましい。
該バリア層20は、第1追記型記録層14の保存性を高める、第1追記型記録層14とカバー層16との接着性を向上させる、反射率を調整する、熱伝導率を調整する、等のために設けられる。
バリア層20に用いられる材料としては、記録及び再生に用いられる光を透過する材料であり、上記の機能を発現し得るものであれば、特に、制限されるものではないが、例えば、一般的には、ガスや水分の透過性の低い材料であり、誘電体であることが好ましい。
具体的には、Zn、Si、Ti、Te、Sn、Mo、Ge等の窒化物、酸化物、炭化物、硫化物からなる材料が好ましく、MoO2、GeO2、TeO、SiO2、TiO2、ZuO、SnO2、ZnO−Ga23、Nb25、Ta25が好ましく、SnO2、ZnO−Ga23、SiO2、Nb25、Ta25がより好ましい。
また、バリア層20は、真空蒸着、DCスパッタリング、RFスパッタリング、イオンプレーティング等の真空成膜法により形成することができる。中でも、スパッタリングを用いることがより好ましい。
バリア層20の厚さは、1〜200nmの範囲が好ましく、2〜100nmの範囲がより好ましく、3〜50nmの範囲がさらに好ましい。
次に、第2光情報記録媒体10Bについて説明する。
ここで、第2光情報記録媒体10Bは、貼り合わせ型の層構成を有する光情報記録媒体であり、その代表的な層構成としては、下記の通りである。
(1) 第1の層構成は、図2に示すように、第2基板24上に、第2追記型記録層26、第2光反射層30、第2接着層32を順次形成し、第2接着層32上に保護基板28を設ける構成である。
(2) 第2の層構成は、図示しないが、第2基板24上に、第2追記型記録層26、第2光反射層30、保護層、第2接着層32を順次形成し、第2接着層32上に保護基板28を設ける構成である。
(3) 第3の層構成は、図示しないが、第2基板24上に、第2追記型記録層26、第2光反射層30、保護層、第2接着層32、保護層を順次形成し、該保護層上に保護基板28を設ける構成である。
(4) 第4の層構成は、図示しないが、第2基板24上に、第2追記型記録層26、第2光反射層30、保護層、第2接着層32、保護層、光反射層を順次形成し、該光反射層上に保護基板28を設ける構成である。
(5) 第5の層構成は、図示しないが、第2基板24上に、第2追記型記録層26、第2光反射層30、第2接着層32、光反射層を順次形成し、該光反射層上に保護基板28を設ける構成である。
なお、上記(1)〜(5)の層構成は単なる例示であり、当該層構成は上述の順番のみでなく、一部を入れ替えてもよいし、一部を省略してもかまわない。また、第2追記型記録層26は、保護基板28側にも形成されていてもよく、その場合、両面からの記録、再生が可能な光情報記録媒体となる。さらに、各層は1層で構成されても複数層で構成されてもよい。
上記のうち、第2光情報記録媒体10Bとして、図2に示すように、第2基板24上に、第2追記型記録層26、第2光反射層30、第2接着層32、保護基板28をこの順に有する構成のものを例にとって、以下にその説明をする。
〔第2光情報記録媒体10Bの第2基板24〕
第2光情報記録媒体10Bにおける第2基板24には、トラックピッチ、溝幅(半値幅)、溝深さ、及びウォブル振幅のいずれもが下記の範囲である形状を有する第2プリグルーブ36(案内溝:グルーブ50、ランド52)が形成されていることが必須である。この第2プリグルーブ36は、CD−RやDVD−Rに比べてより高い記録密度を達成するために設けられたものであり、例えば、第2光情報記録媒体10Bを、青紫色レーザに対応する媒体として使用する場合に好適である。
第2プリグルーブ36のトラックピッチは、200〜600nmの範囲であることが必須であり、上限値が450nm以下であることが好ましく、430nm以下であることがさらに好ましい。また、下限値は、300nm以上であることが好ましく、330nm以上であることがより好ましく、370nm以上であることがさらに好ましい。トラックピッチが200nm未満では、第2プリグルーブ36を正確に形成することが困難になるうえ、クロストークの問題が発生することがあり、600nmを超えると、記録密度が低下する問題が生ずることがある。
第2プリグルーブ36の溝幅(半値幅)は、50〜300nmの範囲であることが必須であり、上限値が290nm以下であることが好ましく、280nm以下であることがより好ましく、250nm以下であることがさらに好ましい。また、下限値は、100nm以上であることが好ましく、120nm以上であることがより好ましく、140nm以上であることがさらに好ましい。第2プリグルーブ36の溝幅が50nm未満では、成形時に溝が十分に転写されなかったり、記録のエラーレートが高くなったりすることがあり、300nmを超えると、記録時に形成されるピットが広がってしまい、クロストークの原因となったり、十分な変調度が得られないことがある。
第2プリグルーブ36の溝深さは、30〜150nmの範囲であることが必須であり、上限値が140nm以下であることが好ましく、130nm以下であることがより好ましく、120nm以下であることがさらに好ましい。また、下限値は、40nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましく、60nm以上であることがさらに好ましい。第2プリグルーブ36の溝深さが30nm未満では、十分な記録変調度が得られないことがあり、150nmを超えると、反射率が大幅に低下することがある。
第2光情報記録媒体10Bにおいて用いられる第2基板24としては、従来の光情報記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができ、具体例及び好ましい例は、第1光情報記録媒体10Aの第1基板12と同様である。
また、第2基板24の厚さは、0.1〜1.0mmの範囲であることを要し、0.2〜0.8mmの範囲であることが好ましく、0.3〜0.7mmの範囲であることがより好ましい。
なお、後述する第2追記型記録層26が設けられる側の第2基板24の表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することが好ましく、該下塗層の材料、塗布法及び層厚の具体例及び好ましい例は、第1光情報記録媒体10Aの下塗層と同様である。
〔第2光情報記録媒体10Bの第2追記型記録層26〕
好ましい第2光情報記録媒体10Bの第2追記型記録層26に関する詳細については、第1光情報記録媒体の第1追記型記録層14と同様である。
〔第2光情報記録媒体10Bの第2光反射層30〕
第2光情報記録媒体10Bにおいて、レーザ光46に対する反射率を高めたり、記録再生特性を改良する機能を付与するために、第2追記型記録層26上に第2光反射層30を形成することがある。第2光情報記録媒体10Bの第2光反射層30に関する詳細は、第1光情報記録媒体10Aの第1光反射層18と同様である。
〔第2光情報記録媒体10Bの第2接着層32〕
好ましい第2光情報記録媒体10Bにおける第2接着層32は、第2光反射層30と、保護基板28との密着性を向上させるために形成される任意の層である。
第2接着層32を構成する材料としては、光硬化性樹脂が好ましく、中でもディスクの反りを防止するため、硬化収縮率の小さいものが好ましい。このような光硬化性樹脂としては、例えば、大日本インク社製の「SD−640」、「SD−661」等のUV硬化性樹脂(UV硬化性接着剤)を挙げることができる。
また、接着層の厚さは、弾力性を持たせるため、1〜1000μmの範囲が好ましい。
〔第2光情報記録媒体10Bの保護基板28〕
好ましい第2光情報記録媒体10Bにおける保護基板28(ダミー基板)は、上述した第2基板24と同じ材質で、同じ形状のものを使用することができる。保護基板28の厚さとしては、0.1〜1.0mmの範囲であることを要し、0.2〜0.8mmの範囲であることが好ましく、0.3〜0.7mmの範囲であることがより好ましい。
〔第2光情報記録媒体10Bの保護層(図示せず)〕
第2光情報記録媒体10Bは、その層構成によっては、第2光反射層30や第2追記型記録層26等を物理的及び化学的に保護する目的で保護層が設けられることある。
保護層に用いられる材料の例としては、ZnS、ZnS−SiO2、SiO、SiO2、MgF2、SnO2、Si34等の無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。
保護層は、例えば、プラスチックの押出加工で得られたフィルムを接着剤を介して光反射層上に貼り合わせることにより形成することができる。また、真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。
また、保護層として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を用いる場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのまま若しくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、さらに帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層の層厚は、一般には0.1μm〜1mmの範囲にある。
〔第2光情報記録媒体10Bにおけるその他の層〕
第2光情報記録媒体10Bは、本発明の効果を損なわない範囲においては、上記の必須の層に加え、他の任意の層を有していてもよい。他の任意の層の詳細については、第1光情報記録媒体10Aにおけるその他の層と同様である。
<光情報記録方法>
次に、第1光情報記録媒体10A及び第2光情報記録媒体10Bに電子情報を記録する方法(以下、光情報記録方法ともいう。)について説明する。
第1光情報記録媒体10Aにおいては、先ず、第1光情報記録媒体10Aを定線速度(0.5〜10m/秒)又は定角速度にて回転させながら、カバー層16側から半導体レーザ光等の記録用のレーザ光46を、開口数NAが例えば0.85の第1対物レンズ42を介して照射する。このレーザ光46の照射により、第1追記型記録層14がレーザ光46を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録されると考えられる。
同様に、第2光情報記録媒体10Bにおいては、先ず、第2光情報記録媒体10Bを定線速度(0.5〜10m/秒)又は定角速度にて回転させながら、第2基板24側から半導体レーザ光等の記録用のレーザ光46を、開口数NAが例えば0.65の第2対物レンズ48を介して照射する。このレーザ光46の照射により、第2追記型記録層26がレーザ光46を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録されると考えられる。
本実施の形態においては、レーザ光46として440nm以下の範囲の発振波長を有する半導体レーザ光が好適に用いられる。好ましい光源としては390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザ光、中心発振波長850nmの赤外半導体レーザ光を光導波路素子を使って半分の波長にした中心発振波長425nmの青紫色SHGレーザ光を挙げることができる。特に、記録密度の点で390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザ光を用いることが好ましい。
上記のように記録された情報の再生は、第1光情報記録媒体10Aについては、第1光情報記録媒体10Aを上記と同一の定線速度で回転させながらレーザ光46を保護層44側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。第2光情報記録媒体10Bについては、第2光情報記録媒体10Bを上記と同一の定線速度で回転させながらレーザ光46を第2基板24側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその主旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[例示化合物(A−1)の合成]
出発原料の化合物(1)は、特開2006−57076号公報記載の化合物(f1)の合成法を用いて合成される。
Figure 2008105392
100mlの三角フラスコに硫酸2mlを注ぎ、氷冷下で酢酸9mlをゆっくり滴下した。そこへ40%ニトロシル硫酸1.4mlをゆっくり滴下した後、0〜5℃に保ちながら化合物(1)2gを徐々に加え15分間攪拌した。この酸性溶液を、氷冷下で化合物(2)を含むメタノール溶液30mlに徐々に加え、1時間攪拌した。室温に戻し、2時間攪拌した後、蒸留水100mlを加え沈殿させ、ろ過、乾燥を施し、化合物(A−1)2gを得た。
[例示化合物(A−37)の合成]
上述した例示化合物(A−1)の合成と同様の方法により、化合物(A−37)を合成した。
[例示化合物(A−17)の合成]
Figure 2008105392
化合物(3)4gを酢酸5ml、プロピオン酸7.5mlに分散させ、そこへ10N塩酸を7.4ml滴下した。0〜5℃に保ちながら亜硝酸ナトリウム1.85gを含む水溶液4mlをゆっくり滴下し、15分間攪拌した。この酸性溶液を、氷冷下で化合物(4)を含むメタノール40mlに徐々に加え、1時間攪拌した。室温に戻し2時間攪拌した後、ろ過、乾燥を施し、化合物(5)3.5gを得た。
化合物(5)2g、炭酸カリウム1.15g、DMAC10mlを三口フラスコに入れ、40℃で攪拌した。氷冷し、N,N−ジメチルカルバモイルクロリド0.52mlを加え室温に戻し、1時間攪拌した。60℃に昇温させ、2時間攪拌し、蒸留水100mlを加え沈殿させた。ろ過、乾燥を施し、化合物(A−17)2gを得た。
[実施例1]:第1光情報記録媒体10Aの作製
(第1基板12の作製)
厚さ1.1mm、外径120mm、内径15mmでスパイラル状の第1プリグルーブ34(トラックピッチ:320nm、溝幅:オングルーブ幅140nm、溝深さ:45nm、溝傾斜角度:65°、ウォブル振幅:20nm)を有する、ポリカーボネート樹脂からなる射出成形基板(第1基板12)を作製した。射出成形時に用いられたスタンパのマスタリングは、レーザカッティング(351nm)を用いて行われた。
(第1光反射層18の形成)
第1基板12上に、Unaxis社製Cubeを使用し、Ar雰囲気中で、DCスパッタリングにより、膜厚100nmの真空成膜層としてのANC光反射層(第1光反射層18;Ag:98.1at%、Nd:0.7at%、Cu:0.9at%)を形成した。第1光反射層18の膜厚の調整は、スパッタ時間により行った。
(第1追記型記録層14の形成)
化合物(A−1)1gを、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール100ml中に添加して溶解し、色素含有塗布液を調製した。そして、第1光反射層18上に、調製した色素含有塗布液を、スピンコート法により回転数300〜4000rpmまで変化させながら23℃、50%RHの条件で塗布した。その後、23℃、50%RHで1時間保存して、第1追記型記録層14(グルーブ40上の厚さ40nm、ランド38上の厚さ15nm)を形成した。
第1追記型記録層14を形成した後、クリーンオーブンにてアニール処理を施した。アニール処理は、第1基板12を垂直のスタックポールにスペーサーで間をあけながら支持し、80℃で1時間保持して行った。
(バリア層20の形成)
その後、第1追記型記録層14上に、Unaxis社製Cubeを使用し、Ar雰囲気中で、RFスパッタリングによりZnO−Ga23(ZnO:Ga23=3:7(質量比))からなる、厚さ5nmのバリア層20を形成した。
(カバー層16の貼り合わせ)
カバー層16としては、内径15mm、外径120mmで、片面に粘着剤が塗設してあるポリカーボネート製フィルム(帝人ピュアエース、厚さ:80μm)を用い、該粘着剤層とポリカーボネート製フィルムとの厚さの合計が100μmとなるように設定した。
そして、バリア層20上に、該バリア層20と粘着剤層とが当接するようにカバー層16を載置した後、そのカバー層16を押し当て部材にて圧接して、貼り合わせた。
これにより、実施例1に係る光情報記録媒体が作製された。
実施例1と同様の方法で、化合物(A−1)を化合物(A−2)、(A−7)、(A−9)、(A−13)、(A−15)、(A−20)、(A−25)、(A−35)、(A−49)、(A−51)に置き換えて実施例2及び実施例3等の光情報記録媒体が作製された。
[比較例1〜4]
比較例1は下記比較化合物(A)1g、比較例2は下記比較化合物(B)1g、比較例3は下記比較化合物(C)1g、比較例4は下記比較化合物(D)1gを、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール100ml中に添加して溶解し、色素含有塗布液を調製した。それ以外は、上述した実施例1と同様の方法で比較例1〜4に係る光情報記録媒体を作製した。
比較化合物(A)
Figure 2008105392
比較化合物(B)
Figure 2008105392
特開2005−162812号公報範疇の比較化合物(C)
Figure 2008105392
特開2005−162812号公報範疇の比較化合物(D)
Figure 2008105392
<光情報記録媒体の評価>
(1) C/N(搬送波対雑音比)評価
作製した光情報記録媒体を、403nmレーザ、NA0.85ピックアップを有する記録再生評価機(パルステック社製:DDU1000)を用い、クロック周波数66MHz、線速4.92m/sにて、0.16μmの信号(2T)を記録、再生し、スペクトルアナライザ(ローデ&シュウバルツ社製FSP−3型)にて記録ピットを再生した。記録後の16MHzの出力をCarrier出力、記録前の16MHzの出力をNoise出力として、記録後の出力−記録前の出力をC/N値とした。なお、本評価は、本実施の形態の光情報記録方法を用いたものであり、記録はグルーブ上に行った。また、記録パワーは5mW、再生パワー0.3mWで行った。記録特性の指標となる2T記録C/N比は、記録パワーを強くすれば値が高くなっていく傾向にあるが、2T記録C/N比と記録感度の観点から、5mW程度で(記録後の)C/Nが30dB以上であると、記録感度及び再生信号強度が共に十分であり、記録特性が好ましいことを示す。結果を表1に示す。
(2) 色素膜の耐光性評価
実施例1〜3、比較例1〜4と同様の色素含有塗布液を調製し、厚さ1.1mmのガラス板上に、調製した色素含有塗布液を、スピンコート法により回転数500〜1000rpmまで変化させながら23℃、50%RHの条件で塗布した。その後、23℃、50%RHで24時間保存した後、メリーゴーランド型耐光試験機(イーグルエンジニアリング社製、セルテスト機III型、Schott製WG320フィルタ付)を用いて耐光性試験を行った。耐光性試験直前の色素膜及び耐光性試験48時間後の色素膜について、UV−1600PC(SHIMADZU社製)を用いて色素膜の吸収スペクトルを測定し、最大吸収波長における吸光度の変化を読み取った。
表1に示すように、従来のアゾ色素を用いた比較例1〜4に比べ、本実施の形態におけるアゾ色素では、溶解性、膜安定性、耐光性が良好であり、さらに良好な記録再生特性を示した。
また、化合物(A−2)、(A−13)、(A−15)、(A−20)、(A−35)、(A−49)、(A−51)についてもディスク作製可能であり、実施例1と同様の記録方法により記録ピットが形成された。
また、化合物(A−2)、(A−13)、(A−15)、(A−49)、(A−51)について色素膜の耐光性を評価した結果、色素残存率は80%以上であり良好であることがわかった。
Figure 2008105392
(注1)Xe光照射48時間後の吸収λmaxにおける色素残存率が85%以上のときは◎、70%以上85%未満のときは○、60%以上70%未満のときは△、60%未満のときは×と表記。
(注2)2T記録C/Nが35dB以上のときは◎、30dB以上35dB未満のときは○、30dB未満のときは×と表記。
(注3)溶解性が悪く、記録層の形成が十分にできなかったため、記録できなかった。
なお、本発明に係る光情報記録媒体は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
本実施の形態に係る光情報記録媒体のうち、第1光情報記録媒体を一部省略して示す断面図である。 本実施の形態に係る光情報記録媒体のうち、第2光情報記録媒体を一部省略して示す断面図である。
符号の説明
10A…第1光情報記録媒体 10B…第2光情報記録媒体
12…第1基板 14…第1追記型記録層
24…第2基板 26…第2追記型記録層

Claims (16)

  1. 440nm以下のレーザ光を照射することによって情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、
    前記記録層は、アゾ色素を少なくとも一種含有し、
    前記アゾ色素は、−N=N−基の一方に下記一般式(I−1)〜(I−3)のいずれかで表される含窒素へテロ環が直結し、分子内に金属原子及び/又は金属イオンを含まないことを特徴とする光情報記録媒体。但し、−N=N−基の少なくとも一方にはピラゾール環が直結し、該ピラゾール環は一般式(I−1)もしくは一般式(I−3)中のQにより形成される場合であってもよく、又は、該ピラゾール環は一般式(I−2)中のピラゾール環であってもよい。
    Figure 2008105392
    [式中、Qは含窒素へテロ環を形成する基を表し、Q4は両端の窒素原子を連結して含窒素へテロ環を形成する基を表し、R3、R4、R6、R9は各々独立に水素原子又は置換基を表し、R31は一価の置換基を表す。*は−N=N−基との結合位置を表す。]
  2. 請求項1記載の光情報記録媒体において、
    前記アゾ色素は、−N=N−基の一方にピラゾール環が直結し、もう一方に下記一般式(I−1)〜(I−3)のいずれかで表される含窒素へテロ環が直結し、分子内に金属原子及び/又は金属イオンを含まないことを特徴とする光情報記録媒体。
    Figure 2008105392
    [式中、Qは含窒素へテロ環を形成する基を表し、Q4は両端の窒素原子を連結して含窒素へテロ環を形成する基を表し、R3、R4、R6、R9は各々独立に水素原子又は置換基を表し、R31は一価の置換基を表す。*は−N=N−基との結合位置を表す。]
  3. 請求項2記載の光情報記録媒体において、
    前記記録層は、下記一般式(1)で表されるアゾ色素を含有することを特徴とする光情報記録媒体。
    一般式(1):
    Figure 2008105392
    [式中、Qは含窒素へテロ環を形成する基を表し、Xはハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表し、R1〜R4は各々独立に水素原子又は置換基を表す。]
  4. 請求項3記載の光情報記録媒体において、
    前記アゾ色素が下記一般式(2)で表されることを特徴とする光情報記録媒体。
    一般式(2):
    Figure 2008105392
    [式中、Xはハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表し、R1〜R6は各々独立に水素原子又は置換基を表す。]
  5. 請求項2記載の光情報記録媒体において、
    前記アゾ色素が下記一般式(3)で表されることを特徴とする光情報記録媒体。
    一般式(3):
    Figure 2008105392
    [式中、Xはハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表し、R1、R2、R6、R7は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R31は一価の置換基を表す。]
  6. 請求項2記載の光情報記録媒体において、
    前記アゾ色素が下記一般式(4)で表されることを特徴とする光情報記録媒体。
    一般式(4):
    Figure 2008105392
    [式中、Xはハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表し、R1、R2、R6、R8は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R31は一価の置換基を表す。]
  7. 請求項2記載の光情報記録媒体において、
    前記アゾ色素が下記一般式(5)で表されることを特徴とする光情報記録媒体。
    一般式(5):
    Figure 2008105392
    [式中、R1、R2、R3、R4、R5は各々独立に水素原子又は置換基を表す。]
  8. 請求項1記載の光情報記録媒体において、
    前記アゾ色素が下記一般式(6)で表されることを特徴とする光情報記録媒体。
    一般式(6):
    Figure 2008105392
    [式中、Q2はピラゾール以外の含窒素へテロ環基を表し、R3〜R6は各々独立に水素原子又は置換基を表す。]
  9. 請求項1記載の光情報記録媒体において、
    前記アゾ色素が下記一般式(7)で表されることを特徴とする光情報記録媒体。
    一般式(7):
    Figure 2008105392
    [式中、Q2は含窒素へテロ環基を表し、R6、R7は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R31は一価の置換基を表す。]
  10. 請求項1記載の光情報記録媒体において、
    前記アゾ色素が下記一般式(7)で表されることを特徴とする光情報記録媒体。
    一般式(8)
    Figure 2008105392
    [式中、Q2は含窒素へテロ環基を表し、R6、R8は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R31は一価の置換基を表す。]
  11. 請求項8〜10のいずれか1項に記載の光情報記録媒体において、
    前記Q2は、置換若しくは無置換の1,2,4−チアジアゾール、置換若しくは無置換の1,3,4−チアジアゾール、4,5−ジシアノイミダゾールのいずれかで表されることを特徴とする光情報記録媒体。
  12. 請求項2記載の光情報記録媒体において、
    前記アゾ色素が下記一般式(9)で表されることを特徴とする光情報記録媒体。
    一般式(9)
    Figure 2008105392
    [式中、Q3は含窒素へテロ環を形成する基を表し、Xはハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表し、R1、R2、及びR9は各々独立に水素原子又は置換基を表す。]
  13. 請求項12記載の光情報記録媒体において、
    前記Q3で形成される含窒素へテロ環基が、ピラゾール環、ピロール環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロリン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、1,2,4−トリアジン環、及び下記部分構造(C−1)〜(C−4)を形成する環(*は−N=N−基との結合位置を表す)で表される環であることを特徴とする光情報記録媒体。
    Figure 2008105392
    [式中R9〜R16は水素原子又は置換基を表す。]
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の光情報記録媒体において、
    金属からなる光反射層をさらに有することを特徴とする光情報記録媒体。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の光情報記録媒体において、
    保護層をさらに有することを特徴とする光情報記録媒体。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の光情報記録媒体において、
    基板上に前記記録層が形成され、
    前記基板は、少なくとも片側の表面にトラックピッチ50〜500nmのプリグルーブを有する透明な円盤状基板であり、
    前記記録層は、前記プリグルーブが形成された側の表面に設けられていることを特徴とする光情報記録媒体。
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