JP2008104946A - フッ素含有排水の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】微細なフッ化カルシウムの析出を抑制し、少ない工程で安定した処理水質を得ると同時に含水率の低い汚泥を生成する。
【解決手段】フッ素含有排水にカルシウム化合物を添加してフッ化カルシウムを含む不溶化物を生成させる反応工程と、生成したフッ化カルシウムの不溶化物を凝集する凝集工程と,凝集したフッ化カルシウムの不溶化物を含む汚泥と分離水とに固液分離する分離工程と、分離した前記汚泥を返送汚泥として前記反応工程に返送する汚泥返送工程とを含むフッ素含有排水の処理方法において、
前記凝集工程にノニオン性高分子凝集剤を添加することを特徴とするフッ素含有排水の処理方法
【選択図】図1
【解決手段】フッ素含有排水にカルシウム化合物を添加してフッ化カルシウムを含む不溶化物を生成させる反応工程と、生成したフッ化カルシウムの不溶化物を凝集する凝集工程と,凝集したフッ化カルシウムの不溶化物を含む汚泥と分離水とに固液分離する分離工程と、分離した前記汚泥を返送汚泥として前記反応工程に返送する汚泥返送工程とを含むフッ素含有排水の処理方法において、
前記凝集工程にノニオン性高分子凝集剤を添加することを特徴とするフッ素含有排水の処理方法
【選択図】図1
Description
本発明はフッ素含有排水に塩化カルシウムや水酸化カルシウムなどのカルシウム化合物を添加してフッ素を不溶性のフッ化カルシウム(CaF2)として固液分離する方法に係り、特に、生成した不溶性のフッ化カルシウムの微細粒子を凝集して処理水濁度を低減して高水質の処理水を得るとともに、排水中のフッ素に対してカルシウム化合物を有効に作用させて含水率が低い汚泥を生成するフッ素含有排水の処理方法に関する。
半導体部品製造におけるシリコンウェハ製造工程から排出されるフッ素含有廃水、ステンレス鋼板製造工程から排出される酸洗廃水、アルミニウム表面処理廃水、フッ酸製造廃水、肥料製造廃水、ゴミ焼却廃水等のフッ素含有排水の処理法として、フッ素含有排水をカルシウム化合物と反応させて、フッ化カルシウム不溶化物を生成させ、固液分離するフッ化カルシウム沈殿法がある。フッ化カルシウム沈殿法では、フッ素を含む排水にポリ塩化アルミニウムなどの無機系凝集剤や有機系高分子凝集剤を添加することにより、フッ素とカルシウムの反応により生成したフッ化カルシウムをフロック化し、当該フロックを沈殿槽で固液分離することにより、排水からフッ素を除去している。
フッ化カルシウム沈殿法では生成する汚泥の脱水ケーキ含水率が高いため産業廃棄物量が多くなる。そこで、固液分離した汚泥の一部を返送してカルシウム化合物と接触させた状態で原水を反応させることにより、フッ化カルシウムを汚泥表面に析出させ結晶を成長させて汚泥の含水率を低減するHDS(High Density Solids)法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、カルシウム化合物として添加する水酸化カルシウムの過剰添加を抑制するために、次のような二段処理・多段処理が提案されている。即ち、まず、一段目でフッ素含有排水に水酸化カルシウムを添加してpHを10〜11にする第1反応工程とその反応液に過剰分のカルシウムイオン120〜250mg/Lに相当する水酸化カルシウムを注入すると共に、塩酸で中和する第2反応工程とを有する処理方法が採用されている(例えば、特許文献3参照)。またアルカリ性下での水酸化カルシウムとフッ酸との反応が遅いため、pHを酸性もしくは中性に維持しつつ、フッ化物イオンに対して0.3〜0.5当量の水酸化カルシウムを添加し、生成する不溶物を分離し、上澄水に対して同様の処理を繰り返し行うことも行われている(例えば、特許文献4参照)。
さらに、また、フッ素とカルシウムを有する固体粒子を充填した反応槽に、フッ素を含む排水をカルシウム化合物とともに導入して、固体粒子上にフッ化カルシウムを析出させる、いわゆるフッ化カルシウム晶析法がある。この方法において、処理水の白濁を防止するために原水に凝集剤を添加する方法が採用されている(特許文献5参照)。
特許第3196640(特許請求の範囲、第1図)
特開2003−71469(特許請求の範囲、第1図)
特開2004−283759(特許請求の範囲、第1図)
特許第3378362号(特許請求の範囲、段落13)
特開2004−314009(特許請求の範囲、第1図)
フッ化カルシウム晶析法では、種晶の定期的な追加投入が必要であり、ランニングコストが高くなることや運転操作が煩雑となることが問題であった。
前述のKHDS法では、生成汚泥の粒径はせいぜい20μm程度、含水率も40〜60%程度であり、産廃量の低減が十分ではないという問題があった。
また、水酸化カルシウムを、pH10〜11に調整するpH調整剤を兼ねたフッ素不溶化剤として採用すると、フッ化物イオンの当量以上に添加することがあり、微細なフッ化カルシウムが析出し、それが処理水にリークして処理水水質が安定しない問題があった。高水質の処理水を得るために、生成してしまった微細なフッ化カルシウムをアニオン性の高分子凝集剤により凝集沈殿処理すると、生成する汚泥の含水率が高く、廃棄物量が多くなる問題があった。
また、フッ化物イオンに対して0.3〜0.5当量の水酸化カルシウムを添加し、生成する不溶物を分離し、生成する不溶化物を分離する方法では、少なくても3回添加工程と分離工程と繰り返さなければならず、処理水フッ化物イオン濃度を15mg/L以下に低下するのは、4〜5回繰り返すことが必要であった。
また、これらの処理方法において原水や反応液に無機系凝集剤やアニオン性高分子凝集剤を添加する方法を採用すると、フッ素とカルシウムの反応を阻害し、処理水の溶解性フッ素濃度が上昇したり、フッ化カルシウムの結晶成長が遅くなったりする問題があった。
本願発明は、少ない工程で安定した処理水質を得ると同時に含水率の低い汚泥を生成するためには、最初にフッ化物イオンを粗取りすれば、次に残留するフッ化物イオンに対して当量以上のカルシウム化合物を添加しても微細なフッ化カルシウムの生成は抑制できることを見い出し、また不可避的に生成する微細なフッ化カルシウムはノニオン性高分子凝集剤で凝集すれば、生成汚泥を返送してもフッ化カルシウムの結晶成長には影響が少ないことを見出し、上記した従来技術の問題点を解決するに至った。すなわち、本願発明の第1の態様は、フッ素含有排水にカルシウム化合物を添加してフッ化カルシウムを含む不溶化物を生成させる反応工程と、生成したフッ化カルシウムの不溶化物を凝集する凝集工程と,凝集したフッ化カルシウムの不溶化物を含む汚泥と分離水とに固液分離する分離工程と、分離した前記汚泥を返送汚泥として前記反応工程に返送する汚泥返送工程とを含むフッ素含有排水の処理方法において、前記凝集工程にノニオン性高分子凝集剤を添加することを特徴とするフッ素含有排水の処理方法である。
また、本願発明の第2の態様は、第1の態様において、前記反応工程は、直列2段の反応槽を含み、第1段目の反応槽にカルシウム化合物をフッ化物イオンの当量未満であって、カルシウムイオンが1mg/L以上50mg/L以下残留するように添加して、残留するフッ化物イオンを80mg/L以下とし、第2段目の反応槽にはカルシウム化合物を、第1段目の反応槽で残留するフッ化物イオンの当量以上であって、フッ化物イオン濃度が15mg/L未満となるように添加することを特徴とするフッ素含有排水の処理方法である。
さらに本願発明の第3の態様は、第1の態様において、第1段目の反応槽のpHを3〜6に調節することを特徴とする請求項1に記載のフッ素含有排水の処理方法である。
本願発明では、ノニオン性高分子有機凝集剤を用いるため、従来用いていたアニオン性高分子凝集剤のアニオン基によるフッ化カルシウムの析出阻害を抑制できる。そのため、従来のHDS法の生成汚泥はせいぜい粒径20μm程度、含水率40〜60%程度であったが、本願発明では、粒径20μm以上、含水率5〜30%程度に低減できる。ノニオン性高分子有機凝集剤により微細結晶を凝集、沈殿させるため、従来のフッ化カルシウム晶析法で問題であった処理水濁度および全フッ素濃度の上昇を抑制することができる。また、凝集した微細結晶が種晶となるため、従来のフッ化カルシウム晶析法のように定期的に種晶を追加する必要がなくなる。
加えて、本願の請求項2に記載の発明では、第1段目の反応槽にカルシウム化合物を、フッ化物イオンの当量未満であって、カルシウムイオンが1mg/L以上50mg/L以下残留するように添加するので、微細なフッ化カルシウムの生成を抑制して、フッ素の粗取りができ、第2段目の反応槽には、残留するフッ化物イオンの当量以上に過剰にカルシウム化合物を添加してフッ化物イオンを不溶化させるので、微細なフッ化カルシウムの生成が抑制でき、処理水水質が安定すると同時にフッ化カルシウム粒子を大きく成長させるため、含水率の低い汚泥が生成する。また本願の請求項3に記載の発明では、第1段目の反応槽のpHを3〜6に調整するので、カルシウム化合物の添加量が少なくて済む。
以下、第1図を参照して実施の形態について説明する。
図1は、本発明の処理フローの概略図である。1は原水流入路、2は第1反応槽、3は第2反応槽、4は凝集槽、5は沈殿槽、6は汚泥返送路、7はカルシウム添加配管、8はpH調整剤注入配管、9はノニオン性高分子凝集剤注入管、10は処理水排出管である。
フッ素含有排水である原水は、原水流入路1から第1反応槽に流入し、そこでフッ化物イオンの当量未満のカルシウム化合物が添加されるとともに、pH調整剤が注入されてpHを3〜11、より好ましくは3〜6に調整され、カルシウムイオンとフッ化物イオンとが反応してフッ化カルシウムが析出する。pHが3より小さいとフッ化カルシウムの溶解度が大きく、フッ化物イオン濃度を低減できず、またpHが11より大きいと炭酸カルシウムの析出が著しくなり、スケールの問題が生じる。pH3〜6の場合は、フッ化物イオンを少ないカルシウム添加量でフッ化カルシウムを析出させることができ、その際、後述する返送汚泥が核となり、その表面にフッ化カルシウムが析出するので、微細なフッ化カルシウムの生成が抑制されると同時にフッ化カルシウム粒子が大きく成長する。
本発明者らの検討によると、反応槽に流入するフッ化物イオン濃度および反応槽に残留するカルシウムイオン濃度が、図2に示す溶解度曲線(フッ化カルシウムの理論溶解度積 [Ca2+] [F−]2= 4.9×10−11mol3/l3)と過溶解度曲線にはさまれる領域であれば、微細なフッ化カルシウムの生成が抑制されると同時に核表面にフッ化カルシウムが析出し、フッ化カルシウム粒子が大きく成長するが、過溶解度曲線よりも高濃度であると微細なフッ化カルシウムが生成することがわかった。フッ化物イオンを15mg/L未満にまで処理する場合、カルシウムイオンはフッ化物イオンの当量以上、望ましくは当量より200〜300mg/L過剰に存在することが必要であるため、図2からわかるようにフッ化物イオンを、まず、80mg/L以下にまで低減することが必要である。
カルシウム化合物の添加量は、第1反応槽のフッ化物イオン濃度が80mg/L以下となり、かつ、残留カルシウムイオン濃度が低濃度となるように添加する。つまり、フッ化物イオンの当量未満であっても、第1反応槽にカルシウムイオンが残留する程度、すなわち、カルシウムイオンが1mg/L以上50mg/L以下残留するように添加する。カルシウムイオンが1mg/L未満であると、フッ素の粗取りができないおそれがあり、50mg/Lを超えると、微細なフッ化カルシウムの生成が抑制できないおそれがある。
次にフッ素が粗取りされた第1反応槽2の反応液は、固液分離することなく、第2反応槽3に流入し、そこでフッ化物イオンの当量以上に過剰にカルシウム化合物が添加され、残留するフッ化物イオンを不溶化する。その際、pH調整は、処理水の放流を考慮してpH5.8〜8.6の間にpH調整することが好ましい。
第2反応槽3の反応液は、凝集槽4に導入する。第1反応槽2や第2反応槽3におけるカルシウム化合物の添加量設定間違い等で、微細なフッ化カルシウムの生成を抑制できなかった場合や、処理水水質の更なる向上のために、凝集剤槽4ではノニオン性高分子凝集剤注入管9からノニオン性高分子凝集剤を添加する。
ノニオン性高分子凝集剤としては、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリビニルホルムアミド、ポリビニルアセトアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコールなどが使用できるが、固有粘度の高いポリマが得られるポリアクリルアミドが好適である。ポリアクリルアミドの固有粘度(dL/g)は、15以上が好ましく、特に20以上が好ましい。なお、アクリルアミドの重合物を加熱乾燥して粉末化する際、不可避的に加水分解してアミド基の一部がカルボキシル基に変換したものであっても、それが5%未満であれば、実質的に本願発明におけるノニオン性高分子凝集剤として使用できる。
次に、凝集された、または凝集処理されなかった反応液は沈殿槽5で固液分離され、フッ化カルシウムを含む不溶化物スラリーは返送汚泥として汚泥返送路6から第1反応槽2に返送され、カルシウムとフッ化物イオンとが反応してフッ化カルシウムが析出する核となる。汚泥返送量は、原水流量の0.01〜10倍程度で、通常は0.05〜0.5倍、原水のフッ化物濃度が高い場合は、希釈を兼ねて0.1〜10倍とするのが好ましい。分離水は処理水排出路9から処理水として排出される。
カルシウム化合物としては、カルシウムイオンを遊離するものでよく、塩化カルシウムや水酸化カルシウムが挙げられる。pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリや、塩酸、硫酸などの酸を用いることができる。
ところで、このカルシウムイオンとフッ化物イオンとが反応して生成するフッ化カルシウムの析出は結晶の表面のみで生じるのではなく、結晶から隔離したところにおけるフッ化物イオンとカルシウムイオンとの反応でも生じ、この場合は微細結晶が生成する。この微細結晶は、沈降速度が遅いために単独では沈降できず、処理水質を悪化させる要因となる。そこで、高分子有機凝集剤を添加することにより微細結晶を凝集、沈殿させる。これにより、処理濁度の低減が可能となる。また、凝集した微細結晶が新たな種晶となるために、定期的に種晶を追加投入する必要がなくなる。
この高分子有機凝集剤としてアニオン性高分子有機凝集剤を使用すると、カルボキシル基等のアニオン基がカルシウムイオンと錯体を形成するため、フッ化物イオンとカルシウムイオンの反応を阻害し処理水フッ素濃度が上昇する。また、結晶の成長を阻害することで、結晶粒径が小さく脱水性の良くない汚泥となる。アニオン基を持たない、または、もっていても少ないノニオン性高分子有機凝集剤を使用することで前述の阻害反応を抑制でき、処理水フッ素濃度上昇を抑制するとともに、結晶成長が抑制されず脱水性の良い汚泥を生成することができる。
実施例1、比較例1
フッ化ナトリウムをフッ素濃度100mgF/Lとなるように精製水に溶解し、模擬排水を調製した。この排水250mLを採取し、排水に高分子有機凝集剤を所定量、フッ化物イオンに対して当量よりも300mgCa/L過剰となるように塩化カルシウム水溶液を添加し、塩酸および水酸化ナトリウムでpHを5に調整した後、45分間攪拌した。反応液を0.45μmメンブレンフィルターで濾過し、濾液のフッ素濃度をイオンクロマト法により測定した。
フッ化ナトリウムをフッ素濃度100mgF/Lとなるように精製水に溶解し、模擬排水を調製した。この排水250mLを採取し、排水に高分子有機凝集剤を所定量、フッ化物イオンに対して当量よりも300mgCa/L過剰となるように塩化カルシウム水溶液を添加し、塩酸および水酸化ナトリウムでpHを5に調整した後、45分間攪拌した。反応液を0.45μmメンブレンフィルターで濾過し、濾液のフッ素濃度をイオンクロマト法により測定した。
高分子有機凝集剤として、ポリアクリルアミド(加水分解率0%、固有粘度(dL/g)20)を用いた実施例1およびアクリルアミドとアクリル酸との共重合物(アクリル酸20モル%、固有粘度(dL/g)22)を用いた比較例1の結果を表1に示す。
実施例2
フッ化ナトリウムをフッ素濃度500mgF/Lとなるように精製水に溶解して調製した模擬排水を用い、図1に示すフローでフッ素含有排水の処理を行った。第1反応槽2、第2反応槽3および凝集槽4の容量は各1L、沈殿槽5の容量は15Lで、上記原水の流量は4L/Hr、返送汚泥量は0.1L/Hrとした。カルシウム化合物としては塩化カルシウムを用い、第1反応槽2に525mgCa/L、第2反応槽3に200mgCa/Lとなるようにそれぞれ添加した。凝集槽4には、ノニオン性高分子有機凝集剤として実施例1で用いたものと同じポリアクリルアミドを3mg/L添加した。pH調整には0.1N水酸化ナトリウムを用い、第1反応槽2、第2反応槽3のpHを5±0.5に調整した。なお、処理開始時には種晶として平均粒径5μmのフッ化カルシウムを第1反応槽2に添加した。処理水の全フッ素濃度、処理水の濾液中のフッ素濃度(0.45μmメンブレンフィルターで濾過し、濾液のフッ素濃度をイオンクロマト法により測定)および濁度を測定した。また、200時間後の汚泥についてレーザー回折法により粒径を測定し、遠心脱水機により2000Gで脱水し含水率を測定した。結果を表2に示す。
比較例2
実施例2において、凝集槽4に高分子有機凝集剤を添加しなかった以外は実施例2と同様に処理を行った。結果を表2に示す。
比較例3
実施例2において、凝集槽4に比較例1で用いたアニオン性高分子凝集剤と同じアクリルアミドとアクリル酸との共重合物を添加した以外は実施例2と同様に処理を行った。結果を表2に示す。
フッ化ナトリウムをフッ素濃度500mgF/Lとなるように精製水に溶解して調製した模擬排水を用い、図1に示すフローでフッ素含有排水の処理を行った。第1反応槽2、第2反応槽3および凝集槽4の容量は各1L、沈殿槽5の容量は15Lで、上記原水の流量は4L/Hr、返送汚泥量は0.1L/Hrとした。カルシウム化合物としては塩化カルシウムを用い、第1反応槽2に525mgCa/L、第2反応槽3に200mgCa/Lとなるようにそれぞれ添加した。凝集槽4には、ノニオン性高分子有機凝集剤として実施例1で用いたものと同じポリアクリルアミドを3mg/L添加した。pH調整には0.1N水酸化ナトリウムを用い、第1反応槽2、第2反応槽3のpHを5±0.5に調整した。なお、処理開始時には種晶として平均粒径5μmのフッ化カルシウムを第1反応槽2に添加した。処理水の全フッ素濃度、処理水の濾液中のフッ素濃度(0.45μmメンブレンフィルターで濾過し、濾液のフッ素濃度をイオンクロマト法により測定)および濁度を測定した。また、200時間後の汚泥についてレーザー回折法により粒径を測定し、遠心脱水機により2000Gで脱水し含水率を測定した。結果を表2に示す。
比較例2
実施例2において、凝集槽4に高分子有機凝集剤を添加しなかった以外は実施例2と同様に処理を行った。結果を表2に示す。
比較例3
実施例2において、凝集槽4に比較例1で用いたアニオン性高分子凝集剤と同じアクリルアミドとアクリル酸との共重合物を添加した以外は実施例2と同様に処理を行った。結果を表2に示す。
この結果から、高分子有機凝集剤を添加することにより、処理水濁度の低下が認められた。汚泥の平均粒径を比較すると、比較例2>実施例2>比較例3となった。これは、比較例2では微細結晶は沈降せず処理水側にリークするが、高分子有機凝集剤を用いた実施例2、比較例3では微細結晶が凝集、沈殿したために平均粒径が小さくなったと考えられる。また、実施例2に対して比較例3の平均粒径が小さいのは、アニオン性高分子有機凝集剤のアニオン基により結晶成長が阻害されているためと考えられる。以上のことから、フッ化カルシウムの反応系にノニオン性高分子有機凝集剤を添加することにより、処理水濁度を低減するとともに、フッ化カルシウム結晶の成長阻害を抑制出来ることが明らかとなった。また、沈殿した微細結晶が種晶となるため、従来の晶析法のように種晶を追加投入する必要がなくなる。
1 原水流入路
2 第1反応槽
3 第2反応槽
4 凝集槽
5 沈殿槽
6 汚泥返送路
7 カルシウム添加管
8 pH調整剤注入管
9 ノニオン性高分子凝集剤注入管
10 処理水排出路
Claims (3)
- フッ素含有排水にカルシウム化合物を添加してフッ化カルシウムを含む不溶化物を生成させる反応工程と、生成したフッ化カルシウムの不溶化物を凝集する凝集工程と,凝集したフッ化カルシウムの不溶化物を含む汚泥と分離水とに固液分離する分離工程と、分離した前記汚泥を返送汚泥として前記反応工程に返送する汚泥返送工程とを含むフッ素含有排水の処理方法において、
前記凝集工程にノニオン性高分子凝集剤を添加することを特徴とするフッ素含有排水の処理方法。 - 前記反応工程は、直列2段の反応槽を含み、第1段目の反応槽にカルシウム化合物をフッ化物イオンの当量未満であって、カルシウムイオンが1mg/L以上50mg/L以下残留するように添加して、残留するフッ化物イオンを80mg/L以下とし、第2段目の反応槽にはカルシウム化合物を、第1段目の反応槽で残留するフッ化物イオンの当量以上であって、フッ化物イオン濃度が15mg/L未満となるように添加することを特徴とするフッ素含有排水の処理方法。
- 第1段目の反応槽のpHを3〜6に調節することを特徴とする請求項1に記載のフッ素含有排水の処理方法。
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