JP2008105356A

JP2008105356A - インクジェット用受像層転写シート

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Publication number: JP2008105356A
Application number: JP2006292810A
Authority: JP
Inventors: Masayuki Matsubara; 昌幸松原; Masayoshi Iwasaki; 匡誉岩崎; Tokuji Yasui; 篤司安井
Original assignee: Union Chemical Co Ltd
Current assignee: Union Chemical Co Ltd
Priority date: 2006-10-27
Filing date: 2006-10-27
Publication date: 2008-05-08
Anticipated expiration: 2026-10-27
Also published as: JP4827096B2

Abstract

【課題】吸収性のない被記録媒体上にインクジェット用受像層を形成し、被記録媒体自体の色の影響を受けることなく、高品質な記録を得ることが出来るインクジェット用受像層転写シートを提供する。
【解決手段】裏面に離型処理を施した基材シート１の表面に、水系ウレタン樹脂、水性アクリル樹脂の少なくとも１種類と多孔質素材を含有するインクジェット用受像層２と着色剤として酸化チタンあるいはアルミニウムを含有する感圧接着剤層３をこの順に積層してなるインクジェット用受像層転写シートのインクジェット用受像層を転写することによって、被記録媒体上にインクジェット用受像層を形成する。
【選択図】図１

Description

本発明は、被記録媒体上にインクジェット用受像層を形成し、高品質な記録を得ることが出来るインクジェット用受像層転写シートに関する。

近年、インクジェットプリンタは、高精細化、高速化が進み、被記録媒体も普通紙のみでなく、吸水性のない被記録媒体への記録が要求されている。

これら吸水性のない被記録媒体に記録を行うために、従来は被記録媒体に合わせた記録用インクを用いていた。例えば、金属シートに記録を行う場合は、溶剤系インク又はホットメルトインクを用い、ポリエステルシートに記録を行う場合は、分散染料インクを昇華させる方法が用いられていた。また、吸水性のない被記録媒体に水性インクを受容できる受像層を貼り付け、その上にインクジェットプリンタで印刷する方法が用いられていた。
特開平９−１０４２００号公報

吸水性のない被記録媒体に記録を行う為には、記録用インクと被記録媒体との間に適性や相性があり、記録できる媒体が制限される。また、被記録媒体に水性インクを受容できる受像層を貼り付け、その上にインクジェットプリンタで印刷する方法でも、被記録媒体自体の色が受像層側に透けてしまい、記録物の画質を落としてしまう場合があった。また、受像層中の樹脂と多孔質素材の重量比が適正でないと、受像層の耐性（耐水性や被記録媒体への密着力）やインク吸収性、発色性が不十分となる。

本発明は、裏面に離型処理を施した基材シートの表面に、インクジェット用受像層と感圧接着剤層をこの順に積層してなるインクジェット用受像層転写シートにおいて、該転写シートの受像層が、水系ウレタン樹脂、水性アクリル樹脂の少なくとも１種類からなり、多孔質素材を含有し、感圧接着剤層に着色剤を含み、前記着色剤が酸化チタンあるいはアルミニウムの少なくとも１種類であることを特徴とするインクジェット用受像層転写シートである。

前記インクジェット用受像層固形分中の水系ウレタン樹脂あるいは水系アクリル樹脂と多孔質素材の重量比が、６５／３５〜４５／５５であることを特徴とするインクジェット用受像層転写シートである。

前記感圧接着剤層の着色剤の重量比が、１０〜３０％であることを特徴とする請求項１から２のいずれかに記載のインクジェット用受像層転写シートである。

前期インクジェット用受像層と前記感圧接着剤層の積層物の光透過率が、０〜６０％であることを特徴とする請求項１から３のいずれかに記載のインクジェット用受像層転写シートである。

本発明は吸収性のない被記録媒体上に圧着転写でインクジェット用受像層を形成し、被記録媒体自体の色の影響を受けることなく、高品質な記録を得ることが出来るインクジェット用受像層転写シートを提供することができる。

本発明者は鋭意検討の結果、裏面に離型処理を施した基材シート１の表面に、インクジェット用受像層２と感圧接着剤層３をこの順に積層してなるインクジェット用受像層転写シートにおいて、該転写シートの受像層が、水系ウレタン樹脂、水性アクリル樹脂の少なくとも１種類からなり、多孔質素材を含有し、感圧接着剤層に着色剤を含み、前記着色剤が酸化チタンあるいはアルミニウムの少なくとも１種類であることを特徴とするインクジェット用受像層転写シートを提供するに至った。

図１は、本発明の層構成を示した断面図である。

ウレタン樹脂は、ポリエステル系、ポリエーテル系等が例示できる。カチオン性ポリエーテル系ウレタン樹脂が好ましいが、必要に応じて他のウレタン樹脂を用いても良い。

アクリル樹脂は、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体樹脂、または、エチレン−酢酸ビニル、エチレン−アクリル−酢酸ビニル、エチレン−塩化ビニル−酢酸ビニル等のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル・スチレン共重合体樹脂等が例示できる。カチオン性アクリル・スチレン共重合体樹脂が好ましいが、必要に応じて他のアクリル樹脂を用いても良い。

多孔質素材は、シリカ、クレー、炭酸カルシウム、カオリン、白雲母、タルク等が例示できる。これらの内の１種もしくは複数を添加してもよい。

感圧接着剤は、アクリル系溶剤型、ゴム系溶剤型、シリコン系溶剤型、アクリル系エマルション型、UV硬化型等例示できる。アクリル系溶剤型粘着剤が好ましいが、必要に応じて他の粘着剤を使用しても良い。

インクジェット用受像層固形分中の水系ウレタン樹脂あるいは水系アクリル樹脂と多孔質素材の重量比が、６５／３５〜４５／５５のものが好ましい。水系ウレタン樹脂あるいは水系アクリル樹脂が４５％を下回ると耐水性が不十分であり、６５％を上回るとインク吸収性が悪くなる。多孔質素材が３５％を下回ると発色の低下や滲みが生じ、５５％を上回ると耐水性が悪くなる。

感圧接着剤層の着色剤の重量比が、１０〜３０％であることが好ましい。着色剤の重量比が１０％を下回ると光透過率が６０％を上回り、被記録媒体自体の色が透けてしまう。着色剤の重量比が、３０％を上回ると被記録媒体に対しての密着力が低下する。

光透過率は、ミノルタ社製分光測色計ＣＭ−３６００ｄを用い、光源にＤ６５、測定径にＬＡＶ（Φ２５．４ｍｍ）を選択して計測した。基準値として７５μｍ透明ＰＥＴフィルムを用い、該７５μｍ透明ＰＥＴフィルム上に本発明であるインクジェット用受像層転写シートを圧着転写したものを測定することにより、インクジェット用受像層と感圧接着剤層の積層物の光透過率を得た。

裏面に離型処理を施した基材シートは、ポリエステル、ポリオレフィン等の合成紙樹脂フィルム、合成紙、紙が挙げられる。基材の厚みは２５〜２００μｍの範囲が好ましい。

インク受像層の厚みは、５〜５０μｍが好ましく、さらには１０〜３０μｍが好ましいが、これに限定するものではない。

感圧接着剤層の厚みは、５〜５０μｍが好ましく、さらには１０〜３０μｍが好ましいが、これに限定するものではない。

以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明がこれによって限定されるものではない。

裏面に離型処理を施した基材シートは、王子製紙株式会社製ポリエステルフィルム３８μｍを使用した。インクジェット受像層用塗液は、乾燥重量比がウレタン樹脂（明成化学工業株式会社ＪＫ−１８Ｃ、固形分２０％）５５％、シリカ（ＩＮＥＯＳＳＩＬＩＣＡＳ社ガシルＨＰ２６０）４５％となるようにイオン交換水に順次投入し攪拌処理を行ったものを使用した。

感圧接着剤層用塗液は、乾燥重量比がアクリル系溶剤型感圧粘着剤（綜研化学株式会社ＳＫダイン１３４０、固形分４０％、および添加剤）９０％、酸化チタン（綜研化学株式会社ＯＴ９０６、固形分７５％）１０％となるように混合攪拌処理したものを使用した。

これらを用いて、基材シートの表面に、２８μｍの厚みに調整したインクジェット受像層と、３０μｍの厚みに調整した感圧接着剤層をこの順に形成し、インクジェット用受像層転写シートを得た。得られたインクジェット用受像層と感圧接着剤層の積層物の光透過率は、１４％であった。

実施例１で用いたアクリル系溶剤型感圧接着剤の乾燥重量比を７０％、酸化チタンの乾燥重量比を３０％とした以外は、実施例１と同様にしてインクジェット用受像層転写シートを得た。得られたインクジェット用受像層と感圧接着剤層の積層物の光透過率は、１％であった。
（比較例１）

実施例１で用いた酸化チタンを添加せず、アクリル系溶剤型感圧接着剤の乾燥重量比を１００％とした以外は、実施例１と同様にしてインクジェット用受像層転写シートを得た。得られたインクジェット用受像層と感圧接着剤層の積層物の光透過率は、６２％であった。
（比較例２）

実施例１で用いた酸化チタンの乾燥重量比を３５％、アクリル系溶剤型感圧接着剤の乾燥重量比を６５％とした以外は、実施例１と同様にしてインクジェット用受像層転写シートを得た。得られたインクジェット用受像層と感圧接着剤層の積層物の光透過率は、１％であった。
（比較例３）

実施例１で用いたウレタン樹脂の乾燥重量比を４０％、シリカを６０％とした以外は、実施例１と同様にしてインクジェット用受像層転写シートを得た。得られたインクジェット用受像層と感圧接着剤層の積層物の光透過率は、１０％であった。
（比較例４）

実施例１で用いたウレタン樹脂の乾燥重量比を７０％、シリカを３０％とした以外は、実施例１と同様にしてインクジェット用受像層転写シートを得た。得られたインクジェット用受像層と感圧接着剤層の積層物の光透過率は、５０％であった。

このようにして得られたインクジェット用受像層転写シートをＰＰＣ用紙に転写させ、セイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンタ、ＭＣ−２０００を用いイエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの４色の文字及びベタを印刷し耐性、インク吸収性、発色性の評価を行った。
耐水性の評価は、印刷物を水に浸漬し３時間放置後、指で擦り受像層の耐水性を確認した。評価は以下のとおり。
○：指で擦っても、受像層がとれない、×：指で擦ると受像層が取れてしまう。
インク吸収性の評価は、印刷後、綿棒で印字部を擦り、綿棒に付着したインクの状態を目視で確認した。評価は以下のとおり。
○：綿棒にインクが付着しない、×：綿棒にインクが付着している。
発色性の評価は、印字部を目視で確認した。評価は以下のとおり。
○：印刷画像が鮮明である、×：滲みが生じている。
隠蔽性の評価は、インクジェット用受像層転写シートを、文字を印刷したＰＰＣ用紙の上に被せ、目視で確認した。評価は以下のとおり。
○：文字が見えない、×：文字が見える。
被記録媒体に対する密着力の評価は、ガラス板にインクジェット用受像層転写シートを転写した後、指で擦り状態を確認した。評価は以下のとおり。
○：被記録媒体から剥がれない、×：被記録媒体から剥がれる。

これらの結果を表１に示す。

以上のように、実施例１と２において、全ての項目で満足のいく結果が得られた。

本発明の層構成を示した断面図である。

符号の説明

１基材シート
２インクジェット用受像層
３感圧接着剤層

Claims

裏面に離型処理を施した基材シートの表面に、インクジェット用受像層と感圧接着剤層をこの順に積層してなるインクジェット用受像層転写シートにおいて、該転写シートの受像層が、水系ウレタン樹脂、水性アクリル樹脂の少なくとも１種類からなり、多孔質素材を含有し、感圧接着剤層に着色剤を含み、前記着色剤が酸化チタンあるいはアルミニウムの少なくとも１種類であることを特徴とするインクジェット用受像層転写シート。
前記インクジェット用受像層固形分中の水系ウレタン樹脂あるいは水系アクリル樹脂と多孔質素材の重量比が、６５／３５〜４５／５５であることを特徴とする請求項１記載のインクジェット用受像層転写シート。
前記感圧接着剤層の着色剤の重量比が、１０〜３０％であることを特徴とする請求項１から２のいずれかに記載のインクジェット用受像層転写シート。
前期インクジェット用受像層と前記感圧接着剤層の積層物の光透過率が、０〜６０％であることを特徴とする請求項１から３のいずれかに記載のインクジェット用受像層転写シート。