JP2008102432A - 静電荷現像用イエロートナー、静電荷現像用マゼンタトナー、静電荷現像用現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

静電荷現像用イエロートナー、静電荷現像用マゼンタトナー、静電荷現像用現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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【課題】高い発色濃度と透明性を有する画像が得られる静電荷現像用イエロートナー及び静電荷現像用マゼンタトナー、該静電荷現像用イエロートナー又は該静電荷現像用マゼンタトナーを含む静電荷現像用現像剤、該静電荷現像用現像剤を用いるプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】結着樹脂、着色剤、離型剤、及びアルミニウムを含有し、前記アルミニウムの含有量が0.03質量%以上であることを特徴とする静電荷現像用イエロートナー及び静電荷現像用マゼンタトナー、該静電荷現像用イエロートナー又は該静電荷現像用マゼンタトナーを含む静電荷現像用現像剤、該静電荷現像用現像剤を用いるプロセスカートリッジ及び画像形成装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式を用いて画像を形成する画像形成装置に用いられる静電荷現像用イエロートナー、静電荷現像用マゼンタトナー、該静電荷現像用イエロートナー又は該静電荷現像用マゼンタトナーを含む静電荷現像用現像剤、該静電荷現像用現像剤を用いるプロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
静電潜像を経て画像情報を可視化する電子写真法は、現在さまざまな分野で利用されており(例えば、特許文献1及び2参照)、前記電子写真法は、一般には、帯電・露光工程において、感光体表面に静電潜像を形成し、現像工程において、トナーを含む静電荷像現像剤(以下、単に「現像剤」という場合がある。)を用いて前記静電潜像を現像してトナー像を形成し、転写工程において、前記トナー像を紙やシート等の転写材上に転写し、定着工程において、熱、溶剤、圧力等を利用して前記トナー像を転写材上に定着し、永久画像を得る方法である。
また、高画質を達成する手段としてデジタル化処理が挙げられ、このような画質に関するデジタル化の効能として、複雑な画像処理が高速で行えることが挙げられており、このことにより、文字と写真画像を分離して制御することが可能となり、文字と写真画像の再現性がアナログ技術に比べ大きく改善されている。特に写真画像に関しては階調補正と色補正が可能になった点が大きく、階調特性、精細度、鮮鋭度、色再現、粒状性の点でアナログに比べ有利である。更に、画像出力としては光学系で作成された潜像を忠実に作像する必要があり、トナーとしては益々小粒径化が進み忠実再現を狙った活動が加速されている。
一方、特にカラー画像では3色或いは4色のカラートナーを重ね合わせ画像を形成している。この重ね合わせにおいてトナーに求められる特性としては、色目、濃度、透明性が重要となる。特にイエロートナーは一般的にカラートナーを重ね合わせた場合、画像最上部にくることが多い。このイエロートナーの透明性を制御する因子としてはトナー中の顔料分散性が影響している。これに対し、顔料粒径を小さくする方法が考えられ、顔料粒径を小さくする方法としては合成/ろ過・洗浄/乾燥が終了した顔料を機械的に粉砕する方法が一般的である。
また、予め着色剤をポリエステル系樹脂及び水を混練させた組成物を使用しトナー中の分散粒径を制御したり(例えば、特許文献3参照)、顔料を界面活性剤で処理し顔料分散を向上させる方法が取られている(例えば、特許文献4及び5参照)。通常界面活性剤を処理する方法として顔料製造工程中の粉砕時に添加される。粉砕方法としては湿式粉砕方法と乾式粉砕方法がある。湿式粉砕方法は水中又は溶剤中において分散メディアを用いて顔料、潤滑剤中で粉砕する方法でこのとき界面活性剤を添加し処理する方法である。乾式粉砕方法は乾燥した顔料を一般的な粉砕機を使用し粉体化する。この粉体顔料に例えばスプレードライなどの方法で界面活性剤を処理する。均一処理の観点では湿式方法が好ましい。
米国特許第2297691号明細書 米国特許第2357809号明細書 特開2004−85997号公報 特開平3−267947号公報 特開2005−62517号公報
本発明は、高い発色濃度と透明性を有する画像が得られる静電荷現像用イエロートナー及び静電荷現像用マゼンタトナー、該静電荷現像用イエロートナー又は該静電荷現像用マゼンタトナーを含む静電荷現像用現像剤、該静電荷現像用現像剤を用いるプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の本発明により、解決された。
即ち、本発明は、
<1> 結着樹脂、着色剤、離型剤、及びアルミニウムを含有し、前記アルミニウムの含有量が0.03質量%以上であることを特徴とする静電荷現像用イエロートナーである。
<2> 結着樹脂粒子を分散した樹脂粒子分散液、アルミニウム化合物存在下で合成して得られた着色剤を分散した着色剤分散液、及び離型剤を分散した離型剤分散液を混合し、これにポリ塩化アルミニウムを含む1種以上の金属塩を添加して、凝集粒子を形成する凝集粒子形成工程と、該凝集粒子を加熱して、融合・合一する融合・合一工程と、を経て製造されたことを特徴とする<1>に記載の静電荷現像用イエロートナーである。
<3> <1>又は<2>に記載の静電荷現像剤用イエロートナーを含むことを特徴とする静電荷現像用現像剤である。
<4> 結着樹脂、着色剤、離型剤、及びアルミニウムを含有し、前記アルミニウムの含有量が0.03質量%以上であることを特徴とする静電荷現像用マゼンタトナーである。
<5> 結着樹脂粒子を分散した樹脂粒子分散液、アルミニウム化合物存在下で合成して得られた着色剤を分散した着色剤分散液、及び離型剤を分散した離型剤分散液を混合し、これにポリ塩化アルミニウムを含む1種以上の金属塩を添加して、凝集粒子を形成する凝集粒子形成工程と、該凝集粒子を加熱して、融合・合一する融合・合一工程と、を経て製造されたことを特徴とする<4>に記載の静電荷現像用マゼンタトナーである。
<6> <4>又は<5>に記載の静電荷現像剤用マゼンタトナーを含むことを特徴とする静電荷現像用現像剤である。
<7> 像保持体表面に形成された静電潜像を、<3>又は<6>に記載の静電荷現像用現像剤を用いて現像してトナー像を形成するための現像装置と、前記像保持体、前記像保持体表面を帯電させるための帯電装置、及び、前記像保持体表面に残存したトナーを除去するためのクリーニング装置からなる群より選ばれる少なくとも一種と、を備えることを特徴とするプロセスカートリッジである。
<8> 像保持体と、前記像保持体表面を帯電させるための帯電装置と、帯電した前記像保持体表面に静電潜像を形成するための露光装置と、前記像保持体に形成された静電潜像を、<3>又は<6>に記載の静電荷現像用現像剤を用いて現像してトナー像を形成するための現像装置と、前記トナー像を被転写体に転写する転写装置と、前記像保持体表面に残存したトナーを除去するためのクリーニング装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
本発明は、高い発色濃度と透明性を有する画像が得られる静電荷現像用イエロートナー及び静電荷現像用マゼンタトナー、該静電荷現像用イエロートナー又は該静電荷現像用マゼンタトナーを含む静電荷現像用現像剤、該静電荷現像用現像剤を用いるプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することができる。
<静電荷現像用イエロートナー及び静電荷現像用マゼンタトナー>
本発明の静電荷現像用イエロートナー及び静電荷現像用マゼンタトナー(以下、併せて「本発明のトナー」という場合がある。)は、結着樹脂、着色剤、離型剤、及びアルミニウムを含有し、前記アルミニウムの含有量が0.03質量%以上であることを特徴とする。
高い透明性を有する画像を得るには、トナー中の着色剤(顔料)粒子の分散性をより均一化することにより獲得できる。トナー中の着色剤の高い分散性を得る方法としては、(1)着色剤の粒径を極力小さくする。(2)トナー製造時に着色剤の均一な分散状態を保つ。という2つの方法が考えられる。
前記(1)着色剤の粒径を極力小さくする方法としては、一般的に着色剤の粉砕を強化し、一次粒径近くまで細かくする方法が挙げられる。しかし機械的に粉砕された着色剤は粒度分布が大きくなってしまい、中心粒径としては小さい着色剤となっていても実際は細かいものと大きな粒径のものとが混在する場合が多く、結果的に透明性の改善は困難である。つまり高い透明性を得る方法として、着色剤の粒径を小径化するために、合成段階で着色剤の粒径をなるべく小さくする方法が挙げられる。もともと着色剤の粒径(一次粒径)は合成時の結晶成長で決まる傾向があり、この結晶成長を制御することにより、より均一で且つ小径な着色剤の粒子を得ることができる。この結晶成長を制御する方法として、結晶同士の界面に介在物を配置することが考えられる。つまり着色剤の合成時に結晶成長する着色剤粒子間の界面に介在物を配置することにより結晶成長を抑えられ且つ粉砕時には結晶界面の介在物が粉砕助剤の役割を果たして粉砕を容易にすることができる。
また、前記(2)の様にトナー製造時に着色剤の均一な分散状態を保つことが必要であるが、単純に細かい着色剤を使用するとある程度の透明性改善効果は得られるもののトナー中の着色剤の分散としては不十分である。例えば混練粉砕法では混練の条件を強化しても元来着色剤粒子は凝集しやすいため、顔料分散には限界がある。また、離型剤を含有したトナーにおいては混練条件を強化すると離型剤が特異的にトナー中に分散してしまい、トナーの所望の特性から大きく外れる結果となってしまう、などの不具合がある。更に、水中でトナーを作製する方法においてもトナー凝集工程(樹脂、離型剤、着色剤などのエマルジョンを凝集剤を使用し集める工程)において顔料自身の凝集が発生しやすく、顔料自身が細かくても結果的に大きな顔料粒子を使用しているのと同じになってしまう。これは凝集剤量を増加減させただけでは回避できない。凝集剤を減らすと分散性は良化するがトナーが分離しやすくなりトナー強度が保てない場合があり、また増加した場合トナー強度は良好なものの凝集しやすいためトナー中の分散は不均一となる場合がある。
本発明者らは鋭意検討の結果、上述のように(1)着色剤の粒径を極力小さくし、(2)トナー製造時に着色剤の均一な分散状態を保つことにより、トナー中の着色剤の分散性を均一化するためには、トナー中にアルミニウム化合物を添加することにより成されることを見出した。また、アルミニウム化合物は、着色剤を合成する際に添加する、つまり本発明ではアルミニウム化合物存在下で合成して得られた着色剤を用いることが特に好ましい。
これは水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物は、耐熱性に優れ且つ酸・アルカリにも溶解する性質がある。つまりアルミニウム化合物は、着色剤を合成する際に酸・アルカリ状態にも析出しないで着色剤粒子同士の界面に存在する。また、乾燥時の温度に対しても安定的に存在することが可能である。更に、トナー製造時において例えば乳化重合凝集法によりトナーを作製する場合であり、凝集剤にポリ塩化アルミニウムなどを使用した場合でも、着色剤粒子のみがアルミニウムを含有している為、樹脂や離型剤に比べ凝集性を緩和することができる。その結果、顔料粒子単独の凝集性を抑えつつ強固なトナーを作製できることができる。つまりトナー中にアルミニウム化合物を添加する、特にアルミニウム化合物を着色剤を合成する際に添加することにより、小径で且つ均一な着色剤とトナー製造時の着色剤分散均一性を保つ、という両方の効果を発揮することができる。
また、アルミニウムの含有量を0.03質量%以上とすることによる上述の効果は、イエロートナー及びマゼンタトナーで効果が発揮され、イエロートナーで顕著に発揮される。これは一般的にカラートナーを重ね合わせた場合、イエロートナーは画像最上部にくることが多く、イエロートナーの透明性が低い場合イエロートナーの下側に来ているトナー(通常マゼンタ、シアン等)の色目が変ってしまい希望の色再現性を妨げる結果となるためである。また、イエロートナーは、一般的にトナー製造時に凝集する傾向が大きく、この課題を解決できる本発明のイエロートナーは特に好ましい。
(アルミニウム化合物)
前記アルミニウム化合物としては、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、アルミニウムアルコキシド等が挙げられ、小径で且つ均一な着色剤が得られる、トナー製造時の着色剤分散均一性を保つ、という両方の効果が顕著に発揮できる点で、水酸化アルミニウムが特に好ましい。
本発明のトナーは、前記アルミニウム化合物を添加することにより、アルミニウムの含有量が0.03質量%以上となることを必須とし、0.05質量%以上であることが好ましく、0.07質量%以上であることがより好ましい。前記アルミニウムの含有量が0.03質量%未満であると、小径で且つ均一な着色剤が得られる、トナー製造時の着色剤分散均一性を保つ、という効果が得られない。また、定着特性の観点から前記アルミニウムの含有量は、5質量%以下であることが好ましい。これはアルミニウムは凝集剤の働きも兼ねているため過剰に添加された場合架橋効果が強く発生しトナーが硬くなる場合がある。前記アルミニウムの含有量が5質量%以下であると、トナーが硬くなることも無く、定着温度を上がらないので、消費エネルギーの観点から好ましい。
尚、本発明のトナーにおいて、前記アルミニウムの含有量は、トナーの内部に含有されているアルミニウムの量をいい、所謂外添されているアルミニウムは含まない。前記アルミニウムの含有量は、アルミニウム量測定:蛍光X線(LAB CENTER XRF−1500:島津製作所社製)を用いて測定することができる。具体的には試料200mgを直径13mmの圧縮成形機を使用しペレット上に圧縮加工して測定を行った。このときのNET強度をアルミニウム検量線を使用し実際のアルミニウム量とした。
(着色剤)
本発明のトナーは、以下の着色剤をアルミニウム化合物存在下で合成して用いる。
本発明のトナーが静電荷現像剤用イエロートナー(以下、「本発明のイエロートナー」という場合がある。)の場合、用いられる着色剤としては、アゾ系顔料が好ましく、下記式(1)で表される化合物に代表されるC.I.Pigment Yellow 74、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、5、6、49、65、73、75、97、98、111、116、130等のモノアゾ系顔料;下記式(2)で表される化合物に代表されるC.I.Pigment Yellow 154、C.I.Pigment Yellow 120、151、175、180、181、194等のベンズイミダゾロン系顔料;下記式(3)で表される化合物に代表されるC.I.Pigment Yellow 93、C.I.Pigment Yellow 94、95、128、166等のジスアゾ縮合系顔料;C.I.Pigment Yellow 12、13、14、17、55、63、81、83、87、90、106、113、114、121、124、126、127、136、152、170、171、172、174、176、188等のジスアゾ系顔料;等が挙げられる。
Figure 2008102432
本発明のトナーが本発明の静電荷現像剤用マゼンタトナー(以下、「本発明のマゼンタトナー」という場合がある。)の場合、用いられる着色剤としては、下記式(4)で表される化合物に代表されるC.I.Pigment Red 146、C.I.Pigment Red 2、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、21、22、23、31、32、95、112、114、119、136、147、148、150、164、170、184、187、188、210、212、213、222、223、238、245、253、256、258、261、266、267、268、269等のβ−ナフトール系顔料;下記式(5)で表される化合物に代表されるC.I.Pigment Red 57:1、他にはC.I.Pigment Red 18:1、48:2、48:3、48:4、48:5、50:1、51、52:1、52:2、53:1、53:2、53:3、58:2、58:4、64:1、68、200等のアゾレーキ系顔料;下記式(6)で表される化合物に代表されるC.I.Pigment Red 209、C.I.Pigment Red 122、192、202、207、C.I.Pigment Violet 19等のキナクリドン系顔料;C.I.Pigment Red 37、38、41、111、C.I.Pigment Orange 13、15、16、34、44等のジスアゾ系顔料が挙げられる。
Figure 2008102432
本発明のトナー(静電荷現像用イエロートナー及び静電荷現像用マゼンタトナー)における着色剤の含有量は、3〜15質量%であることが好ましく、4〜10質量%であることがより好ましい。前記着色剤の含有量が15質量%を超えると、顔料粒子がフィラーとして働き結果的にトナーを硬くしてしまい、定着温度を上げてしまう場合がある。そのため、着色剤の含有量が15質量%であることが消費エネルギーの観点から好ましい。また、着色剤の含有量が3質量%未満の場合、透明性は得られるものの良好な発色性が得られない場合がある。
(結着樹脂)
本発明のトナーに用いられる結着樹脂としては特に限定されず、公知の樹脂材料を用いることができる。例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類;などの単量体などの重合体またはこれらを2種以上組み合せて得られる共重合体またはこれらの混合物を挙げることができ、さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、あるいはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物やこれらの共存下でビニル系単量体を重合する際に得られるグラフト重合体等を挙げることができる。
なお、樹脂がビニル系単量体を用いて作製される場合は、イオン性界面活性剤などを用いて乳化重合を実施して樹脂粒子分散液を作製することができ、その他の樹脂の場合は油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば樹脂をそれらの溶剤に解かして水中にイオン性の界面活性剤や高分子電解質と共にホモジナイザーなどの分散機により水中に粒子分散し、その後加熱または減圧して溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液を作製することができる。
(離型剤)
本発明のトナーに用いられる離型剤としては、ASTMD3418−8に準拠して測定された主体極大ピークが50〜140℃の範囲内にある物質が好ましい。主体極大ピーク50℃未満であると定着時にオフセットを生じやすくなる場合がある。また、140℃を超えると定着温度が高くなり、画像表面の平滑性が不充分なため光沢性を損なう場合がある。主体極大ピークの測定には、例えばパーキンエルマー社製のDSC−7を用いることができる。この装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行う。
また、前記離型剤の160℃における粘度η1は、20〜600cpsの範囲内であることが好ましい。粘度η1が20cpsよりも小さいとホットオフセットを生じ易い場合があり、600cpsより大きいと定着時のコールドオフセットを生じる場合がある。
更に、離型剤の160℃における粘度η1と200℃における粘度η2との比(η2/η1)は、0.5〜0.7の範囲内が好ましい。η2/η1が0.5より小さいと低温度時のブリード量が少なくコールドオフセットを生じる場合がある。また、0.7より大きいと高温での定着の際のブリード量が多くなり、ワックスオフセットを生じることがあるばかりでなく、剥離の安定性に問題を生じる場合がある。
前記離型剤の具体的な例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類やカルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス、ミツロウ等の動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物、石油系ワックス、及びそれらの変性物が使用できる。
これらの離型剤は、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱するとともに強い剪断をかけられるホモジナイザーや圧力吐出型分散機により粒子化し、粒子径が1μm以下の離型剤粒子を含む離型剤分散液を作製することができる。
本発明のトナーにおける離型剤の含有量は、3〜20質量%であることが好ましく、6〜12質量%であることがより好ましい。前記離型剤の含有量が20質量%を超えると、定着時に定着部材とトナー画像面の間に離型剤成分が過剰に介在してしまう為微小スリップを起こす場合がある。この結果、画像流れなどの画質欠陥を発生してしまう場合がある。3質量%未満の場合は本来の離型機能が足らずオフセットしてしまう場合がある。
本発明のトナーにおいては、目的に応じて、前記結着樹脂、前記着色剤、前記離型剤及びアルミニウム化合物以外に、内添剤、帯電制御剤、無機粒子などのその他の成分(粒子)を添加させることが可能である。
内添剤としては、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、マンガン、ニッケル等の金属、合金、またはこれら金属を含有する化合物などの磁性体などが挙げられ、トナー特性としての帯電性を阻害しない程度の量が使用できる。
帯電制御剤としては、特に制限はないが、無色または淡色のものが好ましく使用できる。例えば、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミニウム、鉄、クロムなどの錯体からなる染料、トリフェニルメタン系顔料などが挙げられるが、後述する凝集や融合・合一時の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水の低減との観点から、水に溶解しにくい材料の方が好ましい。
また本発明のトナーには、帯電性を安定させるために湿式で無機粒子を添加することができる。添加する無機粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど通常トナー表面の外添剤として使うすべてのものを使用することができ、イオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散して使用することが好ましい。
前記その他の成分の含有量としては、本発明の目的を阻害しない程度であればよく、一般的には極少量であり、具体的には0.01〜5質量%の範囲であり、好ましくは0.5〜2質量%の範囲である。
本発明のトナーは、アルミニウムを含有することができる製法であれば、混練粉砕法、懸濁重合法、溶解懸濁法、及び乳化凝集合一法などいかなる製法でも作製可能であるが、トナー内部の顔料均一分散性、離型剤量の設計自由度、トナー粒径、粒度分布の観点から、乳化凝集法により製造することが好ましい。乳化凝集法は、結着樹脂粒子を分散した樹脂粒子分散液、アルミニウム化合物存在下で合成して得られた着色剤を分散した着色剤分散液、及び離型剤を分散した離型剤分散液を混合して、これにポリ塩化アルミニウムを含む1種以上の金属塩を添加して、凝集粒子を形成する凝集粒子形成工程と、該凝集粒子を加熱して、融合・合一する融合・合一工程と、を経て製造する方法である。
また、本発明のトナーは、コア/シェル構造であってもよく、この場合の乳化凝集法による製造方法は、結着樹脂粒子を分散した樹脂粒子分散液、アルミニウム化合物存在下で合成して得られた着色剤を分散した着色剤分散液、及び離型剤を分散した離型剤分散液を混合して、これにポリ塩化アルミニウムを含む1種以上の金属塩を添加して、凝集粒子(コア凝集粒子)を形成する凝集粒子形成工程(第1の凝集粒子形成工程)と、前記コア凝集粒子の表面に第2の樹脂粒子を含むシェル層を形成しコア/シェル凝集粒子を得る第2の凝集粒子形成工程と、前記コア/シェル凝集粒子を加熱して、融合・合一する融合・合一工程と、を経て製造する方法である。以下、本発明のトナーがコア/シェル構造を有する場合の製造方法について説明する。
第1の凝集粒子形成工程においては、まず、樹脂粒子分散液と、着色剤分散液と、離型剤分散液とを準備する。樹脂粒子分散液は、乳化重合などによって作製した樹脂粒子をイオン性界面活性剤を用いて溶媒中に分散させることにより調製する。
また、着色剤分散液は、先ず、アゾ成分等を酸に溶解させる、別途pHをアルカリ側に調整されたカプラー成分に水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物と上記アゾ成分を滴下添加して着色剤を合成し、樹脂粒子分散液の作製に用いたイオン性界面活性剤と反対極性イオン性界面活性剤を用いて、合成した着色剤を溶媒中に分散させることにより調製する。分散後の着色剤の粒径(中心粒径)は、50〜250nmであることが好ましく、80〜200nmであることがより好ましい。前記着色剤の粒径が50nm未満であると、透明性は良好なものの発色性が出ない場合や分散状態の均一安定化が困難となる場合があり、250nmを超えると、分散状態の安定性はあるものの透明性、トナー中の顔料分散性が悪化する場合がある。尚、着色剤の粒径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700堀場製作所製)を用いて測定した。
更に、離型剤分散液は、離型剤を、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱するとともに強い剪断をかけられるホモジナイザーや圧力吐出型分散機により粒子化することにより調製する。
次に、樹脂粒子分散液と着色剤分散液と離型剤分散液とを混合し、樹脂粒子と着色剤と離型剤とをヘテロ凝集させ所望のトナー径にほぼ近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤と離型剤とを含む凝集粒子(コア凝集粒子)を形成する(第1の凝集粒子形成工程)。
第2の凝集粒子形成工程は、第1の凝集粒子形成工程で得られたコア凝集粒子の表面に、第2の樹脂粒子を含む樹脂粒子分散液を用いて、第2の樹脂粒子を付着させ、所望の厚みの被覆層(シェル層)を形成することにより、コア凝集粒子表面にシェル層が形成されたコア/シェル構造も持つ凝集粒子(コア/シェル凝集粒子)を得る。なお、この際用いる第2の樹脂粒子は、第1の樹脂粒子と同じであってもよく、異なったものであってもよい。
また、第1および第2の凝集粒子形成工程において用いられる、結着樹脂粒子、第2の樹脂粒子、着色剤の粒子、離型剤の粒子の粒子径は、トナー径および粒度分布を所望の値に調整するのを容易とするために、1μm以下であることが好ましく、100〜300nmの範囲内であることがより好ましい。
第1の凝集粒子形成工程においては、樹脂粒子分散液や着色剤分散液に含まれる2つの極性のイオン性界面活性剤(分散剤)の量のバランスを予めずらしておくことができる。例えば、硝酸カルシウム等の無機金属塩、もしくはポリ塩化アルミニウム等の無機金属塩の重合体を用いてこれをイオン的に中和し、結着樹脂粒子のガラス転移温度以下で加熱してコア凝集粒子を作製することができる。
このような場合、第2の凝集粒子形成工程においては、上記したような2つの極性の分散剤のバランスのずれを補填するような極性および量の分散剤で処理された樹脂粒子分散液を、コア凝集粒子を含む溶液中に添加し、さらに必要に応じてコア凝集粒子または第2の凝集工程において用いられる第2の樹脂粒子のガラス転移温度以下でわずかに加熱してコア/シェル凝集粒子を作製することができる。なお、第1および第2の凝集粒子形成工程は、段階的に複数回に分けて繰り返し実施したものであってもよい。
次に、融合・合一工程において、第2の凝集粒子形成工程を経て得られたコア/シェル凝集粒子を、溶液中にて、このコア/シェル凝集粒子中に含まれる結着樹脂粒子または第2の樹脂粒子のガラス転移温度(樹脂の種類が2種類以上の場合は最も高いガラス点移温度を有する樹脂のガラス転移温度)以上に加熱し、融合・合一することによりトナーを得る。融合・合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナーを、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナーを得る。
なお、洗浄工程は、帯電性の点から十分にイオン交換水による置換洗浄を施すことが好ましい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好ましく用いられる。更に乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。
<静電荷現像用現像剤>
本発明の静電荷現像用現像剤は、本発明のイエロートナー又は本発明のマゼンタトナーを含むこと以外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。本発明の静電荷像現像剤は、本発明のトナーを、単独で用いると一成分系の静電荷像現像剤となり、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像剤となる。
(キャリア)
[キャリア芯材]
キャリア芯材は、その体積電気抵抗(25℃)が1×107.5〜1×109.5Ω・cmであることが好ましい。この電気抵抗が1×107.5Ω・cm未満であると、繰り返し複写によって、現像剤中のトナー濃度が減少した際に、キャリアへ電荷が注入し、キャリア自体が現像されてしまう虞がある。一方、電気抵抗が1×109.5Ω・cmより大きくなると、ソリッド画像の非画像部との境界付近に現れるトナーが多く現像される現象(所謂エッジ)等の画質に悪影響を及ぼすことがある。
キャリア芯材は、上記条件を満足すれば、特に制限はないが例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、これらとマンガン、クロム、希土類等との合金、及びフェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。これらの中でも芯材表面性、芯材抵抗の観点から好ましくはフェライト、特にマンガン、リチウム、ストロンチウム、マグネシウム等との合金が好ましく用いられる。
[キャリア被覆層]
本発明に用いられるキャリアにおいて、前記キャリア芯材を被覆するキャリア被覆層を形成するための被覆樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂粒子、熱硬化性樹脂粒子等が挙げられる。これらの中でも、比較的硬度を上げることが容易な観点から熱硬化性樹脂が好ましく、トナーに負帯電性を付与する観点からは、N原子を含有する含窒素樹脂による樹脂粒子が好ましい。なお、これらの樹脂粒子は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。樹脂粒子の平均粒径としては、0.1〜2μm程度が好ましく、より好ましくは0.2〜1μmである。前記樹脂粒子の平均粒径が0.1μm未満であると、被覆膜における樹脂粒子の分散性が悪くなることがあり、2μmを越えると被覆膜から樹脂粒子の脱落が生じ易くなる場合がある。
また、併用する導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属粒子、カーボンブラック粒子、酸化チタン、酸化亜鉛等の半導電性酸化物粒子、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末等の表面を酸化スズ、カーボンブラック、金属等で覆った粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、製造安定性、コスト、導電性等の良好な点で、カーボンブラック粒子が好ましい。前記カーボンブラックの種類としては、特に制限はないが、DBP吸油量が50〜250ml/100g程度であるカーボンブラックが製造安定性に優れて好ましい。
また、キャリア被覆層はフッ素系樹脂を含んでいてもよく、該フッ素系樹脂は、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル,ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等のそれ自体の公知の樹脂が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
更に、キャリア被覆層は、樹脂粒子及び/または導電性粒子が少なくとも分散されてなることが好ましい。キャリア被覆層が樹脂粒子が分散されている場合、その厚み方向及びキャリア表面の接線方向に、均一に分散しているため、キャリアを長期間使用してキャリア被覆層が摩耗したとしても、常に未使用時と同様な表面形成を保持でき、トナーに対し、良好な帯電付与能力を長期間にわたって、維持することができる。又、キャリア被覆層に導電性粒子が分散されている場合、その厚み方向及びキャリア表面の接線方向に、導電性粒子が均一に分散しているため該キャリアを長期間使用して該キャリア被覆層が摩耗したとしても、常に未使用時と同様な表面形成を保持でき、キャリア劣化を長期間防止することができる。なお、キャリア被覆層に樹脂粒子と導電性粒子とが分散されている場合、上述の効果を同時に奏することができる。
キャリアの製造方法は、キャリア芯材表面に被覆樹脂によりキャリア被覆層を形成する方法が挙げられ、具体的には、キャリア芯材を被覆樹脂を含むキャリア被覆層形成用液に浸漬する浸漬法、キャリア被覆層形成用液をキャリア芯材の表面に噴霧するスプレー法、キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態でキャリア被覆層形成用液を混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。これらの中でも、本発明において、ニーダーコーター法が好ましい。
また、キャリア被覆層形成用液に用いる溶剤としては、被覆樹脂のみを溶解することが可能なものであれば、特に制限はなく、それ自体公知の溶剤の中から選択することができ、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類などが挙げられる。
<画像形成装置およびプロセスカートリッジ>
次に、上述した本発明の静電荷現像用現像剤を用いた本発明の画像形成装置およびプロセスカートリッジについて説明する。
本発明のプロセスカートリッジは、像保持体表面に形成された静電潜像を本発明の静電荷現像用現像剤を用いて現像してトナー像を形成するための現像装置と、前記像保持体、前記像保持体表面を帯電させるための帯電装置、及び、前記像保持体表面に残存したトナーを除去するためのクリーニング装置からなる群より選ばれる少なくとも一種と、を備えることを特徴とするもので、画像形成装置に脱着可能なものである。
また、本発明の画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体表面を帯電させるための帯電装置と、帯電した前記像保持体表面に静電潜像を形成するための露光装置と、前記像保持体に形成された静電潜像を、本発明の静電荷現像用現像剤を用いて現像してトナー像を形成するための現像装置と、前記トナー像を被転写体に転写する転写装置と、前記像保持体表面に残存したトナーを除去するためのクリーニング装置と、を備えることを特徴とし、現像装置、帯電装置、及びクリーニング装置を含む部分が、画像形成装置本体に対して脱着可能なカートリッジ構造(上述の本発明のプロセスカートリッジ)であってもよい。
以下、本発明の画像形成装置の一例を図1に示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部のみを説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、4連タンデム方式のフルカラー画像形成装置を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1〜第4の画像形成ステーション10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ステーション(以下、単にステーションと称する)10Y、10M、10C、10Kは、互いに所定距離離間して並設されている。なお、これらステーション10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着可能なプロセスカートリッジであってもよい。
各ステーション10Y、10M、10C、10Kの上方には、各ステーションを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、横方向に互いに離間して配置された駆動ローラ22および中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24に巻回されて張設され、第1ステーション10Yから第4ステーション10Kに向う方向に無端走行されるようになっている。尚、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に付勢されており、両者の間に巻回された中間転写ベルト20に所定のテンションが与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
上述した第1〜第4ステーション10Y、10M、10C、10Kは、略同一の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1ステーション10Yについて代表して説明する。尚、第1ステーション10Yと同一の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した同一参照符号を付すことにより、第2〜第4ステーション10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1ステーション10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を所定の電位に帯電させる帯電ローラ(帯電装置)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電潜像を形成する露光装置3、静電潜像に帯電したトナー(現像剤)を供給して静電潜像を現像する現像装置4Y、現像したトナー像(現像剤像)を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ローラ5Y(転写装置)、および1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置6Yが順に配設されている。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部(制御手段)による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ステーション10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。
感光体1Yは、導電性の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電潜像が感光体1Yの表面に形成される。
静電潜像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電潜像は、感光体1Yの走行に従って所定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電潜像が、現像装置4Yによって可視像(トナー像)化される。
現像装置4Y内には、既述の本発明のイエロートナーを含む本発明の静電荷現像用現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有している。感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にのみイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き所定速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が所定の1次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに所定の1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ステーション10Yでは制御部(図示せず)によって+10μA程度に定電流制御されている。
また、第2ステーション10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも同様に制御されている。
こうして、第1ステーション10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2〜第4ステーション10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が同様に重ねられて多重転写される。尚、現像装置4M内には、既述の本発明のマゼンタトナーを含む本発明の静電荷現像用現像剤が収容されている。
第1〜第4ステーションを通して全ての色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像担持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録紙(転写材)Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20との間に所定のタイミングで給紙され、所定の2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、定電圧で制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置28へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録紙P上へ永久定着される。カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、本発明でいう被転写体とは、電子写真感光体1上に形成されたトナー像を転写する媒体であれば特に制限はない。例えば、電子写真感光体1から直接、紙等に転写する場合は紙等が被転写体であり、また、中間転写体を用いる場合には中間転写体が被転写体になる。
本発明の画像形成装置およびプロセスカートリッジを用いて得られた画像は、既述の本発明のイエロートナー又は本発明のマゼンタトナーを含むため、高い発色濃度と透明性を有する画像が得られる。
以下に本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお以下の説明において、特に断りがない限り、「部」は全て「質量部」を、「%」は全て「質量%」を意味する。
<イエロー顔料作製>
(C.I.Pigment Yellow74顔料1の作製)
顔料の合成:原料成分である33.6部の2−メトキシ−4−ニトロアニリンを200部の4N塩酸水溶液中に加え、室温で2時間分散させた後、氷で0℃以下まで冷却する。次いでこれに48.3部の30%亜硝酸ナトリウム水溶液を加えてジアゾ化させた後、過剰の亜硝酸塩をスルファミン酸で分解し、ケイソウ土を加えて不溶物をろ過によって取り除き、澄んだ淡黄色のジアゾニウム塩溶液を得た。
一方、41.4部の2−メトキシアセトアセトアニライドを305部の2N苛性ソーダ水溶液に溶解させた後、冷却して320部の2N酢酸水溶液を加えて2−メトキシアセトアセトアニライドを析出させ、更に81.6部の酢酸ナトリウム・3水和物を加えて20℃に調整し、カップリング成分水溶液748部を得た。
前記カップリング成分水溶液250部に、前記ジアゾニウム塩溶液200部、ロジン樹脂粉末10部及び水酸化アルミニウム(和光純薬工業(株)製)1部を、20℃で2時間かけて滴下した後、更に2時間以上攪拌してカップリング反応を完結させた。さらに得られたアゾ顔料のスラリーを90℃に昇温し、90℃で30分熟成すると黄色の顔料が得られた。これをろ過、水洗し、含水プレスケーキを得る。このプレスケーキを90℃で20時間乾燥し、鮮明なC.I.Pigment Yellow74顔料1を107.8部得た。
(C.I.Pigment Yellow74顔料2の作製)
C.I.Pigment Yellow74顔料1の作製において、水酸化アルミニウムを添加しないこと以外はC.I.Pigment Yellow74顔料1の作製と同様にしてC.I.Pigment Yellow74顔料2を得た。
(C.I.Pigment Yellow74顔料3の作製)
C.I.Pigment Yellow74顔料1の作製において、水酸化アルミニウム添加量を3部に置き換えたこと以外はC.I.Pigment Yellow74顔料1の作製と同様にしてC.I.Pigment Yellow74顔料3を得た。
(C.I.Pigment Yellow74顔料4の作製)
C.I.Pigment Yellow74顔料1の作製において、水酸化アルミニウムをポリ塩化アルミニウムに置き換えたこと以外はC.I.Pigment Yellow74顔料1の作製と同様にしてC.I.Pigment Yellow74顔料4を得た。
(C.I.Pigment Yellow127顔料1の作製)
3,3’−ジクロロベンジジン45.5部と3,3’−ジメトキシベンジジン0.8部との混合物を公知の方法でテトラゾ化しテトラゾニウム塩溶液を調製する。またアセトアセトキシダイド55.8部、アセトアセトアニライド−p−スルホン酸1.5部及びアセトアセト−o−メトキシアニライド21.3部とからなる混合カップリング溶液を調製する。
前記混合カップリング溶液300部に、前記テトラゾニウム塩溶液250部、ロジン樹脂粉末10部及び水酸化アルミニウム(和光純薬工業(株)製)1部を、20℃で2時間かけて滴下した後、更に2時間以上攪拌してカップリング反応を完結させた。さらに得られたアゾ顔料のスラリーを90℃に昇温し、90℃で30分熟成すると黄色の顔料が得られた。これをろ過、水洗し、含水プレスケーキを得る。このプレスケーキを90℃で20時間乾燥し、120部のC.I.Pigment Yellow127顔料1を得た。
(C.I.Pigment Yellow127顔料2の作製)
C.I.Pigment Yellow127顔料1の作製において、水酸化アルミニウムを添加しないこと以外はC.I.Pigment Yellow127顔料1の作製と同様にしてC.I.Pigment Yellow127顔料2を得た。
(C.I.Pigment Red57−1顔料1の作製)
1−アミノ−4−4メチルベンゼン−2−2スルホン酸16.5部と水酸化ナトリウム3.2部と純水360部を加え溶液を調製する。この溶液に35%塩酸20部を加えて5℃になるまで冷却する。更に亜硝酸ソーダ5部、純水15部を加え5度のまま60分攪拌しジアゾ液を調製した。また純水500部にβオキシナフトエ酸15.0部、水酸化ナトリウム8部を加え更に純水800部を加えカップリング液を調製した。
前記ジアゾ液400部に、前記カップリング液360部、ロジン樹脂粉末10部及び水酸化アルミニウム(和光純薬工業(株)製)1部を、20℃で2時間かけて滴下した後、更に2時間以上攪拌してカップリング反応を完結させた。さらに得られたアゾ顔料のスラリーを90℃に昇温し、90℃で30分熟成すると黄色の顔料が得られた。これをろ過、水洗し、含水プレスケーキを得る。このプレスケーキを90℃で20時間乾燥し、96部のC.I.Pigment Red57−1顔料を得た。
(C.I.Pigment Red57−1顔料2の作製)
C.I.Pigment Red57−1顔料1作製において水酸化アルミニウムを添加しないこと以外はC.I.Pigment Red57−1顔料1の作製と同様にしてC.I.Pigment Red57−1顔料2を得た。
<トナーの作製>
(樹脂粒子分散液1の調製)
スチレン(和光純薬製):325部
nブチルアクリレート(和光純薬製):75部
βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製):9部
1’10デカンジオールジアクリレート(新中村化学製):1.5部
ドデカンチオール(和光純薬製):2.7部
上記成分を混合溶解したものに、アニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウケミカル社製)4部をイオン交換水550部に溶解した溶液を加えてフラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、さらに、過硫酸アンモニウム6部を溶解したイオン交換水50部を投入した。次いで充分にフラスコ内の窒素置換を十分に行った後、フラスコ内の溶液を攪拌しながらオイルバスで70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、固形分量41%のアニオン性の樹脂粒子分散液1を得た。
樹脂粒子分散液1中の樹脂粒子は、中心粒径が196nm、ガラス転移温度が51.5℃、重量平均分子量Mwが32400であった。
(樹脂粒子分散液2の調製)
スチレン(和光純薬製):280部
nブチルアクリレート(和光純薬製):120部
βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製):9部
上記成分を混合溶解したものに、アニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウケミカル社製)1.5部をイオン交換水550部に溶解した溶液をフラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、さらに、過硫酸アンモニウム0.4部を溶解したイオン交換水50部を投入した。次いで充分にフラスコ内の窒素置換を十分に行った後、フラスコ内の溶液を攪拌しながらオイルバスで70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、固形分量42%のアニオン性の樹脂粒子分散液2を得た。
樹脂粒子分散液2中の樹脂粒子は中心粒径が150nm、ガラス転移温度が53.2℃、重量平均分子量Mwが38000、数平均分子量Mnが22000であった。
(着色剤粒子分散液1の調製)
C.I.Pigment Yellow74顔料1:30部
アニオン界面活性剤(日本油脂(株)製:ニュ−レックスR):2部
イオン交換水:220部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックス)により10分予備分散した後に、アルティマイザー(対抗衝突型湿式粉砕機:杉野マシン製)を用い圧力245Mpaで15分間分散処理を行い、着色剤粒子の中心粒径が180nmで固形分が22.0%の着色剤粒子分散液1を得た。
(着色剤粒子分散液2〜8の調製)
C.I.Pigment Yellow74顔料1をC.I.Pigment Yellow74顔料2に変えた以外は着色剤粒子分散液1の調製と同様にして、着色剤粒子中心粒径290nmの着色剤分散液2を調製した。
同様にC.I.Pigment Yellow74顔料1をC.I.Pigment Yellow74顔料3に変えた以外は着色剤粒子分散液1の調製と同様にして、着色剤粒子中心粒径150nmの着色剤分散液3を調製した。
同様にC.I.Pigment Yellow74顔料1をC.I.Pigment Yellow74顔料4に変えた以外は着色剤粒子分散液1の調製と同様にして、着色剤粒子中心粒径205nmの着色剤分散液4を調製した。
同様にC.I.Pigment Yellow74顔料1をC.I.Pigment Yellow127顔料1に変えた以外は着色剤粒子分散液1の調製と同様にして、着色剤粒子中心粒径190nmの着色剤分散液5を調製した。
同様にC.I.Pigment Yellow74顔料1をC.I.Pigment Yellow127顔料2に変えた以外は着色剤粒子分散液1の調製と同様にして、着色剤粒子中心粒径270nmの着色剤分散液6を調製した。
同様にC.I.Pigment Yellow74顔料1をC.I.Pigment Red57−1顔料1に変えた以外は着色剤粒子分散液1の調製と同様にして、着色剤粒子中心粒径175nmの着色剤分散液7を調製した。
同様にC.I.Pigment Yellow74顔料1をC.I.Pigment Red57−1顔料2に変えた以外は着色剤粒子分散液1の調製と同様にして、着色剤粒子中心粒径310nmの着色剤分散液8を調製した。
(離形剤粒子分散液1の調整)
パラフィンワックス HNP9(融点75℃:日本精鑞製):45部
カチオン性界面活性剤Neogen RK(第一工業製薬):5部
イオン交換水:200部
上記成分を混合し100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、離形剤粒子の中心粒径が196nm、固形分量が22.0%の離型剤粒子分散液1を得た。
―トナーAの作製―
樹脂粒子分散液1:106部
樹脂粒子分散液2:36部
着色剤粒子分散液1:30部
離型剤粒子分散液1:91部
上記成分を丸型ステンレス製フラスコ中においてウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した溶液を得た。
次いで、この溶液にポリ塩化アルミニウム0.4部を加えてコア凝集粒子を作製し、ウルトラタラックスを用いて分散操作を継続した。さらに加熱用オイルバスでフラスコ内の溶液を攪拌しながら49℃まで加熱し、49℃で60分保持した後、ここに樹脂粒子分散液1を緩やかに36部を追加し、コア/シェル凝集粒子を作製した。その後、0.5Mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えて溶液のpHを5.6にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら96℃まで加熱し、5時間保持した後、冷却し、着色剤濃度5%のイエロートナーを得た。
次に溶液中に分散した状態の黒色トナーを、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水3Lに再分散し、15分300rpmで攪拌・洗浄した。これを更に5回繰り返し、濾液のpHが7.01、電気伝導度9.8μS/cm、表面張力が71.1Nmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行い、得られたイエロートナーからなる固形物を、12時間かけて真空乾燥させた平均粒径6.5μmのトナーAを得た。
−トナーBの作製−
トナーAの作製において、着色剤粒子1を着色剤粒子2に変えた以外はトナー粒子Aの作製と同様にして、平均粒径6.4μmのトナーBを得た。
−トナーCの作製−
トナーAの作製において、着色剤粒子1を着色剤粒子3に変えた以外はトナー粒子Aの作製と同様にして、平均粒径6.0μmのトナーCを得た。
−トナーDの作製−
トナーAの作製において、着色剤粒子1を着色剤粒子4に変えた以外はトナー粒子Aの作製と同様にして、平均粒径6.2μmのトナーDを得た。
−トナーEの作製−
トナーAの作製において、着色剤粒子1を着色剤粒子5に変えた以外はトナー粒子Aの作製と同様にして、平均粒径6.6μmのトナーEを得た。
−トナーFの作製−
トナーAの作製において、着色剤粒子1を着色剤粒子6に変えた以外はトナー粒子Aの作製と同様にして、平均粒径6.6μmのトナーFを得た。
−トナーGの作製−
トナーAの作製において、着色剤粒子1を着色剤粒子7に変え、トナー中の顔料濃度が7%になるように調整した以外はトナー粒子Aの作製と同様にして、平均粒径6.4μmのトナーGを得た。
−トナーHの作製−
トナーAの作製において、着色剤粒子1を着色剤粒子8に変え、トナー中の顔料濃度が7%になるように調整した以外はトナー粒子Aの作製と同様にして、平均粒径6.0μmのトナーHを得た。
<外添剤>
外添剤として酸化ケイ素(RY50:日本アエロジル社製)を1.5部をヘンシェルミキサーを用いてトナーA〜Hにそれぞれ添加し、それぞれ外添トナーA〜Hとした。
<キャリアの製造>
フェライト粒子(平均粒径50μm、体積電気抵抗10Ω・cm):100部
トルエン:14部
パーフルオロオクチルエチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体
(共重合比40:60、Mw=5万):1.6部
カーボンブラック(VXC−72;キャボット社製):0.12部
架橋メラミン樹脂(数平均粒子径;0.3μm):0.3部
上記成分のうち、フェライト粒子を除く成分を10分間スターラーで分散し、被膜形成用液を調製した。この被膜形成用液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、60℃で30分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去して、フェライト粒子表面に樹脂被膜を形成して、キャリアを製造した。
<現像剤の作製>
キャリア94部と外添トナーA6部とを5分間V型ブレンダーで混合し現像剤1を作製した。同様にキャリア94部と外添トナーB〜Hをそれぞれ6部を5分間V型ブレンダーで混合し現像剤2〜8をそれぞれ作製した。
<実施例1〜5、比較例1〜3>
得られた現像剤を用いて以下の評価を実施した。その結果を表1に示す。
(画像濃度の評価)
表1に現像剤を、DocuCentreColor400CP(富士ゼロックス社製)を用いて、トナー量を4.5g/mに調整し、C2紙を使用し4×4cmの画像を作成した。画像濃度はXrite938(Xrite社製)を使用し測定した。
(透明性の評価)
表1に現像剤を、DocuCentreColor400CP(富士ゼロックス社製)を用いて、トナー量を4.5g/m、OHPを使用し4×4cmの画像を作成した。これを全自動ヘイズメーター(TC−HIII DP型、東京電色社製)を用いて全透過光に対する散乱光の割合をJIS K7105:81「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠して測定した。本発明ではヘイズが15%未満を◎、15%以上20%未満を○、20%以上30%未満を△、30%以上を×とした。
Figure 2008102432
表1より、実施例1は高い画像濃度及び透明性を有していることがわかる。
<実施例6〜7、比較例4>
(2次色評価)
更に、重ね合わせの透明性評価(2次色評価)として、表2に記載の現像剤をDocuCentreColor400CP(富士ゼロックス社製)を用いて、イエローが最上面に来るようにイエロー、マゼンタの順にトナー量を4.5g/mに調整し、C2紙を使用し4×4cmの画像を作成し、画像濃度を上記画像濃度の評価と同様にXrite938(Xrite社製)を使用して測定した。更に、重ね合わせの透明性評価として、L*を評価した。L*測定は画像濃度評価同様にXrite938(Xrite社製)で評価を行った。評価は画像濃度が1.4≦であるときのL*を測定しており、40以上を○、35以上40未満を△、30以上35未満を×とした。その結果を表2に示す。
Figure 2008102432
本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1Y、1M、1C、1K 感光体
2Y、2M、2C、2K 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3 露光装置
4Y、4M、4C、4K 現像装置
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置
10Y、10M、10C、10K ステーション
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ
28 定着装置
30 中間転写体クリーニング装置
P 記録紙

Claims (8)

  1. 結着樹脂、着色剤、離型剤、及びアルミニウムを含有し、前記アルミニウムの含有量が0.03質量%以上であることを特徴とする静電荷現像用イエロートナー。
  2. 結着樹脂粒子を分散した樹脂粒子分散液、アルミニウム化合物存在下で合成して得られた着色剤を分散した着色剤分散液、及び離型剤を分散した離型剤分散液を混合し、これにポリ塩化アルミニウムを含む1種以上の金属塩を添加して、凝集粒子を形成する凝集粒子形成工程と、該凝集粒子を加熱して、融合・合一する融合・合一工程と、を経て製造されたことを特徴とする請求項1に記載の静電荷現像用イエロートナー。
  3. 請求項1又は2に記載の静電荷現像剤用イエロートナーを含むことを特徴とする静電荷現像用現像剤。
  4. 結着樹脂、着色剤、離型剤、及びアルミニウムを含有し、前記アルミニウムの含有量が0.03質量%以上であることを特徴とする静電荷現像用マゼンタトナー。
  5. 結着樹脂粒子を分散した樹脂粒子分散液、アルミニウム化合物存在下で合成して得られた着色剤を分散した着色剤分散液、及び離型剤を分散した離型剤分散液を混合し、これにポリ塩化アルミニウムを含む1種以上の金属塩を添加して、凝集粒子を形成する凝集粒子形成工程と、該凝集粒子を加熱して、融合・合一する融合・合一工程と、を経て製造されたことを特徴とする請求項4に記載の静電荷現像用マゼンタトナー。
  6. 請求項4又は5に記載の静電荷現像剤用マゼンタトナーを含むことを特徴とする静電荷現像用現像剤。
  7. 像保持体表面に形成された静電潜像を、請求項3又は6に記載の静電荷現像用現像剤を用いて現像してトナー像を形成するための現像装置と、
    前記像保持体、前記像保持体表面を帯電させるための帯電装置、及び、前記像保持体表面に残存したトナーを除去するためのクリーニング装置からなる群より選ばれる少なくとも一種と、
    を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  8. 像保持体と、
    前記像保持体表面を帯電させるための帯電装置と、
    帯電した前記像保持体表面に静電潜像を形成するための露光装置と、
    前記像保持体に形成された静電潜像を、請求項3又は6に記載の静電荷現像用現像剤を用いて現像してトナー像を形成するための現像装置と、
    前記トナー像を被転写体に転写する転写装置と、
    前記像保持体表面に残存したトナーを除去するためのクリーニング装置と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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