JP2008101281A - ポリエステル系複合繊維および、それを用いてなる織編物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】50〜95質量%のポリテトラメチレンテレフタレート成分と5〜50質量%ポリオキシテトラメチレングリコール成分を主成分とし、下記(a)を満足するブロック共重合ポリマーAと、95モル%以上の成分がポリエチレンテレフタレートであるポリマーBが接合された複合繊維。(a)2.4≦Mw/Mn(ここで、Mnは数平均分子量を、Mwは重量平均分子量を表し、Mw/Mnは分子量の分散度を表す。)
【選択図】図1
Description
(ここで、Mnは数平均分子量を、Mwは重量平均分子量を表し、Mw/Mnは分子量の分散度を表す。)
また、本発明の第二の要旨は、本発明のポリエステル系複合繊維を含む織編物にある。
本発明に用いるブロック共重合ポリマーA中のポリオキシテトラメチレングリコールの割合は、5〜50質量%であることが必要である。ポリオキシテトラメチレングリコールの割合が5質量%未満であると、捲縮発現力が小さくなりやすく、織編物のストレッチ性が不十分となりやすい。ポリオキシテトラメチレングリコールの割合が50質量%を超えると、ブロック共重合ポリマーの融点が低下し、後加工工程での熱セットへの耐久性が低下する等、後加工が困難となりやすい。
ここで、Cは、3官能の分岐剤の共重合量(モル%)であり、また3官能の分岐剤1分子あたりで分岐に利用できる官能基数=1を乗じた数でもある。Dは4官能の分岐剤共重合量(モル%)であり、2Dは、4官能の分岐剤の共重合量(モル%)に4官能の分岐剤1分子あたりで分岐に利用できる官能基数=2を乗じた数である。C+2Dが0.06未満であると、架橋構造によるブロック共重合ポリマーAの弾性向上効果が小さく、捲縮発現力が小さくなりやすく、織編物のストレッチ性が不十分となる。
ポリマーをフェノールとテトラクロロエタンの1:1の混合溶媒に溶解し、ウベローデ粘度計により25℃において測定した。
ポリマー試料3mgをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)/クロロホルム=1/9(体積比)の混合液10mlに溶解後、0.45μmのメンブレンフィルターで濾過し、濾液をGPC(TOSOH製HLC−8020)に供し下記の条件で測定した。なお、標準物質としてポリスチレン溶液を調整しGPC較正曲線用試料とした。溶離液:HFIP/クロロホルム=1/9(体積比)
流速:1ml/min
カラム:TSK−GEL G3000HXL、G5000HXL
カラム恒温槽温度:40℃
波長:254nm
(布帛収縮率)
サンプル原糸を撚係数K=10000(T=K/√D、Tは1m当りの撚数、Dはサンプル原糸の繊度(デシテックス))の条件で撚糸を施し、温度70℃、湿度90%RHの条件下で40分間セットした糸を緯糸として、このサンプル糸の繊度(D)から打ち込み本数(本/cm)=311.1/√Dで算出される打ち込み本数で、経糸密度39.6本/cmに設定された56dtex/18フィラメントの原糸を経糸として製織した後、織物の緯糸方向に長さ1mの間隔で印を付け(L0)、緯糸に平行に10cm幅のサンプル布を切り出し、130℃で30分間、熱水処理した。熱水処理したサンプル布を風乾後、片端を固定して垂直に垂らし、下方の他端に0.45g/dtexの荷重をかけ、先に付けた印の間隔(L1)を測定し、次式にて布帛収縮率を算出した。
以下、実施例をあげて本発明を説明する。
ジメチルテレフタレート3210g、1,4−ブタンジオール2080g、ペンタエリスリトール(以下 PENと標記)4.0g、分子量約1000のポリオキシテトラメチレングリコール(以下 PTMGと標記)1350g、及びチタンテトラブトキシド4gを150〜220℃で加熱してエステル交換反応を行わせた。次いで、ヒンダードフェノール系安定剤として、テトラキス(メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート))メタン((株)ADEKA製、製品名:AO−60 以下、AO−60と標記)4.5g、を加え、過剰の1,4−ブタンジオールを留去した後、徐々に減圧にしていき、0.5kPa以下の減圧下で240℃にて重縮合反応を進行させ、ブロック共重合ポリマーAを得た。得られたブロック共重合ポリマーAの[η]、Mn,Mw,Mn/Mwを表1に示した。
紡糸時の溶融温度を250℃に変更した以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示した
(実施例3)
PENを3.0gとした以外、実施例1と同様の方法で、ブロック共重合ポリマーAを得た。得られたブロック共重合ポリマーAの[η]、Mn,Mw,Mn/Mwを表1に示した。
PENを6.7gとした以外、実施例1と同様の方法で、ブロック共重合ポリマーAを得た。得られたブロック共重合ポリマーAの[η]、Mn,Mw,Mn/Mwを表1に示した。次いで、得られたブロック共重合ポリマーAと、実施例1と同様のポリエチレンテレフタレートBを用いて、実施例1と同様に紡糸、延伸を行い、延伸糸を得た。紡糸後の各複合成分の固有粘度[η]、および布帛収縮率を表1に示した。
PENに替えて、トリメチロールプロパン(以下 TMPと標記)5.32gを加えた以外は、実施例1と同様の方法で、ブロック共重合ポリマーAを得た。得られたブロック共重合ポリマーAの[η]、Mn,Mw,Mn/Mwを表1に示した。
PENに替えて、トリメリット酸(以下 TMAと標記)7.62gを加えた以外は、実施例1と同様の方法で、ブロック共重合ポリマーAを得た。得られたブロック共重合ポリマーAの[η]、Mn,Mw,Mn/Mwを表1に示した。
PENを加えず、AO−60の添加量を75gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、ブロック共重合ポリマーAを得た。得られたブロック共重合ポリマーAの固有粘度[η]、Mn,Mw,Mn/Mwを表1に示した。
AO−60の添加量を7.5gに変更した以外は、実施例7と同様の方法で、ブロック共重合ポリマーAを得た。得られたブロック共重合ポリマーAの固有粘度[η]、Mn,Mw,Mn/Mwを表1に示した。
ジメチルテレフタレート3479g、1,4−ブタンジオール2259g、分子量約1000のPTMG1000g、及びチタンテトラブトキシド4gを150〜220℃で加熱してエステル交換反応を行わせた。次いで、AO−60を75g加え、過剰の1,4−ブタンジオールを留去した後、徐々に減圧にしていき、0.5kPa以下の減圧下で240℃にて重縮合反応を進行させ、ブロック共重合ポリマーAを得た。得られたブロック共重合ポリマーAの[η]、Mn,Mw,Mn/Mwを表1に示した。
ジメチルテレフタレート2554g、1,4−ブタンジオール1618g、分子量約1000のPTMG2000g、及びチタンテトラブトキシド4gを150〜220℃で加熱してエステル交換反応を行わせた。次いで、AO−60を75g加え、過剰の1,4−ブタンジオールを留去した後、徐々に減圧にしていき、0.5kPa以下の減圧下で240℃にて重縮合反応を進行させ、ブロック共重合ポリマーAを得た。得られたブロック共重合ポリマーAの[η]、Mn,Mw,Mn/Mwを表1に示した。
AO−60の添加量を2.25gに変更した以外は、実施例7と同様の方法で、ブロック共重合ポリマーAを得た。得られたブロック共重合ポリマーAの固有粘度[η]、Mn,Mw,Mn/Mwを表1に示した。
PENを5.0gとした以外、実施例1と同様の方法で、ブロック共重合ポリマーAを得た。得られたブロック共重合ポリマーAの固有粘度[η]、Mn,Mw,Mn/Mwを表1に示した。
ブロック共重合ポリマーAに代えて未変性のポリテトラメチレンテレフタレートを使用した以外は、実施例1と同様の方法で、紡糸、延伸を行い、延伸糸を得た。ポリテトラメチレンタレフタレートの固有粘度[η]、Mn,Mw,Mn/Mw、紡糸後の各複合成分の固有粘度[η]、および布帛収縮率を表1に示した。
ブロック共重合ポリマーAの固有粘度を1.551とし、ポリエチレンテレフタレートBの紡糸温度を300℃とした以外は、実施例8と同様の方法で紡糸を試みたが、紡糸工程において吐出直後の屈曲が大きくなり、未延伸糸を採取することができなかった。得られたブロック共重合ポリマーAの固有粘度[η]、Mn,Mw,Mn/Mw、紡糸後の各複合成分の固有粘度[η]を表1に示した。
AO−60の添加量を1.125gに変更した以外は、実施例7と同様の方法で、ブロック共重合ポリマーAを得た。得られたブロック共重合ポリマーAの固有粘度[η]、Mn,Mw,Mn/Mwを表1に示した。
2:ポリマーA導入孔
3:ポリマーB導入孔
4:口金吐出面からポリマー導入孔までの距離
Claims (4)
- 50〜95質量%のポリテトラメチレンテレフタレート成分と5〜50質量%ポリオキシテトラメチレングリコール成分を主成分とし、下記(a)を満足するブロック共重合ポリマーAと、95モル%以上の成分がポリエチレンテレフタレートであるポリマーBが接合された複合繊維。
(a) 2.4≦Mw/Mn
(ここで、Mnは数平均分子量を、Mwは重量平均分子量を表し、Mw/Mnは分子量の分散度を表す。) - ブロック共重合ポリマーAが、ポリマー中に3官能、およびまたは4官能の分岐剤が共重合されており、その共重合量が下記(b)を満足するブロック共重合ポリマーである請求項1に記載のあるポリエステル系複合繊維。
(b)C+2D≧0.06
(ここで、Cは3官能の分岐剤の共重合量(モル%)を、Dは4官能の分岐剤共重合量(モル%)を表す。) - ブロック共重合ポリマーAと、ポリエチレンテレフタレートポリマーBとの固有粘度差が0.65以上、1.00以下である請求項1または、2に記載のあるポリエステル系複合繊維
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のあるポリエステル系複合繊維を含む織編物。
Priority Applications (1)
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JP2006282455A JP2008101281A (ja) | 2006-10-17 | 2006-10-17 | ポリエステル系複合繊維および、それを用いてなる織編物 |
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH04300323A (ja) * | 1991-03-20 | 1992-10-23 | Nippon Ester Co Ltd | ポリエーテルエステル系弾性繊維 |
JP2006144166A (ja) * | 2004-11-19 | 2006-06-08 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | ポリエステル系複合繊維及びその製造方法並びに織編物 |
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2006
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