JP2008101692A - 一方向クラッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】トルク伝達時における係合子のすべりを防止する。
【解決手段】外輪1の内周面1a及び前記内輪2の外周面2aとの間に複数のスプラグ3と、各スプラグ3を保持する保持器4および各スプラグ3を係合方向へ付勢する弾性部材5を備え、前記外輪1と内輪2との間に充填されたグリースによって各スプラグ3と外輪1及び内輪2との接触部を潤滑するようにした一方向クラッチにおいて、前記スプラグ3の内径側カム面3d及び外径側カム面3uに、それぞれ隣り合う空転側カム面3u’,3d’から係合側カム面3u”,3d”の全域に亘って周方向に伸びる複数の溝10を形成した。溝10を形成したことにより、トルク伝達時にスプラグ3と外輪1の内周面1a、内輪2の外周面2aとの接触面積が、溝10を形成しない場合と比較して減少し、その接触部における面圧が増大する。このため、スプラグ3のスタンバイ時のみならず、トルク伝達時においても確実な油膜排除が可能となる。
【選択図】図3
【解決手段】外輪1の内周面1a及び前記内輪2の外周面2aとの間に複数のスプラグ3と、各スプラグ3を保持する保持器4および各スプラグ3を係合方向へ付勢する弾性部材5を備え、前記外輪1と内輪2との間に充填されたグリースによって各スプラグ3と外輪1及び内輪2との接触部を潤滑するようにした一方向クラッチにおいて、前記スプラグ3の内径側カム面3d及び外径側カム面3uに、それぞれ隣り合う空転側カム面3u’,3d’から係合側カム面3u”,3d”の全域に亘って周方向に伸びる複数の溝10を形成した。溝10を形成したことにより、トルク伝達時にスプラグ3と外輪1の内周面1a、内輪2の外周面2aとの接触面積が、溝10を形成しない場合と比較して減少し、その接触部における面圧が増大する。このため、スプラグ3のスタンバイ時のみならず、トルク伝達時においても確実な油膜排除が可能となる。
【選択図】図3
Description
この発明は、回転トルクの伝達と遮断とを行なう一方向クラッチに関するものである。
一般に、自動車等のエンジンのクランクシャフトの回転をベルトを介して各種補機類に伝達する補機駆動装置において、その補機類、例えば、パワーステアリング装置の油圧ポンプやエアコンディショナの圧縮機、あるいはオルタネータ等の回転軸と、その回転軸に設けられたプーリとの間に一方向クラッチが組込まれる。
この一方向クラッチは、クランクシャフトの回転の角速度が増加する時に、回転軸とプーリとを結合させて前記クランクシャフトの回転を回転軸に伝え、また、角速度が減少する時に、一方向クラッチをオーバランニングさせて、クランクシャフトから回転軸への回転トルクの伝達を遮断し、ベルトの滑りを防止するように機能する。
この種の補機駆動装置に採用される一方向クラッチとして、例えば、本発明の実施形態の説明図である図1に示すように、外輪の内周面と内輪の外周面との間の空間に、係合子として多数の「スプラグ」や「ローラ」を組み込んだ一方向クラッチが知られている。
上記一方向クラッチにおいて、外輪1と内輪2とは、同図に示すように、その一方向クラッチの軸方向両端において、それぞれ周方向に沿って配置されたボール9を有する軸受部8を介して、軸周り相対回転可能に支持されている。
また、その外輪1の内周面1aと内輪2の外周面2aとの間の空間には、隣り合う係合子3,3同士の周方向距離を一定に保つ環状の保持器4が設けられており、その空間にグリースが充填される。グリースは、各係合子3と、前記外輪1及び内輪2との接触部に介在して、その接触部を潤滑する。
また、その外輪1の内周面1aと内輪2の外周面2aとの間の空間には、隣り合う係合子3,3同士の周方向距離を一定に保つ環状の保持器4が設けられており、その空間にグリースが充填される。グリースは、各係合子3と、前記外輪1及び内輪2との接触部に介在して、その接触部を潤滑する。
一方で、その外輪1や内輪2の前記接触部に、グリースによる油膜が形成されていると、クラッチ係合時に滑りが発生することがあるので好ましくない。
このため、例えば、係合子3であるスプラグのカム面の一部に、周方向に伸びる盛り上がり部を設けて、係合子3と前記内外周面1a,2aとの受圧面積を小さくし、面圧を大きくすることにより、油膜を容易に切ることを可能にした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−82435号公報
このため、例えば、係合子3であるスプラグのカム面の一部に、周方向に伸びる盛り上がり部を設けて、係合子3と前記内外周面1a,2aとの受圧面積を小さくし、面圧を大きくすることにより、油膜を容易に切ることを可能にした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この特許文献1に記載のスプラグでは、内外輪2,1の空転状態(スプラグのスタンバイ時)において、前記盛り上がり部が前記内外周面1a,2aに接して油膜を切る(油膜を排除する)ことができるが、内外輪2,1の係合状態(トルク伝達時)には、その効果が減少してしまうという問題がある。盛り上がり部は、トルク伝達時において大きな圧接力を受けて幾分へたったり、クラッチ空転時に相対回転数差によって摩耗するなど、スプラグの形状を維持することが困難である。また、この現象は、係合子にローラを用いたクラッチにおいても同様である。
係合子を組み込んだクラッチにおいて、特に、一方向クラッチでは、油膜排除の効果は、スタンバイ時のみならずトルク伝達時においても発揮できることが好ましい。
係合子を組み込んだクラッチにおいて、特に、一方向クラッチでは、油膜排除の効果は、スタンバイ時のみならずトルク伝達時においても発揮できることが好ましい。
そこで、この発明は、一方向クラッチのトルク伝達時における係合子のすべりを防止することを課題とする。
上記の課題を解決するために、この発明は、同軸上に配置され相対的に軸周り回転可能な外輪及び内輪と、前記外輪と内輪との間に周方向に沿って配置され、前記外輪と内輪とが一方向に相対回転すると前記外輪の内周面及び前記内輪の外周面に係合して両輪を結合し他方向に相対回転すると前記係合が解除される複数のスプラグと、前記各スプラグを周方向に沿って保持する保持器と、前記各スプラグを外輪の内周面および内輪の外周面に係合する方向に付勢する弾性部材とから成り、前記外輪と内輪との間に充填されたグリースによって前記各スプラグと外輪及び内輪との接触部を潤滑するようにした一方向クラッチにおいて、前記スプラグに、隣り合う空転側カム面から係合側カム面の全域に亘って周方向に伸びる複数の溝を形成した構成を採用した。
この構成によれば、トルク伝達時にスプラグのカム面と外輪の内周面、内輪の外周面との接触面積が、溝を形成しない場合と比較して前記溝に相当する面積だけ減少し、その接触部における面圧が増大する。
このため、スプラグのスタンバイ時のみならず、トルク伝達時においても確実な油膜排除が可能となる。
なお、溝の本数、及び断面形状、深さは、そのスプラグと当接する外輪又は内輪との許容面圧、若しくは、封入されるグリース量に応じて適宜設定することができる。また、溝は、内径側カム面又は外径側カム面のいずれかのみに設けてもよいが、内外径カム面の双方に設ければ、さらに高い効果が期待できる。
このため、スプラグのスタンバイ時のみならず、トルク伝達時においても確実な油膜排除が可能となる。
なお、溝の本数、及び断面形状、深さは、そのスプラグと当接する外輪又は内輪との許容面圧、若しくは、封入されるグリース量に応じて適宜設定することができる。また、溝は、内径側カム面又は外径側カム面のいずれかのみに設けてもよいが、内外径カム面の双方に設ければ、さらに高い効果が期待できる。
また、係合子としてローラを採用した構成としては、同軸上に配置され相対的に軸周り回転可能な外輪及び内輪と、前記外輪と内輪との間に周方向に沿って配置される複数のローラとを備え、前記外輪の内周面もしくは前記内輪の外周面のいずれか一方に、他方の円周面との間で周方向へ伸びるくさび空間を形成するカム面が設けられて、前記外輪と内輪とが一方向に相対回転すると前記各ローラが前記くさび空間内で外輪の内周面及び前記内輪の外周面に係合して両輪を結合し他方向に相対回転すると前記係合が解除され、前記各ローラは、保持器によって周方向に沿って保持されるとともに弾性部材によって前記外輪の内周面および内輪の外周面に係合する方向に付勢されており、前記外輪と内輪との間に充填されたグリースによって前記各ローラと外輪及び内輪との接触部を潤滑するようにした一方向クラッチにおいて、前記ローラの全周に亘って周方向に伸びる複数の溝を形成した構成を採用し得る。
この構成によれば、上記スプラグの場合と同様、トルク伝達時にローラの外周と外輪の内周面、内輪の外周面との接触面積が、溝を形成しない場合と比較して前記溝に相当する面積だけ減少し、その接触部における面圧が増大する。
このため、ローラのスタンバイ時(非係合時)のみならず、トルク伝達時においても確実な油膜排除が可能となる。
なお、溝の本数、及び断面形状、深さは、そのローラと当接する外輪又は内輪との許容面圧、若しくは、封入されるグリース量に応じて適宜設定することができる点も同様である。
このため、ローラのスタンバイ時(非係合時)のみならず、トルク伝達時においても確実な油膜排除が可能となる。
なお、溝の本数、及び断面形状、深さは、そのローラと当接する外輪又は内輪との許容面圧、若しくは、封入されるグリース量に応じて適宜設定することができる点も同様である。
上記の各構成において、スプラグやローラに形成された溝は、それぞれ軸方向に沿って全域に等間隔に設けられる構成とすることができる。このようにすれば、スプラグのカム面又はローラの周面と外輪の内周面、内輪の外周面との接触部における面圧が全体に亘って均一になるので、より好ましい形態といえる。
なお、上記一方向クラッチの各構成は、その一方向クラッチの外輪の外周に、ベルト駆動用プーリを圧入固定し、プーリ装置とした構成を採用することができる。
この発明は、一方向クラッチに用いる係合子としてのスプラグに、隣り合う空転側カム面から係合側カム面の全域に亘って周方向に伸びる複数の溝を形成し、あるいは、同じく一方向クラッチに用いる係合子としてのローラの全周に亘って周方向に伸びる複数の溝を形成したので、その一方向クラッチのトルク伝達時における係合子のすべりを防止することができる。
この発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、プーリ7内に一方向クラッチを組込んだクラッチ内蔵プーリ装置を示す。
一方向クラッチは、プーリ7の内径面に圧入された外輪1と、その外輪1の内側に同軸上に組込まれた内輪2と、その内外両輪1,2間に組込まれたスプラグ(係合子)3と、このスプラグ3を保持する保持器4と、上記スプラグ3を係合方向に付勢するコイルバネ(弾性部材)5とから成る。
一方向クラッチは、プーリ7の内径面に圧入された外輪1と、その外輪1の内側に同軸上に組込まれた内輪2と、その内外両輪1,2間に組込まれたスプラグ(係合子)3と、このスプラグ3を保持する保持器4と、上記スプラグ3を係合方向に付勢するコイルバネ(弾性部材)5とから成る。
外輪1の内周には、内周円筒面(内周面)1aが形成され、内輪2の外周には、前記外輪1の内周円筒面1aと径方向で対向する外周円筒面(外周面)2aが形成されている。また、その内輪2の外周には、前記外周円筒面2aの軸方向両側に、前記外周円筒面2aよりもやや小径の軸受嵌合面2c,2cが形成され、各軸受嵌合面2c,2cに軸受部8が嵌合されている。
軸受部8は、片シール付き玉軸受から成る。この軸受部8は、シールが軸方向外側に位置するように組付けされ、ボール9を介してプーリ7と一体の外輪1と内輪2とが、相対的に軸周り回転自在とされている。この軸方向両側に設けた軸受部8,8間において、外輪1と内輪2間の空間にグリースが封入されている。
各スプラグ3は、外輪1の内周円筒面1aと内輪2の外周円筒面2a間において、周方向に所定の間隔をおいて等間隔に配置され、その外輪1の内周円筒面1aと内輪2の外周円筒面2a間において、前記各スプラグ3を周方向に位置決めする保持器4が設けられている。保持器4は、合成樹脂の成形品から成り、各スプラグ3を個別に収容する複数のポケット4aと、各ポケット4aに連通するばね収容凹部4bとが形成されている(図2(a)参照)。
各ばね収容凹部4b内に、前記コイルバネ5が組込まれて、そのコイルバネ5は、各スプラグ3に形成された外径側カム面3u及び内径側カム面3dが、それぞれ、外輪1の内周円筒面1a及び内輪2の外周円筒面2aに係合する方向にそのスプラグ3を付勢している。
各ばね収容凹部4b内に、前記コイルバネ5が組込まれて、そのコイルバネ5は、各スプラグ3に形成された外径側カム面3u及び内径側カム面3dが、それぞれ、外輪1の内周円筒面1a及び内輪2の外周円筒面2aに係合する方向にそのスプラグ3を付勢している。
このクラッチ内蔵プーリ装置では、プーリ7を備えた外輪1が駆動側、内輪2が従動側であり、前記各スプラグ3は、そのプーリ7と共に外輪1が、内輪2に対して図1(a)に示す矢印方向に相対回転したとき、前記内外各円筒面1a,2aに係合して、外輪1の回転トルクを内輪2に伝達する。
また、各スプラグ3は、外輪1が内輪2に対して前記矢印で示す反対方向に相対回転したり、あるいは、前記矢印方向に回転する外輪1に対して同方向に回転する内輪2の回転速度が外輪1の回転速度を上回った場合に、前記内外各円筒面1a,2aに対する係合を解除して、外輪1から内輪2への回転伝達を遮断するようになっている。
また、各スプラグ3は、外輪1が内輪2に対して前記矢印で示す反対方向に相対回転したり、あるいは、前記矢印方向に回転する外輪1に対して同方向に回転する内輪2の回転速度が外輪1の回転速度を上回った場合に、前記内外各円筒面1a,2aに対する係合を解除して、外輪1から内輪2への回転伝達を遮断するようになっている。
したがって、図2(a)に示すように、プーリ7(外輪1)を矢印f2方向に回転すると、スプラグ3が図中に鎖線で示す方向へその姿勢を変え(矢印s1参照)、そのスプラグ3の各カム面3u,3dが、外輪1の内周円筒面1aおよび内輪2の外周円筒面2aに係合する。この係合により、プーリ7の回転が内輪2に伝達される。
内輪2の回転速度が外輪1の回転速度を上回ると、内輪2に対しプーリ7は図中矢印f1の方向へ相対回転するので、スプラグ3は逆方向にその姿勢を変え(矢印s2参照)、内外各円筒面1a,2aに対するスプラグ3の係合が解除され、外輪1から内輪2への回転伝達が遮断される。
内輪2の回転速度が外輪1の回転速度を上回ると、内輪2に対しプーリ7は図中矢印f1の方向へ相対回転するので、スプラグ3は逆方向にその姿勢を変え(矢印s2参照)、内外各円筒面1a,2aに対するスプラグ3の係合が解除され、外輪1から内輪2への回転伝達が遮断される。
このため、このようなクラッチ内蔵プーリ装置を、例えばオルタネータの回転軸に取付けてクランクシャフトに取付けられたプーリと上記回転軸上のプーリ間にベルトをかけ渡してオルタネータを駆動すると、クランクシャフトの角速度増加時、一方向クラッチが係合状態となり、クランクシャフトの回転がオルタネータの回転軸に伝達される。また、クランクシャフトの角速度減少時、一方向クラッチが空転状態となって、クランクシャフトからオルタネータの回転軸への回転伝達が遮断されることになる。
このため、プーリ7とこれにかかるベルトの相互間で滑りが生じるのが防止され、ベルトの摩耗を抑制することができる。
なお、この実施形態は、外輪1が駆動側、内輪2が従動側としているが、他の実施形態として、内輪2を駆動側、外輪1を従動側とした各種用途の一方向クラッチにも適用可能である。
このため、プーリ7とこれにかかるベルトの相互間で滑りが生じるのが防止され、ベルトの摩耗を抑制することができる。
なお、この実施形態は、外輪1が駆動側、内輪2が従動側としているが、他の実施形態として、内輪2を駆動側、外輪1を従動側とした各種用途の一方向クラッチにも適用可能である。
その各スプラグ3には、図2及び図3に示すように、内径側カム面3d及び外径側カム面3uにおいて、それぞれ空転側カム面3d’,3u’から係合側カム面3d”,3u”に亘って周方向に延びる溝10が形成されている。その溝10は、内径側カム面3d及び外径側カム面3uにおいて、それぞれその隣り合う空転側カム面3d’,3u’から係合側カム面3d”,3u”の全域に連続して設けられており、溝10の周方向両端部(溝終端部)10aは、スプラグ3の係合側側面、空転側側面にそれぞれ開放されている(図3(a)(b)参照)。
また、この実施形態では、溝10は、内径側カム面3d及び外径側カム面3uにおいて、それぞれ軸方向に沿って全域に等間隔で複数本設けられており、さらに、その内径側カム面3dの溝10と外径側カム面3uの溝10とは、同一幅、同一深さで、且つ同一本数、同一間隔に設定されている。
また、この実施形態では、溝10は、内径側カム面3d及び外径側カム面3uにおいて、それぞれ軸方向に沿って全域に等間隔で複数本設けられており、さらに、その内径側カム面3dの溝10と外径側カム面3uの溝10とは、同一幅、同一深さで、且つ同一本数、同一間隔に設定されている。
なお、前記空転側カム面3d’,3u’とは、スプラグ3が空転側へ姿勢変更した際に、前記内外円筒面1a,2aに対向する側のカム面、すなわち係合時に内外円筒面1a,2aに接しない部分である(図2(b)参照)。また、係合側カム面3d”,3u”とは、スプラグ3が係合側へ姿勢変更した際に、前記内外円筒面1a,2aに対向する側のカム面である。
スプラグ3に溝10を形成したことにより、スプラグ3を介して内外輪2,1が結合した際に、そのスプラグ3の内径側カム面3d、外径側カム面3uと、前記内外円筒面1a,2aとの接触面積が、溝10を形成しない場合と比較して前記溝10に相当する面積だけ減少し、その接触部における面圧が増大する。
このため、スプラグ3のスタンバイ時のみならず、トルク伝達時においても、前記内外円筒面1a,2aの確実な油膜排除が可能となる。
このため、スプラグ3のスタンバイ時のみならず、トルク伝達時においても、前記内外円筒面1a,2aの確実な油膜排除が可能となる。
また、その内径側カム面3d、外径側カム面3uの全域に亘り、それぞれ溝10が周方向に連続して形成されており、また、その溝10の溝終端部10aが、スプラグ3の係合側側面、空転側側面にそれぞれ開放されているので、その溝10内に入り込んだグリースの周方向への排出がスムースである。
なお、図面において、溝10は、理解しやすいように深さ、幅を誇張して描いているが、この溝10は、一般的な面粗さ、例えば、中心線平均粗さRa0.4程度に匹敵するような深さ、幅の溝10の集合であっても、前記面圧の増大に有効に作用することが実験により確認されている。
したがって、この発明は、必ずしもすべての溝10が、軸方向に沿って同一幅、同一深さであり、且つ軸方向等間隔に形成されていることを要件とするものではない。
また、この発明は、内径側カム面3dの溝10と外径側カム面3uの溝10とが、その各溝10の幅、深さ、本数、間隔等の各条件の一部又は全部を異なるように設定された構成も採用可能である。
したがって、この発明は、必ずしもすべての溝10が、軸方向に沿って同一幅、同一深さであり、且つ軸方向等間隔に形成されていることを要件とするものではない。
また、この発明は、内径側カム面3dの溝10と外径側カム面3uの溝10とが、その各溝10の幅、深さ、本数、間隔等の各条件の一部又は全部を異なるように設定された構成も採用可能である。
図4及び図5に他の実施形態を示す。この実施形態は、係合子として円柱状のローラ3を採用した一方向クラッチである。
クラッチの構成は、外輪1の内周面1aと前記内輪2の外周面2aとの間に配置された複数のローラ3が、それぞれ弾性部材5により係合方向に付勢されており、前記外輪1と内輪2とが一方向に相対回転すると、複数のローラ3が、前記外輪1の内周カム面(内周面)1aと前記内輪2の外周円筒面(外周面)2aとの間に形成されたくさび状空間内で両輪1,2に結合し、また、他方向に相対回転するとその係合が解除されるように機能する。
また、外輪1と内輪2との間の空間に、グリースが充填されている点は、スプラグ3を用いた前述の一方向クラッチと同様である。
クラッチの構成は、外輪1の内周面1aと前記内輪2の外周面2aとの間に配置された複数のローラ3が、それぞれ弾性部材5により係合方向に付勢されており、前記外輪1と内輪2とが一方向に相対回転すると、複数のローラ3が、前記外輪1の内周カム面(内周面)1aと前記内輪2の外周円筒面(外周面)2aとの間に形成されたくさび状空間内で両輪1,2に結合し、また、他方向に相対回転するとその係合が解除されるように機能する。
また、外輪1と内輪2との間の空間に、グリースが充填されている点は、スプラグ3を用いた前述の一方向クラッチと同様である。
このローラ3には、周方向全周に亘る複数の溝10が形成されている。溝10の構成は、スプラグ3の場合と同様であるが、そのローラ3の周方向全周に亘って形成されている点で異なっている。溝10の作用は、スプラグ3の場合と同様であるので説明を省略する。
1 外輪
2 内輪
3 係合子(スプラグ,ローラ)
3u 外径側カム面
3d 内径側カム面
3u’,3d’ 空転側カム面
3u”,3d” 係合側カム面
4 保持器
5 コイルバネ(弾性部材)
7 プーリ
8 軸受部
9 ボール
10 溝
10a 溝終端部
2 内輪
3 係合子(スプラグ,ローラ)
3u 外径側カム面
3d 内径側カム面
3u’,3d’ 空転側カム面
3u”,3d” 係合側カム面
4 保持器
5 コイルバネ(弾性部材)
7 プーリ
8 軸受部
9 ボール
10 溝
10a 溝終端部
Claims (4)
- 同軸上に配置され相対的に軸周り回転可能な外輪1及び内輪2と、前記外輪1と内輪2との間に周方向に沿って配置され、前記外輪1と内輪2とが一方向に相対回転すると前記外輪1の内周面1a及び前記内輪2の外周面2aに係合して両輪1,2を結合し他方向に相対回転すると前記係合が解除される複数のスプラグ3と、前記各スプラグ3を周方向に沿って保持する保持器4と、前記各スプラグ3を外輪1の内周面1aおよび内輪2の外周面2aに係合する方向に付勢する弾性部材5とから成り、前記外輪1と内輪2との間に充填されたグリースによって前記各スプラグ3と外輪1及び内輪2との接触部を潤滑するようにした一方向クラッチにおいて、
前記スプラグ3に、隣り合う空転側カム面から係合側カム面の全域に亘って周方向に伸びる複数の溝10を形成したことを特徴とする一方向クラッチ。 - 同軸上に配置され相対的に軸周り回転可能な外輪1及び内輪2と、前記外輪1と内輪2との間に周方向に沿って配置される複数のローラ3とを備え、前記外輪1の内周面1aもしくは前記内輪2の外周面2aのいずれか一方に、他方の円周面との間で周方向へ伸びるくさび空間を形成するカム面が設けられて、前記外輪1と内輪2とが一方向に相対回転すると前記各ローラ3が前記くさび空間内で外輪1の内周面1a及び前記内輪2の外周面2aに係合して両輪1,2を結合し他方向に相対回転すると前記係合が解除され、前記各ローラ3は、保持器4によって周方向に沿って保持されるとともに弾性部材5によって前記外輪1の内周面1aおよび内輪2の外周面2aに係合する方向に付勢されており、前記外輪1と内輪2との間に充填されたグリースによって前記各ローラ3と外輪1及び内輪2との接触部を潤滑するようにした一方向クラッチにおいて、
前記ローラ3の全周に亘って周方向に伸びる複数の溝10を形成したことを特徴とする一方向クラッチ。 - 前記複数の溝10は、それぞれ軸方向に沿って全域に等間隔で設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の一方向クラッチ。
- 請求項1から3のいずれかに記載の一方向クラッチの外輪1の外周にベルト駆動用プーリ7を圧入固定したことを特徴とするプーリ装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009299864A (ja) * | 2008-06-17 | 2009-12-24 | Ntn Corp | 一方向クラッチ及び一方向クラッチ内蔵プーリ |
-
2006
- 2006-10-19 JP JP2006284672A patent/JP2008101692A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009299864A (ja) * | 2008-06-17 | 2009-12-24 | Ntn Corp | 一方向クラッチ及び一方向クラッチ内蔵プーリ |
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