JP2009076048A - リーダライタ、及び物品仕分システム - Google Patents

リーダライタ、及び物品仕分システム Download PDF

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Abstract

【課題】RFIDタグの存在する方向を識別することができるリーダライタを提供する。
【解決手段】このリーダライタ50は、VCO2の出力信号の位相を、基準となる入力信号の位相に同期させるPLL回路1と、PLL回路1の制御電圧に基づいて所定の周波数を発振するVCO2と、VCO2から発信された信号をマイクロ波に変調する変調器3と、マイクロ波の方向により向きを決定するサーキュレータ5と、マイクロ波を発信してタグ7からの反射波を受信するアンテナ6a、6bと、sin波を復調するミキサ9と、cos波を復調するミキサ11と、ミキサ9の信号から所定の周波数成分のみを通過するBPF12と、ミキサ11の信号から所定の周波数成分のみを通過するBPF13と、A/Dコンバータ14とA/Dコンバータ16から位相を演算する演算器15と、を備えて構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、リーダライタ、及び物品仕分システムに関し、さらに詳しくは、マイクロ波方式により通信を行う非接触情報記録媒体への情報の読み書きを行なうリーダライタであって、縦、横に並べられた非接触情報記録媒体、及び移動する複数の非接触情報記録媒体の情報を一括して読み取る際の情報識別技術に関するものである。
電波を利用したRFIDシステムは、電源を持たないパッシブ型の非接触ICタグに対しても、数十cm〜数mという長い交信可能距離を持つ。しかし、非接触ICタグとの交信可能距離は、非接触ICタグに搭載されたアンテナの特性により決定されるため、狭指向性の小型アンテナの実現が困難な帯域(1GHz以下のUHF帯など)を利用したRFIDシステムにおいては、非接触ICタグの存在する方向を精度よく検知することは困難であった。
特許文献1には、指向性の強い少数のアンテナで、通信不能部分の無い広い通信領域をカバーできるタグ通信用アンテナについて開示されている。
特開2006−20083公報
しかしながら、特許文献1に開示されている従来技術では、RFIDリーダ/ライタに用いられるタグ通信用アンテナは、送信する電波のビームをスキャンできるビームスキャンアンテナであること、ビームはスキャン方向に指向性の強いビームであること、ビームのスキャンはスキャン方向を含む面が最も強い反射波の生じる反射面である床面と交わるように行われること、等の制約条件が多いため、場所によっては、アンテナを最適な位置に設置できないといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、複数のアンテナを備え、リーダライタから発信された電波とRFIDタグから反射された電波の遅延時間に基づいて、夫々のアンテナからRDIDタグまでの距離の差を求めることにより、RFIDタグの存在する方向を識別することができるリーダライタを提供することを目的とする。
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、電波を利用して非接触情報記録媒体に情報を読み書きするリーダライタであって、前記非接触情報記録媒体に電波を送信する送信手段と、該電波の一部を前記非接触情報記録媒体が変調した反射波を復調する復調手段と、前記反射波の遅延時間を求める演算手段と、複数のアンテナと、制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記各アンテナと前記非接触情報記録媒体との間で通信を行い、その時の前記各アンテナと前記非接触情報記録媒体との距離の差を前記演算手段により演算することにより、前記非接触情報記録媒体の位置を判定することを特徴とする。
本発明は、マイクロ波を利用して非接触情報記録媒体と通信を行うマイクロ波方式におけるリーダライタであり、リーダライタから送信した電波(マイクロ波)は、複数のアンテナから放射されて非接触情報記録媒体により変調されて反射波として夫々のアンテナにより受信される。このとき発信した電波と反射波との間には、距離に応じた遅延時間が生じる。本発明は、その時の各アンテナと非接触情報記録媒体との距離の差を演算手段により演算して求めることにより、非接触情報記録媒体の位置を判定する。これにより、アンテナの指向性に依存せずに、非接触情報記録媒体の位置を特定することができる。また、ベルトコンベア上を搬送される荷物の識別や、縦・横に並べられた荷物の識別、直線的な識別エリアの実現など、従来は狭指向性のアンテナが必須とされてきた用途にも、広指向性のアンテナを用いたシステムを適用することが可能となり、狭指向性の小型アンテナの実現が困難な帯域を利用したRFIDシステムにおいても、このような用途に使用することが容易となる。また、同様の用途に狭指向性のアンテナを使用した場合と比較して、柔軟に識別する範囲を設定することが可能となる。そして、広い範囲の非接触情報記録媒体を一括で読取るという動作と、その中の特定の範囲にある非接触情報記録媒体を識別するという動作を同時に行うことも可能となる。
請求項2は、前記非接触情報記録媒体に電波を送信する送信手段と、該電波の一部を前記非接触情報記録媒体が変調した反射波を復調する直交復調器の位相変調の復調手段と、該復調手段により復調された信号を演算して前記反射波の遅延時間を求める演算手段と、複数のアンテナと、制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記各アンテナと前記非接触情報記録媒体との間で通信を行い、その時の前記各アンテナと前記非接触情報記録媒体との距離の差を前記演算手段により演算することにより、前記非接触情報記録媒体位置を判定することを特徴とする。
直交復調器により得たIQ信号を演算することにより、タグとの通信を行うと同時に、遅延時間の差分を得る。
請求項3は、前記演算手段が前記各アンテナと前記非接触情報記録媒体との距離の差を演算する場合、前記非接触情報記録媒体から前記リーダライタへの返信時の後方散乱波を用いて測定することを特徴とする。
電波を利用したRFIDシステムでは、非接触情報記録媒体に与えた電波(CW波)の一部を、非接触情報記録媒体が変調を加えて戻す(振幅・位相を変化させて反射させる)ことにより、非接触情報記録媒体からリーダライタへの通信を行っている。リーダライタには「自ら発信した電波の反射波(後方散乱波)」が戻ることとなるが、この後方散乱波は、非接触情報記録媒体とアンテナとの間の距離に比例した遅延を持った波である。これにより、2つのアンテナと非接触情報記録媒体との距離の差を演算手段により容易に演算することができる。
請求項4は、検出範囲内の複数の非接触情報記録媒体を衝突なく検出するアンチコリジョンプロトコルにより通信する前記複数の非接触情報記録媒体の中から、特定の非接触情報記録媒体を指定して当該非接触情報記録媒体の位置を判定することを特徴とする。
アンチコリジョンプロトコルにより通信する場合、複数の非接触情報記録媒体の中から特定の非接触情報記録媒体を指定することが可能となる。そこで本発明では、複数の非接触情報記録媒体の中から特定の非接触情報記録媒体を指定して、その非接触情報記録媒体の位置を判定する。これにより、複数の非接触情報記録媒体から選択した特定の非接触情報記録媒体の位置を判定することができる。
請求項5は、前記非接触情報記録媒体が存在する方向を識別する識別可能範囲を広げるために、前記各アンテナ間の距離を可能な限り狭めて配置したことを特徴とする。
非接触情報記録媒体と複数のアンテナとの距離の差の測定においては、複数のアンテナ間の距離が大きくなるほど、誤検知する確率が高くなる。そこで本発明では、各アンテナ間の距離を可能な限り狭めて配置する。これにより、誤検知の確率を低くすることができる。
請求項6は、前記各アンテナに所定の指向特性を持たせることにより、前記各アンテナと前記非接触情報記録媒体との距離差が大きくなる方向を該非接触情報記録媒体との通信範囲外とすることを特徴とする。
最も非接触情報記録媒体と2つのアンテナの距離差dが小さいときは、2つのアンテナの中点に非接触情報記録媒体が存在する場合である。そこで、無指向性のアンテナではなく、ある程度の指向性を持ったアンテナを使用し、距離差dの大きくなる方向を非接触情報記録媒体との通信範囲外とする。これにより、中点から左右何れかの方向を通信範囲外とすることができ、非接触情報記録媒体とアンテナとの位置関係に制限を設けることができる。
請求項7は、前記各アンテナの指向特性と受信強度から、前記各アンテナと前記非接触情報記録媒体との距離差を補正することを特徴とする。
例えば、アンテナ1とアンテナ2を正面指向性を持つアンテナとし、θが−3π以下もしくは+3π以上の値とならない程度の間隔で配置する。この条件下で、アンテナ1とアンテナ2での受信強度に違いが無い場合には、θの差分は−π以上、+π以下の値であると判断できる。また、アンテナ1とアンテナ2の受信強度の差が大きい場合には、アンテナ1側の受信が大きければ+π以上+3π以下、アンテナ2側の受信が大きければ−π以下−3π以上であると判断する。これにより、受信強度から容易に各アンテナと非接触情報記録媒体との距離差を補正することができる。
請求項8は、前記制御手段は、前記演算手段により演算された遅延時間の差分を測定して前記アンテナと前記非接触情報記録媒体との距離の変化を求めることにより、前記非接触情報記録媒体が前記アンテナに最接近したタイミングを識別することを特徴とする。
非接触情報記録媒体がアンテナに最接近したタイミングは、そのベクトルの向きが変化する直前である。即ち、距離と時間との関係から導かれた2次関数の極小点が、非接触情報記録媒体がアンテナに最接近した時である。これにより、非接触情報記録媒体がアンテナを通過した時間を個別に管理することができる。
請求項9は、前記非接触情報記録媒体が存在し得る範囲に、前記アンテナ間における位相差が一意の方向を示すように2つのアンテナを配置し、前記制御手段は、前記各アンテナと前記非接触情報記録媒体との相対速度を演算する相対速度演算部を備え、該相対速度演算部による通過検出を使用して位相差を取得する共に、前記非接触情報記録媒体が前記各アンテナへ最接近する点を求めることにより、前記非接触情報記録媒体が存在する方向を取得して、該非接触情報記録媒体が前記アンテナ正面を通過したと判断することを特徴とする。
位相差が一意の方向を示すようにするには、アンテナ間隔を狭め、アンテナ間隔<波長とすれば良いが、位相取得時の誤差の影響が大きくなり、精度が低下する。そこで、本発明では、相対速度による通過検出と、方向検出を併用し、アンテナ間隔>波長の条件でも、一意の方向を得られるようにすることで、精度を改善する。それには、タグが存在しえる範囲において、アンテナ間隔における位相差が一意の方向を示すようにアンテナを設置する。そして、非接触情報記録媒体とアンテナとの相対速度による通過検出を使用して、位相差の取得と同時に非接触情報記録媒体の1つのアンテナへの最接近点α、もう1つのアンテナへの最接近点βを求める。非接触情報記録媒体がアンテナと直交するように移動する場合、αは1つのアンテナ上の点であり、また、βはもう1つのアンテナ上の点である。そして、アンテナ間隔では位相差は一意の方向を示すといえるため、α−β間では、位相差から、そのタグが存在すると考えられる方向を得ることができる。
請求項10は、検出範囲内の複数の非接触情報記録媒体を衝突なく検出するアンチコリジョンプロトコルにより通信する前記複数の非接触情報記録媒体の中から、特定の非接触情報記録媒体が存在し得る範囲に、前記アンテナ間における位相差が一意の方向を示すように2つのアンテナを配置し、前記制御手段は、前記各アンテナと前記特定の非接触情報記録媒体との相対速度を演算する相対速度演算部を備え、該相対速度演算部による通過検出を使用して位相差を取得する共に、前記特定の非接触情報記録媒体が前記各アンテナへ最接近する点を求めることにより、前記特定の非接触情報記録媒体が存在する方向を取得して、該特定の非接触情報記録媒体が前記アンテナ正面を通過したと判断することを特徴とする。
アンチコリジョンプロトコルにより通信する場合、複数の非接触情報記録媒体の中から特定の非接触情報記録媒体を指定することが可能となる。そこで本発明では、複数の非接触情報記録媒体の中から特定の非接触情報記録媒体を指定して、その非接触情報記録媒体の位置を判定する。これにより、複数の非接触情報記録媒体から選択した特定の非接触情報記録媒体の位置を判定することができる。
請求項11は、前記複数のアンテナは、前記非接触情報記録媒体への送信及び受信を行なう第1のアンテナと、前記非接触情報記録媒体へ電波を送信する第2のアンテナと、前記非接触情報記録媒体からの反射波を受信する第3のアンテナと、を備えて構成されていることを特徴とする。
送信アンテナを一つ、もしくは、受信アンテナを一つとし、受信・送信のいずれかのみを複数のアンテナで行うようにすることで、タグとの往復距離の差ではなく、タグから受信アンテナへの片道の距離差とすることができるため、より精度の高い識別が可能となる。
請求項12は、請求項1乃至11の何れか一項に記載のリーダライタと、電波の送受信を仲介する複数のアンテナと、物品に係る情報を記録した非接触情報記録媒体を取り付けた物品と、該物品を搬送する搬送手段と、該搬送手段により搬送されてくる物品の通過を検知する検知手段と、前記搬送手段により搬送された物品を仕分けする仕分手段と、制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記演算手段により演算された遅延時間の差分を測定することにより前記各アンテナと前記物品との距離の変化を求めて、該物品の搬送順序と前記アンテナに対する移動方向を識別し、前記検知手段が該物品の通過を検知すると、先頭の物品が通過したと判断して、当該物品に係る仕分けを実行することを特徴とする。
移動する物品を識別して自動的に仕分する仕分システムに関するものである。即ち、本発明のリーダライタを備え、例えば、ベルトコンベアの近傍にアンテナを配置して、物品に取り付けられた非接触情報記録媒体との情報の授受を行い、その情報から物品の並び順とアンテナからの移動方向を識別する。また、それらの物品を仕分するために、物品が通過したことを検知する検知手段と、実際に物品を仕分する仕分機を備える。そして、PC等から構成される制御手段は、並び順と移動方向を記憶しておき、検知手段が物品の通過を検知すると、並び順の最も先頭の物品が通過したと判断して、当該物品に係る仕分けを実行する。これにより、読み取り領域内の物品が移動しても、正確にその並び順を把握して、正確に仕分けることができる。
本発明によれば、各アンテナと非接触情報記録媒体との距離の差を演算手段により演算して求めることにより、非接触情報記録媒体が存在する方向を識別するので、アンテナの指向性に依存せずに、非接触情報記録媒体の存在する方向を特定することができる。また、ベルトコンベア上を搬送される荷物の識別や、縦・横に並べられた荷物の識別、直線的な識別エリアの実現など、従来は狭指向性のアンテナが必須とされてきた用途にも、広指向性のアンテナを用いたシステムを適用することが可能となり、狭指向性の小型アンテナの実現が困難な帯域を利用したRFIDシステムにおいても、このような用途に使用することが容易となる。また、同様の用途に狭指向性のアンテナを使用した場合と比較して、柔軟に識別する範囲を設定することが可能となる。そして、広い範囲の非接触情報記録媒体を一括で読取るという動作と、その中の特定の範囲にある非接触情報記録媒体を識別するという動作を同時に行うことも可能となる。
また、後方散乱波は、非接触情報記録媒体とアンテナとの間の距離に比例した遅延を持った波である。これにより、2つのアンテナと非接触情報記録媒体との距離の差を演算手段により容易に演算することができる。
また、複数の非接触情報記録媒体の中から特定の非接触情報記録媒体を指定して、その非接触情報記録媒体の存在する方向を識別するので、複数の非接触情報記録媒体から選択した特定の非接触情報記録媒体の存在する方向を識別することができる。
また、無指向性のアンテナではなく、ある程度の指向性を持ったアンテナを使用し、距離差dの大きくなる方向を非接触情報記録媒体との通信範囲外とするので、中点から左右何れかの方向を通信範囲外とすることができ、非接触情報記録媒体とアンテナとの位置関係に制限を設けることができる。
また、各アンテナの指向特性と受信強度から、各アンテナと非接触情報記録媒体との距離差を補正するので、受信強度から容易に各アンテナと非接触情報記録媒体との距離差を補正することができる。
また、送信アンテナを一つ、もしくは、受信アンテナを一つとし、受信・送信のいずれかのみを複数のアンテナで行うようにすることで、タグとの往復距離の差ではなく、タグから受信アンテナへの片道の距離差とすることができるため、より精度の高い識別が可能となる。
また、位相差が複数の方向を指し示す場合でも、移動するタグについてはアンテナとの相対速度から二つのアンテナに対する最接近点(α点、β点)を得る事により、一意の方向を求める事が可能である。位相取得時の誤差が一定であれば、アンテナ間隔が大きいほど精度を高める事ができるため、より高精度な方向検出及び通過検出が可能となる。
また、α点の位相差とβ点の位相差の差を求め、その中間付近では、アンテナ中間点付近の方向を指し示しているとして、一意の方向を得る事で、より精度を上げることも可能である。
さらに、タグの移動速度や、タグとの距離といった情報を与えることで、α点とβ点を基準とした、タグ移動の予測が可能となり、そこからタグがどのような方向にあるのかを推測し、その上で、一意の方向を得ることで精度を上げることも可能である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は、本発明の一実施形態に係るリーダライタのブロック図である。このリーダライタ50は、VCO2の出力信号の位相を、基準となる入力信号の位相に同期させるPLL回路1と、PLL回路1の制御電圧に基づいて所定の周波数を発振するVCO2と、VCO2から発信された信号をマイクロ波(電波)に変調する変調器3と、マイクロ波を増幅する増幅器4と、マイクロ波の方向により向きを決定するサーキュレータ5と、マイクロ波を発信して非接触ICタグ(以下、単にタグと呼ぶ)7からの反射波を受信するアンテナ6a、6bと、サーキュレータ5により合成された合成波を増幅する増幅器8と、VCO2の信号と増幅器8により増幅された信号を加算重畳してsin波を復調するミキサ9と、VCO2の信号を90°移相器10により移相した信号と増幅器8により増幅された信号を加算重畳してcos波を復調するミキサ11と、ミキサ9の信号から所定の周波数成分のみを通過するBPF12と、ミキサ11の信号から所定の周波数成分のみを通過するBPF13と、BPF12の出力信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ14と、BPF13の出力信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ16と、A/Dコンバータ14とA/Dコンバータ16から位相を演算する演算器15と、を備えて構成されている。
電波を利用したRFIDシステムでは、タグ7に与えた電波(CW波)の一部を、タグ7が変調を加えて戻す(振幅・位相を変化させて反射させる)ことにより、タグ7からリーダライタ50への通信を行っている。
リーダライタ50には「自ら発信した電波の反射波(後方散乱波)」が戻ることとなるが、この後方散乱波は、タグ7とアンテナ6a、又は6bとの間を往復した波であるため、自ら発信した電波に対しタグ7とアンテナ6a、又は6bの距離の倍に比例した遅延を持った波であると考えることができる。
本実施形態では、複数のアンテナ6a、6bを使用して、タグ7からの後方散乱波の遅延の測定を行い、それぞれのアンテナ6a、6bのタグ7までの距離の差を知ることで、タグ7の存在する方向を得る。
図2は、タグ7を取り付けた物品a、物品b、物品cが横に並べられた場合のアンテナとタグの距離との関係を示す模式図である。この図では、タグ7を取り付けた物品a、物品b、物品cが所定の間隔を維持して並べられているものとする。そして、図2では、物品aのタグ7aはアンテナ6a側にある。物品bのタグ7bはアンテナ6aとアンテナ6bの中点にある。物品cのタグ7cはアンテナ6b側にある。
ここで、リーダライタ50に接続されたアンテナ6a、6bから送信されるCW波を
Figure 2009076048
・・・(1)
とした時(AとθCは回路による決まる一定値)、同じアンテナで受信されるタグ7からの後方散乱波は、以下のように表せる。
Figure 2009076048
・・・(2)
l[m]はタグ−アンテナ間の距離、cは電波の速度[m/s]、Bは空間やタグでの減衰を表す係数、θTはタグでの反射時の位相変化である。電波を利用するRFIDにおいては、タグ7からリーダライタ50への通信を行う際、タグ7で加えられる変調により、このBとθTが変化する。
ここで、タグ7→リーダライタ50間における通信がASK変調により行われる場合には、1を表すシンボルに同期して遅延時間の測定を行うとする。これにより、θTをタグ固有のある一定の値とする事ができる。
また、BPSK変調の場合では、1または0を表すシンボルに同期して遅延時間の測定を行うとする。これにより、θTをタグ固有のある一定値θT1、もしくは、θT2(=θT1+π)のどちらかの値とする事ができる。同様に、その他の位相変調においても、あるシンボルに同期して遅延時間を測定を行うとすることで、θTをタグ固有のある一定の値とする事ができる。
このように、タグ7との通信を行う際に、そのシンボルと同期して遅延時間を測定する事により、タグ7で反射される際の位相が安定し、θTを定数値とみなすことができる。
また、変調のかけられた後方散乱波を対象として測定を行う事で、変化を持たない後方散乱波(反射波)を、BPFにより除去することが可能となり、周囲の金属物や通信状態に無いタグからの反射等の影響を排除する事ができる。
さらに、タグ7からリーダライタ50への通信を行う際に遅延時間を測定しているため、アンチコリジョン機能を持つプロトコルのもとでは、通信相手となるタグを一つに限定した条件の下で遅延時間の測定を行うことが可能となり、複数のタグが存在する環境においても、特定のタグの後方散乱波のみを選択して遅延時間を測定する事と、その通信で得られたデータ(ID)と遅延時間を関連付けて管理することが可能となる。
後方散乱波の遅延時間の測定は、CW波と共通の信号源から作成されるローカル信号
Figure 2009076048
・・・(3)
を使用して、直交検波を行うことによって行う。
これにより、以下のIQ信号が得られる。
Figure 2009076048
・・・(4)
Figure 2009076048
・・・(5)
ここで、CとθRは、直交検波の操作により付加される変数であるが、Cは回路により決まる値であるため一定値と考える事ができる。また、ローカル信号とCW波は、同じ信号源からの信号であるため、その位相差を回路により決まる一定値とみなすことができ、これにより、θRも回路により決まる一定値とみなすことができる。
ここで、θc・θT・θRはいずれも定数値とみなせるため、θrは以下のように表すことができる。
Figure 2009076048

Figure 2009076048
・・・(6)
ただし、θRは回路による固有値であるため、使用するアンテナによって、値が異なる場合がある。そこで、あらかじめそれぞれのアンテナを使用した際のθconstの値を得ておき、各アンテナにおいて測定されたθrから、固有のオフセット量θconstを減算することで補正を行うこととし、その補正後の値をθANTnとする。
Figure 2009076048
・・・(7)
タグ7への電波の送信をアンテナ6aとアンテナ6bからそれぞれ行い、その後方散乱波の遅延を同じアンテナで得たとする。この時、θANT1−θANT2により、タグ7−アンテナ6aの距離l1とタグ7−アンテナ6bの距離l2の差のd=l1−l2を得る事ができる。
Figure 2009076048
・・・(8)
このとき、θANT1とθANT2の測定を行う間にタグ7が移動すると、その移動量が誤差となるが、この場合、θANT2の測定後に、再度θANT1の測定を行い平均化することで、誤差を補正できる。
また、アンテナmで送信を行い、異なるアンテナnで受信をおこなった場合は、アンテナmとタグ7との距離をlm、アンテナnとタグとの距離をlnとした時、以下のように表すことができる。
Figure 2009076048

Figure 2009076048
・・・(9)
そして、回路による固有値であるθRの補正を、前記と同様に行い、その補正後の値をθANTmnとする。

Figure 2009076048
・・・(10)
ここで、タグ7への電波の送信をあるアンテナaから行い、その後方散乱波の遅延をアンテナ6aとアンテナ6bで得たとすれば、θANTa1−θANTa2により、タグ7−アンテナ6aの距離l1とタグ7−アンテナ6bの距離l2の差のd=l1−l2を得る事ができる(アンテナaはアンテナ6aもしくはアンテナ6bであっても構わない)。
Figure 2009076048
・・・(11)
この場合には、二組の直交検波回路を使用して同時にθANTa1とθANTa2の取得を行うこともできる。また、1つの直交検波回路とアンテナ切替回路を用いて、アンテナ6aにおいてθANTa1の測定を行った後で、アンテナ切替を行い、アンテナ6bにおいてθANTa2の取得を行ってもよい。
後者の手段を用いる場合は、θANTa1とθANTa2の測定を行う間にタグ7が移動すると、その差が誤差となるが、この場合、θANTa2の測定後に、再度θANTa1の測定を行い平均化することで、誤差を補正できる。
次に、図3を参照して距離差dからタグの方向を求める。
ここで、アンテナ6aとアンテナ6bが距離wだけ離して設置されているとし、アンテナ6aとアンテナ6bの中点を原点とし、アンテナ6aとアンテナ6bを結ぶ直線をx軸とする。このとき、アンテナ6aの座標は(w/2,0,0)、アンテナ6bの座標は(−w/2,0,0)と表せる。
さらに、タグ7がxy平面上に存在するようにz軸を定める。このとき、タグ7の位置は、(x,y,0)と表せる。
そして、アンテナ6a、アンテナ6b、タグ7のそれぞれの位置を頂点A1、A2、Tとする三角形を考える。
d>0の場合、アンテナA2の位置からdだけ離れた辺T−A2上の点と、頂点A1を結ぶ直線αを引くと、辺T−A1を1つの等辺とする二等辺三角形が描ける。
この二等辺三角形の頂角を等分する直線βを引き、頂角を等分した角度をθa、等分した直線とy軸との角度をθbとする。この時、二等辺三角形の底辺とx軸の角度もθbと表せる。
頂点A2を通り、直線βと平行な直線を考え、この直線と直線αの交点Dと、頂点A2との距離をd’とする。
ここで、アンテナ間の距離wがlに比べて比較的小さいとすると、角θaも小さくなるため、
Figure 2009076048
・・・(12)
と考えることができる。そして、
Figure 2009076048
・・・(13)
からθbを得ることができる。ここで、直線αと直線βの交わる点をC、直線βとx軸の交わる点をB、点A1−点C間の距離をp、点A1−点B間の距離をqとすると、三角形A1−B−Cと、三角形A1−A2−Dは、相似の関係にあるため、
Figure 2009076048
・・・(14)
となる。このため、直線βは原点付近でx軸と交わるということができ、2つのアンテナの中点からみて角度θbの方向にタグがあると考えることができる。
また、d<0の場合も、同様に、2つのアンテナの中点からみて角度−θbの方向にタグがあると考えることができ、d=0であれば、タグはアンテナA1とアンテナA2のx軸と直交する中点上の直線にあるといえる。
dの測定においては、θの差分を使用するため、θが−π以下もしくは+π以上となった場合に、誤検知する可能性がある。これを防止するためには、以下のような方法で、dの取り得る範囲を制限する。
1.測定を行うアンテナ同士の距離を狭くする(dの最大値は、アンテナ間の距離であるため)。
2.無指向性のアンテナではなく、ある程度の指向性を持ったアンテナを使用し、dの大きくなる方向(上記例における、x軸方向)をタグとの通信範囲外とする。
また、送信アンテナを一つ、もしくは、受信アンテナを一つとし、受信・送信のいずれかのみを複数のアンテナで行うようにすることで、タグとの往復距離の差ではなく、タグから受信アンテナへの片道の距離差とすることができるため、より精度の高い識別が可能となる。
そして、各アンテナでの受信強度とアンテナの指向性特性を組み合わせ、θの差分の範囲を選択してもよい。
例えば、アンテナ1とアンテナ2を正面指向性を持つアンテナとし、θが−3π以下もしくは+3π以上の値とならない程度の間隔で配置する。この条件下で、アンテナ1とアンテナ2での受信強度に違いが無い場合には、θの差分は−π以上、+π以下の値であると判断できる。また、アンテナA1とアンテナA2の受信強度の差が大きい場合には、アンテナA1側の受信が大きければ+π以上+3π以下、アンテナA2側の受信が大きければ−π以下−3π以上であると判断する。
即ち、本発明は、マイクロ波を利用して非接触情報記録媒体と通信を行うマイクロ波方式におけるリーダライタであり、リーダライタ50から送信した電波(マイクロ波)は、複数のアンテナ6a、6bから放射されてタグ7により変調されて反射波として夫々のアンテナ6a、6bにより受信される。このとき発信した電波と反射波との間には、距離に応じた遅延時間が生じる。本発明は、その時の各アンテナ6a、6bとタグ7との距離の差を演算手段により演算して求めることにより、タグ7が存在する方向を識別する。これにより、アンテナ6a、6bの指向性に依存せずに、タグ7の存在する方向を特定することができる。また、ベルトコンベア上を搬送される荷物の識別や、縦・横に並べられた荷物の識別、直線的な識別エリアの実現など、従来は狭指向性のアンテナが必須とされてきた用途にも、広指向性のアンテナを用いたシステムを適用することが可能となり、狭指向性の小型アンテナの実現が困難な帯域を利用したRFIDシステムにおいても、このような用途に使用することが容易となる。また、同様の用途に狭指向性のアンテナを使用した場合と比較して、柔軟に識別する範囲を設定することが可能となる。そして、広い範囲のタグ7を一括で読取るという動作と、その中の特定の範囲にあるタグを識別するという動作を同時に行うことも可能となる。
また、電波を利用したRFIDシステムでは、タグ7に与えた電波(CW波)の一部を、タグ7が変調を加えて戻す(振幅・位相を変化させて反射させる)ことにより、タグ7からリーダライタ50への通信を行っている。リーダライタ50には「自ら発信した電波の反射波(後方散乱波)」が戻ることとなるが、この後方散乱波は、タグ7とアンテナ6a、6bとの間の距離に比例した遅延を持った波である。これにより、2つのアンテナ6a、6bとタグ7との距離の差を演算手段により容易に演算することができる。
また、アンチコリジョンプロトコルにより通信する場合、複数のタグの中から特定のタグを指定することが可能となる。そこで本発明では、複数のタグの中から特定のタグを指定して、そのタグの存在する方向を識別する。これにより、複数のタグから選択した特定のタグの存在する方向を識別することができる。
また、最もタグ7と2つのアンテナ6a、6bの距離差dが小さいときは、2つのアンテナ6a、6bの中点にタグ7が存在する場合である。そこで、無指向性のアンテナではなく、ある程度の指向性を持ったアンテナを使用し、距離差dの大きくなる方向をタグ7との通信範囲外とする。これにより、中点から左右何れかの方向を通信範囲外とすることができ、タグ7とアンテナ6a、6bとの位置関係に制限を設けることができる。
また、例えば、アンテナ6aとアンテナ6bを正面指向性を持つアンテナとし、θが−3π以下もしくは+3π以上の値とならない程度の間隔で配置する。この条件下で、アンテナ6aとアンテナ6bでの受信強度に違いが無い場合には、θの差分は−π以上、+π以下の値であると判断できる。また、アンテナ6aとアンテナ6bの受信強度の差が大きい場合には、アンテナ6a側の受信が大きければ+π以上+3π以下、アンテナ6b側の受信が大きければ−π以下−3π以上であると判断する。これにより、受信強度から容易に各アンテナ6a、6bとタグ7との距離差を補正することができる。
また、送信アンテナを一つ、もしくは、受信アンテナを一つとし、受信・送信のいずれかのみを複数のアンテナで行うようにすることで、タグ7との往復距離の差ではなく、タグ7から受信アンテナへの片道の距離差とすることができるため、より精度の高い識別が可能となる。
また、以上の説明では、位相差から一意の方向を得られるように、アンテナの距離差dに制限を設けているが、この場合、位相取得時の誤差の影響が大きくなり、精度としては低下する。そこで、相対速度による通過検出と、方向検出を併用し、位相差が複数の方向性を示す条件でも、一意の方向を得られるようにすることで、精度を改善することができる。
本実施形態では、2つのアンテナでの位相差により方向を得る際の、アンテナの間隔を広げる事により、位相差/方向差の比を高め、位相差測定時の誤差による影響を抑えるようにする。例えば、アンテナ正面方向全てを読取可能範囲とし、読取範囲180度を一意の位相で表すとすると、正面方向10度に割当てられる位相差は、20度以下となる。また、アンテナ正面方向30度を一意の位相で表すとすれば、その際の正面方向10度に割り当てられる位相差は、120度以下となる。この場合、位相誤差の影響は1/6に低下させることができる。
これにより、アンテナ正面方向30度以外の方向にあるタグを読取った場合には、位相差と方向との一意性が無くなるが、移動するタグにおいては、アンテナとタグとの距離の変化(相対速度)から、アンテナ正面付近で、相対速度(距離変化/時間)が0となることを利用して、タグのアンテナ正面の通過を検出する事ができる。これから、2つのアンテナの最接近の検出によりタグがアンテナ正面付近にあることを別途検出することで、タグが存在する方向を絞り込み、一意の方向を得る。
図4では、ANT(a)から発した電波のタグからの後方散乱波を、ANT(a)とANT(b)で受信し、その受信波の位相の差を得る事で、タグの存在する方向を知る事ができる。
アンテナの正面方向においては、d=位相差θ[度]×波長λ[m]とした時、式(13)のようにタグの存在する方向θbを得られる。
しかしながら、使用する電波の波長λに対しアンテナの間隔w[m]が、w>λとなっていると、同位相差となる方向が複数となり得るため、一意に定まらない。図4では、黒丸の点は、全て同位相差の点であり、少なくとも同じ位相差を持つ点が、三方向A、B、Cに存在しているといえる。
そこで、タグが存在しえる範囲30において、x−y間における位相差が一意の方向を示すようにアンテナを設置する。そして、タグとアンテナとの相対速度による通過検出を使用して、位相差の取得と同時にタグのANT(a)への最接近点α、ANT(b)への最接近点βを求める。タグがアンテナと直交するように移動する場合、αはx上の点であり、また、βはy上の点である。そして、x−y間では位相差は一意の方向を示すといえるため、α−β間では、位相差から、そのタグが存在すると考えられる方向を得ることができる。
これにより、w>λであっても、アンテナ正面付近については、位相差から一意の方向を求める事が可能となる。そして、位相取得時の誤差が一定であれば、wが大きいほど精度を高める事ができるため、より高精度な方向検出及び通過検出が可能となる。
また、α点、β点を基準としたタグ移動の予測、もしくは、タグの存在方向の補正を行う事で、x−y間で位相差が一意の方向を示すという条件も不要となり、より精度を上げることも可能である。例えば、α点とβ点の通過時刻から、アンテナ中間点の通過予測時刻を求め、その時刻での位相差がアンテナ中間点付近の方向を指し示しているという条件から、一意の方向を得る事ができる。
また、α点の位相差とβ点の位相差の差を求め、その中間付近では、アンテナ中間点付近の方向を指し示しているとして、一意の方向を得る事ができる。
さらに、タグの移動速度や、タグとの距離といった情報を与えることで、α点とβ点を基準とした、タグ移動の予測が可能となり、そこからタグがどのような方向にあるのかを推測し、その上で、一意の方向を得ることもできる。
図5は、本発明の物品仕分システムの構成を示すブロック図である。同じ構成要素には図1と同じ参照番号を付して説明する。この物品仕分システム100は、図1に記載のリーダライタ50と、電波の送受信を仲介するアンテナ6a、6bと、図示しない搬送手段により搬送されてくる物品の通過を検知するセンサ(検知手段)21と、搬送手段により搬送された物品を仕分けする仕分機(仕分手段)22と、PC(制御手段)20と、を備え、PC20は、演算手段により演算された遅延時間の差分を測定することによりアンテナ6a、6bと物品との距離の変化を求めて、物品の並び順とアンテナ6a、6bからの移動方向を識別し、センサ21が物品の通過を検知すると、並び順の最も先頭の物品が通過したと判断して、当該物品に係る仕分けを実行する。
即ち、本実施形態は、移動する物品を識別して自動的に仕分する仕分システムに関する発明である。即ち、図1のリーダライタ50を備え、例えば、ベルトコンベアの近傍にアンテナ6a、6bを配置して、物品に取り付けられたタグ7と情報の授受を行い、その情報から物品の並び順とアンテナ6a、6bからの移動方向を識別する。また、それらの物品を仕分するために、物品が通過したことを検知するセンサ21と、実際に物品を仕分する仕分機22を備える。そして、PC20は、並び順と移動方向を記憶しておき、センサ21が物品の通過を検知すると、並び順の最も先頭の物品が通過したと判断して、当該物品に係る仕分けを実行する。これにより、読み取り領域内の物品が移動しても、正確にその並び順を把握して、正確に仕分けることができる。
図6は、本発明の仕分システムの動作の一例を説明するための模式図である。同じ構成要素には図1、及び図5と同じ参照番号を付して説明する。本実施形態では、説明を簡略化するために、ベルトコンベア23上には、物品a〜dが載置され、それぞれに当該物品に関する情報(タグID、ルート情報等)を記憶したタグ7が取り付けられている。また、物品の並び順は、先頭からa、b、c、dとする。また、ベルトコンベア23は矢印Aの方向に移動する。また、アンテナ6a、6bの読み取り可能領域は6cとする。
図7は、図6の仕分システムの動作を説明するフローチャートである。図6を参照して説明する。リーダライタ50は、読み取り可能領域6aにある物品a、b、cのタグ7の情報を一括して読み取る(S1)。PC20はリーダライタ50が読み取った情報から各タグの遅延時間を演算する(S2)。また、PC20は遅延時間の差分から各物品a、b、cまでの距離と方向を求める(S3)。この図では、物品aはアンテナ6から遠ざかる方向に移動しており、物品bはアンテナ6に最接近しており、物品cはアンテナ6に近づいてきていることを認識する。そして、これらの演算結果から、物品の並び順が先頭からa、b、cであることを認識する(S4)。この情報は、PC20内のメモリに記憶する(S5)(図8参照)。ここでセンサ21が物品を検出したかをチェックする(S6)。このチェックは何時発生するか分からないので、割り込み処理により行われるのが好ましい。ステップS6でセンサ21がOFF(S6でNO)のときは、ステップS1に戻って繰り返す。ステップS6でセンサ21がON(S6でYES)のときは、メモリに記憶されている先頭の物品名aから、ルート先を判別する(S7)。この例では、物品aのルート先はBであるので、仕分機22は物品aをルートBになるように仕分操作を行なう(S8)(図8(a)参照)。次に、仕分が完了した物品aのデータは必要ないので消去して、図8(b)にように次の物品bを先頭に繰り上げてS1に戻って繰り返す(S9)。
図8はPC内のメモリに記憶された物品の並び順を示す図である。このメモリには、例えば図5の場合の記憶内容である。図8(a)には、メモリの先頭アドレス(AA)には物品名24が「a」、ルート先25が「B」と記憶されている。アドレス(BB)には物品名24が「b」、ルート先25が「A」と記憶されている。アドレス(CC)には物品名24が「c」、ルート先25が「C」と記憶されている。次に、物品aの仕分が完了すると、図8(b)のように、アドレス(AA)に記憶されていた物品aが消去されて、アドレス「BB」に記憶されている物品bをアドレス「AA」に繰り上げて記憶する。以下、順次繰り上げて記憶する。これにより、新たに物品bが先頭にある物品となる。
本発明の一実施形態に係るリーダライタのブロック図である。 タグ7を取り付けた物品a、物品b、物品cが横に並べられた場合のアンテナとタグの距離との関係を示す模式図である。 距離差dからタグの方向を求める図である。 アンテナ間隔を広げた場合のタグとアンテナの関係を説明する図である。 本発明の物品仕分システムの構成を示すブロック図である。 本発明の仕分システムの動作の一例を説明するための模式図である。 図5の仕分システムの動作を説明するフローチャートである。 PC内のメモリに記憶された物品の並び順を示す図である。
符号の説明
1 PLL回路、2 VCO、3 変調器、4、8 増幅器、5サーキュレータ、6a、6b アンテナ、7 タグ、9、11 ミキサ、12、13 BPF、14、16 A/Dコンバータ、15 演算器、50 リーダライタ

Claims (12)

  1. 電波を利用して非接触情報記録媒体に情報を読み書きするリーダライタであって、
    前記非接触情報記録媒体に電波を送信する送信手段と、該電波の一部を前記非接触情報記録媒体が変調した反射波を復調する復調手段と、前記反射波の遅延時間を求める演算手段と、複数のアンテナと、制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記各アンテナと前記非接触情報記録媒体との間で通信を行い、その時の前記各アンテナと前記非接触情報記録媒体との距離の差を前記演算手段により演算することにより、前記非接触情報記録媒体の位置を判定することを特徴とするリーダライタ。
  2. 前記非接触情報記録媒体に電波を送信する送信手段と、該電波の一部を前記非接触情報記録媒体が変調した反射波を復調する直交復調器の位相変調の復調手段と、該復調手段により復調された信号を演算して前記反射波の遅延時間を求める演算手段と、複数のアンテナと、制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記各アンテナと前記非接触情報記録媒体との間で通信を行い、その時の前記各アンテナと前記非接触情報記録媒体との距離の差を前記演算手段により演算することにより、前記非接触情報記録媒体の位置を判定することを特徴とする請求項1に記載のリーダライタ。
  3. 前記演算手段が前記各アンテナと前記非接触情報記録媒体との距離の差を演算する場合、前記非接触情報記録媒体から前記リーダライタへの返信時の後方散乱波を用いて測定することを特徴とする請求項1又は2に記載のリーダライタ。
  4. 検出範囲内の複数の非接触情報記録媒体を衝突なく検出するアンチコリジョンプロトコルにより通信する前記複数の非接触情報記録媒体の中から、特定の非接触情報記録媒体を指定して当該非接触情報記録媒体の位置を判定することを特徴とする請求項1、2又は3に記載のリーダライタ。
  5. 前記非接触情報記録媒体の位置を判定する判定可能範囲を広げるために、前記各アンテナ間の距離を可能な限り狭めて配置したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のリーダライタ。
  6. 前記各アンテナに所定の指向特性を持たせることにより、前記各アンテナと前記非接触情報記録媒体との距離差が大きくなる方向を該非接触情報記録媒体との通信範囲外とすることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のリーダライタ。
  7. 前記各アンテナの指向特性と受信強度から、前記各アンテナと前記非接触情報記録媒体との距離差を補正することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のリーダライタ。
  8. 前記制御手段は、前記演算手段により演算された遅延時間の差分を測定して前記アンテナと前記非接触情報記録媒体との距離の変化を求めることにより、前記非接触情報記録媒体が前記アンテナに最接近したタイミングを識別することを特徴とする請求項1又は2に記載のリーダライタ。
  9. 前記非接触情報記録媒体が存在し得る範囲に、前記アンテナ間における位相差が一意の方向を示すように2つのアンテナを配置し、前記制御手段は、前記各アンテナと前記非接触情報記録媒体との相対速度を演算する相対速度演算部を備え、該相対速度演算部による通過検出を使用して位相差を取得する共に、前記非接触情報記録媒体が前記各アンテナへ最接近する点を求めることにより、前記非接触情報記録媒体が存在する方向を取得して、該非接触情報記録媒体が前記アンテナ正面を通過したと判断することを特徴とする請求項1、2、3、4又は8に記載のリーダライタ。
  10. 検出範囲内の複数の非接触情報記録媒体を衝突なく検出するアンチコリジョンプロトコルにより通信する前記複数の非接触情報記録媒体の中から、特定の非接触情報記録媒体が存在し得る範囲に、前記アンテナ間における位相差が一意の方向を示すように2つのアンテナを配置し、前記制御手段は、前記各アンテナと前記特定の非接触情報記録媒体との相対速度を演算する相対速度演算部を備え、該相対速度演算部による通過検出を使用して位相差を取得する共に、前記特定の非接触情報記録媒体が前記各アンテナへ最接近する点を求めることにより、前記特定の非接触情報記録媒体が存在する方向を取得して、該特定の非接触情報記録媒体が前記アンテナ正面を通過したと判断することを特徴とする請求項1、2、3、4又は8に記載のリーダライタ。
  11. 前記複数のアンテナは、前記非接触情報記録媒体への送信及び受信を行なう第1のアンテナと、前記非接触情報記録媒体へ電波を送信する第2のアンテナと、前記非接触情報記録媒体からの反射波を受信する第3のアンテナと、を備えて構成されていることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載のリーダライタ。
  12. 請求項1乃至11の何れか一項に記載のリーダライタと、電波の送受信を仲介する複数のアンテナと、物品に係る情報を記録した非接触情報記録媒体を取り付けた物品と、該物品を搬送する搬送手段と、該搬送手段により搬送されてくる物品の通過を検知する検知手段と、前記搬送手段により搬送された物品を仕分けする仕分手段と、制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記演算手段により演算された遅延時間の差分を測定することにより前記各アンテナと前記物品との距離の変化を求めて、該物品の搬送順序と前記アンテナに対する移動方向を識別し、前記検知手段が該物品の通過を検知すると、先頭の物品が通過したと判断して、当該物品に係る仕分けを実行することを特徴とする物品仕分システム。
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