JP2008104778A - 薬剤揮散装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一定の組成及び量の揮散性薬剤を、使用期間中、終始安定して揮散させることができ、また、薬剤効果を即効的、且つ長期間にわたって持続的に得ることができ、さらに、また、薬剤効果の程度を必要に応じて適宜変更することができる薬剤揮散装置を提供する。
【解決手段】揮散性薬剤2を内部に収容する収容容器3と、空気流吐出ノズル6及び空気流導入孔7、長さ方向に沿って形成された複数の溝を外周面に有し、前記収容容器内に垂下された毛管性薬液吸い上げ芯8と、前記外包容器内に空気流を導入するための空気流発生器材10とを備えた薬剤揮散装置1であって、前記空気流吐出ノズル内に向かう空気流を、前記空気流吐出ノズル内でベンチュリー効果を生じさせることにより、前記毛管性薬液吸い上げ芯を通じて吸い上げた揮散性薬剤を、前記毛管性薬液吸い上げ芯の高速空気流曝露部位から高速空気流中に吸い出し、霧化させる。
【選択図】図1
【解決手段】揮散性薬剤2を内部に収容する収容容器3と、空気流吐出ノズル6及び空気流導入孔7、長さ方向に沿って形成された複数の溝を外周面に有し、前記収容容器内に垂下された毛管性薬液吸い上げ芯8と、前記外包容器内に空気流を導入するための空気流発生器材10とを備えた薬剤揮散装置1であって、前記空気流吐出ノズル内に向かう空気流を、前記空気流吐出ノズル内でベンチュリー効果を生じさせることにより、前記毛管性薬液吸い上げ芯を通じて吸い上げた揮散性薬剤を、前記毛管性薬液吸い上げ芯の高速空気流曝露部位から高速空気流中に吸い出し、霧化させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、主として芳香剤、消臭剤等の揮散性薬剤を収容する薬剤揮散装置に関する。
近年、清潔志向の高まりから、臭いを気にする人が多くなっており、それに伴い、トイレ、リビング、台所、玄関、車の中等で用いる芳香剤、消臭剤等が数多く製品化されている。これらの芳香剤、消臭剤等は、通常、合成樹脂製の容器内に消臭作用、脱臭作用等を有する揮散性薬剤が収容され、該容器の開口部を通じて、揮散性薬剤を大気中に揮散させることにより、その効果を発揮するものが一般的である。
例えば、広く使用されているタイプの芳香剤、消臭剤の例としては、図3に示すように、ゲル状の揮散性薬剤31を収容するポット型の透明な収容容器32と、それに螺合するカバー部材33からなり、該カバー部材33に設けられた薬剤揮散用開口部34を通じて、揮散性薬剤31を外部に揮散させるものがある。
これらの芳香剤、消臭剤等の揮散性薬剤を収容する薬剤揮散装置については、従来、多数の製品が開発、報告されている(例えば、特許文献1〜2)。
例えば、広く使用されているタイプの芳香剤、消臭剤の例としては、図3に示すように、ゲル状の揮散性薬剤31を収容するポット型の透明な収容容器32と、それに螺合するカバー部材33からなり、該カバー部材33に設けられた薬剤揮散用開口部34を通じて、揮散性薬剤31を外部に揮散させるものがある。
これらの芳香剤、消臭剤等の揮散性薬剤を収容する薬剤揮散装置については、従来、多数の製品が開発、報告されている(例えば、特許文献1〜2)。
しかしながら、従来の薬剤揮散装置の多くは、使用開始直後は、揮散性薬剤の揮散量が多く、揮散性薬剤の芳香、消臭等の効果が強いものの、使用するにつれて、揮散性薬剤の効果が著しく低下するため、一定の薬剤効果を全使用期間にわたって持続させることができないという問題がある。
また、エアゾール剤を除く他の薬剤揮散装置は、短時間のうちに揮散性薬剤を揮散させることができないため、即効性という点で満足できるものではなく、一方、エアゾール剤は、即効性という点では優れるものの、薬剤効果を持続的に得るには不適であり、そのため、即効性及び持続性の両方を兼ね備えた薬剤揮散装置の出現が望まれていた。
さらに、従来の薬剤揮散装置の多くは、一旦使用を開始した後に、途中で揮散性薬剤の拡散を停止させることを想定しておらず、そのため、薬剤効果を一時的に中断するなど、揮散性薬剤を必要に応じて適宜拡散させることが困難であるという問題もある。
また、従来の薬剤揮散装置の多くは、揮散性薬剤の揮散量を微量調節することが困難であるため、薬剤効果の程度を必要に応じて適宜変更することができないという問題もある。
そこで、本発明は、一定の組成及び量の揮散性薬剤を、使用期間中、終始安定して揮散させることができ、また、薬剤効果をきわめて短時間で即効的に得ることができると共に、長期間にわたって持続的に得ることができ、さらに、薬剤効果を必要に応じて得ることができ、また、薬剤効果の程度を必要に応じて適宜変更することができる薬剤揮散装置の提供を課題とする。
本発明の薬剤揮散装置は、揮散性薬剤を内部に収容する収容容器と、空気流吐出ノズル及び空気流導入孔を有し、前記収容容器を内部に載置させるための外包容器と、長さ方向に沿って形成された複数の溝を外周面に有し、前記空気流吐出ノズルと同軸状態にて該空気流吐出ノズル内を通って前記収容容器内に垂下された毛管性薬液吸い上げ芯と、前記毛管性薬液吸い上げ芯を保持するための芯保持用中栓と、前記空気流導入孔を通じて前記外包容器内に空気流を導入するための空気流発生器材とを備えた薬剤揮散装置であって、前記空気流吐出ノズル内に向かう空気流を前記空気流発生器材により前記外包容器内に送り込み、前記空気流吐出ノズル内でベンチュリー効果を生じさせることにより、前記毛管性薬液吸い上げ芯を通じて吸い上げた前記収容容器内の揮散性薬剤を、前記毛管性薬液吸い上げ芯の高速空気流曝露部位から高速空気流中に吸い出し、霧化させることを特徴とする薬剤揮散装置である。
本発明の薬剤揮散装置は、空気流の通路を絞った部分である空気流吐出ノズルを採用することにより、ベンチュリー効果、すなわち、該空気流吐出ノズルで空気流の流速が速くなり(高速空気流の発生)、圧力が低下する効果を発生させ、この効果と併せて、長さ方向に沿って形成された複数の溝を外周面に有する外面開放型毛管体である毛管性薬液吸い上げ芯を採用することにより、過剰減圧になるベンチュリー効果を回避することができ、安定して一定量の揮散性薬剤を吸い出すことが可能となる。
さらに、前記空気流吐出ノズルと同軸状態にて該空気流吐出ノズル内を通って前記収容容器内に垂下された毛管性薬液吸い上げ芯を採用することにより、毛管性薬液吸い上げ芯に吸い上げ保持された薬液の表面及び高速空気流路の圧力を低下させるベンチュリー効果が発生した際、上記毛管性薬液吸い上げ芯により吸い上げられた薬液の表面を高速空気流が通過すると、減圧により揮散性薬剤が吸い出されると同時に、高速で吹き出す高速空気流の破壊力によって、揮散性薬剤の粒子が破砕されて霧化される効果を利用した点に特徴がある。
すなわち、本発明の薬剤揮散装置は、空気流吐出ノズル内でのベンチュリー効果、長さ方向に沿って形成された複数の溝を外周面に有する毛管性薬液吸い上げ芯の採用、及びこの毛管性薬液吸い上げ芯を空気流吐出ノズルと同軸状態にて該空気流吐出ノズル内に配置したこと、による効果が組み合わさることによって、従来技術が抱える前記問題点を全て解決することに成功したものであり、具体的には、以下に述べる効果を奏する。
1.本発明の薬剤揮散装置によれば、簡単な取扱いで、使用期間中、一定の組成及び量の揮散性薬剤を終始安定して噴霧させることができる。例えば、揮散性薬剤が芳香剤の場合、上記装置の使用期間中、一日あたりの芳香剤の噴霧量を一般に好適とされる約0.05〜0.5gに維持することができる。
2.本発明の薬剤揮散装置は、所定の薬剤効果をきわめて短時間で得ることができる即効性と、長期間にわたって得ることができる持続性の両方を兼ね備えている。
3.本発明の薬剤揮散装置は、揮散性薬剤の噴霧を必要に応じて適宜行うことができる。したがって、例えば、揮散性薬剤を噴霧させる必要がないときは、揮散性薬剤の噴霧を停止することができる。これにより、揮散性薬剤の無駄な使用を避け、経済的な使用が可能となる。
4.本発明の薬剤揮散装置は、空気流の流速を調節することにより、揮散性薬剤の噴霧量の増減を容易に行うことができると共に、揮散性薬剤の噴霧量を微量調節することができるため、薬剤効果の程度を必要に応じて適宜変更することができる。
さらに、前記空気流吐出ノズルと同軸状態にて該空気流吐出ノズル内を通って前記収容容器内に垂下された毛管性薬液吸い上げ芯を採用することにより、毛管性薬液吸い上げ芯に吸い上げ保持された薬液の表面及び高速空気流路の圧力を低下させるベンチュリー効果が発生した際、上記毛管性薬液吸い上げ芯により吸い上げられた薬液の表面を高速空気流が通過すると、減圧により揮散性薬剤が吸い出されると同時に、高速で吹き出す高速空気流の破壊力によって、揮散性薬剤の粒子が破砕されて霧化される効果を利用した点に特徴がある。
すなわち、本発明の薬剤揮散装置は、空気流吐出ノズル内でのベンチュリー効果、長さ方向に沿って形成された複数の溝を外周面に有する毛管性薬液吸い上げ芯の採用、及びこの毛管性薬液吸い上げ芯を空気流吐出ノズルと同軸状態にて該空気流吐出ノズル内に配置したこと、による効果が組み合わさることによって、従来技術が抱える前記問題点を全て解決することに成功したものであり、具体的には、以下に述べる効果を奏する。
1.本発明の薬剤揮散装置によれば、簡単な取扱いで、使用期間中、一定の組成及び量の揮散性薬剤を終始安定して噴霧させることができる。例えば、揮散性薬剤が芳香剤の場合、上記装置の使用期間中、一日あたりの芳香剤の噴霧量を一般に好適とされる約0.05〜0.5gに維持することができる。
2.本発明の薬剤揮散装置は、所定の薬剤効果をきわめて短時間で得ることができる即効性と、長期間にわたって得ることができる持続性の両方を兼ね備えている。
3.本発明の薬剤揮散装置は、揮散性薬剤の噴霧を必要に応じて適宜行うことができる。したがって、例えば、揮散性薬剤を噴霧させる必要がないときは、揮散性薬剤の噴霧を停止することができる。これにより、揮散性薬剤の無駄な使用を避け、経済的な使用が可能となる。
4.本発明の薬剤揮散装置は、空気流の流速を調節することにより、揮散性薬剤の噴霧量の増減を容易に行うことができると共に、揮散性薬剤の噴霧量を微量調節することができるため、薬剤効果の程度を必要に応じて適宜変更することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の薬剤揮散装置を詳細に説明する。
図1は、本発明の薬剤揮散装置の1実施例を示す概略説明図である。本発明の薬剤揮散装置1は、この図1に示すように、揮散性薬剤2を内部に収容する収容容器3と、空気流吐出ノズル6及び空気流導入孔7を有し、前記収容容器3を内部に載置させるための外包容器9と、長さ方向に沿って形成された複数の溝を外周面に有し、前記空気流吐出ノズル6と同軸状態にて前記空気流吐出ノズル6内を通って前記収容容器3内に挿入、垂下された毛管性薬液吸い上げ芯8と、前記毛管性薬液吸い上げ芯8を保持するための芯保持用中栓5と、前記空気流導入孔7を通じて前記外包容器9内に空気流を導入するための空気流発生器材10とを備えている。以下、本発明の薬剤揮散装置の構成要素について説明する。
図1は、本発明の薬剤揮散装置の1実施例を示す概略説明図である。本発明の薬剤揮散装置1は、この図1に示すように、揮散性薬剤2を内部に収容する収容容器3と、空気流吐出ノズル6及び空気流導入孔7を有し、前記収容容器3を内部に載置させるための外包容器9と、長さ方向に沿って形成された複数の溝を外周面に有し、前記空気流吐出ノズル6と同軸状態にて前記空気流吐出ノズル6内を通って前記収容容器3内に挿入、垂下された毛管性薬液吸い上げ芯8と、前記毛管性薬液吸い上げ芯8を保持するための芯保持用中栓5と、前記空気流導入孔7を通じて前記外包容器9内に空気流を導入するための空気流発生器材10とを備えている。以下、本発明の薬剤揮散装置の構成要素について説明する。
揮散性薬剤2としては、流動性の高い液状物である揮散性薬剤を使用する。使用する揮散性薬剤の種類は、揮散性のある薬剤であれば特に限定されず、例えば、芳香剤、消臭剤、防虫剤等、各種のものを選択することができる。また、揮散性薬剤には、主薬の有効成分に加えて、各種の製剤添加物、例えば、イソパラフィン、ヘキシレングリコール、3−メチル−3−メトキシブタノール等の溶剤、着色剤、抗酸化剤、保存剤等を含めることができる。なお、本発明では、揮散性薬剤の調剤処方に界面活性剤を使用しないため、毛管性薬液吸い上げ芯が目詰まりする心配がなく、使用期間を通して揮散性薬剤の均等揮散が容易に得られる。
収容容器3は、揮散性薬剤2を内部に収容させるためのものである。収容容器内の揮散性薬剤は、外気とは接触していないため、性状が変化することなく、初期の状態のまま保持される。
図1に示すように、収容容器3の口である収容容器孔4には、毛管性薬液吸い上げ芯8を保持するための芯保持用中栓5が具備されており、前記毛管性薬液吸い上げ芯8が、その上部を突出させて前記芯保持用中栓5に挿入・保持される。
収容容器3は、通常、ガラス、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂で成形するが、特に限定されるものではない。
図1に示すように、収容容器3の口である収容容器孔4には、毛管性薬液吸い上げ芯8を保持するための芯保持用中栓5が具備されており、前記毛管性薬液吸い上げ芯8が、その上部を突出させて前記芯保持用中栓5に挿入・保持される。
収容容器3は、通常、ガラス、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂で成形するが、特に限定されるものではない。
芯保持用中栓5は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール等の合成樹脂で成形するが、毛管性薬液吸い上げ芯8を保持し、収容容器孔4において嵌着、螺着、螺合するものであれば特に限定されるものではない。
毛管性薬液吸い上げ芯8は、収容容器3内の揮散性薬剤2を吸い上げるためのものである。毛管性薬液吸い上げ芯8は、前記空気流吐出ノズル6と同軸状態にて前記空気流吐出ノズル6内を通って前記収容容器3内に垂下され、その下端は揮散性薬剤2に浸漬される。揮散性薬剤は毛管現象により毛管性吸い上げ芯8内に侵入し、前記したベンチュリー効果と、毛管性薬液吸い上げ芯に毛管溝等の溝を設けたこと、繊維間の間隙、又は多孔質の間隙による効果、及び毛管性薬液吸い上げ芯を空気流吐出ノズル6と同軸状態にて配置した効果によって、安定して一定量の薬剤が吸い出され、高速空気流曝露部位において霧状となって拡散される。ここで、高速空気流曝露部位とは、空気流吐出ノズル内を通過する高速空気流が接触する毛管性薬液吸い上げ芯の部位を意味する。したがって、毛管性薬液吸い上げ芯の高速空気流曝露部位は、空気流吐出ノズル内にある毛管性薬液吸い上げ芯の表面部であって、毛管性薬液吸い上げ芯の毛管溝等の溝に保持された揮散性薬剤及び毛管性薬液吸い上げ芯を構成する繊維間の間隙又は多孔質の間隙からにじみ出た揮散性薬剤が高速空気流と接触する部位である。
本発明で用いる毛管性薬液吸い上げ芯は、長さ方向に沿って複数の溝(亀裂)を外周面に設けた外壁毛管溝毛管体、繊維束毛管体、及び多孔質毛管体等の外面開放型毛管体であることを要する。ここで、溝とは、毛管現象により毛管性薬液吸い上げ芯を通じて吸い上げた薬液が高速空気流と接触できるように、毛管性薬液吸い上げ芯の外周面に設けた開放部分である。また、繊維束毛管体及び多孔質毛管体においては、それらを構成する繊維又は多孔質の間隙からにじみ出した薬液の表面で高速空気流と接触する。
毛管性薬液吸い上げ芯の外周面に、このような開放された部分である溝が設けられていることにより、外包容器内に導入された空気流は、高速空気流曝露部位において、毛管性薬液吸い上げ芯に保持された薬液の外表部を高速で接触通過する。その結果、毛管性薬液吸い上げ芯に保持された薬液の外表部及び空気流路が減圧となり、高速空気流中への揮散性薬剤の吸い出しが発現すると共に噴霧化が起こる。毛管性薬液吸い上げ芯が外面開放型毛管体であることにより、直管タイプでみられるベンチュリー効果により生じる過剰減圧に伴う薬液の噴出を回避し、安定した薬液の噴霧を可能とすることができる。このようにして、本発明の薬剤揮散装置は、使用期間を通じて揮散性薬剤の均等揮散が可能となり、例えば、揮散性薬剤が芳香剤である場合、一定の香り立ちを維持することができる。
毛管性薬液吸い上げ芯の外周面に、このような開放された部分である溝が設けられていることにより、外包容器内に導入された空気流は、高速空気流曝露部位において、毛管性薬液吸い上げ芯に保持された薬液の外表部を高速で接触通過する。その結果、毛管性薬液吸い上げ芯に保持された薬液の外表部及び空気流路が減圧となり、高速空気流中への揮散性薬剤の吸い出しが発現すると共に噴霧化が起こる。毛管性薬液吸い上げ芯が外面開放型毛管体であることにより、直管タイプでみられるベンチュリー効果により生じる過剰減圧に伴う薬液の噴出を回避し、安定した薬液の噴霧を可能とすることができる。このようにして、本発明の薬剤揮散装置は、使用期間を通じて揮散性薬剤の均等揮散が可能となり、例えば、揮散性薬剤が芳香剤である場合、一定の香り立ちを維持することができる。
長さ方向に沿って複数の溝を外周面に設けた毛管性薬液吸い上げ芯8の具体例を図2(a)〜(c)に示す。図2に示したように、毛管性薬液吸い上げ芯8は、吸い上げ芯の外壁に向かって開放部である溝が複数設けられており、本発明においては、この構造を採用することにより、過剰減圧になるベンチュリー作用を回避することができ、揮散性薬剤の吸い出しを制御し、安定して一定量の揮散性薬剤吸い出すと共に、噴霧量の微量調節が可能となる。
毛管性薬液吸い上げ芯8の断面構造としては、断面の中心部に対して対称的に溝を設けることが好ましい。また、毛管性薬液吸い上げ芯は1本で構成するだけでなく、複数本を集めた集合体として構成することもできる。
なお、毛管性薬液吸い上げ芯として、外周面に溝がなく、薬液が空気流と接触しない閉鎖的な毛管性薬液吸い上げ芯、例えば、直管状、パイプ型など、溝のない筒状の中空構造の直管型毛管体を利用した場合、ストロー効果により薬液が際限なく吹き出してしまい、量的な調節が不可能となる。
毛管性薬液吸い上げ芯8の断面構造としては、断面の中心部に対して対称的に溝を設けることが好ましい。また、毛管性薬液吸い上げ芯は1本で構成するだけでなく、複数本を集めた集合体として構成することもできる。
なお、毛管性薬液吸い上げ芯として、外周面に溝がなく、薬液が空気流と接触しない閉鎖的な毛管性薬液吸い上げ芯、例えば、直管状、パイプ型など、溝のない筒状の中空構造の直管型毛管体を利用した場合、ストロー効果により薬液が際限なく吹き出してしまい、量的な調節が不可能となる。
また、毛管性薬液吸い上げ芯による揮散性薬剤の吸い上げ能力は、毛管性薬液吸い上げ芯材料の揮散性薬剤に対する濡れ特性、毛管性薬液吸い上げ芯の太さ、内部構造等と密接に関係しているため、適宜、適切な材料、直径、内部構造等を選択することが必要である。通常、本発明で用いる毛管性薬液吸い上げ芯としては、直径0.1〜5mmの外壁毛管溝毛管構造、繊維構造、多孔質構造を有するものがよく、具体的には、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等からなる外壁毛管溝毛管体、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維等からなる繊維束毛管体、ポリエチレン、ポリプロピレン、セラミックス等からなる多孔質毛管体が好ましい。
これらのうち、特に、揮散性薬剤が芳香剤、消臭剤の場合は、外面開放型である外壁毛管溝毛管体が、即効性と持続性を両立させる噴霧量の設定が実現できる理由から好ましい。
これらのうち、特に、揮散性薬剤が芳香剤、消臭剤の場合は、外面開放型である外壁毛管溝毛管体が、即効性と持続性を両立させる噴霧量の設定が実現できる理由から好ましい。
外包容器9は、その内部に収容容器3を載置するためのものであり、空気流吐出ノズル6及び空気流導入孔7を有する。外包容器9の大きさ、形状、材質は特に限定されるものではなく、収容容器3の大きさ、全体の意匠等を考慮して適宜決定すればよい。
空気流吐出ノズル6は、空気流発生器材10によって送り込まれた空気流を絞るための通路である。空気流発生器材により前記外包容器内に送り込まれた空気流は、空気流の通路を絞った空気流吐出ノズル6内に入り、そこで流速が速くなって圧力が下がるベンチュリー効果を引き起こす。したがって、空気流吐出ノズル6の内径は、毛管性薬液吸い上げ芯8の外径よりも大きいことが必要である。図1中、空気流発生器材10によって送り込まれた空気流の流れを矢印で示す。
空気流吐出ノズル6の内径は、同軸状態にて配設されている毛管性薬液吸い上げ芯8の直径とバランスを取り、空気流吐出ノズル6の高速空気流の噴出口における空気流速を1〜20m/秒となるように調整すること、さらに、空気流吐出ノズルの長さを調整することにより、揮散量を調整することが好ましい。
空気流吐出ノズル6の内径は、同軸状態にて配設されている毛管性薬液吸い上げ芯8の直径とバランスを取り、空気流吐出ノズル6の高速空気流の噴出口における空気流速を1〜20m/秒となるように調整すること、さらに、空気流吐出ノズルの長さを調整することにより、揮散量を調整することが好ましい。
空気流導入孔7は、空気流発生器材10によって発生させた空気流を外包容器9内に導入するための孔であり、空気流吐出ノズル6内を通って上方に向かう空気流を得るため、通常、外包容器9の底面部又は側面部に設ける。外包容器内に導入された空気流は、空気流吐出ノズル6内を通る際、毛管性薬液吸い上げ芯8の表面部に当たり、高速空気流曝露部位が減圧となる結果、揮散性薬剤が吸い出され、その吸い出された揮散性薬剤は、空気流吐出ノズル部内で高速空気流が接触通過する際に、高速で吹き出す空気の破壊力によって、薬液の粒子が破砕されて霧化され、大気中に噴出される。この場合、揮散性薬剤を霧状にしやすくするため、空気流吐出ノズル内を通過する空気流の速度を適宜制御して、毛管性薬液吸い上げ芯に保持された揮散性薬剤の表層に空気流を高速で接触通過及び衝突させて、微細化効果を高めることが好ましい。
外包容器9は、空気流発生器材10からの空気流が送り込まれるように、空気流発生器材10と接続される。外包容器と空気流発生器材の接続は、空気流発生器材と接着、溶着、螺着、嵌着等させて固定して一体化するほか、空気流発生器材と着脱自在にしてもよい。
また、外包容器の底面部分に、例えば、外包容器の本体部分と螺合する支持部(図示せず)を採用し、外包容器の本体部分と着脱可能な構成を採用することもできる。
このような構成を採用することにより、外包容器内に収納された使用済みの収容容器を迅速かつ簡単に取り出して、揮散性薬剤の交換を容易に行うことができる。
また、外包容器の底面部分に、例えば、外包容器の本体部分と螺合する支持部(図示せず)を採用し、外包容器の本体部分と着脱可能な構成を採用することもできる。
このような構成を採用することにより、外包容器内に収納された使用済みの収容容器を迅速かつ簡単に取り出して、揮散性薬剤の交換を容易に行うことができる。
空気流発生器材10は、空気流を生成して、外包容器内に空気流を送り込むためのものである。空気流発生器材としては、各種のエアーポンプ、コンプレッサ等が挙げられる。時間当たりに発生させる空気量等は適宜決定すればよい。外包容器内に送り込む空気量を任意に変更できる空気流発生器材を使用することにより、揮散性薬剤の噴霧量を適宜調節することができ、その結果、所望するレベルの揮散性薬剤効果を容易に得ることができる。
本発明の薬剤揮散装置を使用するには、空気流発生器材を作動させればよい。それによって、外包容器内に空気流が送り込まれ、毛管性薬液吸い上げ芯の高速空気流曝露部位から、揮散性薬剤が直ちに霧状になって大気中に噴出される。その結果、例えば、揮散性薬剤が芳香剤であれば、空気流発生器材の作動中、常に一定レベルの芳香が周囲環境に漂うことになる。
また、タイマー等をつけて空気流発生器材のオン・オフを適宜行うことにより、必要に応じて揮散性薬剤を噴霧させることができる。したがって、例えば、外出時、睡眠時など、揮散性薬剤を噴霧させる必要がない場合には、空気流発生器材の作動を停止させればよく、これにより無駄な揮散性薬剤の使用を避けることができる。
また、前述したように、空気流量の調節が可能な空気流発生器材を使用すれば、薬剤噴霧量を適宜調節することにより、所望するレベルの薬剤効果を容易に得ることができる。さらに、空気流量と毛管性薬液吸い上げ芯の材質、形状等を組み合わせることにより、所望する揮散性薬剤の吸い出し及び霧化が得られる。
また、タイマー等をつけて空気流発生器材のオン・オフを適宜行うことにより、必要に応じて揮散性薬剤を噴霧させることができる。したがって、例えば、外出時、睡眠時など、揮散性薬剤を噴霧させる必要がない場合には、空気流発生器材の作動を停止させればよく、これにより無駄な揮散性薬剤の使用を避けることができる。
また、前述したように、空気流量の調節が可能な空気流発生器材を使用すれば、薬剤噴霧量を適宜調節することにより、所望するレベルの薬剤効果を容易に得ることができる。さらに、空気流量と毛管性薬液吸い上げ芯の材質、形状等を組み合わせることにより、所望する揮散性薬剤の吸い出し及び霧化が得られる。
1…薬剤揮散装置
2、31…揮散性薬剤
3、32…収容容器
4…収容容器孔
5…芯保持用中栓
6…空気流吐出ノズル
7…空気流導入孔
8…毛管性薬液吸い上げ芯
9…外包容器
10…空気流発生器材
33…カバー部材
34…薬剤揮散用開口部
2、31…揮散性薬剤
3、32…収容容器
4…収容容器孔
5…芯保持用中栓
6…空気流吐出ノズル
7…空気流導入孔
8…毛管性薬液吸い上げ芯
9…外包容器
10…空気流発生器材
33…カバー部材
34…薬剤揮散用開口部
Claims (1)
- 揮散性薬剤を内部に収容する収容容器と、
空気流吐出ノズル及び空気流導入孔を有し、前記収容容器を内部に載置させるための外包容器と、
長さ方向に沿って形成された複数の溝を外周面に有し、前記空気流吐出ノズルと同軸状態にて該空気流吐出ノズル内を通って前記収容容器内に垂下された毛管性薬液吸い上げ芯と、
前記毛管性薬液吸い上げ芯を保持するための芯保持用中栓と、
前記空気流導入孔を通じて前記外包容器内に空気流を導入するための空気流発生器材とを備えた薬剤揮散装置であって、
前記空気流吐出ノズル内に向かう空気流を前記空気流発生器材により前記外包容器内に送り込み、前記空気流吐出ノズル内でベンチュリー効果を生じさせることにより、前記毛管性薬液吸い上げ芯を通じて吸い上げた前記収容容器内の揮散性薬剤を、前記毛管性薬液吸い上げ芯の高速空気流曝露部位から高速空気流中に吸い出し、霧化させることを特徴とする薬剤揮散装置。
Priority Applications (1)
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JP2006292447A JP2008104778A (ja) | 2006-10-27 | 2006-10-27 | 薬剤揮散装置 |
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Cited By (2)
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JP2020116395A (ja) * | 2016-03-31 | 2020-08-06 | 小林製薬株式会社 | 薬液揮散器 |
JP2021153971A (ja) * | 2020-03-27 | 2021-10-07 | 東洋製罐グループホールディングス株式会社 | 芳香組成物 |
-
2006
- 2006-10-27 JP JP2006292447A patent/JP2008104778A/ja active Pending
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JP2020116395A (ja) * | 2016-03-31 | 2020-08-06 | 小林製薬株式会社 | 薬液揮散器 |
JP2021153971A (ja) * | 2020-03-27 | 2021-10-07 | 東洋製罐グループホールディングス株式会社 | 芳香組成物 |
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