JP2008102102A - 無線機器検出装置及び無線機器検出方法 - Google Patents

無線機器検出装置及び無線機器検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】無線機器の存在する位置を簡単且つ正確に検出し得る無線機器検出装置を提供する。
【解決手段】無線タグ14から返信される無線信号を受信するための、それぞれ1対のアンテナ素子24を有する2組のアンテナ対78m、78nと、各アンテナ対78m、78nにおける1対のアンテナ素子24によりそれぞれ受信される受信信号の位相差Δφm、Δφnを検出する位相差検出部52と、その位相差検出部52により検出される、前記2組のアンテナ対78m、78nそれぞれに対応する位相差Δφm、Δφnに基づいて、予め定められた関係から前記無線タグ14の存在する位置を算出するタグ位置算出部54とを、備えたものであることから、特に複雑な構成を要することなく、簡単な処理により正確に前記無線タグ14の存在する位置を検出することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、無線機器から送信される無線信号に基づいてその無線機器の存在する位置を検出する無線機器検出装置及び無線機器検出方法に関し、特に、その無線機器の存在する位置を簡単且つ正確に検出するための改良に関する。
所定の情報が記憶された小型の無線タグ(応答器)から所定の無線タグ通信装置(質問器)により非接触にて情報の読み出しを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。このRFIDシステムは、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても無線タグ通信装置との通信によりその無線タグに記憶された情報を読み出すことが可能であることから、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
上記無線タグ通信装置の一例として、上記無線タグとの間で通信を行うことでその無線タグを検出する無線タグ検出装置が知られている。斯かる無線タグ検出装置では、例えば特許文献1に記載されたようなPAA処理により上記無線タグの存在する方向を検出したり、上記無線タグからの応答波の信号強度に基づいてその無線タグとの相対距離を検出したり、2つ以上のアレイアンテナを用いて上記無線タグとの間で通信を行うことにより三角測量によりその無線タグの存在する位置を検出するといった技術により、検出対象である無線タグの存在する方向乃至は位置が検出される。
特開2003−243921号公報
しかし、前述したPAA処理により前記無線タグの存在する方向を検出する技術では、その無線タグの正確な位置までは検出することができなかった。また、前記無線タグからの応答波の信号強度に基づいてその無線タグの相対距離を検出する方法では、必ずしも正確ではないおおよその相対距離を検出することしかできなかった。更に、2つ以上のアレイアンテナを用いて前記無線タグとの間で通信を行うことにより三角測量によりその無線タグの存在する位置を検出する技術では、必然的に2つ以上のアレイアンテナとそのアレイアンテナを制御するための構成とが必要となり、装置が複雑になるという弊害があった。また、フェイズドアレイ方式による方向検出では、電波源が実質的に無限遠にあるとみなせる場合には有効であるが、特にアンテナに比較的近くに存在する電波源の位置を検出しようとすると誤差が増大し不適である。すなわち、前記無線タグをはじめとする無線機器の存在する位置を簡単且つ正確に検出し得る技術は、未だ開発されていないのが現状である。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、特にアンテナに比較的近い位置にある無線機器の存在する位置を簡単且つ正確に検出し得る無線機器検出装置及び無線機器検出方法を提供することにある。
斯かる目的を達成するために、本第1発明の要旨とするところは、無線機器から送信される無線信号に基づいてその無線機器の存在する位置を検出する無線機器検出装置であって、前記無線機器から送信される無線信号を受信するための、それぞれ1対のアンテナ素子を有する2組のアンテナ対と、各アンテナ対における1対のアンテナ素子によりそれぞれ受信される受信信号の位相差を検出する位相差検出部と、その位相差検出部により検出される、前記2組のアンテナ対それぞれに対応する位相差に基づいて、予め定められた関係から前記無線機器の存在する位置を算出する位置算出部とを、備えたことを特徴とするものである。
また、前記目的を達成するために、本第2発明の要旨とするところは、無線機器から送信される無線信号に基づいてその無線機器の存在する位置を検出する無線機器検出方法であって、前記無線機器から送信される無線信号を、それぞれ1対のアンテナ素子を有する2組のアンテナ対により受信する受信工程と、その受信工程において各アンテナ対における1対のアンテナ素子によりそれぞれ受信される受信信号の位相差を検出する位相差検出工程と、その位相差検出工程において検出される、前記2組のアンテナ対それぞれに対応する位相差に基づいて、予め定められた関係から前記無線機器の存在する位置を算出する位置算出工程とを、含むことを特徴とするものである。
このように、前記第1発明によれば、前記無線機器から送信される無線信号を受信するための、それぞれ1対のアンテナ素子を有する2組のアンテナ対と、各アンテナ対における1対のアンテナ素子によりそれぞれ受信される受信信号の位相差を検出する位相差検出部と、その位相差検出部により検出される、前記2組のアンテナ対それぞれに対応する位相差に基づいて、予め定められた関係から前記無線機器の存在する位置を算出する位置算出部とを、備えたものであることから、とりわけ無線機器とアンテナとの距離が比較的近い場合において、特に複雑な構成を要することなく、簡単な処理により正確に前記無線機器の存在する位置を検出することができる。すなわち、特にアンテナに比較的近い位置にある無線機器の存在する位置を簡単且つ正確に検出し得る無線機器検出装置を提供することができる。
ここで、前記第1発明において、好適には、前記位置算出部は、前記2組のアンテナ対それぞれに対応する、前記アンテナ対の間隔に比例しない位相差に基づいて前記無線機器の存在する位置を算出するものである。このようにすれば、特にフェイズドアレイ処理による検出を行うことができない態様において、無線機器の存在する位置を簡単且つ正確に検出することができる。
また、好適には、前記位置算出部は、前記位相差検出部により検出される、前記2組のアンテナ対それぞれに対応する位相差に基づいて、予め定められた関係から各アンテナ対に対する前記無線機器の存在し得る位置の軌跡をそれぞれ算出し、それら2つの軌跡の交点を前記無線機器の存在する位置として算出するものである。このようにすれば、前記2組のアンテナ対それぞれに対応する位相差に基づいて実用的な態様で前記無線機器の存在する位置を検出することができる。
また、好適には、各アンテナ対におけるアンテナ素子の相互間距離は、前記無線機器から送信される無線信号の波長の1/2倍以上である。このようにすれば、各アンテナ対においてアンテナ素子相互間に位相差を生じさせるために十分な距離を確保でき、前記無線機器の存在する位置を好適に検出することができる。
また、好適には、前記2組のアンテナ対は、1つのアンテナ素子を共有するものである。このようにすれば、装置の構成を可及的に簡単なものとすることができる。
また、好適には、少なくとも2つの前記アンテナ素子から成るアレイアンテナと、そのアレイアンテナにおけるアンテナ素子それぞれに対応する位相を制御するPAA制御部と、そのPAA制御部による制御に基づいて前記無線機器の存在する方向を検出する方向検出部とを、備え、先ず、その方向検出部により前記無線機器の存在する方向を検出した後、その検出結果に基づいて前記位置算出部によりその無線機器の存在する位置を算出するものである。このようにすれば、前記無線機器の存在する位置を可及的速やかに検出することができる。
また、好適には、少なくとも1つの前記アンテナ素子により受信される受信信号の信号強度を検出する信号強度検出部を備え、その信号強度検出部による検出結果に基づいて、前記位相差検出部及び位置算出部による位置算出制御と、前記PAA制御部及び方向検出部による方向検出制御とを、選択的に実行するものである。このようにすれば、前記無線機器から送信される無線信号の信号強度に対応する相対距離に応じて、その無線機器を検出するために適した制御を実行することができる。
また、好適には、前記各アンテナ対における1対のアンテナ素子によりそれぞれ受信される受信信号の位相差と前記無線機器の存在する位置との対応関係を示すテーブルを備え、前記位置算出部は、そのテーブルから前記位相差検出部による検出結果に基づいて前記無線機器の存在する位置を算出するものである。このようにすれば、前記2組のアンテナ対それぞれに対応する位相差に基づいて実用的な態様で前記無線機器の存在する位置を検出することができる。
また、前記第2発明によれば、前記無線機器から送信される無線信号を、それぞれ1対のアンテナ素子を有する2組のアンテナ対により受信する受信工程と、その受信工程において各アンテナ対における1対のアンテナ素子によりそれぞれ受信される受信信号の位相差を検出する位相差検出工程と、その位相差検出工程において検出される、前記2組のアンテナ対それぞれに対応する位相差に基づいて、予め定められた関係から前記無線機器の存在する位置を算出する位置算出工程とを、含むものであることから、とりわけ無線機器とアンテナとの距離が比較的近い場合において、特に複雑な装置を要することなく、簡単な処理により正確に前記無線機器の存在する位置を検出することができる。すなわち、特にアンテナに比較的近い位置にある無線機器の存在する位置を簡単且つ正確に検出し得る無線機器検出方法を提供することができる。
ここで、前記第2発明において、好適には、前記位置算出工程は、前記位相差検出工程において検出される、前記2組のアンテナ対それぞれに対応する位相差に基づいて、予め定められた関係から各アンテナ対に対する前記無線機器の存在し得る位置の軌跡をそれぞれ算出し、それら2つの軌跡の交点を前記無線機器の存在する位置として算出するものである。このようにすれば、前記2組のアンテナ対それぞれに対応する位相差に基づいて実用的な態様で前記無線機器の存在する位置を検出することができる。
また、好適には、少なくとも2つのアンテナ素子から成るアレイアンテナにおいて、各アンテナ素子に対応する位相を制御するPAA制御工程と、そのPAA制御工程における制御に基づいて前記無線機器の存在する方向を検出する方向検出工程とを、含み、先ず、その方向検出工程により前記無線機器の存在する方向を検出した後、その検出結果に基づいて前記位置算出工程によりその無線機器の存在する位置を算出するものである。このようにすれば、前記無線機器の存在する位置を可及的速やかに検出することができる。
また、好適には、少なくとも1つのアンテナ素子により受信される受信信号の信号強度を検出する信号強度検出工程を含み、その信号強度検出工程による検出結果に基づいて、前記位相差検出工程及び位置算出工程による位置算出制御と、前記PAA制御工程及び方向検出工程による方向検出制御とを、選択的に実行するものである。このようにすれば、前記無線機器から送信される無線信号の信号強度に対応する相対距離に応じて、その無線機器を検出するために適した制御を実行することができる。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用される無線タグ通信システム10について説明する図である。この無線タグ通信システム10は、本発明の無線機器検出装置の一実施例である無線タグ通信装置12と、その無線タグ通信装置12の通信対象である無線機器としての単数乃至は複数(図1では単数)の無線タグ14とから構成される所謂RFID(Radio Frequency Identification)システムであり、上記無線タグ通信装置12はそのRFIDシステムの質問器として、上記無線タグ14は応答器としてそれぞれ機能する。すなわち、上記無線タグ通信装置12から質問波F(送信信号)が上記無線タグ14に向けて送信されると、その質問波Fを受信した上記無線タグ14において所定のコマンド(送信データ)によりその質問波Fが変調され、応答波F(返信信号)として上記無線タグ通信装置12に向けて返信されることで、その無線タグ通信装置12と無線タグ14との間で情報の通信が行われる。この無線タグ通信システム10は、例えば、所定の通信領域内における物品の管理等に用いられるものであり、上記無線タグ14は、好適には、管理対象である物品に貼られる等してその物品と一体的に設けられている。
図2は、上記無線タグ通信装置12の構成を説明する図である。本実施例の無線タグ通信装置12は、上記無線タグ14との間で無線通信を行うことでその無線タグ14に対する情報の読み書きを行ったり、その無線タグ14から送信(返信)される無線信号に基づいてその無線タグ14の存在する位置を検出する等の処理を行うものであり、図2に示すように、送信データをディジタル信号として出力したり、上記無線タグ14からの返信信号を復調する等のディジタル信号処理を実行するDSP(Digital Signal Processor)16と、上記送信信号の搬送波の発振出力を所定の周波数fにおいて行う搬送波発振部18と、その搬送波発振部18から出力される搬送波に上記DSP16から供給される送信データを乗せて出力する送信アンプ20と、その送信アンプ20から供給される信号を質問波Fとして送信するための送信用アンテナ22と、上記無線タグ14から送信(返信)される無線信号を受信するための、受信周波数の波長の1/2以上の距離dに配置された複数(図2では3つ)のアンテナ素子24a、24b、24c(以下、特に区別しない場合には単にアンテナ素子24と称する)を有する受信用アレイアンテナ26と、上記各アンテナ素子24により受信された受信信号の位相を変更するための複数(図2では3つ)の移相部28a、28b、28c(以下、特に区別しない場合には単に移相部28と称する)と、所定の局所信号を発振する局部発振器30と、上記各移相部28から供給される信号にその局部発振器30から供給される局所信号を掛け合わせる複数(図2では3つ)の掛算部32a、32b、32c(以下、特に区別しない場合には単に掛算部32と称する)と、それら各掛算部32から供給される信号を増幅する複数(図2では3つ)の増幅部34a、34b、34c(以下、特に区別しない場合には単に増幅部34と称する)と、それら各増幅部34から供給される信号をディジタル信号に変換して上記DSP16へ入力する複数(図2では3つ)のA/D変換部36a、36b、36c(以下、特に区別しない場合には単にA/D変換部36と称する)とを、備えて構成されている。
上記DSP16は、中央演算処理装置であるCPU、読出専用メモリであるROM、及び随時書込読出メモリであるRAM等を備え、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂マイクロコンピュータであり、送信データ生成部40、受信信号合成部42、受信信号復調部44、信号強度検出部46、PAA制御部48、タグ方向検出部50、位相差検出部52、及びタグ位置検出部54を機能的に備えている。
上記送信データ生成部40は、前記無線タグ14への送信データを生成して前記送信アンプ20へ供給する。この送信データとは、例えば所定のコマンドビット列等であり、前記送信アンプ20は、この送信データ生成部40から供給される送信データを前記搬送波発振部18から供給される搬送波に乗せて前記送信用アンテナ22から前記無線タグ14へ向けて送信する。
前記受信信号合成部42は、前記複数のアンテナ素子24によりそれぞれ受信される受信信号を合成(加算)する。また、前記複数のアンテナ素子24のうち選択される少なくとも2つのアンテナ素子24によりそれぞれ受信される受信信号を合成する。すなわち、本実施例の無線タグ通信装置12では、前記複数のアンテナ素子24のうち選択される少なくとも2つのアンテナ素子24によりそれぞれ受信される受信信号の位相がそれぞれ対応する移相部28において制御されると共に、それら受信信号が前記受信信号合成部42により合成され、その合成信号の信号強度が後述する信号強度検出部46により検出され得るようになっている。
前記受信信号復調部44は、前記受信信号合成部42により合成された前記複数のアンテナ素子24からの受信信号を復調する。好適には、包絡線検波方式により受信信号を復調した後、その復調信号をFM復号することで前記無線タグ14による変調に関する情報信号を読み出す。
前記信号強度検出部46は、前記複数のアンテナ素子24のうち少なくとも1つのアンテナ素子24により受信された受信信号の信号強度を検出する。また、前記受信信号合成部42により合成された合成信号の信号強度を検出する。すなわち、前記複数のアンテナ素子24のうち選択される少なくとも2つのアンテナ素子24によりそれぞれ受信される受信信号の合成信号の信号強度を検出する。
前記PAA制御部48は、前記複数のアンテナ素子24により受信される受信信号それぞれの位相を制御することで前記受信用アレイアンテナ26のPAA(Phased Array Antenna)処理を行う。すなわち、アンテナ素子間距離dに基づいて各アンテナ素子24に対応する移相部28における移相量を変更することにより前記受信用アレイアンテナ26の受信指向性を制御する指向性制御部として機能する。
前記タグ方向検出部50は、前記PAA制御部48による制御に基づいて無線機器である前記無線タグ14の存在する方向を検出する。好適には、前記信号強度検出部46による検出結果に基づいて斯かる検出を行う。すなわち、前記PAA制御部48により前記複数のアンテナ素子24に対応する移相部28それぞれの移相量を制御することで前記受信用アレイアンテナ26の受信指向性を制御し、各受信指向性に対応して受信される受信信号について前記信号強度検出部46により検出される検出結果を一通り比較し、その検出結果が最大値をとる受信指向性に対応する方向を前記無線タグ14の方向として検出する。
前記位相差検出部52は、前記複数のアンテナ素子24においてそれぞれ1対のアンテナ素子24を有する2組のアンテナ対を考えた場合に、各アンテナ対における1対のアンテナ素子24によりそれぞれ受信される受信信号の位相差を検出する。また、前記タグ位置算出部54は、前記位相差検出部52により検出される、上記2組のアンテナ対それぞれに対応する位相差に基づいて、予め定められた関係から無線機器である前記無線タグ14の存在する位置を算出する。これら位相差検出部52及びタグ位置算出部54による制御の詳細については、図4及び図5等を用いて後述する。
図3は、前記無線タグ14に備えられた無線タグ回路素子60の構成を説明する図である。この図3に示すように、上記無線タグ回路素子60は、前記無線タグ通信装置12との間で信号の送受信を行うためのアンテナ部62と、そのアンテナ部62により受信された信号を処理するためのIC回路部64とを、備えて構成されている。そのIC回路部64は、上記アンテナ部62により受信された前記無線タグ通信装置12からの質問波Fを整流する整流部66と、その整流部66により整流された質問波Fのエネルギを蓄積するための電源部68と、上記アンテナ部62により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部76に供給するクロック抽出部70と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶部として機能するメモリ部72と、上記アンテナ部62に接続されて信号の変調及び復調を行う変復調部74と、上記整流部66、クロック抽出部70、及び変復調部74等を介して上記無線タグ回路素子60の作動を制御するための制御部76とを、機能的に含んでいる。この制御部76は、前記無線タグ通信装置12と通信を行うことにより上記メモリ部72に上記所定の情報を記憶する制御や、上記アンテナ部62により受信された質問波Fを上記変復調部74において上記メモリ部72に記憶された情報信号に基づいて変調したうえで応答波Fとして上記アンテナ部62から反射返信する制御等の基本的な制御を実行する。
本実施例の無線タグ通信装置12は、無線機器としての前記無線タグ14から送信(返信)される無線信号に基づいてその無線タグ14の存在する位置を検出する無線機器検出装置(無線タグ検出装置)として機能する。以下、前記無線タグ通信装置12による無線タグ14の位置検出制御について詳述する。
図6は、前記受信用アレイアンテナ26に備えられた複数のアンテナ素子24の相対位置関係を例示する図である。前記無線タグ通信装置12の受信用アレイアンテナ26に備えられた複数のアンテナ素子24は、例えばモノポールアンテナやダイポールアンテナ等の棒状アンテナエレメントであり、好適には、それら複数のアンテナ素子24が同一平面内に互いに平行となるように配設されている。また、好適には、互い隣接するアンテナ素子24相互間の距離dが何れも等しく、前記無線タグ14から返信される無線信号の波長すなわちその無線タグ14との通信に用いられる搬送波の波長の1/2倍以上である距離dに配設されている。本実施例では、そのように配設されたアンテナ素子24a、24b、24cにおける1対のアンテナ素子24a及び24bから成るアンテナ対78m、アンテナ素子24b及び24cから成るアンテナ対78nを考え、それら2組のアンテナ対78m、78nによりそれぞれ受信される受信信号に基づいて前記無線タグ14の存在する位置を算出する態様について説明する。すなわち、本実施例における2組のアンテナ対78m、78nは、前記受信用アレイアンテナ26の中央に配設された1つのアンテナ素子24bを共有するものである。
図4及び図5は、前記無線タグ通信装置12による無線タグ14の位置算出制御の一例を説明する図である。図4に示すように、本実施例では、前記複数のアンテナ素子24のうち中央に配設されたアンテナ素子24bの位置を原点(0,0)とし、それら複数のアンテナ素子24により張られる平面に含まれるx軸及びその平面に垂直なy軸により定められるxy座標を考え、位置検出対象である無線タグ14の座標(x,y)を算出する例を説明する。なお、前述のように、互いに隣接するアンテナ素子24相互間の距離はdであるので、上記xy座標におけるアンテナ素子24aの座標A1は(−d,0)、アンテナ素子24cの座標A3は(d,0)となる。
先ず、図5に示すように、前記無線タグ14の座標X及びアンテナ素子24bの座標A2(原点)を2つの頂点とし、それら2つの頂点を結んだ辺が2つの等辺の1辺(長さL)を成す二等辺三角形を考える。また、前記無線タグ14の座標X及びアンテナ素子24aの座標A1を結んだ辺の長さをL+r1とする。ここで、前記無線タグ14の座標X及びアンテナ素子24aの座標A1を直角ではない2つの頂角に対応する頂点とする直角三角形を考えると、三平方の定理からその長辺の長さr1+Lは次の(1)式のように表すことができる。また、前記無線タグ14の座標X及びアンテナ素子24bの座標A2を直角ではない2つの頂角に対応する頂点とする直角三角形を考えると、同じく三平方の定理からその長辺の長さ(=二等辺三角形の等辺の長さ)Lは次の(2)式のように表すことができる。
次に、図5に示すように、前記無線タグ14の座標X及びアンテナ素子24cの座標A3を結んだ辺の長さをL−r2とする。ここで、前記無線タグ14の座標X及びアンテナ素子24cの座標A3を直角ではない2つの頂角に対応する頂点とする直角三角形を考えると、三平方の定理からその長辺の長さL−r2は次の(3)式のように表すことができる。また、その(3)式及び前述した(1)式から、前記二等辺三角形における等辺の長さLは次の(4)式のように表すことができる。そして、上記(2)式を用いてこの(4)式を変形することで連立方程式である(5)式が導出され、この(5)式を満足する(x,y)を求めることで、位置検出対象である前記無線タグ14の座標を特定することができる。
前記位相差検出部52は、前記アンテナ対78m、78nそれぞれにおける1対のアンテナ素子24によりそれぞれ受信される受信信号の位相差を検出する。すなわち、前記アンテナ対78mにおける1対のアンテナ素子24a、24bそれぞれにより受信される受信信号の位相差Δφm、前記アンテナ対78nにおける1対のアンテナ素子24b、24cそれぞれにより受信される受信信号の位相差Δφnを検出する。そして、前記タグ位置算出部54は、その位相差検出部52により検出される、前記2組のアンテナ対78m、78nそれぞれに対応する位相差Δφm、Δφnに基づいて、前述した(5)式から前記無線タグ14の存在する位置を算出する。図5に示す直角三角形すなわち前記無線タグ14の座標X及びアンテナ素子24aの座標A1を直角ではない2つの頂角に対応する頂点とする直角三角形の長辺の長さL+r1におけるr1は、前記無線タグ14の座標Xとアンテナ素子24bの座標A2とを結んだ直線の長さLとの差分であり、前記アンテナ対78mにおける1対のアンテナ素子24a、24bそれぞれにより受信される受信信号の位相差Δφmに対応し、r1=Δφmxλ/(2π)の関係がある(ここで、λは搬送波の波長であり、光速をCとしてC/fに等しい)。また、図5に示す直角三角形すなわち前記無線タグ14の座標X及びアンテナ素子24cの座標A3を直角ではない2つの頂角に対応する頂点とする直角三角形の長辺の長さL−r2におけるr2は、前記無線タグ14の座標Xとアンテナ素子24bの座標A1とを結んだ直線の長さLとの差分であり、前記アンテナ対78nにおける1対のアンテナ素子24b、24cそれぞれにより受信される受信信号の位相差Δφnに対応する。前記タグ位置算出部54は、好適には、斯かる対応関係から、前記位相差検出部52により検出された位相差Δφm、Δφnに対応する距離r1、r2を算出し、そのようにして算出されたr1、r2を前述した(5)式に代入して前記無線タグ14の座標(x,y)を算出する。なおここでr1≠r2であり、従来のフェイズドアレイアンテナの場合のように方向だけでなく、無線タグ14の位置を平面上の座標としてその位置座標(x,y)が求められるのである。
前記タグ位置算出部54は、換言すれば、前記位相差検出部52により検出される、前記2組のアンテナ対78m、78nそれぞれに対応する位相差Δφm、Δφnに基づいて、予め定められた関係から各アンテナ対78m、78nに対する前記無線タグ14の存在し得る座標の軌跡をそれぞれ算出し、それら2つの軌跡の交点をその無線タグ14の存在する座標として算出する。すなわち、前記位相差検出部52により検出される前記アンテナ対78mに対応する位相差Δφmに基づいて、そのアンテナ対78mに対する前記無線タグ14の存在し得る座標の軌跡(第1軌跡座標)を算出すると共に、同じく前記位相差検出部52により検出される前記アンテナ対78nに対応する位相差Δφnに基づいて、そのアンテナ対78nに対する前記無線タグ14の存在し得る座標の軌跡(第2軌跡座標)を算出する。そして、そのようにして求められた直線の交点(上記第1軌跡座標及び第2軌跡座標の相互間距離が最短となる点)を、前記無線タグ14の存在する座標(x,y)として算出する。また、換言すれば、前記タグ位置算出部54は、前記2組のアンテナ対78m、78nそれぞれに対応する、前記アンテナ対78の間隔に比例しない位相差に基づいて前記無線タグ14の存在する位置を算出する。
本実施例の無線タグ通信装置12は、好適には、上述したタグ位置算出部54による前記無線タグ14の位置算出制御に先立って、前記タグ方向検出部50によりその無線タグ14の方向を検出する。すなわち、先ず、前記PAA制御部48による制御に基づいて前記タグ方向検出部50により前記無線タグ14の存在する方向を検出した後、その検出結果に基づいて前記タグ位置算出部54によりその無線タグ14の存在する位置を算出する。また、好適には、前記信号強度検出部46による検出結果すなわち前記受信用アレイアンテナ26により受信される受信信号の信号強度に基づいて、前記位相差検出部52及びタグ位置算出部54による位置算出制御と、前記PAA制御部48及びタグ方向検出部50による方向検出制御とを、選択的に実行する。例えば、前記信号強度検出部46により検出される受信信号の信号強度が所定値以上である場合には、前記PAA制御部48及びタグ方向検出部50による方向検出制御を実行する一方、受信信号の信号強度が所定値未満である場合には、前記位相差検出部52及びタグ位置算出部54による位置算出制御を実行する。斯かる態様では、先ず、前記タグ方向検出部50により大まかに前記無線タグ14の存在する位置(方向)を検出し、その上で前記タグ位置算出部54によりその無線タグ14の存在する詳細な位置を算出することで、可及的速やかに検出対象である無線タグ14の存在する位置を算出することができる。
図7は、前記無線タグ通信装置12のDSP16によるタグ位置算出制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
先ず、前記信号強度検出部46の動作(受信工程、信号強度検出工程)に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S1において、前記複数のアンテナ素子24のうち少なくとも1つのアンテナ素子24により受信された受信信号の信号強度が検出される。次に、S2において、S1にて検出された信号強度(電波強度)が予め定められた所定値より大きいか否かが判断される。このS2の判断が肯定される場合には、前記PAA制御部48及びタグ方向検出部50の動作(PAA制御工程、方向検出工程)に対応するS3において、前記受信用アレイアンテナ26の受信指向性が変化させられつつその受信用アレイアンテナ26により受信される受信信号の信号強度が検出され、その信号強度が最大となる受信指向性に対応する方向が前記無線タグ14の存在する方向として検出された後、本ルーチンが終了させられる。S2の判断が否定される場合には、S4において、第1位相差すなわち前記アンテナ対78mに対応する位相差Δφmが検出(取得)された後、図8に示す軌跡座標算出制御SSにおいて、S4にて検出された第1位相差Δφmに基づいて、前記アンテナ対78mに対する前記無線タグ14の存在し得る座標の軌跡(第1軌跡座標)が算出される。次に、S5において、第2位相差すなわち前記アンテナ対78nに対応する位相差Δφnが検出(取得)された後、図8に示す軌跡座標算出制御SSにおいて、S5にて検出された第2位相差Δφnに基づいて、前記アンテナ対78nに対する前記無線タグ14の存在し得る座標の軌跡(第2軌跡座標)が算出される。次に、S6において、算出された第1軌跡座標及び第2軌跡座標の距離差ΔLが算出される。なお、全ての座標について距離差を求めるのではなく、x1に対しx1=x1′を満たす幾つかのx1′を含む座標の組のみ行うものであってもよい。次に、S7において、S6にて算出された距離差ΔLが最小(最短)となる第1軌跡座標、第2軌跡座標それぞれに対応する角度θ、θ′が取得される。次に、S8において、前記2組のアンテナ対78m、78nそれぞれにおけるアンテナ素子24相互間の距離とS7にて取得された角度θ、θ′に基づいて前記無線タグ14の存在する位置座標が算出された後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、S4及びS5が前記位相差検出部52の動作(位相差検出工程)に、SS、及びS6乃至S8が前記タグ位置算出部54の動作(位置算出工程)にそれぞれ対応する。
図8は、上述したタグ位置算出制御の一部である軌跡座標算出制御について説明するフローチャートである。この制御では、先ず、SS1において、角度θが初期値であるθsとされる。次に、SS2において、前述した図4に示す二等辺三角形の底角に相当する角度θ+Δが算出される。次に、SS3において、SS2にて算出されたθ+Δが90°より大きいか否かが判断される。このSS3の判断が肯定される場合には、それをもって図7に示すタグ位置算出制御に復帰させられるが、SS3の判断が否定される場合には、SS4において、前記無線タグ14の存在し得る座標の軌跡(軌跡座標)が算出される。次に、SS5において、角度θに所定値dθが加算される。次に、SS6において、角度θが所定値(最大値)θeであるか否かが判断される。このSS6の判断が否定される場合には、SS2以下の処理が再び実行されるが、SS6の判断が肯定される場合には、それをもって図7に示すタグ位置算出制御に復帰させられる。
図9は、前記無線タグ通信装置12のDSP16によるタグ位置算出制御の他の一例の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。なお、この図9に示す制御において、前述した図7に示す制御と共通するステップについては同一の符号を付してその説明を省略する。この制御では、先ず、S3において、前記受信用アレイアンテナ26の受信指向性が変化させられつつその受信用アレイアンテナ26により受信される受信信号の信号強度が検出され、その信号強度が最大となる受信指向性に対応する方向が前記無線タグ14の存在する方向として検出される。そして、前述したS4以下の処理において、S2における検出結果に基づいて前記無線タグ14の存在する位置が算出される。
図11は、前記無線タグ通信装置12のDSP16によるタグ位置算出制御の更に別の一例の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。なお、この図11に示す制御において、前述した図7に示す制御と共通するステップについては同一の符号を付してその説明を省略する。この制御では、前述したS4、S5の処理に続いて、S9において、S4にて取得された第1位相差に対応する距離r1と第2位相差に対応する距離r2とが異なる値(r1≠r2)であるか否かが判断される。このS9の判断が否定される場合には、前述したS3において、前記受信用アレイアンテナ26の受信指向性が変化させられつつその受信用アレイアンテナ26により受信される受信信号の信号強度が検出され、その信号強度が最大となる受信指向性に対応する方向が前記無線タグ14の存在する方向として検出された後、本ルーチンが終了させられるが、S9の判断が肯定される場合には、図8に示す軌跡座標算出制御SSにおいて、S4にて検出された第1位相差Δφmに基づいて、前記アンテナ対78mに対する前記無線タグ14の存在し得る座標の軌跡(第1軌跡座標)が算出され、S5にて検出された第2位相差Δφnに基づいて、前記アンテナ対78nに対する前記無線タグ14の存在し得る座標の軌跡(第2軌跡座標)が算出された後、前述したS6以下の処理が実行される。
以上、前記位相差検出部52により検出される前記2組のアンテナ対78m、78nそれぞれに対応する位相差Δφm、Δφnに基づいて前記無線タグ14の存在する位置を算出する具体例を説明したが、前記無線タグ通信装置12は、予め記憶されたテーブルに基づいて前記制御と等価な処理を行うものであってもよい。図10は、前記無線タグ通信装置12のDSP16等に記憶される、前記各アンテナ対78m、78nにおける1対のアンテナ素子24によりそれぞれ受信される受信信号の位相差と前記無線タグ14の存在する位置との対応関係を示すテーブル80を例示する図である。このテーブル80では、前記各アンテナ対78m、78nにおける1対のアンテナ素子24によりそれぞれ受信される受信信号の位相差に対応する第1軌跡座標(xN,yN)、第2軌跡座標(xM′,yM′)と、それら第1軌跡座標及び第2軌跡座標の各組み合わせに対応する座標間距離ΔLとの関係が定められており、前記タグ位置算出部54は、そのテーブル80から前記位相差検出部52による検出結果に基づいて前記無線タグ14の存在する位置を算出する。これにより、検出対象である無線タグ14の存在する位置座標を可及的速やかに検出することができる。
このように、本実施例によれば、無線機器としての前記無線タグ14から送信(返信)される無線信号を受信するための、それぞれ1対のアンテナ素子24を有する2組のアンテナ対78m、78nと、各アンテナ対78m、78nにおける1対のアンテナ素子24によりそれぞれ受信される受信信号の位相差Δφm、Δφnを検出する位相差検出部52(S4及びS5)と、その位相差検出部52により検出される、前記2組のアンテナ対78m、78nそれぞれに対応する位相差Δφm、Δφnに基づいて、予め定められた関係から前記無線タグ14の存在する位置を算出するタグ位置算出部54(SS、及びS6乃至S8)とを、備えたものであることから、とりわけ無線タグ14とアレイアンテナ26との距離が比較的近い場合において、特に複雑な構成を要することなく、簡単な処理により正確に前記無線タグ14の存在する位置を検出することができる。すなわち、無線機器の存在する位置を簡単且つ正確に検出し得る無線機器検出装置を提供することができる。
また、前記タグ位置算出部54は、前記2組のアンテナ対78m、78nそれぞれに対応する、前記アンテナ対の間隔に比例しない位相差に基づいて前記無線タグ14の存在する位置を算出するものであるため、特にフェイズドアレイ処理による検出を行うことができない態様において、前記無線タグ14の存在する位置を簡単且つ正確に検出することができる。
また、前記タグ位置算出部54は、前記位相差検出部52により検出される、前記2組のアンテナ対78m、78nそれぞれに対応する位相差Δφm、Δφnに基づいて、予め定められた関係から各アンテナ対78m、78nに対する前記無線タグ14の存在し得る位置の軌跡をそれぞれ算出し、それら2つの軌跡の交点を前記無線タグ14の存在する位置として算出するものであるため、前記2組のアンテナ対78m、78nそれぞれに対応する位相差Δφm、Δφnに基づいて実用的な態様で前記無線タグ14の存在する位置を検出することができる。
また、各アンテナ対78m、78nにおけるアンテナ素子24の相互間距離dは、前記無線タグ14から送信される無線信号の波長すなわち送信用アンテナ22から送信される送信信号の搬送波の波長の1/2倍以上であるため、各アンテナ対78m、78nにおいてアンテナ素子24相互間に位相差を生じさせるために十分な距離を確保でき、前記無線タグ14の存在する位置を好適に検出することができる。
また、前記2組のアンテナ対78m、78nは、1つのアンテナ素子24bを共有するものであるため、前記無線タグ通信装置12の構成を可及的に簡単なものとすることができる。
また、少なくとも2つの前記アンテナ素子24から成る受信用アレイアンテナ26と、そのアレイアンテナ26におけるアンテナ素子24それぞれに対応する位相を制御するPAA制御部48(S3)と、そのPAA制御部48による制御に基づいて前記無線タグ14の存在する方向を検出するタグ方向検出部50(S3)とを、備え、先ず、そのタグ方向検出部50により前記無線タグ14の存在する方向を検出した後、その検出結果に基づいて前記タグ位置算出部54によりその無線タグ14の存在する位置を算出するものであるため、前記無線タグ14の存在する位置を可及的速やかに検出することができる。
また、少なくとも1つの前記アンテナ素子24により受信される受信信号の信号強度を検出する信号強度検出部46(S1)を備え、その信号強度検出部46による検出結果に基づいて、前記位相差検出部52及びタグ位置算出部54による位置算出制御と、前記PAA制御部48及びタグ方向検出部50による方向検出制御とを、選択的に実行するものであるため、前記無線タグ14から送信される無線信号の信号強度に対応する相対距離に応じて、その無線タグ14を検出するために適した制御を実行することができる。
また、前記各アンテナ対78m、78nにおける1対のアンテナ素子24によりそれぞれ受信される受信信号の位相差Δφm、Δφnと前記無線タグ14の存在する位置との対応関係を示すテーブル80を備え、前記タグ位置算出部54は、そのテーブル80から前記位相差検出部52による検出結果に基づいて前記無線タグ14の存在する位置を算出するものであるため、前記2組のアンテナ対78m、78nそれぞれに対応する位相差Δφm、Δφnに基づいて実用的な態様で前記無線タグ14の存在する位置を検出することができる。
また、本実施例によれば、前記無線タグ14から送信される無線信号を、それぞれ1対のアンテナ素子24を有する2組のアンテナ対78m、78nにより受信する受信工程(S1)と、その受信工程において各アンテナ対78m、78nにおける1対のアンテナ素子24によりそれぞれ受信される受信信号の位相差Δφm、Δφnを検出する位相差検出工程(S4及びS5)と、その位相差検出工程において検出される、前記2組のアンテナ対78m、78nそれぞれに対応する位相差Δφm、Δφnに基づいて、予め定められた関係から前記無線タグ14の存在する位置を算出する位置算出工程(SS、及びS6乃至S8)とを、含むものであることから、とりわけ無線タグ14とアレイアンテナ26との距離が比較的近い場合において、特に複雑な装置を要することなく、簡単な処理により正確に前記無線タグ14の存在する位置を検出することができる。すなわち、無線機器の存在する位置を簡単且つ正確に検出し得る無線機器検出方法を提供することができる。
また、前記位置算出工程は、前記位相差検出工程において検出される、前記2組のアンテナ対78m、78nそれぞれに対応する位相差Δφm、Δφnに基づいて、予め定められた関係から各アンテナ対78m、78nに対する前記無線タグ14の存在し得る位置の軌跡をそれぞれ算出し、それら2つの軌跡の交点を前記無線タグ14の存在する位置として算出するものであるため、前記2組のアンテナ対78m、78nそれぞれに対応する位相差Δφm、Δφnに基づいて実用的な態様で前記無線タグ14の存在する位置を検出することができる。
また、少なくとも2つのアンテナ素子24から成るアレイアンテナ26において、各アンテナ素子24に対応する位相を制御するPAA制御工程(S3)と、そのPAA制御工程における制御に基づいて前記無線タグ14の存在する方向を検出する方向検出工程(S3)とを、含み、先ず、その方向検出工程により前記無線タグ14の存在する方向を検出した後、その検出結果に基づいて前記位置算出工程によりその無線タグ14の存在する位置を算出するものであるため、前記無線タグ14の存在する位置を可及的速やかに検出することができる。
また、少なくとも1つのアンテナ素子24により受信される受信信号の信号強度を検出する信号強度検出工程(S1)を含み、その信号強度検出工程による検出結果に基づいて、前記位相差検出工程及び位置算出工程による位置算出制御と、前記PAA制御工程及び方向検出工程による方向検出制御とを、選択的に実行するものであるため、前記無線タグ14から送信される無線信号の信号強度に対応する相対距離に応じて、その無線タグを検出するために適した制御を実行することができる。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
例えば、前述の実施例において、前記タグ位置算出部54は、前記2組のアンテナ対78m、78nそれぞれに対応する位相差Δφm、Δφnに基づいて、(5)式のような関係から前記無線タグ14の存在する位置を算出するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記位相差検出部52により検出される位相差に基づいて無線機器の存在する位置を算出し得るものであれば、種々の数式乃至関係が適宜用いられることは言うまでもない。
また、前述の実施例において、信号強度検出部46、PAA制御部48、タグ方向検出部50、位相差検出部52、及びタグ位置算出部54等の制御機能は、前記DSP16に機能的に備えられたものであったが、これら制御機能を有する制御装置がそれぞれ個別に備えられたものであってもよい。また、それら制御機能による制御はディジタル信号処理であると、アナログ信号処理であるとを問わない。
また、前述の実施例において、前記無線タグ通信装置12は、前記無線タグ14に向けて送信信号を送信するための送信用アンテナ22と、その無線タグ14から返信される返信信号を受信するための受信用アレイアンテナ26とを、それぞれ個別に備えたものであったが、サーキュレータ等の送受信分離部を用いる等して送受信共用のアレイアンテナを備えたものであってもよい。
また、前述の実施例では、前記無線タグ14を検出対象とする無線タグ通信装置12に本発明が適用された例を説明したが、本発明の技術は、無線機器から送信される無線信号に基づいてその無線機器の存在する位置を検出する無線機器検出装置に広く適用され得るものである。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
本発明が好適に適用される無線タグ通信システムについて説明する図である。 本発明の無線機器検出装置の一実施例である無線タグ通信装置の構成を説明する図である。 図2の無線タグ通信装置の検出対象である無線タグに備えられた無線タグ回路素子の構成を説明する図である。 図2の無線タグ通信装置による図3の無線タグの位置算出制御の一例を説明する図である。 図2の無線タグ通信装置による図3の無線タグの位置算出制御の一例を説明する図である。 図2の無線タグ通信装置の受信用アレイアンテナに備えられた複数のアンテナ素子の相対位置関係を例示する図である。 図2の無線タグ通信装置のDSPによるタグ位置算出制御の要部を説明するフローチャートである。 図7のタグ位置算出制御の一部である軌跡座標算出制御について説明するフローチャートである。 図2の無線タグ通信装置のDSPによるタグ位置算出制御の他の一例の要部を説明するフローチャートである。 図2の無線タグ通信装置に記憶される、各アンテナ対における1対のアンテナ素子によりそれぞれ受信される受信信号の位相差と図3の無線タグの存在する位置との対応関係を示すテーブルを例示する図である。 図2の無線タグ通信装置のDSPによるタグ位置算出制御の更に別の一例の要部を説明するフローチャートである。
符号の説明
12:無線タグ通信装置(無線機器検出装置)
14:無線タグ(無線機器)
24:アンテナ素子
26:受信用アレイアンテナ
46:信号強度検出部
48:PAA制御部
50:タグ方向検出部
52:位相差検出部
54:タグ位置算出部
78:アンテナ対
80:テーブル

Claims (12)

  1. 無線機器から送信される無線信号に基づいて該無線機器の存在する位置を検出する無線機器検出装置であって、
    前記無線機器から送信される無線信号を受信するための、それぞれ1対のアンテナ素子を有する2組のアンテナ対と、
    各アンテナ対における1対のアンテナ素子によりそれぞれ受信される受信信号の位相差を検出する位相差検出部と、
    該位相差検出部により検出される、前記2組のアンテナ対それぞれに対応する位相差に基づいて、予め定められた関係から前記無線機器の存在する位置を算出する位置算出部と
    を、備えたものであることを特徴とする無線機器検出装置。
  2. 前記位置算出部は、前記2組のアンテナ対それぞれに対応する、前記アンテナ対の間隔に比例しない位相差に基づいて前記無線機器の存在する位置を算出するものである請求項1の無線機器検出装置。
  3. 前記位置算出部は、前記位相差検出部により検出される、前記2組のアンテナ対それぞれに対応する位相差に基づいて、予め定められた関係から各アンテナ対に対する前記無線機器の存在し得る位置の軌跡をそれぞれ算出し、それら2つの軌跡の交点を前記無線機器の存在する位置として算出するものである請求項1又は2の無線機器検出装置。
  4. 各アンテナ対におけるアンテナ素子の相互間距離は、前記無線機器から送信される無線信号の波長の1/2倍以上である請求項1から3の何れかの無線機器検出装置。
  5. 前記2組のアンテナ対は、1つのアンテナ素子を共有するものである請求項1から4の何れかの無線機器検出装置。
  6. 少なくとも2つの前記アンテナ素子から成るアレイアンテナと、
    該アレイアンテナにおけるアンテナ素子それぞれに対応する位相を制御するPAA制御部と、
    該PAA制御部による制御に基づいて前記無線機器の存在する方向を検出する方向検出部と
    を、備え、
    先ず、該方向検出部により前記無線機器の存在する方向を検出した後、その検出結果に基づいて前記位置算出部により該無線機器の存在する位置を算出するものである請求項1から5の何れかの無線機器検出装置。
  7. 少なくとも1つの前記アンテナ素子により受信される受信信号の信号強度を検出する信号強度検出部を備え、該信号強度検出部による検出結果に基づいて、前記位相差検出部及び位置算出部による位置算出制御と、前記PAA制御部及び方向検出部による方向検出制御とを、選択的に実行するものである請求項6の無線機器検出装置。
  8. 前記各アンテナ対における1対のアンテナ素子によりそれぞれ受信される受信信号の位相差と前記無線機器の存在する位置との対応関係を示すテーブルを備え、前記位置算出部は、該テーブルから前記位相差検出部による検出結果に基づいて前記無線機器の存在する位置を算出するものである請求項1から7の何れかの無線機器検出装置。
  9. 無線機器から送信される無線信号に基づいて該無線機器の存在する位置を検出する無線機器検出方法であって、
    前記無線機器から送信される無線信号を、それぞれ1対のアンテナ素子を有する2組のアンテナ対により受信する受信工程と、
    該受信工程において各アンテナ対における1対のアンテナ素子によりそれぞれ受信される受信信号の位相差を検出する位相差検出工程と、
    該位相差検出工程において検出される、前記2組のアンテナ対それぞれに対応する位相差に基づいて、予め定められた関係から前記無線機器の存在する位置を算出する位置算出工程と
    を、含むことを特徴とする無線機器検出方法。
  10. 前記位置算出工程は、前記位相差検出工程において検出される、前記2組のアンテナ対それぞれに対応する位相差に基づいて、予め定められた関係から各アンテナ対に対する前記無線機器の存在し得る位置の軌跡をそれぞれ算出し、それら2つの軌跡の交点を前記無線機器の存在する位置として算出するものである請求項9の無線機器検出方法。
  11. 少なくとも2つのアンテナ素子から成るアレイアンテナにおいて、各アンテナ素子に対応する位相を制御するPAA制御工程と、
    該PAA制御工程における制御に基づいて前記無線機器の存在する方向を検出する方向検出工程と
    を、含み、
    先ず、該方向検出工程により前記無線機器の存在する方向を検出した後、その検出結果に基づいて前記位置算出工程により該無線機器の存在する位置を算出するものである請求項9又は10の無線機器検出方法。
  12. 少なくとも1つのアンテナ素子により受信される受信信号の信号強度を検出する信号強度検出工程を含み、該信号強度検出工程による検出結果に基づいて、前記位相差検出工程及び位置算出工程による位置算出制御と、前記PAA制御工程及び方向検出工程による方向検出制御とを、選択的に実行するものである請求項11の無線機器検出方法。
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