JP2008104417A - 粉状体集合物の殺菌装置および殺菌方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】底面が半円状に湾曲した筒状の収容部3と、収容部の内部空間に配設された回転軸17と、回転軸の周面に同心状に突設され、回転すると被処理物を後端側から前端側に送るよう回転軸に対して螺旋状に配置された送り板27と、送り板の上手側の面上に放射状に立設された複数の撹拌板29と、回転軸の周面上に半径方向外方に向かって放射状に立設された複数の撹拌板31とを備える。回転軸が回転すると、粉状体集合物が送り板27、撹拌板29,31に当たり、上面に露出する粉状体が絶えず交代しながら、収容体の中を搬送される。
【選択図】 図3
Description
上記のように、茶葉を全部残さず利用するような場合には安全性が問題となるため、予め殺菌しておくことが望まれる。
しかしながら、紫外線暴露により食品を殺菌する手法自体は従来から知られているが、粉末茶のような粉状体集合物を静置し、上から紫外線を照射しただけでは上面に露出している粉状体しか殺菌されない。
上記特許文献1では、粉状体集合物の殺菌装置が記載されているが、そのような構造の殺菌装置で、粉末茶のような軽くて細かいものを殺菌しようとすると、粉末茶が撹拌されて舞い上がり、紫外線ランプに付着してしまい、装置の機能不全をもたらす危険性がある。
従って、現状では、粉末茶を殺菌する場合には、少量ずつ静置して紫外線暴露していく手間のかかる作業をしているものと思われる。
以下、本発明の実施の形態に係る殺菌装置1の構成を、図1〜図4に従って説明する。
図1は、装置全体の斜視図である。
符号2は支持フレーム体を示す。
符号3は細長い筒状収容部を示し、この筒状収容部3はステンレス製の板状材から主に構成されている。収容部3の底面は、収容部3を短手方向からみて半円状に下方に膨んだ状態で湾曲している。収容部3の上面は開口している。収容部3はフレーム体2に下側から取り付けられて支持されている。収容部3の前端側の上部の一部はフレーム体2により閉じられるが、大部分は開口している。
符号7は投入部を示し、この投入部7は前方のフレーム体2を貫通して形成されている。符号9は煙突を示し、この煙突9は蓋体5の中間部を貫通して設けられている。
符号13は排出部を示し、この排出部13は、収容部3の後端下部を貫通して形成されている。そして、排出部13から排出されてきた処理物を受け取るために、排出部13の下端開口に受口が臨んだ受取容器14が配置されている。
収容部3の内壁には酸化チタン皮膜が定法により施されている。酸化チタン皮膜は殺菌作用を働かせるために施されている。
符号15は制御部を示し、この制御部15の表面にはオン(ラン)ボタンと、ストップボタンと、動作時間の設定ボタンが形成されている。この制御部15はコード(図示省略)を介して商用電源と接続されている。
符号27は送り板(羽根)を示す。この送り板27は螺旋状をなしており、回転軸17の周面に同心状に突設されている。送り板27の外方側先端縁が収容部3の内部空間11の底面の内壁より若干内側にあるように、送り板27は寸法調整されており、この実施の形態では、底面の内壁の直径は約100mmに設定されており、送り板27の直径(D)は約75mmに設定されている。また、送り板27のピッチ(p)は、約50mmに設定されている。
各撹拌板29は、横断面方向からみると、互いに等距離だけ離れて5つ配置されている。
各撹拌板29の立ち上がり高さ(h1)は約25mmである。
各撹拌板31は、横断面方向からみると、互いに等距離だけ離れて5つ配置されている。各撹拌板31は隣り合う送り板27の間に配設されている。送り板27とのクリアランスはできるだけ小さくなるよう設計されている。立ち上がり高さ(h2)は、約15〜20mmである。
2本の紫外線ランプ33が収容部3の内部空間11の上側に配設されている。2本の紫外線ランプ33は、収容部3に設けられた取付具(図示省略)により両端部が支持されており、互いに平行に取り付けられている。
各紫外線ランプ33の長手方向の長さは紫外線暴露処理部の長さに対応しており、この長さが長いほど殺菌時間を長くできる。従って、十分な長さがあれば、一回投入部7より投入した後に排出部13から排出された被処理物は、十分に殺菌処理されているが、短いと、その被処理物の種類によっては、更に引き続き投入部7に被処理物を投入して再度殺菌処理しなければならない。従って、短くとも100cm以上が好ましい。
なお、紫外線は、波長によりA,B,Cに分けられるが、最も波長の短いUV−Cが高い殺菌効果を示すことから、紫外線ランプ33はこのUV−Cを照射する構成になっている。
制御部15を電源ONにし、回転軸17の回転速度を調整した後に、モーター21を駆動させ、更にその10分経過後に、紫外線ランプ33を点灯させる。
上記の作業の終了後、被処理物を投入部7から投入し、処理部3内に供給する。
被処理物が5mm角程度に粉砕された粉末茶(T)の場合には、供給量は、送り板27の1ピッチ移送当たり、約30〜50g程度が好ましく、通常は、 40g程度である。
また、回転軸17の回転速度はできるだけ小さく設定した方がよい。
搬送中、図5に示すように、集合物としての粉末茶(T)は撹拌板29、31によって複数の方向から力を受けるため、個々の粉状体は各々複雑にその移動方向を変更する。従って、上面に露出する粉状体は絶えず入れ替わり、紫外線ランプ33から照射された紫外線に暴露される粉状体の数が増える。即ち、粉末茶(T)がより均一に紫外線殺菌されることになる。
しかも、個々の粉状体は軽くて細かいにもかかわらず、舞い上って紫外線ランプ33に付着することもない。
さらに、同時に、個々の粉状体は絶えず入れ替わって酸化チタン皮膜に接触することになり、酸化チタン殺菌されることにもなる。
因みに、処理中の温度上昇により暖められた空気は煙突を介して排出されるので、収容部3の内部空間11が異常加熱されることはない。
例えば、酸化チタン皮膜は、収容部3などの一部に施してもよい。
また、上記の殺菌装置1は長手方向の長さはそれほど長くないが、この殺菌装置1に投入し殺菌処理されて排出された被処理物を再度殺菌装置1に投入することにより、実質的な殺菌時間を延ばすことができる。
いずれにしても、特許請求されている事項を除いては、従来からあるまたは将来案出される形状や素材や製造方法を任意に組み合わせることができる。
上記した殺菌装置1を同じ構造の試験機(但し、撹拌板29,31はプラスチック製で酸化チタン皮膜無し)を使用して、以下の条件で、粉末茶(T)を殺菌処理した。
粉末茶(T):緑茶の茶葉の蒸したものを5mm角に粉砕した粉末茶
殺菌時間:約40分間
回転速度:約4r/min (進行距離:120mm)
紫外線(UV−C)の合計出力:40W
殺菌処理後に、一般生菌数(測定方法:標準寒天培地法)、大腸菌郡(測定方法:BGLB培地、EMB培地、LB培地、普通寒天培地による)、カビ・酵母(測定方法:クロラムフェニコール添加ポテトデキストロース寒天培地による)により、検査した。
また、比較例として、未殺菌のものも検査した。
上記した殺菌装置1を使用して、以下の条件で、粉末茶(T)を殺菌処理した。
粉末茶(T):緑茶の茶葉の蒸したものを5mm角に粉砕した粉末茶
殺菌時間:殺菌時間:約0、16、32、48分間(0分間は未処理)
回転速度:約4r/min
紫外線(UV−C)の合計出力:40W
殺菌時間の違いにより4種類の処理物を得、それらを実施例1と同様に検査した。
上記した殺菌装置1を使用して、以下の条件で、粉末茶(T)を殺菌処理した。
粉末茶(T):緑茶の茶葉の蒸したものを5mm角に粉砕した粉末茶
殺菌時間:約0、15、30、45分間
回転速度:約4r/min
紫外線(UV−C)の合計出力:200、80W
殺菌時間と紫外線の出力の違いにより7種類の処理物を得、それらを実施例1と同様に検査した。
上記した殺菌装置1を使用して、以下の条件で、粉末茶(T)を殺菌処理した。
粉末茶(T):乾燥機ダストから回収された粉末茶で、主に1.4mm篩下からなるもの)
殺菌時間:約40分間
回転速度:約4r/min
紫外線(UV−C)の合計出力:80W
17.0以上(優) 品評会クラスの所謂まれ物
16.5〜14.0(良) 市場で上級品として扱う茶
13.5〜11.0(普通) 市場で最も出回っている茶
10.5〜8.0(やや劣る) 市場で下級茶として取り扱われている茶
7.5以下(劣る) 煎茶であっては柳若しくは番茶に近い茶
なお、比較例として、未殺菌のものも検査した。
具体的には、審査員二人にそれぞれ未処理のものと殺菌処理済みのものを審査してもらった。
具体的には、MINOLTA 色彩色差系計CCR−210により、茶の表面色を計測した。
いずれのサンプルも5回ずつ計測し、その平均値を得た。
上記した殺菌装置1を使用して、以下の条件で、皮付き小麦を殺菌処理した。
殺菌時間:殺菌時間:約0、20、30分間
回転速度:約4r/min
紫外線(UV−C)の合計出力:200W
殺菌時間の違いにより3種類の処理物を得、それらを実施例1と同様に検査した。
上記した殺菌装置1を使用して、以下の条件で、甲羅の粉末(粒径:1mm以下)を殺菌処理した。
殺菌時間:殺菌時間:約0、30分間
回転速度:約4r/min
紫外線(UV−C)の合計出力:200W
殺菌時間の違いにより2種類の処理物を得、それらを実施例1と同様に検査した。
しかしながら、粉末茶の用途を拡大するためにも、自動的にしかも万遍なく殺菌できる装置は不可欠である。
本発明の殺菌装置は、そうした意味で画期的なものである。
3‥‥収容部 5‥‥蓋体
7‥‥投入部 9‥‥煙突
11‥‥内部空間 13‥‥排出部
15‥‥制御部 17‥‥回転軸
19‥‥従動プーリ 21‥‥モーター
23‥出力軸 25‥‥ベルト
27‥‥送り板 29,31‥‥撹拌板
33‥‥紫外線ランプ
D‥‥送り板の直径 p‥‥送り板のピッチ
h1,h2‥‥立ち上がり高さ
A‥‥紫外線ランプと送り板との離間距離
Claims (6)
- 底面が半円状に湾曲した筒状の収容部と、前記収容部の前端側に設けられた粉状体の投入部と、前記収容部の後端側に設けられた排出部と、前記収容部の内部空間に配設された回転軸と、前記回転軸の周面に同心状に突設され、回転すると被処理物を前記前端側から後端側に送るよう前記回転軸に対して螺旋状に配置された送り板と、前記送り板の上手側の面上に放射状に立設された複数の撹拌板と、前記回転軸を駆動させるための駆動源と、前記収容部の内部空間の上側に配設された紫外線照射手段とを備えた、粉状体集合物の殺菌装置。
- 請求項1に記載した粉状体集合物の殺菌装置において、撹拌板は送り板の板面に対して略垂直に立設されていることを特徴とする粉状体集合物の殺菌装置。
- 請求項1または2に記載した粉状体集合物の殺菌装置において、回転軸の周面にも半径方向外方に向かって放射状に延びる複数の撹拌板が立設されていることを特徴とする粉状体集合物の殺菌装置。
- 請求項1から3のいずれかに記載した粉状体集合物の殺菌装置において、収容部の内壁と回転軸と送り板と撹拌板の少なくとも一部には酸化チタン皮膜が施されていることを特徴とする粉状体集合物の殺菌装置。
- 請求項1から4のいずれかに記載した粉状体集合物の殺菌装置において、紫外線照射手段はUV−Cを照射するものであることを特徴とする粉状体集合物の殺菌装置。
- 請求項1から5のいずれかに記載した殺菌装置を用いて、粉状体集合物としての茶粉末を紫外線暴露により殺菌したことを特徴とする粉状体集合物の殺菌方法。
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JP2006290895A JP2008104417A (ja) | 2006-10-26 | 2006-10-26 | 粉状体集合物の殺菌装置および殺菌方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2006
- 2006-10-26 JP JP2006290895A patent/JP2008104417A/ja active Pending
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