JP2008101488A - 燃料噴射ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】スプリングなどの付勢部材を廃止しても燃料を加圧することができる構造を備えた燃料噴射ポンプを提供する。
【解決手段】駆動軸41の回転力を往復駆動力に変換するリフタ30と、シリンダブロック10に形成したシリンダ11内を往復動可能に配置され、前記リフタから駆動力を受けて移動するプランジャ20とを、備えている燃料噴射ポンプ1Aであって、前記リフタ30と前記プランジャ20とを別体で形成すると共に、これらを互いに離間可能に配設し、前記リフタの姿勢を一定に維持する姿勢維持構造12が更に設けてある。姿勢維持構造によりリフタの姿勢が一定に維持されるので偏荷重を受けても傾くことが抑制される。しかも、プランジャはリフタと別体に形成され離間可能であるので、プランジャに無理な力が加わるのを確実に防止できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は内燃機関に適用される燃料噴射ポンプに関する。
駆動軸の回転をプランジャ(バルブ)の往復動作に変換して、燃料を加圧(昇圧)させる燃料噴射ポンプが従来からディーゼルエンジンなどの内燃機関に適用されている。この種の燃料噴射ポンプとしては、内燃機関からの駆動軸に偏心カムを固定して揺動回転させ、このカムにタペットと称されるリフタ(バルブリフタ)を摺接させて回転力を軸線に沿った往復動作に変換する機構を採用するものが知られている。すなわち、従来の燃料噴射ポンプではタペットが偏心回転するカムに摺接することで、駆動軸の回転動作を軸方向での往復動作に変換する。このタペットを介してプランジャを上下動作させて燃料を加圧する。そして、燃料噴射ポンプではタペットがカムに沿って確実な動作をするように、一般にタペットをスプリングでカムに強く押付けるようにしている。しかし、このような構造では応力が一部に集中して損傷し易いなどの問題が発生する。そこで、例えば特許文献1は、破損し易い部分に応力が集中しない構造に改善した燃料噴射ポンプを提案している。
特開2000−145574号公報
前述のように、特許文献1で開示する技術を含めて、従来の燃料噴射ポンプではプランジャとタペットとを一体的に形成したり、別体に形成したプランジャとタペットとを一体化させる構造が採用されている。そして、上記のようにタペットはカムの回転に応じて確実に往復動作するように強いスプリングで付勢されている。
タペットはカムの回転動作を軸線に沿った往復動作に変換しているので、カムから斜め押上げるように作用する力(以下、偏荷重という)受ける場合がある。従来の燃料噴射ポンプはプランジャとタペットとは一体化されているので、仮にタペットに偏荷重が作用して傾いたとすると、一体的であるプランジャも傾き姿勢になってしまう。プランジャがこのように、傾き姿勢で動作するとシリンダ内壁の一部に強い力が発生して潤滑油による油膜が破壊されてしまう場合がある。その結果としてシリンダ磨耗の問題が発生する。そこで、上記のように強力なスプリングを用いてタペットをカムに押圧する構造を採用しておけば、この磨耗の問題を抑制できる。
ところが、燃料噴射ポンプに強力なスプリングを採用すると次のような不都合が発生し易い。先ず、燃料噴射ポンプに燃料を供給する側(上流側)の流れが遮断された状態でプランジャが強力なスプリングにより押し下げられるとキャビテーション(負圧に基づく気泡)が発生する場合がある。そして、キャビテーションは周辺にエロージョン(気泡が破裂したときのエネルギによる壊食)を発生させるので、このエロージョンを抑制することが望まれる。また、強力なスプリングを採用して、タペットをカムに強い力で押付けるので、タペット及びカムだけでなくその周辺構造にも強い負荷が係るので破損或いは損傷し易いという問題もある。
したがって、本発明の主な目的は、先ずスプリングなどの付勢部材を廃止しても燃料を加圧することができる構造を備えた燃料噴射ポンプを提供することであり、また付勢部材を採用する場合であっても相対的に弱く付勢力がプランジャに影響を与えない燃料噴射ポンプを提供することである。
上記目的は、駆動軸の回転力を往復駆動力に変換するリフタと、シリンダブロックに形成したシリンダ内を往復動可能に配置され、前記リフタから駆動力を受けて移動するプランジャとを、備えている燃料噴射ポンプであって、前記リフタと前記プランジャとを別体で形成すると共に、これらを互いに離間可能に配設し、前記リフタの姿勢を一定に維持する姿勢維持構造が更に設けてある燃料噴射ポンプによって達成できる。
本発明によると、姿勢維持構造によりリフタの姿勢が一定に維持されるので偏荷重を受けても傾くことが抑制される。しかも、プランジャはリフタと別体に形成され離間可能であるので、プランジャに無理な力が加わるのを確実に防止できる。これによりシリンダ内でプランジャが磨耗するのを抑制できる。
また、前記リフタが片側だけに底部を備える有底円筒形状の部材であって、前記姿勢維持構造は、前記リフタの開口部側を摺動自在に受入れる環状溝を備える前記シリンダブロックとすることができる。この場合、リフタを有底円筒形状(コップ型の形状)に形成しておき、その開口部側を摺動自在に受入れる環状溝をシリンダブロックに形成するという比較的簡単な姿勢維持構造でリフタの移動を許容しながらその姿勢を維持できる。
なお、前記リフタと前記シリンダブロックとの間に、当該リフタを前記駆動軸側に向けて付勢する付勢部材を更に配置してある構造を採用してもよい。この場合には、従来と比較して弱い付勢部材でリフタの姿勢を維持することができる。
また、前記プランジャと前記リフタとの間に、油圧ダンパが更に設けてある構造を採用することがより望ましい。この場合には、一旦分離したプランジャとリフタとの当接(着座)時における衝撃を緩和できる。
そして、前記油圧ダンパを前記プランジャ及び前記リフタとは別体で形成し、前記油圧ダンパは前記プランジャと前記リフタとの距離が縮小するのに応じて油圧を発生させることがより好ましい。この場合には、プランジャとリフタとの距離が縮小するのに応じて油圧が発生するので衝撃を効率良く緩和できる。油圧ダンパがプランジャ及びリフタの双方から分離して形成してあるのでプランジャにスラスト力が作用することを抑制することもできる。
また、前記油圧ダンパに、前記プランジャと前記リフタとの間に隙間が発生したときに開口して流体を内部に流入させるオリフィスが更に形成してある構造を採用するのが更に好ましい。この場合、更にダンパとリフタとの衝撃を抑制できる。
また、前記リフタは前記駆動軸によって回転駆動されるカムに当接することにより往復動するように形成されており、前記リフタには前記カムが当接する側と前記油圧ダンパの内側とを連通する第1の流体通路を設け、前記カムには当該カムが前記リフタから離間する方向に移動するときには前記第1の流体通路と連通し、当該カムが前記リフタと接触して移動するときには前記第1の流体通路と遮断される第2の流体通路が設けてある燃料噴射ポンプとしてもよい。
このような構造を採用すると、プランジャとリフタとが離れるときには、油圧力を発生させない構造として容易な分離を可能にする。これとは逆に互いに接触するとき油圧力を発生させて当接時に発生する衝撃を緩和することができる。
本発明によると、スプリングなどの付勢部材を廃止しても燃料を加圧することができる構造を備えた燃料噴射ポンプを提供できる。また、付勢部材を採用する場合であっても相対的に弱く付勢力がプランジャに影響を与えない燃料噴射ポンプを提供することもできる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る燃料噴射ノズルについて説明する。
図1は、実施例1に係る燃料噴射ポンプ1Aの構成を示した図である。この燃料噴射ポンプ1Aは、ディーゼルエンジンのような内燃機関の燃料供給経路の途中に適用されて燃料圧を上昇させる。例えば、燃料噴射ポンプ1Aは燃料タンクから燃料を供給するフィードポンプ101と、加圧燃料を複数のインジェクタに供給するコモンレール102との間に配置されて燃料を加圧する。この燃料噴射ポンプ1Aは、燃料通路103、104のそれぞれを介して、フィードポンプ101及びコモンレール102と接続されている。上流側の燃料通路103の途中にはフィードポンプ101から燃料噴射ポンプ1Aへ向けた流れだけを許容する逆止弁105が配置されている。また、下流側の燃料通路104の途中には燃料噴射ポンプ1Aで加圧した燃料をコモンレール102へ向けて流すための逆止弁106が配置されている。
燃料噴射ポンプ1Aはシリンダ11が形成されるシリンダブロック10、シリンダ11内に収納されるプランジャ20、リフタ30及びこのリフタ30に回転力に基づく駆動力を伝達する駆動系40を含んで構成されている。
シリンダブロック10は、この燃料噴射ポンプ1Aのハウジングとしても機能しており、上記の燃料通路103、104や逆止弁105、106が組付けされている。シリンダブロック10の中央には筒状中空のシリンダ11が形成されている。このシリンダ11内に軸線AX方向(図1で上下方向)で往復動するプランジャ20が嵌合されている。プランジャ20の上面とシリンダ11の内壁上部に囲まれた領域が加圧室15となっている。この加圧室15に上記燃料通路103、104の開口が臨むように組付けされており、プランジャ20が軸線AX方向で往復したときに容積を変化させ加圧した燃料を送り出す。より具体的には、吸入行程では加圧室15内の容積を拡大させ、圧縮行程では加圧室15内の容積を縮小させる。これにより燃料を加圧してコモンレール102側へ押し出す。このような基本動作については従来の燃料噴射ポンプと同様である。ただし、実施例1に係る燃料噴射ポンプ1Aは、駆動系40に含まれているカムの回転力からリフタ30が偏荷重を受ける場合があってもプランジャに直接に作用させないための新規な構造(姿勢維持構造)を設けてある。この新規な構造について説明する。
上記プランジャ20の下方には、プランジャ20に圧縮力を付与するためのリフタ30、更にこのリフタ30を駆動する駆動系40とが配置してある。本実施例のリフタ30は、従来装置におけるタペットに対応する部材であるが新規な形状となっている。リフタ30は有底円筒形状に形成してある。ここで、有底円筒形状とは中空円筒の片側にだけ底部を設けた形状であり、例えば水を入れるコップの様な形状がこれに相当する。なお、コップには種々の形態があるがこのリフタ30は円筒部分が真っ直ぐな形状である。
上記リフタ30は底部31の下面31USが後述するカムリング43のガイド面43SL−1に摺接することで、軸線AX方向において所定範囲を往復動する。そして、リフタ30の上部側となる開口部30LPは、シリンダブロック10に形成した円環状に切欠いて形成した溝(以下、環状溝12と称す)に収納されている。換言すると、シリンダブロック10にはシリンダ11の外側に同心的に形成した環状溝12が形成されている。この環状溝12内にリフタ30の開口部30LPが摺動可能に収納されている。リフタ30は、軸線AX方向で円滑に摺動するように、開口部30LPが環状溝12内にガタなく嵌合されている。図1では、開口部30LPの外周面を環状溝12の内壁面に当接させて嵌合させた場合を例示している。
更に、リフタ30の下側には駆動系40が設けられている。駆動系40は駆動軸41、偏心カム42及びカムリング43によって構成されている。駆動系の構成は従来と同様である。駆動軸41は内燃機関の出力軸に基づいて矢印ARで示すように反時計方向に回転する。この駆動軸41に偏心カム42が固定されて一体に回転する。そして、偏心カム42の外側にカムリング43が摺動自在に嵌合されている。よって、駆動軸41が反時計方向へ回転したときに、カムリング43は姿勢を維持しながら揺動する。
なお、上記カムリング43の外周に更に2箇所にガイド面43SL−2〜−4が形成されている。図1は、第1のガイド面43SL−1によって駆動されるリフタ30とその周辺を主に図示してある。他のガイド面43SL−2、43SL−3の周辺にも、破線で示すように上記と同様のポンプ構造が配置されている。すなわち、この燃料噴射ポンプ1Aは、駆動軸41を中心として放射状に3個のプランジャを配して燃料を加圧することができる。そして、図1ではシリンダブロック10の一部を図示してあるが実機のシリンダブロックは肉厚のリング型形状である。このリング型形状の中央空間に、上記カムリング43を含む駆動系40が配設されている。そして、カムリング43やリフタ30をスムーズに駆動させるために空間内は潤滑油が満たされている。以下では、カムリング43やリフタ30の周辺が潤滑油で満たされた構造となっていることを前提として説明する。
なお、リフタ30の底部31の近傍には内外を連通させる連通路32が形成してある。この連通路32を介して潤滑油が内外に流れる。よって、潤滑油で満たされた空間内であっても、リフタ30をスムーズに移動させることができる。
更に、図2を参照して、以上の構成を備えた燃料噴射ポンプ1Aの動作を説明する。図2は、燃料噴射ポンプ1Aの動作をまとめて示した図であり、(A)はプランジャ20が上死点位置(最上位置)にあって、加圧室15で加圧した燃料をコモンレールへ供給するときの位置である(図1参照)。(A)における駆動軸41の位置を基準(回転角度をゼロ度)として、各図(B)、(C)、(D)は駆動軸41が90度ずつ回転した状態を示している。
(A)のゼロ度から(B)の90度を介して、(C)の回転角180度となる下死点位置までが燃料噴射ポンプ1Aの吸入行程となる。従来の燃料噴射ポンプでは、この吸入行程でスプリングを用いてプランジャを強力に押し下げていた。しかし、燃料噴射ポンプ1Aの場合は上流に配置したフィードポンプ101(図1参照)が燃料を加圧室15に送り込む力(燃料の供給圧)によりプランジャ20を押し下げる。そして、このプランジャ20によりリフタ30を押し下げて、カムリング43に当接させる。このように本実施例1では、上流側に設けた燃料の供給圧でプランジャ20を押し下げるという構成を採用するのでスプリング(付勢部材)を省略した構造とすることができる。
また、(C)の180度の位置から、(D)の270度を介して、(A)の360度(ゼロ度)までが燃料噴射ポンプ1Aの燃料加圧行程となる。このときには、カムリング43に伝達されている回転力がリフタ30によりプランジャ20を押上げる力に変換される。このときに、カムリング43からリフタ30に偏荷重が作用することがある。しかし、この燃料噴射ポンプ1Aの場合にはプランジャ20がリフタ30内に離間可能に設定されている。そして、リフタ30は前述したように有底円筒形状であり、その開口部30LPは環状溝12内で摺動するので、リフタ30が偏荷重を受けても内部に離間可能に配設してあるプランジャ20に偏荷重が作用することがない。よって、従来ポンプのように偏荷重を受けたプランジャ20が傾斜してシリンダ11との間で磨耗が発生することを抑制できる。
なお、(C)ではカムリング43が幾分か傾斜した場合を特に例示的に示してある。上記のように燃料噴射ポンプ1Aは、プランジャ20とリフタ30とが別体に形成されて離間可能には配備してある。そして、これらを下向きに付勢する付勢部材(スプリング)も配備していない。よって、例えば(B)90度のときに加圧室15への燃料供給を停止したときには、プランジャ20とリフタ30の下降位置が不十分となり、カムリング43が揺動回転したときに(C)で示すようにカムリングがリフタ30に片当りする状態が形成される場合ある。このようなときにリフタ30には偏荷重が作用することになるが、前述したように内部に配置したプランジャ20はこの偏荷重の影響を受けないので深刻な問題を発生させない。そして、図(C)で示している状態は一時的なものであり、フィードポンプが駆動したときに解消されるので問題とはならない。
以上で説明したところから明らかなように、実施例1の燃料噴射ポンプ1Aはリフタ30が有底円筒形状とされており、シリンダブロック10に設けた環状溝12内を摺動する。しかも、リフタ30の内部側にはプランジャ20が離間可能に配置されている。これによりリフタ30がカムリング43から偏荷重を受けてもプランジャ20に力が及ぶことがない。よって、スプリングが無くてもカムリング43の揺動回転に基づいて燃料を加圧でき、偏荷重をプランジャ20に作用させない構造を備えるのでプランジャとシリンダとの磨耗を確実に抑制できる。
以上で明らかなように、実施例1の燃料噴射ポンプ1Aはスプリングを用いない構造であっても燃料を加圧できる。よって、従来のように強力なスプリングを用いたことに基づいて発生するキャビテーションによるエロージョンの問題や周辺構造の損傷を抑制できる。
なお、実施例1で例示した駆動系40は駆動軸41、偏心カム42及びカムリング43で形成してあるがこれに限らない。カムリング43を省略して、偏心カム42の外形を所定の形状に設計してリフタ30を上下に駆動するようにしてもよい。
図3は、実施例2に係る燃料噴射ポンプ1Bの構成を示した図である。この図3では実施例1の燃料噴射ポンプ1Aと同じ部位に同一の符号を付すことで、重複する説明を省略する。この燃料噴射ポンプ1Bは、実施例1の燃料噴射ポンプ1Aに付勢部材としてスプリング33を更に追加したものである。
この燃料噴射ポンプ1Bには、シリンダブロック10の下面10USとリフタ30の底部上面31TSとの間にスプリング33が配備されている。このスプリング33はリフタ30をカムリング43側へ付勢する。よって、リフタ30をカムリング43に常時接触させる状態を形成できるので、本実施例2は、先に説明した実施例1の図2(C)で示した片当りの発生を防止することができる。このスプリング33は、リフタ30を降下させてカムリング43に当接させればよいので弱いバネ力でよい。しかも、スプリング33の付勢力はプランジャ20に作用していない。よって、実施例2の燃料噴射ポンプ1Bは、スプリング33を追加採用する構造ではあるが、先に指摘した従来装置のような強いスプリングを用いた場合の問題を生じることはない。図面を参照して更に他の実施例を説明する。なお、以下の実施例で示す図でも、実施例1の燃料噴射ポンプ1Aと同じ部位に同一の符号を付すことで重複する説明を省略する。
図4は、実施例3に係る燃料噴射ポンプ1Cの構成を示した図である。この燃料噴射ポンプ1Cは、実施例2の燃料噴射ポンプ1Bの構造に変更を加えて改善したものである。この燃料噴射ポンプ1Cは、スプリング33の下側に油圧ダンパ35が新たに配置してある。油圧ダンパ35はプランジャ20に対して摺動自在に嵌合された段差のあるリング形状の部材で、スプリング33の付勢力が作用するように配置されている。油圧ダンパ35には内外を貫通する貫通路36が設けてある。図4はプランジャ20が上死点にあるときを示しているが、この位置から吸入行程が開始してプランジャ20及びリフタ30が降下する。プランジャ20とリフタ30とは分離可能に設計してあるので、お互いに離れる場合がある。そして、プランジャ20とリフタ30とが離れた後に、カムリング43によってリフタ30が上昇に転じる。よって、プランジャ20がリフタ30の底部上面31TSに着座(当接)するときにはある程度の衝撃が発生する。油圧ダンパ35は、この時に発生する衝撃を緩和させる。
なお、図示する油圧ダンパ35はプランジャ20の外側に摺動自在に嵌合された状態である。そして、油圧ダンパ35はプランジャ20及びリフタ30の双方から独立に形成した部材(ピース)として形成されている。この油圧ダンパ35の高さ(軸線AX方向での長さ)は、プランジャ20とリフタ30とが最も離間した状態となってもプランジャ20から離脱しないように設定してある。
図4は、プランジャ20が上死点位置(図2の(A)に相当する位置)にあるときを示し、油圧ダンパ35も最も上方に位置した状態を示している。この後、油圧ダンパ35はスプリング33の付勢力を受けるので、リフタ30を押下してプランジャ20の下端よりも下に下がる。このときには貫通路36を介して潤滑油が油圧ダンパ35内に入る。よって、リフタ30がプランジャ20と離間した後に上昇に転じて、プランジャ20が着座するときにはこれより先に油圧ダンパ35内の潤滑油が貫通路36を介して徐々に押出される状態が形成されるので衝撃を緩衝(緩和)できる。以上のように実施例の燃料噴射ポンプは、プランジャ20とリフタ30とが離間するのを許容する構造であるが、油圧ダンパ35を配置することで着座(当接)時に発生する衝撃を効率良く緩和することができる。
図5は、燃料噴射ポンプ1Cの動作をまとめて示した図である。この図5は、先に示した図2と同様に駆動軸41の位置を基準(回転角度でゼロ度)にして(A)から示している。ここで(B)90度、(C)180度であるが、(D)は着座直後、(E)270度で油圧ダンパ35の衝撃吸収機能が作用して、(F)は油圧ダンパ35内の潤滑油が内部から抜けて緩衝動作が完了した状態を示している。
図5で示した燃料噴射ポンプ1Cは、プランジャ20がリフト30から離間すると、スプリング33の付勢力を受ける油圧ダンパ35もリフタ30に当接するまで突出する。プランジャ20よりも先に油圧ダンパ35がリフタ30へ当接する。そして、その後に、プランジャ20とリフタ30との距離が縮小するのに応じて、油圧ダンパ35内に油圧が発生するので当接による衝撃を効率良く吸収できる。なお、図5で示している構成のように、油圧ダンパ35をプランジャ20及びリフタ30から分離した構造としておくと、カムリング41からリフタ30へ偏荷重が作用する場合があってもプランジャ20に伝播するのを抑制できる点で優れている。また、このような構造であれば、プランジャ20にスラスト力が作用するのを防止できる。
なお、油圧ダンパ35をプランジャ20及びリフタ30の双方から独立に形成することで上記のような効果を得ることができる。ただし、リフタ30の底部上面31USの所定位置に固定した構造を採用してもよい。
また、上記実施例3の燃料噴射ポンプ1Cはスプリング33を備えた構造に、更に油圧ダンパ35を適用したより好ましい構造を示すものである。ただし、先に説明した実施例1の燃料噴射ポンプ1Aに変更を加え、リフタ30の底部上面31US上に油圧ダンパ35を固定する構造を採用してもよい。このスプリングを用いないシンプルな構造でもプランジャ20とリフタ30とが当接する時に発生する衝撃を緩和する効果を同様に期待できる。
(変形例)
図6は、実施例3の燃料噴射ポンプ1Cを一部変更した変形例の燃料噴射ポンプ1Dについて示した図である。この燃料噴射ポンプ1Dの油圧ダンパ35には、円CR内で示すように、貫通路36とは別にオリフィス37が設けてある。オリフィス37は貫通路36よりも下側に設定されている。そして、プランジャ20の下端(リフタ30側の端部)は、環状の切欠20BTが形成してある。プランジャ20の下端は、外側に向かって段状の縁部となっている。このようにプランジャ20の下端を段状に変更すると、平坦である場合と比較してプランジャ20とリフタ30との間に隙間が生じた時点で、早期にオリフィス37を介して潤滑油を油圧ダンパ35内に流入させることができる。このようにするとリフタ30の底部31上に油圧ダンパ35が位置する状態を継続できる。すなわち、燃料噴射ポンプ1Cはプランジャ20とリフタ30とが離間可能であるが、このように設定すると油圧ダンパ35をリフタ30上に維持して当接するときの衝撃を緩和できる。
図5を参照した説明では、油圧ダンパ35がリフタ30から離間した後に、衝撃緩衝の作用を発揮する場合を説明した。しかし、油圧ダンパ35とリフタ30との接続を維持できえれば耐衝撃性を向上させることができる。図6は油圧ダンパ35とリフタ30とが接触した状態を維持することを可能とする構造である。なお、油圧ダンパ35の立上がり部分の長さ(プランジャ20と接触する部分の長さ)は適宜に調整すればよい。
更に、燃料の吸入動作及び加圧動作をスムーズに行うための構造を備えた実施例4の燃料噴射ポンプについて説明する。図7は実施例4に係る燃料噴射ポンプ1Eの構成を示した図であり、図8は燃料噴射ポンプ1Eの動作をまとめて示した図である。この実施例4は実施例3及びその変形例についての改善に係るものである。
リフタ30の底部31に油圧ダンパ35の内側とカムリング43が当接する側とを連通させる第1の潤滑油通路(流体通路)38が設定されている。また、カムリング43のガイド面43SL−1上の所定位置には第2の潤滑油通路(流体通路)39が設定されている。この第2の潤滑油通路39は、例えばガイド面43SL−1上に環状の溝(リング溝)として形成されている。駆動軸41の回転に伴ってカムリング43が揺動してリフタ30に対する相対位置が変化する。
第2の潤滑油通路39は、図8(A)で示す上死点位置から開始する吸入行程で第1の潤滑油通路38との連通を開始して、(C)で示す状態を介して、(D)で示す下死点位置で第1の潤滑油通路38との連通が遮断されるように設定されている。(A)から下死点直前(C)までの吸入工程ではリフタ30がプランジャ20から離れる状態が形成される。このときに潤滑油の通路が連通した状態となるので、油圧力を発生させず容易にプランジャ20からリフタ30を分離させることができる。
そして、(D)の下死点位置か(A)に戻るのは圧縮行程であり、プランジャ20から離れたリフタ30が移動方向を変えて、接近して当接する動作となる。このときには、第2の潤滑油通路39は第1の潤滑油通路38と遮断された状態が維持される。よって、この場合には上記とは逆で、プランジャ20とリフタ30とが接触するときに油圧力を発生させて当接時の衝撃を緩和する。
以上説明したように、実施例4に係る燃料噴射ポンプ1Eによると吸入工程でプランジャ20とリフタ30とをスムーズに分離させることができる。更に、プランジャ20とリフタ30との分離後において、互いに接触するときには油圧力を発生させて当接時の衝撃を緩衝することもできる。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
実施例1に係る燃料噴射ポンプ1Aの構成を示した図である。 実施例1の燃料噴射ポンプの動作をまとめて示した図である。 実施例2に係る燃料噴射ポンプ1Bの構成を示した図である。 実施例3に係る燃料噴射ポンプ1Cの構成を示した図である。 実施例3の燃料噴射ポンプの動作をまとめて示した図である。 実施例3の燃料噴射ポンプ1Cを一部変更した変形例の燃料噴射ポンプ1Dについて示した図である。 実施例4に係る燃料噴射ポンプ1Eの構成を示した図である。 実施例4の燃料噴射ポンプの動作をまとめて示した図である。
符号の説明
1(1A〜1E) 燃料噴射ポンプ
10 シリンダブロック
12 環状溝(姿勢維持構造)
11 シリンダ
20 プランジャ
30 リフタ
30LP リフタの開口部
33 スプリング(付勢部材)
35 油圧ダンパ
40 駆動系
41 駆動軸
42 偏心カム
43 カムリング

Claims (7)

  1. 駆動軸の回転力を往復駆動力に変換するリフタと、シリンダブロックに形成したシリンダ内を往復動可能に配置され、前記リフタから駆動力を受けて移動するプランジャとを、備えている燃料噴射ポンプであって、
    前記リフタと前記プランジャとを別体で形成すると共に、これらを互いに離間可能に配設し、
    前記リフタの姿勢を一定に維持する姿勢維持構造が更に設けてある、ことを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  2. 前記リフタが片側だけに底部を備える有底円筒形状の部材であって、
    前記姿勢維持構造は、前記リフタの開口部側を摺動自在に受入れる環状溝を備える前記シリンダブロックである、ことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射ポンプ。
  3. 前記リフタと前記シリンダブロックとの間に、当該リフタを前記駆動軸側に向けて付勢する付勢部材を更に配置してある、ことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料噴射ポンプ。
  4. 前記プランジャと前記リフタとの間に、油圧ダンパが更に設けてある、ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の燃料噴射ポンプ。
  5. 前記油圧ダンパを前記プランジャ及び前記リフタとは別体で形成し、前記油圧ダンパは前記プランジャと前記リフタとの距離が縮小するのに応じて油圧を発生させる、ことを特徴とする請求項4に記載の燃料噴射ポンプ。
  6. 前記油圧ダンパに、前記プランジャと前記リフタとの間に隙間が発生したときに開口して流体を内部に流入させるオリフィスが更に形成してある、ことを特徴とする請求項4に記載の燃料噴射ポンプ。
  7. 前記リフタは前記駆動軸によって回転駆動されるカムに当接することにより往復動するように形成されており、
    前記リフタには前記カムが当接する側と前記油圧ダンパの内側とを連通する第1の流体通路を設け、
    前記カムには当該カムが前記リフタから離間する方向に移動するときには前記第1の流体通路と連通し、当該カムが前記リフタと接触して移動するときには前記第1の流体通路と遮断される第2の流体通路が設けてある、ことを特徴とする請求項6に記載の燃料噴射ポンプ。
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