JP2010216052A - 海島型複合繊維および該海島型複合繊維より得られる極細溶融異方性芳香族ポリエステル繊維 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶融異方性芳香族ポリエステルが島成分、水分散性ポリエステルが海成分であり、海成分と島成分との比率が海:島=10:90〜90:10である海島型複合繊維、ならびに該海島型複合繊維の海成分を水中溶解処理し、水中溶解処理後の単糸繊度を0.05〜1.0dtexとした溶融異方性芳香族ポリエステル繊維。
【選択図】図1
Description
H−(OCH2−CH2)n−OH
(式中、nは、2〜500の範囲内の整数である)
を有するポリ(エチレングリコール)である);並びに
(iv)全繰り返し単位基準で、0〜25モル%の3個又はそれ以上の官能基を有する分岐モノマーの残基(但し、前記官能基はヒドロキシル、カルボキシル又はこれらの組合せである)を含む少なくとも25℃のガラス転移温度(Tg)を有するスルホポリエステルであるのが好ましい。
こうした理由から溶解処理はチーズ巻き形状で行うのが好ましい。さらに水中での溶解処理により繊維を分割後、水洗乾燥処理を行うのが好ましい。
本発明で得られる繊維は、高強度・高弾性かつ耐薬品性に優れ、その単糸繊度は1.0dtex以下であるため風合い等の良好なものとなる。単糸繊度が1.0dtexより大きいと織編物にしたときのゴワゴワ感は解消できない。一方、単糸繊度が0.05dtexより小さいと、糸切れが起こり易くなり、織編物の製造が困難となる場合がある。
東洋精機製キャピログラフ1B型を用いて、温度300℃、剪断速度r=1000sec−1の条件で測定した。
試料をペンタフルオロフェノールに温度60〜80℃の条件下で0.1質量%溶解し、60℃の恒温槽中でウッペローデ型粘度計を用いて相対粘度(ηrel)を測定し、下式により算出した。
ηinh=ln(ηrel)/c なお、cはポリマー濃度(g/dl)
フェノール/テトラクロロエタン溶媒溶液(質量部比60/40)中、25℃で、100mlの溶媒中の0.5gのスルホポリエステル濃度で測定した。
JIS−L1013に準拠し、試長20cm、初荷重0.1g/d、引張速度10cm/minの条件で破断強伸度を求め、5点以上の平均値を採用した。
(1)島成分のポリマーには化2で示した(A)と(B)の比が(A)/(B)=73/27(モル比)である溶融異方性芳香族ポリエステル(Mp=281℃、MV=420poise、ηinh=4.34dl/g)を用いた。
海成分のポリマーには76モル%のイソフタル酸、24モル%のソジオスルホイソフタル酸、76モル%のジエチレングリコール及び24モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含有し、0.29のIh.V.及び48℃のTgを有するスルホポリエステルを用いた。
(2)上記(1)の各ポリマーを2台の押出機より溶融し、ギアポンプから溶融異方性ポリエステル:スルホポリエステル=50:50の質量割合で紡糸ヘッドに導き、図1のホール断面形状を有するノズル径0.25mmφ、24ホールで構成される口金より紡糸温度300℃、巻取速度2000mm/分で紡糸し、300dtex/24fの海島型複合繊維を製造した。この繊維を穴空きステンレス製ボビンに巻き、80℃の水中で40分間浸漬処理した。この処理による質量減少は48%であり、水分散性ポリマーであるスルホポリエステルはほぼ完全に除去されていた。この水中溶解処理後の繊維の強度は8.1cN/dtex、単糸繊度は0.2dtexであった。
(3)次に、この紡糸原糸を窒素ガス雰囲気中で260℃で2時間、270℃で4時間、更に280℃で4時間熱処理した。得られた熱処理糸の繊維強度は24.2cN/dtexであった。また熱処理による繊維の膠着は見られなかった。
(1)実施例1(1)と同じ2種類のポリマーを2台の押出機より溶融し、ギアポンプから溶融異方性ポリエステル:スルホポリエステル=90:10の質量割合で紡糸ヘッドに導き、図1のホール断面形状を有するノズル径0.25mmφ、24ホールで構成される口金より紡糸温度300℃、巻取速度1000mm/分で紡糸し、300dtex/24fの海島型複合繊維を製造した。この繊維を穴空きステンレス製ボビンに巻き、80℃の水中で40分間浸漬処理した。この処理による質量減少は48%であり、水分散性ポリマーであるスルホポリエステルはほぼ完全に除去されていた。この水中溶解処理後の繊維の強度は8.1cN/dtex、単糸繊度は0.7dtexであった。
(2)次に、この紡糸原糸を窒素ガス雰囲気中で実施例1と同じ条件で熱処理した。得られた熱処理糸の繊維強度は23.7cN/dtexであった。また熱処理による繊維の膠着は見られなかった。
(1)実施例1(1)と同じ2種類のポリマーを2台の押出し機より溶融し、ギアポンプから溶融異方性ポリエステル:スルホポリエステル=10:90の質量割合で紡糸ヘッドに導き、図1のホール断面形状を有するノズル径0.25mmφ、24ホールで構成される口金より紡糸温度300℃、巻取速度1000mm/分で紡糸し、300dtex/24fの海島型複合繊維を製造した。この繊維を穴空きステンレス製ボビンに巻き、80℃の水中で40分間浸漬処理した。この処理による質量減少は48%であり、水分散性ポリマーであるスルホポリエステルはほぼ完全に除去されていた。この水中溶解処理後の繊維の強度は8.1cN/dtex、単糸繊度は0.08dtexであった。
(2)次に、この紡糸原糸を窒素ガス雰囲気中で実施例1と同じ条件で熱処理した。得られた熱処理糸の繊維強度は23cN/dtexであった。また熱処理による繊維の膠着は見られなかった。
実施例1と同じ前記化2で示した構成単位(A)と(B)の比が(A)/(B)=73/27(モル比)である溶融異方性芳香族ポリエステルを用い、水分散性ポリエステルポリマーを使用することなく単独で押出し機より溶融し、ギアポンプにて紡糸ヘッドまで導き、孔径0.075mm、50ホールからなる口金より紡糸温度315℃、巻取速度700m/分で紡糸し、107dtex/50fのマルチフィラメントを得た。このマルチフィラメントの単糸の平均繊度は2.1dtexであった。このとき巻取速度をさらに上げて細繊度化を試みるが、単糸切れが頻発して糸を巻き取ることが不可能であった。
比較例1において巻取速度700m/分でポリマーの吐出量を下げて紡糸し、繊度が95dtex/50fの繊維を得ることができたが、さらにポリマーの吐出量を下げたところ、単糸切れが発生し、糸を巻き取ることはできなかった。
海成分のポリマーに5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルが共重合ポリエステルを構成する全酸成分の2.5モル%、分子量2000のポリエチレングリコールおよび下記化3で表されるポリオキシエチレングリシジルエーテルが全共重合ポリエステルのそれぞれ10質量%を占め、残りがテレフタル酸、エチレングリコールである共重合ポリエステルを用いる以外は実施例1と同様の紡糸条件にて海島型複合繊維を製造した。この繊維を穴空きステンレス製ボビンに巻き、95℃の3%水酸化ナトリウム溶液に30分間浸漬処理し、単糸繊度0.5dtexの繊維を得た。この繊維を窒素ガス雰囲気中で実施例1と同じ条件で熱処理した。得られた熱処理糸の繊維強度は23cN/dtexであったが、熱処理により繊維に膠着が見られた。
Claims (4)
- 溶融異方性芳香族ポリエステルが島成分、水分散性ポリエステルが海成分であり、海成分と島成分との比率が海:島=10:90〜90:10である海島型複合繊維。
- 請求項1記載の海島型複合繊維の海成分を水中溶解処理し、水中溶解処理後の単糸繊度を0.05〜1.0dtexとした溶融異方性芳香族ポリエステル繊維。
- 熱処理後の繊維強度が20cN/dtex以上である請求項2記載の溶融異方性芳香族ポリエステル繊維。
- 請求項1記載の海島型複合繊維をチーズに巻き、チーズ形態で水分散性ポリエステルを水中にて溶解処理することを特徴とする溶融異方性芳香族ポリエステル繊維の製造方法。
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- 2009-03-19 JP JP2009067385A patent/JP2010216052A/ja active Pending
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