JP5799791B2 - 銅及びモリブデンを含む多層膜用エッチング液 - Google Patents
銅及びモリブデンを含む多層膜用エッチング液 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5799791B2 JP5799791B2 JP2011275862A JP2011275862A JP5799791B2 JP 5799791 B2 JP5799791 B2 JP 5799791B2 JP 2011275862 A JP2011275862 A JP 2011275862A JP 2011275862 A JP2011275862 A JP 2011275862A JP 5799791 B2 JP5799791 B2 JP 5799791B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- etching
- molybdenum
- copper
- etching solution
- ammonium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- ing And Chemical Polishing (AREA)
Description
また、銅(II)イオン及びアンモニアを含有するエッチング液を用いた際に、例えば特に大面積の基板に対してスプレー方式のエッチング装置を用いてエッチングを実施する場合には、基板に対するエッチング液のスプレーの当たり方(流量分布)によりエッチング速度が変化し、基板内の場所によってムラが発生するという問題もあった。(通常、スプレー方式のエッチング装置には多数のスプレーノズルが備えられているが,全てのノズルからのエッチング液の流量を同一に制御することは難しく、エッチング液の流量分布が生じやすい。)
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。すなわち、本発明の要旨は下記のとおりである。
[2](A)分子内にカルボキシル基を二つ以上有し、かつヒドロキシル基を一つ以上有する有機酸イオン供給源が、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸及びこれらのアンモニウム塩から選ばれる少なくとも一種である上記1に記載のエッチング液。
[3](A)分子内にカルボキシル基を二つ以上有し、かつヒドロキシル基を一つ以上有する有機酸イオン供給源の(C)銅イオン供給源に対する配合比(モル比)が0.1〜2.0である上記1又は2に記載のエッチング液。
[4](B)マレイン酸イオン供給源が、マレイン酸、無水マレイン酸、及びマレイン酸のアルカリ金属塩から選ばれる少なくとも一種である上記1〜3のいずれかに記載のエッチング液。
[5](B)マレイン酸イオン供給源の(C)銅イオン供給源に対する配合比(モル比)が0.1〜30である上記1〜4のいずれかに記載のエッチング液。
[6](D)アンモニア及び/又はアンモニウムイオン供給源が、アンモニア、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、及びリンゴ酸アンモニウムから選ばれる少なくとも一種である上記1〜5のいずれかに記載のエッチング液。
[7](D)アンモニア及び/又はアンモニウムイオン供給源の(C)銅イオン供給源に対する配合比(モル比)が0.1〜60である上記1〜6のいずれかに記載のエッチング液。
[8]エッチング対象物を上記1〜7のいずれかに記載のエッチング液に接触させることを特徴とする銅及びモリブデンを含む多層膜のエッチング方法。
[9]多層膜が、モリブデンまたはモリブデンを主成分とする化合物の層と、銅または銅を主成分とする化合物の層を積層した二層膜である上記8に記載のエッチング方法。
[10]多層膜が、モリブデンまたはモリブデンを主成分とする化合物の層と、銅または銅を主成分とする化合物の層、およびモリブデンまたはモリブデンを主成分とする化合物の層を順に積層した三層膜である上記8に記載のエッチング方法。
また本発明によれば、例えば大面積の基板に対するエッチング液のスプレーの当たり方が基板内の場所によってムラになった場合にも、そのような場所におけるエッチング速度が変化しないため、ディスプレイの大型化を達成することができる。
すなわち、エッチング液の流量に分布が生じても基板のいずれの場所においてもエッチング速度がほぼ一定に保つことができ、生産性と基板の品質の向上が図られる。
本発明のエッチング液は銅及びモリブデンを含む多層膜をエッチングするエッチング液であって、(A)分子内にカルボキシル基を二つ以上有し、かつヒドロキシル基を一つ以上有する有機酸イオン供給源、(B)マレイン酸イオン供給源、(C)銅イオン供給源、及び(D)アンモニア及び/又はアンモニウムイオン供給源を配合してなり、pHが5〜8であることを特徴とするエッチング液である。
本発明のエッチング液で用いられる(A)有機酸イオン供給源(以下、単に(A)成分ということがある。)は分子内にカルボキシル基を二つ以上有し、かつヒドロキシル基を一つ以上有する有機酸構造を含むものである。この(A)有機酸イオン供給源はエッチング後の基板を水リンスする際、基板上の残渣物や析出物の発生を抑制しうるものである。(A)有機酸イオン供給源としては、例えばリンゴ酸、酒石酸、シトラマル酸などのモノヒドロキシジカルボン酸;クエン酸、イソクエン酸などのモノヒドロキシトリカルボン酸;グルカル酸、ガラクタル酸などのヒドロキシ糖酸類;ヒドロキシアミンのカルボン酸類などの有機酸が好ましく挙げられ、これらを単独で、又は複数を混合して用いることができる。これらのなかでも、エッチング液中で安定した溶解性を示し、かつ基板上の残渣物や析出物の発生を抑制する観点からは、モノヒドロキシジカルボン酸及びモノヒドロキシトリカルボン酸が好ましく、特にクエン酸、リンゴ酸、及び酒石酸が好ましい。
また、(A)成分としては上記した有機酸のアンモニウム塩、例えばクエン酸アンモニウム、リンゴ酸アンモニウム、酒石酸アンモニウムなども好ましく挙げられる。なお、これらの有機酸のアンモニウム塩は、(A)成分としての機能を有しつつ、後述する(D)アンモニア及び/又はアンモニウムイオン供給源としての機能も有する。
また、(A)成分としては上記した有機酸の銅塩も用いることができる。なお、これらの有機酸の銅塩は、(A)成分としての機能を有しつつ、後述する(C)銅イオン供給源としての機能も有する。
本発明のエッチング液における(A)成分の配合量は、0.01〜1モル/kg−エッチング液の範囲が好ましく、0.02〜0.8モル/kg−エッチング液がより好ましく、特に0.03〜0.7モル/kg−エッチング液が好ましい。
本発明のエッチング液で用いられるマレイン酸イオン供給源(以下、単に(B)成分ということがある。)としては、マレイン酸イオンを供給できるものであれば特に制限はないが、マレイン酸、マレイン酸ナトリウム、マレイン酸アンモニウム、マレイン酸銅などのマレイン酸塩類を単独で、または複数を混合して用いることができる。また、マレイン酸の酸無水物である無水マレイン酸は水と容易に反応してマレイン酸を生成することから無水マレイン酸を用いることもできる。これらのなかでも入手の容易さなどの点からマレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸二ナトリウムを用いることが好ましく、特に無水マレイン酸が好ましい。
なお、(B)成分としてマレイン酸アンモニウムを用いた場合には、(B)成分としての機能を有しつつ、後述する(D)アンモニア及び/又はアンモニウムイオン供給源としての機能も有する。また、(B)成分としてマレイン酸銅を用いた場合には、(B)成分としての機能を有しつつ、後述する(C)銅イオン供給源としての機能も有する。
本発明のエッチング液における(B)成分の配合量は、0.02〜2モル/kg−エッチング液の範囲が好ましく、0.04〜1.6モル/kg−エッチング液がより好ましく、特に0.06〜1.4モル/kg−エッチング液が好ましい。
本発明のエッチング液で用いられる(C)銅イオン供給源(以下、単に(C)成分ということがある。)は、銅(II)イオンを供給できるものであれば特に制限はないが、良好なエッチング速度を得るために銅のほか、硫酸銅、硝酸銅、酢酸銅、塩化第二銅、臭化第二銅、フッ化第二銅、及びヨウ化第二銅などの銅塩が好ましく挙げられ、これらを単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。また、クエン酸銅、酒石酸銅、リンゴ酸銅などの上記(A)有機酸イオン供給源の銅塩も好ましく挙げられる。また、(B)マレイン酸の銅塩も用いることができる。これらのなかで銅、硫酸銅、及び硝酸銅がより好ましく、特に硫酸銅、及び硝酸銅が好ましい。なお、(A)有機酸イオン供給源の銅塩は、(C)成分としての機能を有しつつ、(A)成分としての機能も有する。また、(B)マレイン酸の銅塩は、(C)成分としての機能を有しつつ、(B)成分としての機能も有する。
本発明のエッチング液における(C)成分の配合量は、0.01〜1モル/kg−エッチング液の範囲が好ましく、さらに、0.02〜0.9モル/kg−エッチング液が好ましく、特に0.02〜0.8モル/kg−エッチング液が好ましい。(C)成分の配合量が上記範囲内であれば良好なエッチング速度が得られる。
本発明のエッチング液で用いられる(D)アンモニア及び/又はアンモニウムイオン供給源(以下、単に(D)成分ということがある。)は、アンモニア及び/又はアンモニウムイオンを供給できるものであれば特に制限はなく、アンモニアあるいはアンモニウム塩を用いることができる。
アンモニウム塩としては硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウムのほか、(A)成分の有機酸のアンモニウム塩として例示したクエン酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、及びリンゴ酸アンモニウムなどの(A)有機酸イオン供給源のアンモニウム塩なども好ましく挙げられ、これらを単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、アンモニア、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、及びリンゴ酸アンモニウムが好ましい。なお、(A)有機酸イオン供給源のアンモニウム塩は、(D)成分としての機能を有しつつ、(A)成分としての機能も有する。また、(B)マレイン酸アンモニウムは、(D)成分としての機能を有しつつ、(B)マレイン酸イオン供給源としての機能も有する。
本発明のエッチング液における(D)成分の配合量は、0.05〜15モル/kg−エッチング液の範囲が好ましく、0.1〜10モル/kg−エッチング液がより好ましく、特に0.2〜10モル/kg−エッチング液が好ましい。
本発明のエッチング液における(A)有機酸イオンの配合量は、(A)成分の量、あるいは(C)成分が(A)有機酸イオン供給源の銅塩の場合、及び/又は(D)成分が(A)有機酸イオン供給源のアンモニウム塩の場合は、(A)成分の量とこれら(C)成分及び/又は(D)成分の量との合計量となる。そして、該(A)有機酸イオンの配合量は、(C)銅イオン供給源に対する配合比(モル比)として0.1〜2.0であることが好ましく、0.15〜1.5がより好ましく、特に0.2〜1.0が好ましい。(A)有機酸イオンの配合量が大きくなりすぎると、エッチング速度が遅くなる。本発明のエッチング液における有機酸イオンの含有量が上記範囲内であれば、基板上の残渣物や析出物の発生を効率的に抑制することができ、エッチング速度や配線断面形状も良好となる。
本発明のエッチング液では、pH調整を行うため、必要に応じて(E)pH調整剤を配合することができる。(E)pH調整剤としては、該エッチング液の効果を阻害しないものであれば特に制限はなく、アンモニア、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの金属水酸化物。モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンなどのアミン塩。塩酸、硫酸、及び硝酸などの無機酸などが好ましく挙げられる。なかでも、アンモニア、水酸化カリウム、硫酸がより好ましい。
本発明における(E)pH調整剤の配合量は、本発明のエッチング液のpHを5〜8とするような量であり、他の成分により決定されるものである。
本発明のエッチング液は、pH5〜8であることを要し、より好ましくはpH6〜8である。pH5未満であるとエッチング速度が遅くなりすぎる。また、pH8よりも大きいと、配線断面形状が不良となるうえ、エッチング液からアンモニアの揮発が生じるため、エッチング液の安定性や作業環境を損なうおそれがある。
本発明のエッチング液は、上記した(A)〜(D)成分、及び必要に応じて添加する(E)pH調整剤のほか、水、その他エッチング液に通常用いられる各種添加剤をエッチング液の効果を害しない範囲で含むことができる。水としては、蒸留、イオン交換処理、フイルター処理、各種吸着処理などによって、金属イオンや有機不純物、パーテイクル粒子などが除去されたものが好ましく、特に純水、超純水が好ましい。
本発明のエッチング方法は、銅及びモリブデンを含む多層膜をエッチングする方法であり、本発明のエッチング液、すなわち(A)分子内にカルボキシル基を二つ以上有し、かつヒドロキシル基を一つ以上有する有機酸イオン供給源、(B)マレイン酸イオン供給源、(C)銅イオン供給源、及び(D)アンモニア及び/又はアンモニウムイオン供給源を配合してなり、pHが5〜8であることを特徴とするエッチング液と、エッチング対象物とを接触させる工程を有するものである。本発明のエッチング方法により、銅及びモリブデンを含む多層膜を一括でエッチングを行うことができ、かつエッチング残渣や析出物が発生しない。また、エッチング液の流量分布によらずエッチング速度が一定であり、例えば基板に対するエッチング液のスプレーの当たり方が基板内の場所によって均一でない場合においてもエッチングがムラにならず、基板内のいずれの場所においても均一にエッチングすることができる。
銅または銅を主成分とする化合物としては、銅(金属)や銅合金あるいは酸化銅、窒化銅などが挙げられる。モリブデンまたはモリブデンを主成分とする化合物としては、モリブデン(金属)やモリブデン合金、あるいはその酸化物や窒化物などが挙げられる。
本発明のエッチング方法においてエッチング対象物は、例えばガラス等の基板上に、モリブデンからなる層と銅からなる層およびモリブデンからなる層を積層してなる三層膜を形成する。その上にレジストを塗布し、所望のパターンマスクを露光転写し、現像して所望のレジストパターンを形成したものをエッチング対象物とする。このような銅及びモリブデンを含む多層膜は、フラットパネルディスプレイ等の表示デバイスの配線などに好ましく用いられるものである。
モリブデン/銅/モリブデン/ガラス基板の作製
ガラス基板(寸法:150mm×150mm)上にモリブデンをスパッタしてモリブデン(金属)からなる層(モリブデン膜厚:200Å)を成膜し、次いで銅をスパッタして銅(金属)からなる層(銅膜厚:5000Å)を成膜し、再びモリブデンをスパッタしてモリブデン(金属)からなる層(モリブデン膜厚:200Å)を成膜し、モリブデン/銅/モリブデンの三層膜構造とした。さらにレジストを塗布し、ライン状パターンマスク(ライン幅:20μm)を露光転写後、現像することで、レジストパターンを形成したモリブデン/銅/モリブデン/ガラス基板を作製した。
容量10Lのポリプロピレン容器に純水3.46kgと(A)分子内にカルボキシル基を二つ以上有しかつヒドロキシル基を一つ以上有する有機酸イオン供給源としてクエン酸水溶液(濃度:50質量%、扶桑化学工業株式会社製、分子量192.1)1.40kgと、(B)マレイン酸イオン供給源としてマレイン酸(和光純薬工業株式会社製、特級グレード、分子量116.1)1.00kgと、(C)銅イオン供給源として硫酸銅五水和物(和光純薬工業株式会社製、特級グレード、分子量249.7)1.56kg、および(D)アンモニア及び/又はアンモニウムイオン供給源の一つとして硫酸アンモニウム(和光純薬工業株式会社製、特級グレード、分子量132.1)0.30kgを投入した。攪拌して各成分の溶解を確認した後、(E)pH調整剤でありかつ(D)成分の一つでもあるアンモニア水溶液(濃度:28質量%,三菱瓦斯化学株式会社製)2.28kgを加えて、再び攪拌し、エッチング液を調製した。得られたエッチング液の(A)成分の配合量は0.36モル/kg−エッチング液であり、(B)成分の配合量は0.86モル/kg−エッチング液で、(C)成分の配合量は0.63モル/kg−エッチング液で、(A)成分の(C)成分に対する配合比(モル比)は0.58で、(B)成分の(C)成分に対する配合比(モル比)は1.37である。(D)成分の配合量は、硫酸アンモニウムの配合量(0.23モル/kg−エッチング液の二倍量)とアンモニア水溶液の配合量(3.75モル/kg−エッチング液)との合計で4.21モル/kg−エッチング液であり、(D)成分の(C)成分に対する配合比(モル比)は6.7であった。また得られたエッチング液のpHは7.0であった。
このエッチング液を用いて、参考例1で得られたレジストパターンを形成したモリブデン/銅/モリブデン/ガラス基板に対し、小型エッチング機(関東機械工業製)を使用して、35℃でスプレー処理を行った。モリブデン/銅/モリブデン/ガラス基板は、成膜面が上方になるようにして水平に設置し(位置は固定、揺動しない)、スプレーノズルは鉛直下向きにして固定した(首振りしない)。スプレーノズルには、スプレーの当たり方が均一ではなく、スプレー流量に分布があるノズル(スプレーパターンが円形であり、流量分布が円の中心で大きく、周縁部で小さい、ノズルの直下にあたる円の中心における単位面積当たりの流量が周辺部における流量の2倍になっているノズル)を用いた。レジストで覆われていない部分のモリブデン/銅/モリブデン積層膜が消失し、透明なガラス基板が露出するまで時間(ジャストエッチング時間)は、目視で確認した結果、58秒であり、基板内の全ての場所で同時に透明なガラス基板が露出する様子が確認された。87秒エッチング(50%オーバーエッチング条件)後のモリブデン/銅/モリブデン/ガラス基板を水でリンスした後、ブロワーで乾燥し、光学顕微鏡を用いて観察した結果、パターニングされたレジストで覆われた以外のむき出しのモリブデン/銅/モリブデン積層膜が完全に消失していることが確認された。ガラス基板上に、残渣や析出物は確認されなかった。結果を第1表にまとめた。
実施例1において、エッチング液の組成を第1表に示される組成とした以外は実施例1と同様にしてエッチング液を調製し、該エッチング液を用いてスプレー処理(50%オーバーエッチング条件)を行った。
実施例1において、(B)マレイン酸イオン供給源を配合せず、エッチング液の組成を第2表に示される組成とした以外は、実施例1と同様にしてエッチング液を調製し、該エッチング液を用いてスプレー処理(50%オーバーエッチング条件)を行った。その結果、(B)マレイン酸イオン供給源を含まない比較例1では、基板内においてスプレーノズルの直下(薬液流量が大きい箇所)が先に透明になり(71秒)、次第にその周り(薬液流量が小さい箇所)が透明になっていく様子が確認された(基板全体が透明になるには86秒を要した)。すなわち、基板内を均一なエッチング速度でエッチングすることはできなかった。
実施例1において、(B)マレイン酸イオン供給源の代わりにその他の有機酸成分を配合し、エッチング液の組成を第3表に示される組成とした以外は、実施例1と同様にしてエッチング液を調製し、該エッチング液を用いてスプレー処理(50%オーバーエッチング条件)を行った。その結果、(B)マレイン酸イオン供給源の代わりに、コハク酸、グリコール酸、または、乳酸を配合した比較例2〜4でも、基板内においてスプレーノズルの直下が先に透明になり、次第にその周りが透明になっていく様子が確認された。また、(B)マレイン酸イオン供給源の代わりに酢酸を配合した比較例5では、逆に、基板内においてスプレーノズルの直下の周り(薬液流量が小さい箇所)が先に透明になり(72秒)、次第にノズル直下(薬液流量が大きい箇所)に向かって透明になっていく(82秒)様子が確認された。また、(B)マレイン酸イオン供給源の代わりに、フマル酸、または、フタル酸を配合した比較例6〜7では、フマル酸、または、フタル酸が溶解せず、エッチング液を調製することができなかった。
実施例1において、(A)分子内にカルボキシル基を二つ以上有しかつヒドロキシル基を一つ以上有する有機酸イオン供給源を配合せず、エッチング液の組成を第4表に示される組成とした以外は、実施例1と同様にしてエッチング液を調製し、該エッチング液を用いてスプレー処理(50%オーバーエッチング条件)を行った。その結果、(A)有機酸イオン供給源を含まない比較例8では、処理後の基板の表面に,残渣(析出物)が確認された。
Claims (8)
- 銅及びモリブデンを含む多層膜をエッチングするエッチング液であって、(A)分子内にカルボキシル基を二つ以上有し、かつヒドロキシル基を一つ以上有する有機酸イオン供給源、(B)マレイン酸イオン供給源、(C)銅イオン供給源、及び(D)アンモニア及び/又はアンモニウムイオン供給源を配合してなり、pHが5〜8であり、且つ(A)分子内にカルボキシル基を二つ以上有し、かつヒドロキシル基を一つ以上有する有機酸イオン供給源の(C)銅イオン供給源に対する配合比(モル比)が0.1〜2.0であるエッチング液。
- (A)分子内にカルボキシル基を二つ以上有し、かつヒドロキシル基を一つ以上有する有機酸イオン供給源が、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸及びこれらのアンモニウム塩から選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載のエッチング液。
- (B)マレイン酸イオン供給源が、マレイン酸、無水マレイン酸、及びマレイン酸のアルカリ金属塩から選ばれる少なくとも一種である請求項1または2に記載のエッチング液。
- (B)マレイン酸イオン供給源の(C)銅イオン供給源に対する配合比(モル比)が0.1〜30である請求項1〜3のいずれかに記載のエッチング液。
- (D)アンモニア及び/又はアンモニウムイオン供給源が、アンモニア、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、及びリンゴ酸アンモニウムから選ばれる少なくとも一種である請求項1〜4のいずれかに記載のエッチング液。
- エッチング対象物を請求項1〜5のいずれかに記載のエッチング液に接触させることを特徴とする銅及びモリブデンを含む多層膜のエッチング方法。
- 多層膜が、モリブデンまたはモリブデンを主成分とする化合物の層と、銅または銅を主成分とする化合物の層を積層した二層膜である請求項6に記載のエッチング方法。
- 多層膜が、モリブデンまたはモリブデンを主成分とする化合物の層と、銅または銅を主成分とする化合物の層、およびモリブデンまたはモリブデンを主成分とする化合物の層を順に積層した三層膜である請求項6に記載のエッチング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011275862A JP5799791B2 (ja) | 2011-12-16 | 2011-12-16 | 銅及びモリブデンを含む多層膜用エッチング液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011275862A JP5799791B2 (ja) | 2011-12-16 | 2011-12-16 | 銅及びモリブデンを含む多層膜用エッチング液 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013124418A JP2013124418A (ja) | 2013-06-24 |
JP5799791B2 true JP5799791B2 (ja) | 2015-10-28 |
Family
ID=48775868
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011275862A Active JP5799791B2 (ja) | 2011-12-16 | 2011-12-16 | 銅及びモリブデンを含む多層膜用エッチング液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5799791B2 (ja) |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000328268A (ja) * | 1999-05-13 | 2000-11-28 | Shikoku Chem Corp | 銅および銅合金のエッチング処理剤 |
KR100396695B1 (ko) * | 2000-11-01 | 2003-09-02 | 엘지.필립스 엘시디 주식회사 | 에천트 및 이를 이용한 전자기기용 기판의 제조방법 |
KR100505328B1 (ko) * | 2002-12-12 | 2005-07-29 | 엘지.필립스 엘시디 주식회사 | 구리 몰리브덴막에서 몰리브덴 잔사를 제거할 수 있는식각용액 및 그 식각 방법 |
JP2009076601A (ja) * | 2007-09-19 | 2009-04-09 | Nagase Chemtex Corp | エッチング溶液 |
TWI480360B (zh) * | 2009-04-03 | 2015-04-11 | Du Pont | 蝕刻劑組成物及方法 |
WO2011099624A1 (ja) * | 2010-02-15 | 2011-08-18 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 銅層及びモリブデン層を含む多層薄膜用エッチング液 |
-
2011
- 2011-12-16 JP JP2011275862A patent/JP5799791B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013124418A (ja) | 2013-06-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6135999B2 (ja) | 銅およびモリブデンを含む多層膜のエッチングに使用される液体組成物、およびそれを用いたエッチング方法 | |
KR102080646B1 (ko) | 구리 및 티탄을 포함하는 다층막의 에칭에 사용되는 액체조성물, 및 이 조성물을 이용한 에칭방법, 다층막 배선의 제조방법, 기판 | |
JP5682624B2 (ja) | 銅層及びモリブデン層を含む多層構造膜用エッチング液 | |
JP5971246B2 (ja) | 銅または銅を主成分とする化合物のエッチング液 | |
JP6420903B2 (ja) | エッチング液組成物、多層膜のエッチング方法、並びに表示装置の製造方法 | |
JP6670917B1 (ja) | エッチング液、被処理体の処理方法、及び半導体素子の製造方法。 | |
JP6176321B2 (ja) | 銅およびモリブデンを含む多層膜のエッチングに使用される液体組成物、およびその液体組成物を用いた基板の製造方法、並びにその製造方法により製造される基板 | |
JP5799791B2 (ja) | 銅及びモリブデンを含む多層膜用エッチング液 | |
JP5874308B2 (ja) | 銅及びモリブデンを含む多層膜用エッチング液 | |
JP6458913B1 (ja) | エッチング液 | |
KR101157208B1 (ko) | 금속배선막 식각 조성물 및 이를 이용한 금속배선막의 패터닝 방법 | |
JP2017199791A (ja) | エッチング液組成物及びエッチング方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20141105 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150615 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150623 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150703 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150728 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150810 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5799791 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |