JP2008101255A - エッチング用組成物及びエッチング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体デバイスやフラットパネルディスプレー等の電子デバイスに使用されるルテニウムにおいて、主成分に強酸を使用することなくルテニウムをエッチングできるエッチング用組成物を提供する。
【解決手段】バナジウム及び水を含んでなるルテニウムのエッチング用組成物では、ルテニウム以外の半導体材料にダメージがなく、ルテニウムをエッチングできる。バナジウムとしては、ハロゲン化バナジウム、メタバナジン酸塩、オキシハロゲン化バナジウム、硫酸バナジル等が用いられ、有機酸、無機酸を添加してもよい。
【選択図】なし
【解決手段】バナジウム及び水を含んでなるルテニウムのエッチング用組成物では、ルテニウム以外の半導体材料にダメージがなく、ルテニウムをエッチングできる。バナジウムとしては、ハロゲン化バナジウム、メタバナジン酸塩、オキシハロゲン化バナジウム、硫酸バナジル等が用いられ、有機酸、無機酸を添加してもよい。
【選択図】なし
Description
本発明はルテニウムのエッチング用組成物に関する。更には、半導体デバイスやフラットパネルディスプレー等の電子デバイスに使用されるルテニウムを選択的にエッチングできる組成物に関するものである。
ルテニウムは、半導体の電極材料、バリア材料として非常に重要な化合物である。ルテニウムは白金族の元素であり、そのエッチングは容易では無い。このルテニウムを加工する方法として、王水、過ヨウ素酸などの強力な酸化剤、強酸を使用する方法が知られている(特許文献1)。しかし、これらの強酸を使用する場合、他の半導体材料へのダメージ、装置材料の腐食が問題となる。
その他、硝酸セリウム塩、硝酸などからなるエッチング液も知られている(特許文献2)。このエッチング液も硝酸などの強酸を使用しており、さらに使用したセリウムは水で除去し難いという問題がある。そのためセリウム塩で処理した後、フッ酸処理が必要となるなど、余分の操作が必要となる。
一方、有機酸等の弱酸を用いた場合、ルテニウムのエッチング性は十分でなかった。
本発明の目的は、上記の課題に鑑みて、主成分に強酸を使用することなくルテニウムをエッチングできるエッチング用組成物を提供することにある。
本発明者らは、ルテニウムのエッチング用組成物について鋭意検討した結果、バナジウムを含んでなるエッチング用組成物では、強酸、多量の強酸化剤等を使うことなくルテニウムを選択的にエッチング除去できることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明はバナジウム及び水を含んでなるルテニウムのエッチング用組成物及びそれらを用いたルテニウムのエッチング方法である。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
本発明のエッチング用組成物は、バナジウム及び水を必須成分として使用する。
本発明のエッチング用組成物に使用されるバナジウムはエッチング液に溶けるものであれば特に制限は無く、一般に流通しているものを使用することができる。本発明のエッチング用組成物に使用できるバナジウムを例示すると、二塩化バナジウム、三塩化バナジウム、四塩化バナジウム、二臭化バナジウム、三臭化バナジウム、四臭化バナジウムなどのハロゲン化バナジウム、メタバナジン酸アンモニウム、メタバナジン酸カリウム、メタバナジン酸ナトリウムなどのメタバナジン酸塩、オキシ塩化バナジウムなどのオキシハロゲン化バナジウム、硫酸バナジルなどが挙げられる。これらのバナジウムは単独で使用しても二種類以上を混合して使用しても一向に差し支えない。
バナジウムは、酸化、還元を受け易く、空気中でも容易にその価数が変化することが知られている。本発明のバナジウムを含むエッチング組成物も、調製する際、使用する際にバナジウムの価数は変化する場合がある。しかし、本発明のエッチング用組成物においては、原料としてバナジウムの三価及び/又は四価を使用した場合、最もルテニウムのエッチング速度が速くなる。バナジウムの価数を調整し、ルテニウムのエッチング速度をコントロールするため、本発明のエッチング用組成物に、本発明の効果を損なわない範囲で過酸化水素、過酸、オゾン、酸素などの酸化剤、還元剤を添加することができる。
本発明のエッチング用組成物は、水溶液として使用する。火災の危険性などを鑑みると、工業的には水が最も優れているが、水以外の有機溶媒を水に加えて使用しても差し支えない。
本発明のエッチング用組成物は、酸性から中性で使用する。エッチング用組成物のpHを調整するため、アンモニアなどの塩基性物質を添加しても良い。
本発明のエッチング用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で無機酸、無機酸塩、有機酸、有機酸塩から成る群より選ばれる少なくとも1種を添加することができる。これらは、ルテニウムの溶解を促進するとともに、ルテニウムの再析出を抑制することができる。無機酸、無機酸塩を例示すると、フッ酸、フッ酸塩、塩酸、塩酸塩、次亜塩素酸、次亜塩素酸塩、塩素酸、塩素酸塩、過塩素酸、過塩素酸塩、ヨウ化水素酸、ヨウ化水素酸塩、次亜ヨウ素酸、次亜ヨウ素酸塩、ヨウ素酸、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、臭化水素酸、臭化水素酸塩、次亜臭素酸、次亜臭素酸塩、臭素酸、臭素酸塩、過臭素酸、過臭素酸塩、硫酸、硫酸塩、亜硫酸、亜硫酸塩、過硫酸、過硫酸塩、硝酸、硝酸塩、亜硝酸、亜硝酸塩、リン酸、リン酸塩、亜リン酸、亜リン酸塩、次亜リン酸、次亜燐酸塩、炭酸、炭酸塩から成る群より選ばれる少なくとも1種であり、有機酸、有機酸塩を例示すると、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリクロロ酢酸などのカルボン酸、シュウ酸、クエン酸、マロン酸、リンゴ酸、グリコール酸、マレイン酸、フタル酸、フマル酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グルタミン酸などのポリカルボン酸、フェノール、サリチル酸などのフェノール類、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸などのスルホン酸類、これらの酸の塩から成る群より選ばれる少なくとも一種であるが、これら以外を使用しても差し支えない。
本発明のエッチング用組成物におけるバナジウムの濃度は、0.01〜20重量%、さらに好ましくは、0.1〜10重量%である。バナジウムの濃度が0.01重量%未満であると、ルテニウムのエッチング速度が遅くなり、20重量%を超えても、ルテニウムのエッチング速度は向上しない。
本発明のエッチング用組成物における水の濃度は、50〜99.98重量%、さらに好ましくは、80〜99.9重量%である。水の濃度が50重量%未満でも、99.98重量%を超えても、ルテニウムのエッチング速度が遅くなる。
本発明のエッチング用組成物でエッチングするルテニウムは、ルテニウム金属、ルテニウム合金だけでなく、ルテニウム酸化物、窒化物等のルテニウム化合物にも適用できる。
本発明のエッチング用組成物は、ルテニウムのエッチング、特に半導体デバイス、フラットパネルディスプレーに使用されるルテニウムのエッチングに利用において優れた性能を発揮する。半導体デバイスにおいて、ルテニウムは、半導体基板上にCVD法(化学気相成長)、スパッタ法などで成膜されるが、素子、回路を形成するためには、エッチングで不要な部分を取り除く必要がある。本発明のエッチング用組成物を使用すれば、他の半導体材料にダメージを与えることなく、ルテニウムを選択的にエッチングすることができる。
また、本発明のエッチング用組成物は、ルテニウムを使用する半導体などの製造装置の洗浄においても優れた性能を発揮する。ルテニウムをCVD法(化学気相成長)、スパッタ法などで成膜したり、ドライエッチングしたりする際に、ルテニウムは気化しやすい物質であるため、製造装置内に拡散、付着し、装置を汚染する。このルテニウムで汚染された装置の洗浄に、本発明のエッチング用組成物を使用すれば、装置材質にダメージを与えることなく、装置内に付着したルテニウムをエッチング、除去できる。
本発明のエッチング用組成物を使用する温度は、20〜100℃、好ましくは30〜80℃である。80℃を超える温度では、エッチング用組成物の組成が変化し易く、20℃未満の温度では、工業的に満足できる速度でルテニウムをエッチングすることが難しい。
本発明のエッチング用組成物を使用し、ルテニウムをエッチングする際、超音波などを使用し、エッチングを促進しても良い。
本発明のエッチング用組成物は、主成分に強酸を使用することなく、ルテニウムをエッチングできるため、工業的に有利である。
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜7
表1に示したエッチング組成物20gに、シリコンウエハ上に100nmの厚みでシリコン酸化膜、その上にさらにルテニウムをスパッタ法で50nmの厚みに成膜したシリコンウエハ(20mm角)を表1記載の温度で5分間浸漬した。水洗、乾燥の後、シート抵抗を測定し、ルテニウムの膜厚を測定した。結果を表1に示す。なお、表1に記載のエッチング組成物の残部は水である。
表1に示したエッチング組成物20gに、シリコンウエハ上に100nmの厚みでシリコン酸化膜、その上にさらにルテニウムをスパッタ法で50nmの厚みに成膜したシリコンウエハ(20mm角)を表1記載の温度で5分間浸漬した。水洗、乾燥の後、シート抵抗を測定し、ルテニウムの膜厚を測定した。結果を表1に示す。なお、表1に記載のエッチング組成物の残部は水である。
比較例1〜3
表1に示した、比較用エッチング組成物とし、実施例と同様の方法でルテニウムのエッチング速度を測定した。結果を表1に示す。
表1に示した、比較用エッチング組成物とし、実施例と同様の方法でルテニウムのエッチング速度を測定した。結果を表1に示す。
Claims (11)
- バナジウム及び水を含んでなるルテニウムのエッチング用組成物。
- バナジウムが3価及び/又は4価のバナジウムである請求項1に記載のエッチング用組成物。
- バナジウムが、ハロゲン化バナジウム、メタバナジン酸塩、オキシハロゲン化バナジウム、硫酸バナジルから成る群より選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載のエッチング用組成物。
- 無機酸、無機酸塩、有機酸、有機酸塩から成る群より選ばれる少なくとも1種を添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエッチング用組成物。
- 無機酸、無機酸塩が、フッ酸、フッ酸塩、塩酸、塩酸塩、次亜塩素酸、次亜塩素酸塩、塩素酸、塩素酸塩、過塩素酸、過塩素酸塩、ヨウ化水素酸、ヨウ化水素酸塩、次亜ヨウ素酸、次亜ヨウ素酸塩、ヨウ素酸、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、臭化水素酸、臭化水素酸塩、次亜臭素酸、次亜臭素酸塩、臭素酸、臭素酸塩、過臭素酸、過臭素酸塩、硫酸、硫酸塩、亜硫酸、亜硫酸塩、過硫酸、過硫酸塩、硝酸、硝酸塩、亜硝酸、亜硝酸塩、リン酸、リン酸塩、亜リン酸、亜リン酸塩、次亜リン酸、次亜燐酸塩、炭酸、炭酸塩から成る群より選ばれる少なくとも1種である請求項4に記載のエッチング用組成物。
- 有機酸、有機酸塩が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリクロロ酢酸などのカルボン酸、シュウ酸、クエン酸、マロン酸、リンゴ酸、グリコール酸、マレイン酸、フタル酸、フマル酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グルタミン酸などのポリカルボン酸、フェノール、サリチル酸などのフェノール類、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸などのスルホン酸類、これらの酸の塩から成る群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項4〜5に記載のエッチング用組成物。
- バナジウムの含有量が0.01〜20重量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のエッチング用組成物。
- 水の含有量が50〜99.98重量%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のエッチング用組成物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のエッチング用組成物を使用し、20℃以上100℃以下でエッチングすることを特徴とするルテニウムのエッチング方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のエッチング用組成物を使用し、半導体ウエハ上のルテニウムをエッチングすることを特徴とするルテニウムのエッチング方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のエッチング用組成物を使用し、半導体製造装置に付着したルテニウムをエッチングすることを特徴とするルテニウムのエッチング方法。
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JP2022140501A (ja) * | 2018-09-12 | 2022-09-26 | 富士フイルム株式会社 | 薬液、基板の処理方法 |
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